■掲示板に戻る■ ■過去ログ 倉庫一覧■
物語る
-
今年も早稲田祭が終わった。そして今年も例のごとく、シャガッキーはひきこもっていた。
-
えwwwwお前今年も留年したの?wwww
-
・・・。
-
シャガッキーは今年も留年であった。彼女のシャガールにも愛想を尽かされた。
-
それも当然である。大手はもちろん、中小でさえ年増留年シャガッキーは
ことごとくES全滅という状態だからだ
-
普通の企業はもはや年齢的に厳しい。
「…マスコミしかない!」
シャガッキーは浅はかにも…いや、思い切って、マスコミへと就職活動の舵を切るのであった。
-
だれもが無謀だと思ったマスコミへのチャレンジ。ところが、ここから予期せぬ展開が待ち受けていた。それは半額ねらいで大学の近くにあるカレー屋に入ったときだった。オレは思わず息を飲んだ。
-
オレ>>1と同級生だわ・・・・
-
「…あれ、卒業したんじゃなかったっけ??」
そこには、大盛りカレーをむさぼり食う「ハチ」の姿があった。入学式の時に出会い、ちょくちょく一緒に遊んでいた。久しく会っていなかった。てっきり卒業していたと思っていたのだが。
-
実は卒業したはずのハチは、日本を脱出しアメリカに渡っていたのだった。オレに気づいたハチは、余裕の笑みを浮かべながら近づいて、オレの耳元でささやいた。I am a winner.
思いがけないその一言にたじろいだオレはとっさにこうかえした。「お前は勝者なんかじゃない。、、、
-
そして当然ハチは言った。
「じゃあ、おまえは一体何者なんだ?」
-
「オレは世界で戦うために商社に行くよ」。とっさに出た言葉だったが、なんの根拠もなかった。実はまだどこからも内定をもらってなかった。
-
「世界とかwwwだからお前留年すんだよwwwww」
-
は「中退一流だろwwww中退してやんよwwwww」
-
ハチの人を人と思わぬような言葉に一瞬カッとなったが、死んだ祖母の言葉を思い出し、なんとか怒りを抑え込んだ。「お前、人になんと言われても気にすることはないんだよ。むしろ、哀れんでおやり」祖母はそう教えてくれたのだ。
そして、オレはハチにこう言った、、
-
シャ「桐島、部活やめるってよ」
-
ハチ心の声「言えない・・・学籍が無いなんていえない・・・暇つぶしにだいがくきてるだけだなんていえない・・・」
-
「あ、ああ、桐島?あのバレー部の?そうかぁアイツ辞めるのかぁ!頑張ってたのに残念だな!ハハハハハ」
心の声を悟られまいと、ハチはやたらと必死に答えた。
-
いつの間にか眠っていたようだ。「こんな時、桐島の夢をみるなんて」。
就職活動の疲れが出てきたのだろうか。それにしてもハチのやつ、
-
いま何して得るんだろう?
プルルルルルル、プルルルルルル。
電話だ。ガチャ
「もしもし?シャガッキー?俺だけど」
-
「シャガッキーさん、ですか?すみません、間違い電話かと…」
-
そこに突然ハチが現れた。なんてこった!?
-
おもしろスレッドw
-
オレどうかしてる。ハチや桐島や祖母やらなにやら。
オレ、きっと精神病んでるわ。誰かと話したい。そうだ、アンナならオレの話を聞いてくれそうだ。
-
アンナとどうやって話そう?
電話?会いに行く?そもそもどこにいるんだろう?
アンナは俺と話してくれるんだろうか?こんあ俺と・・・こんな俺と・・・
シャガッキーは悩んだ。
-
仕方がないのでアンナと雪の女王を観ることにした。
-
ありのー ままのー
-
オレとハチはかつてアンナを巡って火花を散らしていたことがある。アンナは19歳だがプロポーション抜群の美人だ。二人で歩いていると、オレたちを羨ましそうに目で追ってくる男どもがいったい何人いたことか。ハチから奪い取ったアンナはオレの唯一の自慢だった。彼女のバージンを奪ったのもオレだ。
-
物語るの作者はたいてい一ヶ月以内に消えるwwww
今回は数年ぶりの復活。
-
そんなアンナとももう半年も連絡をとっていない。噂ではもう新しい彼氏が出来たらしい。
オレもアンナとの関係を自然消滅させた馬鹿と陰口を叩かれている。
-
そんなある日、アンナが新宿のSMクラブで働いているというウワサを耳にした。
-
行ってみるしかない!
