,ｰ;
＿ //
＿_、 _廴ハ,,,, ,-､ //
￣＝＝ == ‐- ＿ (＿__ ￣￣r_;ミミミｯ 夊/
￣＝=、ヽ､_￣ﾆ＝ｪ ミミミﾁ兜／戌ヽ､
￣＝￣＼ ゛弍ﾆｪ (● ●）￣ﾊ
￣(,r'＼_,,...-‐ ﾐｪ（人__）ノﾊ=ヽ
.r─ー--‐ｰ-､＿_ ￣／::::::::::.:.:.:ﾐｪ`‐'＿__直垂气 「 義光公―――
/￣ゝー――ヾ､:::::::::`'ｰ-､/´￣￣'''":::::::::::::::.:.:.:.:.:.ミ〈_ｊ_ｊ_ﾉ≡甲ノ
(:::::::::) ／￣＼＼::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.: ＝===ll============= ―――例の鉄棒提真先に進給ふ 」
ﾞ￣゛ .／ ／^＼::＼ﾍ:::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ｧ⌒マ圭圭气
) ゝ ＼::＼::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＿_ /´ /;;;;寸三圭ﾍ ＿
|:::::/ ＼:::::::::::.:.:.:.:.:.:.:..:.:.( (ｰ--'′ / ￣￣￣￣￣ :.:ヽ
ﾞ￣ ｀ー､:::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼ ＼＿__/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ 『最上記 地本』より
＼::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ､_＿/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::) ,ｨ⌒ヽ､
7７＼:::::::::::::::::::::::::::::::／￣￣`:::::::::::::::::::::::::::::ﾉ￣;;;;;;;;;;;;;;;`､
/ ｀ー＼:::::::::::::::::::::::〈:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/´＼;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾊ
`ー――'`ー‐-ｫ:::::::::::＼::::::::::::::::::::::::::::::::::ノ 入;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾊ
ノ::::::::::::::::::＼::::::::::::::::::::::ノ´ ヘ;;;;;;;;;;;;:ﾊ
（::::::::::::::::::::＿_):::::::::::::.ン´ (;;;;;;;;;;;;;ﾊ
ﾏ:::::::::::::::廴 ):::::::::::::く ｛;;;;;;;;;;;;;(＿
＼:::::::::::::／::::::::::::::::::） ヘ､;;;;;;;;;;;;;;;⌒`､＿
/´::::::／:::::::::_,,.-‐''" `ー--‐‐‐-､＿彡
まとめサイト様
やる夫＋まとめ -戦国系-（ttp://yromtm1059.blog117.fc2.com/）
やる夫を拾い読み（ttp://yaruowohiroiyomi.blog.fc2.com/）
┌─────────────────────────┐／
│※申上事条々 ／,.'
│ やる夫が「最上義光」に生まれたようです。 ../ ./
│ この作品はフィクションです。史実はお星様です。 .{. i' ,. '"￣゛ ｀` ヽ 、
│ 有名人や有名イベントもスキップすることがあります。 ｀ヾr'"~￣゛｀ 丶、 `、
│ ネタバラシ行為は荒れるもとになります。 , '"~￣ ゛ ／`| ヽ i
│ いつも温かいコメントありがとうございます。 i' il ∠ -┤ .ｌ |
,..、 ─── ,.-､──────────────（＼───|＿从＿__|Ti._Ti.|＿_l |
! ヽ､ ,':;' ヽ ｙ ヽヘ |ヽ'' ' ￣''"j.ヨ| |
─l- ヽ､ゝ,...../:::!;.,. ┼- ゝ〜| √ ｀ヾ`区｀─゜─''^|コ、 |
-‐f‐ｧ';.-‐､::::;:-‐ ､<ｊ´｀ ~｀ヽ〟 k .|/|ゝ＜」 ∧| ヽ |
､__,〉:/ l l:::! l j:.!,.-_ニ､ ｀Τk ‖￣￣ k | 〆 ｜
ｰ‐'_ﾌ::丶-::'::::::丶- '::::lﾆ -､ ｜|￣|y ＿ 、√｜|＼｜
´ ヾ:::::::::::::::::::::::::::::/ | .| ｜ | | |〆 |
,ノ:::::::::::::::::::::::;: '′
／.:::::::::::::::::::::::::::!
,.'::::::::::::::::::::::::::::::::::j
:::::::::::::::::::::::::::::::::::/
2nd板より移住してまいりました。
今後ともよろしくお願いします。初めてお目にかかる方もどうぞよろしく。
こちらでは初スレということで、これまでの年表をば。
＜ 早わかり？やる夫世界年表 ＞
天文十五（1546）年 ： やる夫、最上義守の嫡子として生誕。幼名は白寿丸。
奥州では伊達氏「天文の乱」のさなか。畿内では足利義輝が将軍となる。
永禄三（1560）年 ： やる夫元服。足利義輝より偏諱を受け、源五郎義光となる。
尾張国「桶狭間の戦い」で織田信長が勝利。
永禄四（1561）年 ： 義守とやる夫、最上高湯（蔵王温泉）で湯治。盗賊に襲われ撃退する。
永禄六（1563）年 ： やる夫、父とともに上洛し、足利義輝に謁見。山科言継が同席、日記に残す。
永禄七（1564）年 ： 義姫、伊達輝宗に嫁ぐ。
永禄八（1565）年 ： 最上一門の清水義高、大宝寺義増との合戦で討死。
足利義輝、松永久秀ら三好軍に攻められ自害。
永禄十（1567）年 ： 伊達輝宗と義姫に男児（梵天丸）誕生。
元亀元（1570）年 ： やる夫、家督を相続。氏家定直の諫言により、最上義守が隠居。
伊達輝宗、宿老の中野宗時らを粛清。
天正元（1573）年 ： 寒河江大江氏で内乱発生。寒河江兼広失脚。
織田信長が上京を焼き、将軍の足利義昭を追う。
天正二（1574）年 ： 「天正最上の乱」勃発。やる夫と伊達輝宗、上山で戦う。
白鳥十郎の周旋により、最上にて和睦が成立。天童頼貞とは破談。
天正三（1575）年 ： やる夫に嫡子（義康）誕生。
「長篠の戦い」にて織田・徳川連合軍、武田勝頼に大勝。
天正五（1577）年 ： やる夫、天童頼貞を攻め、撃退される。
白鳥十郎、織田信長へ遣使、安堵される。
天正六（1578）年 ： 里見越後・民部親子、やる夫に内応し、上山満兼を殺害。
上杉謙信病死。
天正七（1579）年 ： やる夫発病し、湯殿山に快癒の祈願をする。
上杉景勝、内乱を制す。
織田信長、大宝寺義氏に屋形号を授与。
天正八（1580）年 ： 天童頼貞病死。頼澄が相続し、姉はやる夫に輿入れ。
やる夫、馬揃えを執り行ない、小国の細川直元を討つ。
天正九（1581）年 ： 氏家守棟、鮭延秀綱を攻め、降伏させる。村山郡平定。
新発田重家、織田信長・伊達輝宗・蘆名盛隆の支援で上杉景勝に反乱。
天正十（1582）年 ： やる夫に次男（家親）、三男（義親）誕生。
大宝寺義氏、由利郡と村山郡を攻めるも、撃退される。
「本能寺の変」。
天正十一（1583）年 ： 大宝寺義氏、安東愛季に大敗。
前森蔵人（東禅寺筑前守）謀反、大宝寺義氏を討つ。
相馬盛胤・義胤親子、伊達輝宗と和睦。
天正十二（1584）年 ： やる夫、山形城にて白鳥十郎を謀殺。寒河江制圧。また天童頼澄を追放し、最上郡を統一。
蘆名盛隆、暗殺される。
伊達輝宗隠居、政宗が新たな当主となる。
「小牧長久手の戦い」勃発。羽柴秀吉、東国へ関与。
天正十三（1585）年 ： 大宝寺義興、清水義氏を攻撃。
畠山義継、伊達輝宗を拉致。政宗、両人を殺害。
「人取橋の戦い」。政宗、佐竹義重ら連合軍を撃退。
羽柴秀吉、従一位関白に叙任。
天正十四（1586）年 ： 東禅寺筑前守と大宝寺義興、戦闘。
小野寺義道、有屋峠にてやる夫と合戦。戸沢盛安、小野寺領を攻撃。
上杉景勝、上洛して羽柴秀吉に臣従。徳川家康、同じく臣従。
天正十五（1587）年 ： やる夫、大宝寺義興を討つ。
佐竹義重次男の義広、蘆名氏家督を相続。
安東愛季、病死。
伊達政宗、やる夫に内通した鮎貝宗信を追放。
「九州征伐」。島津氏ら、豊臣秀吉に全面降伏。
天正十六（1588）年 ： 「大崎合戦」にて、伊達軍大敗。
上山に保春院が居座り、講和を促す。
「十五里ヶ原の戦い」。大宝寺義勝を擁する上杉軍、最上軍に大勝。
天正十七（1589）年 ： 豊臣秀吉、大宝寺義勝を安堵。
安東（秋田）実季、内乱を制す。
伊達政宗、「摺上原の戦い」で会津を制圧。秀吉、伊達誅伐を下知。
天正十八（1590）年 ： 豊臣秀吉、「小田原征伐」で後北条氏を滅ぼし、あわせて「奥羽仕置」を行う。
やる夫、伊達政宗、南部信直ら参陣。
奥羽各地で仕置反対一揆が蜂起。鮭延秀綱、仙北へ進駐。
天正十九（1591）年 ： 「九戸政実の乱」発生。仕置軍の再攻により各地の一揆鎮圧。
伊達政宗、本領没収。減転封。
大宝寺義勝改易、旧領は上杉景勝に安堵。
豊臣秀吉の嫡子・鶴松夭折。甥・秀次が関白を継ぐ。
天正二十（1592）年 ： 「唐入り」、「文禄の役」始まる。やる夫、九州名護屋滞在。
矢島満安、山形に参上した後、由利衆に追放される。
後陽成天皇即位。改元。
文禄二（1593）年 ： 里村紹巴一門、連歌会の発句をやる夫に指名。
大友義統改易。やる夫、国許に不安を訴える。
小野寺義道家中、内紛。矢島満安自害。
豊臣秀吉に男児・拾丸誕生。
文禄三（1594）年 ： 小野寺義道、宿老・八柏道為を粛清。
楯岡満茂と鮭延秀綱、仙北雄勝郡制圧。
秋田実季と浅利頼平による比内紛争勃発。
保春院、山形へ出奔。
文禄四（1595）年 ： 「秀次事件」発生。関白・秀次、失脚し切腹。
やる夫の娘・駒姫、他の妻妾とともに処刑される。
やる夫の正室・大崎氏、急死。
＜ 現在の主な人物 ＞
＿＿＿_
／ノ ヽ､_＼
(⌒ヽ （○）}liil{（○） ＼
＼ ＼／ （__人__） ＼
＼ | ヽ |!!il|!|!l| / |
＼ |ｪｪｪｪ| ／
(⌒￣￣￣￣￣ く
￣￣￣￣￣￣ ヽ
＼ ヽ γ´ 7
＼ ｀､ （ ／
,.-―――― ﾘ､／ /
弋 ､＿＿＿＿＿ノ ` /
＼ ＼ ＼＿ノ
＼ ＼
＼ ヽ
＼__）
最上やる夫義光 ： 主人公。山形城主。室町幕府羽州探題の最上家に生まれる。
時々の情勢に右往左往しつつ、勢力拡大。二十四万石を安堵されている。
／,. ===== 、 ｀ヽ.
／／ ＼ ＼
i ,. -- ----ト、 ＼ ヽ
（ __八_／ /｀ヽjハヽ ｀ヽ ヽ
／ / /. .ﾄvへ ', i｀ヽ }
, ' , ' / / i | ___Vﾄ l ﾄ、ノ
/ / ./ / i i ｌ | ´ __ﾘハ i / ＼
,' ,' ,' / j__l lｌ | ´「r'｀ヾi i // i l| ＼
l ｌl ! ! /´,.イ 「＼j ﾍ㌧ﾘ ﾘ./ ｌi l| ヽ
. ｌi 、、 、K 〈r'ﾍ ´￣／ / i ｌ ﾊ
八 ヽヽ＼ﾊ `イ ' r‐┐ -/ li ﾊノ´｀
/ //i ト- _ `ｰ' ／i ﾘ'
. / // .ｌ ｌ l て「 ／ .ﾚ' ﾍ＿＿ , 、
／ ／i i i jハﾉ く´ __ _i{ ／ / ＼
／ ／ /∧ ハ ／ ,. -／￣{ j´_´￣｀ヽi ＼
/ / .// 八 ノ ／ ／ /i__j＼ 〈 ＼
レ V / ＼_／ /ハ ＼ ノl }
. 〈 く ／/ i.⊥ ハ ｌ ／＼
＼ / ん' ⌒'〜'´ ゝ.__＿ ／ .／、
トへ j ＼／ ＼
保春院（義姫） ： やる夫の妹。伊達輝宗の正室。政宗の母。
伊達家を出奔、山形郊外に隠棲している。
. ／::::::::::::::::::::::::::_＿＿＿::::::::::::::::::}
/::::::::::::::::,, - '' /／ ¨i '' ‐､ノ ＿_
､::::,, - '' 〃-‐- ､ ,イ /l l l ／¨`￣ ヽ
l l l ｬェｧ / /_」 ll l . ／ ＼
l l ! .l／ ｀/／ｨぇ! l l ! / / ヽ ',
l l l ! l ´ !｀"/! l l ! . // |. | ｜ ',. i
/__ ﾉﾉl l l ､＿_ ′,' .l ! l/.| i ﾊ ﾊ. l !｜
´::::｀丶.l l ! ￣´／ // . | i | |/:-}ﾍ. ﾊ-l‐| } | ,
::::::::::::::::', l、 ､＿／ // l | lK.i':::I`∨.ｲ:::i7'ｲﾊ/
::::::::::::::::::', l::`l 〃 ./' ∨＼{ ￣ i ￣j/ﾉ
::::::::::::::::::::', l:::::l／,ｲ / ＼ - -‐' ／
::::::::::::::::::::::', ',ハ｀ヽ、 / __ト イ__
::::::::::::::::::::::::',l､ !, −＼＼ / !ﾉ V ＼
:::::::::::::::::::::::/:.:i ﾘ:.:.:.ヽノヽ､） . ／| _ヽ /く＼ﾄ､
:::::::::::::::::／:.:.:.l/:.:.:.:.:.:.:ヽゝ-ヽ、 ,. '´ :l' } l ￣/／ ｀ ､
:::::::::::::/:.:＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.',:.:.:.:.:.ヽ / l `¬/' |
谷柏直家・志村高治 ： 最上家臣。やる夫に家督相続時から仕える古参。義康を支える。
, ーーーー--- ､,,_
/,,,,､､､､､､､､,,,,_ ~`'' -,
/ ~`'ｰ--､,_l-ー､
,;====='=======,=,===;;;;;､､､､,,＿l l
~`'／ / ／` `l , '､ ~~~~`''､~=';;､､,
{ l l _, -l､ l -'-,l .l / .l二_~~
`､ '､ 'i / /ヽノ,.／ l /
／'''l''l ,;=;;､ ,;;==､ ',-`i .l／;;-,
>､,_ 'i' ' ／ / ' / ` ,､ノ .l .} }
./-'`i7ヽ､(_`-------_~,),.ノ .l`ｰ-､'i,／ ,
../ `､ -`'､-''~,~,ﾆ､~'7~, -'' `ヽi ヽ､,,,,,／./
.`''ー-､､-_'､/ .l , -'､./ , ＼ _/,
.<`､ l{ `'}.i}' ./ ヽ `~_／
`''/`､'//,--, _,l, `､,,ﾆｿ
し ' `､'ヽ: '--' / ＼
新関久正 ： 最上家臣。やる夫の側近。
_,. -─ ー─- ､_
_.イ_ -‐───── ､ ＼
／∠ -‐─‐r──‐-､ / ＼
/ / / / ﾊ V ﾊ
／ / / / / 〉 ｲ ', l
／ ,' /／|＿_ノﾚ′厶＿／ ! ! | !
／ ／ { 厶 ヽ ／ ﾚ| ｜ |
∠ ／| 个 ＿ _ィf示ｱヽ! ｜ ├─┐
| ｲィfてｶ 弋_zｿ ﾘ ﾑ ト､_ノ
/ ／lハ 弋_ｿ / ／´} !
. / ／ / ﾊ , /／ l ）ﾉ |
/ ′ / ∧ ｨ７厂 |
| ﾍ、 ´｀ ／ | ｜ |
| / ノ＞ 、 _ イﾄ､ / / ｜
| |⌒| ≧ て / |⌒| ./ j
| | |_.へ_ﾉ ト､! ! / /
| _| || ＼ | |,' /
/／ /|⌒|| l__ |⌒ト‐-〈
／/ l | || | ￣ヽ ∨ ﾍ＼
／ | ヽ! !!＿ ＼ ＼ ＼ﾍ ＼
豊臣秀吉 ： 天下人。圧倒的な軍事力で奥羽を制圧し、唐入りを敢行している。
.独裁者として権勢を振るうが、心身の衰えが目立つ。
＞、:::::::::::, '::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ソ、
＜::::::::::::, '::::::::::::::::,;:::::::::::::::;:::::::::::::::::::＞ー‐
＞、::,:::::::::::::::://l:::::::::::::/l:::i:::::::::::::::::＞z_
zソ::,:::::::/:::,l://._l:::::/ｿ:' l::'l:::::::::::::::::::＞、
＜::::::ﾉ::::,'/:/_l:'ｨイ,'::// ＞ｰﾔ!::::::::::::::::::::＞ｰ
￣＞:::::::l ! ぞ! / !ぞ!＼¨l::::::::::::::zー'
＞l ;l ー‐' . ー−' .l::,ヽ::::::::＼
￣ニ! i : ,' ノ::＜￣
∠.::、 ＿ _ _' イ:ー≠ｰ
、 r_ ＿ヽ イ::::::へ'
_ .l＼ イ,'V'¨ ヽ
/ ＞: : : : .へ、_
_ イ / .}: : : l /ヽz＿
＜￣ 癶 / l: : :〈 、 /＼ ＼ ヽ
／ V' >‐ｲー‐ ' ）/ー ＼ノ :.∧
l ゝ , ' .: ＞、＼ ; ; l ＼ : }
石田三成 ： 豊臣家臣。秀吉の奉行。
.公儀最高幹部の一人として、内政に外交に政局にと飛び回っている。
,,=＝=､､
// ヾ､
l:| ヾ.
＿＿!__/:ヽ､＿＿_l|_
,. -‐_´:-: : : : : l: : : : : : : : : : :`: .､
／‐／: :,: : : : : :, :l: : : : : : : : : : : : : : :ヽ
／: : /: : : : : /: /l: : : : ﾊ: l: : : : : : : l: :｀､
/: ,／/: :/ : : :_LＬ_l: : : l:l レA､:_: : :､: l : : l
/／//: : :l : : : ∧/ l: : : ﾘ l: |丶:｀: : l: l: : :l
／ //l: : : l: : : /_V＿ヾ: : |l _ヾ__ヽ: : : l:ll: : :l
/│: : ,､: : :lT亦テl ヾ: l T示┬l: : W :､:l
l : ハ: : ﾊ｀､'::,┤ ヾ P:,:::ﾉ'lヽ: ﾄ｀,:x
V ヽ:l: :l `''´ , `''´'．: ヽl_ノ: N
｀ N: :ゝ､_ _ .ノ : : N : : l
│: : :| ≧ t - ＜: : /: : :ﾊ: : :l
.l : : :|.／ |,─ ､./ //: : : l: l: : :l
.| : : :| |ィ ヽ/ // : : :/彡l､: l
|: : : | .| ⌒/ //: : : /〃彡l l
|: : : | .| / // l l /,´／ |l
徳川家康 ： 豊臣家臣。公儀でも最大級の実力者。
.東国の監督を任務とし、やる夫になにかと頼られている。
＿＿＿＿
／ − ､ −､＼
/ , -| ・|・ |- ヽ
/ ／ `− ●- ′ |
| | 二二 | 二二. |
| | |＼ -─ | ─_＿_）
_ ! | ! ￣￣￣￣￣ / /_
( __）＼ヽ ＼（二二二）／／(__）
＼ ━━━━６━━ ／
| ／＿＿＿ヽ |／
| | ヽ＿＿ノ ﾉ |
| ` ─── ′ |
前田利家 ： 豊臣家臣。北陸方面総督。秀吉や織田旧臣からの信用は厚い。
／:.:.:.:.:.:/:.:.:.:':.:／-───- ､＼
,:':.厂 ／〉:.:.:./:./:.:.: ｲ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼ヽ
./:.:.:l／.ｲ:.:.:.: ':.:/:.:.:/ :!:!:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:ﾊ
/:.:.:く 〈 l:.:.:. |:./:.:.X |:l ､:.:.:.|:.:.:!:.:|:.:.:.:.:.:.
':.:.:.:/ //7!:.:.:.:l:ハ/ ＼!:! ∨∧:.:|:._!:.:.:.:.:.:i
ｉ:.:.:.〈 // 从|:.:.:.:|芹ｆ心､ﾐヽ. }ﾉ X:´ｵ:.:.:.:/:l
|:i:.:.:.:.|:.i !`Ｙ:.:.:.|ﾞ ヒzｿ ﾚ'≦:.ﾙ':.:/l:ﾘ
|:l:.:.:.:.|:.l__ﾄ .|:.:.:.:| ﾋzｿ /:.ｲl_|′
|:l:.:.:.:.l:.:.:.:.:. |:.:.:.:| 、 ′ /:.:.:.!j:.!
|:l:.:.:从:.:.:.:.: !:.:.:.:!､ ー ｲ:.:.:.:.l:. |
|ﾊ:.:.:.:∧:.:.从:.:.:.| 〕ﾄ 。 イ:.:.:|:.:.:.: |:.ﾘ
＼( ヾ:.:.∧:.:| Τ:.:.:.:.:!:.:/l:.:.:.://
ヽ .イ: : V＼ ゝ:＼:.:.' |:.:./ ′
r‐＜: : : : : : : :ヽ ／￣￣ヽ: 〕トﾉ:ｲ、
厶: ヾiﾄ．: : : : : : :ﾟ，-──‐ﾍ: : : : i∧
./ ＼: ヾiﾄ． : : : : :∨￣￣￣ }: : : :i:i:ﾊ
/ ヽ ヾiﾄ． : : : : ヽ |: : : :i:i: :i
伊達政宗 ： 奥州の名門大名。保春院の子、つまりやる夫の甥。
.国替えを機に家中が動揺しており、勢力の回復を目論む。
/／__/＿/ / | ヽ ＼＼ ',
r┴' / / ｀∧ ! /^＼＜￣ヾヘ
／／ / / ,、∨,、 ＼ヽ ＼＼
∠..ノ / / / ∧ヽ|/∧ヽ ヽ＼ ヽ ヽ
r' / ,' / /l /´｀"ﾞ｀´ ', ! ､ ', ヽ＼}
| { l ﾘ ,' 从 ﾘ | 〉 } } ﾘ
／ﾚﾍ |＼トﾍ匕Ｌ..＿,. ､__/厶∠L／ ｌ ｌイL
,ィ ´ ／ ∧ﾄ､ゝ弋‐辷ﾃﾐ､ ,ィ辷テｧ/／|,.ｲ ヽ＼ー- ､
/ ／-ｰ彡'´|l lﾍミi｀￣彡 ｜ ヽ ｀￣´/ // ! ｀ ‐- ＼｀ヽ ＼
_,.〉＜´ // |ｌ トゝﾐ彡'7 | ／／,' |ヽ ｀¨ ｰ- ヽ
.´ // |ｌ |ヘ三彡ﾞ ┘' ,.ﾌ / ｌ ＼ ｀¨＞ｰ ､
. ,'/ | ', ヽ.l｀マ{ ゞ二.Tミ、／ｌ l | ヽ 〉 ',
/ /| ｌ ｌ| ＼ |ヽ|´ ｜ ｌ ｌ| ',. / l
. ,' ,' ｜ ｌ ｌ| ｀ ｰ'|ヽl | ｌ ｌ ト、 ｜ / !
