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おもらし千夜一夜4

1名無しさんのおもらし:2014/03/10(月) 00:57:23
前スレ
おもらし千夜一夜3
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156事例8「雛倉 綾菜」と病気の日。①:2014/10/18(土) 23:43:22

――ん……えっと。

朝起きて視線を壁掛けの時計に向けるとそろそろ授業が始まる時間だった。

……。

……。

――って! 遅刻!

明らかに間に合わない。そうは思うが私は慌ててベッドから上体を起こ――せない?
一瞬金縛りにでも合ったのかと思ったが、身体に上手く力が入っていないらしい。
そしてその直後、力の入らない身体を無理に動かそうとしたからなのか
もしくは何か考えたのが原因なのか、視界が歪み、寝ているにもかかわらず頭が揺れているような感覚に襲われる。

「はぁ……はぁ……」

――これって……。

自身の荒い息遣いを聞きながら、状況を理解し始める。

――えっと……、風邪?

動かすのも辛い手を、何とか額の上に乗せると……熱いのかなこれ?
自分の手も額も熱いみたいでよく判らない。

でも恐らく風邪。最近夜中までずっと机に向かってるし……。
此処まで勉強したのって高校入試以来だ。あの時も入試終わって直ぐに熱出した。
でも、テストまではまだ期間がある。あと2週間……。
と言うか、この風邪のせいで学校の授業内容がわからないのは痛手でだった。
重要なことを板書か口頭でしか言わない教師も少なからず居る。

まゆは寝ているだろうし、弥生ちゃんは……ちょっと言い難いがなんだか聞き逃してたり、書き損ねてそうでもある。
なので逆に私のノートを見に来ることも多い。

私は荒い息遣いの中、心の中で嘆息した。

とりあえず、無断で休むわけには行かない。
お母さんは……だめだ。普段ならこの時間寝てるはずだけど、たしか今日は泊りがけの仕事があるとか何とか……。

連絡するには自分からどうにかしないといけない。
無理やりどうにか身体を起こす。関節痛に筋肉痛……とてつもなくだるい。
喉も痛く声もまともに出せそうにない。

――あー、油断したなぁ……こんなになるまで勉強して、結果学校休んでたら本末転倒じゃない……。

声が出せない以上仕方がないので、携帯を手に取り、まゆへメールで体調不良を伝える。

メールが終わると、私はとりあえずベッドからゆっくり降りる。
重い身体を覚束無い足取りで引きずるように部屋を出て、廊下を歩き台所を目指す。
食欲はないが喉の渇きが凄まじいのと、喉の気持ち悪さを何とかしたかった。

台所に着くとコップを手に取り水道水を入れて飲む。

「んっ、ゴホッゴホッ」

喉の痛みに咳き込む。
だけど飲まないわけには行かないし、飲んでるときが辛くても、飲み終われば今より楽になる。
私は一杯飲み、そして二杯目を少しずく喉を意識しながら飲む。
それでも、喉の違和感が気になりもう一杯だけ飲む。

「はぁ…はぁ……」

台所でシンクの縁に手を突きながら荒い息をつく。
喉の痛み余り変わりないが、説明し難い気持ち悪さは多少なり解消された。

あとは市販の薬でも飲もう……そう思い、リビングダイニングへ移動してからそれが無理なことに気が付く。

――だめだ、とてもじゃないけどあの高さのものは取れない……。

救急箱なんて普段使わないから家具の上の高いところに……椅子などを使わないと絶対に取れないところ。
椅子を使えば取れるかもしれないが、今の状態だと怪我する可能性のが遥かに高く感じる。
この状態で怪我、下手をして頭をぶつけるとかすると本当に不味い気がする。

私は潔く諦めて、自室に戻る。
戻ると直ぐにベッドに入り寝てしまうことにした。

157事例8「雛倉 綾菜」と病気の日。②:2014/10/18(土) 23:44:15
――
 ――

<……ピンポーン>

――ん?

<ピンポーン>

――えっと来客?

