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嘘八百女にご注意を
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こんなあんな嘘八百女を晒しましょう
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>>950 いえ、民間人からの許可願いです。
【戦局地域通願い】
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>>951
「民間から?」
訝しげに通知を見る卿。
「差出人は何処の誰か分かるかね?」
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「魔術研究局からです」
と同時に コンコン、とノックの音
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>>953
「ああ、例の…ん?来客かね?今日は予定は入れてなかったと思うが…入れてあげなさい」
小間使いにノックの主を通すように言う
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>>954
がちゃ・・・
「おはようございます。フレデリック卿。」
柔和な挨拶とともに、にこやかな女性が入ってくる。
傍らにはメアリの腰の位置にも満たないような小さな少年が、隠れるように
メアリのスカートの裾をつかんでいる。その手には古ぼけた緑色の本。
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>>955
「これはメアリ嬢…変わりはないかね?」
こちらも穏やかに笑みを返し、来客を歓迎する
「さあこちらへ、茶の用意をさせよう…この少年は君のご兄弟かな?」
それとも自分が知らないだけで息子だろうか?それにしても古そうな本を持っている
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>>956
「いえいえ、私は独り者ですから・・・私が立ち寄る孤児院の子で
『トリス』という子です。とても賢い子なんですが人見知りで・・・」
苦笑しながらトリスと呼ばれた少年を宥めるような仕草をしながら言う。
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>>957
「ほう孤児院の・・・なるほど、確かに知性に富んだ眼をしている」
優しい笑みを浮かべ、フレデレックはトリスと呼ばれた少年と同じ目線になるようにしゃがむ
「私はフレデレックと言う、よろしくトリス君…実は、私にも君と年の近い息子がいるんだよ」
「…ところでメアリ君、今日は一体どういった用件で?…例の通知絡みの事かな?」
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>>958
「通知?一体なんの・・・」
メアリは小首をかしげるようなそぶりを見せようとしたとき―――――
「ぼくは かみさまに なるんです」
少年が本を抱えながら目を見開き大きな声でいった。
「トリス、またその話・・・・もうよしなさいな、フレデレック様もびっくりされていますよ?」
窘めるようにトリスの身を引きながら言う。
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>>959
「知らないのか、魔研から戦局地域の通願いが…!?」
突然、眼を見開いた少年が声を上げた。
かみさま…神様?
「…い、いや、良いんだよメアリ君…目標が大きいと言う事だろう?結構じゃないか…」
「そう言えば、戦地か…西大陸の戦局は相変わらず芳しくないそうだよ」
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>>960
メアリ「私は存じ上げてませんが――――――――――」
ダダダダダダダ!と誰かが駆け込んでくる音
魔研局員
「メアリ室長!!!た、大変です!魔元素加速炉(エレメントサイクロトロン)が
レクトール室長に"民間実験″名目で持ち出しされてます!!!」
メアリ「なんですって!?・・・・で、でも・・・・アンコース局長の許可がなければ持ち出しは・・・」
助手局員「先導許可を出したんですよ!!!!
―――――――――――――――――アンコース局長が自らっ!!!!!」
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>>961
「エレメントサイクロトロン…!?」
「それにレクトールとは…彼か!」
あの時のあの男の表情が浮かんだ。メアリを偽善者と言った時の顔が。
「不穏な事態になったようだなメアリ君…私で力に慣れる事はあるかね?」
魔研への干渉はフレデレックでは管轄外だが、戦場に影響すると言うならば自分も力になれるかもしれない。
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>>962
「急いで・・・・急いで止めないと!!!!!