/＿＿ / | l | ＼ ゞ'ﾞ | ｌ ｌ | ヽ___⊥__ / ,'
ヽ, | l |彡 ｀ ´ ィ三ﾐ:! l ｌ | / / /
＼ ﾉ l |三i ゞﾐ三| l ｌ | / / /
上杉景勝 ： 越後・佐渡の二ヶ国と信濃川中島四郡、出羽荘内三郡を治める大大名。
.荘内をめぐってやる夫と抗争し、勝利した。
改めてよろしくお願いします。
お帰りでいいのかな？
おかえりー
今までまとめサイトから読んでたから、数話ほど抜けているなぁ・・・
無事引越しがわかってよかったよかった。
完結まで食らい付いていくぜ！
次回が楽しみなんで、これからはタブにいれて追いかけます
…しかし分かってた結末とはいえ、やはりあのシーンは辛かった
特に用事が入らなければ、火曜日の２１時あたりから投下いたします。どうぞよろしく。
┏━━━━━━━━━━━┓
文禄五（1596）年 春
近江国 三井寺門前
┗━━━━━━━━━━━┛
＼│／
― ＠ ―
⊂⊃ ／ l ＼ ⊂⊃
⊂⊃
＿＿＿＿＿＿＿
／／／／／／／／＼
／／／／／／／／￣.＼＼
／∠∠∠∠∠∠／ . ＼＼
￣|::..... . .. ....#.. ....|::. |￣￣| .::.|.￣
, ;;"''''"~"''"'"|:: : □..::.::.: :. ...|:.: |ｏ ｜:#|""''⌒~""⌒''''";;;,,,,
;;; |;#,.,:;.;:,.;:,.,.,.,,. ,.,.,|;., | | .,｜ '"~"''''"~"''''~;;;;,,,,
"'"'""'''""'"'"""'"''""'""..
＿＿＿
／ノ ヽ､_ ＼
／（●） （●.） ＼ 先生ともあろうものがこんなボロ屋に
／ （__人＿,） ＼
| ｌ^l^lｎ ⌒ ´ | すぐ建て替えさせますお
＼ヽ L ,／
ゝ ﾉ
／ /
／⌒ ＿
（ へ、一'、 ＼ー- 、
_r⌒ヽ、＼::::＼:::_「ヽ/¨ヽ:＼
／r=ヽ_,::::＼::＼:::くヽ ＿,,ﾉ￣/＼ ,ﾍ、
／／::::/∧¨＼:::＼＼」ト（:::::::＞ｋー豸〉ｰフ
（_//::::// ＼ ＼:::＼辷>ゞーﾄ薔｝::::/て ヽ
//::::// ｀ ＼::::く 〈_.／≠'＼::＼_ノ
｛:l:::://一' ｀ｰ--＼弋/:::/ゝ≠ｲ＼:::<
ゞ {:/l≧=、 ｀≧=ミ、 ＼＼{＿人ｯ∨}:::｝ ありがたいけど結構
ｒ＝与} Ｖﾉ 廴nﾉヾ ∨＼｝∨∠:シ
ゝ ｀v} ｀¨ ¨¨´ }::}ノ:／// 都の権勢争いから離れ 侘び住まいしてみれば
_人 ｀_ _ 、＿ノノ／<／ 歌人として本来あるべき姿を思い出したかしら
（三ﾐ心、 ｀ 厂￣￣¨ミヽ
/}ﾆニ==ミﾌｰ-...-＜三＝ｰ-≠く 今はこの暮らしが最良に思える……
/ ＞ｰ=-ミ｝¨｀Ｙ´￣｀Ｙ三三三ﾐ人
／ 厶∠二三）＞句＜}}｛ー--―〈. ヽ
/ ヾ三三ｦ∨/ 8∨/l ヾ三三ﾐｦ ｝
（ ゞテ /∧_,_,_| |ﾉ ヽゞテ /
＼ ／ ソ ｀ｒ‐--‐,l | ソ ／ ［連歌師・里村紹巴］
｛ﾆ, ､二}< く／ハ＼> ｛ﾆ, 、ニ}〈
,. -―‐ ー- ､
＿ ／ ＼
／ ｀ ー- ､ iｿ´ヾl ,､_ ハ
// ,〃 ＼ ､ >!<,j- ､__ヽｧ ',
l/ l/ ｀ ｰ=(,〉 {薔}-' ﾉｒ' ﾊ
丶 !i ゝ'i_ィ､‐､" .}
', -' ｀ｰ >-、 / っていうポーズをとってるかしら
! ━ ━ ｒ=っ У
. /ﾊ |l ＿'_ あーあ こんなとこいても暇でしかたないかしらー
ﾞ 「 ､ n ,.ィﾞ＿ i
´ニﾕ_＞-ｒｒ彡´ﾉt=ｭｧ_´ー ､
└‐､7（(ﾆｱﾄゝ） 'ーｧ‐' ﾊ
／｀´ /｀ｲll !￣ テ ﾊ
i / l ljl.j / / ﾊ
く | ヽ _ _ノ ', 〈
. / ! i彡ア､＜ / ヽ
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─ ＼
／ -=・=- -=・=- ＼ さすが先生
| （__人__） U |
＼ ｀ ⌒´ ／
秀次事件のあおりは、連歌師である里村紹巴にも及んだ。
秀次との親密を咎められ、財産を没収された上に洛外追放処分とされたのである。
,､ ＿_／
>x,へ_ (ﾞ⌒）
,iｨ -' └-ヾ<!
_iﾆ|!iﾞ○ ○' ト､
´ ,ｒゝ 「 ￣! ﾉ_｀ヽ ち ちくしょーー！！
,≧|＞! |＜≦
,へﾉ └‐.┘} ﾚ'｀ヽ
／ ｲ＾y' .≧≦´ ヽ｀ヽ ＼ {
>､ !,/ ／ ＼ ＼.l___,.ィ ；
{ （__ﾉ"７,／ ｀ヽ. ﾏ（___)
:； ,{'´ l ｀ヾ､ ；
} （ | ﾉ }
; ＜ ,.ノ｀ﾞゝ ＞ ;
'ｲ⌒i¨｀ ｀ｰﾏ-ﾍ {
| .| V 〉、 ；
{ /￣{ 〈´ ﾊ
; |三|′ |三ﾆ|
￣´ ｀￣´
それにしても紹巴、明智光秀との交際といい、政局の運がなかった。
xY⌒¨¨: : : : : :_: ィ爪廴::＼
／:::八: : : : : : : 辷/⌒¨¨ヽ -=ミ辷
.八／ ＼ : : : : :辷{ ‐=ミ、Ⅵ
〈:::/ ＼: : : :f夫三{:夭 _ ﾉi{ }i{
.V ≧=─Y＼ `⌒'〜'ミﾒミV
.i{ ー=' ^ー一 ｀Y＼ ／: : : |
| ⌒¨T爪: : : : :ﾉ
.__ 笊芳ﾐ 笊芳ミ |√ Y: :〃 それよりも やる夫殿には謝らなければならないかしら
/⌒ 乂rﾂ 乂ツ r‐, |笊_
{ 、 __ ノ///} 私が秀次卿との間を取り持ったせいで
_人 , 、 -─＜'彡｛_
.〈彡个: . _ _x／ ＼辷三廴_
./ ¨辷彡{_ ─=≦云〈_ ､辷 =个
′ 辷彡〈{_ 介 _}〉/ {辷彡'
/ }彡' // | { i{ ∨⌒`
〈 〉〈_{:o|_} ＼ ヽ 〉/ _ノ x ‐ｧ
ｰ┬ }{ o }i¨Τ ⌒ ﾄ-く／ 〈
|{ / ＼ ／ | |__ 〉＿_ ノ＿
＿＿＿＿
／ ＼
/ ─ ─ ＼ そんなこと言わないでくださいお
/（ ●） （ ●） ＼
| （__人__） | やる夫だって秀次卿に夢をかけたんですお
＼ ｀ ⌒´ ／
/ ー‐ ヽ
/ ｀
＿＿＿_
／_ノ ヽ_＼
／（ ＞） （＜）＼ あ んで歌のことですお！
／::::::⌒（__人__）⌒::::: ＼
| |r┬-/ | またわからないとこが出ちゃって ぜひ教授してほしいですお！
＼ `￣'´ ／
_, -- _
rー- 、 , '´＿_ r ､ _｀丶
ｌ「￣｀ヽ／＿ 「 r-､_└ｔ.-'´￣Ｌ..
ｌ| /＼ ＿￣ く ｣＿ , ｨｚ＜￣ヽ ｣
il ,' //＼ 丶 { |に｣Yラｿ三ｭ〕.｣
.＼ 〔.// ｀ −- l￣込ﾆく＼Tﾞ_｢
＼V＿ ,,. 二Ｌ.| l┘l ＼
八 ＿ ＿ |__〉 7Ｖ´
┌ｉ Yf⌒ｔ 'f⌒ｔY Y∨ なんてすばらしい心がけかしら！
〃', ｔっ' . ゝ=ぅ , |lム
{{ーﾍli ｃっ r く! ＿〕 都に戻ってからの歌会が楽しみかしら
「￣／ /１.::'´ ,_｀':.｢ﾄ | __ ｣
匸. | ,' / 〉: {j7 .:| l | ＿」
{Ｌ.リ八へイL::..,, .:厶へ七にﾘ
┌i l ＿ 乙「´ ＿亅
.L. -'´￣ 「 Yf´￣ /
＼ | ｌ| |
l l ﾉ ｛ | }
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─ ＼
／ （●） （●） ＼ ……太閤殿下のご健康についてはご存知ですお？
| （__人__） |
＼ ｀ ⌒´ ,／ まあ 正直言ってそうもつお身体じゃねーですお
/⌒ヽ ー‐ ｨヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ ／ r─--⊃、 |
| ヽ,.ｲ ｀二ﾆﾆうヽ. |
＿＿＿_
／ ＼
／ ＼
／ ;;;（◯）::::::（◯）;;; ＼
| （ﾄｪｪｪｪｪｪｪｪｲ） | 先生ノ帰洛ハソンナニ遠クナイハズデスオ
＼ ＼ェｪｪｪェ／ ／
／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＞､
:ノ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾏ
|､::::::::::::::::::::_ｪ__:::::::::__:::::::::::::::::::∧
/:::::＼:::::::::Y´ ゝ‐‐-ﾐ::::::::::::::::::∧
ﾞi∨::::::＼ ├''''''{（薔）}､ 》:::::::::::::::::::i
.＼:::::::::::ゝ‐.弌ｪｪタ ﾝ::::::::::::::::::::::|
iヽ 斗=ﾞ=ｪ､/`-彳 .Y:::∨::::::::::::::::|
人 ＼ ﾞ マ.└ ┘:::,∨:::::::::::/
豸} 匁≧z__ ＼::::::/ﾞｨ- Y::::::/
ﾉ. 丈琵,` ）/ / /::／ ええ
ヽ .､___ ＼､__,彡'
＼ ＞‐<::::::::ミ:∧ そうなってくれることを願ってるかしら
〈ゝ -‐ 彳 Yﾞミ:::､兮::::/
「:::::::::У /／:ゝ､:::::::::>^ﾞ＼
ﾞ≧{二{込ヽ 〈:::::::::≧ﾞ .└ｫ
￣￣7イ）::::}.__） ,-' ┌Zﾞｨﾞ
./ｏメ__.ﾉ￣￣ ／,‐'
/ o i} i ／,‐'
.|! ／,‐'
○ 第七十段 ： 動揺の日
豊臣秀吉が昨年末より患った風咳は、春になりようやく静まった。
＿＿＿＿
'"´ : : : : : : : : : : : ｀丶､
/ : : : : : : : : : : : : ／|: : : : : ＼
/＼ ,': : : : : : : : : : : :,／ |: : : : : : : ヽ
. 〈 ｀￣￣ }'⌒{￣￣´ | : : : : !_;_／'.
＼＿＿／:｢￣＼_＿_＿_／ : : : : |＿＿j
│: : : :.|: : : : : : : : : : : : : :| : : :|: : : : |
|: : : : : i: : : : : : : : : : : : /|: : : |: : :j:│
|: : : : : i: : : : : : : : : |: :/7´): : ﾄ､:∧:| ｾﾞｪｰ
│ : : : : : : : : : : : : : ∨ l f: : :│/￣
. |: : : : : : : : : : :'; : : : '､ | ﾚ｀ヽj〈 r'⌒ヽ.
ｉ.: : : : : : : : : : :ヽ: : : ﾍ!J u ハ (´ ｀)
'. : : : : : : : : : : : ＼: : :_Ｖ⌒) j ﾐ ゝ,___,ノ´ ｾﾞｪｰ
rー--ﾍ : : : : : : : : : : : : `く_,ﾊ__（_ノ r'⌒ヽ.
ハ:::::::::| :ヽ : : : : : : : : : : : : :＼:::::::｀ヽ (´ ｀)
/ ';:::::::| : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼:::::::}ヽ ﾐ ゝ,___,ノ´
,′ !::::::| : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ:::| |
{ |::::::| : : : : : :＼:: : : : : : : : : : : : :∨ │ ［豊臣秀吉］
病中、さすがに期するもののあった秀吉は、諸侯に公儀への忠誠を求める血判連署を要求した。
その取りまとめ役となったのは、石田三成、前田玄以、増田長盛、長束正家らであった。
｀ﾐ、z:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/＿
｀ﾐ::::::::':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/
＞:::::::::::／:::::;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＞‐
―＜:::::::::::イ::::::::'/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＞‐
＞z:::::::::::::::/::::::::::::::;::::::::::::/:::::::/l:::::i:::::l:l::::::::::ヽ::＼
ー＞,:::::‖/::::::::;'::/l:::::/ .l:// l:::/l::/孑:::lゝ:::::::ゝ、
∠::::::'::,‐、::::/:::; .l::/‐‐十= 'l:/ .l/l;ﾗl::::::厶￣
‐＜'ﾌ:::::l :／l::::〈 ./ 弋ﾂ ./ / ; l }ゝ、
／:'l::::、 ;:::l::i ¨ :; .ﾊ.ll
" .l:'l:::::ヽz、v｀ ‐ / 〉 秀次失脚の時も同じことしたんだけどな
/ .l:/vV: :ゝ _ , /i l
. / ＼ : : : : ＼ ー‐'./ ./
厶 ＼: : : : : ＞. , ｲ ./
／￣ ゝ ＼: : : : :/ ￣; /、
／ ; ,ゝ: :/l ./＼;.ヽ、
／ . ;: / l==〉 l / }
/_ ‐ ― 、 ノ ; ／ ゝ:::::; |_ / .l ［石田三成］
./ V / V´ ＼:l l/ .|
いわゆる五奉行メンバーのうち、この役儀から一人だけが外された。
秀吉の義弟にして、東国統治の中心となってきた、浅野長吉。
/ ト､ i
ﾄ､ ヽ ＼ |
| { | ヽ ヽ ヽ 亅
,ﾊ ,{ u.ヽ }＼__jヽ._ 礀
|l } / ! _ ＞ '´‐- .] !
|| ! ﾄvﾐ_ ′ ‐=せﾅ| ;
}! ＼jい-'}i ￣´ |
}〉|l ｜ {
| jL、- ｜ i |
| ヽ｀二 ´ | ｜ ！
／￣￣￣¨¨,二ﾌヽ ,. １ l l
／ ` ＜￣] l「 ｜ | !
／ ヽ‐- ＿￣_〕 ‖ ｜ li
／ ﾄ､ ＼__＿丿 ll | ｌl ヽ
. ' y !/ヽ ヽ!l ! |{ 礀 八 ＼ ［浅野長吉］
/ ハ { ＼__） ハ __,ﾉ / ′ ＼＿,r;.=＝＝＝=ﾐ
ノ-‐} ！ |ｒ1 /￣／｝ /一…ｧ' ／ ＼
| ィ `┘ ／|| | j,ノ ／ j /}ノ ／／
| | / j'フ~／ ＾´ ／／ }
奥羽仕置以来、秀次と非常に近かった長吉は、秀次事件で身動きできず、存在感を失いつつある。
取りまとめ役から外されたのも、秀吉の信が揺らいでいる証だった。
長吉の不安は膨らんでいった。
秀次すらああなった以上、このまま失脚の憂き目となれば、なまじ豊家と血縁のある浅野家はどうなるか。
} | ヽ. ヽ ＼＼ ヽヽヽ. |l ヽ
ｲ | ヽ ヽ | | 、 Ｌ! ＼__j｣ | ｜
l | { , ﾍ. | └┘ ｀¨¨´￣ | | ﾄ､｜
| L厶‐'´ ＿,.＼j -＝ｔ‐┬‐'} } ! }｜
r┘ ￣下丁￣ ､_ |{ _j＿`１ | jノ
| ` ='ゞ亠‐' |｜ ￣￣ l |
｜ ｜| | |
! i | | | | 私の代はともかく
l l / ｜
卜 し _＿ /} | 私が急に死ぬようなことがあったら……
| ﾄ 厂 _＿〕 く｜ ｜
├'´ ヽ ｀¨¨ ￣ ／ | |
! ､ ,.ｨ l ﾄ､
ﾄ､ ｰ---イ | l | ＼
! ＼ ハ | l !
現に、嫡子・幸長は秀次側室の妹を妻としていたことで、能登国へ流罪とされている。
長吉に反発してきた伊達政宗などは、これを機に絶縁状を叩きつけて取次を拒否。
／／ 7:.:.:.:.:.:. ｲ:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.V:.:.:.ﾊ
∨ ./:/:.:.ｲ:./│:.l:.:.:.:.:.::ﾊ:.:l:.:.:.:.:.:.:.:.:V:.:.:.i
厶_/:/:.:./:{:.＼|:./∨:.:.:.:! Ⅵィ:.:.:.: !:.:.|く ＼
／.ｲ:.:.: !:.:.':./==ミヽ ､:.:.l／)ハ:.:. ||: ｲ {__ノ
く／|_|:.:.:.:|/:.〃ん心 Ｘィ弍心:.:.:ﾘ:. | .ｲ│
.〃 i:.:.:.:.: |:. / ﾚﾍﾂ ﾚ'刈 ﾊ:/:.:.:.| {. 《 もうあんたなんかに頼んないわ！
|:.ｉ:.:.:.:|:.:.ﾊ ´￣ ｀刄 }:.:.:.:.| |:∨
|:.l:.:.:.:.:.:i八 「￣￣ 1 /|:.:.:.:.|Ｖ:.:.| これからはやっぱ石田三成の時代よねー！
|∧:.:.:.:/:.:.:.＼ | ﾘ .ｲ:.:|:.:.:.:.|:.:.|!:|
ノ ﾉ:／==ミ:.:.:.〕ﾄゝ -- ’ .イ: l:.:.|:.:.:.:从:Ⅳ
／´ ⌒ヾ＼: ∧ ￣ 厶:.!:.:ﾊ: !:.:.:.′
/ ／ ｀丶: ト ＿_ ∨〕ド-:ﾒ:.:.ﾑ
/ ′ ＿＿ Vﾊ ヽ}: : : : :i:i: 「ヽ
{ ノ .イi:i:i:i:i:i:i:i:Y⌒'Vﾊニﾆﾆ.|: : : : :i:i:│ ＼
/ ／i:i:／￣￣ヾl !: :i :|: : : : :i:i:│ 、
i⌒ヽ{i:ｉ／ ′ トミ、 |: : : : :i:i:釗 ＼ ［伊達政宗］
､ ＼ ＿_ ノ │ ＼ j: : : : :jﾘ: ! ヽ
＼ ｀ ノ｀ ー一'⌒ヽ ´￣￣ ＼
.イ ＼ 、 、 イー…z＿
r──一 ´ ￣ ．＜￣￣￣「:￣「:￣:￣ツ.ﾉ ＼
ゝ --─ｫ一 ’ ．イ Ⅵ:ム才:.／ / ＼
政治力の低下はもはや明らかだった。
戦国一の出世頭、秀吉。その傍らにあって、長吉もまた出世した。
織田信長の一弓衆から、天下の奉行衆筆頭へ。そして、甲斐国二十一万石の大名へ。
.
{ ヽ、 : : : : i: : : : ﾄ､/::::ヽ::ヽ:::::i .|:::|: !::::::ﾄ
,(r'`､ ヽ､ : :/: : f'ﾞ, }":;::::::i:. :. :: :i |::|:: |:::::|
}-' : :: ヽ ヽ、 /::::/ 〉､ iﾞ:|ハ:::::i:: : :i :i !::||.:|:::::|
L{: : :: ::', : ヽ、 /:::: ,..ハ,l;;｣_r'!｀;::i : : i. i|::|!::|:::::|
|､! : :: :::',_ : : : :ヽ /:::::: /ﾞi / ,r':::ﾞi| ';:i : : i: ::::::::|:::::|
Kﾞ', : ::', :::::. : : : : : ヽ /::::::: /ﾞi ﾚr(;:ﾟ:／ ';:i :i::i :::::::::|::::|
'iﾞゝ ::.. :::... :::::::::::::::', ,/:::::: ,v' ﾚ'- '｀ ';:i::i::i:::::::::::|::::| そ それを
'',-_、 ::... ::.. :::::'; ノ ,' ﾞ,./ ';::::i::i::::::::::|::::|
｀ヽゝ、 ::.. ∧./ u i::::i:i:::::::::::|::::| その成果を無にしてなるもんですか
ヽ'＼ ,rr´.,ﾍ'､ ,､､、 !:::::i:::::::::::|::::|
｀ﾚ‐''､ ｨ' { / '.,､ ,'' ／ =,｀ /ﾞi::::::i:::::::::::|::::|
ヽ(｀,ゝ､_ _,､,r'´{ ノ. '-'_,. ' ,.‐´' ./ !|!:::i::::::::::::|::::|
/ ｀>､r' 7''''"f {_､.:'´:::｀''‐ ､. ''´'''"´- ´ / !| l:::i::::::::::::|::::|
/ ､'´ ｀''ー‐''''"｀`ヾ、:;､;:ヽ:::｀`''､- ､､ :' l:', ';::i::::::::::::i::::|
_,./ ./ ｀､､ヾ''‐ ､;:::ヽｰ, :::.. l:', '､:i:::::::::::ヽ;ヽ
r' '、 ヽ',ヽ', !ヽ::ヾ i '､', ';::i::::::::::::::i!j
_r" 〉 }:', ﾘ ', ）ﾉヽ-- ､_ ,,,';_ ヾ_'､:i;:::::::::::;〉
辷ﾆ;ｧ,,､- '':ｧ〉 L! ﾞ、 ｀ ｀´ ヾヽ;／
r ',／ {-{ '､ ｀
｀´ ｀´
長吉はその政治生命を死守できるかいなか、瀬戸際に追い込まれた。
┏━━━━━━━━━━┓
伏見 前田利家屋敷
┗━━━━━━━━━━┛
, ──── ､
／ / ⌒ヽ⌒ヽ＼
/ , -| ／・|・ヽ |ヽヽ
/ ／ ｀ ー ●ｰ′ ヽ ま 元気を出しなよ 長吉
ｌ / 三 | 三. |
| l └─-､ l 幸長のことは僕からも赦免を頼んでみる
l | /´⌒＼ ＿＿＿ ノ /
ヽ ヽ ヽ､＿＿＿＿＿/ /
〉━━━━━O━━ー◯
/ ／ ＿＿＿ヽ ／
/ | ヽ ﾉ | |
◯/ `ー‐<⌒ヽ─ ヽ
ｌ | | ｌ ［前田利家］
` ー──く __ノ── ´
,:':/://::::/:/::/:::::/:/〃 |:! || |:|::l!:l::l:::!: :::|:ヽ
/::/::!:i:::i:/i:l::::l:::i:/::/〃 l! l! ||: ||:l::l:::l:: ::|::i::',
,'::::i:!:l:i:::l:l l:l:::il:i::!レ' l!!::||:!:l!:::|: ::|:i:l:::i
!::::l:::l:l:::::l !::::l:::l:l:| _,,.;;;;_‐ﾐヽ､└'L:ﾊ:::l!:::|:ｌ:|:::l
!::::|:::!|:::l::l!::::l:::l:!:| ヽ::::ﾟ::::::j't､ ｀ﾞ 、 __`'Vl!:!:!:::|
ｌ::::|::::|:::l::l!::::l:::l:::| `'' ー‐ ' l r';:;_ﾞﾞ゛ﾘl::!:::l
. ';:::|:::|:::l::l!::::ｌ:::l:::| lK;:ﾟ::}ヾ':::ﾘ:/ ありがとうございます
!:l:::l!:::l::l!:::ｌ:::l:::| || `ﾞ/:::/r'
ｌ:!::::l:::l:::l!::l:::ｌ:::| _,,......_ -,. ┘ /:::/:;' しかし 今日は別件で参りました
. !::::::l:::ｌ::l!::l:::l:::| ｀`'ヾ ミj /:::/~´
. |::::::l:::l:::l!:ｌ:::l:::|ヽ､ ｀''ｰ , ':::;/ 秋田と浅利の問題です
. !::::::ｌ::ｌ:::l!:ｌ:::l!::| :..:.｀':..､ ,／:/:/
/:::::;ｲ:l:::l!::l::l:ｌ::l ..:..:.:/:｀`;7´::::/:/
く:::::;:仭::::i!::l:::/::l ..:..i:::::::/l::::::::l:::l
'´ ﾞY,ﾉ/::〃/:/:;ｨ| :.l:::::::l l::::::::l:::l
!く／ﾚ' ｀''､ﾊ〉 !::::::ｌ !::::::::l!:l
| _,.、'､ ';:::::Ｎ::::::::||_｣
, -────- ､
. ／ ／⌒ヽ⌒ヽヽ
/ , -| ／ （|）＼ | ＼
/ ／U ヽ､ .l､__ ノ＼ヽ
. / / ￣ ● ヽl
ｉ / ￣￣ | ── | ああ 彼らはまだやってたのかい
|. l ￣￣ | ── !
|. ! ￣￣ | ⌒ヽ それで？ どうなったって？
|. | ＿_|＿＿＿ノ
ヽ | ／￣￣ ／
>━━━━━━,-､━━く
／ ／ '､フ ヽ ヽ
/:::::::i!::!:::| l!ヽ:ヾ､::::ヾ､:::丶::::::::＼:::::::::::ヽ
,':::::i:::l!:ﾊ:::| l! '､:ヾ､::::ヽ'､:::＼:::::ヽ＼:::::::::',
!::i::l:::i!:| l!::l l! '､:ヽヽ:::ヽ '､ヽ:丶::ヽ:丶:::::::',
｜:l:::l:::i!:| l ';:i l! ';:::', '､::::'､ ヽ '､::ヽ:ヽ::::::::::::!
