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試験投下スレッド
983
:
たった一度の冴えたやり方(3/5)
◆5KqBC89beU
:2008/06/24(火) 12:54:14 ID:wFs0ZlLc
坂井悠二は、わたしが何者であるかについても大雑把には知っていた。
魔界医師メフィストの手術を受けた際、わたしが何をしているのか垣間見たらしい。
困ったような顔をしながら、君を許すことはできない、と彼は言った。
現実が上書きされるたび、同じ数だけの現実がそこに生きた皆と共に失われた、と。
認めよう。彼には、わたしを糾弾する権利がある。
もはや“最初の現実”と“当時の現実”は別物だと表現しても過言ではなかった。
わたしは彼らに酷いことをしてきたし、これから先も酷いことをするつもりだ。
蝶と戯れ、しかし個々の蝶を一匹一匹それぞれ識別しないまま微笑む幼子のように、
わたしもまた『宮野秀策』や『光明寺茉衣子』という種類の生物が絶滅さえしなければ
億千万の『宮野秀策』や『光明寺茉衣子』が犠牲になることをすら容認できる。
BがAに近似しているなら、Aが在った場所にBを代入し、それを是としてみせる。
救われる二人が、地獄の苦しみを味わって死んだ彼や彼女とは別の二人だとしても、
わたしはそれを幸福な結末だと言い切ってみせる。
本物の宮野秀策や光明寺茉衣子とは無関係な、複製に過ぎない二人だろうと、本物が
無事であるという証拠がない以上は守らねばならない。
あの二人を救うために必要なら、他の参加者全員を破滅させようが、後悔はしない。
目的のために手段を選ぶつもりは、もうなかった。
坂井悠二を犠牲にし、零時迷子を利用し、彼が守ろうとした仲間を死なせてでも、
理不尽にすべてを奪い取ってでも、あの二人を助けるつもりだった。
だが、そんなわたしに彼は言った。
君を許すことはできない……それなのに、心の底から憎むこともできない、と。
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