お願いします!!!西大陸に向けて馬車を出してくださいっ!!!!」
いつも冷静で凛としたメアリはそこにはなく悲痛なの少女の金切り声のような彼女の声が響いた
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>>963
「…」
普段の姿とはかけ離れた、悲鳴にも近い彼女の叫びに驚きを隠せない。
しかし、今はそんな場合ではないのだ。
「並々ならぬ事情のようだ…急いで手配をしよう」
そう言って頷くと小間使いを呼ぶフレデレック
「大至急、西大陸はミックリッド王国行きの馬車と船の手配を頼む!私の名を使っても構わん、急げ!」
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>>964
馬車に揺られながら
少し落ち着きを取り戻したメアリが話す
「『魔元素粒子加速炉(器)』は魔元素の運動を円環内で加速させ、膨大なエネルギーを生み出し
それをエネルギー資源として汎用な物事に使う為に私が術式を編み出しました・・・・
でも魔術式を外に少し回すだけで・・・・・・・・恐ろしいことが―――――――――――――――」
船に乗り換え、ミックリッド西南部岸湾へと差し掛かった時―――――――――
風が止んだ。
重苦しい「何か」にかき消されるように
「――――――――――――――――――――!!!」
メアリの顔が引きつった。
海鳥たちが「何か」を感じ取りけたたましく泣いた。
波が動きを止めたように感じた。
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>>965
「…」
話を聞きながら、年甲斐もなくフレデレックは内心で戸惑っていた。
彼女のような若者がまさかそのような術式を編み出すとは
軍人として、貴族して厳格に振舞ってきたフレデレックは魔術の才こそないが魔術の有効性は大いに認めていた。
そして恐ろしい事とは一体?そう思っていたら違和感に襲われた。
「…なんだ、これは!?」
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一瞬の出来事だった
沿岸の奥、西南部で
虹色の光が空に解き放たれたように見えた
メアリ「エレメンタル・・・・・・バースト・・・(魔元素暴走)」
とその刹那――――――――――――――
ごおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!
轟音と共に
西南部がオーロラのような眩い色を放つ衝撃波とともに
その大部分が抉り取られ、焦土と化した
衝撃の余波で船も動揺する―――――――
その最中小さな少年だけがつぶやいた声はフレデレックにしっかりとどいた
「・・・・・・きれい・・・・・・・・・」
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>>967
「これは―――――!?」
なんと恐ろしい光景だろう、戦術レベルの兵器…いや、まるで神の審判のようだ
畏怖以外の感情がまるで出てこない…彼らは…こんな恐ろしい物を使おうと言うのだろうか?
そんな中で、少年の「きれい」と言う声だけがハッキリと耳に届いた。
驚いたフレデレックはそれで我に返り、視線を少年に向けたのだった。
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>>968
「あ、ああ・・・・・」
よろよろとメアリが後ずさり
その場に座り込む。
と、かろうじて無事だった港に船が接岸する。
港にはもう既に船があった
おそらく帝都所有の船だろう。
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>>969
「これは…なんと言う…」
起こった出来事をまるで現実と思う事が出来ず、ただ唖然とするフレデレック卿
そしてもう一隻の船に気付く
「くっ…彼らだとしたら何と問い詰めたものか…!」
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>>970
港に二人の影
アンコース「お、フレデレックちゃんじゃないの!、いやーよくきたね!」
ジェバ「・・・・・・・・・・・」
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>>971
「アンコース局長、一体今のは何なのか説明してもらいたい…それにあの惨状は…」
ジェバに視線を向ける
「やり方が少々強引ではないかね?」
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>>972
アンコース
「"実験″だよ、見てわからないかなぁ?魔術実験。だから実質戦火の起こってない
西南部でじっけんしたんじゃないかー?」
ニコニコ笑いながらアンコースが言う
「"副産物"として戦局を変えるまではおもいつかなかったけど、ね
わかってよフレデレックちゃん。私も大きな仕事上げないと、帝都から次の予算もらえそうになくってさ
戦いで金が使える軍人と違ってこっちは
・・・・・人生削ってんだよ。」
アンコースの目つきが厳しくなった
「だからさ、大目に見てよ。」
さくさくと船に乗り込んだ。
ジェバもそれに続く
と―――――――――
「とてもきれいだったじゃないですか、あなたの言う、魔術の人への貢献とやらは・・・
将軍、今回戦況を覆したのはあなたの功労ということで報告されるでしょうよ・・・!?
