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ここだけ能力者達の物語投下所part1
24
:
名無しさん
:2021/02/13(土) 09:09:39
【作品名】鬼仮面と妖怪世界
【元スレ名】ここだけ世界の境界線、ここだけ妖怪世界
「ここか……」
山の中から離れた場所の現代風のビル群を見つめる少年。その顔には、奇妙な紋章の入った鬼を模した仮面が……その紋章が意味するのは、カノッサ機関。数多の世界を股に掛け、良からぬことを企む組織だ。
「機関から報告のあった世界は……」
どうやら、この少年、カノッサ機関の命により、この妖怪と人間が暮らす世界へとやってきたらしい。
その命とは、この世界に存在すると噂される妖怪を捕らえること。機関の研究所は、未だ未知の部分の多い妖怪の検体が欲しいようだ。そこで、妖怪退治屋の一族であるこの少年を送り込んだのだが……
「僕の居た世界とはかなり違うな。この世界、本当に妖怪が居るのか……?」
少年、通称鬼仮面は疑問に思う。自分の出身世界とは、まるで違うからだ。彼の出身世界には、高い建物なんて無いし、皆着物姿だった。だが、この世界はそれと正反対。妖怪が居るようには思えなかった。
しかし、そんな疑問も直ぐに消える。何故なら……
「っ!?これは……妖気!?」
妖気を感じられたからだ。しかも、二つ。この世界、本当に妖怪が存在していたのか!鬼仮面は驚きながら、その妖気の方へと駆け出した。
◆
「うわあああああっ!?」
「待て!このガキ!」
「てめぇっ!十夜に何するつもりだ!!」
妖気の発生源の崖下で鬼仮面が見たのは、二体の妖怪と一人の少年。
一体めは、角を生やした赤い肌の鬼。金棒を片手に、少年ともう一体の妖怪を崖下まで追い詰めていた。そのもう一体は、白い体毛の狐の妖怪。少年を守ろうと、小さな身体で鬼に抵抗していた。そして少年。此方は人間のようだ。年は鬼仮面と同じくらいだろう。だが、彼よりも小柄。
「おらあっ!!さっさと俺に喰われやがれ!」
「十夜を喰ってどうするつもりだ!腹の足しにもなんねぇだろうが!」
「霊感のある人間を喰って、凄い妖気を手に入れる!そして、その力で俺は百鬼夜行の主となる!!」
「デタラメだ!そんな話っ!!」
「うるせぇっ!!」
鬼が振るう金棒を、狐は炎を纏った身体で受け止める。
そんな二体の戦いを見て、鬼仮面は思う。このまま共倒れ、若しくは勝った方もぼろぼろになってくれたら好都合だと。同時に二体の検体を捕らえられるし、霊感のある少年も連れて帰れば研究員は興味を示すだろう。
暫く静観しよう、百鬼夜行の主という気になる言葉も出てきたし。そう決めた鬼仮面は、戦いを崖の上から見続けた。
◆
「孤炎螺旋!」
「きかねぇっ!!」
狐が螺旋状の炎を放つが、鬼はそれをものともしない。焦る表情を見せる狐。そんな狐に向かって鬼は、金棒の一撃を入れる。
「ぐああっ!!」
「七郎!!」
「へっへっへっ!さっさとガキを渡しな!」
「くそっ!十夜には手出しさせねぇ!十夜は……十夜は俺が守るっ!!」
もはやぼろぼろの狐。白い体毛に赤い血が滲む。だが、崖下まで追い詰められたうえに山はこの鬼の縄張りだろう、逃げ道は無い。
これは鬼の勝ちだね……そう思う鬼仮面だったが……
「くらえっ!孤炎爪!!」
「無駄だっ!!」
「ぐっ……!?」
「七郎!!も、もうやめて……僕の命は差し出すから……」
「馬鹿野郎!!十夜!んなこと言うんじゃねぇ!まだ俺は負けてねぇ!!」
必死で少年を守る狐と、自らを犠牲に狐を助けようとする少年。そんな兄弟のような二人を見て、鬼仮面はあることを思い出していた。
◆
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