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複雑な恋愛感情

1名無しさん:2013/06/01(土) 18:29:48
「あのさ、聞きたい事があるんだけど――」
 昼休み。
 昼食を終えた僕の元に、話があると彼女がやってきた。
 そして連れて来られた場所は屋上。若干風が冷たいが、それでも僕の心はウキウキだった。
 だってねぇ。こんなシチュエーション、誰だって期待するでしょ。普通。
「――修君って、甘い物好きなのかな?」
 だけどまあ、そんな僕のウキウキ気分はあっという間にどこかへ吹き飛んでしまいましたとさ。
 さて。
 残念ながら僕は春日晴彦という名前で修と言う名前じゃないから、この場合僕の事で無いのは理解できる。そんでもって柊っつったら、僕がガキの頃から一緒のいわゆる幼馴染というやつで、小学一年から高校生になった今までずっとクラスが同じという、ある意味呪いのような仲だ。
 つまり彼女は、修の事を聞きたいらしい。
 ただ、疑問なのが、彼女の顔がほんのりと赤く染まっており、どこか恥ずかしそうな雰囲気を出しているというところにある。
「……えーっと。なんで?」
 よせば良いのに、僕はついついそんな事を聞いてしまう。

2名無しさん:2013/06/01(土) 18:30:57
後悔するまで五秒前。
「あ、あの。バレンタインデーに、チョコ渡そうと思って」
 はい自滅。
 自分で埋めた地雷を踏んじゃいました。
 彼女の真剣な様子から、義理なんていう甘っちょろいもんではないだろうから、菓子会社が画策した、どことなく陰謀の匂いのする日に乗じて、告白なんぞをするつもりかも知れない。
「……あ、えーっと。修、チョコは多分平気だと思うけど、あまり甘いのは苦手」
 少し気が遠くなりそうになりながら、僕は素直に本当の事を教えた。
「そうなんだ……うん、ありがとう、春日君!」
 彼女の満面の笑み。
 それだけで、僕の心は癒されてしまうのだから不思議なものだ。
「春日君にもちゃんと義理、用意しておくからね!」
 彼女は無邪気に、はっきりと義理と宣言して、屋上から去っていった。
 一人残された僕に、木枯らしが吹き抜けていったような気がした。
 どうにかして、バレンタインデーなどという行事をカレンダーから抹殺できないものかと考えながら、僕もとぼとぼと屋上を後にした。

4ナズーリン:2013/12/22(日) 13:45:08
AKB糞キモい


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