｜:l::::l:::::ｌ| ｌ ';:l ! V L:_:｣ '､ヽ:::::ヽ:';::::::::l
. l::::!::::l:::| ! l ヾ､､.,,,,,,_ _,,,.､..=''､_ﾞi:::::!ヽ'､:::::!
!:::l!:::::L! _,,z=＝ｭ､｀ヽ、 ,r'´ ,,z=＝=ｭ.l::::l:::ヽ'､:|
!::::l!:::::! く_{::ｰ':::_! `_,. l ｌ ､'ﾞ､l_::ｰ'::;}_.ｲ:::l!:::ヽ':!
';:::::l!::::', ￣ |.| ｀ ￣ !:::l!:::::ﾄ;:', 秋田実季は自ら出馬して郷村を焦土と化し
';:::::l!::::', |.| l!:::l!::::::|ヽ;、
';:::::l!::::', ﾊ ハ:::l!::::l ヾ:､ ついに浅利頼平も応戦 一帯は戦場となっています
';:::::l!::::'､ _,... = ､.,_ /ｼﾞ';:::!::::! ';::l
';::::::!:::i:'､ '―――‐'｀ /´:::l::'､:i!::! !:l
. '､:､:!:::i';ヽ、 ￣￣ ,. ｲ:::::::l:|::';ヽ:!:､ |::!
';丶::::ﾄ､ヾヽ､_ _,､‐' |::i::l::::::::l:l::::'､::ヾ;､ !:l
'､:'､:ヽ:｀ヾ;.､ .: ￣. .: . .: l:::::!::!:::::::l:l:::::ﾄ;:::',ヾ';.､
';i:ヾ:':､:::| ヾ! .: . .: . .: |:::::ヽ;i!::::::l:l!:::lヽ:::'､/ヾ;､
!i!::l'､ヽ| . .: . |::::::::::ﾄ;i!::::::::l:::', '､::'､ ヾ
出羽国北部、秋田実季領内、比内での紛争は激化の一途をたどっていた。
これまで専守防衛に徹し、公儀の裁定に従順な素振りだった浅利頼平が、ついに秋田側への反撃を始めた。
, -'´￣￣￣￣/ ○
／ _, -―' ,二＼ Ｏ 人
／ ／ , -､. ,- `､.', ｏ 人 人
／ ／ ./ .,- ､・, ', ||人 人 人 〜♪
', .', ,、 ' ､・, , --､., 人 人 人 人
', ｀'.| ｰ' ／ ﾉ ', ／|￣￣￣￣￣|＼ 〜♪ 〜♪
', | , ＿__, ノ_)｜ | □□ | 〜♪ 〜♪
',_,-,／ ,. (_,ノ ,' | □□ | ∧＿∧ ∧＿∧ ∧＿∧ ∧＿∧ ∧＿∧
.（ , / ____ .,' ─卜| □□ | ────（´∀｀ ）-（´∀｀ ）-（´∀｀ ）-（´∀｀ ）-（´∀｀ ）─
｀く | ／ ｀ヽ、 .ヒ| | ⊂ Ｕ ）⊂ ⊂ ）⊂ ⊂ ）⊂ ⊂ ） ⊂ ⊂ ）
ヽ | / ,-､ .y､ﾉ ￣||￣￣￣||￣ Ｌ Y 人 Y 人 Y 人 Y 人 Y 人
ヽ | . 〈=ﾆ-―'´`l || || Ｌ （＿）`Ｊ （＿）`Ｊ （＿）`Ｊ （＿）`Ｊ （＿）`Ｊ
ヽ ＼＿ __,ノ ￣ ￣
ヽ____ /_
, -/ ￣ ＞＜ |｀i ､
,. ' ヽ ｀ｰ､ ／＼;;;;;;l`;| 」 ＼
/ ｀´7 ｀ｰ､ |;;;;;;ヽ| ＼ ', ヽ
l 'ｰ ､_ ＼;;;;;;;;;| ﾉ ', ヽ ［比内代官・浅利頼平］
| ､, -、｀ー-`''''｣ ' ', ヽ
ヽ , ' ,- ＼ l ヽ
ヾ '７ ／,- ', __,､- |-、 ヽ
昨年の夏より、秋田領内は騒乱状態に陥ってしまっている。
実季は自ら出馬したが、国境で撃退され続け、制裁として村々を焼き払うばかりだった。
,.y __ r-､r=､__
,-/ {{i´r/／｝ z--､ヾ､ /ヽ､ < ヽ Y Ⅵ ﾄ ヽ
{ 〈 ／ ＼∨/ ＼ /,′ /
ト､_ ,. - ≧ ./ ／ﾆニニﾆ:､ ＼ ７￣: ｀ :ﾄ､／
＞'´: : : : : :', / /`ｰ ミ元ヲ'´ ∨ ﾍ 7: : : : : : : :.｀Y
',: : : : : : : : :', .// ,ｲ `ー '´ニ`ー '´Vハヾ 7: : : : : : : : : 7
. ',: : : : : : : : :',Ⅵ /:i 「￣￣￣￣｀i |､ ' 7: : : : : : : : : 7 あのヤロォーッ！！
',: : : : : : : : :', },{ (! |ＶＶＶＶＶＶⅥ |', |７: : : : : : : : : 7
',: : : : : : : : :', | Y |:::::::::::::::::::::::::::! ﾚﾘ.': : : : : : : : : 7
',: : : : : : : : :',:/.i !:::::::::::::::::::::::::::| | ': : : : : : : : : 7
∨: : : : : : : :ﾄ､ﾍ│:::::::::::::::::::::::::::! 从: : : : : : : : :./
∨: : : : : : : i: Y`!:::::::::::::::::::::::::::::i': :i: : : : : : : : :/
∨: : : : : : :i: : :ﾄ､∧∧∧∧∧|: i: : : : : : : :./
∨: : : : : : i: :.| |:.i: : : : : : : /
∨: : : : : i: └┬:┬┬─r:.┘!: : : : : : /
∨: : : : :',: :..:.|//! ｜//|: : :,': : : : : :/ ［秋田実季］
,': : : : : : :',: :..|//! ｜//|: :,': : : : : : {
結果、十を超える郷村が壊滅し、百数十に及ぶ人家が焼かれたという。
混乱は隣国、南部信直にとっても無視できなかった。
信直は他ならぬ利家の仲介により、娘を実季の弟に嫁がせる予定でいた。
ヽ、 ィ ,
,,,-'''~~'''-､ iヽ／/, - ‐ ､/ |
,,,-''' `' / .|ヽ、
,,,-' / .|＼
. .,,,-'''＿ { | ヽ,
￣／ ! .! ヽ
／ ｲ ` ｰ ' ヽ ヽ
／ .,,-ﾌ / | /| / ｲ ＼ . } N
∠ ‐'' / // | ./ | |{ | ＼ .| ヽ | |
. /イ / ,サ―{/―ゞ | l|,,,=''ヽ } } . } |
. ' |/{ /. .{━┿━ ヽ、| ━━┿ .ﾘ| .|_|＼ |
（({ || ＿_＿・_ ヽ ＿＿＿･ | /。） ヽ
ヽ! | { ￣￣￣ ￣￣||||| ﾘ_ノ､| こんな状態じゃ送り出せるわけないよ
. V/ヽ ＿.....,, /
/／i -,, ｰ===ﾆﾆ,,..,,,../ ノ { 秋田の改易だって考えなきゃならないじゃん
/ - ,,, _ _ ,,, - '' ＼
. /／V| /1 Tｺ ﾋﾆｶ_｡＼|＼|ヽ~
. |/ W／何￣何 ＼
／ ム Y ム. ＼｡ ［南部信直］
,「. l〒〒l | l〒〒l iクl
事態は、信直が輿入れの実現自体を絶望視するほどのものだった。
＿＿＿＿
,.＞‐'::::::::::, - ,;::::::,ニ、'‐-::、
,.;'"::::::::::::::::／‐- 、l／ ';:::::::::＼
／::::::::::::,;::::::/ .（ ･)| |--- .|:::::::::::::＼
／:::::::::::::::/:|-'へ、／⌒,.!、｀ヽ ./￣＼:::::::::l
:::::::::::／ し' ' ‐-イ::::::::）‐'" ＼:::|
:::::::::/ ￣ ￣ ' - '‐ｒ''" '￣￣￣ ',:!
:::::::/ ∧ー――- .| ――∧- l| ほんと懲りない連中だな
:::::::| し' ＿ | ー- し'_ l|
:::::::ｌ ―― '´ ,ｒ ┬个┬-、 ./
::::::::ｌ -‐＝'"┴┴┴┴ ┴=:、 /
::::::::' 、 ￣ / ,
＼::::::＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／ / |
＞------------ｒ―-:、------ゝ、 し'
／::::::::::::::::::;;-‐'"´￣ﾄ‐┬‐ｌ￣＼:::::::::::＼
::::::::::::::::::::/ ヽ -‐' ｀:,:::::::::::l
つまり、利家が力を尽くしてきた、北奥羽の安定化そのものが崩壊する危機だった。
, ─── ､
／ /⌒ヽ⌒ヽ＼
/ , ┤ ‘|‘ |､ ヽ
. / ／ ｀ー ●ｰ´ ヽ それにしても ここまでひどいことになったのは夏から
l / 二 | 二 |
| l ─ | ─ l ってことはつまり
l | | ） /
ヽヽ ／￣￣￣￣ /
〉━━,-､━━━━く
/ ／ ヽフ ＼. ヽ
r'Yｺし'レ'~ 丶___
xﾍｙ′ 「ｒ '"´ ＼}┐
rく／ ハ _ -‐━・‥ Yﾍ
j_/ ,' ｀¨¨´ r ´￣ ｀ヽ N＾ヽ
人〉 / ,′ { ` く＼
Ｌ} ／ / ＿,r‐ト､__ ‘'(ヽ
.｛_］ ' r‐{¨丁廴ノｰ宀ﾍム 〔_j
｢I′ ／ ,rf勹‐'⌒´ 辷） ｛_]
{_〕 ` ‥ｧく_ノ´ `弋れﾉ
V^) ___ｘク´ ＿,. -r… ＾¨´
.‘(＾ゝrr┬一ｧ{__,厶_,_ｘz≦}汀丁￣〃 /
｀^ー十ﾃ'!{¨ﾌﾉ ｀‘'┴‐'!:礀ﾚ'Ｗ,′/
l/ 小.'く 川{ ハ { お察しの通り 御謀反の一件でしょう
| ｉ｜ ｀ヽ`¬ ,//八 { ヽ
| | | lトﾐ _ ｰ-ヘ{ {｛ （ ＼ ヽ ｀≧ｮ
.V^V!ヽ√丁//ﾊ八 `彡ヘ辷＿_-‐ｦ
＼〉 ! // ﾊ ｀¨ ¨⌒フ´￣｀Ｖ
ﾉ .' {_｣ ｰy'´ ￣ ｀ヽ
秋田・浅利の和解を担当していたのは、粛清により自害した木村重茲である。
, , , ........:::::::::::::::::::::ヽ ソ /
丿.//::::_:::::::／ヽ :::::::::::::::::::::::::::::` > ＿,／
-´ |:/ ＼/ ／::::::::::::::::::::::::::,-rｲ /::::::l
／|::＼ <:::::::::::::::::::::::::::::!_ヾ,＞く :::::::|
` -l::::／ _ >::::＿ ----- K__ イ_> |
` ー-,|::ヽ ∠:＞'::￣::::::::::::::::::::::::::::::: ￣￣ ` 、
て⊥-´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
／￣:::::::::::::::::::::::＿ --------- 、::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::: , - ´ u. ／-､ r- , _ヽ::::,､:::::::::
:::::::::::::::: l ､__ , ､､イ!;;;;;;!} ﾉ-,//::ヽ/::丶,／
､__:::::::::::: l /,,,ヽ ヽ-- ' /'-/ |:::::,::.>−ヽ
￣￣ ` l ヽ''' j- ､ , ､ く_ノ t ´ _ |
ヽ i´Y ／^ i >､ ／ヽ r:, ´'ﾉ
` ､ーt_'__ , ,´-､l l´o、 ` ーt_'
_ ,、 ｀入ヽ ri´ /l lo l｀ミ 彡 ＼
/::>ゝ,ー ', ﾄ Y l .ノ//Z !ヽ＼ 丶 ,
ヽ＿ゝ- ┴､l ヾ_`´_ノ/ ＼ ヽ ､ ／
/`i ￣￣ ＼ 丶 '／ ［秀次宿老・木村重茲］
/ l ＼_／
< l ／ヽ
ー ＋ー --
つまり、中央で紛争を管轄してきた秀次系統の壊滅によって、両者の対立が爆発したのだった。
,:':/://::::/:/::/:::::/:/〃 |:! || |:|::l!:l::l:::!: :::|:ヽ
/::/::!:i:::i:/i:l::::l:::i:/::/〃 l! l! ||: ||:l::l:::l:: ::|::i::',
,'::::i:!:l:i:::l:l l:l:::il:i::!レ' l!!::||:!:l!:::|: ::|:i:l:::i
!::::l:::l:l:::::l !::::l:::l:l:| _,,.;;;;_‐ﾐヽ､└'L:ﾊ:::l!:::|:ｌ:|:::l
!::::|:::!|:::l::l!::::l:::l:!:| ヽ::::ﾟ::::::j't､ ｀ﾞ 、 __`'Vl!:!:!:::|
ｌ::::|::::|:::l::l!::::l:::l:::| `'' ー‐ ' l r';:;_ﾞﾞ゛ﾘl::!:::l
. ';:::|:::|:::l::l!::::ｌ:::l:::| lK;:ﾟ::}ヾ':::ﾘ:/
!:l:::l!:::l::l!:::ｌ:::l:::| || `ﾞ/:::/r' 私も浅利側に肝煎と頼られていますが
ｌ:!::::l:::l:::l!::l:::ｌ:::| _,,......_ -,. ┘ /:::/:;' いかんせん 力の振るえる状態ではありません
. !::::::l:::ｌ::l!::l:::l:::| ｀`'ヾ ミj /:::/~´
. |::::::l:::l:::l!:ｌ:::l:::|ヽ､ ｀''ｰ , ':::;/ ここは前田様にも動いていただきたいと
. !::::::ｌ::ｌ:::l!:ｌ:::l!::| :..:.｀':..､ ,／:/:/
/:::::;ｲ:l:::l!::l::l:ｌ::l ..:..:.:/:｀`;7´::::/:/
く:::::;:仭::::i!::l:::/::l ..:..i:::::::/l::::::::l:::l
'´ ﾞY,ﾉ/::〃/:/:;ｨ| :.l:::::::l l::::::::l:::l
!く／ﾚ' ｀''､ﾊ〉 !::::::ｌ !::::::::l!:l
, -────- ､
. ／ ／⌒ヽ⌒ヽヽ
/ , -| ／ （|）＼ | ＼
/ ／U ヽ､ .l､__ ノ＼ヽ
. / / ￣ ● ヽl 仕方ないね
ｉ / ￣￣ | ── |
|. l ￣￣ | ── ! ともかく停戦を厳命しておいてよ
|. ! ￣￣ | ⌒ヽ 僕の名前を出してかまわない
|. | ＿_|＿＿＿ノ
ヽ | ／￣￣ ／ こっちはこっちで落としどころを探ってみるさ
>━━━━━━,-､━━く
／ ／ '､フ ヽ ヽ
j/ ヽﾉ } ￣｀ヽ､,_
j' ,r ' ´＿_ ∨ヽ ´")、
| / ｧ'７::::::´"''- V＾'i、 ,r '´ /
! l! / ´し‐‐､_::::::::ヽﾉﾄ､ / /
'、 / 7:::/:ﾊ| }、 / /
ヽ/ 〃,i_,､_,ｒ‐ｖ‐!|:/ |:|. Ｋ､ﾄ､ / /__
l/::ﾚ:::::::::::::::r┘l｣‐､|! |::|l,| }!＼ ! /｀ﾞ~｀
ｌ:::::::::::::::::::::l '!ｰｒミ､ヽl｣|ヾヽ、＼ヽ､ ∧
_ _ !:::::::::::::ｊl:::::! ヽﾆ´_ヽ ヽ ｌ>} ﾄ､ ヽ､｀'−'ﾞ
,r'´ ´' 、 j::::::::::::N::::! i ,zﾁ、ﾞﾄ､ ｀'ー
/ ヽノ::::::::::::l |:::ｌ 、 ｌ !ヾ'ﾆ｀>し!ｰ､_ 重ね重ね……
/ ﾞi:::::::::::::| l:::l､ ｀ ､_ ､_ｊ_! ／::::::ヾｰLlﾞY‐ｖ-
/ |l:::::::::::| |:::| ヽ、 ｀'−｀" ,.ィ´ヽ:::::::ヾ､:､ ｀＾'┴' では 私は
. / |li:::::::::l| |:::| /:::ヽ､､､ .ィl´|:::| ',:::',ヽ:､｀ヽ､ このことを徳川様にも伝えなければなりませんので
/ i l!ｌ}'ｖi:::|| |:::|'!:::::::| ||l:::::| | |:::ｌ i:::::! ゛,::.、 ｀
i ! !} ｌ!｀ヾ、|:::|ﾄ､::::| |||:::::| l l:::{ ｊ::::::! }:::::i
! .ｌ |{i l}i、 ヾ､|l {!ヾ || !::::l | l::::.、 ´ヽ:ｊ └ ､|
＿＿＿＿
／−､ −､ ｀＼
/ | ・|・ |- ､ ヽ
/／ ｀ｰ●ー ′ ＼ ヽ
ｌ 三 | 三 ヽ l おや そうかい？
（＿＿＿|＿＿＿ | ｌ
ヽ ｌ ＿＿ ｀ヽ ! / ゆっくりしていけばいいのに
_ ヽ ヽ__（＿＿＿)ノ / /
（ __）ｰ━━O━━━━━く
＼ |/ ＿＿＿_ ヽ /⌒i ）
, --───- ､ ズダッ ズダッ
／ / ⌒ヽ./⌒ヽ＼
/ , -{ / ﾊヽ } ､ ヽ
/ ／ ゝ _ ノ, ‐ヽ-' ＼ヽ
/ ‐┼──- ゝ ノ - ‐一!|‐ （……なるほど 長吉くんは比内に目をつけたか）
| l.､, -一 | ｰ─- ｌL_
| ／ ＼.／ | ｰ-.／ !
､ ' l. ／＼＿ | ＿／ /＼
ヽ Ｘ ￣￣ ／
/､二二二二二二二二 く
/ ／ ( 〒)＼ ヽ
! / / } !
＿＿＿＿
, -‐'"´::::::::::::::::::::::｀ヽ、
／/二ヽ／⌒ヽ;:::::::::::::::::＼
/::ハP_/P￣ヽ/ー-:、::::::::::::＼
/ ヽ、（::::::）ー‐' ＼:::::::::::::::i （この件 石田三成や長束正家は秋田に頼られてるんだったな
十―- Y -‐'"￣￣￣ !:::::::::::|
_|＿＿ .| ￣￣￣｀ |:::::::::::| 徳川家康は 浅利を後援する津軽為信と接近中
(´ .| ￣｀ヽ、_ _ |:::::::::::!
ヽ-ー‐┴―--- 、r―-:、!:::::::::/ そして南部くんの取次は僕 と）
/＼ /´ }/:::::::/
ヽ、｀丶、＿＿_{ ﾉニニ!
｀T"´ﾄｰｒ-::,-ﾄー‐'i"::::::::::::|
}--< ｀"" .|__::::::::::::::::::::::|
ｌ´::::::::|￣｀フ´::::￣「´:::::::::/
_|::_:::_::ﾄー;'"::::::::::::::｀:::::::::/ヽ、
（＿＿_.」｀ゞー-:、_:::::::::::;/ ●
｀‐ 、＿ノ￣￣
＿＿＿＿_
／ − ､−､ ＼
/ , -| ／・|・＼|- ､ヽ
/ / U ` −●- ′ ヽi. （うまく立ち回って処理すれば
| / 二 | 二 | 確かに三成たちとの関係を逆転できるかもね
| | ─ |__ ─ !
ヽ ヽ __) / ただ そう思い通りにいくかな……）
＼ ヽ _) /
l━━６━━━━┥
| / ＼ |
, -──- ､
／ , -‐､ , ‐ ､ ヽ
/ /,-‐''´∨~~｀ヽ ヽ
/ _,.l ・ ,! ・ /‐､ ヽ ……と
l / ニ､｀ｰ‐‐'◯ｰ‐' 二ヽ |
l l-─ l ‐､-l! 何はともあれ
l l ヾ''ｰ‐ ､__ |＿ _,,...ｨ'´ l 僕も今後を見据えて働かせてもらうか
ヽヽ ヽ ）／ /
ヽヽ ｀''ｰ── ' /
ヽ＿＿＿＿＿＿, -‐''''⌒ヽ
／ ￣､ﾌｰ─‐＠─‐ヽ（ ）ノ
| ヽヽ~￣￣￣|￣￣ヽ
ヽ （ ） | ヽ
|｀ｰ┬'l￣ヽ＿＿＿|＿＿＿ヽ
比内問題は、秀吉が五奉行・五大老からなる合議機関を設置して初めて、
本格的に取り組まれた地域紛争である。
∧＿∧ ∧ ∧
（ ・∀・） (ﾟДﾟ,,)
i^i￣（iﾉ '^：^'） /~ ： ~ヽ ∧＿∧＼
∧＿∧| ｜／￣￣￣￣￣＼ （∀｀∧＿∧
／（ ・∀） ／ ＼： （∀｀ __）＼
∧＿∧Ｖ：）.／ ＼： ∧＿∧
／（ ・∀） ／ ＼（∀｀ __）＼
∧＿∧ V：／ ＼： ∧＿∧
／（ ・∀）／ ＼（∀｀ __）＼
i^i（ Ｖ：／ ＼： ~~） i^i
| | （ ⌒|￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣| ）| |
| |￣（＿_| |＿）￣| |
だがその経過は、公儀内部の政争が色濃く反映するものとなった。
秋田側の肝煎となった公儀奉行・佐々淡路守と結ぶ長束正家は、浅利討伐の正当性を主張。
正家と政治的に近い三成も、これに同調した。
＿＿＿_
ゝ／: : : : : : : : :＼
／: : : : : : : : : : : : : ＼
/: : : : : :┌---,----i─
| : : : : : : :| / /i＾i |
| : : : : ,--v |_|_ﾟ| | 殿下が認められた大名は秋田実季だ
|: : : : | d. '┐
ヽ: : :ヽ_ ┌── | ってことは当然 警察権だって実季にあるってことさ
ヽ;;／ ＼／ /
_|＿＿__┌ - ′
/:_:_:_:_:_:_:_:＼ ∩
/ / ￣ヽ, 「 / ~￣,⊃ ［長束正家］
| i ＼ | ／＼ ノ
ﾄ､ ﾄ､ ∧
|＼ｉ:.:.ヽ|:.∨:.:.Ｖ|／|
弋´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.フ
＜:.:.:.:.::.:.:/^.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＞
＜:.:.:./:.:..:/!:.:.:.:ﾊ:.:.:.:.:.:..!.::.:.:.＞
厶:.:.:.!:/Ｖ┼!:.:| ┼!､!:.:.|:.:.:.:...＞
厶小 rｬ‐ !V rｬ‐ぃ小::..::之
八,! ￣ ,! ￣ |f .}.:.::ﾄ､ それが正論だな
ﾊ ｀ ' ﾑｨ.:|ヽ!
