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【企画立案】オリスタ会議室【イベント進行】

583名無しのスタンド使い:2023/11/14(火) 21:39:16 ID:vaR4k3ss0
【課題名】
ドアに置かれた鍵
【使用オリスタ】
No.7169 スクエア・ダンス
【解答】

 二階建てのモーテルの一室、中は乱雑に散らかっていた。

 多種多様な嗜好品・物がジェンガのように際どいバランスで積み重ねられており、中にはトロフィーや表彰状等も散見されるが、あるべき場所に飾られているのではなく、物で散らかった部屋の中で忘れられているように見えるだろう。

 この部屋の主はというと、タブロイド紙をアイマスク代わりにベットで眠っていたようだが、不意にムクリと起き上がったかと思えば、何かを閃いたのかのように指を鳴らす。

「そうだ冒険に行こう。南米のアマゾンで遺跡巡りの旅がいい。石仮面に柱の男?そそるんじゃーないの?ついでに新種の生物なんかも発見できたら素敵だなぁ」

 突拍子のない与太話を言っているように聞こえるかもしれないが、この男は至って大真面目。真夏の太陽のように瞳をギラギラ輝かせながら今後の展望を思い描きつつ、早速身支度を進めるべく己のスタンドを発動する。

「スクエア・ダンス」

 男に呼び出されたスタンドは、纏衣装着型に近しい性質なのか、見た目はフードに顔の名残がある長袖の服で、男が袖を通さず肩に羽織る形で発現した。袖口からスタンドの腕が伸びており、見た目は四本腕の様に見える。

〈スクエア・ダンス〉が両腕を伸ばし、部屋の中を埋めつくす物を次々に掴み取ると、瞬く間に袖の奥に引き込んでしまう。

 百科事典にアイロン・観葉植物・金属バット・自動小銃・カメラ・ゲーム機・ダンベル・天体望遠鏡……袖口よりも明らかに大きい物だろうと関係なく、袖の奥に瞬く間に隠してしまう。その癖、袖は膨れ上がる様子もなく、まるで袖の中に隠した物を消失させたように見える。

 神隠しならぬ袖隠し、袖の奥に引き込んだものをこの世から完全に消し去り、異空間に隠し置く。これが〈スクエア・ダンス〉の特筆すべき能力だ。

 神憑り的な速さで10分もしないうちに、物で散らかったモーテルの一室は小綺麗に片付けられた。

「うーん、いいねぇ。飛ぶ鳥跡を濁さず、されど旅は身軽が一番」

 スタンド能力を駆使して身支度を終えた男は、本気で南米に向かおうと部屋のドアを開けようとするが、ドアの前に何か重たい物が置いてあるのか開かない。

「チッ……何だこりゃ」

 ドアの隙間を覗き込むと巨大な何かが入り口を塞いでおり、身に覚え……がないこともなさそうな男は首をかしげる。

「……こんなの持ってきたっけ?」

 男が思案するよりも先にドアの向こう側から答えが帰ってきた。


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