シャガッキーは直感でそう感じた。
-
いつもの煩わしい鉄腕アトム。新大久保。そして、新宿。シャガッキーは山手線から降りたった。
久方ぶりの新宿。東口に行くと、喫煙所の場所が変わっていた。ハイライトで一服。
それにしても有象無象の衆。新宿で石を投げれば早大生に当たる、なんて言われていたな。石でも投げてやろう。
シャガッキーは傍らにあった小さな、小さな、石を投げた。緩やかな放物線を描いていく。小さな石は、こつっ、と小さな音を出し、人に当たった。
-
パンチパーマのその男はチラりこちらを見た。どうみても組関係者だ。やば、こっちに向かってきた。早大生に当たって欲しかった。立教生でも許す。
-
シャガッキーさん今何してんのw
-
「あ、ああ…まだ大学生だよ」
そのヤクザはなんと後輩の三吾であった。卒業してから、ヤクザの世界へ足を入れたとは聞いていたが。
-
「シャガッキーさん、オレの姉貴と別れたんだって?姉貴あれからずっと落ち込んでたぜ」
たまにアンナの部屋に行くと、当時工業高校の三吾がオレたち二人の世界に割り込んできたものだ。たまに数学の質問をされたこともあるが、私立専願で数学を捨ててたもんで、簡単な二次関数の問題でさえ解けず、冷や汗をかいたことを思い出す。
あれからしばらくして、三吾は高校を中退したらしい。
-
「…アンナに会いたいんだ。どこにいるかわかるか?」
三吾に尋ねると、どうしたのか、なぜか顔を下に向けた。
-
「姉ちゃんは今・・・俺もどこにいるかわかんねぇんだ。
新宿で働いているのを見たって言うやつがいるんだ。
だから、新宿に来てるんだけど・・・。
今週3で新宿通ってるんだけど、どうも変な店で働いてるみたいなんだ。」
-
変な店、というのはやはりSMクラブのことだろうか。
さすがに実の弟にその姿を見せる訳にはいかまい。
シャガッキーは三吾に後に連絡するよと言い、歌舞伎町へと向かった。
-
歌舞伎町のレゾンデートルを知らないシャガッキー、その怪しげなエリアに迷いこんだ。
「いい子、いますよ」
怪しげな風貌の男がすりよってきた。
-
存在意義
-
「年齢は?」
「ピチピチのハタチですよ!巨乳だし二階堂ふみ似!」
「何の店?」
「実は…SMクラブなんですよ〜!」
-
二階堂ふみおれきらいなんだよ
-
「御兄さん。二階堂ふみお嫌いですか?
分かりました。いいですよ、とびきりの上玉が最近入ってきたんでどうですか?」
-
シャガッキーはスポットの土方バイトで稼いだ三万円を握りしめ、禁断のドアをそっと開けた。
シャガッキー、驚きのあまり膝から崩れ落ちた。
-
「マジ、ハンパないっすね!!」
まったく忘れていたが三吾もすぐ後ろではしゃいでいた。
「そっちのこわもてのお兄さんはこっちにどうぞ。嬢の名前はあきらです。」
「シャガッキーさん、俺さきに行くんで!!」
「おう」
あきら・・・・。ん?ちょっと待て・・・。これはどこかで見た覚えが・・
-
風俗店から出てきた男たちは、たいがいその日の戦果を語り合う。
「ハンパなかったっす」と三吾。聞けば最新ワザで縛りあげられたらしい。三吾の腕にはしっかりとその跡が残っていた。Sに見える男はM、Mに見える男はSというが、三吾もそのルール通りだった。
一つ気になったのは三吾のあの言葉だ。「あのあきらちゃんって、耳のすぐ後ろにアザがあったなあ」
シャガッキー、アッと声をあげそうになった。「アンナの妹のマリナだ。何処かで見たと思った」
むかしアンナの部屋でことを終えた時、ドアの隙間からこっちを見てたあのマセガキのマリナだ。「男の人のおちんちんはどうして大きくなるの?」
当時中学生だったマリナは、ちょっと大人びていた。ツンと突き出たオッパイとキュっとしまったウエスト。クラスメートの夜のおともになっていた。
-
物語るが復活しててワロタwwwwwwwwwwまだいるのかwwwwwwそれとも社会人参加?wwwwww
-
物語るが復活した、と言っている人は社会人なのきゃ?
