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投下用SS一時置き場4th
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エンドロールは流れない【第三章・愛をその手に】 -Run through- 3
:2017/11/27(月) 11:26:08 ID:3Yadmbz20
告げられた事実の重さに、エミルは自分の世界が崩れるような感覚を覚えた。
それが意味する事実――それはこのカイルの母を、自分の所為で死なせてしまったという事。
仲間を、友を失うよりも遥かに重く深い心の傷を負わせてしまったという事だ。
「…エミル?如何したの?」
カイルの言葉にもエミルは茫然としたまま座り込んでいる。
リヒターは予期せぬ邂逅と事実に内心舌打ちをしながらも、気になった事を問い質す。
「カイル。お前の両親がスタンとルーティという事だが…それは事実か?」
「うん。と言っても俺は父さん達のいた時代から18年後の世界から来たんだ」
スタンにせよルーティにせよ、20代前半か10代後半だ。このカイルが10代後半位ならば、
年齢の辻褄が合わない。そう思ったのだが、カイルの回答により一瞬で辻褄が合ってしまった。
無論未来からなど突拍子も無い言葉、以前のリヒターならば一蹴していたかもしれないが、
死んで間もない人間のアリス、デクス所か、ミトス=ユグドラシルまで蘇り、
且つ此処に呼ばれている時点で十二分にあり得る事である。だがそれはそれで不味いとも思う。
この状況下で事実を知ったエミルが取る手が容易に想像出来たからだ。
「エミル!?まだ動いちゃ――」
「…行かなくちゃ、いけないんです」
事実、カイルの言葉に首を振り、エミルは痛みを堪えて立ち上がっていた。
ティアもそれを制しようとするが、恐らく今度は止められないだろう。
「――カイル、スタンさん達を助けたら…君とスタンさんに話さなければいけないことがあるんだ」
「話さなきゃ…いけないこと?」
「うん、凄く大事な話。必ず話すから、今は僕達に協力してもらえないかな?」
「…ああ、勿論だよ!」
エミルの言葉に一瞬カイルは戸惑った表情を見せたが、すぐに笑顔を見せ頷く。
それに釣られるようにエミルも軽く笑顔を見せ、黙ってリヒターに視線を移す。
リヒターにしてみればカイル達への恩義があるとはいえ、エミルは正直此処で休ませたいのが本音ではあるが、
恐らく罪の意識から決意は揺ぎ無いであろう。それに今この場で事実を告げて混乱――下手すれば戦闘になられるよりはマシだ。
今はとにかくイグニスの回収を急がねばならないのだから。無論、優先順位を理解してるとはいえ
エミル―――ラタトスクにもしもの事があっては意味が無い。リヒターは軽く溜息を吐くと、1つ頷いた。
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