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小ネタ投下スレ
522
:
名も無き黒幕さん
:2010/04/29(木) 23:08:30 ID:owUuycZo
古本屋の店先で、小声の緊急作戦会議が始まる。
「どーしたもんだろうな。試しにエロ本投げつけて反応見てみるか? ロリコン垂涎の
法律的に思いっきりアウトなブツは持ってねえが、童顔系なら多少はあるぞ」
「問答無用で却下して話を進めますわよ。何も考えず襲いかかってくる人ではなさそう
ですし、とりあえず話しかけてみますの。あたしが声をかけた方が相手の警戒心を
解きやすいでしょうから。……あ、変態が出てきた場合は覚と交代ということで」
「常識人の俺には荷が重い話だが、ロリと変態を相対させるわけにもいかねえしな。
出てきたのが悪党だったときは援護するから殺さない程度に焦がしてやれ」
斜め上あたりを物憂げに眺め、アリュセは力ない微笑みを浮かべた。
「うぅ、何かこう、危機感の方向性がおかしな具合に捻じ曲がりつつあるような」
その肩へと慰めるように掌を置き、悟りを開いた賢者のごとく出雲は頷いてみせた。
「気にすんな、それが大人になるってこった」
かなり嫌な説得力が、むやみやたらとたっぷりあった。
人はこうして駄目な大人になっていくのかもしれない。
○
九連内朱巳は、ただ逃げ隠れすることすらままならない状況に苛立っていた。
死体を抱いた男から離れる途中、血だらけな人影のすぐ隣で荷造りしている二人組を
見つけた、というのは幸運なのか不運なのか。少なくとも波乱万丈なのは確かだが。
商店街の片隅に潜み、朱巳は一瞬だけ覗き見た光景を細部まで思い出す。
二人組についての情報がもっと乏しければ、迷うことなく放置しているところだ。
(「朝、海岸にいたのを見た」って火乃香が言ってた連中なのかなぁ、やっぱり)
なまじ事前情報が半端にあるせいで、状況判断が一気に難しくなっている。
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