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ヤンデレ小説投下スレ

1管理人 ◆NMkStPc61Q:2018/02/24(土) 17:58:50 ID:J6UJwrl.
ヤンデレ小説を投下するスレです
字数は全角4000字、行数は100行まで投稿できます

※ 注意 ※
・特殊な内容を投下する際、苦手な人のために注意書きを!
 (工口グ口、特殊性癖など)
・毎投下終了後には終わりの報告をお願いします
・読み手にわかりやすいよう、投下はできるだけまとめてお願いします
・誰かがSS投下中にSSを投下する際、できるだけ待つか一言断りを入れてください
・なるべく読み手も書き手を労ってくださいね

2名無しさん:2018/03/31(土) 00:27:59 ID:???0
投下させてください
不幸な人生脚本の喪子にプロポーズ

信じられなかった。ネットで読んだだけの自己啓発やライフハックを参考に自分を変えようとした。
転職も成功、新しくできた友達は皆いい人ばかりで昔の私なら近づこうとすらしなかった人達。今までの友達も、釣られるようにいい方向に変わっていった。見た目だって、話し方も印象も、考え方だって、私は変わった。

「喪子可愛い♡」
こう言って惚気て私を抱きしめるこの人だけは、今だに信じられない。
私が変わった、だから付き合う人間も仕事も変わった。それは分かる。
変わったと言っても私は美人じゃない、それでもこの人に可愛くて仕方なく見える程若くもない、中身だって卑屈じゃなくなっただけで魅力的じゃない。
あくまで妄想、一つでも満たした男性と付き合えれば満足なはずだった。理想通り、見た目だってスペックだって私に不釣り合い。
こんなこと有るはずがない。
「明日、指輪見に行くの喪子はどこのが欲しい?」
結婚なんてありえない。

結婚詐欺師かもしれない。いや、彼が買ってくれるって言ってる指輪を投資するに値する貯蓄は私にはない。
実家の土地も家も両親の財産も狙ってるのかも。私の名義で多額の借金をさせるのかも。こんな女でも骨の髄までしゃぶり尽くせば金になるのかも。人の心を持たない奴にすれば喪女でも女として金を稼ぐ道具になるのかもしれない。
実は要介護の親がいて私を無料の介護要員兼家政婦兼便器にして、更にパート代を献上させて、私にモラハラをしてストレス解消のサンドバッグにするつもりかもしれない。私なんかをもらってくれる人なんて他にいない。
それとも敢えてこんな女を選ぶ事で、自分の精神を安定する為の道具として使いたい歪んだ人間なのかもしれない。リア充なんて爽やかぶってても私みたいな陰キャには平気で言葉の暴力を浴びせて、同じランクの奴にはいい人の奴らばかりじゃないか。

いけない。これは私の自分は不幸だという思い込みだ。幸せになるには信じなきゃ。私には愛される価値がある。

3名無しさん:2018/03/31(土) 00:35:46 ID:???0
それでも長年染み付いた喪女の捻れた根性は変えられなかった。
指輪を買った後、そっくりそのまま言っちゃった。

「私なんて生まれてきちゃいけなかった。こんな女と結婚するなんて詐欺か他の狙いがあるか、心の歪んだ人間だ」
「僕は歪んでなんかいないし喪子は何も悪くない。歪んでたのは周りの人達だ」
ほらね、やっぱり彼は私の妄想通りに、優しい肯定しかくれない。
それでも私は自分は生まれるべきじゃなかった欠陥品だと繰り返す。
いつまでも、私を否定してくれなくて遂には泣き出した。抱きしめて頭を撫でるのは肯定で、私の求めるストロークじゃないのに振り払えない。もうどう思うのが正しいのかも分からない。
「私、何の為に生まれてきたんだろう」

「喪子は、僕の奥さんになる為に、生まれてきたんだよ」

こんなところまで私の妄想そのまま。きっと私は幸せにはならない。愛されても、他の女が羨ましがる見た目のこの人と歩いても、裕福な暮らしができても。
それでもこの人が私の運命の人。

4名無しさん:2018/03/31(土) 00:36:20 ID:???0
以上です。
スレ立てありがとうございました(後になってすみません)

5名無しさん:2018/03/31(土) 00:53:27 ID:???0
>>4
乙です!
自己評価マイナスの女が突然降って湧いた幸せを信じられなくて疑心暗鬼に陥っていくのいいよね
やっぱりヤンデレとヤンデレ被害者は両想いにならずいつまでも一方通行のままでいてほしい…

6名無しさん:2018/03/31(土) 09:43:58 ID:???0
乙です!
きっとこのまま自分に言い聞かせながら生きていくんだろうなと想像するだけでたまらない
ぱっと見病んでるところが見当たらなかったけど見えない所で暗躍しているんだと妄想で補完するのも楽しい
ご馳走様でした

71/2:2018/04/24(火) 21:25:43 ID:???0
投下失礼します。占い好き喪女。

占いって、信じますか?
私は占いで大事な事を決めたり、全て信じるわけではないけど好きな方です。よい方に向かう為に参考にする程度で、決して占いに支配されたりはしません。
それは今も変わっていませんが、本当に当たる占い師さんに会ってしまったんです。あれは一年前のことでした。

新卒で入った会社に勤めて4年目、そこまで悪い環境ではないけれど結婚の二文字が見えない私には先行きが不安でした。結婚できたとしても相手の稼ぎや、万が一離婚した時の生活が不安でその為にはもっと経済力が欲しいと思っていました。
ある日街を歩いているとスーツの男性に声を掛けられました。
「すみません、イベントにご協力いただけませんか?」
いつもなら気にも留めないのですが、渡された名刺によるとイベント企画会社の社員でした。
「今日このホテル5階のホールで、占い師のヤン先生のイベントを開催します。今回は無料で占いをするのですが、抽選に当たった方が急遽来られなくなりまして…失礼ですが、20代の方ですよね?」
占い師のヤンさんはここ数年で急に知名度が上がり、数々の著名人・芸能人の結婚、離婚やスキャンダル、大ブレイクから怪我や事故まで的中させ、占い好きでなくても知っている人です。一般人でもネットを検索すると彼の占いが当たったという報告が多くあり、元々はクチコミで人気に火がついた人です。
「え?ヤンさんに占ってもらえるんですか!25歳です、お願いします!」
聞いたところによるとヤンさんは昨年から定期的に、私の最寄駅にあるその会場で無料で占うイベントを開催していたようです。ヤンさんは占いの他にも仕事があり、サロンや占いの館などに行って占ってもらう事ができない人でこんなチャンスは滅多にありません。
化粧品メーカーのイベントで、あらかじめ抽選で選ばれた人が占ってもらえるそうです。

会場ではスイーツビュッフェ、メーカーの商品のお試しコーナーや美顔器の体験、ネイルがしてもらえるスペース等があり応募していないのにサンプルもたくさんもらえてお得な気分でした。その途中、ヤン先生のトークイベント。
先生は他の仕事もしている為帽子とサングラスをしていましたが、聞いていて落ち着く優しい声とゆっくりした話し方でした。勝手に4,50代を想像していたけど、20代後半から30代前半くらいのおしゃれでスタイルのいい男性でした。
そしてタダでイベントに来ただけでも幸運なのに、占ってもらえるなんて。

