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オリロワVR雑談スレ

1 : 名無しのアバター :2020/09/07(月) 19:08:10 cWvqC4Kg0
雑談スレです


2 : yW/ATj3E0 :2020/09/22(火) 00:15:21 AiQ8SpbE0
コテハン練習したい。目汚し失礼


3 : 名無しのアバター :2022/05/28(土) 23:08:38 hhu14PLM0
完結お疲れさまでした。
読み始めたのは最終回からでしたが、せっかくなので感想を。

0.新しい世界へようこそ!
語り口はVRMMOモノの作品内広告そのものだなあ、と思った。
ロワのルールが合わさることで、何もかもおかしいと言いたくなる箇所が随所に出てきて読者側の認知がバグる。

> まあ! なんて豪華賞品! ぜひとも勝ち残りたいですね。
> この2時間で沢山の勇者を殺害してライバルに差をつけろ!
ここらへんがお前は何を言っているんだ感があって好き。

あと、ワンポイントアドバイスが妙にテンション高いよね。
お前はどんだけ殺し合いが見たいんだよと。


1.TAXI DRIVER
真央ニャンってパラメータ・スキル構成そのものがコンプレックスの塊だ。
アダルティーで爛れた雰囲気だけどまるでダメな大人だわ。
けれど熱心で単価の高い古参ファンがいるのはなんか分かる気がするし、
動画配信者とかやってれば意外とPV稼げたのでは・・・? とか思った。
クズだけど一線は越えられない小市民っぽさもあるのでクズ好きとしては視てて楽しいです。

笠子はこの時点ではかなり正体不明な存在。
人当たりもいいし最後の独白も善良な市民って感じなのに、容易く皆殺しを選択してて、正気で狂ってるようにしか見えない。
キャラクターシートもトップクラスに不気味で、自力では一線を超えられなかった真央ニャンがずぶずぶ呑まれていくようにしか思えない。
彼女の乗ったタクシーは修羅道の一本道を配送中、みたいなイメージが浮かぶ。


2.二人のP/信じあう力はいつか
切間くん、2014版に出てた探偵の関係者かと思ってしまった。立場が裏だったわ。

インパクト重視の一話に続いて、情報回みたいな感じの二話目。
青山探偵の関係者の多さをうまく利用して、現況を色々と整理してくれてる。
これの何がいいかって、キャラクターシート見ずにいきなり読み始めた俺みたいな読者にとって、キャラ同士の関係性をつかむ導線になるのでありがたいのね。

殺人事件モノのミステリ探偵はどちらかというと切間くんのほうなんだろうけど、
懺悔を受け止める青山探偵が事件解決して動機を聞きだす探偵って感じがするなあ。
コンビとしてはすごくいい二人組だと思う。


4 : 名無しのアバター :2022/05/28(土) 23:10:02 hhu14PLM0
3.全ては些事
武芸者一人目。正義が引き続きキャラ関係を整理してくれてて、よく見ててマメなキャラなんだなーって認識。
それはそれとして、ロレちゃんの人物評が得体の知れない存在から全肯定のおもしろ超越者になってしまっている。
何億年も生きて、何事にも動じない鋼の精神性を獲得した結果、
一人じゃ何もやらない赤ん坊と化してるのが人生ループみたいで面白すぎる。
結局手のかかる幼女ということでアバター通りのキャラクターになってて笑ってしまう。
というか自分で外見設定したわけでもなさそうなので、アバターは適当に動かしたのか運営が勝手にポイント使ったのか……?

4.教導者
武芸者二人目。
言葉遣いも粗野だし、手段を選ばないことが強調されてるし、けれども最初に演武はおこなう。
前話の正義と重なりつつ、けれどもより俗世寄りって感じで分かりやすいよなあ。
世間の荒波を知っている大人って感じも出ていて、彼の信条で対主催側のスタンスを取るとなるとものすごく頼りになりそう。
この時点では精神的にも肉体的にも一番の強キャラ感がある。


5.さすらいの拳
武芸者三人目。ここはもしや武芸者ばかり出るロワなのかと、初読み時ちょっと勘違いしそうになった。
出てくる武芸者がだんだんロウから超カオスに向かっていくの、ちょっとクスっとくる。
ついでにマジメキャラからネタキャラへと向かっていってるようにも見える。
酉糸は一見してバーサーカーっぽいんだけど、読んでくとこいつ悪いヤツじゃないなってなる。
いきなり遭難してたり、過去話で警察からは全力で逃げてるあたり、この時点でネタキャラに足を突っ込んでるよね。
パラメータはフィジカルだけど、武パラメータに全振りしてるのがよく分かるわ。

6.縛りプレイヤー
積極的に殺そうとする人少ないなって思ってたところに満を持してノリノリなやつが来たなーって感じ。
なぜかキツネの仮面をかぶってるイメージがあるわ。
馬場くんとあんだけ親しそうに話してて、いきなりコイツ呼ばわりに切り替えるあたり、人の命にまるで興味なさげなので怖い。

笠子といい、シャといい、メンタルぶっきちぎったマーダー多いね。
ただ、彼の行動原理は笠子さんと比べるとまだ分からなくもないか。
こんな人が普通に日本で働いてるとか、警察は何をやっているのだろう?

馬場くんは可能性を掴み取れなかったなあ。
可能性の塊なスキル取っているだけに、彼が序盤で退場したことこそが大番狂わせみたいな見方もできそうだわ。
もしやLUKも縛ったせいでいきなり詰んだのでは・・・?


5 : 名無しのアバター :2022/05/28(土) 23:11:15 hhu14PLM0
7.彼の理論武装
その理論武装はガバいですよ!
演劇は彼女への愛じゃねえし白井先生の姿で白井先生として振る舞うことのほうが言い逃れできないレベルで変態だよ!
エピローグで白井先生を家に招いて一緒にゲームしてたことが判明したけど、記憶失ってなくても白井先生になるつもりだったのだろうか。やばいでしょ。

一方で気持ちは分かって、キャラメイクのあるMMOって数時間平気で吹っ飛ぶよねー、と。
芸術家肌で天然の美術教師ともなれば、憧れの人補正で肌とか髪艶なんかの細部は絶対本物より美人に作られてると思う。
枝島先生と白井先生のダブル教師がキャラメイク終了ラストツーだったんだろうなあ。

8.ヴァーチャル・リアル鬼ごっこ
登くんは勘違いキャラとして出てきたけど、
最終回から逆算すればこれを本当にゲームと思い込むのはまったくおかしくないのかもしれないな。

ステータスやスキルを見る限り、紛れもない強キャラ設定っぽいんだけど、
この時点で現実バレフラグがビンビンに立ってて救いがないんだよなあ。
殺せば殺しただけ、現実バレしたときに反動がでかいわけで、ドでかい時限爆弾を抱え込んだようにしか見えない。
現実に気付いても地獄、気づかなくても地獄で詰んでる気がする。基本行動方針の楽しげな文章もエグい。

堀下くん今回は逃げるだけだったけど、この能力は実に厄介。
最後の最後まで隠れることすらできるわけで、読み進めてる当時はこの子どう脱落するんだ? と思った。

9.譲れない私の
> 「ワシも……そうやで」
> 「魔王はん…………ッ!」
ここちょっと笑ってしまった。サムズアップして歯を光らせながら言ってそう。
元ネタあったらしいけど、元ネタ知らなくても笑えるのはいいパロディ。

勇者、家族、同郷あたりの勘違い要素を絶妙に組み込んでるあたりが、会話運びうまいなあと思う。
別に勘違いに気付いたところでお互いに何の影響もなさそうだけど、単純に読むのが楽しい。
あと関西弁(?)が解像度高いのも好き。
あと、安条さんのキメ台詞いいなあ。
この口調とキメ台詞のおかげで一瞬で名前覚えられてしまった。

10.恋するテレパシスト
テレパシストがタイトルにありながら、誰も彼もお互いに全然話が通じていない!
焔花くんは意外といいやつだし、美空さんは意外と直情でなんかチョロいw
そして目まぐるしく攻防切り替わる闘論(?)は意外と読みごたえがあって面白かった。
なんかアイナが一番論戦強くない? 心読んでるチート使ってるからか?

めちゃくちゃくだらないことなんですけど、最初に読んだとき、焔花くんがまだズボン降ろしてなかったことに衝撃を受けた。
『グヘヘ』はズボン降ろして言うセリフだろう!?


