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オリジナル企画モノ文章

1 :2006/12/30(土) 14:28:10
なんだかんだでできました。プロローグ…いや、もう一話ですねぇw
自分は皆様よりかは文章構成の力とか劣ってるんで…貼りますが皆さんと一緒に組み立てて生きたいと思います。
では・・・。

僕は息を切らせ、道を通っていた。

新品の光沢を放つ自転車で

田舎道を走っていた。



制服のネクタイを風にさらし



辺りには夕焼けに染まった金色の田畑の間を翔け

走り続けて

海へ出た。

僕は浜辺に出て、自電車を降りる。

そしてオレンジ色に染まった海を



腐り切った瞳で眺めていた。


―――――――

雷禅寺 帝(らいぜんじ みかど)、それが僕の名だ。
通常の中学3年より少し高い身長、少し軽めの体重、見た目も何も、どこにでも居る中学3年生。
でも違うところが二つ。

僕は一言で言う「金持ち」だ。

雷禅寺財閥、まあ分かりにくいがとにかく金持ちだ。僕はその財閥の御曹司。
家には執事も居るし給仕さんもいる。でも別にそれは僕にとって自慢に思うようなことでもない。
世の中にはそんな人は指で数えられないほどいるし、そのうち更に上をいく人だって出てくるはずだ。

そしてもうひとつ・・・コレは更に説明しづらいが…


極度の欲求不満だ。

心の中に空洞がある、そんな感じがする。
金、勉強、運動神経、友人関係…特にこれといった不自由も無く人生を過ごし、特にコレといった挑戦や

戦いもしていない。
普通それはいいことなのだろうが、それに不満を持ち始めていた。
好奇心が足りない…緊張感、ワクワク…

無論私生活じゃそんな一面を見せずに生活しているが、普段執事に豪邸から学校まで車で学校に送迎して

もらっているのを、自転車で通学してみたり、こうやって学校帰りに誰も居ない浜辺に来て見たり、欲求

不満を解消するように色々と尽くしてみたがやっぱり駄目だ。
この、『1つだけピースが無くなったジグソーパズルのような虚しい心』は一向に回復する気配は無い。

僕は海を見つめてこう思った


「どうしてこうなってしまったのだろう、何故…」

でもそんなことを海にテレパシーを伝えるように無言で語り掛けても仕方ない…。
もう帰ろう…そう思い、海に背中を向け、再び自転車に乗ろうとする。

『うーん・・・海っていいなぁ・・・。なんだか心が満たされる感じ。』

長すぎるんで続きはレスで・・・。

2 :2006/12/30(土) 14:32:35
続きっす。

背後から、僕の耳に少し高めの声が聞こえてきた。
さっきまでこの浜辺には人がいなかったはず、僕はそう思い再び海に視界を戻す。

『む?僕以外にもここに人…いたんだ。気づかなかったなぁ。』

視界に入ったのは黒い靴、黒いカーゴパンツ、黒いコート、それに黒いフードを被った一人の人…。
人影は自分とほぼ同タイミングでこちらに気づき、こちらを見る。
身長は自分と同じくらい、砂浜をしっかり踏みしめこちらを見ている。だがその素顔は夕闇と影やらの関
係で全て闇に包まれ、見えない。

『ねぇねぇ、海ってなんか心が満たされる感じがするよね!そう思わない?』

自分と同年代ほどの少年だろうか、その割には子供っぽい口調で話している。
こんな子、見たこともない、なのにやたらと馴れ馴れしい。謎だ。
だがひとつ結論が出た。この子…

僕と考えてることが正反対だ。

海を見て何も満たされない僕と対称に、彼は海により心を満たしている。フードの奥に顔があるから分か
らないが、彼はきっと『笑顔』なのだろう。少々前かがみになり右人差し指を鼻の下に置き、なんだか変
な格好だったがきっと「笑っている」。
・・・・・なんだか気分が悪かった。何故かは分からないけど…微妙に腹立たしかった。こんなこと考え
てはいけないのだろうが初対面の彼が何故か憎たらしかった。

