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マイケル作品  その5(夏祭り 藤本Vor.)

1同居人募集中。。。:2005/06/02(木) 12:47:47
女のくせにこんな言葉使いをするのは美貴しかいない。
俺はそのまま振り向いて、いつもの様に勢い良くタンカを切って反論する

「こんなに待たせといて何してたんだよ!大体、お前らが遅いかからだな…」

と途中まで口にして藤本の姿を見たところで言葉が出なくなってしまった。

髪は綺麗に巻き上げられて
黄色の帯に薄い緑掛った色をした浴衣を着こなして
唇には少し濃いめのルージュを引いた
少し大人な雰囲気の美貴がそこには立っていた。

俺は言葉を失いその姿をじっと見つめることしかできなかった…

2同居人募集中。。。:2005/06/02(木) 12:48:00
いつもはボーイッシュな感じの美貴がこんなに女らしく見えるなんて
普段とは違う美貴を見て少し戸惑ってしまった

「なっなんだよ、あんまジロジロ見んなぁ」

美貴は少し頬を赤くして文句を言った。

「なんか言えよ、恥ずかしいだろ…」

それでようやく俺も口を開いたが何を言っていいか分からない。

「あ、いや。その…」

そんな俺を見て美貴は不安そうな顔で聞いてきた。

「やっぱり変かな…似合ってない?」

「そ、そんな事ない。なんて言うかいつもと違うってか
そう言うのもありなんじゃねぇ?」

3同居人募集中。。。:2005/06/02(木) 12:48:13
とっさに出た言葉がこれだった…
もっと巧く誉めてやれたろうになかなかそう言う言葉は出てこないものだ

しかし美貴はまんざらでもない様子で
「そっそっか…」

と言って恥ずかしそうに笑った。

確かに美貴は美人で神社から出る人も入る人もみな振り向いていく。
それ位に眩しく輝いていた…

すると逆に俺が恥ずかしくなってどうしようも無くなり
つい場を濁すようなことを言ってしまう。

「なんてなお世辞だよ、孫にも衣装とは良く言ったもんだよな」

いつもの美貴ならこれで食い付いてくるはずなのだが

反応がない…

4同居人募集中。。。:2005/06/02(木) 12:48:28
俺の予想に反して無反応の美貴
それどころか下を向いたまま何も言わなくなってしまった。

さすがに心配になった俺は美貴に心配になって声をかけてみた

「おい?いつもみたいになんか言ってこないのかよ…」

それでも反応がない

「おぃ、どうした…」

と言って美貴に近付こうとするとやっと反応が帰ってきた。
しかし明らかにいつもとは様子が違っていた

「こっ…来…な…」

声が小さ過ぎて良く聞き取れない

「え、なんだよ?」

「こっち来んな、バカヤロー」

その言葉と共に美貴はやっと顔を上げた…

5同居人募集中。。。:2005/06/02(木) 12:48:46
しかしその瞳には今にもこぼれ落ちそうな程に涙が溜っている。
さすがにやりすぎたと言うか最悪のパターンだ…

「もういい!着替えてくる!」
「おぃ、なに急に…」
「うるさい!帰る。それに孫じゃなくて馬子だバカ!」

そう言って美貴は勢い良く元来た道を走り出した。

「・・・・」

俺はどうしよう…

A呆然と立ち尽くすしかない(話は続く)

B「おぃ待てよ!」と叫び美貴を追い掛ける。(美貴エンディング)

6同居人募集中。。。:2005/06/02(木) 12:49:07
「おぃ待てよ!」

俺は走り出した美貴の腕を掴みなんとか引き留めようとした…

「痛っ!」

美貴の言葉に思わず手を放した。

「ごめん…」

「別に…そんなに痛くないから」

「いやそっちだけじゃなくて」

「いいよ、似合ってないの分かってたから」

「そんなことない」

「嘘、言うな!さっき似合ってないって言ったじゃんか」

「・・・」

「ほら、言い返せないだろ。バカっ」

そう言い残して再び美貴は後ろを向いて走り出そうとした。

「バカはお前だ」

とっさに美貴を抱き締めている俺がいた。

7同居人募集中。。。:2005/06/02(木) 12:49:20
あとで冷静に考えてみればもの凄く恥ずかしいだろう
そりゃそうだ周りに大勢の人がいるのだから
しかし周りのことなんか気にもとめなかった

