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アウラ・Y・ミューリライネン
:2015/08/29(土) 23:24:38 ID:joo1aeEE0
>>10
幸運の証、ハカリスティ―――――――――――― それが、アウラ・ミューリライネンに勇気を与えていた。
例え目の前の敵が圧倒的な存在であろうとも。ソビエト人民そのものであろうとも。その右手に宿る英雄達の力が、アウラに戦う力をくれていた。
「くぅ、うぅッ!!!!」
吹き荒れる熱が、白銀の世界を溶かしていく。真白の雪を溶かしていく。平等を謳い、燃やし尽くそうとしていく。
鎌と槌とを重ね合わせた、紅く燃え盛るかのような旗。七十年前、自分が産まれてすらいない祖国が戦った国と同じ。
けれども、アウラ・Y・ミューリライネンの右手に宿る英雄たちは、全員がそれらに勇敢にたたかった者達だ。赤色の旗に、幸運の鉤十字を掲げて立ち向かった者達だ。
ならば、ここで自分が負ける訳にはいかない。アウラはそう思っている。だから全力で―――――――――――― 走った。
モシン・ナガンを握り締め、溶けようとする雪の向こう側へと駆けていった。聖遺物は焦りを齎す事は無かった。ただ、その心が逸脱するのを留めていた。
―――――――――――― 自分なら、出来る。過剰な自信でも何でもなく、これは、自分の明確な意思として。
「何が共産主義よ。結局のところ、上の方が美味い汁啜ってただけで、下の人達は貧しいままだったじゃない」
「少なくとも、アンタ達の手の中に!! 本当の平等なんか有るわけないのよ!!!」
モシン・ナガンの引き金を引いた。彼の左側頭部を狙って銃弾が飛んでいく。
この殺戮の丘で戦った、白い死神の加護がアウラ・ミューリライネンにはあった。それはこの吹雪の中、視界を遮るそれらを物ともせずに、雪を砕きながら飛んでいき。
そして、それを投げ捨てた。もっともっと、決定打が必要だ。この雪の中でなら―――――――――――― 英雄達が、その力を貸してくれる。
何も恐れる事など無い。戦争に負けたとしても、結局のところソビエトは滅んで、スオミは生き残った。それが事実だから―――――― 何も、恐れることは。
「何が平等よ、何が社会よ! アンタ達のそれは平坦にしようとしてるだけじゃないッ!!」
「そんな事でこの世界が続くかぁッ!!! 一回失敗してんでしょ!! それで納得しなさいよ!! この――――――――――――ッッ」
そして、駆け抜けた。今度は前に前に、明確な敵へと向けて。サーベルを鞘から引き抜いて白刃を晒した。
形振り構わず走り抜けた。もうこれ以上、何がどうなろうと知った事では無い―――――――――――― 例え全てを焼き尽くす焔にだって、英雄の心は負けたりしない。
雪を思い切り踏み締めて跳んだ。大上段に、サーベルを掲げ――――――――――――
「分からず屋のアカ共ぉっ!!!!!!」
アウラ・ミューリライネンは―――――――――――― 彼の、背後から斬りかかっていた。
思い切り飛び上がって、自分の体重と、落下速度を併せた重い一撃。文字通り全身全霊を賭けた斬撃。
無論、その姿は隙だらけではある。あるが―――――――――――― その一撃自体は、少女が今まで放ってきたどの銃撃よりも重いものである。
/遅くなって申し訳ないです……
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