「喪山喪子さん、199×年…」
驚いた事に、他の人よりも的確に私の半生を言い当てられたんです。
「僕は霊感もないけど、たまに波長が合う人だとこういう事があるんですよ。まあ、僕の占いはいろんな占いと、自分が占ったデータ、後は外見や会話からこういう人だって読んでるとこもありますけどね
えっと、一番気になるのは仕事と結婚ですか…」
事前に書いたアンケートで、今の会社に勤め続けるのと転職どちらがいいか、どんな仕事が向いているか、それと私は結婚できるかを質問に挙げていました。
「はい、今の会社があってるのか、私は結婚できるのか気になってます」
「今年いっぱい恋愛運はあまりよくないので彼氏ができるとすれば来年ですね。その相手とは今年中に出会いますが、交際が始まるのは運気が上がる来年になるでしょう。
再来年は結婚運もいいので、その方と結婚する可能性もあります。そのタイミングで転職なり、主婦をしながら起業するのがオススメなので今から準備をした方がいいです。」
喪女の私が来年に彼氏ができてその翌年には結婚!?まさかの展開に、占いだって分かってても顔が綻んでしまいます。
「あの、起業よりは安定した務め人とかがいいなって思ってるんですけど…」
「うーん、喪山さんは自分でお仕事するより、旦那さんを支える方が向いてる人なので家庭中心の生活があってると思います」
それから、向いている仕事は女性相手の仕事と勧められ時間になりました。

その後は本当にびっくりです。
年末実家に帰省した時、高校のクラスのほとんどの人が集まる飲み会があって5年ぶりに参加しました。そこで会った同級生がすっかり垢抜けてカッコよくなってて、当時は仲良くなかったけど今住んでる家も近くて同じバンドが好きで、一緒にライブに行くことになりました。
それから仕事帰りに飲んだり、ご飯に行くようになり彼の方から告白されて付き合いました。
彼の仕事は小説家とライター。本が売れていて収入は多かったけど不摂生だったので料理をしに行くようになり、同棲したかったけど断られた時はやっぱり占いなんて当たらないのかななんて思っちゃったけど。
デートもしない、家に行っても料理を作って一緒に食べたらすぐ仕事部屋に籠るか、出てきてもくれない日が続いて都合のいい女になっちゃったのかなと…。
でも違いました。彼から連絡が来て、小説で賞を取ったんです!その執筆に集中していたんです。
その後私と彼は結婚し、きれいになりたくて始めたネイルとマッサージのサロンを自宅でやってます。
仕事とプライベートのメリハリをつけるために彼は仕事用にマンションを借りて、私も基本的には10時〜18時の間しか予約を入れない生活をしてます。ヤン先生の占い怖いほど当たります!

82/2:2018/04/24(火) 21:27:28 ID:???0
「ヤン先生、この口コミ載せないんですか?」
「うん?あー、これちょっと出来すぎてるからなぁ…あとこの人占った時出生日間違えてやっちゃったから」
「へー、自己暗示でも幸せになれるなら凄いですよねぇ」
仕事部屋でスマホサイト運営会社のスタッフと打ち合わせ。メリハリのある暮らしをする為に分けると、妻には言ってある。
「載せて欲しいのはこれとこれと…この中からそっちで選んどいて」
「はい、あ、そろそろ編集者さんの来る時間ですね。いやぁ、早く作家やめて占いに専念して欲しいと思ってたら賞取っちゃって、占い師引退しないか焦りましたよー」
「どっちも保証ない仕事だから、二足の草鞋はやめれないよ」
彼を見送り、数分後には文芸誌の編集者と打ち合わせ。
「先生、公表しないんですか?」
「本が売れなくなったら話題作りでするかもね」
「…もっとペースあげて欲しいって、上から言われてるんですよ。奥さんにも言ってないんですよね」
「タイミング逃しちゃったからね、言える時が来たら言うよ」
喪子だって俺の声を忘れてた。だからこっちだって忘れてたって言い訳はいつだってできる。
大丈夫、だってあの子を暗示にかけるコツはもう全部知ってるから。



以上です。モデルは超有名なあの人です。

9名無しさん:2018/05/01(火) 01:40:02 ID:???0
本スレは荒れがちだけど、避難所は居心地良くて素敵な小説も流れないから最高。いつもお世話になってますそしてありがとう。
もう本スレも26まで来たんだね。もう昔に比べたらだいぶ過疎ってるけど、今でも細々とあるのが嬉しい。避難所は落ちちゃったけど、またこうして作ってくれて嬉しいし、なんか感慨深いね。
まだ男ヤンデレの需要が少なかった頃、本スレ見つけた時は本当にびっくりしたよ。元から乙ゲーとかシチュCDとか好きで買ってたけど、ヤンデレなんちゃらってシチュCD見つけてさ。男ヤンデレとか需要あるのかよwって思って検索かけたらこのスレがあって。まだ10スレも行ってなかったけど、SSとか小説とかセリフとかスレの内容見て最高かよって思ってた。ヤンデレなんちゃらも秒で買った。
特にヤンデレのタイプと分類、シチュなんかは本当にお世話になりました。感謝してもしきれない。
元々家に置いてあるシチュCDも、ブックマークしてる小説も狂愛とか愛されすぎて〜系が多かったけど、一口にヤンデレって言ってもいろんなタイプがいるし、正直どういうのが好きなんだかわからなかった。だから同じCD全部買って、全部聴きながら本スレと照らし合わせて1番多いシチュとタイプを参考にしたんだ。そうしたらさ、一見爽やかに見えて、実は狡猾腹黒ヤンデレに手篭めにされるのが好きみたいでさ。俺もう嬉しくて笑いが止まらなかったよ。だって俺も最初から彼女に近づいて、外堀埋めて結婚するつもりだったんだもん。そのために部屋に入って、好みの把握とか採集とかしてたら、彼女もそれを望んでたなんて…。やっぱり俺たち運命なのかな。
家に初めて入った時、シチュCDや乙ゲーも、ブックマークの小説が入った携帯も嫉妬で叩き割ってやろうかと思ったけど、今考えると感謝しなきゃね。おかげでこんな素敵なことがわかったんだから。
あぁ、ごめん。話がだいぶ逸れたね。そうそう、俺が今日このスレに書き込みに来たのは、全てが上手くいったからみんなにお礼を言いたかったんだ。本スレのおかげで、俺たち結婚しました!これもみんなの力添えのおかげです。まだ彼女には全て打ち明けてないけど、もう婚姻届は提出したから、逃げられないんだよね笑。みんなも俺たちみたいに幸せになってね!本当に本当にありがとう!!!


