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正義の女戦士クリスタルローズ 3

7舞方雅人 ◆8Yv6k4sIFg:2006/12/23(土) 19:33:34
栗原姫菜。
 私立白鳳学園の二年生。
 両親は個人商店を経営している四十代の男女。
 弟が二人居て、市内の中学校に通っている。
 家の手伝いをしたり、弟の面倒を見たりと何かと忙しいらしい。
 そのせいか部活動はやっておらず、帰宅組みである。
 身長は158センチ。太ってもいないし、痩せ型でもない。
 私は姫菜のデータに目を通す。
 この娘を倒すのは決してたやすくは無いだろう。
 いくら動きを封じたとしても、プラム、チェリーがいればカバーしてしまう。
 三人をばらばらにして一人ずつ倒すことが必要だ。
 そのためには彼女を一人にしなくては・・・

 昼休み。
 私は姫菜の様子を探るために、二年三組へ向かっていた。
 廊下には女学生があふれ、購買へ行く者や、中庭や屋上に行く者などが移動を始めたところだった。
 やがて二年三組が近付いてきたとき、私は廊下にたたずむ一人の女学生に目を留めた。
 私立白鳳学園はセーラー服が制服であるが、タイの色が学年によって違っている。
 一年はエンジ、二年はグリーン、三年はブルーであり、今二年三組の前の廊下にいるのはエンジ色のタイの女学生だったのだ。
 あれは?
 私が立ち止まっていると、クラスの中から栗原姫菜が出てくる。彼女は廊下にたたずんでいた一年生に一言二言声を掛けると、一緒にこちらへ歩いてきた。
「あ、センセ、こんにちは。センセもご飯?」
 姫菜が小脇に抱えた紙袋を取り出す。どうやら食事が入っているらしい。
「君嶋先生、こんにちは」
 姫菜の隣の女生徒が挨拶してくる。小柄でおとなしそうな娘だ。名前は確か・・・片場聡美。
「こんにちは。片場さん・・・だったかしら?」
 私が挨拶を返すととても嬉しそうに笑顔を見せる。
「はい、片場聡美です。先生に覚えていてもらえて嬉しいです」
 こげ茶色の髪がさらさらとして可愛い感じだ。
「良かったね、聡美。聡美はセンセのこと好きなんだもんね」
 にへらっとして姫菜が言う。すぐに聡美はうろたえた。
「あ、やあっ、せ、先輩! な、何言うんですかっ!」
「ホントのことじゃん。センセ、この娘ったらセンセにあこがれているんですよ」
 いたずらっぽくウインクをする姫菜。聡美はますます真っ赤になってうろたえた。
「だ、だめです! そ、そんなこと・・・せ、先生が迷惑します」
「あら、私は迷惑なんかじゃないわよ。あこがれてもらえるなんて嬉しいわ」
 私は心にも無いことを言っている。私にあこがれているですって? 地上人の小娘が?
「センセ、立ち話もなんだから、屋上に行きましょう。一緒にご飯食べましょう」
「せ、先輩! 悪いですよ、お忙しいのに」
「そうね、それじゃお邪魔しましょうか。先に行っていてくれる? 私も食事を持っていくから」
「はあい」
 姫菜は喜んでまだうろたえている聡美を引っ張り階段へ向かう。私は思わぬ情報収集のチャンスに喜んで参加することにした。


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