-
いいえ、8年です
-
ひょえ〜
-
舞台はがらりと変わる。
シャガッキーは昔のことを思い出していた。「あのころは良かった」、歳をとるとだれもそう思うのだろうか。
途中でバレー部を辞めた桐島。腹の立つこともあったが、あいつは根っからの悪じゃない。ただ表現が下手なだけだ。
あのころは楽しかった。
卓球部の前野。変態だけどいいやつだった。
桜木はアホだったけど、湘北高校バスケ部でメキメキ頭角を表して、すっかり全国区だぜ。
それに比べてオレは・・・・・。
-
変わりすぎワロタ
-
物語りさんは今学生何ですか?
僕は高校生の頃から受験スレにいて、
たまに物語るさんの見てました
-
しかし、その34年後彼は総理大臣になり
日本を世界の列強の一つにするという大事業に取り掛からねばならないとなどとは
シャガッキーはまだ知るよしもなかった・・・
未来などいまは考えることは出来ない。今を生きよ、シャガッキー。
-
しかしその34年前にすべきことがシャガッキーにはあった。そう、大学を卒業することだった。最初の敵はゲーム理論、全くわけがわかんねー。
-
僕の夢は大統領
僕は二重国籍
-
と思って調べたら、国籍上の瑕疵はなかった。オレには権利がある。
-
シャガッキー、またしても夢を見ていたようだ。さまざまなストーリーが瞬時に交錯するも、ほんの一瞬の出来事。まさに邯鄲の夢とはこのことだ。
-
権利には義務が伴う
-
シャガッキーは南方のジャングルで寝ていた
-
そこにライオンがやって来た!
-
虎だよ
-
ライガーであった。
-
ここでシャガッキーの変態スキルが発揮された。
ライガーを、
-
合体。
獣神サンダーライガー(sygk.ver)に。
-
よーく見るとネコだった。なぜこんなところに猫が?ここは日本から1000km以上も離れた南の小さな島。
人懐っこいそのネコは身体をオレにすりつけて来た。しばらく味わったことのない温かさ。
「ユーは何しにこの島に?」
なんと。そのネコは突然流暢な日本語で質問してきた。
-
猫になりたいと思ったんだ
-
「なぜユーはネコになりたいんだ?」
ネコは聞いた。
-
だって一日中寝てて、気持ちよさそうじゃないか。羨ましいよ。
-
ネコは諭した。
「いいか、よく聞けにゃー」
ネコ弁を交えながらネコは続けた。
「オトコは強くないと生きていけないにゃー。しかあし、優しくないと生きていく資格がないぜよ」
突然、土佐弁まじりの日本語で、チャンドラーの名セリフを吐きやがった。
-
で、おまえのそのありがたい言葉と、俺が猫になりたいってのには、何の関係があるんだ?それにオトコだろうがオンナだろうがそんなものはどうだっていい。ただ、猫になりたいんだ。帰れよ、おまえ。
-
http://www.youtube.com/watch?v=1na-cwD6QNM&sns=em
-
今日はここまでにしといたるわ。
池乃めだか風のセリフを吐いたのちに、ネコは去っていった。
-
物語るスレは、基本100を超えると執筆者が逃亡するwwwwwwwwwwwwww
-
ねこは逃亡した。帰れ、と言われ、松村和子の「帰ってこいよ」まで突きつけられ、どうにも、帰りたくて仕方なかった。だが、帰る場所などなかった。
だから、逃亡するしかなかった。
-
ねこは考えた。どこに行くべきなのかと。
思いついた極東には黄金の国ジパングがあると言う・・・
そうだ、そこに行こう。そこでもう一度頑張ろう。
時は大航海時代
-
ねこが去ったのち、シャガッキーは考えた。
ここは無人島。今日の夕飯どうしよ!?
