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ここだけ魔法禁止世界・ロールスレ

1管理人塩★:2015/05/21(木) 20:21:59 ID:???0
・書き込む際は、あらかじめ滞在予定スレか、ファーストロールに何時まで居られるかを書き込んでおきましょう
・30分以内の返信をお願いします。
・30分をオーバーした場合は【確定終結】させることができます。
・間に合わない場合は、延長を申し込んでください。1日一回使えます。
・スレを跨いだ場合は、新スレ立てから30分以内の返信になります。
・ロールのさなかに出てきたNPCや設定は、終わった後でもよいので設定提案スレやNPC登録スレにぜひとも書き込みをお願いします。

この世界の魔法能力者に、幸あれ……

2管理人塩★:2015/05/29(金) 05:53:26 ID:???0
1
 救世主が生まれるはずの地から西南西……。
 そこには、高度な魔法を用いて千年の秩序を保っていた【魔法帝国】があった。

 【魔法帝国】の首都の王城には、帝国に仕える文武百官が集められた。
 唐突にだが、本日新たな法令が発布されるという。

 グランドワイズ朝50代皇帝・【"霊帝"キルケゴール】は使用人三人に担がれるように玉座に登壇している。

 文武百官の中には、帝国一の武の使い手である【黒衣の将軍】の姿や、
 帝国に代々仕える【宮廷魔術師】、はては【大魔法図書館の司書】の姿なども見える……。

 皇帝がようやく着座すると、左右に控えた公子たちも着席する。
 皇位継承権の比較的低位な皇子の姿もあり、彼はその細い目でじっと皇帝をにらみつけているが……

 やがて、この国の権力を一手に握る丞相が、しずしずと進み出、巻物を広げた。

「詔勅。

 【帝国は、在野の魔法使いの存在を禁ずる。
  帝国になびかぬ、魔法使い、能力者、人越者――
  あらゆる「魔石持ち」は、すべからくこれを弑すべし】

 よいか。帝国文武百官は、身分、職務にかかわらず、
 帝国に忠誠を誓わぬ在野の魔石持ちどもを生かしてはならぬ。
 手段、罪状は問わぬ。
 速やかに、……誅殺せよとの皇帝のご命令だ」

 丞相は高く細い声でそう告げると、会場は水をうったように静まり返る。
 このような詔勅など聞いたことがなかったからだ。

3管理人塩★:2015/05/29(金) 05:54:08 ID:???0
プロローグ・リードストーリー2

 すると、公子席の末席に座っていた鷹目の男――【ブレイド皇子】が立ち上がると、
 皇帝の前に進み出、腰袋を取り出し、それを逆さにする。
 袋の中にあった、大小さまざまな石がこぼれ出る。
 それこそ、まさに【魔石】――能力者が死ぬときに生成される不思議な宝石である。

「こんなこともあろうこと……
 あらかじめ帝国になびかぬ数名の魔石持ち共を殺しておきました。
 首級を献上でもしようかと思いましたが、玉間を血で汚すことも無かろうと
 その代わりの証として、これら魔石を献上いたします。
 いかがか――?」

 ブレイド皇子は顔をゆがませて笑う。皇帝は無言でそれを見つめながら、ただ一言
 「善。」
 と口にした。

「さあれば、」

 とブレイド皇子はさらに一歩進み出る。

「この魔石の数をもって、時期「太子(後継者)」や、将軍位、官位を改められては如何?」

 皇子は丞相と示し合わせていたのか、衛兵は彼を制止もせず、皇子の発言を許している。
 動揺する文官たち……ざわめきが場を静かに支配する。
 皇帝はなおも微動だにせず、やがてまた小さく
「善。」
 と口にした。

4管理人塩★:2015/05/29(金) 05:57:32 ID:???0
プロローグ・リードストーリー3

 かくて法令は発布された。

【魔法禁止法令。】

 在野の魔法使い、能力者、人越者は、その存在が禁止された。
 そして帝国に所属するすべての身分のものは、彼らの誅殺に動き出す。
 皇帝の子供たちは部下たちに魔石を献上させるよう命じ、
 また野心ある将軍や政治家たちも、自らの出世のため魔石を欲し始める……。

 在野の「魔石持ち」達は、ある者は恐怖し、ある者は帝国の軍門に下り、
 またある者は……その生存をかけて抵抗をしはじめた。

 この世界の魔法使いたち……「魔石持ち」たちは、不思議な力で「惹かれ合う」。
 しかしその出会いは、時に悲劇を巻き起こすことになることとなる――。

5クインジュン・情報を食らう魔本使い・帝国 ◆Fy4DFoCzz2:2015/06/02(火) 01:15:31 ID:MNQGu/K60
「やーれやれ、これはなんとも、穏やかじゃないですねぇ……」

【大魔法図書館の腕章を付けた細身の男は、人の流れに押し出されるように王城を出ると、ため息をついた】
【おかっぱの銀髪に、キツネのような細い目。もう夏だというのに、
 長い足を覆い隠すように分厚い外套を纏う男は王城外郭の壁に人目を忍んで寄りかかっている】

「私は単なる図書館勤務のハズなんですけどねぇ……
 やっぱり私も「魔石狩り」に参加しないと……マズいんですかねぇ」

【そう独り言をいいつつ、手から魔本を取り出すと、そこからポンと一枚の葉巻が出現する】
【葉巻といっても火をつけるタイプのものではなく、下唇と歯の間に含んでたしなむ噛みタバコである】

「んーん……、しっかし、戦闘タイプでもない私が、
 野良魔法使いをやっている野蛮な輩に勝てるんでしょうかね。自信、ないですねぇ……」

【そうつぶやきつつ、ふらりと王城の城門から市中に入ろうとしている】
【ライムにも似た噛みタバコの芳香が漂う】
【緊張感なくふらふらと歩いているように見えるが――その細い眼はしかし、
 
"手軽に狩れる獲物はいないものか"

 と、嗅ぎまわるように注意深く人々に対して注がれていたのだった……】

/置きになります。

6バイオレット・タイガー・自由の躍り手・レジスタンス:2015/06/02(火) 19:39:27 ID:???0
>>5
「っは!やべぇよ…コイツぁハンパなくやべぇよぉおぅ!」

【俺はバイオレット・タイガーっていうまぁ、しがないストリートのダンサーだな】
【でもってその俺がやたら巻き舌でくだまいてる理由ってのが最近出たおふれなんだは】
【早ぇ話が俺みてぇな野良能力者を駆逐するって奴だふざけんな!】
【皇帝の野郎ももう年だしボケたか?どっちにしろ正気の沙汰じゃねーよねーじゃんねーですよの三段活用】
【ま、ここは俺の庭みてぇなもん…だが】

「なんだ、さっきの男は…」

【一日の殆どをこの辺で彷徨いてる俺だ、大体の奴の顔は頭に入ってる】
【この真夏にあんな厚着、しかも上等な奴をだ、しかもすれちがった時に薫ったのは噛み煙草…】

「………それだけじゃねぇ、なにか、俺自身が引かれ合うような…」

【ここまま振り返りゃあのふらふらしたキツネ顔の男がいるんだろなぁ、だがあいつは嫌な感じがする、どうすっかなぁ、まぁなんにせよ俺は後ろを振り向く事にする】

7クインジュン・情報を食らう魔本使い・帝国 ◆Fy4DFoCzz2:2015/06/03(水) 01:17:31 ID:jGEn/e3w0
>>6

(……ふむ?)