6 : 名無しのアバター :2022/05/28(土) 23:12:34 hhu14PLM0
11.Rolling Thunder
友を失って修羅へと変わっていくアーノルドの昔話と、
友に裏切られて修羅へと変わった優美の昔話の対比がすごいな。
アーノルドの昔話はTHE・人生って感じだけど、優美の昔話は4行ながら得体の知れないインパクトがあった。
因縁も関係もゼロな二人からこんな関係性を見出してくる発想力がすごい。

どっちも強いけど、アーノルドのほうが一枚上手って感じかなあ。
優美は精神性を引きかえにしたスキルのゴリ押しで、一筋縄ではいかないのは分かる。
アーノルドは油断がなく、精神的なもろさもなく、スキルとステータスと戦法の?み合い方も申し分なく、引き際すら鮮やか。
最初にCランクスキル5個と狙撃用ステータスをAまで振ってまったくのムダなしにGP使い切ってるというのがまず強キャラ。
雑な強さみたいなのが一切なく、準備の時点からぬかりなくてヤバみ増しまし。

12.太陽への贈り物
太陽への贈り物というのはタブレットのことなのか、生贄のことなのか。

キララかわいい。
シェリンに文句をぶーぶー言ってるところがすごくかわいい。
したたか愛され系ってのがよく分かる。
もっとも、後のほうの話だとHSFのブレインという印象が強かったけれどw
生存特化のキャラメイクといい、色々考えてはいたけど、めぐり合わせが悪すぎたとしか言えないよね。

太陽の性格でゲームに乗ってると思うのはまず無理なので不意打ち一回は確定、このデストラップやばすぎですわ。
タブレットはそもそも貼り付けられるなって話なんだろうけど、一度使われると凶悪さやばい。
というかこのロワ、会話の延長でいきなり殺しにくるマーダー多くて本当に油断できないなあ。

13.月の下で、分析と炎上
おお、すごい分析回だ。
秀才君はもし→もし→……の分析もしっかりできてて、このロワへの造詣も深くてかなり頼りになりそう。
ナチュラルにセクハラして自爆したの笑ったけど。

> 本物の彼が培ってきた信頼を使用して騙し討ち
あっ

> HSFのリーダー・鈴原涼子の中身は涼子の熱心なファンで、好きすぎるが故にアバターを再現した……とか。
あっ…

> ・"殺し合い"なのだから、戦闘慣れしている者が有利である。
> ・親しい者が死んでも人を殺しても動じない、メンタルの強い者が有利である。
> ・アバターのパラメータもスキルも自由度がかなり高いため、ゲーム慣れしている者が有利である。
あっ…あっ…あっ…

一瞬で日常から殺人者に切り替わる不気味なマーダー大量にいるなか、
どストレートに動機が分かりやすいエンジくんがマーダー陣の癒し。
まずこの性格で自分のアバター名をエンジくんにしているあたりが面白すぎる。
>最近、アイドル増えすぎだと思わねぇか? → 死ね、TSUKINO! アイドルは消毒だァ、ヒャッハッハッハ!
の流れはあまりにも流麗すぎて笑ってしまった。


7 : 名無しのアバター :2022/05/28(土) 23:14:21 hhu14PLM0
14.糸を辿る
神在竜牙:連続殺人事件の第一の被害者。大物政治家の息子で人気爆発中のボーカル。
     傲慢な発言、他職軽視、モラハラにセクハラと、こいつ真っ先に殺されるだろと誰もが思う要素が役満。
容疑者はHSFのアイドルたちで、探偵は切間くんでいいか。
ミステリーもので犯人判明したあとに挿入される殺害シーンのような書きぶり。
ところで涼子やばくないですか?
何がやばいって、バトロワとか関係なく、これ素面で殺したよね?
事故とはいえ、これがバトロワじゃなくてTV番組のドッキリ企画だったとしても、竜牙を殺してそうなのヤバくない。

15. カルマは誰キャラ!?
ソーニャってИзвиницеとsorryが同時に出てくるあたり、まあ日本語ペラペラのエセ外国語キャラですわ。
†黄昏の堕天使 アルマ=カルマ†ちゃん、たぶんソーニャ相手に主導権握ろうとしてたんだけど、ソーニャのおもちゃにしかなっていない。
会話もうまく転がされて完全に遊ばれている。
††ちゃんはいじられキャラが確定したし、リアルでもこんな感じだったんだろうなあとほほえましくなる。

16.彼女の戸惑い、あるいは金魚鉢の中のサメ
十字っぽいのw

高井さんって探し人が危険人物すぎて前途多難そうだってのが第一印象。
優美への感情大きいから絶対会うことになるだろうなって思ったこともあって、この子の出る話は怖いもの見たさ感があった。

VRシャークはこのあとどんどんヤバくなっていくんだけど、この時点だとロレちゃん二号みたいなキャラだと思ってたんだよなあ。
全パラメータEだしスキルもどうしようもないし、指をがじがじ甘噛みしてくる3歳のカタコト白人美女だし。
行動方針の『食べたい』ってよくよく考えるとやばいんだけど、やっぱりこの時点だとペットキャラですわ。
あと3歳は本当に3歳か? 実は3カ月なのでは? と思ったら後の話で本当に三カ月だったのが判明して感慨。

17.Water Hazard
LUKのパラメータは仕事をしてんのか?
トラブルメーカーなんてスキルを取ってしまうから……。

頼りになる利江さんとの再会。水難事故に遭いかけていたとはいえ、どこかほほえましさもあるHSF漫才。
ほんわかしながら読んでたところに桐本登場で場の緊張感が上に振り切れたね。
ほのぼのとシリアスの落差が絶壁になってる感じ。
桐本自体が、これまでの話でちょくちょくヤバいやつだと言及されてたし、そもそも『桐』って字の入った殺人鬼な時点でお察し。
ラストの桐本登場のナレーション、本人はまだ何もしてないのにトップクラスにやべーのきた! と嫌でも戦慄させられる。

すごくどうでもいいんだけれど、桐本と由香里はずっと海に縁があったので初登場エリアを諸島エリアだと思ってたよ。


8 : 名無しのアバター :2022/05/28(土) 23:16:14 hhu14PLM0
18.雪の神殿
愛美は唯一絶対神なのだから、おわすところが神殿になる理論ですよね?
所作の節々に唯一神の理が見え隠れしてて、座って話してるだけなのにとんでもない強キャラだって分かる。
初期位置がイコンと同じ時点でまさに世界は我のためにある、みたいなものですよ。
イコンはイコンで話の通じなさそう感がものすごくて、こいつら近づいちゃダメだオーラがビンビン出てる。

この二人とシャがいる上に、脱出しようとしたらアーノルドに見つかる雪エリアってとんでもない地雷エリアだなあ。
IFなこと言うと、いきなりシャが突っ込んで来たら愛美さんどう切り抜けたんだろうとかは興味あったりはします。

19.Easy Game
登君が地獄への街道を驀進しつづけている。
少々の疑問を設定とベータテストだからで片付けてるのが無敵すぎる。
最終回の感じからすると、彼の考えも一理あったようなのでもうどうしようもない。

> その未来をたった今自分の手でたたき壊したとも知らず。
この一文がきつかったなあ。
彼の未来予想図が底抜けに明るいだけに余計につらい。
このロワの中ではかなり一般人に近い登君、もうどう転んでも救われないだろうなと思った。

それはそれとして、白井先生絶対おもしろい人だわ。
欲望に抗えずにやりたい放題してのっけから自爆するのは笑える。
たぶん枝島先生と同類でしょ。
>「私が――――養護教諭の白井よ」
この正体バレのところで、ドヤッみたいな文字を空目してしまったんだよなあ。
「が」はなんなんだよ、「が」はw

20.喪失と欺瞞、あるいは無価値
涼子の過激派ファンかな?
持ち上げて落とす二段構えの二乗、いじめの手法があまりにえげつない。

普段は死亡者を知るとすれば、相手からの一方的な伝聞かメール受信の一手だけじゃない?
それを涼子自身で能動的に知りに行かせるところで一点、
さらにシェリンに敢えて死亡者を答えさせないことで涼子自身でキララ死亡の結論までたどり着くように誘導しているところでさらに一点、
すでに他者を手にかけ、涼子自身が死を明確にイメージしやすくなっているところに今回の回答を叩き込むところでもう一点。
運営をうまいこと出し抜いて全員の居場所をつかみ取ってやったと揚がっていたところに、上記の三点セットを叩き込んでくるのはまさに鬼畜。
シェリンが聞かれたことに淡々と答えてるだけなのもポイント高い。人の心とかないんか? シェリンにはないか。

しかもキララの死を欺瞞で塗り固める役を赤の他人ではなく、メンバーの可憐にやらせるのも鬼畜度高いよなあ。
可憐だって泣きたいに決まってるのに、それを可憐自身の手で内に押し込めさせるのはやはり心が無い。

ここまででも鬼畜なのに、HSFに恨み持ってる上に彼女らではどう考えても勝てそうにない真央ニャンと笠子を連れてくるなんて、
作者はエンジくんなのではないかと不安になるくらい徹底しててすごい。


9 : 名無しのアバター :2022/05/28(土) 23:17:13 hhu14PLM0
21.敵か味方か!?『New World』にあらわれた最凶の男
タイトルからしてギャグ回。
本人たちいたって真面目にやってるんだけどその方々からギャグ臭が漂ってくる。
エンジくん、前回イカれてる印象しかなかったけど、一応演技してて意外と冷静なのかなと思ったらしっかりイカれてて笑う。
正義に勝てるわけないだろ!→バイク落としとか、実は意外と理解度高い?→あっさりKOされたよw
超有名動画配信者エンジ君とか自分で言ってんじゃねーよw その有名は悪い意味での有名だろうw