あはっハハハハハハハハハハッ!!!!!!!!」
不敵に笑みながらフレデレックとメアリを振り返る
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>>973
「…!」
その眼つきに戦慄を覚える
「ジェバ……!」
そしてジェバの言葉と高笑いに怒りに似た感情がこみあげてきた
きっと、メアリはこんな事にこの術式を使いたくはなかっただろう。
それを捻じ曲げたこの男達に、怒りがこみ上げた。
しかしそれを表に出す事は立場として許されない
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>>974
「いきましょう・・・フレデレック様・・・もう、おわったのですから・・・」
静かな面持ちで、メアリは元来た船に乗り込む。
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>>975
「メアリ…」
かける言葉もなく、フレデレックは彼女を追った
「良いのか?君の技術は、あんな…」
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>>976
―――――――帝都に向かう船室内――――――――
船室内の椅子に腰かけ、ふさぎ込んでいたように
うつむていた彼女は
コト・・・・
と机の上に、小さなランプを取り出した
「これが、始まりなんですよ」と力なく彼女は笑った
「こんな小さなマジックランプがあの技術の大元・・・あの加速炉は
このランプと魔術理論基礎は同じなんです・・・・・・・・暖かく、明るい・・・
そんな・・・そんな技術を作りたいだけだった・・・・・」
ランプを持ちながら立ち上がりフレデレックに歩み寄る。
「―――――どこで、どう間違ったのでしょうか?」
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>>977
「メアリ……」
憐れむ事すら、彼女には失礼だと思った。
しかし、かける言葉すら自分はみつけられない
「まだだ、まだやり直せるはずだ…君はまだ若い」
「技術は使うものの心次第だ、あのように愚かなものに使う者もいれば、君のように優しい者もいる…だから、諦めるな」
「済まない…私にはこんな言葉しか、言えない」
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>>978
「う・・・・・・・・・うわあああああああああああああぁぁぁぁぁぁっ!!!」
彼女の悲痛な叫びだけが
海に
木霊していた・・・・・・
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―西大陸 ハマト砦―
あの大規模な奇襲戦、そして前回の斥候発覚から二週間と4日が経った。
客間を宛がわれているエーヴェの退屈は限界ギリギリにまで達してるだろう。
『鴉の少女』の予言めいた言葉がほんの少しずつ現実味を帯びてきているが、
ほんの少しずつなのだ。
未だエーヴェの心を躍らせる戦いも無く、あれから聞こえてくるのは砦の修復に励む兵士たちの声と音だけ。
各地の最前線は凄まじい様相を呈していると聞くが、此処は平和なものだ。
雇われた手前の義理と言う者があるが、もうそれも果たしたのではないだろうか?
この戦もまた、今までと同じように「ハズレ」だったのだ。そう思い始めた時だった。
「やっほー☆相変わらず不機嫌そうで何よりだよエーヴェッ!」
あの趣味の悪いメイクの道化師がふざけた態度で窓から姿を現したのだ。
見回りの兵士がいたはずだが、気づかなかったのだろうか?
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-オルティジア帝国本城-
暗雲立ちこめるオルティジアの帝都。
そして王が代わりまるで魔王の城とでも錯覚しそうなほど不気味な雰囲気を背負う本城。
ピエロにとってはこのザラついた殺気にも似た空気はさぞ心地いいことだろう。
今日は珍しく、銀魔の獅子…ノアから呼び出しがかかったのだった。
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>>981
栄華を誇っていたあの城だと
誰が信じるだろうか?今やそう、まさに魔王の城
そこに佇むは銀魔の獅子、そして九尾
並大抵の覚悟でここに乗りこんでみようものなら
それはただの無謀な愚か者だ。
女は歩く。城の侍女として振る舞っていた女は
今や銀魔の獅子のすぐ隣に居を据えている。
「お呼びかしら?」
銀魔の獅子の前にゆっくりと現れた。
