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SSとイラストスレ

44黒井ピョートル:2009/01/11(日) 20:25:32
>>43
なんという格好いいイラスト……感激です。ありがとうございます。

結昨日奏SS(奥森かずいとの共鳴)


……運命。
運命という存在を、結昨日奏は信じていない。
自分自身の進退を賭けたこの大一番で、今まで手がかりすらなかった「共鳴者」と出会う。
運命的に見えたとしても、運命ではない。
自分と似た精神を持つ「共鳴者」であれば、知らずに同じ行動をとることは十分あり得る。
ならば、いつかは出会うだろうというのも容易に予測できることだ。
まあ、それがこのタイミングであったということは、そして、あの恐るべき監督官……オルガノン・カノンの気まぐれだかなんだかで振り分けられた先がたまたま同じ陣営だったということは、僥倖以外の何物でもないのだろうけど。
奏は隣にいる男を見やる。
整った容貌と、高身長。しかしながら、なぜかどことなく間の抜けた印象を受ける。
洞窟に入ってからというもの、彼が6回ほど転んでいたからかもしれない。
(……というか、本当に魔人なのか、この人)
どう見ても危険度A級指定魔人の首を取ってきたようには見えない。
……いや、人を見かけで判断してはいけないが。
少なくとも、なぜか試験会場にいた幼女とかよりは危険人物だろう。たぶん。
「どうしました?」
奏の視線に気づき、彼が問いかけてくる。柔和な微笑み。
とっさに奏は話題を探す。
「いや……あの、交換手術の処置はどうでしたか。体調は」
「ああ、播磨さんの能力のことですね」
彼は播磨のいる方に視線をやる。
「全く違和感はありませんよ。正直言って、医者としての腕は私などとは比べものになりません」
まあ私の専門は外科ではないのですが、と付け加えたが。
播磨千針の肉々交換手術。
2人の人間の肉体の一部を「元の身体能力ごとすげ変える」という驚異の力は、もはや医術とは呼べない。魔術とか奇術の類だ。
「……まあ、後遺症がないなら何よりですね」
奏の能力である二分の一刀流。それを使用するために必要不可欠な「共鳴者」と出会えたのだが、そこで問題がひとつあった。
「共鳴者」奥森かずい――彼との共鳴では、奥儀を撃つことはできない。
理由は、彼が医師であることにある……要するに、単純に身体能力が足りないのだった。これなら、武器無しという事情を鑑みたとしても、奏が一人で戦ったほうが強い。
戦闘前のブリーフィングで奏がそのことを話すと、
「そうか。つまり体の運動性能を上げてやればいいのだな」
播磨千針がそう言い、そしてあとは早かった。
がっしりとした体躯の男・マッチョムと奥森かずいとの交換手術は滞りなく終了した。
たしかに速度と結果を見ればかずいの言う通り、播磨千針は優れた医師だといえるだろう。
しかし、はっきり言って彼は医者には見えない。
裁縫セット(!)を手術に使っているのはまあ、百歩譲って許そう。布を切るのが本来の用途である裁ちばさみで皮膚を切開するその様子は異様だったが、まだ物理現象の範疇内である。
だが、どうして交換手術をされる二人のあんなに距離が離れているというのだ。
播磨の手から針が糸がハサミが飛んでいくのを見ていたが、今でも自分の目が信じられない。
そして、二人の体の「部品」が次々と宙を交差するその光景は、まるで悪夢のようだった。
というか、今夜あたりの夢に出てきそうである。
「個人的にはもう二度と見たくない光景……」
「アフターケアもしてくれるそうですよ」
かずいが言う。
つまりは、またあの肉の移動が行われるわけか。
正直あまりいい気分ではないが、まあいい。
どうせ、奥儀を放ったあとは、そんな光景を気にしてなどいられないだろう。そんな予感があった。
……奥儀。
魂の共鳴エネルギーを利用して放つ、必殺の剣閃。
その刀身は金色に輝く奔流。
その威力は無情に貫く激流。
すでに準備はできている。
右手を水平に突き出す。「響」を持つ右手。
かずいの左手が、柄に添えられる。



>SSボーナス
>1個まで提出可。 1〜5%アップ(イラストとの併用可)
一個までだったのね……orz
まあいいや、貼っちゃおう。せっかく書いたことだし。
ひとつはesあJの強制発動用……は、SSボーナス無理なのか。がっかり。


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