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仮投下スレ

908 ◆D9ykZl2/rg:2017/09/28(木) 23:25:42 ID:6C.hKJws0
 



──と、そこで。

「──ところが、そういうワケにもいかないんだよなあ?」

響く筈のない声が、『前方から』聞こえた。
な、と両者が呆気に取られると同時に、正面から伸びるのは二本の白い槍。
神衣純潔の肩部が変形したそれを前に、一瞬二人の思考は完全に停止した。

「──オラァ!」

それでも、承太郎は無理矢理意識を引き戻してスタンドの拳を振るう。
迫ってきた二本のそれを理世を抱えていない方の手で弾くと、そのまま進行方向の障害となる木や枝を殴り飛ばす。
地に足を着けてブレーキをかけ、立ち止まろうとして──そこで、初めて承太郎は気付く。

「──よお、死ね」

その場所、ちょうど両脇にゲートのように生えた木の間に立っている、先程まで戦っていた化物に。
何故彼女が先回り出来たか──それは、彼女が持つ遠見の水晶玉によるもの。
細かい作業が苦手故に一度は使用を諦めたが、反対に単純な操作なら十分に利用できるということ。
流子自身が飛び上がって目立つ位置に陣取り、山頂の城と見比べて方角を確認。その後ズームアウトし、二人が動いている方向を察知する──程度の使用なら、どうにか彼女にも使用出来た。
彼女が振り上げている刃が、無慈悲にも止まることの出来ない彼等へと降り注ぎ──

「──スタープラチナッ!!」

それでも、空条承太郎は最適解を導き出した。
止まることなく、反対に地を蹴って加速。懐に潜り込むことで刃を回避し、拳を以て流子が阻む道を押し通る。
その行動は、確かに彼がその場で採れる選択肢の中では最適解であっただろう。
事実、流子の刃が届くことはなく、反対に承太郎の拳は流子に突き刺さらんとしていた。

「──残念だったなぁ」

しかし。
その拳が収まる先は、纏流子の掌の中。
軌道がわかりきっている攻撃に対する正確な防御──しかもそれを行うのが生命繊維の化物ともなれば、如何にスタープラチナの速度を以てしても貫くことは出来ず。

「死ね」

今度こそ、翻った刃が二人まとめて刺し貫かんと閃いた。
それを間一髪で逸らし、乱暴ながらも逃す為にと理世を放り投げ。
次の瞬間、承太郎の眼前には左ストレートが迫っており──それを最後に、彼の意識は途切れた。











「──口程にも無かったなぁ、オイ」

左手をぷらぷらと振りながら、流子はつまらなさそうにそう吐き棄てた。
視界の先には、吹き飛んでピクリとも動かない承太郎の姿。
純潔を纏った流子の膂力で殴られたのだから、人間の顔面などとうに挽肉になっているのが普通なのだが──彼の頭部は依然として残っており、脳漿を撒き散らしてもいないようだった。
その理由は、何より殴った流子がよく知っていた。
こちらが顔面を殴り飛ばそうとした直前に、スタープラチナを頭部に纏わせ反対に頭突きをお見舞いしてきたのだ。
スタンドの力に後押しされた頭部は、その頭蓋に致命的な損傷を与えることなく拳の衝撃をも和らげた、という訳だ。
──尤も、殺しきれなかった余波が引き起こした脳震盪かそれに近い症状は彼の意識は吹き飛ばすに足るものだったようで。
先程まで彼女と渡り合っていた男は、無防備な姿を晒して気絶していた。
こうなってしまえば、最早殺すことなど造作もない。
溜息を一つ吐いて、再び縛斬を握り直し──


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