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【考察】型月作品考察材料保管スレ【補助】

611僕はね、名無しさんなんだ:2016/06/12(日) 08:12:08 ID:eGnQI.7Y0
ローマ遠征で疲れはてた王の軍を、モードレッドの軍は陣形を構えて待ち構えた。
アーサー王とその側近たちが上陸できたのはガウェインとケイの助力があったからだ。
モードレッド叛逆の報を聞きつけ、ガウェインは傷を押して戦場に駆けつけた。
アーサー王はガウェインの手引きで包囲網を突破し、どこからともかく手勢と共に現れ
たケイの殿によって絶対の窮地から生還した。
この戦いにおいてケイ卿はその最期まで、王の姿を見る事はなかったという。
陸地にあがったアーサー王は一時の時間を得た。
モードレッド側についた諸侯は多く、兵力においてアーサー王は劣勢だった。
上陸後の初戦において、ガウェインはモードレッドとの一騎打ちの末に命を落とした。
"アーサー王と同じく、戦場においてはオレは常に先陣をきる"と公言してはばからなかっ
たモードレッドだが、ガウェインとの戦いで傷を負い、二日目の戦いからは後方で指揮を
とる事になった。

モードレッドの謀反に賛同した兵士たちは、なにもアーサー王憎しで団結したのではな
い。終わる事のなかった戦乱。痩せた大地。ひもじさで命を落とす子供たち。
彼らはずっと堪えてきた。これ以上は耐えられないと常に訴えていた。

"みんな、もうとっくに限界だった。私だけが、ひとりで平気だったんだ―――"
理想の王は、しかし、理想であるからこそ人々の弱さを測れなかった。
客観的に見れば誰にでも分かる。彼女の心は、もうこの時に折れていたのだと。
七日目の朝。戦いはカムランの丘に到達した。
両軍の激突は夕暮れまで続いた。
自軍も敵軍も死に絶え、もはや生きているのは数えるほどの屍の山。
血にまみれたカムランの丘で、彼女はある騎士の言葉を思い出す。
"―――王は、人の心がわからない"
その通りだと認めながら、彼女は折れた心をつなぎ合わせて槍を握る。
聖剣はとうに輝きを失っていた。彼女の心が折れた時、地上の星は冷えきったのだ。

612僕はね、名無しさんなんだ:2016/10/14(金) 23:32:49 ID:pIWUxlHg0
>「ほら、そこのオルガマリーさんとかも途端に顔色変わったでしょ? なんせ、黄金は通常のノウブルカラーの更に上位だから」
>「通常のノウブルカラーの、さらに上?」
>「ひとつ間違えれば、封印指定ものだ」

>「ああ。時計塔の技術じゃ魔眼だけ確実に摘出できるとは限らないからな。本人ごと保管した方が楽というわけだ。
> 二度と生まれないような魔眼は本人だけの財産ではなく、魔術協会すべての公共なものである、というわけだな」

>「さらに上には『宝石』と呼ばれる魔眼もあるそうだが、そのへんとなると、実在を疑われるレベルだな。
> あるいは一派を率いるロードならば密やかに持ち合わせているかもしれないが。……魔眼蒐集列車の面目躍如、というところか」

>「虹の魔眼は?」
>「魔眼蒐集列車であれば、伝説の最上位たる虹の魔眼も管理しているんじゃないの? 例えば……極東に現れたという直死の魔眼とか」

>最上位。つまりノウブルカラーどころではなく、実在が疑われているという宝石の魔眼よりも、さらに上だと。
>黄金。宝石。そして、虹。名前だけで並みいる魔術師たちを恐れさせる、最上位の魔眼。

>しかし、『黄金』以上の魔眼には、現代では失われた大魔術が蔵されていることも稀ではないのだ。まして、それが『宝石』や『虹』ともなれば
>大魔術以上の――古今のあらゆる魔術ですら再現できない神秘が秘められていることすら考えられる。
>それこそ、神霊の行う権能といわれる類である。
>(もしも、直死の魔眼なんてものがあるなら、バロールの権能にも……)
>その代限りとはいえ、十二家の源流刻印や至上礼装さえ上回りかねない。

>「……どうしてかな? 伝説上にしか存在しない魔眼だ。おそらくは他のロードも持ってないような逸物だぞ。
> どんな能力かは分からぬにせよ、手にはいるなら誰だってほしがるだろう」

