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ネタバレ@サム/フロド 2

1萌えの下なる名無しさん:2004/06/01(火) 23:45
旦那のサム&サムの大事な旦那を語り合うスレです。
原作も映画もサムフロもフロサムも有りで
SSも萌え話もこちらでどうぞ。

■『萌える子馬亭』の約束(必読)■SS投稿時には必ずお読み下さい。
http://0024.hiho.jp/pony/fellowship_rule.html

■前スレはこちら(過去ログ倉庫)■
http://0024.hiho.jp/pony/last_log/index.html

33萌えの下なる名無しさん:2004/09/02(木) 05:34
確か前スレでどなたかが、あの抱擁シーンで旦那がサムに
「お前の時も来るだろう」と言ってたんじゃないかという妄想が
すでに脳内デフオです・・・泣き萌え・・・

34萌えの下なる名無しさん:2004/09/02(木) 06:46
あ、ageてしまった。すみません。

お詫びに、HoMEで、サムとエラノールとの会話で
前述のフロドのセリフが出てくるところをひとつ(誤訳については…ご了承ください…)。

エラノールがサムに、
「ガラドリエル様がケレボルン様の元を去ったのはとても悲しいことに違いないわ。
そして、おとっぁんにとっても――おとっつぁんのかけがえのない人(フロド)も西に行ってしまったもの」
というようなことを言い、サムが、「それは悲しかっただよ。でも、いまはそうじゃないだ」と答える場面です。

サム「どうしてかって? それは、ひとつにはだな、フロドの旦那はエルフの光が決して薄れはしない場所へ
お行きなさったからだ。ご自分がなされたことへの値としてな。
だがな、おらもおらのお宝をたんと受け取っただよ。おらは、ほんとに豊かで恵まれたホビットだ。

そして、こう言うには、もうひとつ理由があるだ。これは、おまえにだけこっそり言うだよ。
誰にも話したことがなく、赤表紙本にさえまだ書いたことがない秘密だ。
フロドの旦那は、行っておしまいになるまえにおっしゃっただ。
『おまえの時も来るだろう』
おらは待てるだ。たぶん、フロドの旦那とおらは、今生の別れは告げなかっただ。
だからおらは待てるだ。おらは、待つっちゅうことを、とにかくエルフからとっくと学んだだ。
エルフはな、とにかく時間というもんを気にはせん。
だからおらは、ケレボルン殿も御自身の木々に囲まれて、
エルフの流儀で、やっぱり幸せにしておられると思うだ。
あの御方の時はまだ来ておられず、あの御方もまだこの地に倦んではおられん。
もし倦まれたなら、それがあの御方の去られる時だ」

treasureは「かけがえのない人」と訳しましたが、宝物、またとない人、最愛の人、
どれも素敵な言葉ですよね・・・
長々と失礼しました!

35萌えの下なる名無しさん:2004/09/02(木) 08:29
何度も申し訳ありません、33-34です。
ふと思い立ち、記憶をたどって前スレを参照してみれば、34なんかより
よほど素晴らしい訳のあるサイトがすでに441にて紹介されておりましたね・・・。
お目汚し、すみませんでした。
現時点でも誤訳発見ですし、しばらくカラズラスの雪で頭を冷やしてきます。

36萌えの下なる名無しさん:2004/09/02(木) 18:01
34さん
スゴイ!ありがとうございます。・・・しみじみといいですね。
サムの中でフロドの存在は現実の家族への愛とは何の矛盾もなく
揺るぎもなく強く深くあり続け、またそうした存在にまで昇華?した
旦那の素晴らしさ、美しい去り際。
やっぱりサムフロには一言では言い尽くせない何か?がありますね。

37萌えの下なる名無しさん:2004/09/03(金) 11:47
旦那が西へ旅立った後、庭師はその後の忙しく幸福な日々の中で
年を重ねるにつけ物思いにふける頻度が増していったんではないかと
勝手に推測してます。
物思いの内容は押して知るべし。時とともにかえって旦那のさまざまな面影が
鮮やかになっていく・・・・・ってなってたらよいなーと。
ごめんよロージー。

38萌えの下なる名無しさん:2004/09/04(土) 02:10
>34さん
旧館パランティアスレに>33の妄想を書き込んだものですが
素敵な訳をありがとうございました!
やはり瀬田訳調のサムは良いですね。
>たぶん、フロドの旦那とおらは、今生の別れは告げなかっただ。
この訳好きです…サムっぽくて。

自分の中でもサムは
家族への愛とは何の矛盾もなく、旦那の面影を想い続けてます。
ロージーはきっとそんなサムを理解してくれる奥さんなんですよ。
そんで家族を愛してシャイアを豊かにして充分生きたら
「旦那、おらもうお傍に行ってもいいですだね?」(←捏造w)
「そしたらもう二度とお傍を離れません。」(←教授作の超萌え台詞)
となるわけですよ!(なぜか興奮)

39萌えの下なる名無しさん:2004/09/05(日) 00:26
サムの家族話につられて、保管庫の「悲しみの両側」を読み直してました。
やっぱりいい話です。いまさらながらですが、女神様ありがとうございました。

>>38さん
パランティアでレスを読ませてもらってました。
なんだか旧友に再会したような気持ち(勝手にすみません!)で嬉しいですw

40萌えの下なる名無しさん:2004/09/22(水) 00:51
お誕生日おめでとうございますですだ旦那ぁーーー!!!