人に対する態度としてはいけないことなのだろうが、このむしゃくしゃした気持ちを抑えるためにも僕は
彼から背を向け、浜辺から去ろうとした。





「君…僕が憎いのかい?」


思わぬ言葉が僕の背中に突き刺さる。僕の心を明らかに『読んでいる』。
そして彼は僕の背中に更に言葉を刺して来た。

「そりゃそうだよね…。欲求不満でそれを満たそうとして海に来たのはいいけど、全く満たされずムカつ

いているところに僕みたいに反対意見を言う人間が出てきたら…ムカッと来るよね?」

見事に僕の心を読まれていた。後ろから言葉の『槍』が突き刺さってくる。そうさ、すべて図星さ。でも

さすがにここまで心を読まれると苛立ちというものが心の中で膨らみ、後ろを振り向く。
彼は再び笑っていた。


苛立ちは心の中で膨張し、抑えきれないほどに膨らんでいた。そこで僕はその苛立ち、いや、もう既に『
怒り』に変わりつつあった感情を必死で抑え、一言言葉を吐く。

「あなたは・・・・一体なんなんですか?」

怒りを出来るだけ抑えてその言葉を言った。怒りをここで出してしまってはなんだか負けてしまうような
…そんな気がしていた。彼の前に怒りをだしては。

彼は再び笑いのしぐさをとった。

「アッハッハ!僕ぅ?僕は君の知っている人だよ?何を言っているんだい?」

彼の言葉の通り何故か彼のことを何か知っているような気がした。さっきは彼に丁寧語を使っていたが何
故かぎこちない感じがしていた。彼は一体何なんだ?そう思うのですら変な感じがしてきた。

「君…やっぱり面白いね。僕と一緒に面白い場所に行かない?」

「面白い…場所?」

面白い場所、彼はそういった。欲求不満の僕にしては面白いという感情はどんな宝石よりも欲しいもので
あったし、それがあれば僕の人生は楽しくなると思えた。だがその前に言った「やっぱり」という言葉が

どうにも気になった。
ここで面白い場所へ行くか?このまま去りつまらない人生をまた繰り返すか…2つの選択肢に迷っていた
。ふと「知らない人についていってはいけない」という幼稚園児のころ執事に言われた言葉を思い出した
が今はそんな状況ではない。もしかしたら彼は自分のことをからかっているかも知れない。でも言ってみ
たいと思った、『面白い場所』へ。そして僕は答えた。

「じゃあ連れて行ってくださいよ、そこへ。連れて行けるものならね」

僕は知らない間に不敵な笑みまで浮かべていた。きっと今の僕、客観的にはすごい嫌な人なんだろうな、

そう心の中で何故か一瞬後悔した。
その言葉を聞き彼は笑いをやめ、その場に立ち尽くす。そして彼はフードに隠れた顔をこちらに向けた。

「本当…だな?」

言葉に威圧感がかかる。重い空気が僕の周りを纏った。
声も先ほどと比較的に低めのトーンになっている。何かが変わった気がした。段々周りが夜の闇に暗くな
ってくる。僕はその圧迫感に頭を押された感じになり、思わず頷いてしまった。

あともう一回くらいで終わるか?

3 :2006/12/30(土) 14:39:17
「じゃあ・・・・行くよ。」

彼がその言葉を発した後突然、


あたりが真っ暗になった。


夜による暗闇ではない。雲のカタチも見えない。波の音も消えていた。闇のみが支配する世界に『移動』
したようだった。そして前方に先ほどまで立っていた何も見えない、何も聞こえない、全てが無の孤独の
世界に僕は投げ捨てられた。
だがその中で一言…声が聞こえる。




「さぁ行こう…」



機械音混じりの彼の大きな声が聞こえた。彼の声は孤独の中で一層響き渡る。だがそこに彼の影はない。

「面白い世界へ…行こう!!」

暗闇という閉鎖空間で怪しい声…。僕の体は恐怖感に漬け込まれていた。体の自由が利かない…。だがこ
れは恐怖だけのものじゃない…そんな風にも感じていた。そして・・・

僕の足元からモノの感覚が消えた。

彼の声を聞いたとたん、足に感じていた地面の感触が消えた。周りは真っ暗で壁や地面があることは分か
らなかったが明らかに『落下している』という感覚はあった。服が上にめくれあがっているのがその証拠
である。

「うわっ!」

落下に思わず声を上げた僕。だが落下スピードはとてもゆっくりだった。

暗い闇の中を永遠に堕ち続ける。ゆっくり・・・ゆっくり・・・。
この先に何があるのだろう、面白い世界は本当にあるのか、それとも僕は騙されていて地獄にでも落とさ
れてしまうのか、そんなことを冷静に考える余裕があった。




『雷禅寺帝…デジタルワールドにリアライズします』



今度は全く違う声が聞こえた。今度は完全なる機械により出来た音…。
リアライズ?デジタルワールド?聞いたことのない単語が次々と出てくる。ワールド…面白い世界のこと
だろうか。この暗闇の先にその世界がある・・・そうなのか?暗闇の中で考える僕。



『リアライズ完了度50%…60%…70%…』



リアライズ…だからなんなんだよ…。数が増えていくところから見るとカウントダウンか?