以上、ストーカーが本スレと避難所のおかげでメキメキと成長していく話でした。
都合上、文の結びになってしまって申し訳ないのですが、投下失礼しました。

10名無しさん:2018/05/01(火) 21:17:57 ID:???0
また一人連れていかれてしまったか……ヤンが幸せそうでなにより
乙です

11名無しさん:2018/05/02(水) 00:12:31 ID:???0
ちゃんとローカルルール守って本スレじゃなくて避難所に書き込むヤンくん律儀で愛おしい

12二人の幸せ:2018/06/07(木) 05:37:56 ID:???0
勢いのままに書いたので誤字脱字、文章がおかしいところがあるかもしれません。
あまりにもおかしなところは指摘いただけると嬉しいです。

カニバ表現、人体損傷の表現がちらっとあります。
苦手な方はご注意ください。

13二人の幸せ:2018/06/07(木) 05:38:55 ID:???0

ヤンが二人でおそろいの何かが欲しいと言うので、なら指輪はどうかと提案した。
恋愛なんて小説か漫画の中にしかないと思っていた私には、それくらいしか思い浮かばなかったのだ。
しかしこの指輪というアイテムを、ヤンは恐ろしいほど喜んだ。
やっぱり俺の喪子だ!と、わけのわからないことを叫び、私を抱き締めながら飛び跳ねて喜ぶので、

(ああこの人やっぱり頭いかれてる)

と改めて私に思わせたのだった。

そしてヤンの行動は早かった。
早く買いに行こうとせっつかれ、取るものも取り合わず家から連れ出された。
問答無用に連れて行かれた店は、ゼロの数が二つも三つも多い高級店だった。
私はというと着替えるひまもなかったから部屋着のまま、よれよれのTシャツにくたくたのジャージ姿である。
不釣り合いにもほどがある。
いや、きちんとした服を着ていたとしても、不釣り合いなことに変わりはなかった。

「あの、もっと別の…」
「喪子。声かわいいからしゃべっちゃダメ」

口を開いた途端に、思い切り手で顔を覆われた。
駄目だこいつ。

「どれが好き?」

うきうきとヤンが聞いてくるけど、手が邪魔で何も見えない。
それにしゃべるなって言われたから答えてなんてやらない。
しかも自分だけ店に遜色ない恰好をしているのも腹が立つ。
よれよれTシャツ着ている私の気持ちも考えてほしい。

「ああ、ごめんね。これじゃ見えないか」

ヤンは顔から手を離さず、少しだけ指を開いて隙間を作った。
これ何プレイだと呆れながら、ヤンの指の隙間からショーケースを眺める。
よく見えないが私の指にはめるために作られたものではないということは嫌でもわかった。
高価すぎて恐ろしい。欲しいなんて気持ちすらわかない。
首を左右に振り、意思をヤンに伝える。

「…何その動き。可愛すぎるんだけど」

伝わらないし、多分この人は私の気持ちを慮るつもりもない。
わかってたし知ってたけど、言いようもない疲れに襲われる。
言葉の通じない相手といるのは本当にしんどい。

「これとか似合いそう。てか絶対似合う」

ヤンが嬉しそうに言うのを、心を無にして聞き流した。
どうせ私の意見はヤンには無駄だ。何も言わない、聞かない、そして見ない。
ヤンは私のことはおかまいなしに、すでにお店の人と話を進めている。
そりゃあ指輪って言ったのは私だけど、見合った値段とか、デザインとか。
おそろいにするわけだし、お互いに相談は必要でしょう。
なんで全部無視して、いつも一人で勝手に決めてしまうんだ。
ヤンのそういうところが、私は本当に。

「できあがるのが楽しみだね。喪子の指に早くはめたい」
「…そうだね、私も楽しみ」
「喪子が俺とのおそろい喜んでくれるのすごい嬉しい。キスしていい?」

…本当にきもちわるいし、受け付けない。
なんて思っていても言えなくて、流されるままに目を閉じた。

14二人の幸せ:2018/06/07(木) 05:41:11 ID:???0

数週間後、できあがった指輪をヤンが引き取ってきた。
ヤンは開封前から引くほど高いテンションで、私に開封するよう要求した。
ゆっくり開けてと言われたので、のろのろと箱を開けていく。
ヤンは私のその姿をスマホの連写で撮るかたわら、固定したカメラで録画していた。
本当に気持ち悪いです。

「喪子、カメラにちゃんと見せて」
「う…うん。こう?」
「そう! 指輪もって、にっこり笑って!」
「にっこり…」

仕方なく、指輪のケースを顔の横にかかげて、カメラに向かって笑顔を作る。
頬が引きつるくらいは許してほしい。こんなもん持って心から笑えるわけがない。

「あああ可愛い! 喪子の幸せそうな笑顔が見れるなんて夢みたいだ!」

ヤンの目は確実に節穴だ。よく見てほしい、私の顔が引きつっているのを。
節穴のヤンは私からケースを受け取ると、やけに手を震わせながら蓋を開けた。

「あは…なんか緊張する」

震度3くらいきてそうな震え方に呆れてしまう。
とっとと開けて、とっとと付けたらいい。
ヤンは指の先までブルブルと震わせて、情けないくらい不器用な手つきで私の指にそれをはめた。
そのあと自分にも、と左手を差し出されたので、ぱっと指輪を取ってさっと済ました。
こんなおぞましいこと、一秒でも早く終わらせたい。

「喪子と指輪の交換できた…しあわせ」

ヤンは自分の左薬指を眺めて、眩しそうに目を細めた。
指輪の内側にはお互いの名前が掘られているらしい。
転売もできないのかと肩を下げてしまう。
私も自分にはめられたそれを眺めてみたけれど、なんにも心に響かなかった。
ふーん、という感じ。
これは幸せの指輪ですか? いいえ、これは呪いの指輪です。
と、中学生英語の会話みたいな感想しかない。

「これで俺たち本当の夫婦だね」

何言ってんだこいつ、そんなわけねえだろ。
心底しあわせそうなヤンに腹が立って、言えるか言えないかギリギリのところで反抗したくなった。

「…結婚指輪って左手の薬指だよね」
「ん? うん。そうだね」

ヤンが左手で私の頬を撫でる。
指輪のかたい感触を顔で味わわされた。
ヤンは恍惚の表情のままだ。まだ反抗しても大丈夫そう。

「私はつけてない」

そう言って、左手をヤンに差し出した。
ヤンの表情が、一瞬で真顔に戻り、かたまった。
ヤンは私の右薬指に指輪をはめた。そうするしかなかったからだ。
なぜなら、私の左手に薬指はない。とうの昔になくなった。
他の誰のものにもならないようにと、ヤンの身勝手な感情のせいで。

「私も左手につけたかったなあ…」

できるだけ無邪気に、悪気なく見えるよう気をつけながら、笑ってみせた。
表情の消えたヤンがどう思ったのかはわからない。
いきなりすごい力で顔を両手ではさむように掴まれた。
痛くはないけど動けず、ヤンと強制的に視線を合わせさせられる。

15二人の幸せ:2018/06/07(木) 05:42:07 ID:???0

「喪子は何が言いたいの?」
「別に…ただ、やっぱり左がよかったなって思っただけ」
「はあ? 左はとっくに俺のもんなんだから問題ないだろ」

目がイってる。
これ以上はまずいと思い、ヤンの言うことにうんうんと頷いた。

「ていうかさ、喪子は俺のってもう決まってるし、今さら指輪の場所なんか関係ないだろ」
「うん、うん、本当だね。関係ないね」
「そうだよ。だから俺は絶対に喪子と結婚する。いやもうしてる。だってとっくに誓ったもんな」