41萌えの下なる名無しさん:2004/09/22(水) 04:29
おらも、おらも!
誕生歌を贈らせていただきますだ!

そうだ!
どうせ聞こえるんなら、聞かせてやるだ!
旦那!
好きですだあー! 旦那! 尊敬してますだ! 旦那あー!
袋小路屋敷に出入りさしていただく前から好きだったんですだ!
好きなんてもんじゃないですだ!
旦那の事はもっと知りたいんですだ!
旦那の事はみんな、ぜーんぶ知っておきたいんですだ!
旦那をお支えしたいんですだあ!
指輪の声はおらの声でかき消してやるだ!
旦那! 好きですだ!
旦那ーーーーっ! 尊敬してるんですだよ!
おらのこの心のうちの叫びを
お聞きになってくださいましー! フロドの旦那あー!
ビルボ旦那にお仕えしてから、フロドの旦那を知ってから、
おらは旦那のしもべになってしまったんですだ!
愛してるってことですだ! 好きだってことですだ!
もっとおらを見てほしいですだ!
旦那がおらに振り向いてくれれば、おらはこんなに苦しまなくって済むんですだ。
お優しい旦那なら、おらの心のうちを知ってくれて、おらに応えてくれるでしょう。
おらは旦那を守ってみせますだ! その美しいお心と美しいすべてを!
誰が邪魔しようと守ってみせますだ!
オークがいるなら、今すぐ出てこい! サム・ギャムジーが相手になるだ!
おらは旦那にお仕えするだけだ! 闇の国の奥底までお供をしますだ!
力一杯の奉公をどこでもここでもしてみせますだ!
奉公だけじゃねえですだ! 心から旦那につくしますだ! それがおらの喜びなんだから。
お手伝いをできるなら、もっとふかい奉公を、どこまでも、どこまでも、させていただきますだ!
旦那! 旦那がカラズラスのお山に素っ裸で出ろというのなら、やってもみせますだ!

42萌えの下なる名無しさん:2004/09/22(水) 20:26
愛しい愛しいフロドさま。私からもお祝いの一言を。
ハッピハッピバースデー!!ミスター〜〜〜〜〜!!

ところで41のサムワイズさん、愛と気合がステキすぎますだ〜〜〜
どうか旦那をよろしくですだよ!w

43萌えの下なる名無しさん:2004/09/22(水) 20:26
愛しい愛しいフロドさま。私からもお祝いの一言を。
ハッピハッピバースデー!!ミスター〜〜〜〜〜!!

ところで41のサムワイズさん、愛と気合がステキすぎますだ〜〜〜
どうか旦那をよろしくですだよ!w

4442:2004/09/22(水) 20:29
バカですだ。
興奮して2回も送ってしまったですだ。
サムフロ愛に免じてお許しを(泣

45萌えの下なる名無しさん:2004/09/23(木) 00:15
大旦那(ビルボ)と若旦那(フロド)に乾杯!

4645:2004/09/23(木) 00:19
15分遅かった……oze
私も、サムフロビルボ愛に免じてお許しを(泣

(サムフロビル愛と書くと馬になってしまう)

47萌えの下なる名無しさん:2004/09/23(木) 01:32
一日遅れですが旦那のお誕生祝にささやかながらお納めします。
SSというには短いし筋も無いのですが、一応、
原作準拠、しるけ皆無です。

     ***

眠りから覚めるにつれ、それが窓の外の雨音であることに
かれは思い至りました。
浅い眠りの中でかれを苛立たせていたその音は、
今はかれを宥める優しい囁きのように感じられました。
耳に入る音の色合いが変わったのは
額に置かれた手のせいだと気づいたのは、
雨音に耳を傾けはじめて間もなくでした。
熱のせいで体が重く、目を開けることもできませんでしたが、
額を撫でているその手が誰の手か、かれにはすぐわかりました。
かれをこの家の住人にしてくれた年嵩のいとこの手にしては、
その手は小さすぎました。
もしそれが、たびたび遊びに来る幼いいとこ達の手であれば、
殊勝に振舞ういとこを喜ばせるために、かれは無理にも目を開け
元気になったふりをしてみせたでしょう。
けれども、その手はかれを急き立てませんでした。
まだ病の辛さは体から去っていないことも、
それでも心は安らいでいることも、
彼が態度に表さなくともその手はわかってくれるようでした。
この小さな荒れた手がかれに触れている限りは、
かれは何も心配しなくてよいのです。
目を閉じたまま、気だるい心地好さに浸っていてよいのです。
小さくて大きな手と雨の奏でる詩にすっぽりとくるまれて、かれは
穏やかな眠りの中へ戻っていきました。

     ***

48萌えの下なる名無しさん:2004/09/23(木) 01:35
>46
ボが無い方はモリアのゲート前でサムの愛を争って
ハナ差で(なのか?)旦那に負けた彼ですな。