『90%・・・・100%。雷禅寺帝をデジタルワールドに転送します。』


転送…その言葉を聞いた途端


僕の視界が真っ白になった

プロローグ(つーかもう一話か?)完。


こんな感じです。今回は自キャラしか出せませんでした…。すみませんOTL
ここから・・・皆さんと完成させていきたいなぁと思います…。では・・・。

4 :2007/02/09(金) 23:39:36
目の前が真っ暗だ。


身体が重い…眠っているのか。


全身が寝そべっている場所の感覚を感じられない。



徐々に感覚が戻っていく…。



まぶたの感覚が戻った。そこで初めて目をつむっていることに気づく。


目を開けよう。


彼の言っていた『面白い世界』を見よう。










うっすら目を覚ませばそこは

安らぎの『和』の空間だった。

横になった視界に見えるのは澄み切った青い空、チョロチョロと音を立て流れてくる水を受け止める池、
広々とした庭に生えた草、その庭の中でのびのびと育った盆栽…。どこからどうみても日本庭園だった。
今まで浜辺、海の目の前に立っていて、暗闇に落とされて…光に包まれたと思ったらコレだ。

ここはどこだ…。庭が見えるということは縁側なのか…ここは。彼が言った「面白い世界」はここなのか?確かに安らぎはあるがこんな所で僕の欲求不満は消せない。

「ふざけるな」

僕は苛立ちを再び覚えた。あんな暗闇に放り投げられて一瞬恐怖心まで覚えて『面白い世界』までやってきたと思ったのに…コレはなんだ?日本庭園、ホント…ふざけるな。それしか考えていなかった。
とにかくここから出よう。戻ろう。僕は思い、体の感覚が戻るのを待った。
そして腹の空腹感を感じる感覚、胸の息を吸う感覚、唾をゴクリの飲む唾の感覚…だんだん戻ってくる。

そして頬に戻った時…

ムニィ…

頬に柔らかい感触がよぎった。微妙な柔らか感触にほのかで何故か懐かしい暖かさ。感覚の戻った首で別の方向を見た。

顔…女の人の顔が見えた。


「あ、この子起きましたよ〜。」


女の人はそっぽを向き、誰かを呼ぶそぶりでそういう。…女の人…?僕は恐る恐る視線を顔から下の方向へ写す。

鉄仮面を装着しなにやらド派手な服装、翼まである。コスプレか?そこから段々と視線を移し、スマートに収まった腹筋・そこから下半身へと視線を移し、膝の付け根…カタチの様子では正座している。そして

そこから段々目を移すと…僕の手がそこには置いてあった。

肌色のムニムニしたものに手を置いていた。そして頬も…。位置的にここは…

モモ…?

「う・・・・うわっ!!!」

5 :2007/02/09(金) 23:45:26
僕は思わず絶叫し、体を起こして女の人から急いで離れた。
今まで僕はこの女の人に世間一般でいう「膝枕」というものをされていたらしい。全身の血が熱く煮えた

ぎり、顔まで上ってくるのが分かる。熱い。僕は…興奮しているのか?
女の人は正座した状態でこっちを見てこう言う。

「あ、あなた…人間ですよね?家の目の前で倒れてたんですよ。」

人間・・・・何を言ってるんだこの人は。
いくら派手な服に身を包み、鉄仮面を装着していようがその女の人は見た目からして『人間』だった。じゃあアナタは何…?そう聞きたい所であったが膝枕のこともあり、出そうにも声が出せなかった。

改めてそこで周りを見回してみる。日本庭園…縁側…その奥には広そうな和室、そしてこの縁側は奥の廊

下まで続き、その一番奥は長すぎて見えない。相当広い屋敷ということか。
そして恐る恐る改めて彼女に目を移した。
彼女はニコリと優しく微笑み、こちらに手招きをした。そして彼女の後ろにトコトコと奇妙な足音を立てながら小さな影が迫る。

「おぉ…目覚めたか人間よ…」

視界に影の主が入った。ソファほどしかない背丈、みすぼらしい服装に、猫の手の形をした杖…というより孫の手を右手に持ち、マリモの如く生やした白髪と白髭を左手で撫でながらこちらに向かって杖で手招きをしてくる。一瞬感じてしまった。こいつ・・・『明らかに人間じゃない』と…。



とりあえずここで固まっていても何もはじまらない…。とりあえず恐る恐る彼らに近づく。女の人はそこからすくっと立ち上がり、居間の方へ姿を消す。そして老人の方へたどり着き僕の膝の半分ほどしか丈のない老人は僕を見上げ、「こっちじゃ」と居間の方を杖で指し、居間へとスッと入って行く。僕は状況を掴めてはいないのに、何故か導かれるように居間の中に入っていった。



*****************************************

居間は思ったより広々としていて、奥を見渡すと台所もあった。僕と老人はその中央、大きなちゃぶ台があるところまで歩いた。そこで老人はスッと安座し、杖で僕の足元を指す。


「座れ。」


僕は老人に言われる通り、その場に正座した。
さっきの膝枕の絶叫以来、何も喋っていない。老人と言うとおり動いているだけだ。まずここはどこか聞いていない。こいつらは何者なのか、そんなことも聞いていない。僕は気がつけば老人の言われるまま動くことに大して微妙に苛立ちを感じていた。