最後にロレちゃん、彼女はオチに使いやすすぎるなあ。

22.お宝大作戦
ギールは勇者の味方でも敵対者でもない、意外と貴重な立ち位置だよね。
第三者の比較的中立な情報からすれば、案の定勇者たちは紛れもないクソだな、と。
勇者のようなチートもなく、魔王ほどの実力もなく、けれども強かに異世界を生き抜いてきた強者というのが行動の端々から見受けられるのが好き。
最終回まで読んだときには気づかなかったけれど、この人一応ゲームに乗ってたんだな。
この人の場合は、それを表に出さない慎重さの表れに見えるので、イメージって大事。


23.偶像魔宴
いかにも厨二的な禍々しいタイトルついてるが、要はアイドルライブだろう? と思ったらちゃんとサバトと書いてあった。

天空慈が予想より三段階ほど親しみやすくてイメージ変わった。
めちゃくちゃ社会適正ある人だった。
今話なんて近所のノリのいいおっちゃんじゃないか。

この三人の中では、ガチンコ勝負だと天空慈が一番強いんだろうけど、ソフィアが一番底が見えないよなあ。
彼女は言葉遣いからしてキャラ作りだし、素をまるで見せないので一番偶像めいてるところがある。
奥義をマネられるのは、これはもうフラグですわ。

24. BIG G
名前がジャイアン+ブタゴリラの薫。
過去回想も口癖もどう見てもジャイアン。大きくなったジャイアン。
ジャイアンの将来にアツい風評被害が出てしまっている。
愛美をホレ直させるとして、優勝するには最後の一人にならなければならないことは分かっているのだろうか?
元々の異世界でも金融システム崩壊させてたし、その辺絶妙に考えが足りなさそうだなあ。

25.多分こいつは敵だと思う
焔花くん、爆発性が違うとか炎上の方向性が違うとか、なんかめんどくさいオタクキャラみたいな性格に思えてきたw

この一行、犯罪者の焔花が存外にいいヤツだったんで、そのままエンジ君にも適用しちゃった感があるね。
これに関しては序盤の黄金パターンというか、しゃあないよなあ。
心情としてはタイトルがその通りなのだけれども。

エンジ君の白昼夢はツッコミどころがありすぎて何から言及すればいいのか分からないレベル。
『頭おかしいんじゃねえかお前』という真っ当な指摘を素でおこなうエンジ君に、突如湧き出てきた動画仙人なる存在。
あれかな? 異世界転生する人の前に現れる神様みたいなものかな?
エンジ君が次話で死ぬので永遠に謎のままなんだけど、仮に生き残ってたら掘り下げられたんだろうな。そう思うと余計に笑えてくる。


10 : 名無しのアバター :2022/05/28(土) 23:19:12 hhu14PLM0
26.モグラ・ファイト
> 琲汰は少年の近くに腰を下ろし、少年を観察する。
全裸で正座をして待っていたのですね分かります。服着ろよ。
思惑あるとはいえ、ちゃんと救助するあたり悪いヤツではないんだけど、それ以上にダメ人間臭がするなあ。
正直、次には勝つと行動方針に書かれてるのはもっと情けないぞ。
分類的には危険人物なんだろうけど、ポジティブシンキングすぎるせいでイヤな感じはまったくないです。

堀下くんは謝れるいい子なんだけど、登と酉糸の元に向かっていくのはなんというか、
あの二人ほっといたほうがいいんじゃね? くらいの感想が飛び出てきてしまう。

27.Blasphemous Detective
青山は人探しのスキルを取ってて、探し人が例の勇者たちってあたりが最初から誇張なく詰んでる。
一方で切間はそのゴタゴタに巻き込まれた感じがすごいな。
イコンの危険度を見誤ったのも青山経由で勇者ズの情報聞いてて、情報の粒度がちょっと偏ってたからだと思うしね。
探偵キャラは長期的な考察には強いけど、いきなり発狂してくる相手はどうしようもなくて相性最悪っぽい。

イコンのスキルも強くて、アイドルの高位レベルはデメリットが逆にメリットになってる感すらある。
正面から勝てるやついるのかなあと考えたけどエンジ君がいたのでその考えはなし。

しかしイコンってダメダメな感じがするなあ。
神の意志を遂行するのかと思いきやいきなり個人見解で青山さんにキレだしてて、
代理人どころか神の意志を勝手に解釈して突っ走る狂犬になっててこれはひどい。
成り行きってなんだよw 100%自分が原因だろうw
よくも悪くも神の威光を借る宗教団体の教祖って感じが出てる。
もっとも、今回の騒動がなかったとしても、切間相手に道中でボロ出してそうなキャラなんで、結果的にどっちがよかったかは微妙なのだけれども。


28.バイバイ、アイドル
オリロワVRがVRなんだと真に理解したのがこの作品だった。
ちゃんとステータスとスキルがかみ合えばアイドルが殺人鬼を倒せる、というのをこれ以上なく分かりやすい形で書き起こしてくれた名作。
この話で桐本や由香里がルールを理解したと同時に、自分もあらためてルールを理解したよ。

桐本は前評判だけだと恐怖の殺人鬼という印象だったけど、こっちも相当印象変わった。
お前は凌辱系エロゲから飛び出してきたのかというくらいに下品で下卑た口調と三下じみた言動が敵役として満点すぎる。
仲間の声援を受けて奇跡の大逆転かます王道物語の敵役として、強さも性格も、捨て台詞すら大好きだわ。
さらに、今後もう二回再会して本当に因縁の相手になってることすら面白い。
オーライとか言いながら金属バット振り抜いてきたり、出てくる話全話でアイドルとかかわってたり、トラップモンスターみたいなことやってたりと、どことなくコミカルなのも好き。

桐本とは別軸として、HSFの立ち上げメンバーが当時の一番の新人にアイドルとして追い抜かれていく。
その元新人はそれに気付かずに復帰を希望している関係性。
時の流れ、違えた道、郷愁、色あせた輝き、いろんな言葉がありそうだけど、このほろ苦い感情がたまんない。

29.「楽しくなってきた」
シャさんの奇抜な言動、見てるこっちが楽しいわ。
大の字で寝っ転がるとか橋の上前で仁王立ちとか、参加者釣れるわけねーだろって挙動も試してみてるあたりがゲーマーなんだよなあ。
ゲーマーならバグとか特別な隠しアイテム狙うよね。

けるぴー繋がりで殺し屋にロックオンされてる登くん、死亡フラグが怒涛の勢いで立てられていてさすがに可哀想になってくる。

30.水を得た魚
運営は塔の争奪戦が起こることを期待していただろうに、どこもかしこもあっさり制圧されてるの気の毒すぎる。
今まで塔の制圧があまりにあっさりすぎたので、内部はこんななのかーとかこうやって制圧するのかーと今さらながら思ったり。

一見ほのぼのとしたやりとり。
けれど、一枚めくればB級スプラッタ映画みたいになる可能性があるのではという不穏な感じが見え隠れする。
スノーノイズが一瞬はしってサメが現れるあたりがその総まとめシーンよね。

> ヴィラスは少しだけシュンとしたようにうつむく。
これ絶対に丈美ちゃんに申し訳なく思ってるわけじゃなくて、指を食いちぎれなかったことに対してシュンとしているよね?


11 : 名無しのアバター :2022/05/28(土) 23:20:19 hhu14PLM0
31.それは転がる岩のように
どうしても『ッ!』を連発する口論を見ると某ゲームを思い出してしまうんだけど、議論戦闘だなあ。
> お前がそれを問うのか? お前らそれを私に問うというのかッ!?
こことかめっちゃそれっぽくて好き。

> おいおい逆恨みの次は逆切れかよ。真っ逆さまだなお前
とか普通にうまい言い回しだなーとか思ってしまった。
薫の言い分も一理あるのではないか? と思えるようで、やっぱりお前はダメだわ、となる塩梅が絶妙ですわ。


薫は思ったより強かったが、そこかしこで触れられていたように、勉強してないのが決定打になったような。
優美との口論を見るに、地頭はそんなに悪くはなんだけど。

普段なら金稼いだりモノを作り出すために学ぶのに、
そこをすっ飛ばしてモノも金もチートで手に入れて知識を修めなかった結果、
創造魔術を使いこなせず、戦術もお粗末で競り負けた、というのが因果応報めいているように思う。

学歴と品性で貶されて憎悪するあたり、実は薫本人も勉強してないのがあまりよくないことを分かってたんじゃないかとも思う。
なにせ、優美見捨てておきながら彼女と何事もなかったかのように接することができるあたり、
彼は悪いと思ってないことであればどんなに糾弾されても怒らん人なので……。


32.GREAT HUNTING
この話好き。
ギールは行動が独特で、スリルに満ちた動き方をしてくれるので読んでて楽しい。
今回の話は、ギールと魔王の勝利条件を別に設定したうえで、試合に負けて勝負に勝ったを地で行くバトルになってて面白い。
魔王からは逃げられないのに魔王から逃げて盗んだ、これはもうトロフィーか称号が授与されそうな偉業。
このまま死んでも悔いがないんじゃないかってくらい満たされてる感じがありありと伝わってきて、悪党側のキャラなのに爽やかな読後感があった。

