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中・長編SS投稿スレ その2
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だがヤマトからの報告を受けた地球連邦政府は休むどころではなくなっていた。何しろ銀河系の半分を支配する
広大な星間国家が居ることが明らかになったのだ。
ガミラスが居なくなったことで気を緩めていた政治家や防衛軍高官は無様なまでに慌てふためいた。一部の
高官は「ヤマトを超える戦艦を持っているのだから恐れる必要は無い」と主張したが、防衛軍司令部の会議の席で
参謀長はそんな意見を切って捨てる。
「相手がガミラスより強大であったらどうする? それにガミラスは多方面に戦線を抱えていた。だが彼らには
それが無いのだ。地球より優勢な生産力を背景にして、大量の物量で押し寄せられたら大変なことになる」
「では、手が無いとでも?!」
「ないことはない。そのためのアンドロメダ級の大量建造だ。それに太陽系の防衛計画の策定も進めてある」
参謀長は万が一に備えて(実際はガトランティス戦役に備えて)、土星空域での決戦を考慮した防衛計画を
策定していた。これがあればガトランティス艦隊が攻め込んできても、土方が独断で戦力を土星に集めなくても
済む。
「しかし敵を攻め滅ぼすのは難しい。何しろ、こちらは太陽系周辺での戦いを想定しているのだ」
「ですが敵を撃退しつづければ」
「防戦一方となると息切れする可能性があるぞ。それに再度の総力戦は地球経済にも悪影響を与える。
こちらにできるのは、地球は簡単に滅ぼせるような勢力ではないことを向こうに示し、相手が戦争しようとする気を
なくすことだろう。幸い、ガミラスに勝ったという実績もある」
実際には言った以上のことを考えていたのだが、それは口に出来ない。
(さすがに、いきなり彼らと同盟を組むとか、最悪の場合は傘下に入るとは言えんからな〜)
そんな参謀長の考えを知ることなく、藤堂は深く頷いた。
「参謀長の言うことは最もだ。今の地球は戦争よりも復興と成長が必要だ。
万が一の事態に備える必要はあるが、最初から喧嘩腰になるのは拙い。しかし必要以上に弱腰になることもない」
藤堂の言葉に不満そうな人間も黙り込む。それは参謀長にないカリスマのなせる業だった。
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