ヤンに覆いかぶさられて、のけぞりそうだけど顔を掴まれているから動けない。
ヤンの生暖かい息が顔面にかかる。鼻先が触れ合う距離ではあはあ言うのやめてほしい。

「神様の前で愛を誓い合ったもんな。誰にも盗られないように薬指ちゃんと隠してさ」
「隠す…」
「隠したろ。俺の腹ん中。忘れちゃった? 大事に保管してるよ?」
「わ、忘れてない…。私、ヤンと結婚した…!」

目を離せないのは本当に恐怖で、私は必死にヤンを肯定した。
反抗…あんな程度でも、ヤンにとっては許し難いことだったようだ。
怒っているわけではない。と思う。
無表情だからよくわからないけど、ただ私に言い聞かせているだけだろう。
いつまでも言うことを聞かないペットの犬をしつけるように。
ゆっくり、丁寧に反復して、何度も何度も教えているだけ。

「じゃあ言って。喪子は俺の?」
「つ、つま、妻です」
「俺は喪子の?」
「ヤンは私の大切な、た、大切な、ご主人さま…」

あまりにも言いたくない言葉すぎてうまく口に乗らなかった。
しかしヤンは満足そうに頷いている。
たどたどしかろうと、棒読みだろうと、気にならないらしい。
どこの世界に、妻を他人に取られないようにと、指を切断して食らう夫がいるんだろう。
保管しているなんて本気で言ってるんだろうか。
私の肉も骨も、とっくに消化され、体外に出ている。
前に指摘したことがあったけど、今と似たような体勢で、
『そんなことない、喪子の薬指はちゃんと俺の中にある』
と言ってまったく聞かなかった。
最終的には『俺の腹さばいて見てみる?』と包丁まで持ち出してきた。
人の腹なんか切れるわけない。私はヤンのような異常者じゃない。
丁重に断って、これからも大事に保管してね、と馬鹿みたいなことを言うしかなかった。
自分の肉を食べた相手に、私いったい何してんだろうと思った。
なんで媚びたように笑ってご機嫌をうかがわなきゃいけないんだ。
今もだ。
こんな男相手に、『大切なご主人さま』なんて、なんで言わなきゃいけないんだろう。

16二人の幸せ:2018/06/07(木) 05:43:13 ID:???0

ぱ、と手が離れて、ようやく顔が自由になった。

「俺の奥さんは本当に可愛いなあ」

ヤンは何事もなかったみたいにニコリと笑った。
実際ヤンの中では本当に何事もなく、いつも通りの“夫婦”の会話なのだろう。
私に恐怖を与えてるなんてこと、気づいてもいない。

「可愛い喪子は、俺だけのものだからね。他のやつになんて絶対にあげない」

他のやつ。ここにどれだけの人が含まれているのか。
私の女友達、両親、祖父母。連絡取るのを許してくれない。
絶対に何もないのに、ただ道ですれ違っただけの人たちまで、敵みたいに言う。

『だって喪子と俺も道ですれ違ったのが最初の出会いだから』

だから他の男が、いつ私を見つけるかわからないとヤンは言う。本気で言う。
ヤンはただ普通に歩いているだけの私を、見つけた!と思い追いかけたのだそうだ。
一目見て運命だとわかったと言っていた。
あまりというか全然男性経験のない私は恐れおののいて逃げた。
経験があっても、いきなり運命がどうたら言って近づいてくるような男からは誰でも逃げると思う。
しかし逃げきれなかった。
物理的にだけじゃなくて、あらゆる方向からヤンは私を囲い込み、動けなくさせた。
同じような男がいつ現れるかわからないとヤンは心配している。
こんな危ないやつが二人もいてたまるか。

「…喪子はすぐ黙るなあ。外では駄目だけど、俺にはいくらでもお話していいんだよ?」
「口下手だから話すの苦手で…ごめんなさい」
「ああ謝らないで、喪子はなんにも悪くないよ。喪子に悪いところなんかない」

ヤンは悪いところだらけだね。
とか、思ってても言えないことならたくさんある。
それらを我慢して、我慢して、我慢して、言わないように黙っているだけだ。

「…あ、でも、可愛すぎるのは駄目だ。よくない」
「…………」
「俺にだけ可愛いのは全然いいんだけど、いろんなやつに気づかれそうで怖い」

私が黙っていてもヤンは勝手に一人で喋る。
話しかけてるつもりなんだろうけど、どう見ても独り言なので放置した。

「可愛すぎるせいで俺を怖がらせるのも、悪いと言えば悪い…?」

何言ってんだこいつ。

「あっ喪子、俺のことちょっと馬鹿にした?」
「え。してない」
「うそだー。絶対しただろ。だって目がそんな目だった。もう、喪子のいじわる」

あわてて否定したけど、ヤンはまんざらでもない顔でにやついている。
馬鹿にされたと怒り始めるのかと思った。違うみたいでほっとした。

「そんなところも好きだけど。ていうか喪子ならもうなんでも好きだし、好きなところしかない」
「うれしい」
「あ、嬉しい? そっか。喪子が喜ぶなら何万回でも言うよ。喪子のこと好き、大好き、ずっと俺のものでいてね」
「うれしい」

思ってもいない言葉を吐いて、やり過ごす。
気持ち悪いし頭おかしいって思ってる。心底馬鹿だと思ってる。
言えるわけがない。だから我慢する。
ヤンが勝手な解釈をして、話が終わるのまでじっと耐える。

「一生二人きりがいいな。俺と喪子だけで死んでも一緒にいようね」
「うん、いよう」
「ああ俺も嬉しい、嬉しすぎて発狂しそうだ」

もうしてると思うよ。

「喪子と二人だけの世界で生きられて本当に本当に本当に本当に本当に幸せ」

二人きり。
二人だけ。
ヤンの好むフレーズで、私にとってはただの悪夢だ。

17二人の幸せ:2018/06/07(木) 05:44:58 ID:???0

結婚を誓うという名目で、私を猟奇的な目に遭わせたヤン。
この男はその後、二人の間に子供ができたらという妄想にとらわれた。
まだ性行為すらしていないのに、想像力が豊かというか、発想が気持ち悪いこと山のごとし。
私の腹の中に新しい命が芽生えること。
激しい痛みを耐えて、下手したら自分の命と引き換えにこの世に産み落とすこと。
我が子だからと何にも代えられない存在として愛し、抱きしめること。
それらすべてが許し難く、それこそ発狂するほどの恐怖を感じたのだと言う。

ヤンがどういう人間と繋がりを持っていて、どうやってお金を稼いでいるのかは知らない。
私が決して知ることのない世界だ。
ヤンはたまにその世界に行って、そしてろくでもないものを持って戻ってくる。
このときは、明らかに堅気じゃない雰囲気の男を私の前に連れてきた。

『本当は喪子の体を他の男に触らせるなんて死んでも嫌だけど』

仕方ないよね、とヤンは続けていった。

『そう、仕方ないんだ。喪子と二人だけで生きるためには必要なことなんだ』

何を言ってるのかわからなかった。
がくがくと怯える私の前にヤンは乞うようにひざまずき、私のお腹を撫でさすった。

『俺も頑張って我慢するから、喪子もちょっとだけ我慢してね。眠ってる間に終わるからね』

なに。なにが。
何もわからないまま、口の中に苦みのある小さい何かを入れられた。
薬だなんてそのときは思いつかなかった。
驚いているうちに水の入ったペットボトルをくわえさせられ、強制的に飲み込まされた。