49萌えの下なる名無しさん:2004/09/23(木) 01:55
47さん、ありがとう。読ませていただきました。
旦那のお誕生を優しく静かにお祝いする心洗われるようなお話ですね。
このあたたかい手に旦那はいつも癒されてきたんですね。
そしてこの手の持ち主もまた・・・

ビルボ旦那、フロドの若旦那。あらためてお誕生日おめでとうございます。

>>48
ビル(ボ無しw)をさりげなく牽制するかなり大人げない旦那?
馬にヤキモチやいてどーするの世界ですねw

50萌えの下なる名無しさん:2004/09/23(木) 03:04
>>47
やさしいお話をどうもありがとうございました。ちょうど外が雨だったので
心にじんわり響きました(私自身は旦那にお分けしたいくらいの健康体ですがw)。

>この小さな荒れた手が
この描写が好きです。ずっと土をいじってきた、王様とはちがった意味での
癒しの手ですよね。

>>49
馬と愛を争うキャラはけっこういそうw
ガンダルフの愛を飛蔭と争うサルマン様(しかも敗北)とか
ブレゴにキスされて目覚める王様未満とか

51萌えの下なる名無しさん:2004/10/03(日) 00:14
生扉になって二度も迷子になったけど辿り着いたぞ記念にカキコ。
>34さんに触発されてHoMEからサムのかわいい台詞を訳してみます。

エミン・ムイルで崖を降りるときの
「おら、旦那の頭の上に落ちて、旦那を払い落としたくはないです。」
に続く会話で、本編(最終稿)には無いものですが。
しかもかなり好き勝手に意訳してますが。

「しかし、わたしだってお前の上に落ちるかもしれないだろ。」
「そんときは旦那はちっとは柔らかいもんの上に落ちることになりますだ。」


サム〜!萌え殺す気か??

52萌えの下なる名無しさん:2004/10/08(金) 06:40
かわいいよサム…(*´д`*)
ほんとにサムは旦那一筋の献身さんだなあ。
しかし、この部分を削除した束教授の意図が知りたい。
仲良すぎと思ったのか? いや、そんな、いまさらだよな。

>51様、萌え訳ありがとうございました。
たいへん美味しくいただかせてもらいました。

53萌えの下なる名無しさん:2005/08/17(水) 22:44:41
……

54萌えの下なる名無しさん:2005/09/23(金) 16:42:35
旅先だったんでここには来られませんでしたが、
昨日、心の中で唱えました。

お誕生日おめでとうございますフロドの旦那&ビルボの旦那

お祝いが何もひねり出せないので、HoMEに載ってた
「サム@キリスウンゴルで旦那が見つからなくて絶望中」
の歌を訳してみようかと思ったんですが、
旦那を指す you が上手く訳せず挫折しました。
サムが I was young だった頃の思い出の中では
旦那もまだ旦那じゃなかったでしょうし…。
仕方無いのでごく一部分だけ英語のままご紹介。

But still I sit and think of you;
I see you far away
Walking down the homely roads
on a bright and windy day.
It was merry then when I could run
to answer to your call,
could hear your voice or take your hand;

あなたの呼ぶ声に応えて駈けていくことのできた日々
という感じで、
息を切らして若旦那に走り寄っていく
ちびサムの赤いほっぺと目の輝きと
それを見おろす若旦那の優しい微笑みが
目に浮かんで好きなのです。
歌全体のトーンは心細げで切ないんですけどね。

55萌えの下なる名無しさん:2005/09/27(火) 20:19:35
>54
ありがとうございます!
いいなぁ、可愛いなぁ。
でもそれが歌われたときのサムの心境を思うと切ない……

……若い頃の「旦那」はやっぱり「坊ちゃま」になるんですかねぇ?
でも袋小路にいったときの年齢って「気楽な20代」だから
坊ちゃん扱いは失礼なような気もしますし……やっぱ若旦那?

56萌えの下なる名無しさん:2005/09/29(木) 21:43:01
>54

本当にこの歌は素晴らしいラヴソングだと思いますー
読むたびに(正しく翻訳は出来ないですが)うっとりして
涙ぐんでしまいそうになります
ちょっとだけでも映画とかに使われれば良かったかと
思いつつ、全然関係ない場面で使われても嫌かなと…

>55

ハムファスト親方が冒頭で「若旦那」と呼んでいたと
思いますので多分皆もそうかな、と。

57萌えの下なる名無しさん:2005/10/14(金) 19:46:25
ピピンは若旦那ってどこかで呼ばれてた気がするけど、
フロドがそう呼ばれてる箇所を探せませんでした……orz

ちなみに、フロドがビルボに引き取られたときの年齢って
人間でいうと何歳くらいをイメージしておくべきなんでしょうか。

58萌えの下なる名無しさん:2005/10/16(日) 21:26:38
強制sage設定の為スレ移動します。

59萌えの下なる名無しさん:2005/10/16(日) 23:13:12
強制sage設定の為スレ移動します。

60萌えの下なる名無しさん:2005/10/17(月) 00:29:37
>>57
私も探せません…。
映画ではとっつぁんが「young master Frodo」と言ってましたが。