＼ - ､ ,ｲⅣV 殿下の安堵を曲げるわけにはいかねえ
ﾑ|` - Ⅳ
＿_ｉ {
,. -＜ヽ `ｰ―― 予-､_
／ ￣￣￣￣ ／ ＞､
一方の長吉は、実季側が戦を仕掛けたこと自体を問題とし、戦闘停止と政治決着を説いた。
/:::::::i!::!:::| l!ヽ:ヾ､::::ヾ､:::丶::::::::＼:::::::::::ヽ
,':::::i:::l!:ﾊ:::| l! '､:ヾ､::::ヽ'､:::＼:::::ヽ＼:::::::::',
!::i::l:::i!:| l!::l l! '､:ヽヽ:::ヽ '､ヽ:丶::ヽ:丶:::::::',
｜:l:::l:::i!:| l ';:i l! ';:::', '､::::'､ ヽ '､::ヽ:ヽ::::::::::::!
｜:l::::l:::::ｌ| ｌ ';:l ! V L:_:｣ '､ヽ:::::ヽ:';::::::::l
. l::::!::::l:::| ! l ヾ､､.,,,,,,_ _,,,.､..=''､_ﾞi:::::!ヽ'､:::::!
!:::l!:::::L! _,,z=＝ｭ､｀ヽ、 ,r'´ ,,z=＝=ｭ.l::::l:::ヽ'､:|
!::::l!:::::! く_{::ｰ':::_! `_,. l ｌ ､'ﾞ､l_::ｰ'::;}_.ｲ:::l!:::ヽ':!
';:::::l!::::', ￣ |.| ｀ ￣ !:::l!:::::ﾄ;:', 秋田は 浅利の違背を証明せず武力を行使しました
';:::::l!::::', |.| l!:::l!::::::|ヽ;、 これでは喧嘩沙汰と同じ
';:::::l!::::', ﾊ ハ:::l!::::l ヾ:､
';:::::l!::::'､ _,... = ､.,_ /ｼﾞ';:::!::::! ';::l 早急に停戦させ 双方に出頭を命じましょう
';::::::!:::i:'､ '―――‐'｀ /´:::l::'､:i!::! !:l
. '､:､:!:::i';ヽ、 ￣￣ ,. ｲ:::::::l:|::';ヽ:!:､ |::!
';丶::::ﾄ､ヾヽ､_ _,､‐' |::i::l::::::::l:l::::'､::ヾ;､ !:l
'､:'､:ヽ:｀ヾ;.､ .: ￣. .: . .: l:::::!::!:::::::l:l:::::ﾄ;:::',ヾ';.､
';i:ヾ:':､:::| ヾ! .: . .: . .: |:::::ヽ;i!::::::l:l!:::lヽ:::'､/ヾ;､
!i!::l'､ヽ| . .: . |::::::::::ﾄ;i!::::::::l:::', '､::'､ ヾ
:::;:':::::::::::::::::::::／,!:.:.:.:./:j:.:. : :/: : :.| l:|
;:':::::::::::::::::／: : /:.:.／: :l:. : :/;.:. : :i ﾘ
::::::::::::::／|: : :./:／: : : :!: :.//|:. : ,'
:::::::::／::::|: : ;ｼ'゛: : : : :i: /:/ !: :,'
::::;r'::::::::::| : : : : : : : : //|:' l:.;'
:/::::::::::i:::| '" l j/
::::::::::::::|::| , l そうそう それにさあ
!:::::::::::::l::| └-､_, ﾉ
l:.:.::::::::::!:| _,,.-''′
.!:.:.:.:::::::l:|::¬'''"´
ﾞl:.:.:.:.:.::::ｌ|::::::|
. l: : : : : l|:::.:.|
_,. ニ＝.-:､`:ヽ.、 ＿_ j!
,. :'':´: : : : : :,:-'': :./: : : : : : : :｀:`:ヽ<､
,.r:'ﾞ: :_:,,: ; '"／: : : : /: :j: : : : : : : : : : : : :.＼
／'"´ ／ , ' :./: : j: : l : :,: : !: : : : : : : : `:､:`.、
, ': : : : /: : . .i-‐仆: :j: : : : l: !: : :i:. : : : : ｀､:｀､
,.': : :/: .:j: : .::::i: :./ |: :.j!: : : :l:ハ:,:-:!:‐ ､ ｀､｀.
. /: : :./: .::j: : .::::l: :/ j: :i.|: : : j/ ∨: l::::::. : : i . ﾞ; i
': :／j: :.:::|: :.:::/j:./-‐_!:l. !: : :.j! ∨:.!:::::::. : :l: : :! ',|
/, ' |: .::::l: :::/ヤ示亦ｌ| i: : :i! V:lＶ::::::. : !:. :.!: i
'゛ !: :::::l: ﾊ ﾞrＪ::V l Ｖ: ! ､ ヾl.ﾞi;:::::: :j:::. :ﾄ､!
l: :::::}:l::::! Lﾆﾉ ヾ! ﾐミニ ﾞ'j::V: : |:V: !ハ 殿下が一旦下した安堵を金科玉条にするだけが
V:/Ｎ::::! ' ￣．l::::::V: !: :V|
. ﾞ' |:| ::l. ｰr ､___, l:::::: |Ｖ|: :.Ｎ アタシらの仕事じゃないでしょ？
|:,!: ::`:...、 ヽ ノ ,ｲ::: ::l:::i＾ヾ!
|':l: : ::::::l:::`i:.. 、 _,,... イ::::l::: : j::: } |
j: :!: : : ::l::;/´iﾉ ￣ i! ヾ､|::::j:: : :.!::./ '´￣二､ヽ
ｉ: : !: : : :.! l. ＿ | ｀i|: : :.l:: l -―-'､
,': : ∧､: : i ｢ .｀| '!: : :.!:::ﾍ ´￣_,)'′
,': :.∧:ﾍ:､: | l. ! /: : ∧:: :.| T ´￣
,': :/ ヾ､ﾍ: |. l. j /: :,/ V::| | ［徳川家康］
また、津軽為信や浅野長吉と親しい徳川家康も、浅利擁護へと回った。
_,,,......,,,
,,,''" ﾞ''丶
i;;:::::＿::::_:::_ :::＿ヽ
!:::::ノ ノ ー l
r､| ｲﾟj` 'lﾟj`l
､_: ｀ ' ｀ ﾉ 徳川殿 それはどういう意味だい？
ヽ､ ー- ／
`i -'イ_
⌒/＼／ /￣⌒ヽ
l.／＼/ ヽ
_＿
／⌒ヽヽ
__＿ ,、＿＿ |/
‐＝ﾆ_ : : : : ｀Y: :`: : : : : : ｀ ヽ、
, イ: : : : : : : :l: : : : l: : : : : : : : : ＼
／;:／: : : : : : : |: l : : |、: l: : : : : : : : :ヽ
/／/ , : : : : :l_:_/|: l : : l l_:_|_: : : :ヽ: : : : l
/ /: : : :/ 'l:./｀|: l: : { ´l: |､｀ヽ: : l: : : : !
,' /| : : /: :/|{ l/l: : | ヽl ＼: : :l : : : l
|/ |: : /: :ﾊr┯┯ l : | ┯┯yl : |: :＼l そのまんまの意味だよ
. |: :lｲ ;'ハ ｂ::| ヾｌ ｂ::! l l: l｀ｌ:`ﾒゝ
ヽ| ﾚ |: :ｌ ￣ ￣・ ｌ l/ｰ': :l アタシらの義務ってーのは 殿下の「御掟」「追加」に従うことでしょ
l.:|: :ゝ､._ ｰ'ｰ' _,.ｨ': : l:: : :|
|.:|: : : :__二７T ¨´lヽ､| : :l: : : |
|.:|: : :|| l´＿__7 |: : |､: :│
|:,ゝ､:ヽ │ / /: :/ !:: :|
／ : ,. -／: : : : : : : : ／: /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＼
. ／,.. '´／: : : :／: : : : /: : : l: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
/／ / : : : : /: : : : : /: : : :,! : : : : : : l: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ',
. /: : : : : /: : : : : /: : : /.|: :|: : : : : |: : : :l: : : : : : : : : : : : : : : : : l
/: : : : : /: : : : : /-‐ x' !: :|: : : : : |!: : : :l: : : : : :ヽ::::: : : : : : : : :|
!: : : : :/: : : : : / : : :/ ヽ| : | : : : : | l : : : |: : : : : : :ヽ:::ヽ : : : : : |
. !: : : :,.ｲ: : : : : :l : : / l : !: : : : :| ,.x-‐‐!-､: : : : : ﾊ::::ﾊ: : : : : !
|: : :/ !: : : : : :|: : / l: |: : : : :| ヽ: : !､: ヽ､ : : : l::::::l: : : : :|
|: :/ |: : : : : : ! ll｀!‐- ､ l |､: : : :| ヽ: :| ヽ: :!: : : : :l:::::::!: : : l
|:/ l: : : : : ｲ l | ,!｀'.| ヽ: : | - ..__ヽ| ヽ: l: : : : :l､:::::l: : :!
|: : : : :l l:| r'ｰ',ﾉ ヽ: | | ｀丶､ヽ:|: : : : :|:ヽ::l : |
!: : : ,.!: |! ｀ '´ ヽ! r'､__ ,./'/l: !ヽ : : |）:ヽ|: l 取り決められてるのは合議
', : / | : '、 , ヽ._,. ' l:∧!: 〉､ ,.! '´ ,):| そして殿下の御意を得ること
ヽ:l !: : :｀ヽ､ ､_ ･ l/: : : :l／ ／: l
'.| | : : : :|:l/丶､ `ｰ' r‐〈: : : : / ／、 : | 議論の内容までは規制されてないはずだけど
l: : : : |:| l:.:.:.:.:｀ ｰ,┬ '' ´ ,〉、r'ー-'､ /=-ヽ: :!
/! : : : |:! |:.:.:.:.:.:./ ' , ':/:.:.}-- ..__, !'" ｀ヽ:|
/ !: : : :|:! l:.:.:.:.:.:l｀ヽ､ / /:.:.:.l.＿＿,. l_,. --､:}:l
{ !: : : |:| |:.:.:.:.:.| ｀/ /:.:.:.:.:{ l ヽ!
秀次失脚直後、この合議機関の設置にあたり、基本法として「御掟」「御掟追加」が発効されている。
御掟では、諸大名の婚姻や誓書の交換を秀吉の許可制とすること、私闘の禁止と訴訟の義務、そして身分による乗り物を規定。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__
||￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣||
|| ||
|| まとめて ||
|| 『大坂城中壁書』とも ||
|| ||
∧,,∧ 。 _||＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿［三］＿||_
(´・ω・) ／ .└┬┬─────────ｰ┬┬┘
. （∪ つ ││ ││
`ｕ-ｕ' .┷┷ ┷┷
追加では、公家や寺院門跡の統制、百姓支配や課役の確認、
五奉行五大老の十人が秀吉のもとで訴訟事を取り仕切ること、そしてやはり種々の容儀を規定。
|:.:.:.V:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.
ﾄ､|:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::∠ ＿
＿＿}:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.＜¨
＼:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.__:＞
＞:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.!:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:＞
＜_:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:!:.:.:.:.小:.:.:.:.:.:|ヽ:.:.!:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:＼
／:.:.／:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.::./!:.:./ !:.:.:./ !ハ:.:.:.:.:.::.:.:.:.ト ､>
厶イ:.:.:.:.:.::.:.:|:.:.:.:.:.::/ V |:.:/ |／ ＼:.:.:.:|ヽ|
厶イ:.:.:.:.:.|.:.:.:.:.:/―- ､_ |/ ｨ佗¨> |Tヽ＼
/:.:.:.:.:/|:.:.:.:./ r ' 丐}ヾ’ ヾ''¨ ! ﾄﾐ.ヾ} そりゃ まあ
,厶ィ:.:.:| 从:.:.| ` '" |ﾉ
ムｨ人 V ! ﾉ} 確かに殿下の御意があれば……
|7＞へ u /V
_|/ ヽ ,. -‐ｧ /::: `ー-､
／／ ｀ 、 `' ´ ｨ ＼＿::::::::::::＼
／::::い ` r- く/ ￣ ヽ:::::＼
／::::::::::::＼＼ ヽ // !＼:::ﾊ
. ／::::::::::::::::／ ＼＼ ＼ ／/ ! Vﾊ
この中では、「十人の衆」が訴訟を審議し、秀吉の決定を経るという手続きしか定まっていない。
,..::;ﾆ＝-､
i::/ 、
,ゞｰ--‐::':::|,..-;:ァ
／:::::::::::::::;::::::::!::::::｀丶、
/::/::::::::::/:/|;:::::;!i::i::::::....､ヽ
l:/::;'::::'オ/ !:::/へ|:::::::::::ﾞ:.ヾ:、
,!,イ:::::/ !′ l::/ .lﾊ:::::|;;::::l
/i:::::!::/iTﾆT ,!;' ｲﾆﾘ,!:::l｀､:| でしょ？
!:（|:'!::l ゜┘/ ﾟ‐：!:}::! ﾞ!
|::::M::::!､ ｰ'‐' ィ:i!ﾘ 公儀の将来を担う者同士 話し合いにタブーはなしでいこうよ
|::::|:::l:::ﾚﾞ'ﾏ¬＜:!::|::|
!::::|x<!:l |―| ,l:::|:::!
l::::::;!ヾｌ:ﾄﾐヾ、l〃!:ハ:|
,':::::::| ヾ＞ﾐV∠}′ i|
l::::::::{ ,r=-=ニＬ._〉,ノ l|
,!:::::::::l |l!l!|´ |!
!:::::::::::ﾄ、 |＜ ＿/:|
!::::::::::::ﾞ7ー イ丁´「 〈::::::|
､__｀≧=-.:／.:.:.:.／..:.:/:/.:.:.:.:.:./.:.:,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`ニＺ.´
､_｀ニ ⇒..:.:.:.:.／.:./.:./:/.:,:.:.:.:./.:.:/.:.:i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.;.:.:.:.:.:.:.-:≦二、
`'¬彡.:.:.／.:././.:./:/.:/.:.:.:/.:.:/.:.:,:.ｉ.:.:j:.:.:.!.:.:.:.:.ｉ:.:.:.､:.:.:.:.:.ー'Ｚ＾
ー=≦／.:.:.:.'ｉ:.:i:./i/,〃.:.:/.:.:/:/:,1:.!:.:'i:.:.,1:.:.:.:.:!、:.:.:＼:.､≦二
__彡.:.:.:./.:.!:.:!∨/l/!:./.:.:,.:./:/ }:.j/_j:/.｣:.:.:.:ｉ:|い:､:.:.:.:＼く￣
｀¨ア.:〃.:.:!!.j厶{劣iｲ.:.:/:/:厶イｨ岱㍉〕.:.:.:ｉ从Ｖ.:＼_:_:_戈
/／/.:/.ｉ|i∧ {iJ＾|:./:/i/'¨下'{iJ ﾉ从:./:.}:.川:.:ヽ.≧=-
´ /イ.:/!い＾`＝‐彳/ ‐＝'^″}':.://∧＼:.:＼_
|/|小.i '｣〉 /イ､く:＼ヽi^''ｰ一 ええ……
|;小 !{ /|｢:.､:＼｀:ト
、 / !!:厶トへ|
＼ ─…‐- ' ｉ｢》} 〉
.＼ ／ ／″ /{
／／个 .___ ´ r＜ / }
／／ /j }/ハ / _,厶__
しかしその十人が党派に分かれる形となり、比内紛争はなかなか解決を見なかった。
調停案をまとめたのは、両派に信頼されている前田利家だった。
, --───- ､
／ / ⌒ヽ./⌒ヽ＼
/ , -{ / ﾊヽ } ､ ヽ
/ ／ ゝ _ ノ, ‐ヽ-' ＼ヽ 頼平は騒動の責任をとって隠居すること
/ ‐┼──- ゝ ノ - ‐一!|‐
| l.､, -一 | ｰ─- ｌL_ 頼平の子と比内衆の一部は秋田に住むこと
| ／ ＼.／ | ｰ-.／ !
､ ' l. ／＼＿ | ＿／ /＼ 浅利は秋田家中”並み”に課役に励むこと
ヽ Ｘ ￣￣ ／
/､二二二二二二二二 く 騒動後に築かれた城塞は破却すること
/ ／ ( 〒)＼ ヽ
! / / } !
利家は強硬な浅利討伐を退け、といって独立も支持せず、巧妙な政治言語で決着を図った。
調停案は秋田側から読めばこのように映り―――
. -=ミ ､
＼ヽ
. __Vﾑ ,- ､
／ ﾍ', } ７ ＼
. ／ ∧ Ⅳ,i| ! ヽ
. / i .}:ミ∨f千 } :､
/ i ,'| ! l 'Ⅵ ＼
. / ;' | ト.L__,: __,|/≦| |＼＼
{／| i:弋り 弋り|. | ｀丶 ふん さすが前田様だな
. | | ￣ ￣ | .! |
. | ﾊ .| ’ _, !.i | i これで頼平は失脚 浅利は俺の家来ってわけだ
. |′∨.|、 ｰ ￣ ﾘ| ,'り
', !､{ ヽ__, ｨﾍ,. ｲニ!' Y
', |:} ／ ∠_}｜ﾆﾆ}＞､＿_
／フ´:iﾘ.!{i′ ー､.}L_ニ!:::::::::::y:::＼
／::{::::::::::|〈 j r-|==}７::::::::／::::::::::::Y
_{::::::::|::::::::::|_/ rﾁr=='::::::,:'::::::::::::＞'∧
/::::V:::::i:::::／:{｛ ≠ﾆ||ニi:::::/:::::::／:／￣::ﾑ
. {::::::::∨:::Y::∧ ヾ __,.ｲニﾆ||ﾆj::::/:::／::／::::::::::::::::}
_, -＝―- 、
､'´ __ ｀` ､_
〉'´,￣ ￣_'`ｰ-､_ }
,' _ノ,-､ .,-､ ＼ .| |
,' ・ﾉ ・ﾉ ,､| .|
,' ___ ｀ ｰ- .| | こっちの不利には違いない
.l （ ` ､ L＿,-{
', 入＿___,､_つ-、 ） だが 浅利の進退は公儀の保証を受けたってことだ
. ',｀´ ´ ＼ T´
', ___. ', | 秋田家臣じゃなく ”並み”だって言ってるしな
Y´ ＼ ', |
ゝ,､__,-､_ヽ、 ', |
(｀ｰ―‐'´ﾉ |
｀ーt-‐' |、
, -‐十‐__---―‐'フ 〉>､
／ / |イ;;;;＼ ／_,ノ/ ＼
浅利側から読解すればこうなった。
実は利家の公儀における序列は、もとから高かったわけではない。
秀次粛清に伴う人事刷新により、急激に官位を上げ、五大老にまで上り詰めた。
＿＿＿＿
／ − ､ −､＼
/ , -| ・|・ |- ヽ
/ ／ `− ●- ′ | みんな これでいいね？
| | 二二 | 二二. |
| | |＼ -─ | ─_＿_） 実季は譴責処分に留める
_ ! | ! ￣￣￣￣￣ / /_
( __）＼ヽ ＼（二二二）／／(__） 秋田杉材の供出が止まっちゃあ公儀が困るんだ
＼ ━━━━６━━ ／
| ／＿＿＿ヽ |／
| | ヽ＿＿ノ ﾉ |
| ` ─── ′ |
秀吉が利家に期待したのは、こうした調整能力の高さだった。
さて、目当てが外れたのは浅野長吉である。
} | ヽ. ヽ ＼＼ ヽヽヽ. |l ヽ
ｲ | ヽ ヽ | | 、 Ｌ! ＼__j｣ | ｜
l | { , ﾍ. | └┘ ｀¨¨´￣ | | ﾄ､｜
| L厶‐'´ ＿,.＼j -＝ｔ‐┬‐'} } ! }｜
r┘ ￣下丁￣ ､_ |{ _j＿`１ | jノ
| ` ='ゞ亠‐' |｜ ￣￣ l |
｜ ｜| | |
! i | | | | あら？
l l / ｜
卜 し _＿ /} | もしかして前田様に全部かっさらわれた？
| ﾄ 厂 _＿〕 く｜ ｜
├'´ ヽ ｀¨¨ ￣ ／ | |
! ､ ,.ｨ l ﾄ､
ﾄ､ ｰ---イ | l | ＼
! ＼ ハ | l !
長吉は頼平に下知への服従を伝えるばかりで、政治力の失墜をむしろ露呈することになった。
長吉に残された道は、家康との連帯をさらに強固にすることだった。
／: : : : ／: : : : : : :/: : : : : :/: : : : : : : : :＼
／: : : : ／: : : : : :/: :,: : : : : : /i : : : : : : : : : : :＼
. ／ ⌒ ／: : : : /:.:./: :/ : : : : : / ―=ミ : :`,: : : : : : .
, . : : : : : :/: :⌒:/ ｉ: | : : ' : : : : : : :`,: : : : : .:.
. /: : : ／: :,: : :/i: , |: | : : ｉ ＼: : : : : :`,: : : : :.i
, : ／: : : :.i: :/ ,l/ ,|: | : : | x竓＝ミx: : : : : : : : :|
. i.:/ ｉ: : : :l: ﾊ x竓示| 从:.:.| ,爪 ７/: : |: : :＼: ,
. l' |: : : :l/ : . r'しj ＼ ､｢ 辷V ,: : :.|:_: ⌒ヽ
ｉ|: : : :|: :.:ﾊ ゞ ' ｀¨¨・/ ＼:| Y: :.:i まああまあ アタシを見なよ
-､ ,八: :.:.:|: /: :i __ --r /: : : :.＼ﾉ: : :| 殿下と真っ向から戦してもなんとかなったんだ
＞ ´＿ノ ＼:.| : : 人 乂 _ ﾉ ,. : : : : 八 : : : |
⌒i ﾍ ヽ／: : |〕＞ /: : : : :/: : : : :.:.| 浅野くんだってどうにかなるもんだよ
〕し ﾉ ｉ: . : : :.八: : : : :.:丁 /: : : : :/: : : : |: : |
イﾉ-＜ |i : : :./______／:／ /: : : : :/_: : : : :|: : |
_l-=彡| ,八 : /.................'- ｧ. : : : :./.........＜ |: : |
=====| /: : :./.............. / ／ : : : : /..................＼:.|
: : : : : |､ /: : :./:............. / ／: : : :／:./........ ―― ヽ
====彡|i ／/:ﾊ:.:/.............. / ／: : : :.イ: :.:/....／ ハ
秀吉の構想した私党なき合議は、開始早々、ほころび始めるのである。
秋田に裁定の下った翌月、五月。
拾丸は伏見を出立し、初めて洛中に入り、参内を果たした。
,ｲ │
// |:!
//,. -/r‐- ､| !