-
空気読めない語り手いるとつらいよな
-
SMクラブをくだりを全部夢にされたあたりから辛さは始まってる
-
シャガッキーは覚醒した。どうやら最近の脱法ハーブが影響してか、てきどき幻覚症状が表れる。アンナ、マリナ、三吾、喋るネコ、、。
「オレ、どうにかしちまってるよ。あのイラン人のバイヤー、なんかへんなもん混ぜたんじゃないのか?」
シャガッキーは脱法ハーブにはもう二度と近づかないことを心に誓った。
眠くなるようなゲーム理論の講義がおわり、シャガッキーは11号館をでて人気のカレー店に飛び込んだ。
「もう半額タイムは終了しましたけど、、」
効率とかスピードとかになんの関心をしめさない店員は義務的にメニューを手渡した。
「えーっと。これね、バターライスとチキンで」
注文を済ませ、スマホをいじくっていると、背後で誰かが声をかけてきた。
「一緒にいいかな、シャガッキー?」
アンナはオレの前の椅子に腰をおろした。
「元気か?」
とりあえず、無難な質問で話をスタートさせた。
すると、アンナは意外な話を切り出した。
-
ありのままにいきましょう。
-
まとまったお金が欲しい人はこちらへ
http://www.fc-business.net/qgesw/
-
>>84
ノートン先生が反応した・・・・・
-
アンナ「実は私のおなかの中には・・・あんたの子がいるのよ。
見覚えあるでしょ?あの時のあれ。あれがこんなに人生に影響が出てくるなんて・・・
あなたも思わなかったと思う。でももう、子供が出来てしまった以上あなたとの関係は永遠になると思うの。
で、何言いたいかわかるよね?」
シャガッキーの頭の中
⇒金?
⇒パパ?
-
シャガッキーはアンナのその言葉がウソであるということを知っていた。
たしかに、半年前夏の祭りの帰りに二人は巣鴨の古びた*にはいり、男女の愛の儀式を行った。
初めてだという割には、アンナは積極的だった。キスのあといきなりオレの股間に手を伸ばし、そしてオレの○○○をくわえ、首を上下に動かした。とろけるようなフェラに、声をあげそうになったがなんとか耐えた。「こいつ、初めてなんてウソだ」。
見事な弾力感の乳房を揉みしだき、その先にある突起した乳首を舌で刺激した。
アンナは恍惚の表情を浮かべ、「あん、」と声をもらした。
パンツを脱がせ、そっとそのデルタ地帯に手をやると、そこはすでに十分な水気を帯びていた。オレはその神聖不可侵なデルタ地帯を舌で陵辱した。アンナの声は叫びに変わった。「あーーっつ!」
コンドームをつけ、アンナのあそこにブチこんだ。
-
シャガッキーは何度もその場面を思い返した。
「絶対に中だしはしてない、、」
アンナから子供が出来たと聞かされてもそんなことはあり得ない。これはワナか?シャガッキーは何故アンナがそんなことを言うのかがわからなかった。しかも、誘ってきたのはあっちだ。
仮に金目当てだとしたら相手を間違っている。小汚い中野の四畳半のアパートに住んでいるが、その家賃を払うのがやっとのありさまだ。メシだって、残ったご飯をオニギリにして14号館のボッチの集まる六階のベンチでコッソリ食べている。ターリー屋のカレーを食うなんて、マジで盆と正月くらいなもんだ。それも、11時前に滑りこんで半額セールを利用しての話だ。
一体何故アンナは子供ができたなどというウソをつかなければならないのだろう、、、。
-
「避妊してたから子どもなんてできるわけがない」
シャガッキーはアンナを睨みつけて言った。
アンナの顔がくもり、しばらく沈黙が続いた。
「ゴメンなさい、私、、、」
アンナは意を決して真実をかたり始めた。
アンナは裕福な家庭に育ち、何不自由のない人生を歩んできたものと思っていたのだが、実はそうではなかった。
2009年に民主党が政権を取ったあたりから一家の転落が始まった。アンナの父親が経営する赤羽プラントは、大型公共事業の現場に資材を供給するのが主業務であったが、民主党のスローガン「コンクリートから人へ」の予算カットにより、売上げは以前の半分にまで落み、そしてあっけなく倒産したのだという。
資金援助が途絶えた後、アンナは自活を余儀なくされた。なんとかして生活費を捻出しなければ、、。
スマホをいじくってたアンナの目に飛び込んできたのは「高給優遇。月間100万円可能」という、一見怪しげではあるものの、不正にコピーライトを犯して使用しているフナッシーの図柄に心が惹かれた。
面接場所は高田馬場。駅の近くの雑古びた雑居ビルの5階にあった。
ドアをノックすると、男の声が返ってきた。
「はい、どうぞ」
-
「キミ、大学どこ?」
男はタバコをくわえながら、アンナに尋ねた。
「はい、早稲田の社学です」
男は「ほう」と少し驚いた表情を見せたが、すぐに素にもどり話始めた。
「実はオレは10年前まで社学にいたんだぜ」
男は早稲田に8年間在籍した後、授業料未納の末、大学を去っていったのだという。
男は続けた。
「今の社学はかなり難しいらしいな。俺たちのころは誰でも入れたよ。口の悪いヤツらは、妾の子とか言ってたな、ははは」
一息置いて男の目から笑いが消えた。
「キミ、ベンサムの功利主義ってどう思う?つまり、最大多数の最大幸福ってヤツ」
アンナは返事に窮した。だいたい、ベンサムだかベンジャミンだか知るわけがない。
男は続けた。
「じゃあこんな質問はどうかな。最大多数の男の幸せ。しかも、短時間ででっかく稼げるアルバイト」
アンナは高鳴る動悸を抑えながら聞いた。
「いったいどんなアルバイトなんですか?」
男の目がギラリと怪しげな光を放った。
-
たまにこの掲示板見てる公務員(OB、定義厨とかいうキチガイがいた時代)なんだが、君まだ卒業してないのかな?