ホビットの21歳は、
単純に33歳:20歳の比率をかけると13歳くらい?
でも20歳代が「子供時代と成人との間の気楽な時代」ということは
未成年だけど大人の遊びが許される時代ということで
人間なら十代後半くらいですかね?
ビルボ111歳フロド33歳のときサムは21歳だったはずですが
もうとっつぁんの仕事を実質的に引き継いでいたみたいだし。

61萌えの下なる名無しさん:2005/10/17(月) 21:49:08
>60
ハイティーンか……思春期ですね。
「坊ちゃん」と呼ばれてちょっとムッとなるフロドとか。

62萌えの下なる名無しさん:2005/10/19(水) 02:03:19
どなたか萌えネタを投下してくだせぇ…

63萌えの下なる名無しさん:2005/10/27(木) 23:19:47
複数キャラSSでレゴギムも入っているんですが、基本はサムフロなので
こちらに書かせてもらいます。
ネタバレ、しるけ無しです。 


(1/3)
「ん?歌を知りたいの?」
頷く勢いでブンブン音をたてる陽に焼けた髪を、レゴラスは小首を傾げて見つめた。
どうもエルフの自分に対して、まだ遠慮というか緊張して接してくるサムが、
エルフの歌を教えてくれと頭を下げてきたことに、戸惑いつつもちょっとお近づきに
なれたかしらと嬉しく思った。
「は、はい!エルフの歌で何かその…悲しいんじゃなくて、景気のええ、明るいやつを…
あ、あの、フロド様が知らないようなやつを」
顔を赤らめつつ俯いてしまったサムを、しみじみと見てしまったレゴラスは、
「うんうん、フロドにね」
と、強い親近感に彼の肩を叩いた。
届かぬ思いについて野郎同士、一杯飲みながら語り合いたいと思ったが、どうも自分的に 
普通に振る舞っているだけなのに、サムの持つ『高尚なエルフのイメージ』とやらを
崩すなと、魔法使いや野伏が訴えるので、サムの前ではまあそれなりに上品に振る舞う
事にしていたので諦めた。
「おらビルボの旦那に、エルフの歌を色々教わりましただ、でもフロド様はもっと沢山
綺麗なのを知ってますだ。だからおら、目新しい歌で驚いてもらいたいですだ」
旅が進むにつれて笑顔の淡くなってゆく主人を元気づけようとする、健気な庭師に
すっかりレゴラスは感じ入り、にっこりとサムに笑いかけた。 
「もちろん喜んで教えて差し上げるよ!アラゴルンに聞いたところ貴方は大した歌い手
らしいじゃないか」
「そんな…おらなんかフロド様に比べりゃ…」
「えーとやっぱり、恋歌とかが良いかな?ああ、プロポーズに最高の歌があるんだ!」
「いえっいえっあの、そんな」
(聞いてない)「いや、フロドみたいなタイプには寧ろ強引に攻めた方が…」
「いえっいえっあの、そんな、レゴラス?」
(聞いてない)「いや、いっその事、動きを封じる呪文を…」
「普通の歌で良いんですだっ!普通のっ!応援歌みたいなっ!」
「えっそんなんで良いの?」
口を尖らせて残念がるエルフに対し、サムは微妙な親近感と強い不安を感じた。 
「じゃあ…私の作った新作をお教えしましょう、甘酸っぱい友情の歌なんだ」
「ふ…普通のですだね?」

64萌えの下なる名無しさん:2005/10/27(木) 23:21:13




(2/3)
午前中姿が見えないと思ったら、いきなり鯱張ってフロドの前に現れて背を伸し
歌い出したサムに、旅の仲間達の反応は大きく分けて三種類だった。
エルフ語を解さない四人はその響きの美しさに目を細め、魔法使いと野伏は思いきり
パイプの煙に咽せた後、エルフに向かって歯を剥き出し、そのエルフと残りの
ホビットは静かに耳を澄ませて聞いていた。
「上手いじゃないか!サム、エルフの歌だね!どういう意味なんだい?」
汗を流しつつ歌いきったサムにメリーが大興奮で飛びつくと、すっかり師匠気取りの
レゴラスが得意そうに講釈を垂れた。
「これはね、ちょっと切ない…うん…秘めた思いっていうのかなぁ…友情……
うん…友情なんだよね…大切な友について語っているのさ」 
「ああ、僕にも教えて下さいな、とても綺麗な歌なんだもの!ホビット庄に是非伝え
なくっちゃ、緑竜館で歌うんだ!」
少々喉に自信のあるピピンがはしゃいで叫ぶと、レゴラスは笑って首を振った。 
「いやいやいやこーゆー歌はね、あまり広めると御利益が薄れるのさ!確実に獲物を
射る為にはね!」
「「…………………獲物?」」
妙に冷静な目になったホビットとキラリと輝く瞳のエルフの視線の先に、素直にサムの
歌に感心したギムリがボロミアと仲良く拍手を繰り返していた。