【銀髪のやさ男は、考え事をしているうちに王都の中でも
 治安の悪い街路に踏み込んでしまったようだ】
【周囲から察せられるのは、外道の者や貧民たちの、刺すような視線――】
【男のように安穏で名家の出身であれば、あまりすれ違う事のない人々である】

(マ、政治が上手くいってないんでしょうかね……
 ここんところの為政は正直言って貧富の差を拡大するばかり。
 ――そして、案外こういう所に……在野の魔法使い――「魔石持ち」が
 いたりするものなのかもしれませんね……)

【その時男は、缶パッチをジャラジャラとつけた男とすれ違う】
【すれ違って数歩の後、缶バッチの男が立ち止ったことに気付く】
【銀髪の男もまた、足を止める】

「そこの人、一つ……お尋ねしたい。
 このあたりで、帝国に反旗をひるがえしそうな悪徳な魔法使いの噂は聞きませんでしたか?」

【あまりにも、のんびりとした口調】
【しかし、この貧民街で、帝国に反旗を翻したい人間など山ほどいる事だろう】
【銀髪の男に気付いた貧民街の住人の数名が、ざわ、ざわとその言葉に反応し、見つめている】
【彼らと銀髪の男が見つめているのは……ニット帽をかぶった若者】
【しかし、貧民街の住民は、彼がこの地区ではちょっとした"能力者"として知られていることを知っている】
【銀髪の男は特に戦いの気配も見せず、静かにニット帽の若者を見つめている】

8バイオレット・タイガー・自由の躍り手・レジスタンス:2015/06/03(水) 17:32:56 ID:???0
>>7
【オイオイオイオイ、こんな場所でそんなドストレェートに聴くかよフツーよー】

「おう、そこの人ったぁこの俺のことかい?」

【この手の金持ちの甘ちゃんはたまーにとぼけて変な事を言うモンだが…なんなんだこの違和感は?】

「その手の話ならいくらでもあるぜぇ、特にそうだなぁーあー、俺とか?」

【徒にも角にも、あの見透かしたキツネみてー目が気に食わねー、いや別にキツネが嫌いってぇ訳じゃねぇがあの目、こいつ何者だ?】

「ってぇーかよぉー、おいにーちゃん!」
「あんたこそどこのどいつよ?」
「随分とまぁ良い身なりしてんがよぉ………帝国のお友達かい?」

【こう聞くのは相手の隙を突くためだぁ、そのくらいここら辺のチンピラなら良くやるケンカの技巧だ】
【答えようとした瞬間にあいつの顎に膝を喰らわしてやるぜ】

9クインジュン・情報を食らう魔本使い・帝国 ◆Fy4DFoCzz2:2015/06/04(木) 03:53:24 ID:aJPkrDT20
>>8

【ニット帽の男は、わずかに驚いたような顔をしているように見えた】
【それでも啖呵を切る男……】
【キツネ目の男はその返答を聞きながら、彼が相当修羅場慣れしていることを見て取れた】

「あなたに聞いても、無駄なようですね。
 さあらば、あなたの《体》に聞くのが一番のようです――」

【そうつぶやくと、銀髪がわずかに逆立ち、細目がフッと開かれる】
【能力を発動させる――予定だったのだが……】
【瞬間、ニット帽の男が、銀髪の男めがけて飛び膝蹴りを仕掛けてきたようだ!】

「!?」

【喧嘩慣れしている男の膝蹴りは綺麗に顔面にスマッシュヒットし、
 体重の軽い銀髪の男は無様なくらい吹っ飛ばされる。】

「……これだからイヤなんだ
 下賤な輩ってやつは……」

【地面に倒れながら、ニット帽の男をにらみつける】
【相手の蹴りが威嚇用の威力だったためか、失神までには至らなかったのが幸いした】
【銀髪の男の能力は、すでに発動しており、ニット帽の男の付近の中空に――
 6冊の辞書ほどの大きさの本が不気味に浮いている】

「『ハングリーブックス』。そこの下品な男の身体を……、むさぼり尽くせ!」

【くわわわわわっ!】

【銀髪の男がそう魔本に命じると、本は一斉に開き、牙を剥く!】
【まるで魔物の口のような歯を備えた本たちは、ニット帽の男をめがけて噛みつきにくる!!】

【魔本の動きは銀髪の男が制御している】
【魔本は素早く動くものの、ニット帽の男の身体能力が高ければ、
 噛みつかれることなくよけ回る事も可能だ】
【しかしもしも噛みつかれたら、その部位は痛みこそ感じないものの、
 魔本の中に閉じ込められてしまうだろう……】

10バイオレット・タイガー・自由の躍り手・レジスタンス:2015/06/04(木) 04:42:29 ID:???0
>>9
【おっしゃあ!】
【これだから喧嘩馴れしてない奴は…いや、あいつが最後に言っていたことがやたら物騒過ぎて油断できねぇ】

「おぅ、お目覚めかい?」

【受け身も取らずにぶっ飛んだところを見る限りじゃあ殴り会いをするタイプじゃあ無さそうだが下賎だと?】

「はっはー!そいつぁどーも、だったら吠え面かくなよ!金持ちの甘ちゃん!」

【上等だ!上等に上等なてめぇのその体をおぼろ豆腐みてーにしてやんぜ!】

「っとなんだぁ!?」

【あれは本?なのか?しっかしついぞ本なんざ読んだ事もねぇ俺の認識が間違ってなきゃ本は空を飛ぶモンでもましてや歯が生えてるモンでもねぇはずだが…そうか…これがあいつの…】

