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アナザー本スレ

591パラレルロワイアル・その533:2006/05/28(日) 02:40:20
『…今になってようやく、あのクソガラスの謎の行動が、俺にも何とか理解
できてきたぜ…どうやらあのクソガラス、ホテルで一人ぼっちの観鈴のため
に、俺をゲーム開始直後に脱落させやがったという訳なんだな…だが、クソ
ガラスの想像以上に肝心の観鈴は強い子だった。二日目の朝、あいつは佳乃
のためにホテルを出奔して、戦場へと足を踏み入れちまった。クソガラスに
とっては墓穴モノの大誤算だったという結果だ…結局、自分の手では観鈴を
護り切る事ができねえと判断したクソガラスは、夕方ホテルへと舞い戻って
自分で頃しちまった俺への再出馬を要請する羽目になりやがったという事だ
…しかし真に恐るべきは、クソガラスの分の変身アイテムだけ特別製にした
スタッフ連中というべきか。三日近くも前からいかにもこういう決着を予知
していやがったかのようにな…』




“さあぁっ、このゲームもついにこの時がやってきましたーっ!ゲーム終了
・結果発表の時間ですーっ!……放送はこの私、特務機関CLANNADの
仁科りえが行わさせて頂きまーすっ!”
 ハイテンションながらも、そうする(させられている?)事への恥じらいを
隠し切れないでいるような少女の声が、八回目の定時放送に代わって来栖川
アイランド全島に響き渡ったのは、次の瞬間の事であった。

『やっぱりだっ!僕が思っていた通りの展開だっ…!!』
 放送を耳にすると同時に事が予想通りに進んだのを確信し、思わず感極ま
ったといった表情でガッツポーズをとって震えだした長瀬祐介へと、思わず
怪訝そうな顔をして尋ね掛ける天野美汐。
「…どうしたというのですか、祐介?……今に改まって、そんな嬉しそうに
興奮してしまうなんて…?」

「やった…やったんだよ、美汐っ!……今の、今の記念撮影で、このゲーム
の勝者筆頭核が誰になるかが決まったんだよっ…!」
 言いつつも興奮に打ち震えている祐介に向かって、にっこりと会心の笑み
を浮かべて返す美汐。
「…やっぱりそうでしたか。あの瞬間、何か緊張が走った気がしましたので
……だとしましたら、私も祐介の最後の戦いをお手伝いする事ができまして
とても幸いでした…」
 そう答える美汐の左手は、隣で抜剣を試みた坂上智代の右手をしっかりと
押さえており、右手で抜き撃ちしたシグサウエルは、河島はるかがカメラの
角度を変えようと狙って投げつけていた投擲用ゴムナイフを、見事に弾き飛
ばしていた。
 更に、遠野美凪の手から風に飛ばされたお米券が河野貴明の視界を遮り、
るーこから渡されてたワインバスケット型水鉄砲の狙いを狂わせこれまた、
カメラの角度を変える企みをものの見事に失敗させていた。

“もうご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、只今生き残りの皆様が
記念撮影を行いましたカメラには、撮影した映像を転送する機能が付属して
おりましたーっ!そこで、只今の記念撮影を写真判定の材料とさせて頂きま
して、このゲームの勝者筆頭格の方を決めさせて頂く事と致しますーっ!”

「ん。失敗しちゃったね、智代さん」
「…信じられない力だった。私はいまだかつて、これほどまでの愛と補完の
結集とも呼べる刹那の剛力を経験した事はなかった…」
「(ぽっ…)…いやですわ、智代さんったら…」
 砂浜にがっくりと腰を落としたはるかと智代に対して、赤面しながら慰め
の言葉を掛けている美汐。
『…しかし、どうして?……いつの間にか、刀が剣に…?』

「…申し訳ございません、河野さん。…お詫びといっては何ですが、どうぞ
このままお受け取りを…」
「あのう、遠野さん?……ひょっとして、その…僕にお米券を受け取らせる
ために、わざと…?」
「……最近皆さん、貰って下さらないのです…(涙)」
 トホホ顔にて顔に張り付いたままのお米券をポケットへとしまう貴明と、
それを見て心底嬉しそうに笑って礼を述べる美凪。

「大丈夫?風子ちゃん」
「だ…大丈夫ですっ。…風子としたことが、あわててカメラへかけよろうと
して、思わず砂に足をとられてしまいましたっ」
 自分の撮影設定ミスに気付き急いでカメラとへ駆け戻ろうとしてバランス
を崩した伊吹風子と、それに追い付き何とか転ぶ前に抱きとめた神尾観鈴。

“お待たせしましたっ!只今、こちらへと転送されました写真判定の結果が
出ましたっ!”


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