したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

アナザー本スレ

592パラレルロワイアル・その534:2006/05/28(日) 02:42:39
「…るー、お見事…」
 るーこ・きれいなそらは波打ち際に落ちているゴムナイフとゴムボールを
見下ろしながら、感嘆の意を込めてぼそりとそう呟いていた。
 ゴムボールは元々、23話にて元83番・三井寺月代がロボピッチャーで
射出し、元52番・セリオがセンサーで打ち返して、元30番・砧夕霧へと
命中した一球がそのまま砂浜に転がっていたのを、約四十七時間ぶりにその
至近距離にて撮影位置に立っていたるーこに発見されたものであり、セルフ
タイマーが切れると同時に伸ばした自在鉄扇で、カメラ目掛けてビリヤード
の玉の如く弾き飛ばされていたものであった。
 だが結局、そのゴムボールはカメラへと到達する前に、はるかが投げつけ
美汐に弾き飛ばされたゴムナイフと空中衝突し、共に空しく波打ち際の方へ
と落ちて行く結果となったのであった。
「…るー、流石だ…」

 そんなるーこの元へ、満面の笑みを浮かべた祐介が美汐を伴って足取りも
軽く近付いて来ていた。
「…どうか、そんなに神妙に恐れ入らないで下さい、るーこさん…正直な所
、るーこさんのゴムボールだけは実は偶然、運良くナイフが当たってくれて
防ぐ事が出来ただけなのですから…」
「本当に謙虚なんだね、美汐は。……でも美汐のおかげだよ。実際、あの時
の僕はほとんどカメラと風子ちゃんの事しか作戦の視野に入っていなかった
のも同然だったし、まさかみんなも最後の瞬間にアクションを起こすなんて
夢にも思わなかったし……それにしても、さすがに河野さんの水鉄砲だけは
本当に、回避出来た事自体が奇跡というのか幸運というのか…でも最後には
何とかこの通り、僕と美汐で…」

“さあぁっ、それではいよいよ、勝者筆頭格の方のお名前の発表ですっ!”

 …しかし…それでも祐介たちの方へと振り返る事も無く、波打ち際の方を
向いたままのるーこが呟き続けていた、賞賛の言葉―――その最後の瞬間に
起こった数々の出来事の真実たる内容―――は、聞いた祐介と美汐にとって
は、本編544話並みの青天の霹靂であった。

「…るー。確か、本編792話のアナザーだったな。…ベネリM3S90・
投げナイフ二本・シグサウエルP230の四刀流という超離れ業でうーねん
を倒してのけて見せたのは…今度はそれを、うーともの剣・なぎーのお米券
・うーみしが弾き飛ばしたゴムナイフ・そして、ポラロイドカメラの四刀流
でやってのけたという事なのか、しかも全て法術で…心底に恐れ入ったぞ、
カー……いや、元33番・うーきと!」

「…ええっ!?る、るーこさんっ、何をおっしゃってっ…!?」
「四刀流っ!?ポラロイドカメラっ!?…も、元33番っ…!?」
 信じられない言葉の連続に耳を疑いうろたえ始めた美汐と祐介の視界の中
、るーこが向いている波打ち際の海中から、水飛沫を上げて一人の男がその
姿を現した。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板