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Awake
194
:
Awake 16話(7/11)
:2013/12/21(土) 06:36:08
四肢に軋みを感じつつも城内から脱出するためにヒューはモーリスを支え、介抱しながら歩み
を進めていた。
城内は拘束される前と変わらず、生温かい血の匂いを漂わせたような瘴気に包まれてい
たが、モーリスは死んだと思っていた息子が憔悴しきっていた自分のもとに駆けつけ、また共
に生きてこの世に留まれた事に安堵し、僥倖を感じていた。
だが、少しでも気を抜けば意識が飛びそうなくらい魔力を吸い取られていた。しかし、
教会へ報告するまでは意識を保たなければならないと考えたモーリスは、自分が意識を失って
いる間、何があったのかを聞きながら状況の整理をしようと思った。
ハンターは討伐後に宿泊している土地の教会へ赴き、大まかにだが報告しなければなら
ない以上、時間が許す限り情報を集め内容を纏めておく必要があった。
「ヒュー、お前はネイサンと一緒にいたのではなかったのか?」
いきなりそう問われ、これから答える内容に自分の恥部を詳らかにせねばならない事を
察知したヒューは言葉を詰まらせながら、だが、簡潔に答えようと努めた。
「穴に落とされた後、足を挫いたネイサンに早く城から出るよう言ってから、そのまま置き去
りにして探索していた」
「初めから共闘していなかったのか……自ら戦力を縮小するとは、馬鹿な事を……」
「ああ、本当に馬鹿だったよ。それから、ヴァチカンの査問審議に掛けられたら一発で破
門される状態に陥った」
「やはり真祖の魔手に堕ちたのか……」
「……そうだ。しかもご丁寧に真祖のいる儀式の間の鍵の番人にさせられて。正気に戻し
たのがネイサンだった」
軽くヒューが笑ったのを見てモーリスは少し様子が変わった事に気が付いた。正気になったと
言う事はネイサンに敗北したのは確実で、自分が一対一の戦闘においては格下と思っていた相
手に打ち負かされたのである。それをいい意味でも悪い意味でも自尊心の高いヒューが、他
人に対して客観的に話せる心理を見せたのが腑に落ちなかったからだ。
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