とりあえずロード・エルメロイ2世の事件簿から魔術的な価値に関係してそうな記述

613僕はね、名無しさんなんだ:2017/02/18(土) 14:08:06 ID:Q1ikhPdg0
三日目・幕間 『奈落の虫』
ソレは蟲に食われているのではない。この夥しいまでに地下室に生息する蟲こそが、ソレに食われるだけのモノだった、貯蔵量にしておよそ百年分
ソレが蟲を食うモノだとするのなら、それだけの余命が、すでに約束されている事になる。
「まだ先はある。此度が最後という訳でもない。万全でなければ静観に徹するべきなのだが」
さて、とソレは口元を歪める。今回の"場"は万全と言えるものではない。前回の戦いから十年足らずで開こうとする孔。
監督役である神父は二体のサーヴァントを有し、柳洞寺に根を張るサーヴァントは自らサーヴァントを召喚した。
条件は良くはない。このような不安定な戦いで満ちる杯など完全には程遠い。門は開けようが、中にあるモノにまで手は届くまい
「ならば静観するべきなのだが。困った事に持ち駒だけは適しておる」聖杯を奪い合う場としての条件は最悪である。
だが一点ーーーー今まで手をかけて作り上げた"モノ"の仕上がりだけは万全だった。開放せば到達する。
手順さえ間違えなければ必ずや聖杯にてが届くだろう。なにしろ聖杯の中身を植え付けられたモノだ。
十年間、神経の至るところまで聖杯の欠片に侵食された細胞具である。ならば元が同じモノ同士、引き合うのは当然だろう。
「・・・・ふん。ワシには次があるが、アレはそう長く保つまい。胎盤として貰いうけたものだが、よもやあれほどの出来になろうとはの」
実験として用意したモノは、ほぼ完全と言えるまで適合している。このまま使い捨てる予定だったが、使えるのならば使うべきだ。
どちらにせよ廃棄する予定だったもの。戦いに敗れ破壊されようが不能になろうが、棄てるという結末には違いない。
「ーーーーとなると、問題は一つ。アレをどうやってその気にさせるてやるかだが」用意した"適合作"は、あろうことか戦いを嫌っている。
自由意志を奪えばいいだけの話だが、存外に"適合作"の精神防壁は強固だった。・・・・まぁ、優れた魔術回路を持つ胎盤を望んだのだ。
ならば、自我を侵そうとする毒に強いのは道理と言える。従順な人形を取るか、優れた弟子を取るか。後者を良しとした以上、洗脳は諦めねばならぬ。
「ーーーー一度でよい。僅かな隙間さえ開けば、後は自ら聖杯を求めるのであろうが、さて」
その隙間を開ける事が困難だった。アレは他者からの強制で崩れる精神ではない。そのように壊れるものなら、十一年前にとうに砕け散っている。
アレは反撃する刃を持たぬだけの、この世で最も強固な要塞だ。ならば壊れるのなら内側から、自身の昏い感情こそが、アレを変貌させる鍵となろう。
「ーーー来たか。さて、では隙間を作ってやるとするか」

614僕はね、名無しさんなんだ:2017/02/18(土) 14:21:41 ID:Q1ikhPdg0
暗闇に足音が落ちてくる。現れた何者かは、腐敗の中心である蟲へと歩み寄り、"マスターは全員殺さなくてはならないのか"などと、予想通りの問いかけをした
「ーーーーー」無論、そのような事は返答するまでもない。マスターは全員殺す。サーヴァントは全て奪う。
それがこの地下室に渦巻く執念だ。だが、それを押し殺して
「おまえがそう言うのであれば仕方あるまい。では、今回も傍観に徹しよう」ソレは言った。
安堵の声と、弛緩する空気。もはや戦いの意思などない、とソレは優しく笑みを浮かべたあと。
「しかし、そうなると少しばかり癪だのう。今回の依り代の中では、遠坂の娘は中々に良く出来ておる。勝者が出るとすれば、おそらくはあやつであろう」
そう、残念そうに囁いた。"ーーーーーー"・・・・・緩んだ空気が戻る。僅かな変化ーーーー見逃してしまうほどの小さな負の感情が地下室に灯る。
戦いを嫌ったモノは、その一言で天秤を揺らしてしまった。揺れてしまえば出来てしまう。僅かな軋み。
本人さえ気がつかない、開けてはならない筈の隙間。「ーーーーク」ソレが笑う。
蟲に集られ、今もなお朽ちゆくソレは、人の形を保ったままクツクツと笑っていた

