高専武戦伝記　極

1：武士さん：2014/12/01(月) 22:10:45: †BUSIDOU†～とある一つの武士道の最果て～

かつての『拙者でGO』が成功した理由の一つとして
下手に新キャラを多く投入せずに
†BUSIDOU†のキャラ設定をそのまま生かすことができた
ということが挙げられるような気がします。
というわけで試しにもう一回IFストーリーを
この物語を通して書けたらいいなと思います。
もちろん「りれい」小説です。
本編と共に気軽に書き込んでください。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　BUSIDOU製作部一同
2：武士さん：2014/12/07(日) 23:06:04: プロローグ

町田紛争
小さな町で始まった争いが全世界へと波及した
日本を中心に成長した梨の大樹が世界の３/４を覆いつくした
その麓では新人類と呼ばれる梨人達が暮らしていた
彼らは飢餓も疫病もなくそして自由すらない檻の中で生活している
その実態は頭の上にある梨が爆発物で死と恐怖に怯える人間
偏った法と秩序にそぐわぬ不利益をもたらす人間は即排除される世界
すべてを管理淘汰するのが木の上にある町田帝國総統、一村正義である
梨人は今や50億ともされる

残された人類は追いやられ、南極にコロニーを開き、反撃の時を待ち望んでいた
武士達が町田の紛争に介入し、敗走してから３年の月日が流れようとしていた
3：武士さん：2014/12/07(日) 23:17:18: 第１話　武士？

PM2時…
ジリリリリリリ！！！
「………」
目覚ましが鳴り響くが一向に目覚めない武士
ジリリリリリリリリリ！！！！！！！！
「んぁ…」　ｺﾞﾛﾝ
たまたま打った寝返りで目覚まし時計が倒れ、止まる
電池が抜けたようだ
「…むにゃ」
そのことにまったく気付かず眠り続ける武士
それもそのはず。彼が眠りについたのは明け方6時過ぎであった
『ブルーストーン』というオンラインゲームが今の武士のマイブームだ
通称『青石』と呼ばれるそのゲームは別にそこまで面白くはないが
ハマる人はとことんハマる、そんな感じのものであった

PM5時…
まだ武士は目覚めない
齢25にもなって武士は引きこもりの生活をしているのだ
にもかかわらず生活が成り立っているのは
武士の両親による蓄えがあってこそである
よって武士が目覚めるのはまだまだ先の時間…のはずであった

『武士さ～ん？おきてくださ～い』
『お～い、武士さ～ん？』

「む…？？」

いつもとは異なる時間に瞼を開けた武士
その視線の先に立っていたのは、見覚えのある女子高生だった
それは武士にとってこの３年、魘され、ようやっと忘れた悪夢
かつての戦いで、行方不明となった女子高生、速水沙織であった
4：武士さん：2014/12/10(水) 19:04:54: 第２話　秘めたる者

カラン‐‐
「へい、らっしゃい」
南極コロニーにあるセンター街の一角に位置する喫茶店「ＵＥＳＡＭＡ」
「珈琲を頼む」
「あいよ、いつものでいいのか？」
「ああ、頼む」
カウンターの席に着きマスターが珈琲を挽くのをただ眺める
店内には客もいなく、工業高校の校歌（初音ミクＶｅｒ）が流れている
「ここはいい・・・いつ来ても心が和む」
「あんたは、すごいよ。よくも成り上がったものだ」
「いやいや、俺はただ夢中だったのさ。すごいのは２ヶ月で工業高校に区切りを付けた君だよ。こうして喫茶で成功している」
「私は逃げた。重圧に耐え切れず塑性変形してしまった卑怯な奴だよ」
コトっと客の男の前に珈琲を差し出す
足に似合わず砂糖は決まって５個の甘党だ
「俺だって友人関係のトラス構造が無ければ潰れていたさ」
「謙遜するなよ。人徳だよ。国連特使の沖田殿」
「ちゅーっす」
「お、片割れが来たぞ」
マスターと沖田の会話に颯爽と割り込んできた男
「相変わらずスーツが似合わない野郎だぜ」
「うるせ！俺は堅気なんだよ、トイレ行って来るわ」
そういうと男はトイレへと消えていった
「まさか、一部上場企業に就職するとはな・・・」
「妹のことは気の毒だが、あいつはあいつなりに前に進んでる」
「そういえば・・・武士はどうしてる？」
「・・・この前、小竹に会ったけどすっかり人が変わってしまったそうだ・・・」
「そうか・・・３年前、市民と喧嘩した以来会ってなかったんだが・・・」
「どの道、あの調子じゃ。もうダメだろう。武士から引篭りだからな・・・」
5：武士さん：2014/12/10(水) 19:31:52: 第３話　夢の続き

