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12
:
名無しさん
:2015/08/30(日) 09:49:18 ID:.CrNSHCI0
>>11
「見つけたぞ(リージョ)」「敵の(ヴラージェスキィ)」
「狙撃手(スナイペェエエエエエエエエル)!!」
彼は吹雪の向こうから突っ込んでくる少女を、喜びの笑みと叫びでもって迎え入れる。
その声は、まるで複数人のように聞こえた。
冬の戦争。殺戮の丘、"彼"が殺した戦士たち。その恐怖と嘆き、そして憎しみの応報は今、それを体現する少女へと向けられていた。
彼は紋章を解く。溢れ出る熱は静まり、再び冬が訪れる。
「「大いなる平等」……そのためには、一人だけが力を持ってはならん」
「だが、それを制御する者は━━━大いなる力を持つ必要があった!」
彼は空へと槌を振る。潰れた鉛玉が雪へと埋もれ落ちた。
「それは今も同じだ、フィンリャンディヤ!ソヴィエトは世界を懲罰する!世界に名だたるこの強国は、恭しき挨拶を捧げるのだ!」
「消えてもらうぞ白い死神(ベーラヤ・スメルチ)!大袈裟な伝説も今日で終わりだ、完全なる"平等"のためにな!」
彼は二つの聖遺物を握りしめる。赤き炎を加熱させ、頭上を駆け抜ける少女を迎え撃とうとする。
そして━━━━━━━━━━
「ぐ━━━━━━━━━━」
次の瞬間。彼の背中には、少女の白刃の傷、フィンランドの英雄たちの結晶が、深々と刻まれていた。
「━━━━━━━━━━これ……は……」
彼は目を見開き、その場に立膝を付く。
流れ出る血と、強烈なまでの痛みが、彼を襲った。普通であれば、もう動けない程の傷の深さだ。
だが彼はゆっくりと、その場から起き上がる。強化された身体でさえ、その足取りは限界が近い事が見て取れる。
今彼を動かしているのは、ただ一つ。ソヴィエトへの信奉、忠義、そして執着だけだった。
その紅き瞳は一層に輝いて見える。70年間にわたって積み上げられてきた、人など簡単に蝕んでしまう、「意志」という呪い。
彼は彼女の言葉を反芻する様に、静かに語り始めた。
「……ここに極まれりか……資本主義者め……結果しか、見えていないのだ……」
「СССРに公用語はない……ファシストから世界中のすべての労働者を護り……救い……助けるためにな!」
彼は立ち上がったのち、ゆっくりと体勢を立て直す。
次第にその声量は大きくなる。しかし背中の出血は、未だ止まってはいない。
彼は再び、二つの聖遺物を重ね合わせる。傷は彼にダメージを与え続けている。次なる彼の攻撃は、最後の一撃となるだろう。
「重要なのは過程だ!人々が立ち上がり、団結し、世を打ち倒す革命だ!」
「今一度、そこで見ているがいい。貴様の遺物が小賢しいフィンの魂なら、これは我らソヴィエトの魂だ!」
彼は交差させた聖遺物を、頭上へ思い切り掲げる。
赤い炎がゆっくりと収束していく。彼の信念と、亡国の強固な意志。それが生み出す革命の炎━━━━━━
彼は先程とは異なり、昔を懐かしむかのような母国の言葉で、優しく静かに、しかし確かな語調で宣言した。
「Пролетарии всех стран, соединяйтесь(万国の労働者よ、団結せよ)」
「……Красная(赤き祝祭)」
充填された炎が解放される。
ゆっくりと、だが激しく、確かに対象を焼き尽くしてゆく炎。
広がる火はフィンランドの異空間を再び蝕む。彼はその中心で、糸が切れたように両膝を付いた。
今の状態なら、攻撃はたやすい。……360°に拡がる炎を、かい潜る余裕があるならば。
/いえ、こちらこそ予定が合わず申し訳ない……
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