615僕はね、名無しさんなんだ:2017/02/18(土) 15:16:01 ID:Q1ikhPdg0
十三日目・間桐邸 『臓硯と対峙〜影の正体』
間桐邸に入るのは一年ぶりだ。うろおぼえの記憶で廊下を抜け。一階の居間に向かう。「ほう、思ったより早い到着だな、衛宮の小倅」
「----」居間には臓硯の姿しかない。アサシンの姿も、あの黒いセイバーの姿もない。・・・どうやら話があるというのは本当らしい。
「む?なんじゃ、ワシとは挨拶を交わす気にもならんか。これはずいぶんと嫌われたようだのう」・・・ようするに馬鹿にされてるのだ。
俺一人、いまさら殺す気などないって余裕が見え見えで頭にくる。
「さて。招待を受けたからにはおぬしも話があるのだろう?ならば座るがよい。お互い、立ち話ですませる事ではなかろう」
「----まさか。おまえとの話なんて、立ち話で済ませるもんだろう」・・・飛びかかって打ち倒したい衝動を堪えて、睨み殺すつもりで臓硯を見据える。
こっちは臓硯のように敵意を隠す事はできない。桜の体をあんなふうに変えた元凶に、少しでも気を許すものか。
「臓硯。これが話し合いだっていうのなら、俺から言う事は一つだけだ。今すぐ桜を解放しろ」臓硯が断るのなら後は戦うだけだ。
この場でアサシンとセイバーを呼ばれようと、殺される前にこの妖怪を打ち倒すーーーー
「桜の解放か。・・・・・ふむ。いや、そうしたいのはワシも山々なのじゃがな。残念だが、もはや儂ではどうしようもできんのだよ、小僧」----と。
目の前に立つ老魔術師は、真実、無念そうに答えていた。「----なんだと?」
「ワシが何をしたところで、あそこまで育ったアレは救えんのだ。桜は既に聖杯として機能しておる。この場でワシが刻印虫を取り除いたところで、アレが自滅する事に変わりはない」
待て。聖杯?桜が聖杯として機能している?なんだってここで、そんな単語が出てきやがる・・・・・?
「待て。桜が聖杯ってどういうことだ。おまえ、桜は一体・・・・!」「決まっておろう。聖杯を手に入れ、己が望みを叶える為の手段じゃよ。
全ては我らマキリの悲願、真の不老不死たる魂の物質化の為に、十年前の戦いの折、ワシは桜に聖杯としての機能を与えたのだ」「なーーーー聖杯としての、機能を与えた・・・・・?」
「そうだ、十年前の聖杯戦争の終わりは聞いていよう。おまえの父、衛宮切嗣は聖杯戦争によって完成した聖杯を破壊した。戦いはそこで終わり、聖杯を降ろす儀式はまたも失敗したのだ。
だがーーー何もかも失敗だったワケではない。一時であれ聖杯は完成したのだ。ならばその破片。砕け散った聖杯を、そのまま捨て置くのは惜しかろう」
「----」頭が急速に冷めていく。つまり、この男は、孫である桜に、「そう。回収した聖杯を移植したのだ。だがワシとてそこまで外道ではない。桜が人間として生活できるよう工夫はしたがな」
「---じゃあ、桜の体内の刻印虫は」「聖杯を触媒にして生み出したモノよ。それによって肉体は魂を受け入れる為の聖杯となり、儀式が果たされた時、門となって繋げる触媒となった。
アインツベルンが作り上げる聖杯の真似事よ。まあ、ワシでは彼奴らほどの技術がない故、八割がた自己流となってしまったがな」呵々、と愉快げに笑う。
・・・・なにがアインツベルンの真似事、だ。こいつは単に、出来上がった完成品の欠片を拾って、それを無関係な桜に与えただけじゃないか・・!「・・てめえ、自分じゃ聖杯が作れないからって、そんな方法で、聖杯の真似をしようとしたのか・!」
「実験。あくまで実験じゃよ、衛宮の小倅。この程度では、次に繋げる実験にすぎぬ。本来なら桜はゆっくりと、何十年の歳月をかけて聖杯に近い存在へ変わっていく予定だった。魂を収める器としての機能を持ちながら
あくまで人間として生き、天寿を全うするように施した、マキリ流の聖杯の第一歩になる筈だった」

616僕はね、名無しさんなんだ:2017/02/18(土) 15:47:56 ID:Q1ikhPdg0
「桜がーーーー第一歩、だと・・・?」「当然じゃろう。桜はその為に間桐に寄越された娘じゃ。間桐に娘をやる、という事は我らの悲願達成の礎とする事。
遠坂とてそれは承知の筈、彼奴もワシも目的は同じだからな。不老不死を手に入れる為ならば、共に鬼にもなるわ」「不老不死、だって・・・・?そんな、そんな馬鹿みたいな理由で桜を利用したっていうのか、おまえも、遠坂の親父も・・・・!」
「無論。もとよりこの地に起こした聖杯戦争は、その座に至る為の儀式。その為だけに我らは手を組み、ワシだけが今も無様に生き続けておる。間桐の後継者たちによって、遥か先になるであろう悲願達成の為にな」
「だが運命とは皮肉なものよ。本来なら”適応しない聖杯”だったはずの桜は、ここにきて驚くほどの成長を遂げおった。いやはやワシも老いた、よもやアレほどの素質を持っていたとはのう。
多くのサーヴァントを取り込みながらも自滅せず、間桐桜の自我を残したまま、未だ生き長らえておる。----その姿はまさに聖杯。ワシでは作り上げられぬと諦めていた、アインツベルンの聖杯そのものよ」
「っ・・・・・!」我慢できない。この妖怪の戯言を、これ以上聞けるほど我慢強くはない。俺は、臓硯が従えているアサシンの事も忘れ、「ふざけんな、何が聖杯だ・・・!人間を犠牲にしただけのモノを、偉そうに聖杯なんて言うんじゃーーーー!」
激情に任せて、振り上げた拳ごと臓硯に踏み込んだ。だが、「いや、聖杯だとも。そもそも、聖杯を作り上げるアインツベルンからして、聖杯のベースは人間ではないか」
「----、え?」臓硯はにたりとした笑みで、俺の動きを止めていた。「人間が、ベース?」・・・踏み出した体が、後ろによろめく。判りたくもないのに。それが誰を指しているのか理解できた自分が恨めしい。
「そうだ。おぬしが匿っておるイリヤスフィールとて聖杯よ。だが同類にされては困るぞ?なにしろアインツベルンはワシよりも数倍性質が悪い。彼奴らが用意した聖杯がどのようなモノなのか、それは本人に訊くがよい」
「----」・・・振り上げた拳が落ちる。・・・桜だけじゃない。イリヤまでそうなのだと知らされ、臓硯に対する敵意より先に、どうしようもない後悔が体を支配していく。
「さて、おぬしの話はそれで終わりだな。ではそろそろこちらの番だ。おぬしを呼んだ理由。あの影について、相談したい事がある。」
「なーーー」影について相談する・・・・?臓硯のいう影は、街の人間を襲っている”黒い影”の事だろう。だがそれはーーーーー
「・・・・なに言ってやがる。アレはアンタの仲間だろう。なのに相談があるだなんて、俺たちにアレを倒させたいっていうのかよ」皮肉を込めて臓硯を睨む。
「カカカ、いや話が早い!そう、ワシはあの影をどうにかしてもらいたい。その為にはおぬしの力が必要なのだ、衛宮士郎」「なっーーほ、本気か・・・・!?アンタとあいつは仲間だろう・・・!?」
「仲間・・・?さて、手を貸した事はあるが、アレから手を貸してもらった事などない。第一、アレと意思疎通など出来るものか。ワシはただ、アレが暴れださぬよう道を整えていただけだ。
被害を最小限に抑えるため、毎夜なだめていたようなものなのだが・・・それも昨夜から出来なくなった。言ったであろう。もはやワシではどうしようもなくなったのだ、と」「------」どくん、と心臓が痙攣する。
ワシではどうしようもなくなった。その台詞は、誰に対してのものだったか。「---臓硯」