-
「ハッキリ言おう。キミくらいの美貌なら、ひと月に100万円くらいは楽に稼げるよ。ただし、キミの相手にする男性は、恋愛対象外の男達だと思うがね」
男は無表情に答えた。
同年代以外と接したことのないアンナは、訝しげに男をながめ言った。
「あのー、いったいどんな仕事なんですか」
男の口元が少し緩んだように思えた。アンナの胸の鼓動が高鳴った。
「キミ、知ってるかな。キャバクラ」
男は若干饒舌になった。
「なんてことはないよ。客と話をしたり、お酒を出したり、タバコに火を点けたり、ま、その程度。ただし、固定客を作らないと稼げないんで、若干の営業はありかな」
アンナはサークルでたまに飲むことがあったが、すぐに顔が火照って赤くなる。どちらかといえば、お酒は好きな方ではなかった。
「正直に言います。父親の会社が倒産してお金に困っています。前借りすることはできますか?」
男は下品な笑みを浮かべて言った。
「いくら必要なんだ?」
「滞納してる家賃や締め切り真近な授業料の納付なんかで、100万円もあれば、」
男はふいに立ち上がり、机の横の大きな金庫を器用に開け、束をひとつ取り出してアンナの前に置いた。
「これで、キミとオレは債務者と債権者だ。キミがその契約書に署名押印した時点で、期日までに返済がなければキミを債務不履行で訴えることになる。民法で習っただろ?」
アンナは決めた。バンスを受け取った以上、なにがあろうとキャバクラ嬢として稼ぎまくるしかない。
アンナにはキャバクラ業界がその華やかな外見とは異なり、愛憎渦巻く修羅場であるなどということは、知るよしもなかった。
-
いろんな客がやって来た。20代の自称IT起業家、疲れたサラリーマン、ヤクザのような風貌の得体の知れない男。キャバクラはあらゆる客層を吸いこんだ後に吐きだす。延々とそれを繰り返す。
アンナの働くキャバクラは歌舞伎町にあった。初日はさすがに緊張したが、何組かの客を相手にしてようやくパターンがわかってきた。
男などというのは実にシンプルな生き物なのだ。普段ふんぞり返っている大社長や教授や医者なんかも、町工場の自営業者とさして変わらない。要はホラ話とエロ話を延々としたいだけ。もちろん、その先にはあわよくばの下心が女性の反応を分析する。行けるのか、行けないのか、
その日アンナは美容院に行くため、少し早めに家を出た。天気が少し気になったが、いつも通り電車に乗って歌舞伎の店に出勤した。
朝礼を終え配置に付いた。奥まったところにあるソファでスマホをいじくりながら客を待った。
しばらくするとスタッフから「マリさんとアンナさん、お客様です」と声がかかった。
客席に案内されると、ハゲ、デブ、チビの三要素を見事に備えた50前後の客が、金縁メガネ越しにこちらをチラ見した。
男はいきなり関西弁でまくしたてた。
「東京はようわからんとこやな。いつも迷い子になってまう。ま、ええは。あんた何か飲むか?」
男は一緒に入ってきた茶坊主然とした30代の男を無視するように話を続けた。
「あんた、ワシのこと根っからの関西人思うてるやろ。実は大学は東京や。日大やけどな。もう標準語は忘れてもうた。そうそう、この店の女の子、ほとんどが大学生って聞いたで。あんたどこの大学や」
アンナが早稲田だと答えると、その男の目が獲物をみつけた豹のように光った。
「そうか、早稲田か。ワシは入れんかったけど、あんたみたいな美人がいるんやな。まさに才色兼備や」
少し言葉に卑屈な響きがあった。大学なんか関係ないですよ、と言いたかったが、火に油を注ぐことになりかねないので、話題をそらした。
「東京での仕事は多いんですか?」
「毎週きてる。仕事ばっかりしてるとさびしゅうてな。たまの息抜きや。賢そうなコやけん、多少カタイ話してもええな。新聞くらい読んどるやろ」
-
読んでるヤツおるん?