/,/ ./ | _」 ﾄ､
/.＼`/ |二...-┘ ヽ
. i ,.>､;／ｰ- ､ l
! ∠..＿;'＿＿＿_＼ |
∩ ,!ｲｉ´●｀> <´●｀> ｀＼.､ヽ.
| |／'´ | ￣､_,､_, ￣ |＼ ヽ、
. | |＼ | !.ノ | `''-;ゝ
＼ ＼| |. ‐''´
＼| |
| | |
| | |
.| | |
| l ∪
| / ［秀吉嫡子・拾丸（3）］
＼ ./
沿道は直轄軍団によって厳重に固められ、行列には在京諸大名のことごとくが供奉した。
''';;';';;'';;;,.,
''';;';'';';''';;'';;;,., ザッ
ザッ ;;''';;';'';';';;;'';;'';;;
vymyvwymyvymyvy ザッ
ザッ MVvvMvyvMVvvMvyvMVvv、
ザッ ﾍ＿＿Λ ﾍ＿＿Λ ﾍ＿＿Λ ﾍ＿＿Λ
＿＿＿_ ,/ヽ＿ /ヽ＿＿,.ヘ /ヽ＿＿,.ヘ ＿,.ヘ ,.ヘ
／ ＼ |＼_／￣￣＼_／| |＼_／￣￣＼_／| |＼_／￣￣＼_／|
‐ ─ ＼ |＼＿／￣￣＼_／| |＼＿／￣￣＼_／| |＼＿／￣￣＼_／| ▼ |_／
（ （ ●） ＼ ＼＿| ▼ ▼ |_／＼＼＿| ▼ ▼ |_／ ＼＿| ▼ ▼ |_／.皿 ／＼
（人__） | ＼ 皿 ／ ／ ＼ 皿 ／ ／ ＼ 皿 ／ ＼ |
｀⌒´ ／ ／ ＼ | | ／ ＼ | | ／ ＼ | .| |
｀ｌ ＼
ｌ ＼
この時、秀吉と拾丸が乗った牛車の尻に前田利家が着座を許され、同行した。
. , ´ ... -――--...､｀ .､
. ／ /´.. - ―― --､ﾍ. ヽ
. / /´ | i :.ﾊ ',
. ,' | ! | | i| .:.:| :.
i i:.: ∧,-‐' ￣ ｀ヽ! : :! .!
|: |/´ ノ ゝ ｀ヽ| ! |ヘ. ,.-、
. .へ..|i ! |: ｜.| | > /ﾌ /｀i / ヽ
. く || : ｜ _＿､ ,＿ |; | ﾉ ! ／ i i / レ' ヽ
｀ ー|l_i N ,〃⌒ ´￣｀ﾒイﾊ､ i´ . ｌ l / _ ,r-;､ ヽ ＿＿＿＿__
| {｀ﾄ! ::::::::::: ' ::::::::: / ノ | .! ! ./<{ }〉 ｀'ｰ'.' i ／ /￣ヽ￣ヽ＼
|:.:.ヽ、_ ､__ ... __, ,'イ∧.| ! ｉ /. ￣ﾋﾌ ! ／ ＿| / |ヽ |＿＼
|:.:.:.:i {ﾍ ／ .!:.:.:.:| . ヽヾ ヽヽ / ／ ｀ー ● - ヽ
|:.:.:.ﾊ__∨｀ト... ..イ:::.}___|:.:.:.:.! ヽ i'､ヽ | / , 二 | 二、ヽ
|:.:.:.ハ ∨.:.:） ｀ _ .{ !::.,' ,'.:.:.:.:| l |. i. i | | | ─ | ─ ||
/へ￣｀i {7´,.く｀ｰ'｡∨｀7 /￣￣ﾄ､ | ｌ l. ｌ ヽヽ .＼ | ／/
. / ヽ ! /´三ﾐ､===彡三∨ ,' ヽ . i l. l l ＼ヽ `'ｰ─┴─‐''" /
{ ∨!| i´川ﾒﾒﾒ７ / / ! i l. l l （二二二（〒）二二）
| |.:i.! ﾉ:ﾒﾒﾒﾒﾒﾒ{ .! ./ ｜ i ,! `' / ／ ＼|ヽ
拾丸の傅役として侍るは利家、と秀吉は天下に示したのである。
一方、家康は正二位内大臣へと昇進。
五奉行五大老を含め、諸大名中でもっとも高い官位に任じられた。
/:.:.:.:::.:／.:.:.:.:.:.:.:.:;.::..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:､:.:.ヽ､
/:.:.ｊ:.:／.:.:.:.:.:.:.:.:.::/::.: /|ヽ:.:..:|::.:.:.:.:.|'ｉ:.:|::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀ヽ､:ｉ
|:.:.:ｉ/. ../ . . . .:.:../::/ | ∨:|::.:.:.:.:| |:.:|ヽ､:.:.::::.:.ｉ . . .:ヽ､-､. . .｀ヽ
|:.:./. .,ｲ . .::.:.γ⌒::ﾄ | |:.|: : :.:| |::|⌒ヽ:.:. : :| . . . . .ヽ､＼ . . .
|:/: / . . : .::::.:./ |.:| | |:ｉ::.:.:.:j |:| ∨:.:.:.|::::..:.: : : ::ｉ ＼::
/::/:|:.:ｉ:::.:.:.:.:./_＿|ｊ＿.!_ |ｉ::.:.:/ _|ｊ_＿__ ∨:.:.}､::::.:.:.:.:.:.:|
l:/､:}:.:|:::.:.:.:.:ﾊ 「 ｆ:;::;;;::!゛` |:.::/ 'ｉ::;::::;;;:! 7 ﾊ:.:|::ﾄ､::::.:.:.:.:.|
ﾚ'|:::.:.::/:.:ﾊ ､込ﾒ:;j , |:/ 込:ｨ:;ｊ / ﾊ:;/.:|,ﾉ:|ﾍ:::.:.:.ｊ
|.:.|:.:.:/ｉ:.::::ﾊ ｀￣ ´ ￣´ ・ ﾊ:.:.::|:::::.| }:.::/
|:.:.|:/:::|:.:::::::j. ,.-､_ {:::::.:.|:::.:.:| |:/
|:.:..'::.::::|:.:.:.::ｉヽ、 ｀ーl＾: | ｀l ,.ィ:::::.:.:|::.:.:.:| ´
|:.:.:.:::::::|:.:.:ｉ::|:::i:｀＞‐-ｉ´ｉ | | |､τ´::ｉ:|::::.:.:.:|:.:.::..:|
|:.:.:.::::::::| : | |-‐´ {._ﾉ| .! ! | ｉ｀ｊｰ--|ｉ:::.:.:.:.|､:.:.: :|
|:.:.:.::::::/|:.:.|:| ヽ-{ ,,ﾉ_ /:.: : : :ｊ ﾄ､:: :|
|:.:.:.:::::ｆ｀|:.:.||＼ ﾍ ヽ、 ／ ｀ハ:.:.:.::/ / |:.::|
|:.:.:.::::| |::.:ｉ|＼＼ ﾍ ／ .／／ ∧::/ / |:.:.|
拾丸政権においては家康が筆頭となる意だと、世間も家康自身も受け取った。
＿＿＿_
／⌒ ⌒＼
／（ ●） （●）＼
／::::::⌒（__人__）⌒:::::＼ 徳川殿 内府（内大臣）ご就任おめでとうございますお
| |r┬-| |
＼ `ー'´ ／
＿_
／￣｀ヾ:`:.
{ ﾞ!:.}
/:＼＿,∠.._
_,. _-_:‐:‐:|: : : : : : : : ､:｀: .、
／´: i.:,!: : :|:i!: ､: : :丶: : ヽ
／ｨ: : : ﾚ‐!: : |:!'⌒､: : : :＼: :i
.//./: : : ;1! ∨: l| ヽﾄ､: : : :ﾄﾞ:､
〃 !: : : { |Lz,,Ｖ:.{ ﾆ弐ｬ:､: : !: :!
'′ |: :.;!:iﾊ｢l､,l ﾞ､:. ﾄイl' ハ: l: ;! これからもいろいろとよろしくねえ やる夫くん
.ｌ :ハl:::i└' ` ￣ ・i::::ﾍ:|/
V ﾞ!::ﾄ..,,_ ｰｰ' _,.､ｲ:::::バ'
l::::|::::::;ﾌﾌ .,!'ﾞ'l: :/:::::i.
l!::|／/´>'゛_,!:./ｭ::::::l
l};.|i!.j /,,-''.ｲ/‐¬;::::l
./ ﾞ{､i!/''／// i::::!
/ _,,.-火ﾞ､ '"i i:::i
ﾞく ｨ､ ＼j ,l:::|
利家と家康、二人の求心力はますます高まっていくことになる。
┏━━━━━━┓
翌六月 京
┗━━━━━━┛
＿＿＿＿＿ .| |:.:.:.:.:.:.:.:.:＿＿＿＿＿_:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
|幵幵｜幵幵| | |.:.:.:.:.:.:.:.:|幵幵｜幵幵|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
|幵幵｜幵幵| | :/|:.:.:.:.:.:.:.:.|幵幵｜幵幵|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:| /
|幵幵〔〕幵幵| | / .|―＿＿＿＿＿＿＿＿,､ ――――――|'
|幵幵｜幵幵| | ;/ ,.| i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ｿ､ .__ /~７ｌ | /
|幵幵｜幵幵| |/ .|_.||`〜〜'^〜'^〜'^〜´||::::.ヽ );;( / /:::|_|/
￣￣￣￣￣￣￣￣ ||￣/〔〕 (ﾟωﾟ ) ﾉ､ ||￣/_（;;;;;;）.|￣|::://|
|| /〔〕 と_：＿つ.ﾉ､」.|| ./ );;(. ＿ _|//
|| 〔〕 〈っと__ゝｌ_」 ||/ （;;;;;;）
/⌒‐'て
/ (
＿＿_ /し-､_,-' ガヤガヤ
∧,,∧ ∧ ∧ ∧,,∧ ⊥＿ |/ ∧_∧
(ω・｀ ) (ﾟдﾟ ) (・∀ ・) (・ω・｀) (ﾟДﾟ |) （・ω・` ）
| oL ノヽノ | ノ( )ヽ （l Ｕ) と| と| O┬O )┗(^o^ )┓
しー┘ < < < < `ｕ-ｕ' し｀∪ ◎┴し'-◎ ┏┗
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ＼
／ （●） ＼ 殿下後を睨んでの動き
| （__人__） |
＼ /;:| ﾉ:;| ずいぶん急になってきたお
＞ {;:;::乂_,,ｯ､､_／.:;:;｝
／ ゞ彡彡ニミミｯ;;/
（ ＿б 彡〃.:.:.:.:.:.:.:ﾞヾミ、
ゞ ''"/ : :.,;"´ﾞ,;.:.:.ヾゝ
‖ ﾞi .:ﾄ'',.´;, ',;:.:"〈
ヾ :: 〈● :ﾞ;, ,;"::;●夂
八 `ヾ,|｀: : : ;, ,;:.::::｀";l 乂
/ ／,!;;;ゝ,ﾘ|; : : :; ;::.:.:;::i）! : .彡
,/ヽ／／: :,ヾ〉,;.;､:'':::.:.;::;!:::| : . |
／/ : : //ｲ::,.:..; :.｛､; ﾞ;:ﾞ;;.:"';｝:::!､_!
／: / : : //'ﾞ::;'.:.::; :,::`i.;ﾞ:.,,:''::`/::::::.:ヾ ｶｯﾎﾟｶｯﾎﾟ
/: : / =､/,.!::: ; :,' :' : :.:.:ヾ;∞;ｿ::::::::.:,:.}!
＿_
,.-''";;;;;;;;;;｀`'ヽ､
／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、
/;;;;､;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;､
,!;;;!ﾞ`''〜^〜ｧrr-'ﾞ`'´''ﾗﾍ;;;!
|;;;| ﾉﾘ ﾐ;;;|
_ゞ;! r─-- ､ ,rｪ--- ､ﾐ;ﾘ
!ﾍl;|. ぐ世!ﾞ｀｀ ,ｨ '"世ﾝ ｢ヽ
!(,ﾍ! ￣'" |:::.` ￣ ,ﾄﾞﾘ 各家とも情報収集に躍起になっているな
ヽﾞ､! !; ,ﾚｿ
`| ^'='^ ﾑ'′ 上のお偉いさんなんか ちょっと殺気立っているくらいだ
,rﾄ､ ー- ─-: /|
_..／ i| ＼ === ,ｲ.:ﾄ､
／ i| ﾞ､＼ ; ／ﾘ.:;!:::＼､＿
ﾞ! ﾞ､ `ｰ─''ﾞ:::;:'::::|::::::::::＼
ﾞ､ :::/::::::|:::::: ［堀喜吽斎］
`ヽ、 ﾞ､ ./ .| ,-､、
_,,.､､､､､.,,_
／.:::::::::::::::::::..｀ヽ､
/ .:::::::::::::::::::::::::::::::. '､
| :::::::::::::::::::::::::::::::::,ﾍ{ﾂ
| ::::::::::::::::::::::::,ｨｩ ﾉ j
|::::::::::::::::::::::（ |.! ;{ 秀次卿という前例が作られてしまったからな
.|::::::::::::::::::rﾘ`l,〉 j}ﾞ
}:::::::::::::::ﾉﾞ l / そりゃ転落を恐れて 必死にもなるさ
,xｧ''ｰ'ﾞ'` '､ /
/ ｰ｀¨`''''ー-- ､｣ﾞ'′＿
''^ｰｧ ､＿＿＿＿_ ￣ ／
`>'､, '''"´￣￣_二ヽ､
/ ／ ヽ
,' , / ﾞ､
l / __ !
l, l く,_ ､ |
＿＿＿＿
／ ＼
/ ─ ─ ＼
/（ ●） （ ●） ＼
| （__人__） | ……連歌仲間を通して 他に情報は？
＼ ｀ ⌒´ ／
/ ー‐ ヽ
/ ｀
,. -‐-─-- 、
. ／ `ｰ､
〃 i,
r' ｨ=ゝー-､-、､r=‐ヮｫ.〈
! :l ,ﾘ|} |. }
. {. | ′ | }
ﾚ-､{∠ﾆ'＝=ｧ ､=＝ﾆゞ<
!∩|.}. '"旬ﾞ` ./''旬 ` f＾|
ｌ（( ﾞ′｀￣'" f::`￣ |l.| 唐との和睦 いよいよってところらしい
. ヽ.ヽ {:. ｌﾘ 向こうさんの使者も出発したようでな
. }.iｰi ^ r' ,'
!| ヽ. ｰ=＝=- / 伏見の城じゃ ずいぶん豪勢な接待準備をしてるぜ
. ／} ＼ ｰ‐ ,ｲ
__/ ‖ . ヽ､＿!__／:::|＼
/i |! i :;::;:::::::ﾄ､ ヽｰ-
│ .| i l ノ ,' :ｉ i
ﾉ |- ⊥.｣__ /_,. -‐ | |
.. ＿＿＿_
／ ― -＼
. . ／ （●） （●）
／ （__人__） ＼ ああ 小西行長と石田三成が進めてた―――
| ｀ ⌒´ |
. ＼ ／
. ノ ＼
／´ ヽ 申し上げます！ ＞
Λ Λ 出羽の最上様ですね？
( ・д・) 我ら加藤清正一行 急ぎのため追い抜かせていただきます
/（ ）y|
⊂（_ノＵ |__）
＿＿＿_
／ ＼
／ ⌒ ⌒ ＼ おっ どうぞかまいませんお
／ （⌒） （⌒） ＼l⌒l
| （__人__） |`''| ……って アレ？
＼ ｀ ⌒´ _／ /
/
＿＿＿
／ノ ヽ､_ ＼
／（●） （●.） ＼ 肥後の加藤殿は唐入りの……
／ （__人＿,） ＼
| ｌ^l^lｎ ⌒ ´ | ああ もう戻ってたのかお
＼ヽ L ,／
ゝ ﾉ
／ /
. ,..-''"::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ
／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
. /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::'.,
. Y~~~~ﾉﾘ~~~~~~~~~~~~l:::::::::::::::::::::::::::::',
i ﾉ::::::::::::::::::::::::::::::',
l＝=､ ヽニニニﾆヽヽ::::::::::::::::::::::::::::::l
ヽ T .} " '.￣rヽ、 .i::::::/⌒ヽ:::::::::,'
l ｀/ ‐┴' |::://⌒ .l:::::::,' 召還されたって話だったな
|./,,, |ﾉ. ）) ./:::::,'
lヽ､ -‐ ／.／:::::::i おそらく 今帰洛したばかりじゃないか？
. ', __／ ＼:::::::i
. ', ヽ＝=- /. ＿＿_｀''-i
', -‐' .,.-''"￣ ｀ﾞ"''‐.､
', ／
. ヽ.__,,..-/
.: x三三三三三三三三三三三三三三三三三ﾐ:.':,
:: . l三三三三三三三三三三三三三三三三三i ::.!
:.:.:.!三三三三三三三三三三三三三三三三三l .:{
:::::{三三三三三三三三三三三三三三三三三ﾘ .j
:::::三三三三三三三三三三三三三三三三三ノ ,{
::::::.≦三三三三三三三三三三三三三三≦､,.:::::i
:::::::......≧三三三三三三三三三三三三三≧.:::::::{
}::::::::.ゝ三三三三三三三三三三≧彡< .::::::::::::::::j'
＜:::::::::::::..≦三三三三三三三三三彡'゛´ ＞'´ }
_j:.ﾐ｀ﾞー＝≡==＝≡≡≡＝≧三＞＝ァﾞ´彡ﾞ ｀i
Y .ﾐ ｀ﾞ .:::::::::::::::::: ':, ､ ≦､ ゝ¨ '＿ ,.:彡′}'jk.ﾉ!
.ヽヾ! ｀ー '´ ノ i :. ヾz_ ￣ ,ﾓソ/ }
∧i .', ´ |l :. ｾop@ |
. ｀ゞ! i! ::. 〃'!i|ﾍヽ, 最上殿
l | :::, / | l_jﾞ'´
ﾍ ヾ '´ / ｀´ l 道を譲っていただき ありがたく思う
':, ,.: -―――――- ､ / j .,
＼ ´￣￣￣｀ﾞ ／ / /
＼ ／ ,′ / /
＼ ／ / / / ［加藤清正］
｀ﾞー--―='´ / / /
/ / / ズダッ
＿＿＿_
／ ＼
／ ― ‐ い いえ
／ U （ ●） ）
| （__ﾉ､_） 高麗での武功の数々 やる夫も聞いておりますお
＼ ｀_⌒
／ ＼
、．
__ -‐｀￣￣ ｀゛ヽヽ､
.-‐´ 〃／ ヾ､
＞、 、 _ ., {/_'´ ､ _/ィヾ
7 .「¨７´7／ﾞ ヾ}´ ヽ} i ﾆ ､
'ｨ _ i i i iﾐ }ﾞ
ｲ,彡.} .,-､._ { , ,.、<.ﾐ.’
´ゝ､ ＝tｧｰ ' ｰ=tｧヲ }ｲ} あなた方の兵糧や武器あってのこと
{.ハ ￣ ´ | ｀ ￣ .'/ } こちらこそ感謝しています
ゝﾊ {i _ ,’ｲ’
|ヽ ．-─ - ．,:’|i} それに 今後次第でその武功なぞ消えてなくなる
| ＼ ´ ｀ ,.ｲ//|｀ヽ､
／:i ｀￣ ´////i|:.:.:.:} ＼
／/:.:,’ // V:.:.:i ヽ
／ {:./ // .V:.i .ヽ
,.’ .i´ ヾ､ ｀i ＼
/ i──--､ ---‐─ i ヽ
ィ´/ | ｀ ´ i ＿＿＿_ヽ､
,ィ ´ ,ｲ _. --‐､ | i i ｲ7´三二ニﾆゝ ｀ ‐ ､
./ ∠tT≠'¨⌒ヾヽ| | iｲ/´ ＼ ヽ
唐入り二番隊大将として華々しい武勲を上げた加藤清正は、報償ではなく叱責を受けて帰還することになった。
事の起こりは、戦役の序盤、漢城攻略から生じた先鋒大将二人の確執である。
, _,.:i＿ノj ＿ノj ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ
,z,_／'´ ´'´ ´ﾞーz_, {::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::八
,ﾍｿ 'ーk_, _）:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
jﾍﾉ ´＜, ﾉ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}
z'ﾞ ﾞ＞ {::::::::::/`ｰ-ミ辷彡ク::ノ⌒)::::::（
ゝ ﾐﾞ｀´￣￣｀ﾞー-ｿ＞ '::::::｛ 〈:::::::::::.