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>>980
「分かっているなら喋るな」
壁に凭れ掛かったまま、視線を向ける事もなく返答する。
窓側からでは横顔しか見えないというのに、実に不機嫌そうな様子だ。
正面からは酷く皺が寄った眉間の様を伺える事だろう。
「で、貴様は不機嫌な俺を煽りに来ただけか?」
“何の用だ”と遠回しに、侵入方法について触れる事なく問い掛けて来た。
道化師には道化師らしいやり方でもあるのだろうと、エーヴェはそう思う事にしたのだ。
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>>982
「来たか…」
玉座に座り、巨大な水晶を眺めるノアの様子は退屈そうだった。
水晶にはまだ戦闘状態にある地域の映像が映されている。もうノアやピエロにとっては見あきた光景だろう。
「ヴァルターの部隊がまた反乱分子を鎮圧してくれたよ、彼は私に忠誠を誓っていないが、国は裏切れないようだ」
「…さて、お前を呼んだ理由は二つ」
「一つは、私の新しい部下を紹介する為だ…奴を呼べ」
そう言って、左右の柱に控えていた使いの者の一人に視線を向けると、恐る恐る下がり人を呼びに行った。
「さて、もう一つだが…突然だが九尾、イーグリッテに飛んでもらいたい」
イーグリッテはオルティジア帝国と各地の戦線を結ぶ重要な補給地点だ。
ハマト砦はこのイーグリッテへの一本道を守るために存在している。
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>>983
コメデーがエーヴェに対して気に入っている事の一つは無関心にしろ何にしろ『自分の好きに振舞わせてくれる』所だ。
魔族や人間にも色々いる。そもそもコメデーの立ち振る舞いだけで彼を拒絶する者は多い。
だがエーヴェは自分がどんな態度をとっても話を成立させる器量の大きさを持っている。
それが、コメデーがエーヴェに絡んでくる最大理由だ。
ちなみに、エーヴェの弟アーヴィンは苛立ちながら対応してきたらしいがそれはそれでからかい甲斐があるらしい。
「いやいや道化師は楽しい事をするものでしょうエーヴェ君!イライラだけさせたら道化師の名折れだよん!」
「期待が外れてストレスマッハって感じだろうと言う君に、凄く良い情報ととっても良い情報を持って来たよ!!」
まず一つ目だけど…と間を置き
「エーヴェ、お前『カオスエルフ』って聞いたことあるか?」
と、コメデーにしては珍しく真面目な口調で話し始めた。
カオスエルフ…エーヴェがもし知っていれば、それはエーヴェの父親が全盛期だった時代に既に絶滅を危ぶまれていた種族だったはずだ。
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>>984
ちらりと、いつもの光景だとでも言うように
水晶を一瞥してから、ノアに視線を合わせた。
威風堂々とした佇まいだ。普通の人間にはない魅力がこの人間にはある。
何よりもその恐れを知らない態度が好ましい。
「新しい部下…それは楽しみね。どんな方かしら?
ヴァルター、彼は使い道のある男だわ。国に忠誠を誓っている人間ですもの」
ふふふ、とにやりと笑みを浮かべた。
「イーグリッテに行けばいいのね。分かったわ。
何しに行けばいいのかしら?まあ私は遊ぶだけだけども
ふふ、ちゃんとお仕事もするから安心して頂戴」
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>>986
ふ線を合わせると、ノアはうっすらと笑みを浮かべてピエロに応えた
「フ…好きにしろ…お前の遊び好きな事は報告で聞いている」
「随分と楽しい事をリクセリットでやったらしいな…クライン皇子も憤りを隠せないだろう」
咎めているのではない。楽しかったんだろう?と言うノリの他愛のない会話だ。
ノアの支配下に置かれている城の人間達は、この二人の会話を聞いてゾッとした表情を浮かべている。
さて、とノアは話を戻し…
「『予言』でな…ハマト砦が落ちると言う結果が出た」
「この予言はおそらく覆らない、そのまま敵軍に勢いを与えてやるわけにもいかないからな…守りを固めてほしい」
とんでもない会話だ。
仮に予言が本当だとしても、砦への援軍を送るのが普通だろうに。
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>>987
「そう、ハマト砦がね。
あなたが言うのならそうなのでしょう」
残念そうに振る舞うが
そんなことも思っていないだろうこの狐は
「いいわ。それで、すぐにハマト砦に迎えばいいのかしら?