怠いし、面倒くさい。無視してしまおう。
時間だってお昼前だし……。

「おーい、雛倉? 先生だぞー」<ピンポーン>

……。意味がわからない。
なぜに先生が……学校はどうしたのか。

仕方がないので、重い身体を引きずりながら玄関へ向かう。
声も出せないのでとりあえず玄関を開けた。

「あぁーなんか物凄くだらしない格好だなぁ」

――そっか、ジャージでしかも髪も酷いし。

そういわれても仕方がない。

「びっくりしただろ? なんたって私も早退してわざわざ見舞いしにきたんだから」

得意げに笑ってみせる先生。
うん、吃驚だ。何故に早退までしてまで家に来るのか。
ちゃんと仕事して欲しい。

「いやー、見学会のとき、なにか奢るって言って忘れてたから、スポーツ飲料水と風邪薬を奢ってやろうと思ってね」

そういえば、そんなこと言ってた……。

……。

私は熱い顔がさらに熱くなるのを感じる。
もしかして、先生は知ってるかも知れない。私の失敗を。
バス会社から座席のクリーニングの話があったとしたら、先生が私に疑惑を向けるのはパーキングエリアでの会話から至極当然なこと。

「とりあえず、お邪魔するよ」

「…っ!」

玄関先から靴を脱いで勝手に家に上がる先生。それを止めようと声を出そうとするが、喉が痛くて出せない。
先生は開いてる扉を見つけ、中を覗き、そこが私の部屋らしきことを確認すると私の方へ視線を向ける。

「あ、ごめん、歩くのも辛い? 声も出せなさそうだし、結構酷いのか」

廊下の壁に手を付きながら歩く私にそう言う。
そして、私に近づき肩に手を回して支えてくれる。

――本当、良い先生なんだけど……。

先生の名前は文城 雅(ふみしろ みやび)。
今年でこの学校にきて3年目で、去年は雪姉のいクラス担任だった人。
私と雪姉の入試点数勝負についても進路指導の関係で知っているらしく
そのせいで私の入試トップの印象が強くクラス委員長に……流石に負けられない勝負だっただけに後悔はしてないけど。

158事例8「雛倉 綾菜」と病気の日。③:2014/10/18(土) 23:45:06
「はいはい、病人は寝て寝てーっ」

乱暴に……でも最低限の配慮をして私をベッドに寝かせる。
家に人が来てるのに寝てるわけには行かないんだけど、身体がそれを許さず、起きる気力を奪う。

「ちょっと台所でコップ借りてくるわー、どれでもいいでしょ?」

私はとりあえず小さく頷いたが、先生は質問しておいてこっちを見ず部屋を出て行った。
……だったら聞かなきゃいいのに。
本当に適当。前にノリで教師になったとか言ってたし。
でも……正直嫌いではない。時折面倒くさいこともHRで企画してきたりするけど
クラスメイトの殆どがどちらかと言うと好感を持っていると思う。

しばらくして、先生が戻ってくる。

「お待たせ、風邪には水分補給は欠かせないからさー」

そういい、寝ている私の背中に手を入れて起き上がらせて、枕を縦に立て掛け、そこに凭れさせる。

――あー、結構汗かいて蒸れてるのに……凄い迷惑かけてる……。

わざわざここまでしてくれるのも、あの事を知っているから……そう思ってしまう私は少し自己嫌悪する。
私は心の中で首を振り、あの事の事を今は考えないようにする。

「はい、飲んで」

「っ!」<ゴクゴクゴク>

――いやいや、自分で飲むから! 傾けるの早いし! 咳き込んだらどうするのっ!

「っ……はぁ、はぁ……」

何とか飲み切り、呼吸を整える。スポーツ飲料の独特の甘味とほのかな塩見が心地よい。

「あ、まだ欲しい?」

確かに美味しく、心地よかったが、正直別に欲しくなかった。
手か何かで遠慮するジェスチャーをしようと思ったが、もう既にコップに注ぎ始めていた。
断るのも悪い気がして、仕方なくいただくことにする。

<ゴクゴクゴク>

今度は程よい傾け方。先生もさっきのはやりすぎだったと思ったらしい。
飲み終わり、小さく咳き込みながら呼吸を整える。

「まぁ、こんなとこ――あ、薬……水持ってくるわ」

まだ飲ませる気らしい……ちょっとトイレに行きたいし、これ以上飲みたくないのが正直な感想だけど。
でも薬は飲みたい。明日も休むってわけにも行かないし……仕方がない。
それに、折角先生が珍しく優しくしてくれてるんだし、断れない。