ここで美貴を止めなきゃどこかに行ってしまうと思うととっさに体が動いた。

今は美貴しか見えないこの世界では美貴と俺しかいないのだ…

それ位に美貴がいとおしく思えた瞬間だった。

「もっと自分に自信もてよ、似合わねぇわけないだろが。
今はお前が世界で一番綺麗なんだぜ…」

「バカ…」

その瞬間、周りを取り巻く人達から暖かい拍手が起こった。

8同居人募集中。。。:2005/06/02(木) 12:49:34
すると急に現実に戻された気がして恥ずかしくなった。

「バカ、早く放してよ」
「ごめん、恥ずかしいか?」
「そんなんじゃないよ。早く」
「なんだよ…」
そう言って俺は手をほどいた

すると美貴はくるっとこっちに振り返って俺に抱きついた

「おっおい…」
「何やってんのよ、抱きしめてよ」
「えっ…うん」

俺は美貴の言うがままにそっと手を回した

「もっと強くぅ…」
「こうか…」
「もっとギュッと抱きしめてよ…」

抱きしめれば抱きしめるホドに美貴の香りを感じて俺の鼓動は早くなっていった

9同居人募集中。。。:2005/06/02(木) 12:49:49
さすがにこんなに激しい心臓の音を美貴に聞かれるのは恥ずかしいが
俺は美貴の気持ちに答えたくて強く抱きしめた

すると美貴は恥ずかしそうに顔を上げ目をつぶった。

俺は震える唇で美貴にそっと口づけた…

そして美貴をまた強く抱きしめた。

その頃には周りの人達も気をきかせてくれたのかその場には本当に二人しかいなかった…

すると不意に美貴が
「すごい胸がバクバク言ってるよ…」
「そ、そりゃ、いきなりあんなことになったら…」
「あは、可愛いとこあるんだ〜」
この時、今日美貴が始めて笑ったのを俺は見逃さなかった。

10同居人募集中。。。:2005/06/02(木) 12:50:04
「うるへ〜」
「あはは、でもね美貴の方がもっとドキドキしてるよ…」
とつぜんの美貴の告白に言葉が出ない
「…」
「確かめてみる…?」
「ど、どうやってだよ」
「ほら、こうやって…」

そう言って美貴は俺の手をとって誘導する
ある程度まで来たところで手を離す
あとは自分でやれってことなのか…
俺は黙って美貴の胸に手を当てたそして確かに美貴もドキドキしている

しかしこれで更に俺の鼓動も再び早くなりはじめた

美貴は俺の顔を見るなりニヤけて言った

「えっち…」

「だってお前が…」

「う・そ!」

11同居人募集中。。。:2005/06/02(木) 12:50:31
「おい、からかうなよ」
「でも確かめてとは言ったけど、まさか…ねぇ〜そんな度胸があるとは」
「なんでだよ…」
「まだ告白もされてないのに…」

そう言えばどさくさに紛れてこんなことになってしまったが
俺の気持ちはまだ美貴にはっきり伝えていなかった
本当の勇気を出すのはここからだ…

「そうだな…」

俺は美貴をまっすぐ見つめた。

「なに、急に真剣な顔しちゃって…」

「美貴、俺はお前のことが…」

肝心な所で美貴が話に割って入ってきた

「そうだ!もうすぐ河原で花火大会はじまるよ。行こうよ〜ほら」

12同居人募集中。。。:2005/06/02(木) 12:50:46
「美貴…」

「そんなこと言葉に出さなくたって分かってるわよ」

「でもお前は…」

「好きでもないやつにあんなことするわけないじゃん…バカ…」

そう言うと美貴は俺の腰に手を回して胸に顔をうずめた

「やっぱりドキドキしてる」
「うん…」

俺はもう一度美貴を抱きしめた

すると道の向こうからピンクの着物の亜弥ちゃんとその後ろから淡いスミレ色の着物を来た真希ちゃんがやって来た

「美貴た〜ん、おまたせ〜」

さすがにこのシチュエーションはまずくないか?

「あ〜何してるのぉ!みきたんから離れなさ〜い」

13同居人募集中。。。:2005/06/02(木) 12:51:01
案の定、亜弥ちゃんにみつかってしまった

「どうすんだよ」
「行こっ!」
「おいっ」

美貴は戸惑う俺の腕を強引に引いて走り始めた。

「こら、みきたんを離せ」
「んぁ〜亜弥ちゃん待ってよ。ついてけないぽ」
「あ〜ん、ごっち〜ん」

そんな二人を置いて俺たちはどんどん進んで行く

「どこいくんだよ?」
「わからない〜」

二人の恋は始まったばかりだ…

出演 主人公・藤本美貴・松浦亜弥・後藤真希
主題歌 そっと口づけてギュッと抱きしめて
演出脚本 マイケル
監修 もしごまスレ


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