617僕はね、名無しさんなんだ:2017/02/18(土) 16:56:03 ID:Q1ikhPdg0
「おお、そうであったな。その前にあの影がなんであるかを教えてやらねばならなかった。うむ、言ってしまえばアレは聖杯の中身だ。
聖杯は願いを叶える万能の釜といわれるが、我らが目指した聖杯は釜ではない、聖杯もまた手段にすぎぬ。アインツベルン、マキリ、遠坂。この三家が目指したものは、
完成された聖杯を以って、外に通じる”孔”を開くこと、完成した聖杯とは、”あらゆる望みが叶う場所”とこちらの世界を繋げる門と思えばよい。」
「・・・・待て、じゃあ聖杯っていうのは」「知れたこと、魔術師の目的は全て根源に通じること。だが、ワシはそのような事に興味はない。アインツベルンとて、聖杯の完成だけを求めた者どもだ。
根源を目指しているのは、今では遠坂ぐらいのものだろうよ」「・・・・まあよい。ともかく、聖杯とは”願望機”に繋がる孔だ。あの影はそこからこちら側に漏れているのものでな。
本来の聖杯ーーーイリヤスフィールならば、あのような事にはならん、あの影は聖杯の模造品がしでかした不始末だ」
「いや、身内の恥を口にするのは憚られるのだが、育て方を誤ったのだろうな。あやつめ、聖杯として成長したはいいが、きちんと門を締められんようだ。その不始末で自分が壊れるのは勝手じゃが、
人様を巻き込むのだけはいただけまい。困ったものじゃよ、このまままではワシが手塩にかけた聖杯が、町中の人間を呑み込んでしまいかねん」いやはや、と。それこそ他人事のように、間桐臓硯は首を振る。
「----」本来なら殴りつけなくてはならない言葉。だがそれ以上に、臓硯の言葉は、こっちの感情を凍らせていく。「----じゃあ、あの黒い影は」紛れもなく、
「とっくに気付いていたのだろう?なにしろアレは桜の影だ。身近にいたおぬしならば、アレと桜が似ていると判っていた筈」間桐桜、そのものなのか
「-----」・・・・目眩を堪える。・・・・その事実を。とうに気付き、否定していた関係を受け入れる。あの”黒い影”が何物であろうと、その罪は、桜に及ぶのだと認めなく、て、はーーーー
「---桜は、それを」「いや、桜本人は知るまい、アレは桜を通して現れる聖杯の影。本来あのようにカタチを得る事はないのだが、桜という門を通して出現する際、桜を原型にし、こちら側での存在を象ったモノにすぎぬ。
聖杯は桜が封じている無意識を借り受ける事により、あのように現界したのだ」
「正直、ワシもアレは予想外じゃった。有り得ぬとさえ否定したが、日に日に力を増していく以上、もはや認めざるを得まい。アレは意思を持った聖杯だ。故に、自らを完成させる為、糧となる人間の魂を求め続ける。
止める方法は一つだけよ。聖杯が桜の無意識によって生まれているのならば、桜本人を止めればよい」
「そう思い桜を説得しようと試みたのだがな、あの影はワシが桜に近寄ることを阻む、意思こそないものの、あの影は桜自身じゃ。桜が嫌う相手ならば影も嫌悪する。もはや、ワシでは桜に近寄ることさえままならん」
「じゃあアンタは桜に近づけないのか?」「うむ。おぬしらは桜をワシの手駒と考えておるようじゃが。それも過去の話。桜はもはやおぬしの手にある。桜と離れたこの体では、アレを律することはできん」
「・・・・・・」それは喜んでいい事だ。少なくとも臓硯は桜に手を出せない。なら、あとは体内の刻印虫をなんとかすればーーーーー
「-----待て、アンタ、桜に何もしていないのか?」「うむ、しておらぬが」「なら、今も桜が苦しんでいるのは」
「それは桜自身の問題じゃな。ワシは刻印虫を使った覚えなどない。桜が聖杯である事。、聖杯からの力の流入で自身を保てなくなっておるだけよ。考えてもみよ。
”あらゆる願いを叶える”ほどの膨大な魔力の渦がある。その渦から流れてくるモノを、人の身で受けているのだぞ?桜の脆弱な精神が、その奔流に耐えられる筈もなかろう」
「----じゃあ、このままいけば、桜は」「聖杯である事に耐え切れず破裂するであろうな。いや、桜の意識がカラになれば。無意識を借り受けていた聖杯が浮上する。桜は、自分自身の影に呑み込まれるか」