「……お気に入りましただか?」
どうも声を押さえている様に唇を噛み締めている、複雑な笑顔の主人にサムは
不安な面持ちで訪ねると、とうとう耐えきれず弾けた様にフロドは笑い出し、
「サムや、サムや、ああ、サム、お前はなんて素敵なんだろう」
と、優しく腕を広げてサムを招いた。
「ち…ちっと疲れましただよ、レゴレスはえらく熱心に教えてくれまして、歌詞の
意味は分からんのですけどね、とにかく気合いを込めろって仰るもんで……あの… 
ほんとにお気にいってくれましただか?」
上目遣いに聞いてくるサムをフロドはそっと引き寄せると、昔幼かったサムによく
繰り返した様にその豊かな頬を柔らかく摘んだ。
久しぶりのその感触の心地よさに、サムは足下をグラグラふらつかせた。

65萌えの下なる名無しさん:2005/10/27(木) 23:22:42





(3/3)
「当然だよ、お前はとても上手く歌ったね、うん、とても、その、…気持ちのこもって
いる良い歌だ」
フロドは倒れてしまいそうな庭師を抱き締め、彼の肩ごしに魔法使いと野伏に
向かいツッコミ無用と片目を瞑り、レゴレスには軽く眉を顰めて流し目を投げたが、
エルフはそれに対してぺロリと舌を出して返した。 
再び声を上げて笑い出した楽し気な主人に、サムは自分の努力は正しく報われたのだと
嬉しく思い、おずおずとフロドの背を抱き返した。
「ああ、サム、例えばお前がどんな歌を歌ってもだね、私はお前の口から流れている
言葉なら何でも美しいと思えるよ」
クスクスと耳元で呟かれた事に、多少の疑問を感じはしたが。
 
ガンダルフは生暖かい目で旅の仲間を眺めながら、何よりフロドが幸せそうだしーと
彼らしくあっさり前向きに考えた。  
旅を無事に率いてゆく為というより、もともと細かい事は気にしない魔法使いは
傍らの野伏に重々しく呟いた。
「まあ、仲良き事は良き事かなじゃ」
「…ええ…まあ」
おいおいおい、その一言でまとめちゃうのかよ、
真っ昼間に歌うモンじゃねーよ、エロだよ、エロ、
サム、お前さん放送禁止用語を大声で……
フロド、そこんとこツッコマナイあんたは優しいよ、
でもほら、これ以上あの馬鹿エルフを調子に乗せるとさぁ…
ってゆーか明らかに、これギムリ用の作ってたろ?
やばい、ギムリ狙われてるよ、
逃げて、逃げて、超逃げて、
様々な言葉がアラゴルンの頭を一気に駆け抜けたが、目の前の誰もが小さな幸せに
満ちている光景に、溜息も小さくなってしまった。
それでも、一応後であのエルフに一言言わないと!と顔を顰めたが、それはどう見ても
笑顔にしか見えなかった。 
                                    
お粗末様でした

66萌えの下なる名無しさん:2005/10/29(土) 15:39:54
>>63-65さん、ありがとうございました。
サム可愛い〜旦那優しい〜〜!
旦那の大人なリアクションが素敵です。
そしてやっぱりちびサムをぷにゅってたのね旦那。
天然危険物な射手と暢気に拍手してる真の獲物にも
顔を顰めても笑顔にしか見えない野伏にも笑えました。

67萌えの下なる名無しさん:2005/10/30(日) 00:40:50
>>63-65さん、嬉しいです!
久々に主従話を読ませて頂いて心からほのぼのとしました。
ギムリ好きなエルフも好みなので、わくわくしながら拝見
いたしましたですよー。
後日談(何年も後?)でそのエルフ語の歌詞の意味を知って
うろたえる庭師殿、なんてのもいいなと勝手に想像しました。

68萌えの下なる名無しさん:2005/10/31(月) 00:11:08
>66
て、天然危険物って、ワラタ。

69萌えの下なる名無しさん:2005/11/03(木) 21:18:41
>>67
>そのエルフ語の歌詞の意味を知ってうろたえる庭師殿
旦那が実演して教えてくれるわけですね。
「何を驚いているんだね。こうしたいってお前が歌ってくれたじゃないか。」
とか言いながら。

70萌えの下なる名無しさん:2005/11/07(月) 18:56:47
>>64「いやいやいやこーゆー歌はね、あまり広めると御利益が薄れるのさ!確実に獲物を
射る為にはね!」

>>69「何を驚いているんだね。こうしたいってお前が歌ってくれたじゃないか。」

上記の様な展開になれば、確かに「ご利益のある歌」ということになりますな。
良かったね、サムやw。…あ、ギムリは大丈夫か?w

71萌えの下なる名無しさん:2005/11/27(日) 22:21:50
レゴラスが非常に出張っているんですが、 基本はサムフロなので
こちらに書かせてもらいます。
しるけ無しです。 
  

(1/4)
「私、お料理覚えたいの」
レゴラスは、強く、堅く、サムの手を握りしめた。
まず、いきなり暗い茂みの中に引きずり込むなとか、据わった目が怖いとか、言いたい
事は色々あったが、サムは取り合えず引きつった笑みを浮かべた。
「……………………えーと、り、料理ですだか?」
「ええ!師匠と呼ばせて下さい!」
更に激しく詰め寄って来られ、半端じゃない美貌のアップに思わず彼岸に逝きかけた。
最後の幸せな思い出に、本日の夕食の模様が走馬灯のごとくサムの前を過る。