『ごめんね喪子。あとでこの男はちゃんと俺の手で』

耳元でヤンが囁くけど聞き取れない。
ヤンの声が小さすぎるのか、私の意識が薄れてるのか。
どちらなのかさえわからなくなってきて、いやだいやだと心の中で絶叫しながら、私は静かに目を閉じた。

18二人の幸せ:2018/06/07(木) 05:45:55 ID:???0

暗転。

痛みとともに目を開けた。
お腹が引きつれたみたいにずきずき痛い。なにこれ。

『おはよう喪子。いい子にできたね』

声のする方を向くと、ヤンがぐしぐしと泣いていた。
まだ起ききらない頭で、周囲を見回す。
私はどこかもわからない部屋で、ベッドに寝かされているようだった。
自分が意識を失う前のことを思い出す。
ヤンがあやしい男を連れてきた。
自分も我慢するから私にも我慢しろと、苦いものを口に入れた。
それから、何があった? 私は、何をされた…?

『ヤン君、私に何したの』

恐ろしくて、自分から聞きたくない。
けれど知らないままなのも怖くて、不安で、目の前のヤンに縋るしかなかった。

『へんなこと、してないよね…?』
『変なことなんてしてないよ』

未だに涙をあふれさせながら、私を安心させるためかヤンは笑った。

『ただ絶対に妊娠しないように、子宮を全部取っただけだよ』

しきゅうをぜんぶとっただけだよ。
言葉が、わからない。なに、なんて…? この男はいま、なんて言った?
しきゅうをぜんぶ、とっただけ。
しきゅうを。
そろりとお腹を撫でる。引きつる痛み。その正体。

言葉が脳に届く瞬間、私は絶叫した。
頭を抱えて、泣き叫んだ。
自分が出しているとは思えない、人間の声とは思えない悲鳴。
理解をはるかにこえた出来事に、耐えることができなかった。

『喪子っ! 喪子、もう大丈夫だよ。全部終わった、無事に成功したんだ』
『ふざけんな!! ふざけんなよマジで!!! 何してくれてんだてめえ!!!』
『術後は混乱するってこういうことか…。喪子、落ち着いて。もう大丈夫だから』
『あーーーーーーーーー!!! こんなの嘘、うそよ、いや、いやあああああ!!!』
『よっぽど怖かったんだな…。こんなに怯えて可哀想な喪子…』

もうめちゃくちゃだった。
私は頭がぐちゃぐちゃで、ヤンは見当違いな心配をしている。
だけど叫ばずにはいられなかった。

『あの藪医者か? 何か怖い思いさせられた?』
『させたのはお前だろうが!!! あああああなんでなんでなんで…!!』
『あいつは俺の喪子に触ったから絶対殺すんだけど、喪子の気が済むまで痛めつけてからにする?』
『その前にお前が死ね!! 返せよ! 私の、私の…!!!』

泣いても叫んでも時間は戻らない。
取られたものを取り戻せない。

ただ道を歩いていただけだった。
いつも通り、普段通り、家へと帰っていただけだった。
私は何もしていない。悪いことなんか何一つしていない。
なのにこんな目に遭わされている。
運命だなんだと言う男につかまって、外面のよさで外堀埋められ囲い込まれて。
一緒に暮らすことにも慣れないうちに、結婚のためだからと左指を切られ、目の前で食べられて。
もう十分、死ぬほどの痛みと恐怖は味わったのに。
まだ許してくれないのはなんで?
なんでもっと、さらに、怖い思いをさせられないといけないの?

毎日のように私は泣き叫んだ。力の限り喚き散らした。
それが余計に傷の治りを悪くし、痛い痛いとさらに泣いた。
何を奪われたのか、痛むたびに突きつけられるようだった。
ヤンはもう大丈夫だからと見当違いなことを言う。
俺の喪子になれたんだよと、ゾッとすることを笑って言う。
やがてすべてがどうでもよくなった。
感情が消えたようだった。
痛みもない、なにもない、私は空っぽになってしまった。
ただ、爪痕のようにヤンへの恐怖だけが残った。
私を見て、微笑むこの男が、私は怖くてたまらない。

『……ヤン君はどうして泣いていたの』

少しだけ気になっていたことを、ぽつりともらした。
ろくでもないことは想像がつくけど、もう何を言われても私が動じることはないだろう。

『泣いてた? 俺が? えっと、いつのこと?』
『私が目を開けたらすごい泣いてたから、なんでだろうって思ってた』
『ああ…術後の…』

ヤンは気恥ずかしそうに頭をかいて、嬉しくてさ、と答えた。

『これで喪子が俺以外を大切に思うことはないなって、嬉しくて泣いてたんだ』

あなたを大切に思ったことなんか一度もないけど言わなきゃわかんないかな。

『それに喪子の子宮を食べられて、それもすごい嬉しくて』

一瞬で気持ち悪くなって、その場で嘔吐した。
普通に動じた。無理だった。

19二人の幸せ:2018/06/07(木) 05:46:50 ID:???0

それからどれだけ時が経ったのか、数えてない。
誕生日にはケーキを買ってくるし、クリスマスはツリーを飾り、年が明けたらお餅を食べている。
年月は経っているんだろうけど実感はなかった。
出会って何年目の記念日とか、同棲から何年目のお祝いとか、ヤンはいちいち言ってくるけど聞き流して記憶から消している。
何年なんて、何十年なんて、そんな長いときをこの男と過ごしているなんて、考えたくもない。

おそろいの指輪なんて言ってしまったばかりに、嫌なことを思い出してしまった。
てきとうに爪楊枝とかスリッパとか、どうでもいいもの答えておけばよかった。
そうしたらこんな、左薬指のことなんか、そのあとのことなんか、思い出さなくて済んだのに。

「喪子も俺と結婚して幸せ? ずっと二人きりで嬉しいか?」

婚姻届けも出していないのに何が結婚だ。

「しあわせ。うれしいよ」
「ああ…。もっと言って」
「ヤンと結婚できてしあわせ」
「もっと…もっと聞きたい。もっと言って。俺のことどう思ってるか教えて」

頭のいかれたくそやろう死ね。

「すき」
「ああ! 俺も好き大好き愛してる…!! 好きになってくれてありがとう! 一生大切にするから…!!」
「………うれしい」

大切にすると言ったその口で、次は私のどこを食べますか?
言えない言葉を喉で潰して、ヤンの喜ぶ言葉を吐き出す。

二人だけの世界で、二人きりで生きながら、最後は一人で死んでやる。
先に死ぬのは私がいい。
死ぬ瞬間に、お前なんか嫌いだと、好きだったことなどないと吐き捨てて。
そうしてようやく、私もしあわせ。

20二人の幸せ:2018/06/07(木) 05:49:05 ID:???0
以上です。
人体損傷についてご不快な思いをさせてしまっていましたら申し訳ありません。
喪子の女性的な部分を全て自分のものにしたがる独占欲が異常なヤンデレが書きたかったです。
ありがとうございました。

