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正義の女戦士クリスタルローズ 4

8舞方雅人 ◆8Yv6k4sIFg:2006/12/23(土) 19:42:45
 この部屋でかつての私は消え去った。
 この部屋にかつての私が居た。
 この部屋は、私が新たな一歩を踏み出したところ。
 不要になった過去を切り捨て、地底帝国の一員となって新たな生を授かるために過ごした場所。
 これからはこの娘も・・・ここを思い出とするのかもしれない。
 私の目の前には眠っている姫菜が居た。
 そして私の傍らには黒いレオタード姿の聡美が居る。
 地上人でありながらここに居るのは許されることではなかったが、私の奴隷人形であるために特別に許されているのだ。
 聡美をここに連れてきたのは姫菜の精神に影響を与えるのに都合が良いと思ったこと。
 はからずもゲドラー様のお言葉により、それが必要であることがわかったのだ。
 それまでは単に姫菜に絶望を与えて、魔獣の核を植え込んでしまおうと思っていたのだけれど、それではだめだということがわかったので、聡美に姫菜を可愛がってもらうことにした。
「さあ、聡美、姫菜ちゃんを起こして差し上げなさい」
「はい、ブラックローズ様」
 聡美は立ち上がると、ベッドのそばに行き、姫菜の名をそっと呼ぶ。
「先輩・・・栗原先輩・・・起きて下さい」
「ん・・・うん・・・もう少し・・・」
 身じろぎをしながら姫菜がぐずる。朝はいつもこうなのかしら。
「先輩・・・起きて下さい」
 ゆさゆさと聡美が揺さぶると、姫菜はゆっくりと目を開けた。
「ん・・・あれ・・・ここは? ・・・あれ・・・躰が・・・」
 姫菜に与えた薬は躰の力が出なくなるものと、催眠剤の合わさったもの。躰の力は当分入らないでしょう。
「あれ・・・私・・・どうして・・・」
「ふふふ・・・先輩は眠くて力が入らなくなったので、私がここへお連れしたんですよ」
 聡美が姫菜を見下ろしている。姫菜はまだぼうっとしているみたいだ。
「そうか・・・ごめん・・・でも・・・ここどこ?」
「うふふ・・・ここはいいところですよ、先輩」
 躰の自由が利かない姫菜は首だけ回して周りを見る。
「暗いところだ・・・いやな感じ」
「そんなこと無いですよ、私ここで暮らせたらなって思いますもん」
「聡美・・・えっ? あれ? なんて格好?」
 姫菜は聡美が黒のレオタードを着ていることに気付いたらしい。
「うふふ・・・これですか? 地底帝国の奴隷人形にはふさわしいとは思いませんか?」
「ち、地底帝国? 聡美?」
 身を起こそうとするが力が入らない姫菜は、首だけで周囲を見渡す。
「ここ・・・地底帝国って・・・聡美! どういうこと?」
「あん、怖いですわ先輩。ここは地底帝国のアジトの一室。私は地底帝国にその身を捧げた奴隷人形なんです」
 聡美はうっとりとして自分の胸に手を当てる。
「聡美・・・あなた・・・洗脳されちゃったの?」
「そうですよ。私、ブラックローズ様に奴隷人形として洗脳していただいたんです。とても気持ちがいいんですよ」
「ブラックローズ?」
「そう、ブラックローズ様は私の全てを捧げてお仕えするお方。私のご主人様なの」
 悔しそうな表情を浮かべる姫菜。躰の力が入らないことに焦りを感じているのだろう。


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