159事例8「雛倉 綾菜」と病気の日。④:2014/10/18(土) 23:45:45
「おまたせー」

そう言って先生がコップに8割ほど水を入れて戻ってくる。
ちょっと入れすぎな気もするけど、薬が食道で引っ掛かるとそれはそれで大変なのだから仕方がない。
自分で飲むために手を出すが「じっとしてなさい」と有無を言わせず飲ませてくる。
看病ではなく介護と勘違いしてるんじゃないだろうか……この人。
結局最後まで傾けてくるので、コップの水に溺れないために、全て飲み干す。……お腹がたぽたぽして気持ちが悪い。
これじゃ、本当にトイレが近くなる……考えてみれば、朝起きた時にも3杯ほど水を飲んだ。1杯200mlだとして1200mlも飲んでしまった計算。
そして、前日の夜、勉強するのに眠気を覚ますためコーヒーも2〜3杯飲んだし、
最後にトイレに行ったのも深夜2時頃で――そのときコーヒーはまだ1杯目を飲んでる途中だった気がする。

……。

そう考えると、急に尿意が強くなった気がした。
寝ている間は尿の生成は抑制されるはずだし、風邪で随分汗も掻いた……。
布団の中で膀胱辺りを軽く押してみる……張ってはいない、けど押している時は鈍い尿意を感じる。
まだ、当分我慢できる。先生がそこまで居座るとは思えないし。
それにどうしても我慢できなければ、恥を忍んで済ませに行けば良いだけだ。

「さてさて、薬も飲んだし寝る寝る! あ、それとも昼に……って薬飲んでから食べさせて良かったっけ?」

私の身体を横に倒しながら言う。多分薬の大半は食後だと思う。
案の定先生は薬の箱を見ながら“失敗した”顔をしていた。

「あ、そういえば今日クラスの係りとか1限目に決めてね」

――クラスの係り……そういえばそんなこと言ってたっけ……。

うちの学校は、1年に2回、つまり前期と後期で係りが変わる。
実際に係りの仕事を行うのは2学期の中間テストが終わってからになる。

「で、結論から言って雛倉はいいんちょさん継続になったぞ」

……まぁ、予想はしてたけど。

「クラスで目を塞いで採決って奴で、賛成8人、反対1人、残りどっちでも良いって感じ」

そうなるだろう。賛成を選べば面倒な仕事を私に押し付けられ、自分がする可能性が減る。
どっちでも良いは、本当にどうでもいいのだと思う。

「そうそう、雛倉の友達の黒蜜と篠坂は賛成だったよ」

……裏切り者――とは言わないけど。まゆはなんだかんだ言っても手伝ってくれるし、弥生ちゃんは元より私に向いてる様なこと言っていた。
少し気になるのは反対の一人だけど……目を塞がせて採決を採るくらいなんだから普通教えてくれないだろう。
というか、賛成の二人を言うのも友達とはいえどうなのかとは思う。

――そんなことより、トイレ……本当に大丈夫かな?

クラス委員長を継続と言う非常に残念なニュースよりも、先生の話が長くなるんじゃないかって心配のが強くなってきた。
できれば先生が帰るまではトイレに立ちたくない。

「――にしても、なにこれ勉強してたの?」

いつの間にか私から少しはなれて、私の机の上に散らばっている教科書を見ていた。

「教科書だけじゃなく図書室の参考書も? なになに〜? 2学期からは優等生の本領発揮ってわけかな?」

私は視線を逸らす。
なんとなく頑張ってるってバレるのが恥ずかしい。

「打倒朝見――ってところ?」

私は朝見さんの名前を聞いてほんの少し身体を強張らせる。
図星を付かれた――だけでなく、そんなリアクションを取ってしまったのは、最近頭から離れない人の名前だったから。

「……そう、頑張んなさいよ。雛倉をいいんちょにしたのは私みたいなもんだし、私のためにも朝見に負けないようにね」

……先生のためには頑張りません。
本気で言ってるわけじゃないのはわかってるけど。

――けど……本当、不味いな……。

尿意の急激な高まり。
座っていても膀胱に感じる重みが一秒一秒増して行くのがわかる。

そして、また別の事を話し出した。
早く話を止めて帰ってもらうために、布団を被って聞いてないアピールをするが効果がないみたいだった。

160事例8「雛倉 綾菜」と病気の日。⑤:2014/10/18(土) 23:46:37
――
 ――
  ――

「雛倉さん」

「……な、なに?」

私は朝見さんの呼びかけに恐る恐る答える。

「下着見えてますけど?」

その言葉に私はスカートがあるべき下半身に視線を向ける。

――っ!

