したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

Awake

192Awake 16話(5/11):2013/12/21(土) 06:33:34
「今までの攻撃は、目晦ましだったのか!」
 とは言え、注意するのはその攻撃だけだと踏んだ。カーミラのように幻覚を出すでもなく、
攻撃範囲もダメージを与える場所を考えるまでもなく、ドラキュラの巨大な体に当てるだけで
傷口から灰が毀れるだけだった。
――これが仇敵の力なのか? 否、師匠はドラキュラとの戦いは一度きりではなかったと言っ
ていた。なら、真の姿を晒すまで攻撃の手を緩めなければいい。
 無駄なダメージを受けないよう機械的に淡々と遠隔攻撃を躱し、本体に当て続けた。
 そのような攻撃をされても真祖は真の力を発揮することなく、やがて、その場に崩れる
ように蹲った。
 倒したのかとネイサンは半信半疑で後ずさったが、眼光をぎらつかせていたため諦念を感じ
られなかった。不運にもその予測は的中した。
「力を…完全な力を…。」
 無数の攻撃を受け、灰を撒き散らしながら蹲ったドラキュラは、倒したかどうかも分からず
不安な貌で近づけないネイサンを見てふてぶてしくニヤリと微かに笑うと、自らの体を粉々に
崩壊させた瞬間、大きな光の柱を出現させ灰とともにその中に吸い込まれていった。
「なに!?」
「奴を追え!逃がしてはならん!グッ…。」
「!!」
ドラキュラが消えたと同時にそのゲートから今まで以上の魔力の放出を感じたネイサンは、ドラキ
ュラが人間の世界における外皮を生贄にして自分に有利なフィールドを開いたと、モーリスが怒
鳴るようにネイサンに指示をするまでもなく察知していた。
魔力の放出は戸外で待機していたヒューも感じ取り、開くかどうかは分からないが、身体
はある程度回復してきたのでネイサンをサポートするために儀式の間の深部に駆け出した。
もちろん、ドラキュラ自身はすでにそのフィールドにいなかったため、難なく青白い扉はヒュ
ーの侵入を受け入れた。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板