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短編作品総合スレ

27セレブナイト番外編 5/14 「母の日セレブさん」:2006/05/19(金) 11:50:03

その日は明け方に降った雨も止み、陽射しは夏日を思わせて居た。
今日は許可を取り、息子の誠を車椅子に乗せて外出に出ているのだ。
「どう、まーくん?空気も澄んで、気持ち良いわね♪」
「…うん、そうだね…ママ」
誠は母の言葉に目を細め、眩しそうに志保子を見上げる。
車椅子を押す志保子は、笑顔と…太陽の光に輝いて居た。
美人で頭も良くて、料理も美味しくて…いつも優しいママ。
今日はママと一緒に出かけたい…そう言って、許可を担当の女性医師に頼んだ。
…そういえば、先生がもうすぐ替わるかも?って言ってたっけ。
でも、今日は母の日──ママに何かしてあげたいんだ。
いつも僕の為に頑張ってくれる…お母さんに。

***

「これはどう?ママ…似合ってるかしら?」
「うん、とっても!」
「もう!まーくんたら、何を着ても同じ事しか言わないんだから!」
「だって、本当に似合ってるんだもの。」

そんな、たわいない話をしながらショッピングをする二人。
普段は病院の中でしか会えない志保子にとっても、楽しい時間が流れていた。

だが…その、幸せな魔法も…一日持たなかった。


「ごほごほっ…」
その異常に、志保子は必死に愛する我が子の介抱をした。
心臓の病が引き起こす、発作である。
(どこか…どこかで休息をとらないと…)
そう考えた志保子の目に止まったのは…所謂ラブホテルだった。
多少の引っ掛かりは有ったものの、結局はそこで休息を取る事にしたのだった。

****

ベットに寝かされた誠は発作と、体力を超えた行動の疲れからか、眠っていた。
(母親である私がしっかりしなけれはならなかったのに、つい…楽しさに
マーくんの変化を見落としてしまうなんて、母親失格だわ…)

志保子が反省をする先には、先程までの買い物の品が有った。
(こんな物に浮かれて、私は…)
また、彼女は自身を責め、後悔をしかけた…
しかし、その目に買った覚えの無い包みが見えたのだ。
(これは…何かしら?)
志保子は折っただけの包み口を広げ、中を確認する。

そこには、赤いカーネーションとメッセージカードが入っていた。
それには何時の間に書いたのか、誠の薄い筆圧で言葉が書いて有った。

『ママ、いつもありがとう。今日は楽しかったです、早く体を良くして
また大好きなママと、一緒に買い物に行きたいです。
              誠』
「マーくんたら…」
志保子は花を手に、そのカードをそっと胸元に付けると、少し涙ぐむ。
(やっぱりマーくんは私の生きる希望だわ…この子を必ず良くしてみせる!…)

そう、隣で添い寝をしつつ決意する志保子に、眠っていた誠が寝返りをした拍子に手が
志保子の豊かな胸に当たり、軽く握る形になる。
誠の手は志保子の、甘い…母の香りに、赤子の頃を思い出したのか、胸を求めてまさぐり出す。
(んん、マーくん…しっかりしているようで、まだまだママのおっぱいが…)


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