「あなた達は一体…何者なんですか?」


つい言い放ってしまった。


「そして・・・ここはどこなんですか?」


思っていることを全て言い放ってしまった。あの少年のことといい、暗闇でのことといい、ストレスが溜まっていたのか、本音を心の中で抑える力がなくなっていたのだろう。


一時の空白が居間を支配する。


聞こえる音は池に流れる水の音と、時々そよぐ風の音。
やっぱり聞くべきではなかった…僕はうつむき自分のふとともを見て後悔した。そりゃ初対面の赤の他人

に『何者』とか化け物扱いするようなこと聞くこと自体が人として…『どうだよ』
こうやって考える時間がとても長く感じた。
謝らなくては…僕はうつむいた顔を何とか持ち上げ、老人の顔を見る。


思ったより普通にしていた。


その場に安座し腕を組み、髪の毛で隠れているが多分こちらを見つめているのだろう。だが不満そうな表情は何故かそこからうかがえなかった。
だがそれより驚くことが、ちゃぶ台の上にあった。
茶色く四角い…芋ようかんのようなものとお茶が置いてあった。老人の隣りではおぼんを抱えたさっきの女の人が『ニコニコした表情』でこちらを見ている。その微笑みは美しく、大げさに言えば『天使』…天使の笑顔だった。


「ささっ、食べてくださいな。」


とりあえず僕はその場しのぎにペコリの会釈をし、ようかんらしきものの隣りに置いてあったフォークに手を移す。そしてフォークでそれをすーっと切り、口に運ぼうとした。切れた感触も、ほんのり香る匂いもようかんそのもので、それもかなり上質なものだった。様々な大富豪との食事で、和菓子も何度も食べたが、ここまで食べる前の風味に感動しそうになったのは久しぶりだった。とりあえず食べよう…はなしはソレからだ。気がつけばようかんに夢中になっていた僕。


「わしらはデジタルモンスター…、略してデジモン。」


口に運ぶ直前、老人は口を開いた。


「動物とは違う生物、それらわしらだ。ここは私たちが住む世界…デジタルワールド。おぬしはその世界に導かれた…我らとは違う生物、人間。」

話を聞きつつ食べようとしたようかんらしきものを皿の上に再び置いた。とりあえず話を聞いてみると…

6 :2007/02/09(金) 23:52:14
まず言えるのはここは『地球上に存在する実際の世界ではない』、そしてこいつらは『動物じゃない別の

生物』…ということは理解できた。
そこで老人はまだ話を続行する。

「わしの名はジジモン…隣りのコイツの名はエンジェウーモン…わしらはみんなデジモンなのだよ」

モン…2人の名前にはこの単語が共通して存在している。とりあえず考えてみればこいつら『化け物』なわけだがやはり動物ということだし、他にも〜モンという別種類の化け物もいるのだろうか。

「でも・・・・僕はどうしてここに来てしまったんでしょうか…」

とりあえずその疑問を捨て、最初から持っていたこの疑問を聞く僕。聞く前にここが別種の生物が住む異

世界ということを聞き、とりあえずとっととここを抜けたいという別種の『恐怖』を感じていた。でもコレは何かの夢だ、そう感じその恐怖を無理やり消していた。だがやっぱり気になって聞いてしまった。

「うむぅ・・・わしには分からんな…。だが考えられるものといえば…君はこの世界に誘われた…言い方を悪くすれば『誘拐』…じゃな。」

そうボソッとつぶやくと、ジジモンは手元のお茶をズビズビとすする。誘拐誘拐・・・・誘拐!?誘拐とはアレか…たち悪そうな人間が人をさらって身代金を要求する……!!!とにかく誘拐という言葉に頭をとらわれ、無意識にポケットを探る。多分携帯電話を見つけて警察に通報…とか考えている。本来自分の

中学では校内への携帯電話の持ち込みは禁止のはずだが、執事とかとの連絡のためにこっそり持って着ているのだ。だがポケットの中で感じる感触は携帯電話とは違う…

異型の感触だった。

とりあえず更に触れてみる。自分の持っていたコンパクト的なカタチをした携帯とは違う…変な感触。ゴムのような感触もある。そして恐る恐るソレを取り出した。


玩・・・・・・・・・・・・・・・・具?


