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おもらし千夜一夜4

301事例2裏「朝見 呉葉」と弱い心。@呉葉 10:2015/05/11(月) 20:12:12
……。
私は……結局何も出来ない。
変態の雛倉さんですら、篠坂さんを心配して助け舟を出して上げれるのに……。
『声』が……助けが聞こえてるのに、私は行動できない。助けられない。
私は、昔と何も変わっていない。
行動力が無くて、馬鹿で、誰も守れなくて……。
昔、私は言った。「――……いつか私も正義の味方になってみたい」って。
でも、私はやっぱり駄目なのかも知れない。

……でも、だからこそ……雛倉さんを矯正しないと……そうしなければ。



いつしか時間が過ぎ去り、授業が終わった。



私はレポートを提出して、お手洗いに向かうために教室を出る。

「ねぇ、呉葉ちゃん」

――うぅ……また、変なタイミングで……。

振り向くと黒蜜さんが少し悲しんでる様な怒っているような表情をしていた。

「なに?」

冷たく、無機質な声で応答する。
もう少し、普通に言えたらいいんだけど……。

「あやりんに強く当たるの、もう少しどうにかならないかな……?
事情があるのかどうか、よくわからないし、強制はしない……けど、あやりんは私の親友だから……。
あやりんも無視しちゃってはいるけど……あれでも結構凹んでると思うの、だから……ね?」

私は何も返せない。
少しだけ下を向いて……何て言えばいいのか思考を巡らすが、やはり返せない。
黒蜜さんは廊下の端に寄り、壁にもたれかかるようにして続けた。

「……呉葉ちゃんとは中学の間ずっと同じクラスだったからさ……悪い人じゃないってことは知ってるから……
2人が仲悪いのはちょっと私辛くてさ……」

しばらく沈黙が続く。

「ごめんね……勝手な事言って……」

黒蜜さんは私の脇を通り、教室の方へ行く。
私は心の中で謝る。本当に謝るべき相手は雛倉さんであることは分かってる。
でも、どうすることも出来ない自分の弱さに、今はただ、後姿を見せる黒蜜さんに心の中で謝ることしか出来なかった。


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