何時の間にかサムの野営料理は、旅の仲間達の大きな楽しみとなっていた。
おまけに今日は火を使っても良いだろうとの野伏の御墨付きで、久しぶりに温かいものを
主人に食べてもらえると、サムは上機嫌で腕を振い、ホビット達はもちろんのこと、
ゴンド−ルの宮廷料理を食べなれているボロミアさえも、うっとりとしてサムに賛辞を
送る素晴らしい出来となった。
フロドもはしゃぎながらお代わりを繰り返し、
「サムってば凄いでしょう!でも彼の一番の得意料理、あのスペシャルゴールデン
プディング食べた事あるの私だけですからね!そりゃあもう美味しいんだから」 
と、仲間に向かってフフンと子供の様に胸を張った。
メリー達がずるいずるいと頬を膨らまして喚きだしたが、
「ありゃ、ギャムジー家秘伝のプディングですだ、バギンズ家の方以外にそう簡単に
お出し出来ませんです」 
フロドの言葉に誇りにはち切れそうになりながら、サムは得意そうに仰け反って笑った。
フロド・バギンズに認められる程晴れがましい事は、サム・ギャムジーにとってそう
多くはない、全くもって満足すべき夕餉だった。
そして、すっかりイイ気分で鼻歌混じりに後片付けをしている最中、このエルフに
捕まってしまったのだ。
そういえば最近、主人と自分のやり取りを、レゴラスが食い入る様に見つめているのは
感じていた。
…………もしや、指輪の誘惑が…………
とか、心配していたのだが、何を言い出すのかと思えば……
やはりエルフは良く分らない。
と、いうかレゴラスは分らない。

72萌えの下なる名無しさん:2005/11/27(日) 22:23:10





(2/4)
「やっぱりね、男は家庭的でないと」
「………はあ」
「私ね、えと、熊の丸焼きとか超得意」
「………はあ」
「でも、親密さを深めるのにワイルドさはむしろ邪魔って分ったんだ、サム、貴方の料理
みたいな何かこう………あーんしてって感じのが欲しいの」           
「………はあ」
「サムお願い、私を助けて、お料理教えて」
頼りなく(見えるだけ)跪いて訴えるレゴラスを、サムはオロオロとなだめてながら、
妙に申し訳ないような気がして頭を掻いた。 
「あの、おら、旨いモンてより、おら……フロド様のお口に合うモンだけ作ってますだ、
だから、えーと」
実際、ホビットの好みを最優先にして、大きい人たちやエルフやドワーフの好き嫌いなど
考えてもいなかった。
もちろん、自分の味付けに自信を持ってはいたが、レゴラスの求めているものは多分、
そう言う事ではないのだと、サムは朧げながら気付いた。
レゴラスが喜ばせたいのは、ある特定の人物なのだと。
「おらが他人様に教えられる事なんて無いですだ」
「ああ、そんなサム!フロドをあんな素敵に笑わせる事ができる貴方なんだもの!
その癒しの技が私には必要なの、貴方みたいな頼れる男のなりたいの」
エルフに憧れを持たれるという事態に、顔を覆いたい程恐縮しサムは夢中で首を振った。
「いえ、本当におら大した腕じゃないんで……ただガキんころからフロド様の喜んで
下さる通りに塩だの砂糖だの鍋にぶち込んできただけなんですだ、おらの腕を育てて
下さったのはフロド様の舌なんですわ」
「……………………………ずるいや、そんなの」
とうとう膝を抱えてしまったレゴラスの横に、サムはどっこいしょと陽気に声をかけて
座り込んだ。
「レゴラスの旦那のお役に立ちたいですだ、でもおら本当に旨い料理の作り方なんて
知らないのですわ、知っているのはおらのフロド様が旨いと言って下さるモンだけ」
サムは賢者のごとく語り、赤子のごとく笑った。

73萌えの下なる名無しさん:2005/11/27(日) 22:24:24





(3/4)
眩しそうに目を瞬かせ、庭師を見つめレゴラスは、
「………貴方って好い男だなぁ、貴方とフロドみたいに仲良くなりたい……………
……どうして上手く行かないのかしら」
と、淡く小さく笑い返した。
同じような思いを知っているだけに、どうしようもない切なさに胸を詰まらせて、
サムは自分からレゴラスの手を力強く握りしめた。
「あの、とっつぁんが言うには、あ、いや、ハムファスト・ギャムジーが言うには
初めから上手くいくことなんざ大したモンじゃねぇってこってす、昔おら何度フロド様に
焦げたシチュー食わせちまったか分らないですだ………でもフロド様はいつも旨いって
言って下さって……おら嬉しくて嬉しくてもっと頑張れましただ、チャレンジですだ!
レゴラスの旦那!」
「サム……」
「とりあえず好物で釣るんですだ、そんで旨くて強いビールと一緒に出して、自分の味に
馴れてもらうんですだ、計画的にネチネチ攻めましょう!」
いったい何の相談をしていたんだか、犯罪じみてさえきた会話に、
「サム!勇気が湧いてきたよ、そうだねチャレンジだ!」
と、萌える若木のごとく蘇り、レゴラスは瞳を輝かせて頷いた。
もう料理がどうのこうのと誤魔化す事も無く、本音で語り合う男達を止めるものはない。
「それでこそ、猛しエルフの旦那!」
「ああ、高潔たるホビットの庭師よ!」
二人は感動にあらためて硬く手を取り合い、互いの思いの成就について祈った。
まだ影去らぬ中つ国の空の下、熱い友情が生まれた。 
   

