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【ボイスコーポレーター】蠍媛総合スレ Part192
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どこからともなくわじっぺの駆動音が聞こえる。
ぐぉんぐぉんぐぉんぐぉんぐぉんぐぉん……
静かな振動が心臓に伝わる。
大きな波に乗っているようにも感じられた。
「おい」
紋さんが言った。
「あれを見ろ」
僕は目を瞠った。
わじっぺが輝いていた。
キンキラキンとはまた違う、厳かな輝きだ。
「こいつぁ『神』だな。」
と紋さんが言った。
「機械仕掛けの神さ。デウス・エクス・マキナって奴だよ。」
僕は呆気にとられるしかなかった。これがすべてを無にできる万能神なのか。
それが僕の目の前に……。
「でも気をつけな。こいつにすがって幸せになった奴はいねぇ。」
「そんなのわかってるよ。でももう僕はわじみから逃げられないんだ。」
「ふん、愛とかいうやつか。悪くねぇな。でもな、わじっぺは万能じゃねぇ。」
「?」
「こいつの力は『無』だ。『無』からは何も生まれねぇ。わじっぺはただ『有』を『無』に還すだけだ。」
僕はぞっとした。わじっぺではない。達観した紋さんの方に恐ろしさを感じていたのだ。
きっと、この紋さんも過去に何かを犠牲にしたのだろう。
わじっぺが何をしてくれるかは、誰もわからない。ただ、『無』だけがある。
僕はひたすら黙った。辺りは相変わらず騒々しい駆動音が鳴り響くだけだ。
ぐぉんぐぉんぐぉんぐぉんぐぉんぐぉんぐぉんぐぉんぐぉんぐぉんぐぉんぐぉん……
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