618僕はね、名無しさんなんだ:2017/02/18(土) 17:33:17 ID:Q1ikhPdg0
「理解したかね。ここでワシを倒すのも無駄なこと。ワシを倒せば聖杯戦争が終結する。となれば、あとは聖杯が起動するのみ。聖杯として起動すれば、桜の精神など容易く霧散しよう。
桜を救いたいのであらば、聖杯戦争の期限切れまで耐える事だ。大聖杯の完成・・・門を開く時期、というものはそう長くは続かぬ。開始より既に十日。過去の例からいけば、あと四日ほどで此度の戦いは集結しよう
「---四日。このまま四日たてば、桜は助かるっていうのか」「さて、それはおぬしが判断する事。今朝の桜の容体はどうであった?あと四日保つと思うか?」「っーーー保つ。そんなの、保つに決まってるだろ」
「なるほどなるほど。だが、他の人間はそうはいくまい。昨夜消え去った人間は何人だ?今夜消え去る人間は何人だと思う?否ーーーあと何日、この町の人間は残っていると思うのかね?」
老魔術師の問いは、よく聞こえなかった。この男は愉しんでいるのか嘆いているのか。その区別さえつかないほど、頭が、ぐらんぐらんに揺れている。臓硯を倒しても解決しない。聖杯戦争が終わるまで桜が保たない。
あの黒い影は俺たちでは倒せない。聖杯戦争が続くかぎり町の人間が犠牲になる。「・・・・じゃあ。どうすれば」桜を救えるのか、と奥歯を嚙むそこへ、「---簡単な話だ。おぬしが、桜に手をくだせばよい」判りきった事を、はっきりと臓硯は口にした。「----」
「そうであろう?これ以上生かしておいても先はなし、黒い影は今夜も人を襲うだろう。それを防ぐ為、あの娘を今すぐ消せ」目眩がする。「----」
「ワシの用件とはそれよ、おぬしに現状を理解させてやろうと思うての。衛宮士郎は、最大の厄災を保護しておるのだと」吐き気がする。「------」
「ワシや遠坂の娘では感付かれる。だがおぬしならば桜は喜んでその判断に身を委ねよう」呼吸ができない。「-----」「---万人の為に悪を討つ、判っていよう?おぬしが衛宮切嗣を継ぐのなら、間桐桜こそおぬしの敵だ」思考が、何一つ働かない。
何一つ返せず、飴のようにぐにゃぐにゃに曲がりくねった廊下を歩く。床を踏む足も、壁によりかかる手も、確かな感触など何もなかった。酷い。出口のない、歪んだ悪夢にいるようだった。呼吸を忘れたまま外に出る。
「おぬしならば間違えまい。桜には気の毒だが、これも運命と諦めて貰おう」・・・・・歩く。
「---だが小僧、孫に代わって礼を言うぞ。アレは今まで、何一つ自分の為の行いなどしてこなかった。父親に見捨てられた己が身を呪うでもなく、さりとて姉のように万能を望むでもなく、ただそこに在るだけの人形が如き虚ろな存在であった」
・・・・歩く。・・・・歩く。「その人形が、初めて望んだ男に愛されたのだ。いやいや、さぞ本望であろう。そう自信を責める事はない。おぬしは最後に一つ、哀れな孫に贈り物をしてくれたのだからな」・・・・歩く。・・・・歩く。・・・・歩く。
桜の待つ家に向かって、崩れそうな足を進ませた。

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620僕はね、名無しさんなんだ:2017/06/07(水) 01:08:12 ID:/wIaoeNE0
エクスカリバーが折られるという件

> ―――それは、神話の再現だった。
> 朝靄(あさもや)に包まれた森の中、二つの影は絶え間なく交差する。
> バーサーカーは、ただ圧倒的だった。
> 薙ぎ払う一撃が旋風なら、振り下ろす一撃は瀑布のそれだ。まともに受ければセイバーとて致命傷に成り得るだろう。
> それを正面から、怯む事なく最大の力で弾き返すセイバー。
> 嵐のように振るわれる一撃に対し、全身全霊の一撃をもって弾き返すのだ。
> そうでなければ剣ごと両断される。
> 間断なく繰り広げられる無数の剣戟は、その実、セイバーにとって一撃一撃が渾身の剣だった。
> 絶え間ない剣戟の音。
> 間合いが違う。
> 速度が違う。
> 残された体力が違いすぎる。
> セイバーに許されるのは、避けきれない剣風に剣をうち立て、威力を相殺する事で、鎧ごと両断されないようにするだけだった。



 キャスターの魔力による補助か、敵の指はセイバーの首を容易く握り潰していく……!
「ぐ――――ああああああああ…………!!!!」
 セイバーの剣が上がる。
 この一瞬、首を握り潰される前に敵の腕を断とうと剣が走る。
 だがそれは適わない。
 剣を振るうより速く、彼女の体そのものが剣のように振るわれる。
 ―――体が宙に浮く感覚。
 投手のようなオーバースイング。
 男はセイバーの首を捉えたまま、片腕で彼女を放り投(・・・)げた(・・)。
 人体を球に見立てた剛速球。
 受け身など取れる筈がない。
 首の肉を削がれながら投げ飛ばされ、時速200キロのスピードでコンクリートの壁に叩きつけられ、
「ぁ……、っ――――――――――――」
 彼女の体は、活動停止を余儀なくされた。

621僕はね、名無しさんなんだ:2018/02/12(月) 14:19:23 ID:EZr3qAl.0
Qムーンセルの聖杯戦争で召喚されるサーヴァントの配分だが、各クラス同じ比率で召喚されているのだろうか?
A聖杯戦争で召喚される128騎中各系統15から18騎の割合でムーンセルは配分を行っています。
とはいえマスターとの相性もありますので召喚されるクラスが偏る多少の揺らぎもあります。