21名無しさん:2018/06/07(木) 07:28:49 ID:???0
ひええ怖かった
ヤン君愛重い……ぞくぞくする
喪子ちゃが死の間際に憎悪の言葉を吐き散らしたらヤン君はどんな反応をするのか
それを想像するとまたぞくぞくする

22名無しさん:2018/06/08(金) 08:54:55 ID:???0
>>20
乙でした!
ヤン君怖すぎる…好き…
もし自分なら遺書に恨みつらみを書いて自殺してやると思いながら読んでた
死ぬことだけが唯一の切り札だから、
それだけを楽しみにして生きていくんだろうなと思うと可哀想すぎて萌える

23時代物:2018/07/10(火) 18:03:22 ID:???0
時代劇”風”です
1レス完結



へい へい こんな夜更けにどちらさんで?
おや 狐か狸かと思えば まあ 入んな入んな 濡れ鼠になっちまって
こんな夜更けにこんな山ぁ入って あんた どこ行く気だったんだい?
まずは火に当たんな そのまんまじゃあ 風邪引いちまう
ござも出すから さあ 座った座った
腹は減ってないかい そうか じゃあ茶でも入れようか
あったけえもん腹に入れとかねえと 冷え切っちまうだろ ほら 飲んだ飲んだ
……で あんた 何でこんな山に? 見たところ 飛脚でもねえしお侍さんでもねえ
旅するにしたって この山は近道にもなりゃしねえ
ほう 妹を探してる? ははぁ 拐かされたかね
なに 奉公先で御店の旦那を殺めた そいつぁ剣呑だ
じゃあ何かい あんたは妹を岡っ引きにでも突き出すために 探してんのかい?
違う? そりゃあよかった
二人きりの兄弟 親が死に別々の奉公先へ へえ 泣かせるねえ
けどあんた 妹がやっちゃいないなんて 証拠でもあんのかい
性分? そんなもん証拠にゃならねえさ 御上が聞き入れてくれるわけもねえ
ましてや その妹さん 疑われるだけの何かがあったわけだろ? 例えば……
旦那が死んだのは 妹さんの部屋で 死んだ旦那ぁ放っぽり出して 部屋の主は消えちまっていた とかさ
知ってんのかって? そりゃあっしだって ずっと山にいるわけじゃなし 里に下りて 入り用の物を買うこともあらぁ
そんとき小耳に挟んだ話があるのさ あんたの妹さんの奉公先 立派な御店だろう?
…… 何だい 急に人の面ぁじっと見て
ふん ふん もう一人 消えた奉公人がいる? そりゃ聞いたことがねえな
そいつは長く奉公してる男で? そろそろ番頭と噂されていて? なのに 旦那が死んでから姿が見えない と
その男と あっしが 似ている?
おいおい 会ったこともない男とあっしが似てるなんて 言いがかりはよしてくんな
顔をよく見せろ? そんなこと言われて見せたがると思ったかい
わかったわかった それじゃあじっくり確かめてくれ

御店の旦那を殺した男を あんたの妹を拐かした男の面を



………… 喪子 喪子
わりぃがちょっと 面ぁ見てくれねえか この男 本当にお前さんの兄弟かい
そうか 嘘はついてなかったんだな
ああ 喪子 喪子泣くな 泣かんでくれ
ん? 何だ どうした
…… …… 帰りたい?
帰りたい? どこへ帰るんだ? 喪子の居場所はここじゃあねえのか?
あんたが言ったんだろう 助けてと 旦那に無理矢理 手籠めにされると それは嫌だと 泣きながら俺に言ったのは あんただろう?
あんたが言うから あんたが泣くから あんたが俺を頼るから 俺はあんたのために 旦那を
…… いや やめよう こんな話 あんたがやらせたわけじゃねえ
俺は 手前で考えてやったんだ あんたの部屋に入った旦那を 後ろから……
あんたを連れて山に入ったのも この小屋のじいさんを殺めたのも あんたの足を切っちまったのも 全部 全部 好きでやったんだ
だから だからなぁ喪子 帰りたいなんて言わんでくれ 俺を怖いだなんて 言わんでくれ
俺はお前さんを好いているんだ
俺を頼って 笑って 泣いて見せるあんたに 俺は惚れちまったんだ
今更 今更 怖がったりしないでくれ 突き放そうとしないでくれ
もうあんたにゃ兄弟もいねえ ひとりぼっちだ 俺だってそうだ
だから なあ 喪子
泣かないで あの頃みたいに笑ってくれ 頼むから……

24名無しさん:2018/07/10(火) 20:44:46 ID:???0
ひい!素敵!!ありがとうございます!
喪子の好感度がどうであれヤンが完全に狂ってるからバットエンドしか思い浮かばない
山の中にずっと籠ることはできないしそこでも色々と分岐ありそう
良いもの読ませてもらいました…乙です

25名無しさん:2018/12/16(日) 01:07:01 ID:???0
素敵な作品が投下されてるのに、前より感想が少ない気がする…
そんな私も久々だけど
これもヤンデレによる策略かな?

26名無しさん:2018/12/16(日) 17:01:56 ID:???0
そうかな
前もこんなもんだったよ

27名無しさん:2018/12/17(月) 01:09:54 ID:???0
喪子ちゃん、僕に隠れて何見てるの?
何も?そう……ならいいんだ

28甘えた:2019/08/14(水) 15:49:29 ID:???0
召喚スレの高スペ甘えたヤンヤンが好きな属性だから書きたかったけどセリフだけは難しすぎたのと長くなったのでこちらに
2スレほどです





気持ちがはやりすぎて周りが全く見えない。
 電車に乗り込む時、降りる時の二度にわたり扉に額をしたたかに打ち、しかし痛みを気にする余裕もなく、階段は一段どころか二,三段飛ばしで駆け下りた。改札にICカードをかざす一手間すらもどかしい。はやくはやくはやくと気ばかりが焦り、あまりの愛おしさに、恋しさに、走りながら叫び出してしまいそうだった。
 日が落ちたというのにむわむわと熱気の篭もる道をひた走り、ああそう言えばここから先には何も店がないということに気が付きあわてて駅前のコンビニへ戻った。
 どうしてこんなに不便なところに住んでいるのだろう。駅前にはコンビニや小規模のスーパーマーケットはあるが、あとは住宅が並ぶだけの面白味もない街だ。駅から家までも離れている。毎日の通勤、買い物はさぞかし大変だろう。
 僕はこの街が嫌いだと、来る度に思う。彼女に住処として選ばれたこの街が妬ましくて、羨ましくて、大嫌いだ。
 彼女の好きなものをいくつか購入し、振動で中身が駄目にならないようコンビニ袋を両腕で大事に抱えてまた走る。
 僕の家に住んでくれれば良いのに。駅から徒歩5分という好立地のタワーマンション。その上階だから見晴らしは抜群だし下界の音も聞こえない。
 駅周辺にはもちろん各種のコンビニが立ち並び、スーパーマーケットには高品質の物だけが置かれている。彼女の好きなオシャレなカフェも、時間をつぶせる書店も、凡そ彼女が満足してくれる全てが揃っている。だからこそ選び購入した僕の家に、しかし彼女は住んでくれない。彼女のためだけの家なのに。
 少し悲しくなってきたので走りながらスマートフォンを取り出し、先ほど彼女からもらったメッセージを読み返す。