「おっわあぶねぇ!」

【本の数は六冊か、素早いが恐らくそれを操っているのはあの銀髪、攻撃のリズムは割りと単調だな、なら】

「いぃぜいぃぜぇ、こちとらダンサーだぁ、踊ってやんよ!」

【一冊目をジャンプで、二冊目を右にステップを踏んで、三冊目は服を使ってターンでいなして、四冊目は前転で、五冊目は頭を下げて、六冊目は…】

「ぅおらぁ!」

【一回り大きくなって濃い紫と黒の柄に染まった剛毛、そして鋭い鉤爪】
【つーか俺の左手で強引に弾き飛ばす】

「俺の名はバイオレット・タイガー!誰も俺を止められねぇ!」

【そして俺は身体中に着けてるカンバッチを一掴み無理矢理引きちぎって虎の剛腕の力であの銀髪にぶん投げるぜ!】

11クインジュン・情報を食らう魔本使い・帝国 ◆Fy4DFoCzz2:2015/06/04(木) 19:07:32 ID:ofWyNZws0
>>10

「なっ……」

【目の前のニット帽の男の動きは、軽やかであった】
【まるで舞のような……キツネ目の男が操る魔本を、紙一重の差でかわし続ける】
【その動きに、倒れたままの魔本使いはしばし目を奪われるが……】
【最後の魔本が巨大な獣のような手で薙ぎ払われるのを見、男は我に返った】

「貴様は、在野の……魔法使い、つまり"狩り"の対象というわけですな」

【そんな気はしていたのだ。彼が立ち止った時から、なにか惹かれるものがあった】

「バイオレット・タイガー、その名、覚えておきましょう……」

【男は立ち上がると、魔本を終結させる。】
【今日は特に、戦闘用の準備をしていない。真っ向勝負は苦手なのだ】
【ニット帽の男はなおも追撃で、体に付けている何かを飛ばしてきた】
【キツネ目の男は魔本を召喚し、飛んできたそれを齧らせる】
【が、魔本の口に合わなかったのか、即座にペッと吐き出された】

「チッ……金属ですか」

【そうつぶやくと、男は背中を向けて立ち去ろうとする】
【魔本は追撃に備え、男の背中に浮かせてある】

「しかしマァ、野良魔導士ほど厄介な輩はいませんな……
 どれどれ……と」

【バイオレット・タイガーが最後に薙ぎ払った魔本が、わずかに彼の指先を齧っていたようで】
【回収した魔本には齧り取った分の彼の情報が書かれていた】
【とはいえ、指先一つ分の文の分量……】

『……鋭い鉤爪と腕……』

「これだけじゃ、なんの情報にもなりませんね」

【男は魔本の背を叩き、齧り取った指先をペッと吐き出させると】
【バイオレットタイガーの指先は何事もなかったかのように元に戻るだろう】
【きつね目の男はいまだゆっくり歩いている】
【追撃を仕掛ける事も、今だったらできるだろう】

12バイオレット・タイガー・自由の躍り手・レジスタンス:2015/06/04(木) 20:48:16 ID:???0
>>11
【おいおい、冗談じゃねぇぞ】
【あの本って防御にも使えるのかよ】
【しかも耐久力も普通の紙の束たぁ思えねぇ】

「ケッ、やっぱ直接ブン殴るしかねぇってか?」

【しっかし気にかかるのは痛みもなく喰われた筈の俺の指が彼奴がブツブツ言った後に戻ってやがったとこだ】
【あの本の事と言い油断はできねぇ】

「なぁ!?」

【あ、頭大丈夫かコイツ?自分の命が掛かった喧嘩で背中見せるとか正気じゃねぇぞ完全に】

「舐めんのかゴォラァ!」

【瞬発力なら自信があるぜ、一旦左手を戻してから突っ込んでこの紫と黒の虎柄をてめぇの血で真っ赤に染めてやんよ】
【そういって俺は銀髪に向かって走り出した】

13クインジュン・情報を食らう魔本使い・帝国 ◆Fy4DFoCzz2:2015/06/04(木) 21:01:30 ID:ofWyNZws0
>>12

「単、純……
 トラにはやはり、トラバサミが有効なんですねぇ……」

【銀髪は、背後から奇声を上げて突進してくる男に対して、振り返りもしない】
【彼は、罠を仕掛けたのだ】
【空中に浮かせてある魔本は、あくまでも目線をそらし、最低限の防御のための盾】
【近づいてくる気配を察しながら、銀髪の男は相手の踏み込む足にあわせて、
 地面に魔本の”口”を開けたまま召喚した。】
【直線的なルートをみこしたそれは、もしよけなければ
 まるでトラバサミのように、タイガーの足を食らうだろう】
【齧られでもすれば痛みこそないが、踝を食いつかれれば転倒は必至だ】

「ちょこまかと舞うにも、足を取られてはそうもいかないでしょう……
 バイオレット・タイガー。
 帝国は、あなたのような野良能力者を生かしてはおかなくなりました。
 わたしも帝国の禄を食むもの……
 ここであなたの命を取るのはたやすい、が……
 貴様のような下賤な者の命をとったところで、名門・サウスナレジ家の名誉に傷がつきます。
 せいぜい、殺されないうちに、帝国の軍門に下り、忠誠を誓う事ですね」

【そういいながら、キツネ目の男は振り返りもせず、悠遊と去ろうとする】
【罠にかかったかどうかはさておき……】
【キツネ目の男から200メートルも離れれば、魔本は力を失い、消えるであろう。】
【男は去っていこうとするが、タイガーはどう出るだろう?】

14バイオレット・タイガー・自由の躍り手・レジスタンス:2015/06/05(金) 17:22:13 ID:???0
>>13
「なぁっ!?」
【なんだぁ!?まるで踏み込んだ感触がねぇみてぇだって足が本に食われてやがる、ふざけやがって】

「片足じゃあ踊れねぇと思ってんじゃねぇよ!」

【俺は吠えながら倒れる体の力を紫の虎の腕に上乗せして地面をぶん殴って空中に飛び上がるぜ】

「勝負だ銀髪もやし野郎!」

【空中だし方向転換もできなきゃ腕、いや、爪か?を降り下ろしてる最中だから防御も取れねぇ挙げ句の果てにこのまま落下しても受け身もとれねぇときた】
【だが追撃を食らう前にあいつの背中をこの腕が貫きゃ俺の勝ち、リスクがでかいがリターンも大きいと俺は踏むぜ!】

15クインジュン・情報を食らう魔本使い・帝国 ◆Fy4DFoCzz2:2015/06/06(土) 23:57:14 ID:dHlibOsw0
>>14
「なんともはや……」

【銀髪の男も、そのあまりの大声と気配に振り返らざるをえなかった】
【足をかき消されてなお、跳躍するその膂力は、まさに人越者といえる】

「これほどの人間が……帝国になびかず、息をひそめていたとは……」

【せめてもの抵抗で浮かせていた魔本を噛みつかせにかかるが
 落下する勢いと巨獣のごとき腕の持つ勢いは、到底止められるものではない】

【ザ、ズン!】

【避ける事もできず、男は背中から胴体を外套のエンブレムごと貫かれた】
【まさに、致命傷――】
【バイオレットタイガーの剛腕は、非力な魔法図書館職員の心臓を
 その手で確かに握り潰し……】
【そしてその手には、魔法使いが死んだ印――コイン大の正八面体エメラルドの「魔石」が生成されていた】