ヾ､ zミY -=z､ : :::}｀ﾞ ﾉ:::::{[＼ }::::::::::}
ﾒ _＿ 三K ヾ､:::i ヽ::::} ＼::､ 〃 ／＞:::/
k .､Y rー､ヾ ≦ﾞ ヾﾞｰk〉;:ﾉ ;::{ γ⌒ヾ. /／⌒ヾィ´}::::/
ヾﾐ i }-ニ} ﾞ三'´ :.ﾞゞ'.:::i /Y={k‐ｔｯ-}}={圻ｯ‐-}}=弐′
,ゞ ﾐ､ヽ ( z ﾞ:::'´ ::.', {.小 ゞニブ芋ゝ`ニﾌﾞ ぅ }
彡ー-ヘ_ｿ ,rー- ､_ ｰ _,r'ﾞ ゝｘﾍ 〈{ ﾑノ
／ ∧ '､_｀ー､,_｀ﾞﾐ>-' ` ﾍ /|
／i ｀ﾞ:.､ ｀＝ーﾞ,'´ -‐- ) / :|
| ヽ / ::.｀＞.､ / ∧ / ﾄ､ ［小西行長］
ヽ. ＼ j 〃ﾞー'´ ／{r个 __,. イ :jﾉ}＼
＼ ＼ l i _ノ, ｀:.､ _,,. -‐=ﾆア´: : :}｀=┬――┬=ﾆﾆj : : `､ｰ- .,_
＼ ヽi | ／ ﾉ ￣ヽ_ : : : : : : /: : : : /*ﾆ｜ ｜ニ*/: : : : :}: : : : : : :
＼ ＼ / / ´ ￣ヽ : : : : : /: : : : /=*ニ｀ﾆﾆニ´ﾆ* /: : : : : :|: : : : : : :
抜け駆けで攻略を果たした小西行長は、その後、明国との交渉担当ともなり、石田三成とともに戦争全体を左右する立場となった。
出し抜かれた加藤清正がおもしろく思うはずがない。
面目を失った清正はがむしゃらに進撃した。
,､_ ＿ゝー―--z=-jk､,,＿_,
＿ノ ￣｀ ,;; '' ヾz
＞ ､､ﾞ _ ､ ＿_ z_ 彡 ｀;ﾞ
Zヘz_／ ヾｿ￣´ ｀ﾞﾐ､ ヽ
フ ｿ ／｀ﾞー ! ＞
ミ,ﾉ! ,l! ,ノ彡'´! ｀ﾞ＜彡 z- ＼
ヽ-,ゞ=彡'´ ノ Y´ ,==､ ＜,
!ﾉ ｀ﾞ'´￣ _ノ´｀! !ミｿ'´ﾞ; i ≧_
＼ z, _,.．-'''" ,､ i! {ﾐﾉ/｀´j.} ゝ´
|!｀￣ ,､ !､ i ＼j! jﾐｿﾉソ,xﾞ ﾉ
il ∧ i ＼j ヾ_,.．-'i i=ﾟj!k 丶V'ヾ こうなりゃ手柄だ！！
ｷﾞ ﾞ' ／ ! j | ii ikﾍ'′
', ／ ! ,' ヽ'-'ヾ'､ 圧倒的な軍功でこっちが手綱握ってやる！！
',. / ﾊ / ヽ
',._ノ ,ﾍ ,ﾍ ∧// / ',
＿＿＼.jﾞ ｀ ヾ /. ,ｲ ＼＿
___,.-'"´ ヾ ノ /､ ＿ ＞ ヽ-､_
ゞ=＝彡'´＞､￣r-､ト､ Y´ ￣
ヽ ヾz､ヾ ゝ-'.＼ i
＼ ｀ﾞ ＼ ＼ |
北の果てまで朝鮮王子を追いかけ回してついに捕縛し、明国への進軍路を探るべく満州地域にまで足を踏み入れた。
清正はさらに、朝鮮義僧兵の指揮をとる惟政と接触。
対明交渉を重視する行長に対抗し、朝鮮と独自に講和を進めようとした。
, ‐――― ､
／ ＼
/ 阿 南 ヽ
{ 弥 無 }
| 陀 |
{ 仏 |
ヽ /
＼ ／
｀ー――‐ ´
＿
／￣ ￣＼
<／ ＼>/(
_{ ／ ＼ }ﾚﾏ∧＿__
)寸二､／`≦._ __..≧∧二二二ﾆ=‐
二二ﾆ{ { ( l ゞ=' 7､=ｼ 7)､ 寸二二/二ﾆ
≧二ム ，.∧ ､}!_ /ｲ }::∨.二/二ﾆ
二二≧=､ ∧:ﾊ -7''7ｧｲ .| .}: :}ﾆ|二二ﾆ
二二二ﾆム ，:_y.//.7 :::| : ::|ﾆ|二二ﾆ
二二二≧､ム 「 ﾄ L{_.{:_/! }:∧二/二ﾆ
二二≧≠､ﾆﾑV|_.L.|__| ., }ﾑ二/二ﾆ
丁 ＼ ￣＼二.ヾ}}ｰ ∨ /二 /二ﾆ.／
| ＼ ｀寸}}.|ー' ＼∧二/二ﾆ/
寸|､＿ノ ヽ__ﾆ{二ﾆ{__
＿ｒー―､ ∧__ ノ}}7 }7￣l「 }! ［義僧兵指揮官・惟政］
／ }! .Y ￣｀ヽ} >､＿ノ/ // |! |
{ }! }二∨￣≦ｲ_＿|. |
}iｰ―‐'――-<ﾆ<ﾆ二/二≧:ｲ:::::/
>'´::::::::-――=＝=＼二二二二ﾆ:≧
が、これが仇となった。
当然ながら、この動きを知った行長は激怒し、清正の不法を中央へ訴えた。
,. -､,.､,.､,､_
{::::::::::::::::::::::::｀ヽ
V⌒＾^7:::::::::::::::}
{/＾u#{:::::_::::::::::{ このままでは講和そのものが破綻します！
[}‐=＝fぅ }:::::::ﾉ
ノ"'' iju ﾆｲ:::::厶 ,. -‐=ミ
` <ﾆヽ ｝ УﾆKﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ=-
ﾉイ ／ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ=-
ｎ ｎ くﾆﾆﾆﾆﾆニ`ﾆ＝=‐-=ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆニヽ
｢∟{｛＿ﾉ } ｝ﾏﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆニ} ｀¨アﾆﾆﾆﾌ
ヘ`ァ〃（ ﾉ ニﾏﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ, ／ﾆニア
｀_フ''＿ ＼ |ﾆﾆ`マﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ／ﾆニア
└‐'´ ＼ノ´＼ |ﾆﾆﾆ７＼ﾆﾆﾆﾆﾆr‐一'＾ヽ_ア
. ＼ﾆニ`マﾆ７ }}＼ﾆニ「 /ﾆﾆ
＼ﾆﾆニ7 † ﾏ=└､＿ノﾆﾆニ
＼_フ /ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆニ
/ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆニ
いわく、小西交渉を暴力で妨害した、朝鮮への書簡に許可無く豊臣姓を署名している等々―――
行長とともに講和交渉にあたっていた朝鮮奉行・石田三成も、清正に厳しかった。
`ミ￣::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::厶＿__
＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／
弋￣:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/＿＿
＼￣:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／
＞::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
≦::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／/::::／::: |:::::::::::::::::::::|:::::::::::::::::::ミ三
￣/:::::::::::::::::::::::::/／__/／|/:::::/|::::::::/|:::::::::|::::::::::::::::ミ､
. ／:::::/⌒|/::::::::/ ＿__≧､|::／ i: : /厶 |::/::::::::::::＜
フ::::::|厶〈|::::::|/ ヾ じ￣｀ ヽ .|／,≦__|/::::::::::::::::::ト､
∠:::::::∧. { |/|/. `ｰ ´じ￣'/::::::::::::＼￣
￣／:::＼ `ー' |::::::::::::弋 清正は俺が渡海して開いた軍議も無視してたな
,.イ::::::::::::|､ i /::::|＼| （行長もだけど）
|／|::::: | ＼ ´ / /ｌﾙ'
. 川/ ＼. ,-――ｧ .／ これ以上 身勝手を許すわけにいかねえ
__/. ＼ `ー―' .／ 日本は今 大事な時なんだ
. / `ー――‐ ､ ＞､＿ , ´
/ ＼/
7￣￣￣ ｀ヽ. ＼
/ヽ＿,／ ＼ ＼_
. / ＼ /
/. ／´ ￣＼ .＼ .∧,
ヽ ＼/＼|
粛清、そして政権交代という非常にデリケートな時期にある公儀。
なんとしても交渉を成立させたい三成は、清正解任という強硬手段に出た。
清正は痛感した。
＿＿＿_
／ ＼
／ _ノ ヽ､_.＼
／ （●） （●） ＼
| （__人__） | ま あまり気を落とさないでくださいお
/ ∩ノ ⊃ ／
( ＼ ／ ＿ノ | |
.＼ “ ／＿＿| |
＼ ／＿＿＿ ／
__- ．.､ぇ .._
__≧ 7..:──-i_ ﾞ｀'｀ヾ､
.＞ ｨ{ i´ i:. |二 三 ヽ､
＜ ﾄ,ｲ ’ _、ヾ ゝミ ヾ ハ
,ｲ_ :i .,_ｲ__｀ﾞ ｀iミ｀ 、 ﾐ、ゞ
,イ .i ゝ≠ゞ'‐'' |ﾐ ､ {
´ハ77 ´ |､ ／ヽ i.ヾ} なあに 気を落とす暇なんてないですよ
./ _ }ﾐ/ V } ヾ/
｀ヽ ＿＿ ﾐ} ｨヾ､./
∧ '´_ ｀ ./´ii|i Y
< i
i ＜/// .i
.ゝ-‐＜//// V
｀i i V
| } V
自分が異国にいる間に、次期公儀の中枢から自分が完全にこぼれ落ちてしまったこと。
そして、三成らの主導下では加藤家が冷遇され続けるだろうこと、である。
.: x三三三三三三三三三三三三三三三三三ﾐ:.':,
:: . l三三三三三三三三三三三三三三三三三i ::.!
:.:.:.!三三三三三三三三三三三三三三三三三l .:{
:::::{三三三三三三三三三三三三三三三三三ﾘ .j
:::::三三三三三三三三三三三三三三三三三ノ ,{
::::::.≦三三三三三三三三三三三三三三≦､,.:::::i
:::::::......≧三三三三三三三三三三三三三≧.:::::::{
}::::::::.ゝ三三三三三三三三三三≧彡< .::::::::::::::::j'
＜:::::::::::::..≦三三三三三三三三三彡'゛´ ＞'´ }
_j:.ﾐ｀ﾞー＝≡==＝≡≡≡＝≧三＞＝ァﾞ´彡ﾞ ｀i
Y .ﾐ ｀ﾞ .:::::::::::::::::: ':, ､ ≦､ ゝ¨ '＿ ,.:彡′}'jk.ﾉ!
.ヽヾ! ｀ー '´ ノ i :. ヾz_ ￣ ,ﾓソ/ }
∧i .', ´ |l :. ｾop@ |
. ｀ゞ! i! ::. 〃'!i|ﾍヽ, では 自邸謹慎を命じられていますので これにて
l | :::, / | l_jﾞ'´
ﾍ ヾ '´ / ｀´ l
':, ,.: -―――――- ､ / j .,
＼ ´￣￣￣｀ﾞ ／ / /
＼ ／ ,′ / /
＼ ／ / / /
｀ﾞー--―='´ / / /
/ / /
＿_
,.-''";;;;;;;;;;｀`'ヽ､
／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、
/;;;;､;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;､
,!;;;! '~ "~ `i||i" '' `ﾍ;;;!
|;;;| ヽ` u ﾐ;;;|
_ゞ;!,-;;;;;;;"ﾌﾉ ヾ`;;;ヽ ､ﾐ;ﾘ
!ﾍl;|.,,_==-､く｀ ,>ﾞ-== 、｢ヽ
!(,ﾍ! ￣'" |ﾐ.'￣" , ﾄﾞﾘ
ヽﾞ､! !ﾐ ,ﾚｿ やれやれ
`| ^'='^ ﾑ'′
. ﾄ､ ､,.-‐ ､,, /| 爆発寸前ってところだな
i| ＼ ' ニ ｲ.:|
,ｲi| ﾞ､＼ ( ／ﾘ.:;ﾄ､
ノ :.:i| ﾞ､ `ｰ─''ﾞ:::;:'::::::!:::＼
＿＿＿_
／ ＼
／ ― ‐
／ （ ●） ）
| （__ﾉ､_） いっそ爆発してくりゃいいんだお
＼ ｀_⌒
／ ＼
＿＿＿_
／ ＼
／ ヽ
／ (!
| （_） 加藤清正……それに高麗陣の武将たち かお
＼_ ヽ'
／ ＼
公儀には、徐々に様々な分断があらわとなりつつあった。
┏━━━━━━━━━┓
閏七月十三日未明
京
┗━━━━━━━━━┛
＿ 00 ＿ 00 ＿ 00 ＿ 00
└‐┐ | └‐┐ | └‐┐ | └‐┐ | Ｏ Ｏ Ｏ
┌‐┘ | ┌‐┘ | ┌‐┘ | ┌‐┘ |
￣￣ ￣￣ ￣￣ ￣￣
,,,
_,,.-ｰ''''"ﾞﾞ"´ﾞ''｀`'‐.､､.
＿_____＿＿_＿____＿＿_＿___＿_＿＿_____＿＿___,,.--ｰ''''''"ﾞﾞ''"´｀`'''"´｀`'‐''"´ ... .. .. . ... ... ｀`'‐.､,,
.. .. . ... .::::.. . . .:: : :.. . ... :::,,,,-‐'゛｀`'､,,-‐'゛ ... .. .. . ... ... ..:: . .. . .. ... .. .. . ... ... ﾞﾞﾞﾞ''''''''''‐-- ､ ,,,,,__
_,,.--ｰ''''"ﾞﾞ｀ﾞ''ｰ-、_,,.--庁ｰ''''''"ﾞﾞ":;;;: : ;:.............;;;;; ; ::; : ;:; :; : :: :;... .. .. . ... ... .、丶"''':､丶､｀丶.'.;';':;:';'::;:';'..::.;';':;:';'::;:'":;;;: :;
i;;ii:i;;i￣|rニユ l |l i: i:二i, .;';':;:';'::;:';'; ,. '':';;:::;:;;:爿|:::.:....;';':;:';'::;:';'; ,. '':';;:::;:;:;;::::.:....;';':;:';'::;:';'; ,. '':';;:::;:;:;;::::.:....;';':;:';'｀,,,,-‐'゛::;:';'; ,.
二.ll.| . 二￣￣|=,ｨ'⌒ﾆﾆｴﾆﾆil］1lｰ-il］|_三rーilil￣|─r‐┬||irr-､v冖v":;;;: : ;: ;: ;: ; ::; : ;:; :; : :: :; ":;;;: : ;: ;: ;: ;: ;: ;: ; ::;
::;...;;.;;ii:i;;:; :;..; |l巫||､_,|斤il］il］|_三rーilil￣|─r‐┬|i､_ｒ−lＴ┐┬il］il］|_三rーilil￣|─r‐┬r'⌒ヽ'' ,. ,. '' ;';':;:';'::;:';';ﾞﾞﾞﾞ'''‐- ､ ,,,,,__
韭| |:::.. .. |巫|il］il］|_三‐┬ lil「l￣|i､_ｒ lil「l韭l《ｆﾆﾆll￣'' ;~'',;''ﾟ ;~'',;'', ;~,;''ﾟ ;~ﾟ''ﾟ ;~'',;'',;''ﾟ ;~,;, ‐''"~￣~`''‐ ,.､t''T叮 i¬-､
韭| |l::;...;;.;.;ii:i韭lllll":;;;: : ;|韭韭|ﾆﾆｴﾆﾆｴﾆﾆｴ : ;:;;';':;:';'::;:';'; ,. '':,.ｨ;|￣冂ilrーilil┬ li┬;:::;:;:;;::::,.‐':;ﾆ´ｨ:爿ヱ;'::;|I|：・：|I−lＴ┐┬
＿＿＿
／ ＼
／ノ ＼ u. ＼
／ （●） （●） ＼
| （__人__） u. | お？
＼ u.｀ ⌒´ ／
ノ ＼
／´ ヽ
＿＿ ___＿
＿＿ ___＿
／／ ￣ ＼＼
／／ ￣ ＼＼
／/--.-- -─＼＼
／/--.-- -─＼＼
/／ (○ ○） (（○(○） ＼
/／ (○ ○） (（○(○） ＼
.| |.| ( . (（_人_人__） | お
.| |.| ( . (（_人_人__） | お お お ？
＼＼ ⌒Jｊｊ｀ ／,／ | お
＼＼ ⌒Jｊｊ｀ ／,／
ノ ＼＼
ノ ＼＼| |
／´ |
／´ |
| ｌ |
この日、日本の首都を大地震が襲った。
. /ヽ r‐‐-､ ___00 ___00 ___00 ___00
｛ﾍ 乂 | 丶 | ∟ | ∟ | ∟ | ∟
＼i ゝ. <》 | ＼ |_厂 |_厂 |_厂 |_厂
∨ ′ |ﾐ>､ ..ヽ ′
.), （( ､ /i , ¨ヾ>､ ....:｝ __,ﾍ. /
／（ ヾ＼ 〉＼ /:,:し/ ＼Y⌒〈 / 〉 ./し′
___＿三二ニﾆ＝-‐へ .メ、 ./ / / ＼;;;;;;〉 { ,:} / / __＿＿＿＿＿
／:: . ヽ / ｲ /／ /| ヾ_彡′/ ｛__,／ ....::::: :.:.: :
／::::: : : ____〉 /. ... ..し′廴 .＼､. / .| ./ ／ ....:::::::::.: : : .:..
,.......::::::::: : : : :/＼三二ﾆ＝=‐- __ ＼ヽ--‐‐…‐‐ﾉ 乂从厂￣￣＼._,ノ .／ ./ ／
,........::::: : : : : : : . . ./ / ￣三二ﾆ=- ヾ ゝ ,_三二ﾆ＝=‐=ﾆ二三__人ノヽ._从／（ ／
..::::::::: : : : : : : : :: . . ..../ / ￣￣￣三二 = ／_ノ /「￣￣¨フ
/ / __ 三二 ＝ ／「 //｀¨´￣/
伏見近郊を震源とする都市直下型地震。
ﾟ ﾟ ｡ ﾟ ﾟ ｡ 。 ﾟ ﾟ ｡
ｃ ,,, , ｡ ﾟ ,,,,_ ｡
ｃ/´ｃ" ﾐﾞヾ'〜'〜 γ´'" ミヾっ
ｃ///,:'⌒ヾヾ vヾ' ////,:'⌒ヾっヾっ
ｃ"ｃ,, ｃ" ﾟ ｡ )､ 〜''^' ,i// ｀ﾍっっ
ｃ ﾟ |i|!) ソ !li,'i,( ﾟ
ﾟ ｡ i ノi|!ﾞ.;il| ,,iｌｌ! 。 ﾟ
・ ｡ ;､ ノiｌ|! .,:;. ｊil;:ｖ'ｌｌ!ヽ ・ ﾟ
〜'〜'〜'〜'〜'〜'人人,,,人〜'〜'人,,人,ﾝヽ､。〜'〜'〜'〜'〜'〜'
宇治川・巨椋池の水運を利用すべく、軟弱地盤に築かれた伏見では各所で液状化が発生。
城も町も、なすすべなく崩壊した。
地震の被害は京、大坂から淡路島にまで及び、死者は一千人とも数万人とも伝わる。
iv'ﾍ __
| ;`;| /:/＼
| ;'l:| i'`'i 、 ┌个┐| | .:_|＿＿＿.
!:`l'| ζ＼ |;`;| ‖ | .:|...:|/:/...:.:|..: : : : : :.:｀L..r─Lﾑ、
-､_|_.;l:| ＼';､＼ :|':i;;| . i'1 ||／> | └┴┬i::::|==========|: :Lﾑ、ﾛ.::|
ｰ|＿}:;| ＼';､.＼|;';;;| ./〉 |;|＿r／／ / |[]..::[]. 〈〈::::|::::::[]::::.:.:[]..r､]: :: . : . : .::|
-|＿|`|＿r:‐:‐:‐:‐＼';､＼;| r‐//┐_|:|::::::::;⊥、r/.: ,、 |. : : : :.: :＼:|:::::::::::::::::::::/. : : . ┌::､ /〉:
ｰ|＿};|::::::::::: : :: : {二l＼;i`!､::://:::::::::::::::::::r| .::| /.:::: _ .||＿ | : : : : : :、 〉〉/〉::::::;;:::〈 : : : -┘:::L、r‐//┐ ,、:
-|＿|￣/＼:::::::/`|＿{┬| |;､＼::::::::i'|::::::r┴冂、 .:::://＼| ::::ﾄ､＿_ : : :||＿'//､п‖::.:l| : : ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ﾆｌ.r┴､_|_|_|:>:::::〈. ::〈|-､_/::::::..＼r':.|.::[,/T>.:/ﾛ〃乢.＞''「￣￣|[￣￣￣￣|「￣￣￣￣|「￣
-TニTニTニTニTニTニTニTニT《┴┐::| .:::|_rｪ :::|:.:..|-i_::_r√ソ＼>へ:| :|:ln| :]:|:П叮/7＿」L＿:.」L＿＿＿_.」L ＿＿_.」L
~三三三三:.三」L三三三」L三三〉〉┬┴┤ .:|＿;!:..|:::..|::::.|＼.::::》: :::L;:.::r| .L/∟ﾛ⊥》＞￣]匚￣￣]「￣￣]「￣「￣￣]「￣
L l「￣￣￣|「 ￣￣|「￣￣|r'.:| .:|ー:|＿ .|::::.l＼|_;;||;;:|L:<)┴‐'''"~::::::::::::::::::}「￣￣|「￣￣￣|「￣￣l[￣|「￣￣l[￣
]_」L:＿＿_」L＿＿＿＿」|＿＿ |》〉 ~゛`┴::-'⊥::.∟ﾛ⊥!:::::::::::::::::::::::::::::::::::＞''「￣￣|[￣￣￣＿＿__」L:.＿:.」「 」L:.＿:.」「￣
]「￣￣]:[￣￣￣]匚」[￣][く《:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/7＿」L＿:.」L＿＿＿|「￣￣￣|「￣￣￣￣|「￣￣
￣|「 || ￣￣|「￣TニT ,, 》＞￣]匚￣￣]「￣￣,,
＿＿,」L＿＿」|＿＿__」L 三三三｀ ,. ` }「￣￣|「￣￣￣|「￣ ｀ ,.
. _|| |L ￣l|「 L l「￣ . `|ﾄ､ ＿」L＿＿__」L:.＿
]_」L:＿
]「
繁栄を極めた伏見は、一瞬にして地獄絵図と化した。
,ｿ ヽ､_ .＼..＿＿＿＿＿__
お おさまったかお ○) (（○）) ＼ ｀ヽ
/（__人__）' u. | ヽ
{ ｀⌒´ / / ヽ
｀ヽ＿＿＿＿_/ /￣￣フ＼ ノ
／ ／ ./ / ／ ／ ／
／ ／ / / ／ ／ ∠＿,-
⊂二⊂ノ / / （＿_／ ∠＿＿,- 丶
⊂二＿ﾉ （＿＿＿＿＿＿＿_ヽ
|／ _, -‐ ￣ ￣｀ ‐- 、
| ,. ' ´ ＿＿＿ ｀ヽ、
l／ ,. '´￣ /l l lヽ ￣｀ヽ、 ＼
／ ／ / ｆ┴┴ヽ ＼ ヽ
.., ' ／ ｆ { l ', ヽ j
/ / ', 、 l } j l /
! ,' l l ヽ,-弋´ ｰメ､ノ i l'´
', l ヽ＼.／ｨ''てﾃ｀ー':::::::イミ､､ヽ / //
＼. ', ｀,.=< { !リl . :::::::::: {Ｙj｝｀ /ｨ／'"
`ｰ-lゞf ‐､｀ -‐-' ヽ ﾋタ. ｆﾉ´ 御屋形様！
', l t .u .／`ｰｒ .}|
j `ｰ-‐､ i ,' / ', ご ごご無事ですか！？
､_____ノ ,. ‐ ､,-l＼ ヽ__,ノ _r‐'⌒l_ ＼ _,ノj
＼___, / ｛ ∧ ` ｰ-‐/´ lヽヽ、￣ ノ
ヽ￣´ { /＼ { ', 〈 } ! ｰ＜-イ
｀`ーl l ＼! ／＼ ／ } ノ
,l、l、 r三nｺｭ | ! t--‐'´ ［新関久正］
ﾄ f ￣ゝ､Ｏﾉﾉ l ! ＞
＿＿＿_
／ ＼
／ ＼ やる夫は平気だお
／ U _ノ ヽ_ ＼
| （一）|lil|（ー） | すぐに屋敷内の確認を 怪我人がいれば手当を急ぐんだお
/ ∩ノ ⊃_） ／
( ＼ ／ ＿ノ | | それから警備を厳重に
.＼ “ ／＿＿| |
＼ ／＿＿＿ ／
/ ヽ
./
/ i
./ / /ヾノヽ ', .|
i { | l i | i .|
| | | | ｜ } /
. | ! ､| { } ノ / ./
＼ _＼ 厶≠ミ ヽ_j { /厶=ミ､ ／ /
＿ _ ＼ ｉ ヽ; 〃ん::ﾊ ゛ ん::ﾊ ㌧ /ヽ { はいっ
. _ ／/ ヽ{厶 i {{ 弋::ソ 弋::ソ j} /ﾔ/ !
. ／ { { ./ ＼_} ゛ ー ' ー '" ./／､ ＼ }i
{ { ＼ ＼ _ _,ノ 八 r=＝ ´ﾍ 厶 ` ＼ _ _,ノﾉ _,ノ
＼＼ ＞ , -‐─- ､ゝ､. {{ ＿ ｿ .ｲ_ -‐─ミ ￣￣￣￣
＼ ￣￣ ／ { ＞ ¨¨´ イ / ヽ ／
＼ / ｒ──┴ ､ ＼≧=≦/ ./, -‐─┐ ､ ￣
＿`ｰ j .| ＼ ＼ / ／ ｜ }. ＼＿
≦＿ｒ''¨¨ .| 斥示ミV彡示ミ .| └─‐-､＼
{ | { { }|{ } } | }
ヽｰ---―..:.:´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.､.:.:.:.:.ヽ､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ ､
＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／ ヽ:.:ヽ:ヽ＼ヽ:.:.:.:.:.:.:.:}ﾉ}_
＞.:.:.:.:.:.:.:.:.:./.:.:/U ＼|:.:} 丶:ヽ:.:.:.:.:｀ヽヽ
／ノ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|.:./ | { !:/ U __ヽ|､ヽ:.:.:.ヽヽ
ｰ､--‐..:´:／:.:.:.:l/.:./_{:.l＿_ _ィﾉ ｿ/＝_‐⌒｀ヽﾄ:.lヽ.:.:.:｀.:ー_ｧ‐
ヽ､.:.ｰ..:´//7／ 〉{ニ_=､l ｸ'_￣ヽ N:::ｰ｀-＝,-
｀フ::l':,-､| { （::rj l l（:rj } }/ヽ:く￣
_'フ::l{´ヽl ヽ - 彡 j_ ヽ _ 'ノ l く ﾘ::::ヽ.__ 御屋形！ 町中はパニック状態っす！
￣ヽ､＿ヽ{ vl ,.､ ,.､ ｀ u l ﾉ/､-‐ ´
,. - ﾍヽ l ＿＿＿ 'ノ｀ ー- 、 伏見城が崩れ落ちたらしくて
／ ヽ_j ﾊ二 ＿＿,､__ﾊ ,l ´ } ヽ
/ ﾄ､ トi{´￣｀ ´￣ヽr_| /j / l } 火付けが出た 盗賊が出たって噂が飛び交ってます！
／´ ヽ ＼ V_ｰｰ--ー--ﾍｿ／ / / / ﾄ､
/ ＼ ｀ヽ、￣-￣｀ブ'´ / / ! l
ヽ l ヽヽ、 ｀ ┬i ´ ／、 /j | |
＼ ヽ ／{_ト _ Lj _／/ 丶､ ノ/ ﾉ j＼ ｱｷﾋﾃﾞ
__ｰ ヽﾉ ／ ｀ ｰ lT ´ ／ ｀7＜ ＿_ , ノ} ヽ ［坂光秀］
ヽ ＿_, - ' ヽ= ´ l ! _ - ７/ ｀丶､ ノ
＿＿＿_
／ノ ヽ､_＼
／（ ○）}liil{（○）＼
／ （__人__） ＼ あの伏見城がかお？！
| ヽ |!!il|!|!l| / |
＼ |ｪｪｪｪ| ／
＿＿＿_
／ ノ ヽ＼
／ （○）}liil{（○）
／ （__人__） ヽ 伏見城まで………ってことは
| |!!il|l| |
＼ lｪｪｪl ／
/ ヽ
しヽ ﾄ､ﾉ
| __ |
!___ノ´ ヽ__丿
＿＿＿
／_ノ ヽ＼
／ （○） （○） ＼ 城近くの徳川屋敷も危ないお！！
／ u （__人__） ＼
| |i!i!i!i!| u | 家親と徳川殿が！
＼ u |;;;;;;;;;| ／
／ ｀⌒´ ＼
(<<<) （>>>）
|、 i、 ,i /
ヽ＿/ ヽ__/
| |
やる夫は身支度もそこそこ、壊滅状態となった町へ飛び出した。行く先は、徳川家康の屋敷だった。
＿＿＿_
／ノ ヽ､_＼
.ィ:::::.:.イ （○）}liil{（○） ＼
／ﾉ;;;／/::::i:: ／ （__人__） ＼
/ ::::::::::...ﾉヽ,,,/ | ヽ |!!il|!|!l| / |
./ ゝ ... .ll::::::::巛＼ ＼ |ｪｪｪｪ| ／
/ .::: :::::::::ll:::::::/:::::::::ヽ. ＿ノ ｀ ⌒´ ｀7ｰ;、
ヽ :::: .:::::::ll::::ノ:::::::::::::::::::::──_ ' | .| ｜| {⌒Yｨ ､ ｿ
/ :::: ::::::::/／:::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ::: ﾉ .L＿_j,-Ｌﾉ ｀^ｰ＼＼'' ヽ
/ :::: ◇:::::::::::::::.. ::.. :::::丶:ヽ ｀‐'/...::::..... ＼＼､ﾊ,
/ :::::...- ノヽ::::::::::::::::::.. ::::.. ::::: ;;l,__.>ｰ −７::::＼::: ^ < て ,,,,,,,,,,,,, ,,,,,,,,,,,,,,,,.
