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バズーカ服部 作品

8同居人募集中。。。:2005/06/09(木) 12:39:42
後藤は、ちょっと怯んだように入り口で立ちすくんだ。
明らかに注目を浴びているのに気づいたのだろう。
クラスは金髪にしてきた後藤に戸惑っていて、その戸惑っているクラスに後藤は戸惑っている。
そんな感じに見えた。自分で金髪にしといてその態度、うーん意味が分からない。
とりあえず泣いて以降、こいつはかなりおかしい。
ありえない、予測不能な行動の数々だ。オレのあばらはまだ痛い。
だけど、だからこそ、オレは予感がしたんだ。
そして、ようやく後藤は、なんかふわふわと自分の席に向かっていく。
少なくとも雰囲気が、いつもの学校での後藤ではなかった。
醒めてて無関心というか無視、そんな後藤ではなく、昨日の下宿で、あけすけに脱力した、あの時の雰囲気に近いように、オレには見えた。

後藤っ、と彼女が席についた瞬間、オレが声をかける。大きな声で。
そしてその瞬間は訪れた。
あ、ふりむいた・・、クラスの誰かがそう呟いた。
その、反射といい表情といい、まるで危機を察知した小動物みたいでさ。

んで、後藤の後ろの藤本が、シャーペンをくるくる回すのを止めて
「げ、マジ奇跡・・」とかいって。
後藤は、えらい勢いで真っ赤になって、自分を取り戻そうとするように窓を見た。
でも、こうなったらもう止まらない。
「ねえ、もしかして見せびらかしてる? 」と藤本がいった。
確かに、こっちから見たら全部金髪になる。
後藤はあわてて、反対を向く。
すると藤本が「また振り向いたよマジ奇跡」とかいって。
そして、今、後藤の視線の先には、にやにやしているオレと松浦がいるはずだ。
後藤は困った。困って仕方なく正面を向いて、そして俯く。


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