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あの作品のキャラがルイズに召喚されましたin避難所 4スレ目

423ウルトラ5番目の使い魔 70話 (14/15) ◆213pT8BiCc:2018/04/10(火) 08:38:16 ID:Duwr85eM
 ここに来てから全てが変だ。この女といい……。
「シャルロット……シャルロットって、誰だ?」
 苦しむジル。そのときだった。シルフィードが、まるで何かに取りつかれたかのようにぽつりとつぶやいたのだ。
「おねえさまに……会いたいのね」
「な、に?」
 困惑がジルの中に広がる。さらに、ジルの耳にありえない音が聞こえてきた。
「なんだ? この音楽は」
 突然、廃墟のどこからともなく美しい旋律が流れてきたのだ。
 それは、まるで超一流のバイオリニストが弾いているような美しい音色の旋律で、この廃墟にはまるで不似合いなものであった。
 しかも、普通なら心を穏やかにする美しい旋律なのに、それを聞いたジルが感じたのは魂を抜かれるような強烈な虚脱感であったのだ。
「ぐぅぅぅ……ま、まさか。これが、村人たちが聞いたという、魂を吸う音なのか? ち、力が、抜ける」
 耳を押さえて音から逃れようとするジルだったが、音は手のひらをすり抜けて響いてきた。耳栓もまったく役に立たない。
 シルフィードは? すると、なんということだろうか。シルフィードは聞き惚れるかのように、うっとりと旋律に聞き入っている。そんな馬鹿な、この殺人音楽の中で平然としていられるなんてありえない。
「おねえさま……おねえさまに会いたい」
「まさか、お前……」
 オルレアン邸跡に、オーケストラのようにバイオリンの旋律が響き渡る。逃れられる場所などどこにもなかった。
 力がどんどん抜けていく。いくら熟練の狩人であるジルといえど、相手が音では太刀打ちする術がない。
「だめだ、頭が……ち、ちくしょう……」
 もう意識を保っていられない。ジルのまぶたが重くなり、全身の感覚がなくなっていく。
 瓦礫の中に倒れたジルの視界が暗くなり、魂が体から離れていくような浮遊感に包まれる。死ぬとはこういうことなのか……かろうじて握っていた弓が手から転げ落ち、イーヴァルディの勇者の本がばさりと投げ出される。
 これまでか……だが、そのときだった。
 
『サイレント』
 
 音を遮断する魔法のフィールドが張られて、ジルの魂は寸前で肉体からの剥離を免れた。


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