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中・長編SS投稿スレ その2

841earth:2011/09/24(土) 22:05:04
 ハードの整備を進める傍らで、政治的意図を考慮しない将校の暴走をどう防止するかで防衛軍上層部は頭をひねった。
 土方の行動は政治的には色々と問題が多いが、命令違反ではないし、戦術的に言えば間違っていないからだ。

「死地に向かった味方を支援するな、とは言えんからな……」

 ただでさえ人的資源が困窮する地球において土方の行動は当然だったし、下手に叱責したら後が面倒になる。 
 今後はボラーと付き合う必要があるので、政治的な思惑を理解して動いてもらう必要もあるのだが、どうやって理解して
動いてもらうかとなると問題が山済みだった。 
 当面は政治が苦手な将兵は地球や太陽系防衛に振り向け、政治が理解できる、又は再教育して短期間で校正する可能性が
ある将兵を新たに獲得した領域、他の勢力と接触する可能性が高い場所に振り向けることになった。
 
「下手に再教育すると、彼らの特性や長所を殺すことになりかねない」
「ガミラス戦役のときの弊害が出ましたな」
「全くだ。あの時は戦場で勝てばよかったからな」

 議長は密談の席で苦い顔で言う。これに他の転生者たち、特に外交部門の人間が噛み付く。

「しかし戦争は政治の延長であることを理解してもらわないと困ります。こっちがどれだけ胃が痛い思いをしたと……」
「だが配慮しすぎて戦闘に大敗したらどうする? まぁ指揮官の苦手分野をサポートするのが幕僚なんだが、現状では
 満足に艦隊司令部に幕僚を置けない。そんなに人がいない。下手なのを配備しても戦場では邪魔になるだけだ」
「「「………」」」

 相変わらず地球防衛軍の懐は苦しかった。

「これ以上、ボラーの機嫌を損なわないように高度な判断ができる提督を、前に出すしかないだろう。
 とりあえず土方提督は本土防衛に専念してもらう。あとは気長に政治について理解してもらう。無理なら再教育した
 若い人間を補佐に付かせる。まぁこちらは少し時間が掛かるだろうが」
「しかし、そんな人材が戦死されたら堪りませんな……」
「勿論、作戦は慎重にする。人を無駄死にさせる余裕は防衛軍にはない」
「それは民間も同じですよ。正直、防衛軍から人を戻して欲しいくらいです。まぁ無理なのは判っていますが」 

 彼らは原作よりもマシな状況にも関わらず、地球連邦が零細国家であることを改めて思い知った。
 
「こんな状況でデザリウム戦役に挑むなんて無謀すぎません?」
「しかし、やるしかないだろう。下手に放置して二正面作戦なんてことになったら目も当てられん。
 それに奴らが今行っている星間戦争を片付けた後、地球に目を向けないとも限らない。
 そしてその時にボラーが地球の味方をするとも限らない」
 
 議長の意見に不満は漏れるが反対意見は出なかった。




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