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「ニューハーフ・シーメールでエロパロ」スレの避難スレ

112BLUE ◆ROSE/4VERo:2011/07/14(木) 12:58:29 ID:WnPK/KsY0
                           ● ● ●

「それではお母様、お世話になりました」
「カナミ、向こうでも元気でね」
 《天城》の発着デッキ、連絡艇のハッチの前で私はケイさんに頭を下げました。
 私たちのやり取りは、私がはじめて《天城》にきたときのような軍人同士の会話ではなく、別れを
惜しむ家族の物でした。
 見送りに来てくれたのはケイさんと昂さんだけではなく、アリスとベアトリス中尉もいました。
「カナミ、頑張ってね」
「ありがとう、アリス。アリスもこの先苦労するだろうけど頑張ってね」
「それはどういう意味でなのかしらぁ……」
 ベアトリス中尉がぼやき、私とアリスは顔を見合わせてくすくすと笑いました。
 やがて連絡艇の発進時刻が訪れ、私は皆と分かれて連絡艇に乗り込みます。この艦に来る
ために《サラトガ》で連絡艇に乗り込んだ時には、私には憂鬱と軽い絶望感しかありませんでした。
しかし今回はまったく逆の気分です。
 《天城》を離れた連絡艇は、《天城》と並走していた軽空母の着艦デッキに向かいました。
 護衛空母《レキシントン》。以前に私が乗艦していた《サラトガ》と同型の、第23パトロール部隊の
旗艦空母です。《天城》よりずっと小さい艦ですが、これが今日からの私の家です。
 《レキシントン》のデッキに降り立った私を、艦載機部隊の搭乗員が出迎えてくれました。
「カナミ特務少尉、ただいま着任しました」
「《レキシントン》へようこそ、カナミ少尉。歓迎する」
 敬礼する私に、小隊長の中尉が答礼します。その姿に私は、《サラトガ》で始めて
ファルコン・スコードロンのメンバーとあったときのことを思い出しました。
 隊長が私に小隊のほかのメンバーを紹介してくれます。小隊の三人目は、搭乗員養成コースを
出たばかりのまだ少年といっていい少尉でした。私がにっこりと微笑んで挨拶をすると、彼は顔を
赤くしてしどろもどろの受け答えをします。
 《サラトガ》での日々の記憶、ファルコン・スコードロンのみんなの記憶、《天城》で過ごした
ケイさんや昂さん、アリスやベアトリス中尉との記憶――様々な記憶がふっと思い出されます。
これらの記憶に、今度はこの艦での生活の記憶が付け加えられることになるわけです。どんな
記憶になるのか――私はそれが良いものである事を予感していました。

                                                  ―了―

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

おしまい。
最後に作品中で使われなかった設定とか。

・《エンジェル>の配備は初期生産ロット100体分が既に完了し、航路護衛部隊のAA小隊にも
 最低一名ずつ配備されています。
・《天城》は第三次世界大戦中に環太平洋国家連合で建造された天城型宇宙巡洋戦艦の
 一番艦です。二番艦の《赤木》が建造途中で空母に改造されたのに対して、《天城》は
 巡洋戦艦として竣工しました。
 戦後はモスボール状態でしたが、第901実験戦闘団に専用母艦が与えられることになった際、
 主砲装備の削減とカタパルト・ハンガーデッキの増設工事を施して航空戦艦に改装されました。
 艦載機搭載量は同クラスの空母の半数以下ですが、戦艦並みの長距離砲撃能力を持っています。
 戦艦用も含めた艦載装備の実用試験艦を兼ねているため、こうした仕様になっています。
・901は部隊規模の拡大に伴って、第二航空艦隊第一戦隊旗艦《グラーフ・ツェッペリン》所属から
 同第三戦隊旗艦《天城》へ引っ越しました。第三戦隊には現在《天城》一隻しかおらず、普段は
 単独行動なので半ば独立部隊です。


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