今時の子供のおもちゃというのはよく分からないが、携帯ゲームらしき形…。縦長のフォルム、消しゴム

ほどのサイズの液晶画面、いくつかのボタン、横には手に持つためのゴムグリップまで付いている。
明らかに自分の物では無かった。見に覚えが無かった。

「それはデジヴァイス…。どうやら完全にこの世界に気に入られてしまったようじゃの。」

そういいながらのんきにまたお茶をすするジジモン。隣りのエンジェウーモンはニコニコとこちらを見ている。


こんな和やかな雰囲気に居れるような心境じゃない。


日本庭園、異型の生物、デジヴァイス、誘拐、そしてデジタルワールド…頭の中でごっちゃになっている

がとにかくこれは現実とはかけ離れた『非現実』。そしてここは黒尽くめの彼が言った「面白い世界」・

・・。とにかく面白いなんて言ってられるか!
僕はその場から立ち上がり、2『匹』をじっと見る。


「すみません・・・僕・・・帰ります」


帰れる根拠もないのに、つい口に出してしまった言葉。不安だった。急に異世界につれてこられ、とても

7 :2007/02/09(金) 23:59:37
怖かった。

『自分の言葉に責任を持て』

誰かが言ったことを今思い出す。面白い世界、連れて行けと易々と言ってしまったがこんな分からない世

界へ来てしまった。自分の言葉が自分を異世界へ連れて行ってしまった…。少し怖かった。
とにかく僕は廊下に出て、出口を探す。

長い廊下を駆け抜け、戸を見つけた。
帰ろう、帰ろう、そう思い戸を開けようとする。

「今のままでは帰れぬよ…ここからは」

後ろからジジモンの声が聞こえる。僕はその言葉を振り切り、戸を開けた。


目の前に広がる景色…それは日本では見れない膨大な自然だった。
永遠と広がるかと思えるほどの草原、何本もの木がその平原に生えている。地面には多少の隆起、沈下もあり、空は澄み切った青だった。
その草原の周りには何かがうごめいている。赤や青やピンク色の丸いものがピョンピョンと跳ね、その近くでは二足歩行をしたトカゲや今までに見れなかった動物たち、ゲームなどで見るモノに似ている、『架

空上の生物』があたりでなにやら楽しそうに遊んでいる。

「言っただろう、お前は誘われた人間。ここはお前達人間が居る世界ではない・・・と。」

受け止めたくなかった。非現実的な世界で人間の僕はひとりぼっち。デジモンとやらは居るが僕みたいな

人間はここに居る僕しか居ない。そして僕は無責任な発言と共にこの世界へ『誘拐』されてしまった。受け止めたくなかった。認めたくなかった。
後ろを振り向くとジジモンとエンジェウーモンが居る。その背景にはこの自然には合わない…切り抜いて

貼られたような和風な家。

「帰りたいか…。じゃあわしも力になろう。とりあえず来い。そこで説明してやる。」

ジジモンは杖で一本の大樹を指差すと、そこへ歩んでいく。僕はまたそれに導かれるように歩いていた…



*******************

8 :2007/02/10(土) 00:01:26
大樹に出来た木陰にジジモンとエンジェウーモンは座り飛び跳ねるその他の『デジモン』を眺める。僕は

その隣りにスッと座り、気づけば2匹をジーっと見ていた。

「おぬしは何かを求め、何者かに誘われた。そしてこの世界へ連れて来られた…。そうじゃな?」

ジジモンが言ったことは当たっていた。浜辺で会った少年に『面白い世界へ行こう』と言われ、容易にそ

の誘いに乗ったらここへ…。見事に当たっている。

「この世界は人の『思い』によって生まれた世界。人の思いが強いとこの世界への扉が開く…。そういわ

れています。アナタの思いが強かった…それがこの世界の扉を開かせ、誘われたのでしょう。」

エンジェウーモンが口を開き、そういう。思い…僕の思い…。何かが欲しかった。欲求不満だった。それ

が僕の『思い』だったのかも知れない。その思いが彼を呼び、誘わせ、この世界へ送らされたのだろう。

でも彼は一体誰…。でも話がややこしくなりそうだったのでその言葉は喉元で抑えた。

心地よい風が周囲を突き抜ける。その時だけ…気が楽になっていた。そこでジジモンが再び髭で隠れた口

を開く。

「ところで…帰る方法なのだが…、すまぬ、わしらにもそれは分からん。」

「なっ・・・・」


思わず口を開く僕。協力すると言った癖に…。無責任にもほどがある。さすがにコレは言わねばと口を開

こうとすると、ジジモンが杖で僕の口を塞いだ。

「分からぬから…お前には旅に出てもらう。」

旅…この世界を!?この未確認生物の世界を旅しろと!?それは人間を火山の火口まで突き落とし、「生

きて上がって来い」と言っている様なもの…自分はそう考えた。

「気持ちは分かる…。帰りたいんじゃろ?少なくともここで帰る方法を探すよりは断然マシじゃ。それに

、何かを求めて、思って…この世界に誘われたのじゃろ?だったら・・・ここでそれを見つけると言うの

も悪くはないとおもうのじゃが・・・。」

確かに…。ついそう思ってしまった。確かにここでウジウジしていても帰る方法も見つからないだろうし

、彼が言った『面白い世界』、この『デジタルワールド』がこの程度とは彼の言動からは考えられなかっ

た。それにここで帰れたとしてもまた同じつまらなく、ありきたりの日が続く。それなら・・・と段々プ

ラス思考に切り替わっていく。
それにジジモンたちが一緒にいてくれるのなら安心…。何故かそんな気がしていた。

「はい・・・・分かりました」


今回は返事をよく考えてから言った。多少の不安はあったが自分の言葉に責任を持っていったつもりだ。


「で・・・・すまぬがわしはここら一帯の治安を守るお偉いさんなのでな。一緒には行けぬ。」


なにぃぃぃぃぃぃぃぃ!?驚いた。とにかく驚いた。この流れで一緒について行けない!?一人で行けと
!?一人で行けと言っているのか!?前言撤回!そう言おうとしたが、また口を杖でふさがれた。

9 :2007/02/10(土) 00:02:13
「焦る気持ちは分かる。こちらから一匹、おぬしの「パートナー」をつけるから。そいつと一緒に行って

くれ。」

そういうと杖を置き、片手に持っていた湯飲みの茶をすすり始めた。こんな時にのんきな・・・ってそれ

以前に外に普通湯飲みを持ってくるか?