【――帝国大魔法図書館勤務・クインジュン・サウスナレジ】
【王都のスラム街にて、野良能力者と戦闘し、殺害さる】
【GAME OVER】

16黒狼 刃・黒衣の将軍・帝国 ◆0OEYGVrXeU:2015/06/11(木) 17:39:18 ID:???0
【とある屋台の一つ、『テラ盛り塩ラーメン!30分以内に食べきれれば無料!更に賞金も!』という貼り紙が今風に乗って剥がれ落ちた】

「……………ご馳走つかまつった」

【黒い鎧に身を包んだ男は骨っぽい顔つきに似合わず手を合わせて席を立つ】
【青い顔をした屋台の親父と空になった三杯の大きなラーメン丼を後に錆び色の髪が生えた頭部をバリバリと掻きながら賞金を無造作に腰の革袋に入れる】

「ぬうぅ、腹ごしらえは終わったが能力者は出逢えぬ、か」

【暖簾から顔を出したこの男こそ『黒衣の将軍』と唄われし男】
【しかし一つ欠点を言うのなら】

「しかし、先刻から誰も儂に近付かぬ…まだ修行が足らぬか…」

【そのあまりの強面とオーラに誰も近寄ろうとしない事である】
【そしてこの男、いまがたし目に止まったこれも大食いの挑戦を受けると豪語する甘いもの屋に入ろうとする】

//おきです、どなたかどうぞ宜しくお願いします

17トワイライト・フルート [レジスタンス] ◆dmoWZ6YOko:2015/06/12(金) 20:13:29 ID:4iwIre2s0
>>16
「街の事を知っておけとは言われたけれど……帝国って本当に広いのね。外から見た時にはそう思えなかったのに
 それにこんなに人が居ると、大きな蛇の鱗の一部にでもなったみたい。
 ……?何だか美味しそうな匂いがする。行ってみようっと」

【歩きながら、時折何かを確かめるように石壁に手を触れて】
【どこかあどけなさを残す紫髪の女は、バニラの香りにつられてふらふらと歩みを進める】

「うわっ、まるであそこだけ光をすべて吸い込んでいるみたいね」

18黒狼 刃・黒衣の将軍・帝国 ◆0OEYGVrXeU:2015/06/13(土) 04:39:47 ID:???0
>>17

【困りかねて甘い物屋に入ろうとしたところで一人の女性がふと目に留まる】

(ふむ、べつだん能力者でなければ敵対する必要などないのだからな、ここは一つ民に話を聞く事も必要か…)

(ただ…)

(…………………………………………おなごにはいかように話しかければ良いのか…)

(ぬうぅ、わからんがなにやらあのおなごからは引き合うような何かを感じてしまう)

【などと初ことを考えながら熟考、話を聞くことにする】

「もし、其処の麗しき御方」
「ちと、御話をしては下さらぬだろうか?丁度昼時故、茶でもしながら…」

【無骨な武人だからかそういうのは苦手なようで下手なナンパのようになってしまっている】

19トワイライト・フルート [レジスタンス] ◆dmoWZ6YOko:2015/06/13(土) 21:44:50 ID:4iwIre2s0
>>17
「わ、私ですか?いいですけど……それじゃあ失礼しますね」

【財布だけ持ったまま店内の座席のうちの1つに腰掛けて】

「それじゃあ私は……あっ、ドーナツ揚げたてだって。これにしようっと
 私はつい最近ここに来たんです。最近は能力者狩りも一際苛烈になっていると聞いていたのですけど
 こんなのんびりした所があったんですね」

【とりたて恐れる様子もなく――どのような理由にせよ――店の人込みを見渡したり、彼の方を向いて笑いかけたりする】

20黒狼 刃・黒衣の将軍・帝国 ◆0OEYGVrXeU:2015/06/14(日) 03:42:24 ID:???0
>>19
「うむ、それでは拙者はこのチャレンジチョコレートサンデーのビックバンサイズ…そうだ、賞金の出る、うむ、それとこのロイヤルミルクティーなる茶を二つ、以上だ」

「そうであったか…故郷(くに)は遠方であるか?」
「実は拙者も元は亡国の民、武者修行の末にこの帝国に流れついたのだが………ぬぅ、それ故言葉がやや可笑しいかも知れぬが御容赦願いたい」

【それで、と少し間を置いて】

「今度の能力者狩り、民はどう思っているのだろうか…いや、答えはわかろうと言うものだが……それでも聞かせて貰えぬか?」

【そうして運ばれてきたアツアツのドーナツと紅茶、座高の高い武人の頭が隠れる程の甘味】
【店員がストップウォッチを作動させれば女性の話を聞きながら食べ始めるだろう】

21トワイライト・フルート [レジスタンス] ◆dmoWZ6YOko:2015/06/14(日) 09:41:23 ID:4iwIre2s0
>>20
「わあ、それいっちゃうんですね。……大丈夫ですか?」

【聳え立つ甘味の山の横から心配そうに顔を出して】

「ええと……そうですね、私も故郷らしい物はなくて。気が付いたら一人で生きていた、という感じなんです
 そういうのもあって人の多い場所をなんとなく避けてしまって……」

「……」

【武人の質問に対し、運ばれてきた紅茶を口に含み暫く考える】

「うまく言えないんですけど……何となく、間違っているような気がします。たぶん……この国はどうなっちゃうんだろう」

【不安げに外の方を見て。夜ならば月も見えているのだろうが】

22黒狼 刃・黒衣の将軍・帝国 ◆0OEYGVrXeU:2015/06/14(日) 14:01:44 ID:???0
>>21
「そうであったか…貴殿も難儀な身の上であるな…」

【頭が痛くなるくらい冷たいアイスをパクパクと大口を開けて食べ進む】

「間違っている、か」
「ふむ…きっと、そうなのであろうな…」

【滝のようにこれでもかと掛かったチョコレートソースでコーティングされたマシュマロがスプーンで串刺しにされ一口にされ大義そうに紅茶に手を伸ばす】

「王たる者は本来なら民の為に良きようにしようとせねばならないのだ…」

【仮にこの今一緒にお茶をしている女性が能力者で有れば皇帝の命により切り捨てなければならない】
【いくら忠義を尽くすと決めた人物の命令とはいえ】
【いくらこの自分が強者との戦闘を望んでいるとはいえ】