33.検証:影の反対には太陽があるのか?
副会長の頼れる男ぶりよ。
積もり積もったこれまでのデータと現在の事象から仮説を導き出す、というのを堅実におこなっている。
こういう考察って地味な作業の積み重ねなんで、うまく書かないと読むのつらくなりがちなんだけど、
そう思わせないのはひとえに文章力とキャラの魅力だろう。
ところどころに挟まれる副会長のおもしろエピソードと、掛け合いが小気味よくて面白いのでするする読める。

『元から熱血漢の太陽が熱血スキルを取るか?』問題、
元からアイドルのアイドルたちがこぞってアイドルスキルを取ってたりするんで、みんな割と元キャラ通りに取ってるよなあ、とかちょっと思った。

34.Dragon Slayers
フラグ立ちまくってたので妥当ではあるのだけれど、タイトルの時点で登くん敗北確定……。
最悪の殺し屋とのバトルの真っ最中に、現実バレして馬場君の死亡と白井先生殺害を突き付けられて、おまけに琲汰乱入と、生き残る目がほぼない。生き残ったけど。
ゲームだと思い込んでる時点ではシャと互角の勝負をしていただけに、精神力の重要さが浮き彫りになった形だなあ。
自業自得というにはあまりに気の毒、まあこういうときこそアイドルの出番だろうと思うんだけど北側にアイドルが少なすぎる。
しかもドラゴンに変化して酉糸乱入してきたせいで、登くんの心情描写から『レイドバトル! VSドラゴン』へとフェーズが完全に切り替わったのも気の毒だなあ。

シャさんは殺し屋の割に感情豊かだけど、今回感情の乱高下が激しい。
橋の上での初撃は未知の強敵に超ご機嫌、でもちょっとタイムをくらって不機嫌になってるよね。
けるぴーサンの知り合いだと知ってるのに、お知り合いデシタかと聞き返してるやつ、お前の事情に興味はないので早く戦わせろっていうことだよね。
そして邪魔者乱入に不機嫌になり、狩り勝負にご機嫌になり、竜を取り逃がして機嫌が最悪になってるの、感情チャートのヒゲが長すぎる。

堀下くんがどこぞの格闘漫画の傍観者みたいになってたが、あなたは本当に傍観で正解だわ。


12 : 名無しのアバター :2022/05/28(土) 23:20:50 hhu14PLM0
35.Flame Run
アーノルド爺さん本当に強いなあ。
徹底して合理的で準備から実戦まで隙が無く、交戦・ターゲット切り替え・撤退・長期戦短期戦等の判断も早い。
スキルか支給品の初見殺し性能がないと接近戦にすら持ち込めないのはなかなかひどい。

太陽が負けたのは道具の差だけど、一番の差は戦いに向かう心構えかな。
アーノルドはこれを戦闘だと考えていて、太陽は罪人の捕縛・逮捕と考えてる、そこの差が如実に表れたなあ。
最初からアーノルドを殺すことを考えていれば、タックル成功と共にナイフで貫いて終わってたはずなので。

太陽といい、イコンといい、洗脳済みキャラはどうしてこうも暴走し始めるのか。
暴走するようなキャラだから洗脳されてしまうのか。
アーノルドの影に隠れてるけど、梨緒も判断が早くて堅実な印象。
徹底的に裏に回って表に出ようとしない上に守備系特化のスキルなので、こっちも倒すの大変そうだなあ。

36.Stand by Me
> 「ご友人である、あなたの目の前で撃たなかったら……」
> 「この子は……独りぼっちで、亡くなってしまうじゃないですか」
> 「……彼女のご冥福を、お祈りします」

本当に同じ人間なのか分からなくて恐怖しかないよ。
このロワで一番発狂してるのは間違いなく笠子だわ。
このセリフを書ける作者さんの頭の中はどうなっているのだ?

可憐のアイドルへの憧れ、サブリーダーとしてHSFを支える日々、それでもまだ涼子との間に感じる隔たり、
今度こそ涼子を支えるという決意、そして可憐と、並び立つ涼子と、お互いへのエール。
これだけ丁寧に二人の関係を描写しておきながら、一言の断末魔すら許さずに即死させる非情さよ。
これ全部涼子にのしかかってくるのを考えると、この絶望、もう言葉にしようがない。
作者さん、人の心が笠子さんレベルなのでは?

前回の引きの時点で、死なないで切り抜けるの絶望的だろ、みたいな感じはしていたけど、それを上回る絶望に叩き落してくれた。
あと、今回のシチュエーションが利江&由香里VS桐本のちょうど対比になってるのも、
利江―涼子の関係と、桐本―笠子の関係を考えると震える。

酒を飲んでないとやってられない真央ニャン、どこまでいってもクズよりなだけの普通の人、だよなあ。
キャラ的に殺し合いに向いていない上に、努力家ではないためにそっちの道にがんばって進むこともできないので。
ヒール的に可憐を侮辱してるけど、ムカつくというより、もう無理すんなという感情しか湧かないです。
あなたを支えてくれている笠子の手は、あなたを地獄へ引きずり込む手招きだぞ。

37.自分の中に毒を持て
読んでる側からすればエンジくん面白いんだが、やってることは外道の類だよなあ。
エンジくんの中でそれなりに正統性が保たれてるのを見ると哀れに思うけど、ぶっちゃけ桐本とあまり変わらないぞ。まあ桐本も面白いけど。
アイドルに裸踊りを要求したり、人質取っておきながら最初から人質殺す気しかないあたり、思考回路が同じじゃない?
アイドルに裸踊りをさせる悪役ってもしかして王道なのだろうか。

トップアイドルを前にして生き生きと語りだすエンジくん、ある意味アイドルに立ち上がる希望をもらっていると言えなくもない。
彼が燃え上がれば燃え上がるほど、対峙する子はアイドルとして大成しているという無敵ロジック。

エンジくんも焔花くんも、一番やりたかったこと全部やり切って逝った感じだけど、
一方は色々未練残してて、もう一方は悔いなく逝ってるの、対照的だなあ。


13 : 名無しのアバター :2022/05/28(土) 23:22:01 hhu14PLM0
38.二つのE/その声は誰がために
ゲームとかでよくある回想パートが突如出てきて、初読時は意味が分からなかったんだけど、これが愛美様の中で生き続けるということなのか。
愛美は普通に元の世界の侵略も考えてるので紛れもない邪悪なんだけど、
それはそれとして取り込まれた人たちはちゃんと救われているんで、一応神さまはやってるんだなあ、みたいな感想を抱いた。

切間が最期に声を遺したけど届かず、だったのは無念。
青山は完全に詰んでるので、もはやどう脱落するか、が注目点になっちゃったな。
取り込まれたことで救われたのかそうでないのか、正直判断がつかないところだ。
これ、愛美が帰れないと普通にムダになってしまうので……。

39.熱き血潮に
オーソドックスな主人公キャラの大和と副会長、いかにもな対主催筆頭って感じだわ。
そしてやはり副会長が出るとみんな副会長のキャラに引っ張られるんだなあ。
引き続き考察回をその話術で楽しいわいわい回にしてくれる副会長は、知識量に自信のある作者なら動かしやすそう。
いわゆる上級者向けキャラっぽい。

男どもがクイズ大会してる中でロレちゃんpnpnしてるシーンとか、男子ってバカだねーって声が聞こえてきそう。
タプタプタプとしておっおっおっとか声をあげるロレちゃん、某神話の邪神のくせにマスコットすぎる。

40.vent the anger…
優美ちゃんかわいそうな子なのかな、と思ったけどもう壊れ切ってて人類の敵になってるわ。
壊れてる理由に悪辣のスキルが多大に影響していると思われるので、一周まわってやっぱりかわいそうになってくるがそれはそれとしてお前は人類の敵だ。
生き残ったところで碌な顛末にならなそうで、殺してあげることが唯一の救いにしか思えない。

枝島先生がそこかしこで変態アピールしてるコミカルな人なんで、文字通り生きてる世界が隔絶してる感がある。
荷が重いというか、そもそも面識ないんで巻き込まれでしかないんだけど、
切間とは違って自分で白井先生の姿借りたので完全に自業自得なんだよなあ。

41.この素晴らしき世界
酉糸さん、狂気と正気の淵でタップダンス踊ってるような言動が光るな。
異世界転生した格闘家ばりにこの世界を楽しんでやがる。
助けた相手に拳を向けるあたりはやばい人なのは間違いないけれど、
現代日本でそういう機会がなくて結果的に軽犯罪で済んだだけなのでは?
もしかしてNEW WORLDに参加したのも、リアル体感型のゲームって評判聞いて自分でモニターになったんだろうか。

ギールもギールでめちゃくちゃエンジョイしてるなあ。
したたかで食えないやつだけど、琴腺に触れることに関しては妥協しないこの生き方が好きだわ。
というか砂漠のお宝争奪戦なんてまさにギールのためにあるようなイベントだもんなあ。

