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マザリア 聖母闘士の伝説

42名無しさん:2007/07/09(月) 20:21:25

夫と子供を喪ったタルミアが傷心の日々を送っていた頃、惑星マザリアにグリンラス軍を率いて攻め込んできたのが、この将軍デルギオだった。
聖母闘士に選ばれたタルミアは、悲しみを忘れようとするかのように、デルギオに立ち向かった。
そして、激しい戦いの末、タルミアはデルギオに捕らえられ、下僕(しもべ)とされたのだ。

グリンラス帝国の若手将軍たちの中でも、一二を争う武闘派として知られるデルギオ。
だが、いざ下僕となったタルミアに対する彼の態度は、意外な物だった。
皇帝の前などの公の場ではともかく、2人だけの時、デルギオはタルミアに優しかった。
他の将軍たちのように、下僕の聖母闘士同士を交換し合って乱交にふける事もなかった。
その扱いは下僕へのものではない。そう、まるで・・・。
不審に思うタルミアに、デルギオは顔を真っ赤にして言った。
「まあ、その・・・、何だ。俺たち2人きりのときは、主人と下僕なんて上下関係ではなくて・・・。今までお前にした事を思えば、虫が良すぎるどころじゃない話なんだが・・・。つまりだな、俺は、お前と恋人同士みたいにイチャイチャと・・・」
自己の身勝手さに自分自身で呆れ果てた様な口調だが、その眼差しは真剣そのもの。
だが、彼の言葉を聞くうちに、タルミアの眉毛がしだいに釣り上がってく。
そして・・・、バキッ、と音が鳴り響くとともに、デルギオの体が吹っ飛んだ。
「ふざけないで! 確かに私は貴方の下僕になることを誓ったけど、恋人になってあげるなんて言った覚えはないわ!」
啖呵をきるタルミア。
「やっぱりな・・・」
拳の形に痣のついた顔を押さえて、デルギオはしみじみと呟いた。

その後も、デルギオはタルミアの心を優しく解きほぐそうと努めた。
根気良く。ただ、根気良く。
そんな日々が続くうちに、タルミアの心にも変化が生じ始めた。
(ここまで本気なら、受け入れてあげても・・・。だ、ダメよ。私の方からなんて・・・)
自らの気持ちの変化を、必死に押し殺すタルミア。
そして、あえて必要以上に卑屈な態度をとる。
“自分は貴方の下僕であって、恋人ではない”、とデルギオに思い知らせるために。
(大体何よ、私に散々あんな事をしておいて! それを今更、勝手よ!・・・)
(それならいっそのこと、有無を言わさず命令してくれればいいのに・・・)
(それなら私だって・・・)
負けず劣らず、勝手なことを考えてしまうタルミアであった。

デルギオにナルタリ討伐の勅命が下ったのは、ちょうどその頃だった。
ナルタリ。
宇宙をまたにかけ、芸術活動と称して愉快犯的な爆弾テロを繰り返す、狂気のテロリスト。
その被害は、グリンラス、反グリンラスを問わす、宇宙の到る所に及んでいる。
そう、タルミアから夫と子供を奪ったあの爆発も、マザリアに立ち寄ったナルタリが起こした物だったのだ。
グリンラス帝国としても放置しておけなくなり、本格的な討伐が決定された。
デルギオは、その任を皇帝に願い出、許されたのだ。
(あの子の、あの人の仇が討てる!)
喜びに身を震わせるタルミア。
だが、いざ討伐が開始された直後・・・、デルギオが重症を負ったのだ。
かつて、タルミアの夫がそうしたように、ナルタリの爆弾からタルミアを庇って。


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