「無益に未来のある者達を傷付けていいはずがない」
「それにもし能力者が結託して帝国と戦いにならば一番被害を被るのは弱き民ぞ」

【そんな重い話をしながら最後に、と、取っておいたプリンに取り掛かる】
【と言うかもう殆ど食べ終わって店員が青ざめている】

23トワイライト・フルート [レジスタンス] ◆dmoWZ6YOko:2015/06/15(月) 22:53:43 ID:8BkTsPxY0
>>22
「いえいえ、そんな。心配させてしまってごめんなさい」

【気持ちを落ち着けるため、出されたドーナツを一口齧る】
【齧りながら改めて、眼前の彼が食べている物は凄まじいなと感じて】

「民の為、良きように……もしかしたら、王様は良いようにと思っていてもそれが正しく伝わっていないだけなのかもしれませんね
 私も時々思うんです。私は捨てられたと自分で思っているだけで、父や母はそうではないかもしれない、って
 こんな事考えても意味ないかもしれないけど……わっ」

【熱い紅茶に口を付けようとした時、店内の騒がしい集団に身体をぶつけられる】
【胸の辺り、あまり立派ではない衣服に熱い紅茶がばしゃりと降りかかると、その部分が僅かながら溶けたようになって――】

「――し、失礼します!すみません!」

【食事も財布も置いたまま、胸元を隠すようにして大急ぎで外へ出ていった】

24黒狼 刃・黒衣の将軍・帝国 ◆0OEYGVrXeU:2015/06/16(火) 20:47:52 ID:???0
>>23

「気になされるな、そんな民を護るのも我が職務の一つなり」

【女性の言葉にほんの、ほんのわずかに口許を緩ませる】

「拙者もそうであることを願いたい、なにを言われるか事情があるようだが実の愛娘をなんとも思わない親などおらぬであるよ」

【そして店内の喧騒に紅茶の滴飛ぶ】
【も、そのステキナコウケイを見る見ないかの速度でそれこそ残像が見える程に首を横にして視線をそらす】

「………………誓って何も見てはおらぬ…御安心成されよ」

【この男、変に純情であった】

「…ぬ?」

【そして先程急いで出ていった女性が残して行った財布を手に取る】

「…せめて名だけでも伺っておくべきであったか…紫色の髪が美しい方であったな…して、お主らよ」

【先程の騒ぎと共に入ってきた集団、あらくれものの能力者を睨み付ける、そして店員へ一言】

「すまぬな主よ、儂の賞金はドアの弁償に使ってくれ」

【漆黒の爆発と共に通りに吹き飛ばされる能力者、次々と触手を出したり剣作り出したそれらに錆色の鬣のような髪をさかだてて静かにいい放つ】

「我こそは皇帝に仕える一振りの刃…黒狼 刃なり!」
「陛下の命により!貴殿らの御命頂戴つかまつる!」

【背のクレイモアと腰の黒刀を引き抜き、黒衣の将軍が今名乗りを上げた】

//大変お疲れでしたいずれまたロールしましょう!

25トワイライト・フルート [レジスタンス] ◆dmoWZ6YOko:2015/06/17(水) 22:16:04 ID:8BkTsPxY0
>>24
(いけない、財布を――って言っても、大した物が入っている訳じゃないけど……)

【傷ついた胸元を手で隠しながら人込みを潜るかのように掻き分け、あの真っ黒男から可能な限り離れようとする】
【財布の中には多少の小銭、詩集の頁が切り取られたものが幾つか入っているばかり】

「――きゃっ!な、何!?」

【路地へと姿を消す直前に漆黒の爆発を見るが、直ぐにまた走り出した】

//おつかれさまです

26ファッティグラビタン ◆Tj20KbDC5E:2015/08/17(月) 21:39:15 ID:YmYOxBSs0
「ふうふう……この国の気温はもう少しぬるくならないか……?」

【灼熱の夏の季節、一人の巨漢が大勢の従者を引き連れ、大通りを歩いている】
【どうやら大商人のようだ。砂漠の民の民族衣装を着、指にはゴテゴテの指輪をしている……】

「こんな真昼間に奴隷の見分なんて……ワシは働き者よのう……」

【大商人はそのまま、従者を引き連れて王城の広場に進んでいく】
【どうやらそこは奴隷市場になっており、今日は月に一度の奴隷のオークションの日のようだ……】
【デブ男は汗を拭きながら、街の大通りを歩いていく】

/置き!! 23時には反応できるよ!

27アーデルハイト/異類異形のハイアート/帝国:2015/08/17(月) 21:50:28 ID:???0
【日の暮れた市中、陽が沈んだあとに残る赤色が、彼女の長い髪を染める。】
【歩くたびに揺れる赤。ぼやけた夕日の下、彼女の異常は揺光の中で誤魔化されて】
【一目見た程度では、何もおかしさを感じないだろう。振り向いて二度見したとき、何か気付くかどうか。】

「あら」

【ふと足を止めて、わずかに長さの違う両腕を持ち上げる。】
【軽く丸めた左手を、右手の手の内に覆い隠しながら。自らの左手を見つめる眼が曇った。】

(直しておいた方がいいかしら・・・?)

【細い指。主張の少ない関節。しなやかな手の端に位置する小指で】
【酷い突き指の痕みたいに指先が横に歪み、爪は黒ずんで丸まっていた。】

【女はスカートの裾を翻し建物と建物の間に消える。】

【胸の上に手を重ね、伏せ気味の視線でそっと周囲を伺う。】
【一目をはばかりながら静かに路地裏を歩く女性は、逢瀬を待ちきれない乙女のようで。】
【深い緑の瞳が、輝いていた。】

28アーデルハイト/異類異形のハイアート/帝国:2015/08/17(月) 22:04:40 ID:???0
>>27 取り消しで

>>26

【男の周りには数多くの従者が控えており、男に近づくのは容易ではない。】

「恐れ入ります。グラヴィタン様でいらっしゃいますか?」

【だから彼女も、数メートル向こうから声を張ることになった。】
【朗々として清明。ちょっとした劇の一場面を思わせる声に、広間の人々の視線が集まる。】

【声の主は、長身の女性だった。長い金髪をなびかせながら男に会釈し、ついで周囲の人々にも微笑みかける。】
【その姿も、その仕草も、どちらも非の打ちどころの無いものでありながら、見る者に眩暈のような違和感を残すものだった。】

「ご名声はかねがね耳にしております。今日もこれからお仕事に励まれることでしょうね」

【まだ自分の名も告げていないのに、当然のように従者の列に割って入る。】
【自然と従者たちが道を開けてしまうだけの風格を、彼女は持っていた。】

「忙しければお仕事のあとで構いませんから、少しお話しに付き合って頂けませんこと?」

/よろしくお願いします

29ファッティグラビタン ◆Tj20KbDC5E:2015/08/17(月) 22:30:48 ID:0C102c1M0
>>28
「ああーん? 誰じゃね……ハッ!」

【巨漢の男が振り向くと、そこには気品漂う女性が凛とした姿で立っている】

「そ、そなたは……」

【従者の列が、割れる】
【巨漢の男は大きく汗を拭き、大げさな敬礼をする】

(この者の気品やしぐさ……上流階級の教養のある者――
 大げさな拝礼をしてソンはない……!!)