42.神様の中でお眠り
日々のまぼろしが走馬灯のように流れていく演出、
そして偽りであっても赦しを得られて救われる演出は涙腺にクるものがある。
何をしたのかも覚えていないのに、謝罪の言葉だけを繰り返す勇太も、
それに対して迷いなく赦すと言える愛美も、最悪の邂逅なのに最善の出会いに思えて、
これでいいんだろうなとすとんと胸に落ちる感じがした。
たとえその真意が自己愛でしかなくとも、これができる愛美様はやっぱり信者がつくだけのことはあると思う。


14 : 名無しのアバター :2022/05/28(土) 23:22:38 hhu14PLM0
43.暗黒時代
魔王のバックグラウンドが判明すればするだけ勇者の株が下がっていく……ということなどなく、魔王の株が上がっていっただけだった。
魂由来のことも気付いていて、この時点ではロレちゃんと並んで色々知識を持ってそう。

怠惰で気のいいおっちゃんに見えるけど、この魔王かなりの熱血っぽいんだよなあ。
誰であってもこの魔王と比較されるのはさすがにかわいそうすぎる。
異世界の権力者たち、国王はカスだが気持ちは分かる、神は明確に邪悪だな。

44.土の竜と書いてモグラと読む
ドラゴンへのアツい風評被害。
宝石はあきらかに準目玉商品なんだけど、
Cランクでのしょっぱさとどこぞの戦闘狂のせいでドラゴン=ザコみたいな認識が神速で広まったの悲しすぎる。

地中からハイエナしてるだけでそこそこ生き残れそうだった堀下くん、
これまでもそこそこ出番多かったけど、お宝探しに参加という明確な目標を得たことで動かしやすくなってそうだなあ。

ところで、地中で見つけたのがお宝だったようだけど、GPの10Pって正直ハズレでは?
1Pを笑うものは1Pに泣くみたいな話もあるけど、それでも砂漠かけずりまわって10Pはしょっぱすぎるのでは?
たぶん、LUKのランクEでも見つけられるお宝なのですね?

45.酔生夢死
朱に交われば赤くなる。
笠子に元々素質はあったにしても、元の世界での桐本の影響力は大きいなあ。
真央ニャンも徐々に堕ちてるけれどまだ自力じゃ一線を越えられない、何度見ても小市民だわ。

笠子って怖いけど、真央ニャンとのカップルはお似合いな気がするなあ。
何気ない会話で惚気てたり、パートナーの酒酔いの介抱してたり、人生相談乗ってたり、
そしてお互いに対する気遣いがそこかしこに感じられる。
この二人は欠点だらけで社会的にも底辺に近いかもしれないけれど、
ふつうのカップルと比較せずに純粋に二人だけを見ているとなんか応援したくなってしまう魅力がある。

46.虎尾春氷――序章
『アルアルはやめてぇ』ここまで五回。持ちネタになっている。
ここのパーティが戦力役割ともに安定していて、THE・対主催やってるね。

各々の各キャラへの人物評が面白い回。
高井さんの勇者ズへの人物評が的確すぎる。
地味にこの子、勇者と日天中学の在校メンバーのどちらともかかわりのある貴重な立ち位置なんだよな。
あれだけ敬愛してるのに、ゲームに乗ってる怖れがあるので注意と情報提供するの、正しく人を見てるよね。
今回もアルアルを見抜いてたし、枝島先生も見抜くし、優美への挑発も大成功させるし、
薫くんにいたっては小人さがここでも見抜かれてて、なんかかわいそうになってくる。
観察眼スキルあたり持ってませんか?

高井さんって優美への想いはよく回想するけど、自分の想いは語らないからアルアルが怖がってる理由にしばらく気付かなかった。
そういえば登くんの回想だとしょっちゅうPCゲーム同好会の部室前にいたよなあ。
アルアルのこと見抜いてるとなると、登くんがいること察してて蓋をしてるのでは?


15 : 名無しのアバター :2022/05/28(土) 23:23:13 hhu14PLM0
47.役に立ってから死んでくれ
真央ニャンのあとに梨緒ちゃん見ると、この子は殺し合いに向いてそうだなーって思う。
傲慢尊大な猫かぶり女で性格は最悪だけど、素人らしいポカが色々あるのと、頑張ってるのは分かるんでそんなに悪印象はない。
演説スキルで調子に乗って、いかにも冷静スキルで看破されそうなのはフリでしょ?

それにしてもタイトルからしてそうだけど、
童貞臭いだの頭の弱いぼやけた女だの、景気のいい暴言がバンバン飛び出してくるので読んでて笑ってしまう。
セクハラ連発する童貞の副会長、あまりにむっつりすぎでは?

48.中国気功クラブ
気功スキルにご満悦なだけじゃなくて、色々と試してみるのが正しくゲーマーなんだなあ。
頸って超能力だと思ってた。
登くんのハンマーを受け流せる自信に満ちていたから、そんなものも実在する世界なのかと思ってた。

別にチートな能力持ってるわけでもないけど順当に強化されてて、
愛美様やアーノルドとは別軸で出会っちゃいけない人みたいになってるなあ。
積極的にイベントに参加してくるあたり、一番危険度の高い参加者なので、お宝さがしメンバーはご愁傷様みたいな気持ちになってくる。

49.一番星目指して
神社の境内、仲間の目の前という絶好のシチュエーションで、
譲渡の手数料一割、初回特典の10P、人探しに必要な50P、すべてをうまく噛み合わせた結果が1P足りずに奇跡も起こらない。
このポイント増減はまさに悪魔の勘定。

死神が涼子に魅入られてるとしか思えない。
GPを自分自身で使い切ることを選択して、利江の危篤に間に合い、そのためにポイントが足りずに仲間が死ぬ、
こんなの間に合わなかったほうがまだ救われたのでは?
これを生き地獄と言わずしてなんと言うのか。
LUKのAとはどういうことぞ? 涼子本人は最終盤まで生き残ったから効いてんのか。

笠子さんが、涼子がいなければ可憐は独りで死ぬとか言ってたけど、
利江の視点からすれば涼子に看取られたことで最期に救われたんだよな。
霞んだ視界で最期に視たのがアイドルの原点、一番星というのが切なくも美しい。
すごい蛇足なんだけど、薫が優美を見捨てた経緯を思い出して、やっぱあいつクソだな、と思い直してしまった。

50.第一回定期メール
本当にソシャゲのアップデートっぽい放送だな。
真っ当なゲームに見えてたまにバトロワ用語が出てくるので認知がバグる。
火山の発掘イベントは……脱落ペースが速すぎたんだよなあ。

51.壊れた心
善子の心が壊れたのかと思ったら優美の話でもあり、それを知って壊れそうになるアイナの話でもあり。
エンジくんによるアイドル剥奪が、アイドルの心を根本から奪っていくものなのは震える。
けど、二本柱だったおかげか、気力すべてを失ったわけではないのは不幸中の幸いなのかなあ。

優美は、なんかもう手遅れっぽい。
アイナちゃんが抱いた感情が同情か憐憫か、いずれにしても優美に向けたら怒り狂いそう。
というか薫相手の時はそれなりに常識に沿った思考をしていたのに、その後は初対面の相手にワケの分からないことをわめき散らす化け物になってるのこれはひどいぞ。
やはり彼ら彼女らは同郷なのだ、救いは真凛ちゃんしかいない。


16 : 名無しのアバター :2022/05/28(土) 23:23:58 hhu14PLM0
52.三度目の正直
由香里ちゃんのアイドルオーラに惹かれて再度邂逅を果たす桐本、楽しそうでなにより。
カギ穴の隙間から美少女を覗き見だなんて別の意味で犯罪者でしかない。
VRゲームなんだから宝箱くらいあってもいいだろばりにトラップモンスターやってる桐本、この風体でゲームやったことあるのかってなるw
驚かせたときのご機嫌さとかやばいでしょ。ハッハーじゃねえよw
この前ボコられて吐きすてた捨て台詞を早くも回収しに来ているこの殺人鬼、ノリノリだわ。

由香里ちゃんからすればトラブルメーカーとアイドルの併せ技で桐本に発見されるのはもう必然。
そして涼子に見つけられるのもこれまた必然。
今回に限れば、涼子がまさに女主人公みたいな気持ちいい活躍しててよきよき。

53.最後の弾丸
アーノルドが一方的に押されてるようで、愛美もスキルと支給品をフル活用してるのに気付くと狐に化かされたような気分になる。
実質一回死んでるのにその余裕はどこから来るのだろうと認知がバグるわ。

得体の知れない化け物オーラをバリバリに出してる愛美はやはり強いし、
最後までそこに喰らいついていくアーノルドは人間の可能性って感じがする。
負ければ愛美の一部になることを知るや、ノータイムで自分の頭を撃ち抜くその判断力、
死んだのはアーノルドなのに実質の勝ち逃げみたいな感じがすごい。
愛美が生命としては勝利し、神としては敗北した戦争、ハードボイルド文学のような硬派な読後感を残してくれる。

54.命短し走れよ乙女
高井さん、人間観察能力やたらと高いぞ。絶対隠しパラメータで観察眼か人間観察スキル取ってるでしょ。
登くんのことも察してそうなんだけど、そこは決意鈍るから蓋をしてるのかなあ。
もう覚悟がキマりすぎてて、たとえ何回やり直そうと同じ運命をたどってそうな子だわ。


