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界螺旋聖・遠方見聞録

52彗斗:2013/07/05(金) 22:31:47 HOST:opt-115-30-217-109.client.pikara.ne.jp
第二十六乃呪印 仏界の頂より見下し者

「人の叡智など、たかが知れている。仏界の力の欠片で、人界の叡智を超えることが出来る。そう、あの巫女の力も知れたものだ。」

 嘲笑気味に下の世界を、見下している白月色の髪を持った少年は、片手を掲げた。すると……辺りが忽ちにして闇に包まれ、月が夜空に浮かんでいた。

「仙人の叡智は、巫女の力など遥かに上回る。勿論、知人に二人力を合わせたところで、どうにかなるものではないだろう?」

――『月幻郷 イリュージョン・ホール』

 それは仙術の一種で、一定範囲内に入り込んだ者に、幻覚の様な現象を引き起こす技だ。この力は大変強力で、月を見た者は例え仙人である自身であっても、自身の幻覚に囚われてしまうと言う欠点も併せ持つ。だが大体の者は、幻覚に倒れてしまう事が大半だ。

「限界が知れた力など、恐れるに足りない。そろそろ戻って来い響、穹」

 そう呟いた少年は、閉じていた目を開き、紅い目で地上を見た。それと同時に、彼の背後に佇む月も紅く輝きだした。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 それと時を同じくして、座っていた穹が何かにピクリと怯えたように反応した。その様子を隣で見た響は彼女の頭に手を優しく置き、宥める様に撫で始めた。

「……ありがと、少し落ち着いた。」

「……何か気配を感じた。コイツ等とは違う別の気配だ。」

 おもむろに立ち上がり、周囲を警戒する響。遅れて立ち上がった穹も警戒を始めた。周囲には、樹木が鬱葱と生い茂っていて、見通しが悪い。だが彼等の背後に巨大な何かがいきなり現れた!! その飛び出してきたものは――巨大な蛇だった。


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