間違いない
確かにあの時の少女が武士の枕元に立っていた
正確にはしゃがんでいたわけだが

「え…おまえは…」
『こんな時間まで寝てたら夜寝れなくなっちゃいますよ？』

武士は自分の眼前にあるものを疑った
これは夢なのか？
確認のためにとりあえず自分を殴ってみる

ドカッ
「ぐはっ！！」
『ちょ、ちょっと！？』

突然自分を殴った武士を見て駆け寄る女子高生
武士の頬に触れる手には確かな温かみがあった

「ゆ、夢じゃない…！」
『ああ…そういうことですか、ふふっ』
『そういうところはあまり変わってないんですね』

女子高生は安心したように微笑む
一方武士は混乱が収まらないままであった

（ありえない…あの時･･･俺はこの娘を救えなかった…)

武士は思わず問いかけてみた
「お前･･･なんで今になって俺の前に現れた！？」
「そうか･･･今の俺を笑いに来たんだろ。お前を助けにも行かず、こうしてネトゲに浸かりＡＶでシコってる俺を」
『・・・』
「あの直後、俺は悪夢に魘され、勉学も仕事も手に付かず・・・地獄を見た」
「ネトゲのオンライン結婚して、妻と幸せに生活している俺を邪魔するな！」
『・・・』
女子高生は困惑した顔で武士を見ていた
「そうさ、そうやって蔑んだ眼差しで皆俺を見る。うんざりなんだよ！」
「どうしたの武士？少し部屋から出てきて散歩でも・・・」
扉の向こうから母親らしき人の声が聞こえた
「うるせぇ！ＢＢＡ！さっさとＷｅｂマネー買って来い！ヒア！」

『あ、あのぅ…』
「ん？なんだ。ギル戦があるんだ。さっさと消えろ」
『変わってしまいましたね･･･昔は･･･』
ドンっ
沙織を吹っ飛ばす武士
「何が言いたい！？俺をこんな風にしたのはお前なんだ。二度とくんな！」
過去と現在の自分の違いに苦しみながら、今を選択した武士
6：武士さん：2015/01/02(金) 17:27:18: 第４話　はじまり

「きゃぁああああああああああーーー」
南極コロニーの一角でナシス達が暗躍していた
彼らは一般人を誘拐し政府に献上することによって３等市民から２等市民へと格上げされる
そうなることによって生活が雲泥の差が出るからだ
ナシス市民は危険を冒し南極へと旅立つものが後を絶たない

「乱獲だ！おとなしくしろ！」
「だれかぁー！」
すると次の瞬間、梨を頭の上に載せた大男の顔面に靴がめり込む
「Don't touch。レディーに乱暴は感心しないなぁ」
一人の青年が女性との間にひらりと舞い降りる
「てめぇ！何者だ！」
「Non。雑魚に名乗る舌など持ち合わせていないさ」
男たちがナイフを持ち襲いかかるのを青年はひらりひらりと避わし梨を蹴り抜いていく
梨に寄生されて長い者は首の骨が折れ、日が浅い者は脳震盪程度で済むであろう
男たちをなぎ払うと青年は女性に自ら着ていた上着を被せた
「今日は冷える。早くお帰り。」
「あ・・・あの、もしお名前でも・・・」
青年は困ったように空を見上げた
すると粉雪が舞い始めた
「私は３年前、一度死んだ人間です。だから今は名乗る名がないのです」
そういうと雪が一層吹雪一瞬で姿が見えなくなった
女性が上着の前を閉じる
その上着の内ポケットには刺繍で『小竹』と書いてあった
7：武士さん：2015/01/02(金) 20:59:49: 第５話南極海

雪舞う白銀の世界
大型の砕氷船ですら辿り着くことの難しい極寒の地
ここに人類に残された最期のコロニーがある
航空母艦「エンタープライズ」
カツカツカツガッ
「うわっ」
ドシャッ
義足の女性士官が足を掛けられ激しく転倒する
受け身を取るはずの手が彼女には無かった
「あらー先任。しっつれーい」
「手足が無いと不便ですね」
「こらー！お前らー何しとるかー！」
「やべっ！戦闘隊長だ！」
大柄の男性が狭い艦内をすり抜けやってきた
転んだ女性を片腕で起こす
「なんで、こんな経歴のない素人に肩入れするのですか」
「戦果なら我々の方が上です！失礼します」
女性士官達が敬礼しその場を去る
戦闘隊長が転んだ女性士官を見ると鼻から血が垂れていた
「あはは、派手に転けちゃいました」
「すみません。部下のしつけが出来ていなくて。」
「良いんですよ。私は『３年前』に入隊した新参者です」
散らかった資料を右手でかき集め一礼して離れていく
「考え直す気は無さそうだな」
「艦長？」
さきほどのやり取りを影で見ていたようだ
「過去のトラウマか…」
「義肢も変えませんからね」
今の時代、生体義肢が主流であり、機械的義肢はほとんど見られなくなった
逆を言えば義肢の見分け付かないほどの精巧さから差別はほとんど見られなくなった
なのに女性士官は海賊義足を使っていた
そして左手を作らず右目は潰れたまま
「かつての光を取り戻してほしいものだ」
8：武士さん：2016/04/15(金) 08:47:51: 本当に出会える出会い系ランキング
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11：武士さん：2016/05/01(日) 21:56:07: 本当に出会える出会い系ランキング
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高専武戦伝記 極