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キューティーエンジェル
43
:
キューティエンジェル 復讐編
:2006/08/15(火) 21:00:30
1
「姫さまぁ〜」
メイドが勢いよくドアを開け、闇蜘蛛姫の部屋へと入ってきた。悔しそうに唇を噛み締め、目には少し涙を溜めている。
「どうかしたの?」
闇蜘蛛姫の言葉に、メイドは涙を拭いながら言った。
「早紀がわたしの獲物をとっちゃって、自分のペットにしちゃったんですよ〜。ふたりともぉ〜!!」
メイドが言っているのは、以前カメラで撮ったときに写った、あのふたりの美少女戦士たちのことだ。
確かにふたりを捕らえたのはメイドだったが、最終的に彼女たちを倒したのは早紀だった。
その為ふたりの美少女戦士は、早紀のペットとなったのである。
「でも、あなたが言ったんじゃなかったかしら? 倒した方が、ふたりをペットに出来るということにしましょうって」
「そ、それは……でも、捕まえたのはあたしだったし、ひとりくらいわたしのペットにしても……」
「関係ないわ。倒した方が……って言った以上、あのふたりは早紀のものね。どうしても欲しかったら、彼女に土下座でもして頼んでみたら?」
「そんな……くっ……わかりました。失礼します」
メイドは悔しげに唇を噛むと、闇蜘蛛姫の部屋をあとにした。
「まったく、あの子にも困ったものだわ」
闇蜘蛛姫はそう呟くと、手に持った例のカメラのシャッターを切った。
カシャ!
「あら? フィルムがなくなったようね。とりあえずこの一枚で終わりかしら。また、用意しておかなくちゃ」
そう言いながら写し出された写真を見る。
そこには犬の首輪を嵌められた女が写し出されていた──
それが自分の姿だと気づくのに少しの時間を要した。
「なっ……これは……?」
首輪には『メス犬 闇蜘蛛姫』と書かれている。そしてその首輪から伸びる鎖を持つ者、それはなんとメイドだったのだ。
「どういう事? そんなバカな事が……」
だが、かつてこのカメラが写し出したものに間違いはなかった。
未来の自分はあのメイドにメス犬扱いをされるという、惨めな状況に陥るというのだろうか?
「なんとかしなければ……」
闇蜘蛛姫は写真を見つめながらそう呟いた。
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