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第三外典:無限聖杯戦争『冬木』

59 名無しさん :2019/06/23(日) 23:53:10


夕暮れの冬木を、間桐凱音は身体を引き摺るように歩いていた。
そうしているのは、おそらくはマスターの中でも、彼ばかりではなかった。ルールを知る者たちの大半は、汎ゆる目的を以てこの冬木の街に息を潜めていることだろう。

(……ただ戦いを待つばかりじゃいけない。決戦のためには、冬期の中に隠された"ゲートを探さなければならない")

或いは、凱音と同様に……決戦のための入り口、"ゲート"を探し。或いは……それを探す者達を、刈り取るために。
とは言え、日が昇るうちに激しく動き回る者達は居なかった。冬木に住む人間達を脅かし、或いは殺害したものには、ムーンセルからペナルティが加えられる。
また、設定されるゲートの位置は、あろうことか個々人によってランダムとなる。そのため、誰かのハイエナとなるという手法もまた存在しない。
これを探し出すために必要な技術は、魔力の探知……僅かに、微かに残る痕跡を見つけ出して、そこから場所を特定する。運が良ければ数分だが、運が悪ければ……。
日が沈んでからの行動は自ずと危険になる……が、制限時間は非常に短い。そのために、可能な限り時間を使いこれを探し出さなければならない。

(俺自身が忙しく動き回る必要がないってのはメリットだ。今回ばかりは間桐の魔術に感謝だぜ……)

路地の裏へと足を踏み込む。少しの暗がりに身を潜めたならば、その指先をゆっくりと空へと差し出した。
……巨大な羽音を立てて、一匹の"蟲"がその指先に止まった。これこそが、彼自身が有する魔術……間桐の使い魔、その中でも"視蟲"と呼ばれる、術者と視界を共有する偵察向きの蟲だ。
これによる情報収集は、他の参加者とは違うアドバンテージだった。既に幾つかの目星をつけた凱音は、順調な作業に口元を歪めて。

「――――――――ムーンセルは、破れた世界から他の世界へ接触し、可能な限りの可能性を回収。その後、"月へと閉じこもった"」

――――――――視界の端の影が、蠢いた。

冷たく背筋を這い登る感覚。脳髄を貫いたかのような粘り付く声。一瞬でその身体が強張って、その影から目を放すことができなくなる。
蛇睨み、という言葉があるが、あれは天敵に睨まれた捕食者、と要約できるだろう。であれば、それは正しく……天敵、人間にとっての天敵に他ならない。
人間を食らう、或いは特攻する、生物としての正しく根本的、基本的な摂理として上位に位置する存在――――それがゆっくりと、影の中から這い出てきた。
息を呑むような金髪灼眼の女。白いドレスと、片手に持った杖が叩く音が、しゃなりと、背筋を伸ばし、礼儀正しく立っているのだ。


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