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緊急投下用スレ
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>>997
拘るに決まってる。好きな女の子のことなら、なおさらじゃないか。
もはや開き直って、僕は君の痩身を掻き抱いた。
「大好きだ。柿…………めぐ」
人の習慣は、そうそう変えられるものじゃないらしい。
慌てて言い直したことで、却って、君の失笑を買ってしまった。
「まったく。そんな調子で、大丈夫なのかしら」
「あ、当ったり前だろ。いまのは練習だからノーカンな」
「ずるいのね」
「キニシナイったら、キニシナイ」
歌うように茶化して、仕切り直し。
僕は、抱きしめたままだった君の耳元に、そっと囁いた。
「大好きだ、めぐ」
「……私も。大好きよ、ジュン」
どうして、君は一度目でさらっと言えてしまったのかな。女の子だから?
それとも……独りきりのときは、僕を名前で呼んでくれていたのかな――なんて。
いまでもね、ちょっと自惚れては、独りでニヤついているんだよ。
▼ ▲
あれから、ずいぶんと月日が流れたよ、めぐ。
君と僕が、とんでもなく遠く隔てられてから、もう7年が経ってしまったんだ。
17歳だった僕は24歳になって、駆け出しの社会人さ。
1年に一度、この七夕の夜に、僕はここを訪れる。
めぐが入院していた、有栖川大学病院の屋上に、天体望遠鏡を担ぎながら。
「よく続くものねぇ。ホぉント、呆れるわ」
僕の傍らで、腕組みしながら吐息するのは、めぐの一番の親友だった女の子。
いまでは立派な看護士になって、有栖川大学病院に勤務する水銀燈だ。
僕が、毎年こうしてここに来られるのも、彼女の協力あってのこと。
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