「……え、あっ! なんで!?」

だけどそこにあるべきスカートがなく、下着丸出しで――下着が見えてるなんて生易しい表現ではなかった。
私は、座り込み上の制服の可能な限り下へ引っ張る。そうすることで何とか隠そうとした。

「大丈夫、それなら見えてませんから。……でも――」

朝見さんは特に動じもせずに話していたが、途中で言い詰まる。
私は真っ赤な顔をしながら彼女の言葉を待つ。

「それじゃ困りますね。下手に動くと下着が見えるので、トイレには行けないわけですから」

――トイレ……あぁ、そういえば私、トイレに行きたかったんだ。

意識したとたんに急激に尿意が膨れ上がる。
もう既に本当に漏れそう。そんな段階まで来てる。
私は引っ張る服の下に片手だけ入れて下着の上から必死に抑え込む。

――や、やだ、本当にでちゃう、もれちゃ――ど、どうしよ…こんな格好じゃ皆に……。

周りから視線を感じて、顔を上げる。
そこにはまゆ、弥生ちゃん、山寺さん、睦谷さんまで……皆私を違った表情で見ている。
その直ぐ前には指で四角を作り楽しそうに私を見る皐先輩も。

【挿絵:http://motenai.orz.hm/up/orz44665.jpg

「ちょ、皐先輩! み、見ないでください!」

私は真っ赤になりそう叫ぶが、見るのを止めてくれない。

「狼さん、ちょっとお手を拝借でーす」

突然横から霜澤さんが出てきたと思ったら、下着を抑える手をつかまれ上に上げられる。

「え、ちょっ――」

焦る私は服を引っ張っていた手を慌てて出口を塞ぐ応援に回す。だけど――

「そんなはしたないこと……やめた方がいいわ」

朝見さんはその手を掴み、霜澤さんと同じように上に上げる。

「あ、ちょ……だ、ダメ離し…んっ……だめ…でちゃう、から、お願い……もれちゃう……あぁやぁ――」

下着の中で大切な部分が抉じ開けられるそんな前兆を感じた。

161事例8「雛倉 綾菜」と病気の日。?:2014/10/18(土) 23:47:31
――
 ――
  ――

――んっ……あ、あれ?

息苦しさに目を開けると見慣れた天井があった。
自宅。そう理解する。だけどその直後に鋭い尿意を感じて、布団の中でうずくまる様にして両手で局部を抑えこむ。
夢の内容がぼやけつつあるなか、そこが濡れていなかったことに安堵した。でも、まるで夢の中で感じたような鋭い尿意が私を攻める。
抑えこむ手の直ぐ上、手首付近に膀胱がパンパンに張っているのがわかる。

「あぁ……んっ、だめ――……我慢…我慢しなきゃ」

我慢で混乱しているはずなのに、頭の片隅で、声が出せる程度に喉の痛みが治まっていることに気が付く。
同時に、失念していた先生の存在も思い出し、布団から顔だけ出して周囲を見渡す。

――い、いない? 帰ったの…かな? あぁ、ダメ……。

先生はいない。だったら今すぐトイレに行ける。
そう思ったつもりは無かったが、身体が反応して、尿意は引くばかりか強くなる。
普段生成量が少なくなる睡眠中に、これだけ沢山の恥ずかしい熱水が溜まってしまうのは
過剰すぎる水分摂取が原因なのは言うまでもなく、昨夜から一度も排出することが許されていない膀胱はもう限界だった。
両手で抑え、それでも足らず押しつぶすように何度も力を入れる。だけど――

<ジヮ……>

「(あ…っ! や……くぅ…んっ…、待って、こ、ここじゃ……)」

布団の中でしてしまうのはおねしょの直らない子だけ。
私は高校生で、しかも今は寝てすらいない。してしまうわけにはいかない……。

<シュ……>

――んっ!

また抑え切ることが出来ずに下着に熱い感覚を生み出してしまう。
トイレに行かなければ……だけど、今は動けない。動いたら決壊する。
なんとかもう少し落ち着くまで耐えてそれから――

<ジュ…シュワ……>

「あっ……あぁ……」

今度は2回に分けて少し多めに溢れ、ジャージの上にまで染み出し手にそのぬくもりを感じる。
それでも、尿意は一向に引かず、なおも膀胱を震わす。

162事例8「雛倉 綾菜」と病気の日。⑦:2014/10/18(土) 23:48:17
――だ、だめだ……我慢できないっ!