ゝ ⌒)ﾉ ＼:::::::::::::. ::::::.. .: :::::__,∠ /:::::::::＼ ::::./'Y''~ヾ:::::::::::::,,,,,,,,,,,:::::::::::::::::
＼_ノ ヽ::::::::::.. ..:: :::::、 // ｀Ｙ:::::::::::.. ....::::::::::::::::::: ;;;;;;;;;;;:::::::::::::::::::::::::::::::
）::::::::::: ..::::: ::::ゝ__ﾉ７ﾉ--￣~:: ...:::::::::::::: ::::/''';;;;:::::;;;;;;;;;;;;::::::::::;;;;;;;;
＿＿＿_
／ ＼
／ ＼:::::::::::／ ＼
／ （○）:::::（○） ＼ 徳川殿 大事ありませんかお！！
| （__人__） u |
＼ . |┬-r| ／ ｾﾞｰｾﾞｰ
／ ｀ー´９ｍー ）
`ーー‐'ﾞ
（:i′
ヾ:､, . . .-:¬_,,.. -.―: : - : ､
,.-:':"´: : : : : : : : :!: : : : : :‐＝､'''' ｀`
／: : ﾊ : : : : : : : : : : | : . . ｀ヽ
. /. （,ﾉ . . i : :! l : : : ;|、:ヽ ｀ヾ ､＼
i: : : :!: . . . . ,l : :ﾊ:!: : : ;.|｀、: !: : ヽ: : :.｀､ `ヾ:、
l.: : :.!: : : :_;ﾑ:､/ .li: : :./j ,.x‐ト: : :ﾞ!: : : : :.
. l: : :.|: : : :./ |:/ |! : ;ｲ:! ヽlﾞ､: : :!: ､: : :i
!: : :l|: : /ｪ土ﾆ､｜:/ ﾘ ,ﾆ≧ヵヽ: :l: : },: : l
l.:/r|: ∧｢代ﾙ| |/ 代り,!/l: :l: : j i.: j あ ああ 大丈夫だよ
,!',{ |/: : i ヾ上! ヒｼ l.:.!:.l: :.,' l :!
/ｲ:ヽl: :､:.i ・l: :lｲ:./ ﾘ わざわざ来てくれてありがとうねぇ
|: : :l.: :ﾏト.､ r_―ｭ _ , ィﾞ|: : :l'
|.: : :}: : V!r;ｸ｀: ェ_＜｢:::::::,':lj: : :l
|: : :.|:l: :ﾍ''ﾊ j ＼:,'::;ｲ: : !
|.: : :,:ﾍ: :.V!ヾ´￣｀l ﾞlト!: :/ l＾i ／）
|: :,<＼ﾍ :Y ﾞ、 l lｌ l: :/ /ﾏ ﾉ'゛∠- つ
!: iﾍ.ヽ､`l: :! ｀、 ,! ll ,l.:/ ∧ ヽ、 ‐'二 ､
ｌ: :| ｀ヽ､ﾞl: :! 丶 l 〃 ﾚ ∧｀:、 ＼ ‐=ニ′
__＿＿
／ ＼
／ ＼ ／ ＼ それはなによりですお！
／ （●）i!i!（●） ＼
| u , （__人__） | 家親は？ 家親はおりますかお！？
＼ .｀⌒´ 〆ヽ
/ ヾ_ノ
/rｰ､ |
/,ﾉヾ ,> | /
ヽヽ〆| .|
＿__,＞ Ｙ´'ー-､
＿>ｚ二_ ＿__`ー≧＿_
＞┴'´￣｀ ‐-､￣ ７ ＜
／ ヽ ｀Ｙ′之＞
./ ,|７Tハ T寸寸 ヽ }<
ｌ ,ｨ { （●） （●） ﾚリ| }ノ | 父上 ご心配には及びません
|ハ | ｀ （/ / ,/ﾚ′
`| 口 u 「)'/|/ 若殿様も私も このとおりです
ヽ､_ ＿ _,.ィT/
l 7Eニ::ィ1│
'ｲ／ヽ::::｀l┘
i´￣ ｀|::::| ［やる夫次男・家親］
j| |::::|
＿＿＿_
／ ＼
ｏ ○ o´ _ノ ヽ､_ `ｏ ○ o おおっ よかったお！
.。ﾟ ／ oﾟ/⌒) (（＜）)ﾟo＼ ﾟ 。
| 0 / /（__人__）' 0 | お前にまでなにかあったら
＼ / / `― ' ／ やる夫はさやに顔向けできんお！
＿__ ＿__
＞ ｀＞'´ ＜
／ .::. x=､ ＼__
＿／ ／三≧==＜ ヽヘ ｀＞
7 ／´ ＼ ﾍ｀｀＼ ',
/i / ｀ｨ ヽ}
/ f ｨ i ヽ ヽ ヽ＼
,' | / j .:｛{ r:::.{ ヽ| .:! .:ﾄ ｌ
. /ｌ | 斗ｌｰ八 .::: V -┼ト ! :::::|::::|∨
/´| .:::| ::!∠_ 厶:::::ヽ ⊥j厶|::::::,'::::j
| :八 ::|t（ ●）`＼|（●） /:::/::::|
| l ハ 从 ／:::∧ﾘ 父上……
V＼:∨介ﾄ ､ _ −_ イ个Ｖ/
/∧}:}ヽi ﾖ ｀ ﾋケj/{:{
. ィ'`ヾ =-=‐ィ'/｀ヽ
/｀Y´‖¨::¨‖ Y´}
. /: : : : :/: : : : :/: :/: |: : : : :| ',: : : :|: : : : :､ .､
/: : : : :/: : : : :/: :/: : |: : : : :| /⌒＼.: : : : :｜ ',
. /: : /: :/: :＿＿ノ/ '; : |: : : : :| ',. : :＼: : : :|: : ｉ
/: : /: : :|: : : : : :|:/ ′|: : : : :| ',: .|ヽ : : : |: : |
. ′:/: : : :|: : : : :/|′ '; |＼: : :| ヽ| ',: : :|: : |
|: / .|: : : | : : : .′＿＿_ ＼j ＿＿_ V: :|: : |
|/ |: : : | : : : | 三三三 三三三 | V |: : |
|: : : | : : : |! ’|: :Vl: : | ……ま ともかくよかったよ
|: : : |ヽ: :小 ::::::::: ､＿,､＿, ::::::::: !: : 'j: : ｌ
. ＼: :| !V 八 , ｨ: : : |: : :ｌ それじゃ一緒に殿下のとこに―――
ヽj |: : : | :≧=‐- ＿ -zｧ≦: :/: : : |: : :|
|: : : |: : : :| ／ ,j |! L/: : : / : : ｌ
|: : : |＞ '" / / /: : : /: : : :ｌ γ´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣γ
|: : : | ./￣￣￣/ /: : : /＼: : ｌ l ご無事でしたか 徳川様 l
ヽ、＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿,/
この夜、徳川屋敷に参上したのはもう一人。南部信直の嫡子・利直だった。
〈 l
ヽ i
_l＿＿＿, ＜￣￣￣ヽ
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ﾍ
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾍ
i::::::::::: :__: :､-‐ﾗ_≦ﾆﾜ : :i: :ﾊ
|,: :､.不.tｯ､｀ ゛7ﾋﾁﾞンｌ : :l: : ﾍ
ﾍ ヽ￣ , | : :|: : ::∧ わずかながら警固の人数を引き連れて参りました
|: :ﾍ. ` ＿， .! : :!:::::::::::ヘ、
ﾘ. リ｀ ､ ｀ ￣´ ／| : :l!、::::::::::::ヘ、
/,: :i ハ. ＞ー_,,-‐|:::::::ヽ>:::::::::::: : ＼
／i!.: :|/ ,_ﾍ‐''"_.／/´!:::::::::ﾍﾐ ､_::::::::::::: ＼＿
/ , !ｿ'/ 〉､,.ﾍ,_i / ヽ、:::::::＼ヽi:::::::::::::::::＼￣￣￣｀ .
._r 7 /:/／'"i!' ／i ! ヽ:::::::::::＞‐-: :＿＿_＼＿ ヽ
ｒ''i /:// /／ ./ l!、 ＞ _:::::::＿＿::::::::::::::::::::::￣￣｀7
r' /´// /´ ／ｌ l!゛ヽ_, ￣`ｰ､ ヽ._＿＿＿＿＿/
／ /´: :;ｲ f'_, ‐/' ! l!ヽ、｀ヽ ＿,, -=ﾆﾄ-､::::::::::::: : :ヽ、
_／- /, : ::/i .l'. / .l l!､ ,=!i￣ }､〈.´⌒ヽ、::::::::::::::::::::ヽ
, '´''≦//: : /! ! l （､＼! ｀､ヽ i { ￣｀ .｝i ｀i i l! :::::::::::::::::::::::＼
i //: : :ｲ::｀l! l i ＼ヽ ｀＞〉i￣ ｀.〈. l l! ! i:::::::::::::::::::::::::: : 〉
l ./ |:: : : :!:::::|! l!. ﾍ､ ＞＜_. Y、｀ f´/ / , , __/::::::::: : :＿＿／ _
> ', |:: : : :!:::::|､ ./ ｀ー ､_ ￣￣￣｀ー',ｽ / //ｨ＿＿ ＞´ ￣ ［南部利直（21）］
／ ./ 7￣ ´::::::!､｀' ｀ ￣＼ ―-｀_X- ´ ' ,ヘ、
-==-
＜i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i＞
／:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i＼
/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i∧
. /:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:∧
i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iﾊ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i: ∧
iﾊ:i:i:i:i:i:j.i斗七ィ斧i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i∧
Ⅵ:i:ij. ィｊ以 ﾉ i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i∧ おや 最上様もこちらへ
i:i:伐} ¨´ . i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i::i
i:ﾊ:〈 __..ノ .i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i: i∧ ……まあ 当然ではありますか
Ⅵ:i:＼´ i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i∧
i:i:i:i:i:i＞ ィ i:i:i:i:i.＼:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i∧
i:i:i:i:i:i:i:i:i:i＞./:i:i:/／ ＞ ,:i:i:i:i:i:i:i:i∧
i:i:i:／／ .{ ./:i:i/´ ／ ＼:i:i:i:i:i:i:iﾍ
/¨´.ノ/:.:.:i i:i:i:i:i／ ヽ:i:i:i:i:i:i:ﾍ
＿＿＿_
／ ＼
／ _ノ ヽ.＼ ？
／ （●） （●） ＼
| （__人__） | どうも そちらもご無事なようで
./ ∩ノ ⊃ ／
( ＼ ／ ＿ノ | |
.＼ “ ／＿＿| |
＼ ／＿＿＿ ／
_,_,;_‐: :'':'':¬:‐.-. .,,_ _,,,r.､. . . . .,,_
￣,.¨ﾆ=-: : : : : :｀`/: : : : : : : : : :｀:`:丶. 、
／,. ‐ '':":´: : : : : :.:l::: : : : : :: : : : : : : : :ﾊ: :＼
,:'ﾞ'" ,. /.::;:!:::. : : : :.::. : : i;. : : : :Ｊ､: : :.ヽ
／ . . ／: : : : : : /:::/ !:::|: : : : i:::ﾊ: : i::. : : ヽ: : : ﾞ:,
/. . : :,,: イ: : : : : : : : :i:::/ !::::!: : : :.l::l. i: : i:::. : : : :i, ﾞ; : : : i
/: ; -'" /: :/: : : : : /:.;!:::i l:::::{: : : :.|:l i: :.i::::. : : : i: :i: : : :|
/／ /: ;.l: : : : : :/､/!::l l::::!i: : : :.!l i: :ﾄ;::::. : : :i: :i: : : !
'" ; :/ !: : : : : l: :l｀ト!､,,_,,i::| ∨; ､| _,,. ⊥j‐<": : :.!: :i: : :!
!:.! !: : : : : !:≧土ｭ,,__ !| ∨.:.｢ ＿,,,｣:L-v: : :.|: :j: : !
!:l !: : : : :i:!:lヤ[ﾞﾞ天ﾞﾄヾ Ｖ:.| 行ﾞ天ﾞ丁ﾔ: : j: :.|: :i
l:l ∨: : :.i::!ﾊ r' ｰｲ| ヾ| r' ｰｲ ! j:};. :.l:|; j）:l
l:! V: : :!:i:{::i ''"￣ ￣lﾞlT・l:i::i: :!:j,}:!: l なんで利直くんが？
{| ∨.;!::::::::!、 ,':':::V:.i:{:ﾘ: |
V l:::::::::::`丶.､,,_ ∠ヽ _,,...イ':: : : /:::!.: :.|
l.:.::::::::::::i:::::::::::/丁´￣,ﾚ ヾ:l: : : /:::ヾ!: :.|
/
/
／::`::¬┬､
／::::／/i|:::::||:::ヽ、
//::::/::::/!」!:::::|!:::::|::/ヽ
. //;;;;;/;;,ｲ;;LｌL;;;||:::::|:`ｲ::!＼ ／
. ￣｀`T @￣ｱ:::::::|;;;;;:! |ヽ::＼ ／
ハ 丿￣゛゛ ｌ:::::::|うｉ;;:::＼::::::ヾ 東国監察たる御身を心配して
ッ 「＿＿ !::::::::ﾚ/::::::::::ヽヽ:::`,,
ハ ､`／ |::::ｉ:::j::ヽ::::::∨ｉ:::i::::::ｌ という説明では不足ですか？
ッ ヽ _」::/:ｌ:::､::::::,,:::::::ｌ::::ｌ:::::ヾヽ
ハ ´ |/::::ｌ::＞¬::::::::ヽ::ヽ::::::ヾヽ
,ﾉ::::/ ム::::::::ヽ::ヽ:::::ヾ＼
／:::::/ ＞‐',､´r ヽ:::::::::＼:::::::::＼＼
､ﾂ'" ﾞ`ヾj,,
彳 'ﾄ
} j{
ﾑ -ー一ー- ､ 仆
沁 ,／::／::::／:/:::::Z｀ｰ ､j巡
ﾐ尨イ::::iｲ:::::::/::::/:::::/:/i:::〉:::ヾﾐ
/:::::|:::::l::l:::::/::::/:::::/:/∧::|:ヽ::{
/:::::::l::::::|::|::/::::/:::::/_;仏_」」::::|::::l
/::::::::::|／￣ ￣ ヽ:/ ;ィ辷云､l::::::i しかし 道中 城も横目に見ましたが
.′:::::;〈 ￣ ´ |::|::::::l
!:::::／:∧ 〈 ヽ !::l::::::l もしかすると 太閤殿下は逃げ遅れたのではありますまいか
|／i::::i:::ﾊ ､＿ -‐ｧ ｌ::|::::::l
|:::|/:::ヽ ｀ ー ´ ﾊ」::::::l これも天運というもの
|:::|::::::::::＼ ,ｲ:::::「::::::l
|:::|:::::::::::::::|＼ ／ﾄ|:::::::|:::::::|
|:::|:::::::::::::人 ` ー ´ 入!::::::ト､:::l
|::ﾘ::::::::／ ヽ＼_＿_／ノ ＼:::|jﾄf､l
′::::::::| ´ 〉ｰ‐〈 ｀ │:ヽ-┴ゝ-‐-､
／::::::::::::::::∧ / | ∧::::::::::::::::::::;イ
__／:::::::::::::::::::::/∧ ∧ _ ∧ /! ＼::::::／^i
, -≠―-､:::::::::::::::/ l |＼/ 〉⌒〈' ＼/│ ￣ l
_＿
／⌒ヽヽ
__＿ ,、＿＿ |/
‐＝ﾆ_ : : : : ｀Y: :`: : : : : : ｀ ヽ、
, イ: : : : : : : :l: : : : l: : : : : : : : : ＼
／;:／: : : : : : : |: l : : |、: l: : : : : : : : :ヽ
/／/ , : : : : :l_:_/|: l : : l l_:_|_: : : :ヽ: : : : l
/ /: : : :/ 'l:./｀|: l: : { ´l: |､｀ヽ: : l: : : : !
,' /| : : /: :/|{ l/l: : | ヽl ＼: : :l : : : l
|/ |: : /: :ﾊr┯┯ l : | ┯┯yl : |: :＼l
. |: :lｲ ;'ハ ｂ::| ヾｌ ｂ::! l l: l｀ｌ:`ﾒゝ
ヽ| ﾚ |: :ｌ ￣ ￣・ ｌ l/ｰ': :l ……なにを言ってるのかな
l.:|: :ゝ､._ ｰ'ｰ' _,.ｨ': : l:: : :|
|.:|: : : :__二７T ¨´lヽ､| : :l: : : |
|.:|: : :|| l´＿__7 |: : |､: :│
|:,ゝ､:ヽ │ / /: :/ !:: :|
|:l＼ヽ: l | / l: :/／.|:: :|
.////////////////////////////////////////////∧
//////////////////////////////////////////////∧
./////////////////////////////////////////////////',
,/////////////////////////ﾄ､///,'|ヽ/////!////////////,
,'///////////////////, ' !///,'| '///,| .,////| ,////////////,
.'//////////////i//|i//ｌ |///,ﾘ |///| .|////| |////////////
/,'////////////' |//|!/,'| l,'/// |//,ﾘ |///,ﾘ |////,///////,'
.'/////////////| |//|!/ﾘ }/// |//ﾅ￣,ィ≦彡三ﾌ|i////////
.'/////////////{ !//{ ￣ ７//,' ｰ ´ ィ"´l::::::i:::::} ﾘ |i////////
.,'/////////丶 ﾏ二三三≧ミ ." ヾ≡ィ彡'.|!///////,' いえ 日本の民のためということです
///////////∧ ヾ ヾ;:::!::ﾉ ｀` "´￣ ｌ!////////
///////////|i.∧ ゞｰ ￣ " , ﾘ//////// これで唐高麗の野犬に屍を与え続けることもなくなる
///////////|i/,ﾊ } //!////////,'
///////////|i///,ヽ ,.ィ ﾞ .／ .|///////// 和睦と相成りし後 公儀は内府公たる御方が―――
///////////|i/////＞, . ー-=ﾆ二.彡'" ／./ .i/////////
///////////|i////r'´ ＞ . . ィ´ / ﾘ/////////
///////////|i//// ,'/{ ｀≧ ≦ ｒ ´ / '//////////
///////////|i///, ｌ! '. / ｀ヽ '//////////'
///////////|i// i| .ﾍ / ∧ .ﾘ///////////
///////////|i,/ i| .ﾊ ／i / } ./////////////
///////////|!, .i! ヽ ／ .ﾐ= く. !i ,'////////////,'
,..::;ﾆ＝-､
i::/ 、
,ゞｰ--‐::':::|,..-;:ァ
／:::::::::::::::;::::::::!::::::｀丶、
/::/::::::::::/:/|;:::::;!i::i::::::....､ヽ
l:/::;'::::'オ/|::|:::/:廾!::::::::::ﾞ:.ヾ:、
,!,イ:::::/ !':|:l::l::/::::::lﾊ:::::|;;::::l
/i:::::!::/ｉTﾆT::,!;':::ｲﾆﾘ,!:::l｀､:|
!:（|:'!::l::ﾟ‐':::/:::::::ﾟ‐：!:}::! ﾞ!
|::::M::::!､ ο .ィ:i!ﾘ やめな
|::::|:::l:::ﾚﾞ'ﾏ¬＜:!::|::|
!::::|x<!:l |―| ,l:::|:::!
l::::::;!ヾｌ:ﾄﾐヾ、l〃!:ハ:|
,':::::::| ヾ＞ﾐV∠}′ i|
l::::::::{ ,r=-=ニＬ._〉,ノ l|
,!:::::::::l |l!l!|´ |!
!:::::::::::ﾄ、 |＜ ＿/:|
!::::::::::::ﾞ7ー イ丁´「 〈::::::|
＿＿＿_
／三三三 ＼
／ ─三三─ ＼
／ （●）三（●） ＼
| 三（__人__）三 | ………
＼ ｀ ⌒´ ,／
／ 三三三 ＼
.. ＿＿＿_
／ ― -＼
. . ／ （●） （●） ともあれ 徳川殿に危害でもあれば
／ （__人__） ＼
| ｀ ⌒´ | 公儀が大変なことになるのは確かですお
. ＼ ／
. ノ ＼
／´ ヽ
＿＿＿＿＿＿
／ ＼
／ ::::::::::::::::::::::::::::: ＼
／ ::::::::::::::,::::::::::､,,.-='､'､::::＼
／ :::`┬;;;:::┬′:::::::::ﾞ.ﾞ､;;;;::',ﾉ:::: ＼
／ ::::::::"⌒ﾞ''''''´":::::::::::::::｀''''''"⌒:::::: ＼ 余震の続く夜間は危険ですお
| ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |
| ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: | ひとまず朝までここで 安全を第一に過ごされてはいかがですお
＼ :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ／
＼ ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ／
二人は家康に警固を申し出、さらに秀吉のもとへの参上は無用だと説いた。
,..::;ﾆ＝-､
i::/ 、
,ゞｰ--‐::':::|,..-;:ァ
／:::::::::::::::;::::::::!::::::｀丶、
/::/::::::::::/:/|;:::::;!i::i::::::....､ヽ
l:/::;'::::'オ/|::|:::/:廾!::::::::::ﾞ:.ヾ:、
,!,イ:::::/ !':|:l::l::/::::::lﾊ:::::|;;::::l
/i:::::!::/ｉTﾆT::,!;':::ｲﾆﾘ,!:::l｀､:|
!:（|:'!::l::ﾟ‐':::/:::::::ﾟ‐：!:}::! ﾞ!
|::::M::::!､ _ .ィ:i!ﾘ
|::::|:::l:::ﾚﾞ'ﾏ¬＜:!::|::|
!::::|x<!:l |―| ,l:::|:::!
l::::::;!ヾｌ:ﾄﾐヾ、l〃!:ハ:|
,':::::::| ヾ＞ﾐV∠}′ i|
l::::::::{ ,r=-=ニＬ._〉,ノ l|
,!:::::::::l |l!l!|´ |!