でもまだ新しい部下を紹介してもらってないわね。それからでも
遅くはないでしょう?」
ああ、そうそう。と付け加え
クライン皇子は、とても良い顔をしていたわよ
と楽しそうに答えた。
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>>988
「いや、向かってもらうのはイーグリッテだ…ハマトはもう大して重要な場所じゃない」
「そうだな…もう来る頃だろう、今回は奴らとイーグリッテに行って指揮をとってもらう事になる…ん」
コンコン、とノックが鳴る。どうやら到着したようだ。
「入れ」
扉が開かれると、二人の人影があった。
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>>989
扉の先の人影が一つ動いた。
身長は約175cmほどあるがしかし細身で、幼い顔立ちの男だ。女顔と言い換えてもいい。
男は白いローブを纏って、首から足までを覆い、首には十字架をかけている。
これはそう、教会の司祭や神父の格好によく似ている。
「……ノア。僕に用があると聞いたが、一体何だ?」
男が口を開いた。見た目とは裏腹にしゃがれた声だった。
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>>989
「イーグリッテで守りを固めるのね。
ふふ、どんな人間がハマト砦を崩すのかしら」
ハマト砦の心配より
そのハマトを攻略する人間たちに興味があるようだ。
いや、正確に言えば攻略するべく動く中心人物たちにだ
(アーサー、彼だとしたら…ふふ)
>>990
「……」
きょとんとした顔で男を見た。
予想に反して若い。いや、若く見えるだけなのかもしれないが
見た目からは若い印象を受けた。
腕を組み、男を下から上まで絡みつくように見る。
顔と声が合ってないな、とそんなことを考えるが
すぐにその考えを頭の片隅に追いやる。
「神父、みたいな格好をしているのね」
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>>985
「……」
機嫌が数割増しで悪くなったようにも見えるのは気のせいだろう、多分。
しかし安易に手を出さないのは、仮にも同胞が相手だからか。
コメデーが存分に絡みに行けるのも、エーヴェの性格を把握しているからだろう。
そして、急に真面目な口調で話し始めたコメデーへとようやく視線が向けられた。
「一般に知れている程度にはな。それがどうした?」
エーヴェは自身の父親を尊敬し、崇拝し、目標としている。
弟アーヴィン、そして何かとエーヴェに絡む内に(結果として)近しい関係となったコメデーのみが知る事実だ。
そんな彼が、父の生きた時代の事象に関する知識を備えているのは当然だったようだ。
ただそれも最低限の物でしかないようだが……コメデーは何か知っているのだろうか?
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>>991
ピエロが男に声をかけると、一瞬の間が開いて、男の耳がぴくりと動く。
聴覚が弱いのだろうか? その時はじめてピエロの存在に気がついたようだった。
「いけませんか? それに……」
ただでさえ低い声のトーンをもう一段階落として、
「貴方こそ、人の事を言える様な格好ではないと思いますけどね」
男は不機嫌そうに皮肉を飛ばした。初対面の相手で、これから共に仕事をこなす相手であるというのに。
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>>990
「ネビュー、よく来てくれた」
反逆により王位についた男、西大陸最強の賢者…またの名を【銀魔の獅子】ノア・ル・グーテンダート。
彼に雇われたネビューが、彼とこうして話すのはこれでやっと数回目だろう。
この戦争が始まってからまだ戦いらしい戦いには参加していない。ようやく出番といったところだろうか?
そして今回は自分と同じく呼ばれた者がいた。長身に、浅黒い肌の長耳の男・・・ダークエルフか何かかと思われる。
「紹介しよう九尾、彼の名はネビュー・ラス、私の新しい部下だ…そしてもう一人」
ダークエルフらしき男が一歩前に出る。騎士なのか、重厚な鎧を身につけている。
ダークエルフらしき男「ディーオス・ガンスロット…このたびノア様に登用して頂いた…よろしく頼む」
紫色の瞳から発せられるただならぬ魔力と、得体の知れぬ気配を醸し出す男
ただの騎士でも、エルフでもなさそうだ。
「ピエロ、ネビュー、そしてディーオスの三人にはこのまま補給地点であるイーグリッテに向かってもらう」
「現地ではピエロの指揮下に入れ、この女は私の最も有能な側近だ」
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>>993
「あらあら、恐いわね。
噛みつかれちゃったわ、うふふ」
さらりと皮肉をかわして
楽しそうに呟いた。
ノアの部下なのだ。無能な人間のはずがない
>>994
「こっちはエルフ?いや、もっと深い存在かしら。
全然ばらばらのメンバーね私たち」
逆に相性が良いかもしれないわ
と口に指先を当て答えた。
「ネビューにディーオスね
よろしく、私は銀魔の獅子の侍女よ。
お手柔らかにね」
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>>992
「俺もおじーちゃんから聞いた程度にしか知らないんだけどな」
と、コメデーがベラベラと饒舌に語りだす
カオスエルフとは魔界にて発生したダークエルフの上位種といえる存在らしい。
より好戦的で凶暴、さらにエルフ族という枠を超えた抜きんでた魔力と魔術の知識を持ち、当時の魔界でももし数がいたならば大きくパワーバランスに影響が出たかもしれないと言われたらしい。
しかし彼等にも弱点はあった。それは致命的なまでの種としての数の少なさである。
個人がどれだけ強くてもそれは永遠ではない。魔界という社会でもやはり数という概念は重要な要素なのだ。
無論、魔王と呼ばれるだけの実力を備えているならば…別だが。
「当時のカオスエルフの族長の強さはまさに、お前の親父さんと渡り合えるほどだったじーちゃんが言ってたぜ…ホントかどうか知らないけどな」
「…で、だ…すでに絶滅したといわれたそのカオスエルフがさ…」
エーヴェに近づき、耳打ちするように語る
「生き残りがいたらしくて、最近オルティジア帝国に姿を現したらしいよ」
興味あるねぇー!お前とどっちが強いのかなぁ!?アハ、アハハハハ!