 『会いたいです』

 ああ!!
 彼女が僕に会いたがっている!!
 叫び出したいほどの歓喜が僕を支配する。実際、走りながらもしかしたら叫んでいたかもしれない。
 嬉しい、嬉しい嬉しい嬉しい!!
 僕も会いたい。いつだって会いたい。
 朝も昼も夜も彼女しかいらない。他の何もかもどうでもいい。彼女と四六時中一緒にいてずっとずっと体のどこかを触れさせていたい!!
 はあ、はあ、はあ。彼女の住むアパートの前で息を整える。こんなに乱れた姿を見せるわけにはいかない。
 流れる汗をぬぐい、人目につかないよう影になる場所で常に持ち歩いている糊のきいたシャツに着替えた。いつ彼女に呼び出されても良いように常備している衣服は、嵩張るが役立つので手放せない。
 ほんのり香る程度に手首や首筋にロールフレグランスをつける。彼女の好きなにおいだ。
 濡れた髪だけはどうにもならないがこの暑さで全力疾走したのだから仕方がない。せめてセットだけはと鏡を出して、せっせと前髪を整える。額が赤く変色しているのは、電車の扉で打ち付けたせいだろう。前髪で隠しておけば彼女に気付かれることもない。こんなみっともなくてダサいものを彼女には絶対に見せたくない。
 準備ができたので、深呼吸してチャイムを押す。緊張で、指が震えた。もう何度もこうして会っているのに何かミスをして嫌われてしまわないか、彼女に好きだと思ってもらえる言動をちゃんと取れるか、心配と不安に僕の心臓はばくばくと音を立てる。同時に、やっと彼女と会える喜びに制御不能の狂喜が体中を駆け巡る。

 『はい』

 インターフォン越しの彼女の声も好きだ。

 「こんばんは、会いに来たよ」

 『えっ』

 驚いて少し高くなる声も好き。

 「あがらせてもらってもいいかな? 駄目なら、ここで少し話すだけでも……」

 会いたいとは言ってもらえたけど、会う約束を取り付けたわけではなかったので、控えめな提案をした。本当は問答無用で、こんなやり取りもなく、合鍵で彼女の部屋へ押し入りたい。

 『あ、あの、待ってもらえますか。今、部屋着で』

 恥ずかしそうな声も可愛い。ああもう好き。大好き。感情が抑えきれない。
 部屋着で全然かまわないよ、むしろ見たいよ、見せてよ。
 早く会いたい、もう待てないよ。ほら僕いますごく動揺して地団駄踏んじゃったよ、かっこ悪い。見えてないよね? このインターフォンにはモニターついてないし、大丈夫だよね?

 「待ってるからゆっくりでいいよ」

 努めて冷静に優しく声をかけられた自分を表彰したい。
 もし本能のままに行動してよければ、強引に中に入り涎をだらだら垂れ流しながら部屋着の彼女に抱き着き柔らかな体を余すことなすベタベタと撫で回し、頭皮や首筋のにおいを嗅ぎながらもちろん舌も這わせて、いきり立つものをぐりぐり押し付け……やめよう。嫌われてしまう。
 数分後、ガチャリとドアが開けられて、昨日ぶりの可愛い可愛い可愛い僕の彼女がそろりと姿をのぞかせた。

29甘えた:2019/08/14(水) 15:50:31 ID:???0
「喪子ちゃん!!!!!!」
 「ひぇ…! ヤンさん声でか」
 「わああ喪子ちゃん喪子ちゃん!!!会いたかったよおおお!!!!」
 「声、すみません声もう少し抑えて」
 「喪子ちゃん喪子ちゃん喪子ちゃん!!!!」
 「近所迷惑ですから! うわ、重っ、まっ、待ってとりあえず中に」

 だって会いたくて走ってきたんだ。会うために何もかも放り出して走ってきたんだ。
 気持ちだけなら電車より僕の方が速く走れるはずだし、車で来るつもりだったけど渋滞や信号待ちで発狂する自信があったからやめたんだよ。それにフルスロットルで飛ばしで警察に追いかけられたら困ると思って、車は会社に置いてきたんだ。
 僕ちゃんと自分のこと分かってるでしょ、偉いでしょ褒めてよ。一生懸命、君のために生きてる僕のことをいい子いい子って抱きしめて、たくさん愛して僕のことだけ好きでいてくれてるって全身全霊で感じさせて。
 喪子ちゃんに抱きついた時、あんなに大事に抱えていたコンビニ袋を落とした。中のスイーツが潰れたかもしれない。
 けどそれもどうでもいい。喪子ちゃんが欲しいなら、また走って買いに行く。
 今は一時も離れたくなくて部屋に入った瞬間から玄関の壁に彼女を押し付け、ぎゅうぎゅうと抱きしめ続けた。
 僕の体にすっぽりと包まれる喪子ちゃん。足を絡め、喪子ちゃんの動きを全部封じ込めるようにするのが好き。
 凹凸がピタリとはまるように、僕と彼女の体は互いを求めるようにできている。空気の入る隙間もないほど僕達は密着して、このまま溶接されてもきっと違和感もなくて、ふたりでひとつの生命として生きて死ぬ。

 「喪子ちゃん、喪子ちゃん、好き。会いたかったの、僕もすごく会いたかったから、会いたいって言ってもらえて死ぬ程幸せだよ。いっそこのまま死ぬのが本望」
 「えっなんの話、ん、んむ」

 喪子ちゃんが可愛い顔についた可愛い唇で可愛く息をしてるのがたまらなくて食べた。
 なんと喪子ちゃんには可愛い舌もついているので僕はそれに自分の舌を絡ませて、僕の口の中に誘導して、じゅうじゅう吸った。
 そしたら喪子ちゃんがたくさん唾液を垂らし始めて、走ってきた僕に水分補給までさせてくれる女神のような優しさに甘えて喉を鳴らして飲ませてもらったけどおいしすぎて涙が出たのであとでお礼に諭吉渡すね。

 「会いたいってメッセージくれたから、仕事バーッて終わらせて飛んできたんだ!」
 「メッセージ…?」

 はあはあとお互いに荒い息の合間に言葉を交わす。なんかえっちだね、あはは、とか脳内で茶化しておかないとこのままイきそう。顔は努めて冷静に。

 「さっき僕に送ってくれたでしょう。スクショ撮って壁紙にしたよ。あとでちゃんと印刷して部屋にも飾るね」
 「????」

 喪子ちゃんが首の角度を変えるという神業級の可愛さを披露してきたので僕はまた倒れそうな程に興奮した。じわりとスラックスが濡れた気がする。密着しているので気付かれたかもしれない。それはそれで自尊心が死ぬ……でも喪子ちゃんのせいだから喪子ちゃんも濡れなきゃ駄目だ。
 喪子ちゃんの耳元に唇を寄せて、わざと音を立てながら大げさに舐める。あ、びくびくしてる。かわいい。すきだ。さいこうにすきだ!
 ぴちゃぴちゃぬちゃぬちゃと音を立てつつ、耳穴の奥は濡らさないよう細心の注意を払い、喪子ちゃんの顔が蕩けていく様を見る。可愛すぎて愛しすぎて幸せすぎて死ぬ。
 脳みそがくらくらしてきた。これは現実だろうか。この、大好きな喪子ちゃんが目の前にいて、僕の舌であっあっていやらしい声を出している今このとき、これは本当に現実? 可愛すぎてリアリティが薄くない? こんな幸せな世界があっていいの?
 もう本気で死にそう。呼吸もだいぶ荒く、ほとんど過呼吸だ。
 どうか僕の頭を可愛い拳でぶん殴ってほしい。痛みで正気に戻してほしい。さすがにまだ本能のまま死ねない。