その後無言の時間が続く。やはり見たこともない生物が遊び、人のように生活している・・・そんな情景

が信じられなかった。
そしてまた心地よい風が僕の体の中を突き抜けた時、こちらに向かって一つ・・・何かの影が走ってきた




「じっちゃーん!またじっちゃんの話聞きに来たよ!!」

影の正体はこれまた見たことも無かった小動物。青い肉体、ソファほどの大きさの背丈、二足歩行、鼻に

サイのような角、口に小さめの牙を生やし長めの青い耳らしきものを頭部に生やしている。そして額には

黄色いV印、目は少年のようにキラキラと輝かせていた。
そのデジモンはジジモンのところへ駆け寄る。

「むぅ・・・ブイモンか。またわしの武勇伝を聞きに来たのか。お前も冒険が好きじゃのぉ・・・って・

・・ん?」

微笑ましい表情でそのブイモンとか言うデジモンと話していたジジモンだが、いきなりそれが険しくなっ

た。しばらくじぃっとそのブイモンを、そして僕を眺めた。

「な・・・なに?じっちゃん・・・。てかそのじっちゃんの隣りに居る人って人間…だよね?」

「ん・・・・そうじゃな、人間じゃ。それでブイモン、お前わしの話を聞いていた時に『旅に出てみたい

』と何度も言っていたよな?」

「う、うん。そうだけど・・・。じっちゃん?」

「人間、デジヴァイス借りるぞ。」

ジジモンは僕からデジヴァイスを取り上げ、なにやらデジヴァイスのボタンを連打し、操作している。容

姿からは考えられないほど『器用』に見えた。
そしてなにやらデジヴァイスの先端をブイモンに傾ける。

デジヴァイスから一本の赤い細い光が伸びる。それはブイモンの額に見事に命中、なにやら光はブイモン

の体中を回り、何か調べているようだ。



「ニンショウカンリョウ、ニンショウカンリョウ…」

そう機械音の声が聞こえると光が消え、一瞬ブイモンの身体が光と同じ色にコォッと光りだす。だがその

後ブイモンの体に特別な変化は…ない。

「じっちゃん、何を・・・・」

「人間よ、お前には『コイツ』と一緒に旅に出てもらう。いいな?」

10 :2007/02/10(土) 00:03:02
『えええええええええ!!??』

ブイモンと俺の声がシンクロする。どっちにせよ「驚愕」という叫びなのだが、ブイモンの方は心なしか

顔が嬉しそうだった。
いくらデジモンとはいえこんな子供のようなデジモンに・・・自分の身を任せていいのか?

「じっちゃん、俺旅にでていいの?こいつと!?」

「ああ、そうじゃよ。」

「やったぁ!!人間、よろしくぅ!!」

「ちょ・・・・・」

ブイモンは僕の手を握って、輝くまなざしをこちらに傾けてきた。ジジモンさん、そんな突然に!!って

言いたいところだったがその言葉はブイモンの明るいまなざしにかき消され、僕は口をもごもごさせるだ
けであった。エンジェウーモンはニコニコと微笑を浮かべながらこちらを眺めている。