枝島先生、ちゃんと先生やってるんだけどアバター設定失敗したことを感じてるんじゃなかろうか。
もうほぼ白井先生の演技してないけど、耳が幸せがまだ残ってるのは業が深すぎるw

優美まわりが着々と地盤固めされていってるなあ。
読み進んでるときは、せめて愛美には横槍入れられないようにしてほしいと思ってたよ。

55.虎尾春氷――破章
真央ニャン何もかも裏目に出たなあ。
アイドルが好きだと思い出したことも、腐りながらも芸を身に着けていたことも、
初心を思い出したことも、せめて自分で手を下さなければならないという決意も、そしてアイドルスキルそのものも。
言動がアバズレの三下そのもので負けフラグがシュバババッと立ち上がった上に、
死にそうになると命乞いするのは馬車を襲う山賊級の死亡フラグですよ?
こんなやられ役黄金パターンが見事に決まってたのに、やられるところであんまり溜飲が下がらない。
すべてがすべて裏返って裏目に出て惨めに哀れに死ぬ、彼女は本当に悪党に向いていない。

天空慈VS笠子のほうは、天空慈死んだか→切り抜けた→笠子死んだか→切り抜けた→死んだか→切り抜けた
みたいなループになってて、この二人の強さを存分に堪能できた。
MCか実況コメントがついてたら絶対に盛り上がるような逆転の連続で面白い。
笠子が絶対的に有利だったにもかかわらず、必殺を何度もいなして泥臭く喰らいついてる天空慈の強キャラの風格が存分に出てた。
一方で笠子もVRでの戦いを心得てて、地力では劣りながらも持てる手札をすべて切って戦い抜いた感じがある。
バトルの描写だけなら人間の頂上決戦みたいな読みごたえがあってすごい。

VRシャークはずっと不気味だったが、ついに来てしまったか。
何気に真央ニャンに魅了されてるのかわいいんだけど、サメに覚醒するシーンはホラーそのもの。
どこから襲ってくるか分からないサメ系ホラー映画の本領発揮という雰囲気が出てきたなあ。


17 : 名無しのアバター :2022/05/28(土) 23:24:38 hhu14PLM0
56.お宝争奪戦
別ゲーやってた堀下くんとギールがうまくゲームシステムに引きずり込んだうえで、
チートアイテムが湯水のごとく使われることでまったく先の読めない展開になってて面白い。
この時点でシャは中ボスかラスボス級の強力なマーダーなわけだけど、
堀下→ギール、堀下→シャと、絶対勝てないだろって相手にアイテムの力で一度は勝利してるの、大番狂わせだ。
真正面から戦えば当然シャの勝利なのだけれども、それでも面白かった。

ギールがシャと交渉するところ、お互いの価値観がモロに出てるのが面白いよね。
勝てないと見るに即座に逃走、戦いもハッタリも駆使して生存を目指すギールと、面白そうなら命すら賭けるシャ。
ギールはミス自体はほぼなくて、単純にシャに見つかった時点で詰んでたけど、堀下くんは何度も引き際を見誤った末に脱落。
この辺も三者三様の生き様がとても面白かった。

57.炎の塔 〜 行く者、去る者、留まる者 〜
別ゲーやってた人たちがなんだかんだバトルに巻き込まれている中、酉糸さん本当にすっぽかされすぎの萌えキャラになってる。
正義とロレちゃんが生とは何か、命の意味は何かと哲学語ってる直後に、
> 「誰もいないではないかぁあああッ!!」
これは笑うでしょ。
無念無双スキルに強い相手を遠ざけるデメリットとかありませんか? それともLUKがEだからか?
琲汰は琲汰で正義たちの討論する生きる意味を持っているのは分かる、分かるけれど、
魔王に完全に無視されてるのはもはや哀愁すら漂ってくるわ。

58.神は追憶の果てに掃除機を砕く
異世界での愛美の風格がすごいなあ。
これはまぎれもないラスボスの風格ですわ。
タイトルだけ見ると意味不明すぎるのに内容自体はなかなか重い。
ロワに参加してない勇者三人も、ずいぶんとキャラが立ってきたよね。
気高い人間として死んでいった者として、愛美になってないのに記憶に残ったんだなあ。

59.信頼
真央ニャンと優美ちゃんを足して2で割ったような感じになってる梨緒ちゃん、
本人視点ではがんばってはいるんだけど、まあボロがボロボロと。
見た目も言葉も経歴も、あらゆるものがウソまみれで、信頼とは対極にいるようなキャラ。
彼女が信頼できるのは自分の意志通りに動く人形だけで、
逆に秀才と月乃は仲間たちを心から信頼している構図は残酷。
秀才は脱落したけれど、最後まで頼れるやつだったなあ。


60.魔王システム
初読時、イコンちゃんは胸糞キャラと思ってたんだけど、この子よく見たらポンコツおもしろ教祖じゃない?
魔王に対してやってることがせせっこましい嫌がらせな上に、捨て台詞吐きながら高笑いして通話ガチャ切りするのは小物すぎる。
愛美と同質のオーラを出しておきながらそよ風扱いなのはもはや哀愁すら漂ってくる。
もしかして人に会えなくてヒマだったのでは……?

ギャグの皮をかぶってるようでシリアス……なようでやっぱりギャグととらえた。
金と銀の相場が2:1なのは完全に不意打ちくらったわ。グランドクロスしてんじゃんw


18 : 名無しのアバター :2022/05/28(土) 23:25:16 hhu14PLM0
61.2.15
バレーで殺し合いする発想が鬼才そのもの。
バレーのルールあまり知らなくても分かるくらいにはうまく書けてると思う。
ここでバレーが出てるのに、愛美様どうやって殺すんだを予想できなかったのはちょっと悔しい。

今回のバレーボールは、高井ちゃんが言ってた引退試合だよなあ。
このサプライズプレゼント中だけ、優美は元の世界にいたころの居場所を取り戻してると思う。
バレー中のNPCへの言動に悪辣さがないもんな。
それなのに、その居場所も心も、自分が選んだ悪辣と憎悪のスキルで全部塗り潰して狂い笑い続けるさまが印象深い。
あの笑いと一緒に涙が一筋流れてる。
涼子とは別軸で本人めちゃくちゃ後悔してそうだけど、それすらスキルの作用で消えていくの、もう本当に誰か殺してやれよってなる。

前から思ってたけど高井ちゃんって割とずけずけ言うタイプだよね。
優美は薫殺害後はグチグチ言ってんなーみたいなところがあったんで、それを真正面から言葉でぶん殴るのは正直スカっとしたわ。
説得してでも連れて帰る、ぶん殴っても連れて帰る、それもイヤならぶっ殺す、の三段構えが武人級に覚悟がキマってると思う。

62.虎尾春氷――急章
しれっと笠子の両親の所業がやばいなあ。その教育方針で弁護士と教師で人望が厚いとかウソやん。
けれど笠子初登場時の何を考えているか分からない不気味さが、この話で一本に繋がって、末路も含めてきれいにまとまったなあ、と思う。
そっか、空っぽだったからこそSランクアイドルに一時的にでも魅了されたその気持ちを大切にしたかったのか、と。
たとえ幻視であっても、地下アイドルを応援する夢に包まれて生を終えるシーンは感慨深かった。

ソーニャがアイドルという偶像であるなら、アルアルもまた†黄昏の堕天使 アルマ=カルマ†という偶像。
プライベートな自分を見せて肯定・否定のどちらを提示されても受け入れると決めたところで、
虚勢でもって互いの関係を共犯者に位置づけて、ソーニャを精いっぱい肯定する。
とてもとても尊い関係。

63.歌の道標
これ、全体的に不思議な雰囲気だなあ。
神秘的なようで、共感しているようで、でも二人の話が絶妙に噛み合っていない。
月乃は愛美とシンパシーが通じ合ってるようで実は一方通行、
愛美の興味も月乃に向いてるようで行き着く先は愛美本人、けれどもなんか仲良くなってるような不思議な雰囲気。
月乃の善性と愛美の自己愛が絶妙なまでに噛み合ってるんだなあ。

それと、何気に中にアイテム入ってそうな引きで〆られた掃除機関係、
世界観の補強につなげていくのはなかなかうまいと思った。
愛美が普通にアミドラドという言葉を使い出すのは少し笑ってしまうのだが……。

64.幽世の湯
鉱石探しやってたんだ……。読み返すまで記憶の彼方に消えてた。


魔王、邪神、主人公のトップスリー会談みたいなのに、温泉に入るロレちゃんがかわいすぎるというのが一番の感想だ。
> 「マサヨシよ。何ゆえ我の道行きを阻むか。理由如何によっては貴様と袂を別つ事になるが?」
これが身体洗わずにお風呂入ろうとして怒られたときのセリフだとは到底思えない。センスがありすぎる。
ロレちゃんお得意のお、お、お、も堪能できるし、温泉ではしゃぐ子供の描写の解像度が高いぞ。
むずかしいお話をしている最中に後ろで温泉を堪能するロレちゃん、アニメでよくそういう描写あるよなあ。
ここ数話で世界そのものもだいぶ解像度が高くなってきた感じで、いよいよ中盤戦も佳境に入ってきたという感じがする。


