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投下用SS一時置き場4th
172
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エンドロールは流れない【第三章・愛をその手に】 -Run through- 4
:2017/11/27(月) 11:26:43 ID:3Yadmbz20
「…状況が状況だ。此方が危険と判断したら力付くでも撤退させる。それだけは覚えておけ」
「…はい!ありがとうございます、リヒターさん!」
後は急ぎデクスを追跡してスタン達を助けるだけ―――。
その時、カイルがふと何かを思い出し、エミル達に訊ねた。
「あ、そうだ。これは出来ればで良いんだけど…グミとか回復薬って余って無いかな?
塔の近くで仲間が弱ってるから、回復させてあげたいんだ」
「うん、勿論だよ」
勿論この状況下だから無理ならそれでも大丈夫と付け加えたカイルに対して、
エミルは快諾する。正直余ってるというには程遠い状況であり、リヒターはきっと
内心温存させておきたいだろうが、命の恩人でもあるし、カイルの仲間というならばきっと信頼出来る筈だ。
そう判断し、パイングミをカイルに手渡す。カイルは礼を言って受け取ると、それをティアに渡した。
「ティア、悪いんだけどこれをヴェイグさんに届けてもらえないかな?」
「…私も行かなくて大丈夫なの?」
「うん、エミルは助けられたし、こうして回復薬も手に入った。ティアが付いて来てくれたお陰だよ」
カイルも2人の止血処置をきちんと行い、応急手当は行ったが、
やはりティアの治癒術の存在が大きかったのは言うまでも無い。
仮に自分1人だけでは、先程のアッシュの二の舞になっていても可笑しく無かったのだから。
「でもこれ以上俺と一緒に来たら、今度こそ戻れないかもしれない。折角ルークさんと再会出来るチャンスを
俺の所為で失わせたくない」
そのデクスがどんな化物かは実物を目にしていない以上分からないが、
この2人をここまで負傷させる程である。ティアの助力があれば本当は心強い所だが、
此処に来るまでに無理を言って付き合わせてしまったのだ。ヴェイグの依頼品を
託す形にはなるが、今度こそティアを危険な目に遭わせる訳にはいかなかった。
「…分かったわ。でも無理はしないで。リアラと再会したいのでしょう?
…その、スタンさん――貴方のお父さんと一緒に必ず帰って来て」
「分かった!必ず皆一緒に帰るから!」
笑顔でそう言うと、カイルはエミルとリヒターと共にデクスが走り去った方角へ駆け出す。
その背中を見つめながら、ティアの胸中に僅かながら不安が過る。確かにルークとの再会の機会を失いたくないが、
同行者が2人増えたとはいえ、そのデクスを相手に無事に済むのだろうか。そしてスタンとリアラに再会出来るのか――。
それでもカイルに託された以上、それを為さねばならない。それにヴェイグには1つ確認をしなければならない事もある。
ティアは不安を打ち払う様に視線を元来た道へと戻し、同じように駆け出す。
再び戦場へ戻り、或いは参戦する参加者達。
その戦況、未だ好転、打開の術は見出せず。
それでも互いの未来を、希望を信じ、戦いに赴く――。
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