Qサーヴァント召喚の呪文はムーンセルの聖杯戦争には存在しないのだな?
Aムーンセルの聖杯戦争に召喚の呪文はありません。
予選を突破した時にマスターのパーソナリティーに合ったサーヴァントをムーンセルから与えられるという形です。
ただ前もってこのサーヴァントが好ましいとオーダーを決めている場合
マスターの能力が見合っていれば望み通りのサーヴァントを獲得できます。
ユリウスさんだけはちょっと特殊で前任者からの引き継ぎというトンデモナイ離れ業をやっています。
これはユリウスさんの部下が先に聖杯戦争に参加し
ムーンセルの眼を逃れなんとかデータの一部だけを送ってきた際
その中にアサシンの情報があったというわけです。

Q本編の最後に登場した特殊クラス、セイヴァークラスのようなエクストラクラスも
本編に登場しなかっただけで、参戦はしていたんですか?
Aはいエクストラクラスは例外中の例外として稀に認められます。

Qセイヴァーはどうやってトワイスのサーヴァントになったのだ?
やはり他の参加者と同様に選定の間でムーンセルに与えられたのか。
Aセイヴァーさんの場合は特殊な契約ですね。
そもそもセイヴァーさんは皆さんと同様、ムーンセルによりマスターに与えられる戦闘代行者として再現されていました。
ですがムーンセルはセイヴァーさんの性質上聖杯戦争には参加しないものと捉えていたのですが
セイヴァーさん何度も戦いを繰り返すトワイスさんに気付いて自分から彼の下に降り立ってしまいました。
なぜセイヴァーさんはトワイスさんのサーヴァントとしてその傍に在り続けたのか
その行為の意味はドラマCD内で岸波さんが語ったとおりです。
ちなみにムーンセルはトワイスさんの不正行為を見つけていませんでした。

Qトワイスの本名トワイス・H・ピースマンと呼称されていたが、このHの読み方は何と呼ぶのだ?
A実はこれハーウェイなんです。
キャス狐「マジで!? あーいやいやだって、あの時私あの方のパーソナルを気にかけることなんて無かったですしねぇ」

Qあやつ(トワイス)がハーウェイ一族に連なったのはやはり戦争孤児になってからか?
Aはい彼が戦争孤児になった際にハーウェイ一族の中でトワイスさんの天才ぶりを知った方がいたようで彼を養子にしています。
それ以降ですね彼の名前にHが入るようになったのは
ちなみにシナリオブック内でボツになったレオさんのテキストに少し描写があります
確か一族にそんなの名前の…みたいな感じで記載されていますね。

Q他のマスターの勝敗結果についてだ、トーナメントに勝ち残ったマスターはどの程度情報を取得することができる?
たまたま決戦場から帰還した所を見るなどといった偶然以外はシャットアウトされているのか?
Aはい勝者が誰なのかは帰ってくるところを廊下で待っていれば見られますが
勝負内容は秘匿情報扱いとなります。

Q対戦相手の選定は完全ランダムなのか?
各決戦の結果、勝者が必ず成長を遂げる組み合わせになるよう計算されたモノなのか?
Aこちらは完全にランダムですね。
岸波さんが対戦したサーヴァントのクラスはバラけていましたが
勝ち残りによるトーナメント戦ですから確率的に同じクラスと三連続で戦うマスターも居たとは思います。

Q今回ラニさんが対戦者となった時名前を確認できないよう掲示板を細工してましたけど
セラフには自動修復があったはずですよね。修復するのを待って掲示板に戻ればマスターの名前を確認できたんじゃございません?
Aいいえラニさんやあるいは遠坂凛さんほどのハッカーなら修復されるごとに変化するプログラムを組んでしまうでしょう。
あの妨害はセラフのシステムそのものに傷を入れているのではなく
システムから表示された面にペンキを塗って見えないようにしているので
セラフは監督役AIの言峰神父に報告されるまで気付くことが出来ません。
そしてセラフにはそのような報告はありませんでした。

Q言峰神父は報告しねぇってわけですか、これって他のマスターにも同じことしてません?
Aその通りです。ほんとに困った人が裁定役になっていますね。
無銘「緊急事態以外は何もしないのは何時ものことだ。にも関わらず愉悦を感じることには人一倍尽力するのは采配を間違っているな」

622僕はね、名無しさんなんだ:2018/02/12(月) 14:20:22 ID:EZr3qAl.0
Qマテリアルでも本名不明扱いのありすさんやランルーくんさんのように月の聖杯戦争に参加する際は偽名でも構わないということですか?
Aはい本人の申告が通ります。でも情報はキッチリあるのでハッキングすれば本名は判ってしまいますね。

QAIやNPCにはデザイン元となった人間の情報はどれくらい与えられているのだ?
サーヴァントのように完全に瓜二つの記憶なのか?
AAIについては人間性を完全再現した上で聖杯戦争運営の一員としてのパーソナリティーを与えられていますね。
感覚として自分はかつてこういう人間だったらしい、今の自分には関係のない話だけどという感じです。
無銘「座に戻ったサーヴァントの情報のようなモノというわけだな」

Qセイバーやバーサーカーの「三度落陽を迎えても」や「赤兎無尽」は戦闘続行スキルだと思っていたが
スキルを超えた能力ではないかと疑問がでている。
これはもしや蘇生宝具ではないのか?
Aいいえ、あれはあくまでスキルです。戦闘続行系のモノとして設定されていますね。

