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【1999年】煌月の鎮魂歌【ユリウス×アルカード】
115
:
煌月の鎮魂歌6 27/29
:2015/08/27(木) 00:44:46
「その胸に下げたものを渡せ」
「……それは」
「渡せ」
かすかに唇を震わせたあと、アルカードはうつむき、ゆっくりと首から鎖をはずし
て、ユリウスの手のひらにそれを乗せた。
ずしりと重い、大型の指輪だった。かなり古いものらしく傷だらけで、刻まれた紋章
も摩滅して薄くなっている。かろうじてそれがもともと、ベルモンド家の紋章の刻まれ
たものであることは読みとれた。
「こいつは俺がもらっておく」
うなだれたアルカードにむかって、ユリウスは宣言した。
「俺のペットが俺以外の人間の首輪をつけているのは気にくわない。あんたは俺のもの
だ、それを忘れるな。あんたが俺のものでいる限り、俺は鞭を使う。少なくとも、
使い手として努力してやる。帰ったら試験をすると言ってたな。いいよ。やれよ。
俺がどこまでやれたか見せてやる」
返事はなかった。うちひしがれた様子のアルカードに背を向けて、急ぎ足でユリウス
は歩き出した。ずらりと並んだベルモンド家歴代の肖像の目が、自分一人に集められて
いるように感じる。
ラルフ・C・ベルモンドの肖像が、心に焦げるような痛みを焼きつけていた。
アルカードがあの男に向けていた、五百年にわたる別離にも曇らされない、魂を
こめた思慕と愛情の視線が。
「アルカード」
服を裂かれたまま、その場で立ち尽くしていたアルカードに声がかかった。
のろのろと振り向く。丸い眼鏡の奥に沈痛な色をにじませた、白馬崇光がそこにいた。
「崇光……」
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