-
読んでるぞ
ただ語り側をやるのは空気読めないやつのせいで疲れた
-
おるよw
-
「ケインズっていう経済学者は知っとるやろ?知っとることなんでも言うてみ」
アンナはマクロ経済学の講義で学んだことを思い出しながら答をさがさた。
「ケインズといえばやはりアダムスミス的な楽観的な世界観を否定した学者ってイメージかな。今の安部政権もまたそっちの方向に進むのかなあ。政府の借金が1000兆円を超えてるっていうのに、」
男は答えた。
「平凡な答えやなあ。ケインズがおもろいのは、有効需要がどうとか金本位制を否定したことやない。ヤツがホモセクシュアルだったってことや。彼は論争好きだったのは知っとるやろ?アイツのパワーの源泉は性的な抑圧や。当時のイギリス見てみいや。同性愛は超タブーやで」
男は意外な切り返しでアンナの考えを一蹴した。
「精神分析の大御所のフロイトも多分ケインズのお仲間や。彼の性汎説は知っとるか。世の人びとのパフォーマンスの原動力は性的なエネルギーや」
アンナはギラギラしたブ男の話に何故か吸いこまれていった。
「ワシが言いたいんはな、この世の中を動かしとんは、不思議な性の力やいうこと。どんな理路整然とした紳士であってもSMクラブでムチにうたれて歓喜の声をあげてるかもしれんちゅうことや。いや、人間つうのは実に奥行きのある生き物や」
アンナは返事に窮したが、なんとなくこのハゲ、チビ、デブの三拍子揃ったこの男が他の客とは違う、なにやら信頼できる男に思えてきた、
-
一人の執筆者があまり濃ゆく書くんじゃなく、次々につなげやすい感じのほうがのぞましいよなあ
-
オレもそう思う。
しばらくここを去る
語り手B
-
このコピペ思い出した
396 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)2011/10/07(金) 02:15:48.07 ID:P/bO3VYOo
新章は近々始めますが、それにあたって作者からお願いがあります。
といっても、単に「作品の連載中、読んでる人は随時コメントをして欲しい」という、それだけです。
連載が終わってから纏めて、とかではなくて、“連載中に”コメントが欲しいのです。
ここでもmixiのコミュニティでも再三言ってることですが、私はSSの作者として、
「SSとは読者とのインタラクションの中で作っていくものである」というポリシーを持っています。
つまり、読者からの声がなく、作者が淡々と書いて投下しているだけという状況では、全く意味がないということです。
それなら「書かない方がマシ」といっても大袈裟ではありません。
特にこの都道府県SSは、本来3年前に終わっている作品を、需要があると言われて新たに書き続けているものです。
投下しても1件2件しかコメントが付かないのでは、その「需要」があるのか否かさえ曖昧になります。
全ての読者にレスを求めるのは酷な事だと思いますが、出来る限り「ROM専」というのはやめて下さい。
少なくとも、一夜投下する度に10〜20件くらいのレスは付いてほしいです。
この数字は、私の考える、SSが正常に連載の体裁を保てる最低限度のレス数です。
連載を続けるにあたり、そのことだけは、皆さんにお願いします。
397 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)[sage]:2011/10/08(土) 11:45:51.88 ID:zR80sq/vo
で、無視……と。
このスレで連載する必要はもうなさそうですね。
以後はmixiとサイトだけでやっていきます。
-
どうでもいいけど、とりあえず100を超えましょう!
誰か続きを書いてくれえ。
アンナの運命やいかに・・・。
-
その時だった!
-
選挙行ってきた?
-
投票率が52%。アンナは、その48%側であった。
-
>>100
ss作者ゴンベッサとは何者か?
http://www64.atwiki.jp/ranzers/pages/10.html
-
その時だった!
-
アンナの目の前に又吉イエスが現れた
-
海江田を落選させたのは私だ。
-
アンナはイエスに訊ねた。
-
イエスorノー
-
イエス高須クリニック!!
斜め下を行く答えが返ってきた
-
「私、包茎は嫌いなの」
そうだ、クリニックに行こう。
-
イエスはアンナの勧めに従いクリニックを訪れ、院長にお尋ねになられた。
-
ひとつ上の男になりますか。下の男になりますか。
-
おい、執筆者
-
おちんぽーん!
■掲示板に戻る■ ■過去ログ倉庫一覧■