<バサッ>

私は布団を押し上げて、ベッドから飛び出す。

「あっ、うぅ……」<ジュー……>

だけど、そのままトイレまでは走り出すことが出来ず、噴出す感覚を受けて自室の床に膝を付く。
また今までよりもずっと多い量。ジャージから滴る一歩手前……それほどまでに濡らしてしまった。

こんなになるまで寝ていたなんて……恐らく風邪薬の副作用に睡眠作用があったのだと思う。
寝ている間にせずに済んだのは、私が高校生で、もうそんなことをするはずの無い身体だから。
だけど、おもらしだってしちゃいけないはずなのに、我慢しなきゃいけないのに、直ぐにいけるはずのトイレが部屋を出れば直ぐあるのに。
そこまでの距離が今の私には凄く遠い。

「や――」<ジューーッ……シュワァ……><ピチャ、ピチャ……>

もうおチビリとはいえないほどに溢れ出る。
ジャージの内腿に走る線が広がり面になっていき、服の中では膝まで伝う感覚を感じる。
抑える手からも一滴二滴ではない量がフローリングに叩きつけるように落ち、10cm程度の水溜りまで作る。
手だけでは抑えきれず、踵でぐりぐりと押さえるが、その踵が湿っていく感覚が気力を奪う。

――……だ、だめ、これ以上は……直ぐ横には絨毯だってあるのに、しちゃうわけには――

<ジュッ…ジューッ>

また断続的にあふれ出し、踵を濡らしそのままフローリング流れる。
それでも、グリグリと何度も身体を揺すり、時には息を止めて必死に耐えると、少し尿意が引いていくのがわかった。

「はぁー、はぁ…っ、はぁ」

なんども肩で呼吸して、小康状態の中、自身の状態を理解し、情けなくなる。
だけど、ここでこうしてるわけにも行かない。
全体の1割程度の量を失敗してしまったかもしれないが、未だ膀胱はパンパンに張っていて直ぐに次の尿意が来る。
そうなれば、きっとまた沢山溢れさせてしまう。

私は抑えた状態で前屈みに立ち上がり、覚束無い足取りで部屋を出る。
部屋を出て、玄関側に少し歩けば直ぐに目的の場所。
心の隅で気にしていた、「先生は本当にいないのか」と言う心配は、このとき靴が無いのを見て解消された。
玄関の鍵も閉まっている所を見るに、鍵は扉に付いた郵便受けの中ではないかと思う。

「ぁ……」

そんな余計なことを考えていたためなのか、不意にまた大波が押し寄せ、恥ずかしい出口を攻め立てる。
足を震わせ座り込みたくなる気持ちを殺しながら、必死に息を止め耐える。

<ジュウゥー…シュ――>

それでもトイレの手前と言うこともあり、私の悪い癖が働き、我慢が追いつかず溢れ出す。
必死に抑えても、勢いが弱くなるだけで止まらず、私は完全に止めることはもう無理だと悟り、
そのままの状態でトイレへの扉ではなく、お風呂への扉を開く。
もちろんそこに便器などない。あるのは脱衣所と浴室。
私は雪崩込むように浴室に入るとそのまま倒れこむようにへたり込んだ。

「ぁはっ! んっ――」<シィュゥゥ――>

そして、ジャージを脱ぐ余裕もなく局部が熱くなり、服の中で渦巻くのを感じる。

――あぁ、やっちゃった……おもらしだ……これ。

浴室を選んだのは多分正解だった。極度に湿った服はきっと直ぐには脱げず、個室を酷く汚してしまったに違いない。
浴室なら後始末は簡単……だけど、その選択をしてしまった私が凄く惨めで悔しい。
このあとしっかり片付けをすれば誰にもばれることは無い。
それでも、いくらばれなくてもやはりおもらしであり……。
ワザと我慢したわけでもない……純粋なおもらし。

ベッドを汚さなかっただけ良かったと、風邪で体調が悪かったからだと、心の中で言い訳を繰り返して、
無理やり自分を納得させようと無駄な努力をする。

「はぁ……はぁ……」

熱の籠もった荒い息を何度も吐いて、膀胱に溜まった恥ずかしい熱水を途中止まりながらもすべて服を着たまましてしまった。
気持ち良い……こういうのが好きな人の感覚、わからないでもない。
だけど、やっぱり私は後に残る、なんだか落ち着かない喪失感と惨めな気持ちが好きになれない。
しばらく尾を引いてしまうであろうこの憂鬱な気持ちも。

そんなボロボロの心と熱と我慢でフラフラの身体は直ぐには動かせない。
浴室だけでなく、部屋と廊下にも残る情けない自身の失敗の片付けは、まだしばらく後になりそう……。

おわり


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