「人間よ、わし達の代わりにコイツを旅の仲間につける。小さいからといって心配しているかもしれんが

何かがあったら守ってやれる位の強さはある。まあわしらには到底およばんがな・・・。」

ジジモンはヒソヒソ話でそういい、デジヴァイスをこちらに返した。どうやらデジヴァイスの用途が一つ

自分でも理解が出来た気がする。

使用用途No1:デジヴァイスはデジモンと人間を結びつける紐のようなもの。ゲームで言えば少し違う
気がするが召喚契約のようなものか。

でもやはり『旅に出たい』と向こう側が言っていただけなのにそれを初対面の人間のパートナーに・・・

・。考えることがとにかく無茶苦茶だよこの人…。

「じゃ、じっちゃん、俺荷造りしてくるよ!!」

ブイモンは輝く笑顔を浮かべながらどこかへと駆けていった。ジジモンはその後姿を見送って再びその場
に座り込んだ。

「そういえばまだ説明していなかったことがある。人間よ、疑問に思わなかったか?何故わしらのような未

確認生物がお前達人間の存在を知っているか…。」

確かに気になる。初対面の時点で人間と識別、人間がこの世界に送られる原因だって知っている。ジジモ

ンがデジタルワールドの全知全能の神とかそういう類の存在なら話は別だが、明らかにそういう柄じゃな

い。

「おぬし以外にも人間がこの世界に来ている、それも結構多く…な。」

「に・・・・人間が?」

僕以外にも人がいる…なんだか一瞬心が和らいだ。とにかく人がいるということになぜか安心感を覚えて

いた。どこにいるかも分からないのに…。

「おぬし以外にもこの町で最近何人か人を拾ったことがある。それも最近は特に多い…。そしてわしが見

た以外にも人間がいるとの情報もある。何を考えているのかな、この世界は…。」

ジジモンは空を見上げふぅとため息をつき、自分の手元にあった少量の湯飲みのお茶をグイッと飲み干し

た。ジジモンはいつまでも空を見ていた。人の思い…それに反応しこの世界にやってきた僕。そんな僕は

、腐りきった目をできるだけ開き、ジジモンと同じく青空を眺めた。




空・・・・




澄み切っていた。




しばらく時を忘れ、その空を眺めていた。



静かだった・・・・。



ひと時だけ…



すべての不安を忘れた。

11 :2007/02/10(土) 00:05:56
「人間よ、お前の名・・・・聞いていなかったな・・・・。名をなんという・・・・」
そういえば名前を教えていなかった。とりあえずジジモンは色々と教えてくれた。名前くらい名乗り出る
のが筋か。

「雷禅寺・・・雷禅寺帝です。」

「そうか・・・帝よ、お主の願い、望みは何じゃ。その願いを想い、それによりデジタルワールドに誘わ
れたのじゃろう?」

望み・・・・か。

「僕の願いは・・・望みは・・・、その望みを見つけること・・・、自分のやりたいことを見つけたいん
です。」

「ほう・・・・お主も変わった人間じゃの。」

ジジモンを横目で見ると、ほのかに微笑んでいる

「わしは何人かほかにも人間に出会ったことがあるのじゃが、お主のようにはっきりとした望みのない人

間を見たのは久しぶりじゃ。つまりお前にとってこの旅は・・・・帰ると同時に、自分探しを目的とした旅…なんじゃな?」

自分探し…考えて見ればそうなのかもしれない。さっきっからデジタルワールドには悲観的にしか考えて

いなかった。化け物の巣窟…と。
でもこう考えて見れば自分を見つめなおす…いい機会かもしれない。自分がこの世界から元の世界へ帰る
とき…そのころには僕の欲求不満とかそういうものは…消えているかもしれない。

「そうかも・・・しれませんね。」


そうして僕とジジモンはまたしばらく空を見た。流れる雲…それは僕らの人間の世界、この際人間界とで
も言ってしまおうか、雲は全くおんなじだった。空は全くおんなじだった。

「じっちゃーーーーん、準備してきたよぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

静寂を…安らぎを…ブイモンの声が壊した。
ブイモンは青いツギハギのリュックを背負い、こちらに走ってくる。そしてこちらにたどり着いた。

「ぜぇ・・・・ぜぇ・・・・・じっちゃん、オレ、いつでも準備OKだよ!」

そういいブイモンは自分のリュックをボンボンと叩き、少年のような笑顔を見せた。リュックは今にもは
ちきれそうで、パンパンであった。

「そうか、威勢がいいのぉ。では帝よ、お前の荷物はコレじゃ。」

ブイモンを見てジジモンはニコニコ笑うと、エンジェウーモンに指でサッと合図を送った。エンジェウー
モンはニコリと微笑み、帝のもとまで歩み寄った。

「はい、どうぞ」

渡されたのは僕の学校の鞄だった。実際下校途中浜辺からデジタルワールドに転送され、制服姿の僕であ
るが、まさか鞄まで一緒に転送されているとは思いもしなかった。だがあたりを見渡す限り、どうやらさ

すがに自転車までは転送されなかったようだ。
でも・・・この中に入っているのはせいぜい教科書とノート、筆記用具に空の弁当箱くらいのはず。渡し
ても意味は…

「まあとにかく開けてみろ。」

その言葉のとおり、鞄のファスナーを開けてみた。

食べ物の缶詰、包帯、ペットボトルに入った水、マッチ…僕が鞄の中に入れていなかったものがたくさん
敷き詰めてあった。その下には僕の学校の教科書がきれいに並べて置かれていた。まさに「準備万端」、
旅の用具がびっしりと・・・・。

「さて・・・・まだ日が暮れぬうちに出発じゃ。では行って来い!!」

ええええええええ!!!???いきなり!?いきなりぃ!?普通流れ的には「今日は休んで明日から旅じ
ゃ」とか言ってくれるものじゃないのか!?そうじゃないのか!?僕は心の中だけで思いっきり驚こうと
思ったが、それもついに顔にまで出てしまう。