 「はっ喪子ちゃん、喪子ちゃん……」
 「ん、やめて、ヤンさん…あっあっ、それやだ、やっ」
 「僕もやだ。ん、やめない。ちゅうって、ちゅーってすると、はっ…喪子ちゃんビクンって、はあ、かわいいんだもん」
 「やだぁ……」

 舐めながらメッセージのやり取りを脳内で再生する。
 最初は取り留めのない話題から始まった。映画の話だったかな。
 何作もシリーズの続いているハリウッド映画の最新作公開が決まり、一緒に見に行こうと約束を……彼女は友人と行くと書いてたような気がするけど彼女は控えめな人だから自分から僕を誘うのが恥ずかしくてそう書いただけなのは知っている。
 それから、主役の来日があるから、空港に人がたくさん集まるだろうねって話して……。

 『行っても人混みに紛れてしまいそうです。姿も見えないかも』

 文末に汗の絵文字。喪子ちゃんの汗なんてただのご褒美じゃないか……その汗は僕がこの手で拭ってあげるからね。そのあとちょっとだけ舐めさせてね。

 『姿くらい見たいよね。ハリウッドの役者なんてそうそう会えるものじゃないし』

 会える、という単語を打ちながら、ああ喪子ちゃん会いたいなあなんて考えて、まだ職場で仕事をしなければならない現実にのたうち回った。早く退勤して会いたい。会いたい。会いたい。会う。会おう。会わなければ。
 もう喪子ちゃんに会うことしか考えられなくなった。それ以外のことがすぽんと消えた。僕にとって全ての事柄は喪子ちゃんに繋がるから、当然で自然な帰結だった。

 『私も会いたいです』

 会いたいって考えてたら、喪子ちゃんからも会いたいってきた。僕とまったく同じ考え、思考回路としか思えない。僕と以心伝心の喪子ちゃん。
 一も二もなく、会いに来るのは当然だろう?

 「可愛いよ、可愛い……喪子ちゃん可愛すぎる…大好き、愛してる……」
 「ん、わ、私も…」
 「えっわたしも!? わたしもなに!? あっ待って心の準備させて!!」

 大好きで大好きで死ぬ程愛してる彼女の、可愛い口から可愛い声で最上級のお言葉を頂いてしまったら一体僕はどうなってしまうのか。

 「なにっていうか、ヤンさんたまにおかしいけど、私のこと好きになってくれて凄く嬉しいです」
 「なにそれかわいい!!なんでそんな、そんなかわいい…!!すきすきすきすき!!大しゅきいいい!!!!!」
 「私も……好き」

 そして僕は無事に死んだ。





以上です
誤字脱字あったらすみません
ありがとうございました

30名無しさん:2019/08/18(日) 23:17:34 ID:???0
デレしかない気がするのはヤンデレに慣れすぎてしまっているからか
思考回路は立派にヤンデレだと思うんだけど

執筆お疲れ様です
ごちそうさまでした、これで盆明けという地獄に少しでも立ち向かえる気がする

31名無しさん:2019/08/19(月) 18:03:33 ID:???0
>>30
読んでくれてありがとう
病み成分薄くてごめん
ヤンデレに好かれるなんて自分にとって幸せでしかないから喪子も受け入れ体制ばっちりで書いてしまいがち
受け入れつつも明らかにいかれたヤンデレとわかるようなものが書けるように精進します

32名無しさん:2021/04/07(水) 00:14:58 ID:???0
地球がヤンデレだったら

はぁ、はぁ喪子ちゃん喪子ちゃん
君は気づいてないかもしれないけどいつも喪子ちゃんの側にあるよ!
だって君が立つ大地も、君が感謝することはないがこれなしには生きれない大気も僕のそのものだからね!
そして喪子ちゃんの髪の毛一本、唾液一滴まで…君を構成する分子は元々は僕に由来するんだ
喪子ちゃんは僕!僕の一部!つまり僕の番!
え?他のホモサピエンス?他の動植物?いってる意味がよくわかんないけど…喪子ちゃんは特別!

喪子ちゃんにホモサピエンスのオスが発情しないようにしたはいいけど、君はすぐ死んじゃう
喪子ちゃんは僕に還るけど、喪子ちゃんという生き物は地球から消える
決めたよ
喪子ちゃんっていうホモサピエンスとは別の人種を作ればいいんだね
僕がある限り何度も生まれ変わる喪子ちゃん
生態系の頂点に存在する喪子ちゃん
ホモサピエンス達の神様喪子ちゃん
この星は僕と喪子ちゃんのためのもの

33名無しさん:2021/04/11(日) 06:05:53 ID:???0
>>32
喪子ちゃんが喪女なのは地球ヤンのせいだった……!?
「君が感謝することはないが」って一文がヤンデレらしい直向きさで好き
ヤンデレごちそうさまでした

34名無しさん:2021/05/28(金) 08:52:10 ID:???0
「ヤン君の絵、私はアートに詳しくないからよくわからないけどなんか好き、独特だしかっこいい…」
記憶の中の喪子ちゃんの初めての言葉。
挨拶や事務的な会話ならクラスメイトとしてしていたけど、喪子ちゃんを風景から個人として認識したのはこれからだったと思う。
浮いた者同士、ただ誰かと言葉を交わしたかっただけなのかもしれない。いつも一人で、ただ友達がいない事を誤魔化すために絵を描いていた僕なら話しかけやすかったのかもしれない。だって君は本当に、優しくて、繊細で、謙虚で、本当は合理的でシニカルな思考も持ち合わせていて、清楚でアンニュイな美しい人だから。

それから、数ヶ月後も数年後も、卒業後しても僕の絵を褒めてくれてやっと、僕は君が本心で僕を認めてくれていたのだと安心することができた。君が僕の絵を褒める言葉も、君の感性に彩られた言葉に変わっていった。
それなのに君は、いつまでも自分を醜いと思ってる。僕が送った君の絵も、自分はこんなにきれいじゃないと。僕は君への気持ちも、君が僕にいつもくれる言葉みたいに鮮やかに躍動して伝えることはできないのに。確かに写実的に喪子ちゃんを描いたわけでないけど…

だったら僕が世界中の人々から、喪子ちゃんが美しいということを認めさせる。喪子ちゃんが自分は美しいと信じられるように。
君が褒めてくれる今までの絵も、まともに人と話せない僕をたくさんの人が愛してくれるようなったあの絵も、僕の絵はほとんどが喪子ちゃんを、僕の君への思いを描いた。でも、あの頃の君はもういない。君はもう、自分は醜いと呪いの言葉を吐いて泣くことも、僕を元気付けることもできない。


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