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おもらし千夜一夜4

327事例7.1「霜澤 鞠亜」と喫茶店。@鞠亜 2:2015/09/19(土) 20:10:03
「……ちょ、ちょっとまって!」

銀狼がボクの所に来てテーブルの二人には聞こえないように背を向けて話す。
正直その行動にボクは驚く。

「(……どうして、ここにいるの……)」

「(え、……ど、どうしてって……お茶しに来ただけなんだけど……)」

大体銀狼のグループと同じ理由。それを素っ気無く……っと言ってもそう言う振りをしたかっただけで、実際は可也動揺した態度が……。
銀狼はそれを聞くと小さく嘆息して――――嘆息するとか失礼でしょ……――――続けた。

「(……どうする? 謝る? なにか手伝う?)」

ボクはその言葉に視線をあさっての方向に向ける。

「(……言い難いのはわかるけど……)」

――違う。綾は全然わかってない。

ボクは謝る事が嫌とか言い難いからとか、そんな理由で視線を逸らしたわけじゃない。
……いや、実際そう言うのは苦手ではあるけど。
綾は……銀狼はボクの事を覚えていないはずなのに、どうしてそこまで親切にしてくれるのか……。
誰にでも優しいのか、それとも無意識に昔のように接してしまうのか。
どちらにしても、銀狼の優しさに触れるのは、正直辛かった。

「(いい、一人で何とかする……む、無理そうならフォローしてくれると……まぁ…ちょっとは助かるけど……)」

【挿絵:http://motenai.orz.hm/up/orz57216.jpg

だけど、ボクの口から出た言葉は甘えた――――ついでに捻くれた――――内容。
その優しさに甘える資格なんてボクには無いはずなのに……。

「(……わかった…余り期待はしないでよ)」

優しく返された言葉。
仄かな温かみを感じながら、同時に胸を締め付けるような息苦しさを覚える。
甘えるどころか、こうしている事自体がいけない事……。
わかってる筈なのに、もっと邪険にして、関わらない方が絶対綾のためなのに……。


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