「でも地図とかそういうのも持っていないし、それにまだ心の準…」

ビュッ

僕の言葉を遮り、ジジモンは杖を風を切る速さで振り落とした。杖をその場に留めている。何かを示して
いるのか・・・?その杖の先を見ると…

いかーにもさまよってしまいそうな密林が…。気味が悪い。森全体が化け物のようで、そこから抜ける風
はその化け物の雄たけびのように聞こえる。感じるものは恐怖恐怖恐怖恐怖

「ここを抜けるんですか…。ちょ、でもコレ…。僕ああいう場所苦手で…」

「この村から出るにはあの森を通り抜けるしかない。これも試練と思い、受け止めろ…。」

「で・・・・でも・・・・」

グィグィ

足と共にすくみ上がる僕の右腕を何かが引っ張る。気になって右腕を見ると青い腕…。青い腕を目でたど
るとブイモンが目をキラキラさせながらこちらを見ていた

12 :2007/02/10(土) 00:07:28
「人間…お前、名前は?」

ブイモンは目をキラキラさせこちらをまじまじと見続ける。ちょっとそのまなざしから別の意味で「威圧
感」を一瞬感じた。

「帝…雷禅寺帝だよ。」

「へぇ、帝かぁ!!よろしく!じゃあ帝、行こうぜ!!」

「行こうって怖くないn・・・・・!!」

怖くないの?って言おうとした。だが急に体が宙に浮き…動き出す。右腕を見るとまだブイモンの手が…

。つまり…

引っ張られてる。とてつもない腕力により、とてつもない速さで引っ張られている。
後ろを見るとエンジェウーモンとジジモンの姿。段々遠ざかっていく。そして目の前を見るとあの恐ろし
い森の入り口が段々大きくなっていく。思わず少しばかし涙目になった。

「ブイモン…いきなりいくの!?そこに…」

「勿論!!あの森抜けないと何も始まらないんだろ!?」

ガッサァァ

葉の中を突き抜けた音。僕らは森の中へ入った。ブイモンの直進もここで止まる。辺りを見回す限りは…ここだけ何も無い小さな広場、人ならぬデジモンの手がここだけ加えられているように。だがその周りは木、木、木。その奥も木、木、木。やはりここは森の中。

「うっはぁ・・・俺たちの冒険、始まったんだよな!?」

「あ・・・・そうだね・・・。」

僕より背丈の小さい…でも僕のパートナー…そんなコイツ、ブイモンに腕をとられ、僕の自分探しは始まった。いきなり波乱を含みながら…。



ジジモンは見つめた。離れ行くブイモンと帝の背中を。己を見つけたいと望んだ少年の背中を。

「帝よ…これからどのような運命がお前を待つか分からない…。じゃが…自分を見つけて来いよ。」

   ★★★

13 :2007/02/10(土) 00:08:22
同刻・同じ森林にて…

ジャキンジャキン

ドゴゴゴゴゴゴゴ・・・・


木が折れる。潰される。消される…。

「シャドウシックルアァァァァァァァァ!!!!」

化け物の雄たけび…。死神の如く伸びた鎌が、森林の綺麗な空気と共に木々を次々と切り裂く。カマキリの容姿をした化け物…。それはもう一匹の化け物…サイの容姿をした化け物を襲う。鎧を身にまとうその化け物はカマキリの化け物の攻撃を受けながら後退する。

「ッ!!!」

鎧に傷をつけながら、木を押し倒しながら後退し続けるサイの化け物。そしてそのサイの背中には一人、少女が鎧にしがみつき、カマキリの化け物を見る。

「スピードが無いライノモンに対しスピードに長けたデジモン…分が悪い…。ごめんライノモン、しばらくこのままで・・・。」

状況を読み、冷静に戦闘を分析する少女。

「・・・・・・・」

ライノモンと呼ばれたサイは無口、そして指示通り後退する。攻撃を受けながら…自分の身を傷つけながら…。

「クッヒャッヒャッヒャッヒャ!!お前…逃げてばっかり…。シャドウシックルアァァァァァ!!」

カマキリの化け物は鎌を振るい続ける。辺りの木々を切り裂き、そしてサイの化け物の身を切り裂きながら。

ビスッ!

裂ける音…。少女の服の肩の部分が裂けた。間一髪で身体自体の外傷を避けたが、裂け具合はすごく、肩部分からデレンとひじ部分までたれ落ちている。

「この切れ具合…相当…。木の本数が減ってきた…。うまい具合に広い場所に出れれば…。」

後退し続けるサイと少女。それを追うカマキリ。木の本数は徐々に減り、木の無い場所が見えてくる。

「来た!広場!!」

後退し抜けた場所は小さな広場。サイとカマキリ、巨大な2体が相撲できる位の大きさはあるだろうか。そしてそこには先着がいた。制服姿の青年と、青い二足歩行の…竜。1人と1匹は唖然とした表情でこちらを見る。


少女と青年、2人の運命が今…重なる。


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