次の日、小さな窪地で眠りを取る事になったが、染み入ってくる寒さにホビット達は
ぴったりと体を寄せあって横になっていた。
こんな時でも集まれば、軽口をたたけあうのがホビットの好いところだ。
「お気の毒にねぇ」
「だよねぇ、だって長窪印だよ」
「ギムリったら今日レゴラスと、一度も口を聞こうとしなかったよね」

74萌えの下なる名無しさん:2005/11/27(日) 22:25:25





(4/4)
フロド、メリー、ピピンと繰り替えされる会話を、サムは微妙に目線を外しながら
聞いていたが、
「………………………………で、でもエルフの旦那に悪気があったとは限らねえですだ
何か事情が………」
怖ず怖ずとレゴラスの為に一言言うと、メリー達は呆れて肩を竦めた。
本日の朝食時の騒ぎは大変だった。
レゴラスがどういうつもりで、ギムリのパイプ草を全て酒に浸してしまったのか、
しかもそのグチャグチャになった茶色の物体を、笑顔でドワーフの口に突っ込もうと
したのか、旅の仲間達には理解不能だったが、その後のギムリの酷い嘆きぶりには、
喫煙者達の深い同情を呼んだ。
慌てて彼等を取り成したのは、何時に間にかレゴラスと仲良くなったサムだったが、
エルフとドワーフの異種族間のしこりは、増々大きくなった様に思われる。
「ああ、サムや、お前は本当に優しいね、でもギムリが可哀想でねぇ、レゴラスは何が
したかったのだろう?」
不思議そうに首を傾げる主人に、サムは引きつった表情で答えた。
「その…………仲良くなろうとしているんじゃ……ないでしょうか?」
フロドは何か探り出すようにサムの瞳を覗きこむと、不意に納得いったのか大きく頷き、
サムの動揺して動く鼻の頭を、ピンと軽く弾いた。
「もう、優しいんだから」


ちなみにレゴラスがギムリと口を聞いてもらえたのは、それから三日後の事だった。
しかも
「こっち来んな!」
と、一言。

お粗末様でした
すいません、フロドがちょっぴりしか出ていなくて。

75萌えの下なる名無しさん:2005/12/02(金) 23:53:44
>>71-74さん、ありがとう。
自分しか食べたことないプディングを自慢して
皆を牽制する(違)possessiveな旦那が可愛いです。
しかし三日で口聞いてあげるなんてギムリ優しい。

76萌えの下なる名無しさん:2005/12/25(日) 08:28:05
サ、サムが可愛いですだ…v
旦那とのラブラブっぷりもいいですわ〜
71の女神様、萌をありがとうございますv

77萌えの下なる名無しさん:2005/12/27(火) 23:33:21
サムフロなんですが、かなり妄想というか捏造が入っているので
お許し下さい。
しるけ無しです。


(1/3)
「フロド様、フロド様、フロド様」

遥かに続くトル・エレスセアの白い海岸を、泣きじゃくりながら駆けてゆくホビットの
後ろを、テレリ族の水夫が困りきった顔で追って行く。 
航海の間、ひどく緊張し落ちつかない様子に、定命の身の脆さと儚さを心配していたが
陸に着いた途端、その小さな身体に確かな変化が訪れた。
エルフの手を借りてやっと地面に降り立った、老いて緩慢な動きだった両足が、まるで
小兎の様に跳ね出して、ただ一つの名前を泣き叫びながら走り出したのだ。
「フロド様、フロド様、来ましただ、貴方のサムが来ましただ、フロド様」
まるで親鳥を探して嘆く雛の様だ。
潮風に乗る鳥達の他、動く影のない砂丘に何度も足を捕られ、柔らかな砂を蹴り散らし
ながら進む姿に、無理にでも休ませた方が良いのではと思ったが、あれ程激しく一途な
感情に戸惑い、小さな身体を止める事は出来なかった。
かといって放っておくわけにもいかず、砂浜に残された足跡をおろおろと辿って付いて
ゆくしかなかった。
東から還って来た同胞ほど知識はないにせよ、水夫はこの土地でホビットと言う種族を
直接知る数少ないエルフだったが、イメージとは違う生物に戸惑っていた。
以前も小さい人を実際に紹介された時まで、歌われる輝かしい功から、猛々しい武人を
想像していた水夫は見事に裏切られた。

そっと首を傾げた白い横顔は、まるで綻び始めた待雪草の蕾のごとく清楚で愛らしく、
穏やかで何処か寂し気な微笑みに、胸が痛くなった憶えがある。
そして、この静かで深い海の色の瞳を持った……