Q今回ムーンセルが六回戦目でラニさんを復帰させましたけど。
ラニさんが選ばれたのは何故なんでしょう。
言峰神父の言葉はイマイチ信用がおけませんし仔細を確認したいです。
これはルールとしてセラフが設定していたんですね?
Aはいラニさんが選ばれたのは偶然でも何でもなく
セラフに存在するマスターの中でまだ戦えるマスターがいるならば聖杯戦争に復帰させるというルールがあるからです。
ムーンセルは途中下車を許可しません。より詳細にお伝えすると
第五回戦マスターが共倒れしたためマスター枠に一つの空きが出来ました。
そこでまだ戦えるサーヴァント付きのマスターだったラニさんが選ばれたのです。

Q今回奏者がレオとの決戦の際、最後の令呪を使用して勝利した。
本来ならば令呪の消失はマスター権の放棄だ。にも関わらず消滅を免れることができたのは何故だ?
Aそもそもの隠しルールとして令呪を総て使用したとしても校舎に戻らなければ消えることはありません。
よってアリーナ内ならびに決勝戦場内で総て令呪を使ったとしても
何らかの方法で令呪を補充した場合は助かります。
そして令呪は聖杯戦争に参加するマスターたる証です、つまり決勝戦で勝利した時点で聖杯戦争は終結していますので
令呪がなくとも岸波さんは帰還を果たせたというわけです。

Qムーンセルが事実上使われない(令呪の)最後の一画を設定しているのは何故か?
Aこれは人間の命と選択、どちらを取るかというデータを取得するためです。

Q(皇帝特権は)どこまで能力が発動するのか確認したい
A実はセイバーさんの思い込みみたいなものなんです。
少しでもかじったことが有るモノなら、セイバーさんの脳内では達人並に使いこなしたぞとなって
それを実際のモノとします。
セイバーさんが皇帝ネロとして君臨していた時代
皇帝とは神の代行者ですのであらゆる特権が許されました。
ようするに世界の依怙贔屓です。皇帝ならしょうがない、しかもネロ君でしょ?
僕達ネロ君大好きだしあの娘いいよねぇだからまぁ大抵の無茶は目を瞑るよみたいな感じで世界はネロを許容しました。
ではその効果の程はというと、生前に扱ったことがある道具や武器は達人クラスに使いこなします。
生前に使ったことはないけど習ったモノや学んだモノも見様見真似て使えてしまいます。
生前全く知らなかったけれど○○と似たよなモノっぽいからいけるはずだというモノもノリで使えてしまいます。
オートバイを見て馬と同じようなモノかなら余に任せるが良いという感じですね。
生前全く知らず今見ても理解できないモノは流石にお手上げ、
大魔術を使うや機動戦士ウンダムに乗り込んで動かすなどがこれにあたります。
最後にそもそも理解したくない美しくないと感じるモノは皇帝特権は働きません。

623僕はね、名無しさんなんだ:2018/02/12(月) 14:21:07 ID:EZr3qAl.0
Qエクストラの聖杯戦争はご主人様が勝者となるまでトワイスによって何度も繰り返されたものという認識で大丈夫でしょうか?
Aトワイスさんにより、というよりムーンセルが聖杯戦争を行う度、彼は最後の勝者を処断してきました。
彼が熾天の座に着いてから100回以上の聖杯戦争が行われていますが
人類は「聖杯戦争勝者による自己願望」100回以上の「繁栄か自滅かの選択」を回避していたことになります。

Q奏者が言った海洋都市とは何処のことなのだ?
A岸波さんが居た海洋都市は日本の有明です。
ビックサイトですか?確かにそんなものも見えたかもしれません。
ですが2000年の謎のバイオテロにより日本の首都は廃墟化
岸波さんの居た海洋都市も放棄され2020年には日本は完全な修羅の国になってしまいます。
どの国も介入しない巨大な軍艦島ですね。

Qムーンセルの聖杯戦争が岸波白野によって終了した以上今後聖杯戦争に代わる闘争は起こり得るのだろうか?
Aはい聖杯戦争は終了しましたがムーンセルを舞台にした新たな戦いFate/EXTELLAが展開しています。
エクストラの戦いの後ムーンセルは人類の観測機械から人類の新天地へと在り方を変えました。
聖杯戦争に代わる闘争は知性体にとって新天地であるセラフ内の興亡となります。
その結末はプレイヤーである皆さんの腕次第どうぞ発売をお楽しみに

624僕はね、名無しさんなんだ:2019/08/12(月) 15:45:02 ID:K3sT5qa60
アロンダイト「…『無毀なる湖光(Aroundight)』の真髄は全並行世界に及ぶ刃
による死角皆無の完全なる全位相攻撃だ。鈍重極まる宝具だけでは湖光を毀す
ことなど永劫叶わぬ」

625僕はね、名無しさんなんだ:2020/05/17(日) 09:25:43 ID:M1.FBX1Y0
TYPE-MOON設定資料 最強リセマラランキング
https://grogxgrog.hatenablog.com/entry/2020/03/28/201820

626僕はね、名無しさんなんだ:2021/11/16(火) 14:52:16 ID:JPbzLu6Q0
fate stay night HF 幕間「真実」
間桐邸。二百年前この町に移り住んできた、古い魔術師の家系の工房
協力者としてこの土地を譲ったものの、決して交友を持たなかった異分子たる同胞。
遠坂と間桐は互いに不可侵であり、無闇に関わってはならぬと盟約によって縛られている
「ーーーーーー」それがどうした、と彼女は歩を進めた
互いに関わってはならないのが盟約ならば、そんなモノは十一年前に破られている。