【男は、取り入るべき人物を見極める目には優れていた】
【巨漢の男は大きな体を卑屈にふるわせて、女に目線を合わせる】

「あいや。私のような身分の低い商人にお目をかけていただけるとは……
 そのとおり、私はグラヴィタン。人は私を『肥えた(ファッティ)グラヴィタン』などと噂しますですじゃ」

【しかしその目は油断なく女を嘗め回す】

「ええ。たしかに私はこれから仕事ですが……
 よければ、仕事場までの道中、ある気ながら出良ければご一緒にお話をお聞きできれば……
 して、もしよろしければ、ご尊名をお伺い賜れればと……」

【従者数人が取り囲む中、巨漢は相手の女の名を問う】

30アーデルハイト/異類異形のハイアート/帝国:2015/08/17(月) 22:55:42 ID:???0
>>29
「名乗るほどのものではありませんが」

【そっと巨漢の横に寄り添い、男の作る大きな影の中に身を置く。】
【あれほど目立っていたのに、従者の控える中に混じって声を落とすと、周囲からは見えなくなってしまう。】

「イエネッケの末娘。アーデルハイトと申します」

【雑踏の中で、グラヴィタンにだけ聞こえるようにと顔を近づけて、その名前を囁く。】
【一瞬、男の丸い腹に手が当たった。冷やかな空気と反対に、女の手は暖かかった。】

「わたくしの名をご存じなくても、しようの無いことです。身体が弱いもので、あまり社交界に出る企画がなかったものですから」

【『イエネッケ』までは、この国で商売をするなら知っていておかしくない家名だ。】
【歴史もある。実力もある。政権闘争でも卒が無いし、領地経営も好調だ。】
【だが『末娘のアーデルハイト』を耳にすることはほとんどないだろう。よほど記憶力がいいか、眉唾な噂が大好きなのでもなければ。】

「人前では話しづらい内容になりそうなのですが、どうしたらよろしいでしょうか?
こういった場所だとお人払いも難しいでしょう。どうしたものか、わたくし分からなくて。
グラヴィタン様なら、こういった場での作法にも通じてらっしゃるかしら」

【言葉でこそ、そう言っているが。】
【囁き声と口元を隠す仕草は、彼女がこちら側の礼儀作法も修めていることを物語っている。】

31ファッティグラビタン ◆Tj20KbDC5E:2015/08/17(月) 23:19:26 ID:0C102c1M0
>>30

(イエネッケ……? あの旧名家を鼻にかけるハナモチのならん一族の者か!!
 しかし……かの一族に女などいたのか……?
 社交の場に出るのはスマした野郎共ばかりだったが……)

【巨漢のハラに、女の手が一瞬触れる。服越しでも伝わる、異様な体温――】

「ふうむ……。おおい、従者どもよ。
 オークション会場には先に行き、所持万端済ませよ!
 私は、かの公女様と会談に遷る!!」

【巨漢はそう号令をかけると、従者たちはサソクサと男の周りから離れた】
【一人の案内係りが、すぐ近くの建物へ案内しようとしている】

「ちかくに、我々の商会で使っている連絡所があります。
 なにやら、緊急な用事の様子……そこでお話をうかがいましょうて……」

【そういうと巨漢の男は唾をのみ込み、好色な目で女を見渡した】

(名族の……知られもしない末端の女か――
 顔だちは、悪くはないな。体は若干華奢だが。
 フム……いかなる用事かはしらぬが、大方借金の申し込みか……。
 私にも知らぬ一族の娘。ならば、急に失踪しても騒ぎにはなるまいて。
 さあらば……わたしのイチモツを持ってして、快楽地獄にでも落とし調教し、
 好色なるバカ商人どもに売り払うのも、ゼニにはなる……クックック)

【よからぬことを考えながら、巨漢は簡素な部屋に女を招き入れようとしている】

32アーデルハイト/異類異形のハイアート/帝国:2015/08/17(月) 23:42:54 ID:???0
>>31

「ありがとう存じます」

【案内に従って広間から離れていく。】

【男の卑下た視線に気付いて、無意識にふともものナイフホルダーを確かめようとした右手を意志で抑え付ける。】

(目元の肉が厚いせいでしょうか。視線の先が読み辛いですね。ただわたくしを見ているだけではない気がします。
それに、このブタは扱う商品が商品ですから。ある程度までは見透かされている前提でいくべきでしょうね)

【部屋に入れば、すぐに窓の位置に目を走らせる。先ほどまでと違い、警戒の色をことさらに隠そうとはしない。】
【それでいて、椅子の前で立ち止まって暗に『椅子を引け』と言ってくる厚かましさ。】

「おっとりしてらっしゃるのね」

【と、言葉を重ねて意地でも相手に椅子を引かせようとしてくる。】

「わたくし、家の中で疎まれておりまして。どこへ行くにもお付きとは名ばかりの監視に悩まされる日々ですの。
こうして幸運にも一人で外に出ることが叶った日に、あなた様のような方に巡り合えて、今日は本当に幸運な日です」

【ことさらに芝居がかった調子で語る言葉は、どこか楽しげだ。】

33ファッティグラビタン ◆Tj20KbDC5E:2015/08/17(月) 23:58:37 ID:0C102c1M0
>>32

【簡素な部屋は、秘密会談をするため、防音が施されている】
【中には簡素な机と椅子、ソファーなどが置かれている……】

「これはこれは……気が付きませんで……」

【好色な巨漢の男は、女の髪の匂いを堪能しながら、椅子を引いて着座を促す……】
【男はそのわきに立ち、今は、卑屈な態度で女と相対する】

「人払いを施し、外には鍵もかけております。
 たとえ、叫び声をあげようとも、外には聞こえない仕組みでございます。」

【男は壺貯蔵してある冷茶をひしゃくですくい、椀につぐと、女に差し出す】
【その目は、とにかく女を目踏みし、値段をつけている最中だ】

「幸運。あいやあいや、私にとってもじつに幸運でございますよ……
  ……して、その話とは、いかなる……?」

34アーデルハイト/異類異形のハイアート/帝国:2015/08/18(火) 00:19:58 ID:???0
>>33

(私の耳でも、外の音が聞こえません。情報収集用の魔法でも無い限り、盗聴はなさそうね。
そして十二分な防音性の分、見た目よりやわそうな気がします。
精神刺激系の薬でリミッターを外すだけでも、この壁なら破れるでしょうか)