「フロド様!」
暖かな砂浜の上を転がり落ちるように、こちらに駆け寄ってくる知己に、エルフは目を
見開いて驚いた。
新しくやって来たホビットと同じように、顔をくしゃくしゃにして泣きながらフロドは
腕を広げた。
この浄福の地で始めて見る、指輪所持者の涙だった。

78萌えの下なる名無しさん:2005/12/27(火) 23:35:05

 



(2/3)     
「サム!サム!」
二人して夢中でぶつかった勢いに、サムとフロドはどさりと砂丘に倒れ込み、そのまま
固くきつく抱き締めあった。
「フロド様、おら、おら、来ましただ」
「うん、うん、待っていたよサム」
しゃっくりをあげてばかりで、ほとんど声になっていなかったが、それでもお互いの
言いたい事は伝わっていた。
強く背中に回された腕の確かさに、更に涙が溢れてきた。
「サムやサムや、ああ、顔を、顔を見せておくれ」
幾分か白の混じった、しかしそれでも暖かな色合いの巻き毛を何度も撫で上げながら、
フロドは頼んだが、サムは主人の肩から顔を上げる事が出来なかった。
もう一瞬でも離れるのが恐ろしかった。
「お会いしたかった、フロド様」
稀代の名庭師として、七度庄長を勤め上げたホビット庄の有力者として、西方世界の
勇者サムワイズ・ギャムジーとして、長い年月欠ける事の無い一つのものとして
暮らしてきても、彼の求める場所はフロドの傍らにあった。
「お前がここに一緒にいてくれて嬉しいよ」
懐かしい言葉にやっと顔を上げて、主人とまじまじと見つめあうと、変わる事のない
ふくよかな頬を優しく摘まれた。
「そうですだ、旦那のお側にはおらがいますだ」
「うん、うん」
不意に押さえきれない笑いが、甘雨の嵐の後のサムとフロドを襲った。
「ああ、おら、海を渡ってきちゃいましただ!おら達の物語がまた始まるんですね?」
「そうさ!さあ、私と一緒においで!」
すっかり砂塗れになった自分達の格好に大笑いしながら、手を繋ぎ寄り添って丘を登る
二人の姿を、太陽の光が優しく包み込んできらきらと輝かせていた。
「本当に綺麗な所ですねぇ、さすがエルフの故郷ですだ」
「お前の作る庭には適わないけどね、さあ早くおいで!ビルボが待ちくたびれちゃうよ」
素早くサムの頬に口付けると、庭師の腕から逃れ走り出した。
「フ、フロド様!」

79萌えの下なる名無しさん:2005/12/27(火) 23:39:58





(3/3)
ホビットの再会を邪魔にならぬ様に、離れて佇み眺めていた水夫の目が、愛おしさと
切なさに細められた。
長く生きるうちに何時しか、情熱を胸の奥に仕舞いこんでしまっていた自分には、
熱く眩し過ぎる光景だった。
彼はそっと踵を返して、新しい住人の為に開く盛大な宴を、手伝う為仲間の元へ急いだ。
そしてその後は、久しぶりに妻の所にでも顔を出そうと思っていた。
エルフにとっても、この世界にはまだ十分に美しいもの驚くもの、そして愛すべき
ものが在るのだから。 





おまけ
「やれやれ、サム、お前やっぱりフライパン持ってきたんだ」
「ちゃんと特別な塩も有りますだよ」
「ふふ、ここでは食べ物の心配は一切いらないよ、何でもおいしくってねぇ
惜しむ事は、パイプ草が見当たらない事ぐらいだよ」
「もちろん長窪印を、持てるだけ持って来ましただよ!」
「ああ有難う嬉しいな、でもチビチビ吸わなきゃ、どれくらいもたせられるだろう」
「安心して下さい!ちゃんとパイプ草の追加は頼んでおいて来ましただ」
「追加だって?誰に?」
「レゴラスの旦那です!なんでも旦那が言うにゃあ『ギムリの為にね、船は一艘
余計に作ってパイプ草とビール樽専用にするつもり、もちろん君達の分も有るからね。
宝石と金とミスリルも、後何持っていけばいいかしら、ドワーフを海に引っ張り出す
のって大変』なんだそうです」
「…………相変わらずなんだね、あの二人」

お粗末様でした

80萌えの下なる名無しさん:2005/12/28(水) 00:37:41
女神様ありがとうございました〜!!
ああぅ〜親鳥を探す雛のようなサムの姿が目に浮かぶ〜!
じんわり泣けました。
おまけもカワイイです。

81萌えの下なる名無しさん:2005/12/28(水) 00:39:07
>>77-79さん、ああ、ありがとうございました!
最初の3行でもう、鬼の眼からも涙が…
クリスマスプレゼントとお年玉を1度に貰った子供みたいに
おらの胸は感動と嬉しさで一杯ですだ!

82萌えの下なる名無しさん:2006/09/23(土) 01:02:00
一日遅れのうえ手ぶらですけど

フロドの旦那も
ビルボの旦那も
おめでとうございますですだ!


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