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没ネタ投下スレッド

155エンジェル・ハウリング(弱虫の泣き声):2009/03/19(木) 00:51:15 ID:Fc72kk0o
「それならもう消えて。壊せないお前なんかに興味なんて無い――っ!?」

 慌てて口を押さえる。だが、それで発してしまった言霊が回収できるわけでもない。

(いま、あたし何て……?)

 壊すことは八つ当たりだと、僅かに残っている意識は理解していた。あくまで甘え。代行手段のない感情の発露の仕方。
 ならば、いまの発言はおかしい。

「……思ったよりも侵食が速いか。ならば端的に言おう。フリウ・ハリスコー」

 動揺するフリウに耳を塞がせる隙も与えず、アマワは致命的な言葉を彼女に突き刺した。

「君は硝化している」

 その単語の意味を、フリウが完全に理解したわけではない。
 だが、分かる。それは敗北であると。
 呆然とするフリウを置き去りにして、アマワは次々と言葉で彼女を苛ませた。

「君は破壊という目的にのみ純化し始めた。かつての殺人精霊のように。
 しかし絶対殺人武器の最後には互いに殺し合うという性質と比べて、君は単独だ。止まることはできない。
 もうひとりの絶対者――フリウ・ハリスコー」

 絶対破壊者。彼女が嫌いだった力の名前。そして現在、何の気なしに行使している名前。
 息をすることも忘れているフリウを、アマワはじっと見据えていた。まるで何かを期待するかのように。

「完全に硝化してしまえば君は無敵だ。誰も君に触れることはできなくなる。
 このまま行けば、君はそう遠くない内にこの島を破壊しきるだろう」
「……あなたの計画もお終いね」


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