【茶の味を楽しむふりをしながら、思案を巡らせる。】
【けれど、すぐに口を付けるのは軽率だったかと、椀を置きながら少し反省した。】

【毒を警戒しているわけではない。その手のものに対する耐性には自信がある。】
【けれど、その自信を覗かせるのはよくない。自分の魔法は出来る限り隠すべきだ。】

「つやのある渋み、大変気に入りましたわ」

【そんな考えを押し込めて、代わりに世辞を引っ張り出す。事実、悪くない味だった。】


「自由になりたいの」

【嘘じゃない。本当のことだ。そう自分に言い聞かせて、努めて幼く、儚い声で。】

「あなた様なら、できるでしょう?
世界の果てから生き別れた半身を探し出したり。難しい方にお話をお通ししたり。
グラヴィタン様のそういった魔法のような働きぶりに関しては、話にこと欠きませんわ」

【身代わりの斡旋。間諜を寝返らせる。特に後ろ暗い仕事を指した喩え。】
【『魔法のような』という形容も、ここ最近では少しばかり意味に含みがある。】

35ファッティグラビタン ◆Tj20KbDC5E:2015/08/18(火) 00:34:18 ID:0C102c1M0
>>34

「自……由……?」

【それほど警戒せず、茶に口をつけた女に対して、組し安しと見ていた男】
【だが、意外な発言に、巨漢はややたじろいだ】
【彼は名の知れた『奴隷商人』。自由という言葉よりは、自由を阻害する悪名の方が勝っている】

「……フハッ。たしかにたしかに。
 さあれど、それは私めのちからではござらぬ。
 それらの≪魔法≫とは、まさに……「金」の力でございます」

【そういうと男は上着を半脱ぎ、その懐から砂金を取り出し、机の上にこぼれさす】

「これが……わたくしめの≪魔法≫の力の源にございますヨ。
 魔法帝国をしのぐ、魔法の力……これからは『経済』を手にしたものが、この国の真の支配者になるのです。
 ……自由を、ご所望でしたな……
 さあれば、なにがともあれ、まず「金」でございましょう。
 そして、あなた様は、その金を生み出す【価値】を、お持ちでいらっしゃる……」

【近寄ってみれば、気品ある顔立ち。美しい髪、りりしい瞳……】
【上玉の女だ、と巨漢の男は実感する】
【上流の商人どもの性奴隷として売り払えば、城の一城でも左右する金になりかねない】

「いかがでしょう。わが、グラヴィタン財団と「契約」なされては……
 我々と契約すれば、あなた様を用いて「自由のための金」を生みだす手ほどきを仕込ませていただきましょう。
 なぁに、契約といっても、簡素なものです。難しい知識などいりませぬ……」

【そういって男は、女のきゃしゃな体の肩に手をかけようとしている】
【わずかに、男の右手が発光している】
【能力が発動している――男の能力……それは……】

「なあに……契約は一瞬で、済みます……
 ええ、痛みも、たった、一瞬のこと……
 お前はただ、わしを受け入れ、そのまま快楽に浸ればよいのだ……」

【《ミダス・タッチ》!】
【それは、男の右手に触れた部分は、金に変わってしまうという能力だ!!】
【男は脅しもかねて女の体を金に変え脅し……性的に暴力を働き、屈服させようと考えている!!】
【部屋の大きさは10畳ほど。中央には椅子。窓はなく、助けを呼ぶ声は外には届かない】
【出口は、男の向こう側に一つだけだ――!!】

36アーデルハイト/異類異形のハイアート/帝国:2015/08/18(火) 00:56:24 ID:???0
>>35

「そうね。それも必要なものです。けれど今わたくしが欲しいのは――」

【彼女は大気中に魔法元素に干渉する術を知らないが、魔法使いには違いない。】
【魔法が使われていば、それを察知するくらいはできる。】

【だが、遅かった。】
【相手が言ったように、それはまさしく『一瞬』だった。】


(油断したかしら。でも、相性は悪くないみたいですね)

【飛び退いたときには既に左肩を中心に“金化”が発生している。】
【肩口にかかる異質な重量。ただ立とうとするだけでもちょっとした努力を要する。】
【今しゃがみ込んでいるのも跳び上がるためというよりは、重さに驚いてバランスを崩したのを取り繕った意味が強い。】


「わたくし、何方かを受け入れる幸せというのは想像できませんの。
あなたとは、もう少し違った関係を築きたいものですね」

(まあ、何度致しても『再生』するというのは、確かに商品価値は高いでしょうね。
だからこそ、そこに価値を見いだせないのかもしれませんけど)

【男の能力が右手で発動したのは幸運だった。動きを封じられたのは左肩の方。】
【もし右腕の方を止められていれば、ナイフを取り出せずに困ったかもしれない。】


(左右がアンバランスなのには慣れてますし、片腕を壊す程度はそう珍しいことでもありません)

【女はゆったりとしたスカートの下から刃物を取り出し、立ち上がって構えた。】


(切り落として直すのと、ここから逃げ出すのと……でもまずは、相手の出方を伺いましょうか。)
(外界干渉のできる魔法でも、身体強化が無いとは限りませんし)

37ファッティグラビタン ◆Tj20KbDC5E:2015/08/18(火) 01:05:15 ID:0C102c1M0
>>36

「ムゥ……!?」

【わずかに肩にふれたが、あの程度では肩の一部を金に変えたに過ぎない】
【しかも相手に動揺はない――】

(さすがにイエニッケは旧家……この程度の魔法能力を見るのは慣れている……?
 いや、この落ち着きぶりは尋常ではないッ
 まるで、幼少期から家庭内で、より苛烈な仕打ちをうけていたような――)

【しかし男もまた修羅場を乗り越えてきた闇の住人でもある】
【動揺をみせず、刃物にも動じず、堂々と立ちふさがる】

「所詮……女の使い道など限られておる。
 ふふ……その気丈な口ぶりは、金になる。簡単に屈してくれるなよ……」

【そういいつつ、男は自分の左腕をなでつける】
【左手が、黄金にコーティングされる】
【刃物対策として、左手を金で硬化させ、刃物攻撃に備えたのだ】

「貴様を組伏し、よい慰安奴隷として愛でてやろうぞ!!」

【男は黄金になった左手で、ナイフを奪い取ろうと女に手をかける!!】
【そのまま組技に持ち込もうとしているようだ】
【構えから、男はレスリングの経験があるようだが……?】