627僕はね、名無しさんなんだ:2021/11/16(火) 15:40:36 ID:JPbzLu6Q0
Stay night 桜ルート 11日目・夜・巡回 『遠坂凛(Ⅲ)』
「……そうか、それならいい。で、遠坂から見て桜ってどれくらの腕前なんだ? 間桐の後継者って事は同じぐらいなのか?」
「魔術回路の数でいうならわたしと同じぐらいよ。士郎、わたしたちが姉妹ってコト忘れたの?」
「あ」
そういえばそうだった。だからこそ間桐は桜を養子に欲しがっただろうし。
「じゃあ、やっぱり遠坂と同じぐらい?」
「どうかしらね。わたしが五大元素で、桜は架空元素だったらわ。けど間桐は水属性だから、無理やりそっちに変えられたのよ。鳥としてなら大空を飛べたモノを、無理やり海中に入れたらうなると思う?」
「……死ぬか、それとも」
「そ。海中に適応する体を得るだけで精一杯よ。遠坂でなら大成しただろうけど、無理やり間桐にさせられた桜は士郎と変わらないわ。ううん、体を鍛えてある分貴方の方が何倍も強いでしょうね」

628僕はね、名無しさんなんだ:2021/11/16(火) 15:41:31 ID:JPbzLu6Q0
zero 一巻
無理からぬ話である。この一年、間桐家の魔術継承者となるために、桜が受けた仕打ちを思えば。

たしかに桜の肉体は魔術師としての素養を充分に備えていた。その点では雁夜やその兄の鶴野などは及びもつかぬほどに優秀だった。が、あくまでそれは遠坂の魔術師としての適性であって、間桐の魔術とはそもそも根本から属性が違う。

そんな桜の身体をより“間桐寄り”に調整するための処置が、この間桐家の地下の蟲蔵で『教育』の名を借りて日夜行われてきた虐待だった。

629僕はね、名無しさんなんだ:2021/11/16(火) 15:42:31 ID:JPbzLu6Q0
fate zero 一巻
『根源』への到達。我ら遠坂の悲願はその一点をおいて他にはない。だが――悲しいかな、かつて志を同じくしたアインツベルンと間桐は、代を重ねるごとに道を見失い、今では完全に初志を忘れている。

630僕はね、名無しさんなんだ:2021/11/16(火) 15:46:33 ID:JPbzLu6Q0
セイバールート 7日目・夕食後『魔術講座(魔術刻印)』
凛「間桐の家は、何代か前から刻印の継承自体が止まってるわ」

fate/zero 同人版4巻、文庫本5巻。-36:38:09 言峰と臓硯が出会った場面

〜〜〜 間桐臓硯。名ばかりしか知らぬ間桐の黒幕を前にして言峰綺礼の意識は臨戦態勢のそれに移りつつあった。
夜の街を賑わす照明の死角を、巧みに立ち位置に選びながら佇む矮躯の影。萎びた容姿とは裏腹に、その正体がどれほど危険な存在か、
時臣からは重ねて言い含められている。表向きにこそ隠居を表明しているものの、魔導の秘術で人ならざる延命を繰り返し、
数代を重ねて間桐家を支配し続けてきた極めつけの怪人。ある意味ではマスターである雁夜より、危険度において数段勝る要注意人物だ。〜〜〜

631僕はね、名無しさんなんだ:2021/11/16(火) 15:54:22 ID:JPbzLu6Q0
〜今回の聖杯戦争においても、そういう手合いが現れるであろうことは時臣とて予測のうちだった。
それ自体はいい、魔術師は条理の外にある存在だ、倫理で是非を問うことはない
無関係な一般人に犠牲が出ようとも、それが慎重に隠蔽され、秘密裏に行われる限りにおいては黙認して構わない〜

fate zero material
遠坂葵の項
娘の凛と違い、時臣が非人間的な価値観の持ち主であることを充分に理解していた上で、なおも夫を盲愛していた葵という女性は、やはり時臣と同様に大きな歪みを抱えた人物だったのかも知れない
たぶん雁夜と結ばれていても幸せな家庭は作れなかったんじゃ・・・・・

632僕はね、名無しさんなんだ:2022/07/31(日) 23:49:11 ID:IidEM.7g0
虫爺さんの虫の術だが特性は吸収
何となく西洋っぽいわな。桜さん招くほど廃れるわけかこりゃ

633僕はね、名無しさんなんだ:2023/10/06(金) 08:39:35 ID:t5t4Ahoo0
Q:セイバーとギルガメッシュは、フェイト/ステイナイトでは肉体をもっているので、シキは彼らの死の線を見ることができますか?

A:肉体を持っているどころか、霊体のままでも直死の魔眼は効果アリ。式にとって”生きている(ライフではなくライブ)”という認識が当てはまる相手なら死の線は見えています。たとえば俯瞰風景の幽霊たちは死んでいるけど、現世に介入できる時点で「生きている」。
また、荒耶が埋め込んでい仏舎利に後れを取ったのは、アレが”いきながら入滅した”覚者のものだから。死の線で殺すには、通常の死の概念よりなん段階も高度な”死の線”を読み解かなければならない。でもそんなことをするより焼いてしまえばあっさり灰になるのは骨の悲しさ。ザキ系の呪文を使っている暇があるならレベルをあげて物理で殴れ、である。


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