【エジプトの「死者の書」】
Book of the Dead
1842年ドイツのエジプト学者「レプシウス」が「ツリン・パピルス」という165章のパピルス文書を『エジプト人の死者の書』と名付けて出版。
『死者の書』は、パピルスの巻物に描かれ、柩の中やミイラの両足の間の包帯の中に収められた。
各章は「死者の告白」、「懇願」、「祈り」などが一人称によって語られている。
本来は、葬儀の際に「神官」によって唱えられる「呪文」。
死者自らも唱えることが出来るように、死者と一緒に埋葬されるようになったという。
こうした『死者の書』は特定の個人のために作られた品ばかりでなく、買い手の名前を書き入れる場所が用意された「販売用」のものも用意されていた。
この「パピルスの所有者」である「死者」は、「冥界」を支配する「オシリス神」の前で「無罪」とされ、やがて「オシリス神」となることが出来た、とのこと。
残された『死者の書』のうち、どれ一つとして190章全部を包含しているものはない。
そのなかで書記官「アニ」のパピルスが最も有名。
1888年にテーベで発見。
製作されたのは第18王朝の中頃(紀元前1450〜1400年頃)とされており、現在「大英博物館」に収められている。