19 : 名無しのアバター :2022/05/28(土) 23:25:53 hhu14PLM0
65.知らせて芸術
これはまぎれもない拡声器。
枝島先生は優美に会ってあまり動けなかったせいで一人取り残されてしまった感があるのよね。
性癖以外は極めてまともなうえにスキルも支給品も尖ってないので、本当にイチかバチかの賭けでしかないのだが……。
やらない後悔よりやる後悔、自分の心配より生徒の心配、なあたりはまぎれもない教師なんだけど殺し合いの場には向いてないよなあ。
焔花に対するスタンスが二組でまるで違うのは、本人に会ったことがあるかどうか。
焔花の縁が二組を繋ぐ……のかと思ったんだけど、別の二人の縁をつないでしまった……。

66.神に至る病
梨緒ちゃん自業自得でめちゃくちゃイライラしてて、傍から見ると笑えてしまう。
チクリメールとかシェリンに苛立つ描写とか、選択した単語ひとつひとつに彼女の口と性格が悪いのがちらちら見えてて好き。
イコンの人物評にいたっては電波だの売れない地下アイドルだのイカれた宗教女だの、言いたい放題でこれまた笑う。
演説スキルで放送流すとか目の付け所はいいのに、いざ実行には移せないのは臆病な梨緒らしいなあ。

イコンの演説、なんか絶妙に長くて目が流れてしまうのがいかにも胡散臭い宗教。
こういう演説する宗教キャラ、いかにもいそうだよなあ。
だいたいが一笑に付されるイメージなんだけど、現実主義者の梨緒に響くのはちょっと意外ではあった。


67.サメ×アイドル×殺人鬼
このタイトル、セーラー服×機関銃とか女の子×戦車とかのそっち系のタイトルよね?

VRシャークはいきなり不意打ち食らわせてくる恐怖のサメみたいな立ち位置になってて、場をひっかきまわす凶悪トラップみたいになってるね。
海に投げ出されたアイドルたちに襲い掛かるのも、背後から桐本を食い殺そうとするのも、まさにサメ系のホラー映画のような恐怖の象徴になってて面白い。

由香里は三度目の正直というか、ついに桐本に競り負けてしまったなあ。
由香里を殺すために研鑽してきた桐本と、障害のひとつとしか見てなかった由香里とでは勝つための心構えが違ったのか。
ピンチと、何度でも立ち上がる気概、その王道シチュエーションですら潰されるのが無情で、
けれどもトラブルメーカーの秘密兵器の生き様が濃密に描かれていたと思う。

桐本はゲーム慣れしてなかったせいか初動こそ遅かったけど、いったん理解してしまえば恐るべき強敵になったなあ。
狩人の嗅覚を選ぶセンス、サメの不意打ちを切り抜ける咄嗟の判断力、涼子が殺せたのが不思議なくらいの強敵。
VRシャークを返り討ちにするシーンの口上なんて、いっそ頼もしさすらある。
そしてこれほどの強敵に一矢報いたのが、初戦からずっとこのロワがVRであること、というのも面白いなあ。

涼子は、もう誰か楽にしてあげなよ……。
パーフェクトで目の前で救えないのは神さまに嫌われているとしか思えない。
死神とか死の呪いみたいな変なスキルくっついてきてるんじゃないか?


68.炎の塔 〜 人在らざる者 〜
タイトルは魔人二人のことなのか、それともロレちゃんのことなのか。両方とも含んでるんだろう。
琲汰は今までお預けされてきた分、火山のように大爆発したね。
身勝手ながらもどこかコミカル、けれど闘争に関してだけはどこまでも妥協しない求道者としての琲汰が余すところなく描かれていたと思う。
刀を素手で弾くとか産毛に触れたのをトリガに相手にカウンター仕掛けるとか、素で人間辞めてるよなあ。
敗北も遊びのなさ、というかVR要素を利用していなかったからこその敗北で、
現実世界組ではまぎれもないトップクラスの実力者だというのがよく描写されていた。

エセ中国人みたいな口調だったシャが中国語に変わるシーン、ぞぞっとするくらいの威圧感で、世界が切り替わったのが実感できる。
笑い声も異様で不気味だし、人を食ったような口調が原語になることで完全に消えていて、人ならざる者の対決を引き立てていたのが分かる。
シャは出てきた人物をほぼ毎回殺していて、フラグはシステム関係がほとんどだった。
けど、対主催筆頭の正義に対して、ロレちゃんの仇&右腕の借りという因縁が出てきたのもいいね。
彼のボスキャラとしての格に彩りがを添えられているなあ。

すべては些事だったロレちゃんが人間の営みを満喫し、ワガママを言うようになったり正義とじゃれあったりして、正義の行く末に興味を持っていく。
邪神ではなく、ロレちゃんという個の人格が完成したという感じでとても感慨深かったなあ。


20 : 名無しのアバター :2022/05/28(土) 23:26:29 hhu14PLM0
69.新しい目標 - Tribute to The Doomed -
涼子が大爆発してしまった。
魔王が言ってることはしごく真っ当だし、めちゃくちゃ気遣いしてくれてるのに、まさか真逆に転がるとは。
シェリンはあくまで事務要員、なので問い合わせが受理されて勇者復活の可能性が示されたのは運命のいたずらとしてもいいけど、
シェリンの問い合わせ先は主催者なわけで、そこには悪意がありそうなんですよね。

涼子の持ちGPが47Pだったのはたまたまなんだろうけれど、3P譲渡という行為そのものが涼子のトラウマを抉る行為になっていて、
もはや彼女は世界に嫌われているのではないかとすら思えてくる。
ここが地獄の底だと思ったらまだ底が抜けた、何回繰り返すのか。
優美とは違った意味で、誰か楽にしてあげてよと思ってしまう。

70.泳ぐサメの話
VRシャークが一気に世界観の上で重要そうな参加者に躍り出てきてしまった。
本人はまるで何も情報を持っていないので誰にも伝えられない裏話。
支給品を食い、参加者を食い、世界を食って強化されていくこのサメ、ひょっとして愛美の互換系みたいな存在になってませんか?
魂を捕食すると考えれば、VRシャークに食われるのは死の意味が違ってそうで怖いなあ。

71.キミを知るために
月乃と梨緒が色々対照的なキャラに思えてきた。
色々考えるけれど臆病で堅実な梨緒と、ある意味考え無しだけれど大胆な月乃。
いじめられていたのは同じで、救ってくれた人がいたのも同じで、けれども向いている方向は真逆。
この二人の因縁も相当強くて、けれども月乃→梨緒への気持ちが憎悪や復讐じゃなく理解であるあたり、
月乃がユキと同じように、梨緒を掬いだしてくれるんじゃないかなー、という期待はぼんやりと感じたなあ。

72.双子座に昼花火の導きを
姉妹の災害っぷりがこれでもかと描写されてるなあ。
やりたいからやる、自分がよければ過程も結果もどうでもいいという究極の身勝手。
まわりを変えるのか自分を変えるのか、完璧な世界か崩れ落ちた世界か、
色々対称的なところはあるけれども、結果的に同じフィールドに立ってる。
というか円を左回りと右回りに進んでいって半円描いてかちあったみたいな二人だわ。
こんなの周りにはどうにもできないでしょ。
もう二人だけでやってくれ、となっちゃう。

73.天上楽土
愛美って本当に得体の知れない存在だったんだなあ。
姿もなく村一つ消すのはもう勇者とか魔王とかのレベルではない。
愛美は自由にやってるだけで、そこに憤りを感じるか恩を感じるかは本人次第、これ災害みたいな存在だ。
なお、異世界を救いを求める人々が溢れるどうしようもない場所にしたのは勇者たち自身なんで、壮大なマッチポンプ感がある。

今回すごいのはソーニャなんだけど、イコンは夜が明けて以降の戦績が振るわないなあ。
魔王にこすい嫌がらせをして、梨緒相手にケツまくって逃亡して、ソーニャにスルーされていいところがあんまりない。
愛美様に鶏肋扱いされてませんでしたか?
芸能界にすり寄る変な人扱いはさすがに気の毒になってきた。


21 : 名無しのアバター :2022/05/28(土) 23:27:09 hhu14PLM0
74.第二回定時メール
第二回からは新しい話が来るたびに誰か死んでる気がする。
このペースの落ちなさ、対主催からマーダーに転向したキャラってほとんどいないんで、元々やる気のある参加者多すぎなんだよね。
火山エリアが採掘イベントほぼないまま廃棄されてしまってちょっとかわいそう。

75.暗殺者は海を征く
> 「大将、やってるカイ?」
この掛け合いが粋で好き。この人のこういう言い回し、きっとネトゲで覚えたんだろう。
けれどシャ自身の強化も逃亡禁止ルールもえげつない制限。

申請券でルールを追加は予想外だった。
自分も不利になりえるルールをノータイムで追加できるのが彼らしさ。
享楽的で、結果的にどう転ぼうとも面白ければOKという彼の信条はまわりからすれば堪ったものではないけれども。

