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正義の女戦士クリスタルローズ 3

10舞方雅人 ◆8Yv6k4sIFg:2006/12/23(土) 19:35:09
 しばらくすると、扉がノックされる。
「誰です?」
「春川です、麻里子先生」
 私は驚いた。クリスタルチェリーが来るとは思っていなかった。
「どうぞ」
 私は心を落ち着けて、チェリーが入ってくるのを待つ。
「失礼します」
 いつも通りすらっとしたスレンダーな躰を前に倒し、私に対して一礼する。
「何か用かしら、春川さん?」
「いえ、あの・・・特に用ということは・・・」
 それでは何をしに来たのだろう。何か気付かれたのか?
「用は無いって・・・それじゃ」
「あ、麻里子先生の顔を見るのが久し振りだった・・・から」
「それで?」
「元気だったのかな? とか、地底帝国はおとなしかったとか、お母さんは大丈夫なんですか? とか」
 いつもと違い何となくもじもじしている。こんなしのぶは珍しい。
「ええ、元気だし、母も心配ないし、地底帝国がおとなしいのはいいことだったわね」
「あ、うん」
「他には?」
「無い・・・部活に行く」
 しのぶは何となく元気が無さそうに部屋を出て行こうとする。何をしに来たのだろう。
「失礼します」
 そこへノックの音がして、片場聡美が入って来た。
「あ、すいません。お邪魔でしたか?」
「いいのよ、用は無いらしいから」
「うん、君嶋先生」
 入れ替わるように扉から躰を外へ出すしのぶ。
「何?」
「お帰りなさい・・・それを言いたかった」
 そう言ってしのぶはすぐに扉を閉めた。まさか・・・照れていたのかしら?
「今の人は?」
「二年生の春川しのぶよ」
「あ、あの人が・・・陸上のすごい人って・・・」
 聡美は素直に感心する。所詮地上人の運動能力など知れたものなのに。
「まあ、いいわ。それよりもそこに座りなさい」
 私は椅子を勧めて聡美を座らせる。これからこの娘には私の奴隷人形になってもらうとしよう。
「はい、先生」
 何の疑念も抱かない聡美。
 私は部屋のカーテンを閉め、周囲に何も問題が無いことを確かめてから聡美の前に立つ。
「聡美、これからあなたに私の本当の姿を見せてあげるわ」
「本当の姿?」
 聡美は不思議そうに私を見上げている。
 私はこの部屋の周囲に結界を張り、誰の邪魔も入らないようにした。そして、おもむろに変身を解いていく。
「えっ?」
 聡美の目が見開かれる。目の前で私の姿が変わっていくのだ、当然かもしれない。
「えっ? 何? 何なの?」
 私の躰がようやく本当の姿を取り戻していく。黒いボンデージ状の外骨格や赤いハイヒールブーツ状の脚などが取り戻される。
「い、いやっ! いやぁっ! 先生が・・・いやあぁぁぁぁっ!」
 聡美が悲鳴を上げる。けれどここはすでに結界の中。彼女の悲鳴は外へは聞こえない。
「フウ、ずいぶん久し振りな気がするわ。やはりこの姿が最高よ」
 私は気分良くヒールを打ち鳴らす。かつんと音がして、私は気持ちよくなった。
「せ、先生・・・その姿は?」
 恐怖のあまり椅子から立つこともできないのか、聡美はわなわなと震えていた。
「ふふふ・・・私は地底帝国のブラックローズ。さあ、私の目を見るのよ」
 私は聡美の目を覗き込んだ。
 聡美は引き込まれるように私の目を見つめてくる。私はそっと魔力を送り込んだ。


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