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正義の女戦士クリスタルローズ 5

4舞方雅人 ◆8Yv6k4sIFg:2007/05/11(金) 21:06:00
「君嶋先生」
 次の仕込みを施すべく廊下を歩き出した私は背後から声を掛けられた。
「学園長」
 振り向いた私の前には三崎学園長が立っていた。
「何をしていたのですか?」
 学園長は私をにらみつけるかのように私を見つめてくる。
「別に何も。谷山先生にちょっと相談をしていただけですわ」
 私は警戒しながらそう言ってごまかす。
「そうですか、では私が谷山先生にお会いしても問題は無いですね?」
 三崎学園長の言葉に私はどきっとする。もう少ししないと、正気に戻らないはずだから。
 仕方ない。そのときはそのとき。
「どうぞ、私の用はすみましたので」
 私は学園長が部屋に入ったら、その後ろから襲うつもりで身構える。
「誰か来てー!」
 突然の悲鳴に私と学園長はハッとする。見ると、廊下の向こう側で女学生が一人倒れていた。
「君島先生、来て下さい」
「はい、学園長」
 私は学園長とともに、女学生の方へ駆けつける。
「どうしたの?」
「この娘が突然倒れて・・・」
 そこにいた少女が私の方を見て微笑む。私もにやりと笑みを浮かべた。
 そこにいたのは姫菜だった。そして倒れているのは聡美である。
「貧血を起こしたみたいね。保健室に運びましょう。君嶋先生、手伝って下さい」
「はい、学園長」
 私は聡美を抱え起こして抱きかかえる。
「栗原さん。あなたは保健室の佐藤先生に先に知らせて」
「はい」
 姫菜は小走りに保健室へ向かう。私は学園長とともに聡美を保健室へ連れて行った。どうやら、二人が学園長の注意を引いてくれたらしい。おそらく今頃は谷山も普段通りに戻っているだろう。

 保健室のベッドに寝かされた聡美はすうすうと寝息を立てている。
「大丈夫でしょう。寝不足から来る貧血では?」
 保険医の佐藤愛子が眼鏡の奥の優しい目で私たちを見渡した。
「そうですか、突然倒れたらしいから・・・良かったわ」
 ほっとしている様子の三崎学園長。
「すみません、後はお願いします。私は授業があるので」
 私はそう言って部屋を出ようとする。
「そうね、私も行かなくちゃ。栗原さんも授業に行くのよ」
「はあい」
 私と一緒に学園長も部屋を出る。姫菜はニコニコしながら私たちを見送った。
「君嶋先生」
 廊下に出た私を学園長が呼び止める。やはりそのまま開放する気は無いのか・・・
「何でしょうか?」
「世界は狙われています・・・あなたはそのことがわかっているのですよね?」
「はあ?」
「あなたがそれをわかっているのであればいいのですが・・・最近のあなたはそれを忘れてしまっているのではないかと・・・」
「何のお話ですか? 学園長」
 私は確信した。この女はクリスタルの関係者だ。
「いえ・・・ただ・・・私は恐れているのです。あなたが変わってしまったのではないかと・・・」
 そう言って学園長は私を見つめた。普段の学園長とは違う力を感じる。
「お話しの意味が良くわかりません。失礼します」
 私はその場を立ち去った。それ以上居ては殺してしまいそうだったからだ。


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