38アーデルハイト/帝国:2015/08/18(火) 01:31:06 ID:???0
>>37

「これは、痛くないのですね。随分と優しい魔法だこと。
それともこれから、血の廻らなくなった腕先が壊死していくのかしら」

【刃物を扱い慣れていない人間は、それを振るのを躊躇する。】
【躊躇いを乗り越えるために必要以上に力が入るか、必要な力を込め切れないか。】

【けれど彼女に、迷いは無い。】

【刃先は迫ってくる男に――ではなく、彼女自身に向かった。】

「あぁ……」

【悲鳴と言うよりは嬌声に近い。】
【黄金となった自分の肩を、根元から抉り取るように、ナイフを突き刺して回す。】
【ごぼり、と。泡立つ沼を思わせる厭な音と共に、血が溢れ出す。】

(こういう切り方は初めてだったかしら。骨に当てて、少し刃を傷つけてしまいました。
綺麗な刃でしたのに、なんだか申し訳ありませんね・・・)

【肩口に突き刺さったナイフから女の手を引き剥がすことはそう難しくない。】
【ただでさえ血で汚れているのに、無理に足掻いて刃を駄目にしては意味が無いと、そう考えているからだ。】

【溢れた血の中から、赤い筋肉繊維が生え、伸びていく。】

(接近戦なら、望むところ。けれどこれで、下手に逃げられなくなってしまいました。
もう少し体術というものに通じていれば、と思うのは何度目でしょうか)

39ファッティグラビタン ◆Tj20KbDC5E:2015/08/18(火) 01:46:03 ID:0C102c1M0
>>38

「なっ……何ぃぃ!!」

【鮮血が、男の顔にも飛び散る】
【男は女のその突然の行動に躊躇し、立ち止まった】
【そしてその次に……その傷口がぐちゃぐちゃと音を立て、何らかの動きを見せている】

「貴様も――魔法能力者だったのかっ!!」

【誤算――】
【相手は、異様な力を持つ魔法能力者だ】
【奴隷として売るには、少々ホネが折れる――】

「さあらば……貴様を死体とし、魔石を宰相殿に奉納するまでよ!!」

【とはいえ、男は攻撃的な能力ではない】
【行動を牽制し、交渉に持ち込むのが男の能力の特性である】

(異形の力とはいえ……攻撃の気配はない!
 攻めるのみ! 凌辱し、心を屈服させるのみぃぃぃっ!)

【男はためらいながらも、肩口のナイフを引きはがそうと試み……】
【そのまま体当たりし、壁際におしつけ、黄金化した左腕で顔面を容赦なくなぐりつけようと試みる!!】

40アーデルハイト/帝国:2015/08/18(火) 02:04:50 ID:???0
>>39

「さあ。家では散々な言われようでしたし、果たして私から魔石が生まれるかどうか。
あなたのものに比べると、見ての通り、すっきりとしていませんでしょう?

【言葉のリズムはゆったりとしたまま。】
【相手に動きがあっても、言葉を途中で切ることはしない。】

「これを魔法と言ってくださるのは、光栄なことですけどねぇ」

【ナイフは引き剥がされた。体当たりも決まった。】
【だがそのまま壁に押し付けようとしたとき、あらぬ方向から男に力が加わる。】

【傷口から伸びていた肉塊が、腕の形を取っている。】
【首と平行に縦に伸びて出来上がった異形の腕が、男の服を掴みかかりに来る。】

【体当たりされ、吹っ飛ばされているところだと言うのに、女から伸びた三本目の腕は】
【男を掴んで、体当たりの力に上乗せして引っ張り込み、逆に男の頭を壁に叩きつけようとしてくる。】

(力加減が難しいのですよね。ついやり過ぎて、服を破いて力を逃がしてしまいがちです。
上手く引っ張り込んで、衝撃はブタさんに被ってもらわないと……壁にぶつかったら、痛いのでしょうね)

41ファッティグラビタン ◆Tj20KbDC5E:2015/08/18(火) 02:14:12 ID:0C102c1M0
>>40
【なおも、女は落ち着いていた】
【男は右手でナイフを引きはがし、体当たりの後硬化した左手で女の首をつかみ、壁に押し付けるが――】

「!?」

【肩口から、もう一本の腕が出現していた!】

「なっ」

【強力な力でひっぱられ、男の体は壁に叩きつけられる!!】
【あまりに強力な衝撃!!】
【施設の壁には大きくへこみ、男の頭は壁にめり込んだ!】

「……あ……あ、あ……」

【あまりに体勢が悪かった】
【意外なところからの不意打ち……男は舌も噛んだのだろう】
【当たり所はあまりに悪く、巨漢の男は失神した……】
【失神と同時に、肩口にこびりついていた金も消え、元に戻っている】
【男は完全にノックアウトされたようだ】

【ドアの小さなのぞき窓から、ちらちらと案内の小男が様子を伺おうとしている】
【衝撃と、ただならぬ雰囲気を察しているようだが……】
【もともと人払いもしているので、特に守備兵もいない。脱出は容易のようだ】

42アーデルハイト/帝国:2015/08/18(火) 02:28:11 ID:???0
>>41

「あら? ふくよかな方は衝撃には強いものと思っていましたが」

【崩れ落ちた男の瞼をめくって、本当に気絶しているか確かめる念の入り様。】
【ナイフを拾い、刃の血を軽く服で拭って鏡面で自分の傷口と、そこから伸びる腕を確かめる。】

(このまま出るわけにはいきませんね。綺麗に切り取って直さないと……)

【ドア横の死角に立って、血に濡れた服ごと肉に切り込む。】
【切れ味の落ちた刃は、一太刀では肉を断てず、うめき声だけが漏れた。】


【――】

【やがて少々派手なお色直しが済めば、女はその場を後にすることだろう。】
【その場にもう一度会いたい旨の書置きを残し、代わりに男の見せた砂金を、男の服から切り取った布で包んで持ち去って。】

/こんなところでしょうか。お疲れ様でした。

43ファッティグラビタン ◆Tj20KbDC5E:2015/08/18(火) 11:53:06 ID:obcXvfRM0
>>42
【女が去った後、グラビタン商会の使用人たちが、巨漢の男を救出しにやってきた】

「……」
『グラヴィタンさま、こんな書置きがありましたが……あの女は、いかがいたしましょう? 探し出して血祭りに……』
「……いや。」

【全身に汗をかきながら、頭を抑えながら巨漢は座り治療を受ける】

「あの女……金になる。いいか、もしあの公女を見つけたら、
 丁重にもてなし、すぐさま連絡をいれるんだ。
 『奇貨居くべし』……われら商人の鉄則よ」

【そういうと、男は痛みをこらえながらも、ニヤりと笑うのだった】

/送れましたがお疲れ様でした!! ロールできてよかったです!


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