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避難所用SS投下スレ11冊目

732ウルトラ5番目の使い魔 58話 (4/24) ◆213pT8BiCc:2017/05/16(火) 11:07:19 ID:qB1md0Gc
 ブリミルは少し離れた場所からコスモスを見上げながら、これは夢か幻かと唖然としている。だがこれは彼とサーシャによって実現した、まぎれもない現実なのだ。それを証明するため、コスモスと一体化したサーシャはリドリアスを救うべくカオスリドリアスに立ち向かっていった。
「シュワッ!」
 急接近したコスモスの掌底がカオスリドリアスの胸を打って後退させ、続いて肩口に放たれた手刀が体のバランスを崩させた。
 重心を崩されてよろけるカオスリドリアス。コスモスはその隙をついてカオスリドリアスの首根っこを押さえて取り押さえようと組み付いた。
 それはまるで、サーシャがリドリアスに「おとなしくして!」と説得を試みているようだった。
 しかし、カオスヘッダーに取り付かれたリドリアスは力づくでコスモスを振り払うと、くちばしを突き立ててコスモスを攻撃してきた。コスモスはその攻撃を腕をクロスさせて受け止め、攻撃の勢いを逆利用してはじき返す。
「ハァッ!」
 カオスリドリアスを押し返し、再び構えをとって向かい合うコスモス。カオスリドリアスも、コスモスが容易な相手ではないということを理解して、威嚇するように鳴き声をあげた。
 そしてブリミルは、夢じゃない、と現実を理解した。この足元から伝わってくる振動、空気を伝わってくる衝撃はすべて現実のものだ。
「本物の、ウルトラマン……! ウルトラマンは、本当にいたんだ」
 ブリミルは幼いころに聞かされたことがあった。マギ族は長い宇宙の旅路の中で、宇宙のあちこちの星に伝わる伝承も集めていたが、その中に宇宙には人々の平和を守る神のような巨人がいるという伝説があった。その巨人の名が、ウルトラマン。
 よくある宇宙神話だと思っていた……だが、伝説は虚無ではなく本当だったのだ。
 ブリミルの見守る前で、ウルトラマンコスモスとカオスリドリアスの戦いは再開された。コスモスに対して、カオスリドリアスは口から破壊光線を放って攻撃を始め、コスモスはそれを青く輝く光のバリアーで受け止める。
『リバースパイク』
 光線はバリアーで押しとどめられてコスモスには届かない。しかし、悔しがるカオスリドリアスが頭を振ったことで、バリアーから外れた光線が地を張ってブリミルに襲い掛かってしまった。
「うっ、あああああああ!」
 魔法力を使い切ってしまっているブリミルに避ける手段はない。光線と弾き飛ばされた岩塊が雨と降ってくる中で、ブリミルは思わず目をつぶった。
 だが、そのときだった。ブリミルの前に、閃光のようなスピードでコスモスが割り込んだ。
「シュワッ!」
 コスモスは光線を腕をクロスさせてガードすると、続いて目にも止まらぬ速さで腕を振って岩塊を弾き飛ばした。


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