76.歌声は届く
優しいユキちゃんは不思議な存在だと思ってたけど、真相が分かったら腑に落ちた。
そして梨緒がユキになりたいという感情が、憧憬とか恋焦がれるみたいな温かく美しいものではなくて、
ぐつぐつ煮え立つマグマのようにどろどろした強烈な情動だと分かってさらに納得した。
梨緒ちゃん、そんなタマじゃなくない? みたいなのがすっきり解決。絶対者、なりたいよなあ。

そんな莉緒の心にも月乃の声が届いたのは、
彼女が駆け引きとか謀略を使わず、不器用にストレートにひたむきに莉緒を理解しようと努めたからだろうなあ。
莉緒に、聞いていてもいいかな、と思わせたところで、彼女の憑き物がすべて落ちたような気がした。

アイドルも歌唱も失った月乃の歌で、アイドルも武道家も失った善子が立ち上がるのは運命めいていて好きだなあ。

77.Prayer
イコンは最初はこいつどうやって倒せばいいんだって相手だったのに、どんどんメッキが剥がれてきて……。
自分から魔王にコンタクト取った結果手の内読まれるドジっ子に落ちてしまうとは。
呪詛返し系の突破法はオーソドックスな解法だったけど、すぐに導き出すのはさすが百戦錬磨の魔王。
正直、年季が違ってるんだよなあ。

愛美に取り込まれ、愛美に尽くして、天上楽土に行くことを目指して奉公してきたはずのイコン。
たびたび挟まれる回想を見るたびに、彼女はどこで間違ったんだろうといたたまれない。
魔王を振り向かせることもなく、愛美にも袖にされて、村の仲間にも会えないまま最期は独りサメのエサというのは報いを通り越して気の毒になるんだ。


22 : 名無しのアバター :2022/05/28(土) 23:28:54 hhu14PLM0
78.昼の流星に願いを
中国語ロシア語ギャル文字と、作者さん自身がバイリンガルなのでは?
よくこういう演出思いつくなあ。

ネトゲの設定をうまいこと落とし込んだ世界観設定には舌を巻く。
本来のシナリオから最終目標を引きずり出す流れとか、別サーバに飛ぶことを元の世界に戻ることへと位置付けるとか、
殺し合い企画とネットゲームをうまく融合させたなあ、と。
ほとんどの参加者がネットゲームから引きずり込まれたというのは大いに納得した。
そうでない参加者は異世界組や人外、無職組とシャ以外の犯罪者くらいじゃないかなあ。

正義の考察は大変まじめでお堅い話だけど、ソーニャと良子がキャラを変えないのでなんか笑えてくる。
正義にアバター名をフルで呼ばれる良子、シュールすぎてソーニャは内心で爆笑してるでしょ。


79.Sister War
勝ったほうが我々の敵になるだけですバトル。
優美は優美でロクな人間じゃなかった気がするけれど、それでも救いがない。
お姉ちゃんみたいになりたかった、の答えがこれからお姉ちゃんになるよ、というのはあまりに……。
すべては予定調和で勝利は当然、みたいな顔してくるのでなおさら報われない。
愛美側も色々やってるけど、準備段階で身柄確保取ってるということは、すべては予定通りなのでしょう?
何もかもかなぐり捨ててもついに届かず、最期に残った憎悪すら未来の日常の夢に塗りつぶされて、優美であった証は最後に流れた涙だけなのは無情が過ぎる。
愛美への憎悪は読者としての俺自身には届いたけれど、そんなの救いにはならないよね。

ところで、中学時代の勇者としては薫が一番まともそうに見えるのだが?


80.Deep Blue Sea
次々と舞台が切り替わっていくバトルとして実に面白い。
海に引きずり込むか凌ぎきるかの海上戦、そこからの水中デスマッチは他企画でもまず読めない特殊環境バトルで、読みごたえが抜群だった。
野生と理性のぶつかり合い、そして知性と知性の読み合いは手も汗握るという感じで楽しかった。

ラストの果たし状はアツすぎる。
シャはあまり他人に強い興味を持つキャラではないように思うのだけれど、そこで強い因縁を持たせて次回の対決に彩りを添えてくれてる。
次回の対決はきっと極上のものになるんだろうなという期待が持てるいい引きだった。


23 : 名無しのアバター :2022/05/28(土) 23:30:02 hhu14PLM0
81.リベンジマッチ
ずっと超然としてた愛美、こいつはなんなんだ、みたいな印象があったんだけど、この話でちょっとだけ好感度上がった。
魔王を取り込むリベンジマッチに成功して喜んでたり、圧倒的に強くなって被虐的な態度を取ったり、
魔王を取り込むときにちゃん付けを強調して呼んだり、欲しいものをはじめて手に入れて見せびらかす子供みたいでちょっとかわいい。
あと、憎悪の化身での変化がクリーチャーではなく、美しい真人となるのが愛美だなあってなる。
好感度マイナスのままだけど、その絶対値がわずかに小さくなった。

魔王負けたけど、強くない?
この人強化もスキル取得もせずに己の技量だけで愛美に勝利しかけてるのはさすがの一言。
世界観は脱出に使うくらいかなって思ってたら、世界観を利用してバグ技編み出してくるのはすごいわ。
というか優美の憎悪の化身のおかげで勝てたわけで、優美取り込んでなかったら普通にリベンジマッチを果たされていたのでは……。

ラストにリベンジマッチしに来た善子について、
まことに申し訳ないけど『いやいや無理でしょ』みたいな感想になってしまったなあw

82.ハッピー・ステップ・ファイブ
アイドルグループの発足と落日を見届けてしまった。
血に塗れ、死体を踏み越え、自分すら生贄にしてでもグループを続けようとしているアイドルが唯一残った仲間から終焉を告げられる無情。
彼女らの奮闘の日々が挟まれるたびに、もうこれは終わった世界なんだなと心に穴が開いたような気持ちになる。
ラストシーンの自殺は、これまでの日々がセピア色に色褪せてフェードアウトしていくような儚さに満ちているし、
ラストのライブシーンは、もう訪れることもない未来のまぼろしのように見える。
涼子は一度たりとも救われなかったし、良子も紡いできた絆が幻であったかのように消えてしまって、重苦しい雰囲気。
かわいらしく希望に満ちたタイトル兼グループ名と反して、一貫してノスタルジックな作品だったと思う。

83.白に至る
バレーで殺せることは過去話で提示されていたので、そう来たか! と思う一方でこの勝ち筋に気付かなかったのは悔しい。
愛美があまりにも強すぎて、こんな相手に万が一にも勝ち目なんてないのでは、みたいな気持ちで読んでたんだけど、
アイドルバトルが出た瞬間に『これは勝ったな』みたいな気持ちになってしまったw
『世界に在るは我一人』なキャラが即興でアイドルできるとはとてもとても……!

真っ向勝負では絶対勝てないことを理解したうえで、愛美に一片たりとも力を発揮させずに封殺した善子の作戦勝ちだったなあ。
加えて、愛美は優美を取り込んで人間らしい感情を手に入れたからこそのトラップにハマってしまった印象だ。

アイドルバトルで希望を声に載せて届けた結果、命を散らしかけた正義や心の折れかかった良子に希望を繋いでいく流れも美しい。
シャにまったく声が届かないのは、彼には大切な人や彼を待っている人がいなかったからなのかなあ、と思う。

そして正義とシャはバトルの集大成って感じだなあ。
守護と殺害、あらゆる意味で対照的な二人が、己のプライドを為すために、渾身の一撃にかけるシーンは何度見てもアツい。
シャの『做得好』の一言に賞賛や満足感、夢の時間が終わることの名残惜しさなどのあらゆる感情が入っている気がして、読後感がものすごくいい感じ。

正義や善子が良子を救いの塔まで導いたのは間違いないけれど、
最後の赤子に呑み込まれなかったのは勇太の最期の呼びかけや、HSFの生き様を間近で見たことで、自分一人が生き抜く覚悟ができていたからだと思ってる。
彼女の出会いには無駄なものがない、そう思いたい。

『救いの塔=セーブポイント』
この解説は痺れた。そうだよ、その通りだわ。

めちゃくちゃどうでもいいことなんだけど、エンジ君の人格が赤と青のどちらに入れたのかむっちゃ気になるんですけど。


24 : 名無しのアバター :2022/05/28(土) 23:31:12 hhu14PLM0
84.エピローグ -私らしく君らしく-
何もかも元通りになったわけではなく、けれども大きく変わったわけでもなく。
ちょっと強い身体が手に入ったけどそれだけで、元の世界の住人としてそのまま生きる。
参加者全員を振り返ることはしないけれど、縁の在った人たちと、手の届く範囲でできることならやっていく。

死者たちを復活させて救世主となることもなく、けれども勇者たちのように世界を巻き込んで堕ちることもなく。
少なくともこの世界は、もう理不尽に巻き込まれることなく、きっと平和なのだろうなあ。
一人の人間が未来へと日常を紡いでいく感じが、後味のいいラストだった。

アイドルが異世界に希望を届ける漫画、この企画の集大成。
最後まで面白かったです、ありがとうございました。


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