と耳元で騒ぎ出した。うざい。
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>>994
「別に、貴方に呼ばれたから来たのではありませんがね」
定型化された歓迎の言葉をあまり気に入っていないらしく、これまた不機嫌丸出しで答える。
自身の次に挨拶したダークエルフ……。
ネビューも今始めて知ったのだが、名をディーオスというらしい男とは正反対に、忠義の心がまったく感じられない。
「……ピエロ、“道化師”ですか。そんな名を掲げる人間を僕に信用しろというので?」
本当は僕ら、としたかったがディーオスはノアという男に陶酔している(ネビューがそう思っているだけだが)ようなので。
>>995
「……ここも仮にも戦場なのに、楽しそうにしているのは気に入らないな」
一方のネビューは全く楽しげでない。
ぼそりと愚痴を呟いた。
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>>995>>997
「随分と嫌われたものだな」
ネビューの態度に苦笑を浮かべながらも、ノアは意に介さない。
ノアにとってはほとんどの人間が取るに足らない存在なのだ。
ディーオス「命令ならば、私はそれを遂行するだけだ」
忠義を持っている風な態度だが、ディーオスもまた本心が見えない。
彼から発せられる気配はまるで悪魔か何かと思うほどに重いのだ。
「では、道中までの馬車を用意しよう…イーグリッテの防衛、任せたぞ」
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>>996
「――ほう」
口元に笑みを浮かべて、興味深げに相槌を打つ。
強力な種であるカオスエルフの“生き残り”――その存在に、エーヴェは興味を示したのだ。
消え行く、もしくは消えた命に、彼は興味を示さない。
数週間前に起きたハマト砦の防衛戦にて、テオバルトを斃した時もそうだった。
如何な強者であろうと命が潰えれば唯の肉塊に過ぎない。構う意味など有りはしない。
もっとも、そのテオバルトはピエロの気まぐれによって一命を取り留めた様だが、エーヴェは知らぬ事である。
「お前の話が本当ならいずれは会う訳か。
フン、確かに良い情報だ……此処に残る理由も出来た」
コメデーが情報を持って来なければ、エーヴェは直ぐにでも此処を発つつもりだったようだ。
「だが、少し黙れ。鬱陶しい」
コメデーの首根っこを掴みあげると、ひょいと放り投げた。まるでゴミを捨てるかのようである。
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>>999
「でしょでしょー!!…ぐえぇっ!?」
と投げ捨てられたコメデーは壁に頭からめり込んでバネのように体を伸縮させた。
そしてそのまま跳ね返り、ビヨンビヨンというふざけた効果音とともに部屋の中央に着地、背中からハトを飛ばして10点!とかほざいてる。
「さてさて、エーヴェ君の機嫌が良くなったところで二つ目のお話だ…ホントはアーヴィンの話を持ってきたかったけど、仕入れられなかったんだよね」
と、もったいぶるコメデー。
エーヴェとしては無駄な時間は好まないのにわかっててやっている。
次スレは ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/7220/1287552469/l50
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