!:::::::::::ﾄ、 |＜ ＿/:|
!::::::::::::ﾞ7ー イ丁´「 〈::::::|
この非常時、寸刻でも早い救助が重要なことは、家康もわかっていたはずである。
また、関東八ヶ国の大部分を知行する徳川家の手元には、相応の人数もあった。
／: : : ,./: : : : : : : :/: : : :/: : , '/!: : : : : : |: : :|: : : : : : : : :
, ': : : :／/: : : : : : : :/: : : :/＿/ / l: : : : : : :|: : :|: : : :l: : : : : :
/: : :／ / : : : : : : :/: : : :/´: :/ l｀ |: : : : : : |: : :|､: : : !: : : : : :
. /: :／ /,ｲ: : : : : /: : : : /: : / !:::::::l: : : : : ∧: : ! ＼: :!: : : : : :
/／ // |: : : : : :!: : : : ,! :::/:::::!:::::::::::!: : : :/ ヽ: :| ヽ｀ヽ､ : : : :
!' l: : : : : l: : : :/.|: ,':::::::!:::::::::::::!: : : !:::::::l: |:::::ヽ: ヽ: : : : :
| : : : : |: : :/ !|/'ｰ- |､::::::::::::::l: : l:::::::::', l:::::::::ヽ: ヽ: : : :
| : : : : |: :/l:::::|__ |::::::::::::::!: |:::::::::__'|:::::::::::ヽ;!､: : : :
|: : : : :,!: !: l:::::r ' i !:::::::::::::::| |:::::::::::/｀''―- ､ヾヽ: : :
!: : : ｲ|/: :,!:::::!ヽ-'/::::::::::::::::::l:!:::::::::::!_ /l: :∧: :
',: : l l |': / ｀ ｰ' | r‐' i ./ ! :/: :! : :!
ヽ:| | |: :{ l､ ヽ.ノ,. ' /:/ : : | : l
'.| | |: : ＼ ､__ ` '´ /:/ : : : ,!: | 誰か 二人に水を
| |: : : : |ヽ､ __,.、 `ｰ' ･ /:/: : : : :/!/
| |: : : : |: :／／ ヽ ,.. /:/: : : : :/´|: :
| |: : : : |/ / / ,'‐;!ー――,.i' ´-.//: : : : :/ : :|: :
| |: : :/7 / / / l｣ ,.. ''´:::::::::::::/': : : : : / : : |: :
| |: : ! |／::::::::::::::::: , ': : : : : , ': : : : |: :
しかし、家康は奥羽二大名の言葉を聞き入れ、自邸待機の措置をとった。
―― 第七十段 終段 ――
乙
改めて、今後もよろしくお願いします。
あらあら、どうなるの、うふふ
「親分」の自覚がようやくか。
この地震が影響を与えたかもしれないわけか
秀吉が元気だったらすぐさま救助に向かったんだろうけど…
まあここで死んでてくれた方がいいよね、誰の為にとは言わないが
利家>>62みたいなのばっかりやｗ
この時点で既に豊臣政権は見限られつつあったんだろうなぁ
やっぱやる夫的にも今更秀吉のとこに行くわけないわな
今川もそうだけど、親衛隊ともいうべき親族衆がいないっていうのは、
持続性という点で致命的なんですねえ…
南部利直とここで会ってたってのは面白いですね
やる夫も旦那も、奴のせいでいらん苦労するしなあw
文禄五（1596）年閏七月十三日未明。伏見近郊を震源とする直下型地震発生。
iv'ﾍ __
| ;`;| /:/＼
| ;'l:| i'`'i 、 ┌个┐| | .:_|＿＿＿.
!:`l'| ζ＼ |;`;| ‖ | .:|...:|/:/...:.:|..: : : : : :.:｀L..r─Lﾑ、
-､_|_.;l:| ＼';､＼ :|':i;;| . i'1 ||／> | └┴┬i::::|==========|: :Lﾑ、ﾛ.::|
ｰ|＿}:;| ＼';､.＼|;';;;| ./〉 |;|＿r／／ / |[]..::[]. 〈〈::::|::::::[]::::.:.:[]..r､]: :: . : . : .::|
-|＿|`|＿r:‐:‐:‐:‐＼';､＼;| r‐//┐_|:|::::::::;⊥、r/.: ,、 |. : : : :.: :＼:|:::::::::::::::::::::/. : : . ┌::､ /〉:
ｰ|＿};|::::::::::: : :: : {二l＼;i`!､::://:::::::::::::::::::r| .::| /.:::: _ .||＿ | : : : : : :、 〉〉/〉::::::;;:::〈 : : : -┘:::L、r‐//┐ ,、:
-|＿|￣/＼:::::::/`|＿{┬| |;､＼::::::::i'|::::::r┴冂、 .:::://＼| ::::ﾄ､＿_ : : :||＿'//､п‖::.:l| : : ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ﾆｌ.r┴､_|_|_|:>:::::〈. ::〈|-､_/::::::..＼r':.|.::[,/T>.:/ﾛ〃乢.＞''「￣￣|[￣￣￣￣|「￣￣￣￣|「￣
-TニTニTニTニTニTニTニTニT《┴┐::| .:::|_rｪ :::|:.:..|-i_::_r√ソ＼>へ:| :|:ln| :]:|:П叮/7＿」L＿:.」L＿＿＿_.」L ＿＿_.」L
~三三三三:.三」L三三三」L三三〉〉┬┴┤ .:|＿;!:..|:::..|::::.|＼.::::》: :::L;:.::r| .L/∟ﾛ⊥》＞￣]匚￣￣]「￣￣]「￣「￣￣]「￣
L l「￣￣￣|「 ￣￣|「￣￣|r'.:| .:|ー:|＿ .|::::.l＼|_;;||;;:|L:<)┴‐'''"~::::::::::::::::::}「￣￣|「￣￣￣|「￣￣l[￣|「￣￣l[￣
]_」L:＿＿_」L＿＿＿＿」|＿＿ |》〉 ~゛`┴::-'⊥::.∟ﾛ⊥!:::::::::::::::::::::::::::::::::::＞''「￣￣|[￣￣￣＿＿__」L:.＿:.」「 」L:.＿:.」「￣
]「￣￣]:[￣￣￣]匚」[￣][く《:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/7＿」L＿:.」L＿＿＿|「￣￣￣|「￣￣￣￣|「￣￣
￣|「 || ￣￣|「￣TニT ,, 》＞￣]匚￣￣]「￣￣,,
＿＿,」L＿＿」|＿＿__」L 三三三｀ ,. ` }「￣￣|「￣￣￣|「￣ ｀ ,.
. _|| |L ￣l|「 L l「￣ . `|ﾄ､ ＿」L＿＿__」L:.＿
]_」L:＿
]「
犠牲者は一千人だとも数万人だともされる。
秀吉の居城・伏見城も倒壊し、被害は凄惨を極めた。
|三三三三|
|三三三三| ＿＿
,,,,.. |三三三,,,/. |＝＝| ううう……
ヾ"";,, .|三三;;::"". |＝＝|
,,,.:/" ＝| |三三;;:,,..‖￣/ ,|＝＝|
＿＿|＝＝＝|.. |三三三"ヾ:::::;;".;;.ヾ;;:" ＿＿
|:::::::::,,|＝＝＝|／|三三三三|:::::::::::::::|,＝,＼|llll;;::::|
|:::::::::::|＝＝＝|:::::|三三三三|:::::::::::::::|.＝|;;":＼::::::|
,,,,,, |:::::::::::|＝＝;:":::::::|三三三三|:::::::::::::::|.＝|:::::" ,,;;"＼
‖|＿/|;;::::／＼,＝";,,＼:|,,:;;,::;,三三|::::::::::::::::|＼,|::::／＼ヽ,,:
::::::::::::::|／,,＼";＝＝.|;;" |三;;""::三:|::::::::::::::::|::";／";;::::::,＝
::|::::::／＼::::;;／ ＝＝|:::""ヾ""" .三|::::::::::::::::|／＼ ,. -‐-､ あああ……
::::／ヾ";;:,:／|＝＝＝|＼::::::"＼-.三|::::::::::::／＼";:＜ ＜ ）
─;;"￣￣ヽ",--,⌒ヾ~￣ヾ───ヾ,,;;:＿...;:""ヾ(つと ヽlヾ─
,,,;;;;;; ΛΛ (,_,(,_,ノヽ_ﾉ
,,,;;;; / ⌒ ）
/ ;：/ つ
〜（ ）
〜 ⊃
折悪しく、明国からの使者を饗応するため、城には多くの民間人も入っていた。
死者は数百人に及んだという。
秀吉と拾丸は難を逃れた。
TニTニTニTニTニTニTニTニT《
三三三三:.三」L三三三」L三三〉〉
L l「￣￣￣|「 ￣￣|「￣￣|r' ＞''「￣￣|[￣￣￣￣|「￣
]_」L:＿＿_」L＿＿＿＿」|＿＿ |》〉 /7＿」L＿:.」L＿＿＿_.」L
]「￣￣]:[￣￣￣]匚」[￣][く《 》＞￣]匚￣￣]「￣￣]「￣
￣|「 || ￣￣|「￣￣/7 - ===== ミ }「￣￣|「￣￣￣|「￣￣l[￣
＿＿,」L＿＿」|＿＿__」L＿ｨ'〈 ／/__＿＿＿ ﾊ＼ |ﾄ､ ＿」L＿＿__」L:.＿:.」「￣
_|| |L ￣l|「 》:〉 // |.ハ 《〈￣￣￣|「￣￣￣|「￣￣
＿＿||_:＿＿:.」「￣|＿」|＿<:.< | { _{!＿{l＿{l＿{_| ｉﾄ 》ﾘ＿＿.::|L_:＿＿:.」L＿＿
_ |8||「￣￣￣||r=ｭ＿__L_》》 ／{i丁‐一 ー‐ | ｌ|、＼ /７￣￣|「￣￣￣￣|「￣￣
＿＿r|8||＿＿＿_」L三三} /:く く／ | |‐┰ ┰‐ l从{ ＼/ く＜ :l|＿＿＿＿」L＿＿
|ll8||￣l「￣￣￣|{|回L〈 _:〉〉: : : : : {ﾊ=u= =u= |ﾂ |: : : : : : : : : : 》l》￣￣|「「三三三鬥}￣:;#《
＿＿|ll8L :|「}三三{]《__: : : 爪 _＿_ ｲ | : : /: :: : : : _/く_ _:.:|8{三三回「三三}＿:._
|l ト └─┘.ｨ__! │
|lノ| |≧=≦ l| |、 l!
r＜:.:.}‐l{ }‐i{:.＞ｫ
{＼:.:.:| |、＿＿ | |:.／ }
i 天| |//////| |ｵ 釗 ［豊臣秀吉］
| |l l| |//////| |i|! |
| |l l| |//////| |l|! |
庭に転がり出た秀吉は、女官たちとともに拾丸を抱え、瓦礫のなかで呆然としていた。
まず、ほぼ単騎で慌ただしく駆けつけたのは細川忠興だった。
, - '──‐ - ､ . .:.:.:.::::::::::::＼
/ ｀丶､ .:.::::::::::::／
＼ _ ＿＿ _. . .:.:.. :.:.:.:.:::.｀ヽ､.:／
／,ｲ:.:::::.::::.:::.:｀:`丶､.:.:.::::::::::.:.＼
/.:/::j::/.:.:::::､.::::.::::::.:.:::.｀ヽ .:.:.::::::::::＼
/.:::l::::i::ﾄ､;;:､::::｀ヽ;i:::::j!:::.::i;:;;＼.:.::::::／
l/l:;|.:/N ,ィ≦二l!::/.::::!::|;:;:;;:;;:y'´
`ﾄ､:fﾘ {ｶj 7 |:/:::::::|:::!;:;:;:;:,′
ｿ ´￣ ﾘi::::::::!;;,!;:;;:/
ﾄ､ __ u .|:::::::j/;;イ 殿下！ お待たせしました！
l/'､ |::::,ｲ;:;;/
|:;ゝrｧ┐ !/ l;/
|/^l/ィｭ-─‐- ､＼
, ィフ.:.:.:.::::::::::::::::.:ヽﾄ､
, ィ ´.:.:.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::::.〉j|
_, ＜二ﾆフ´￣｀ヽ.:.:.::::::::::::.::::::::::.::::ヽﾄ､
＿ ＿,r‐ｭ--─＜二ゝ､_ ＿ ＼.:.::::::::.:.:::::::::.:.:::i:|/
, イ 仄,r'´ ｀ヽﾄ､ ＼ ｀`ヽ ＿ jL.:.::::::::::.:.::::.:.::|:|
しJl///, ヘ ＿ ノ ヽ j! , イ_イj!;:;:;;;;;;;:;:｀`77ヽ::」 ［細川忠興］
/ Y ⌒Y^ヽ ﾄ､ ｀`j〉 | 。 °L ＿／ヽj'^ヽ|;:;:;;;;;;;;;;;;;;//ス/
! ﾊj! ハ i i ! ! fｺ L。＿, ィソ´￣ ,ｽ＜7;;;;;;;:;:;:;;:;;;;;厂
| !.:|l| .:| | | | |人j〉_ソノ￣ />＜7;:;::;;;;;:;;;;:;:;;j
| |::|||.::::j | | | | />＜7;:, ィ7三三j
続いて現れた加藤清正は、足軽三百人にテコを持たせ、すぐにも救出活動に入れる装備でやってきた。
_＿z≧=彡ー=z_ノj＿
_彡 _ 、 ノj ｚ ´=z_
＞ < z ,､ z--､＿ _ ゝ_
ノ ＞´ ﾉｿ∨ ｀k 〈
彡 ﾐﾞ .: ﾉミz≧ {
≧ ｿ , ;; ＼ ヾ ﾐ
ミ j _ ; ／｀ヽ Yﾐ 〉
ｦ, i ＞z_､ヾz≦だOｱ i彡i Z
ヾjﾍ ゝ-゛｀} ￣ ij ,ﾐ/ } ヾ 殿下！
ヾﾞ､ j ﾐzソ'ﾞ´
＼ ｀_,.．-┬z､ /,ki.|i こいつら使ってくれ！
ヽ tﾆ--―┴'"., ,ﾞ´ ´i′
＼ ｀￣ ／:;′ .:,
ゝ-― ' ﾞ:::::;' ':,
i｀ﾞ :::::::::; ' i ':,
| ﾞ :::; ′ i ﾐz-､
／ﾞj i 〉 ｀ー-､ ［加藤清正］
／ { ; / ／ ＼
とるものもとりあえず駆けつけた忠興。非常事態にあって冷静に自分を救おうとする清正。
ｌ: : : : : : : : :| :ｌ: : : : : : : : :| //: : : : /: : : : : : :l:| |: : : : :|: : : : : :|: :|
ｌ: : : : : : : : :| :ｌ: : : : : : : : :|〃: : : ://: : : : : : /:ｌ |: : : : ﾊ: : : : : |: :|
{: : : : : : : : :| :|: : : : : : : : :|: : : :.:.//: : :._: :. :ｲ_」 ｀丶」 ＼: : ::|: :|
|: : : : : : : : :| :|: : : : : : : : :|: : : :.//＞'"└'´ 入 j: :|
}: : : : : : : : :! :|: : : : : : : : :|: : ／ /: :｀|: |
＿＿」.: .: : : : : : :. :|: : : : : : : : :ﾚ´ ､ ／ : : : :ﾚ′
ﾄ: : : : : : : : -ｌ: : : : : :.l: : | ＿... ､｀ヽ-' /ｚ=ｒゝ,': : : : |
| }: : : : : :/ ,-|: : : : : :.l:.ｌ:.| -≠ｧ＝¬=ｚ ｲﾑ｡ﾉ /: : : : :|
＿＿ | |: : : : : :{ ｌ: :|: : : ::|:ﾊ:| 弋辷ﾍﾉ └'′/ｌ､: : : :.|
| l: : : : : :.', {｀ヽ＿: : |ハ| /ｖ|∧ハ/
| |: : : : : : :＼｀丶 ＼| ｃ ヽ /: :/ 忠興……清正……
| ハ: : : : : : : ｀ヽ- ､ ｀ ﾉ: :/
/: :.ハ: : : : : : : : V ＼ ｲ: :/
/: :. :/ ヽ: : : : -―}＼ __, ' ／ | /
. /: : : : : : 入／ ﾍ ＼ ヽ､ ／ K――、
/: : : ＞‐'" ＼ ＼ｌ ＞ ､ ‐- ､ _ イ | ハ |
./: :.／ ＼ ＼ ＞ ､」/ | | ｌ | |
しかもこの両名、秀次事件と唐入りでそれぞれ秀吉が謹慎処分を発した者たちである。
. , ´ ... -――--...､｀ .､
. ／ /´.. - ―― --､ﾍ. ヽ
. / /´ | i :.ﾊ ',
. ,' | ! | | i| .:.:| :.
i i:.: ∧,-‐' ￣ ｀ヽ! : :! .!
|: |/´ ノ ゝ ｀ヽ| ! |ヘ.
. .へ..|i ! |: ｜.| | >
. く || : ｜ _＿､ ,＿ |; | ﾉ ! ／
｀ ー|l_i N ,〃⌒ ´￣｀ﾒイﾊ､ i´
| {｀ﾄ! ::::::::::: ' ::::::::: / ノ | 早々とよう参った！
|:.:.ヽ、_ ､__ ... __, ,'イ∧.|
|:.:.:.:i {ﾍ ／ .!:.:.:.:| よう参ってくれた
|:.:.:.ﾊ__∨｀ト... ..イ:::.}___|:.:.:.:.!
|:.:.:.ハ ∨.:.:） ｀ _ .{ !::.,' ,'.:.:.:.:|
/へ￣｀i {7´,.く｀ｰ'｡∨｀7 /￣￣ﾄ､
. / ヽ ! /´三ﾐ､===彡三∨ ,' ヽ
{ ∨!| i´川ﾒﾒﾒ７ / / !
| |.:i.! ﾉ:ﾒﾒﾒﾒﾒﾒ{ .! ./ ｜
秀吉は感動し、清正の処分をただちに取り消してしまった。
○ 第七十一段 ： どこへいく
┏━━━━┓
翌早朝
┗━━━━┛
_,,,...:-‐‐=-.'.:,丶
. ,r'";; ;; ;;＼,,.....,
,,r'";; ;; ;,,, ;;; , ;;; ;;;,`'::,､ .................
,:r';;; ;; ,;;; ;; ;; ;; ;;; ,;; `':,､ ........::::::;;;;;;;;;;;;;;;:::::::.........
,r'";;;,, ,,;; ,,;;;, ,,,, ; ;; ;; ,, ;;, ;;`';;､_:::::::::::::::;;:'' ''';;;:::::::::::::::
,r'";;;; ,,,;;; ;,,,;;; ;; ;,,, - '''' ''';‐-,, ,, ;;, ;;`';;､_:::;;;'' '';;- ''""
,r'",,,;;;;,, ,,,,,,;;;;; " ''''‐- ,..,,,... ′,, -‐- ,... ...--‐‐''''"
,r' ,,,,;;;;; " ''''‐ ...:;;; /' ￣
"'' -‐‐‐-,..,,.,,,,;;;;; ;"'., , ;, ノ'' .,,._.
;;;;;;,,, ,,,,;;;;; ;:: ,, ;;, ....゛゛;;;;;;:::;:
＿＿＿
／ ＼
／ _ノ '' 'ー ＼
／ （●） （●） ＼
| （__人__） | 見舞い衆無用とはどういうことですお
＼ ｀ ⌒´ ／
＞、:::::::::::, '::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ソ、
＜::::::::::::, '::::::::::::::::,;:::::::::::::::;:::::::::::::::::::＞ー‐
＞、::,:::::::::::::::://l:::::::::::::/l:::i:::::::::::::::::＞z_
zソ::,:::::::/:::,l://._l:::::/ｿ:' l::'l:::::::::::::::::::＞、
＜::::::ﾉ::::,'/:/_l:'ｨイ,'::// ＞ｰﾔ!::::::::::::::::::::＞ｰ
￣＞:::::::l ! ぞ! / !ぞ!＼¨l::::::::::::::zー'
＞l ;l ー‐' . ー−' .l::,ヽ::::::::＼ なんか意趣があるわけじゃない
￣ニ! i : ,' ノ::＜￣
∠.::、 ＿ _ _' イ:ー≠ｰ 警備上の問題だ
、 r_ ＿ヽ イ::::::へ'
_ .l＼ イ,'V'¨ ヽ
/ ＞: : : : .へ、_
_ イ / .}: : : l /ヽz＿
＜￣ 癶 / l: : :〈 、 /＼ ＼ ヽ
／ V' >‐ｲー‐ ' ）/ー ＼ノ :.∧ ［石田三成］
l ゝ , ' .: ＞、＼ ; ; l ＼ : }
ﾄ､|＼|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.厶イ
弋’.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.フ
弋￣.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.￣フ
__,.＞.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ.:.:.:.＜__
_≧:.:.:.:./:.:.:.:.:.:./:.:.!:.:.:.:.:!.:.:.:.:.:.::＼:.:.:く
／:.:.:/:.:.:.:.:.:./ |/ |:.:.:.,小:.:.:.:.ヽ:.:.:.:､:.:＞
∠ イ:.:/:.!:.:.:.:Tト､_ |:.:/ ,.ィ代:!:..ﾄ､_:.::＞
厶ｲ|:/|:.:/ f 忖 Ⅳ 忖ヽ ﾄ､!:..＼
ｉ人从. ￣ ! ￣ ﾊハ｀¨´ 城はご覧の有り様 侍たちもまともに動けん
!込 j ﾑ'
／:/ﾊ _＿ 人_ 太閤殿下の身の回りもだな―――
,. -＜: : : :|.:! ＼ ´ '' ｨ い: : ＞‐- ､
／: : : : : : : : :.ヾヽ ｰ ' /:/: : : : : : : ∧
/＼: : : : : : : : : : :.＞ミ ー--‐:ソ:: : : : : : : /: :ヽ、
/: : : ヽ: : : : : : : : / ￣￣ ヽ: : : : : :./: : : :.∧
_＿
／⌒ヽヽ
__＿ ,、＿＿ |/
‐＝ﾆ_ : : : : ｀Y: :`: : : : : : ｀ ヽ、
, イ: : : : : : : :l: : : : l: : : : : : : : : ＼
／;:／: : : : : : : |: l : : |、: l: : : : : : : : :ヽ
/／/ , : : : : :l_:_/|: l : : l l_:_|_: : : :ヽ: : : : l
/ /: : : :/ 'l:./｀|: l: : { ´l: |､｀ヽ: : l: : : : !
,' /| : : /: :/|{ l/l: : | ヽl ＼: : :l : : : l
|/ |: : /: :ﾊr┯┯ l : | ┯┯yl : |: :＼l
. |: :lｲ ;'ハ ｂ::| ヾｌ ｂ::! l l: l｀ｌ:`ﾒゝ だからアタシたちが来たんじゃないの
ヽ| ﾚ |: :ｌ ￣ ￣・ ｌ l/ｰ': :l
l.:|: :ゝ､._ ｰ'ｰ' _,.ｨ': : l:: : :| 殿下をお守りするためにさ
|.:|: : : :__二７T ¨´lヽ､| : :l: : : |
|.:|: : :|| l´＿__7 |: : |､: :│
|:,ゝ､:ヽ │ / /: :/ !:: :|
|:l＼ヽ: l | / l: :/／.|:: :| ［徳川家康］
夜が明け、秀吉のもとに参上しようとした徳川家康は、門前で奉行衆に制止された。
-==-
＜i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i＞
／:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i＼
/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i∧
. /:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:∧
i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iﾊ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i: ∧
iﾊ:i:i:i:i:i:j.i斗七ィ斧i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i∧
Ⅵ:i:ij. ィｊ以 ﾉ i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i∧ 聞いたところでは
i:i:伐} ¨´ . i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i::i
i:ﾊ:〈 , 1 .i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i: i∧ 前田利家様はもうご面会を果たされたそうですが
Ⅵ:i:＼ く___ノ i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i∧
i:i:i:i:i:i＞ ィ i:i:i:i:i.＼:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i∧
i:i:i:i:i:i:i:i:i:i＞./:i:i:/／ ＞ ,:i:i:i:i:i:i:i:i∧
i:i:i:／／ .{ ./:i:i/´ ／ ＼:i:i:i:i:i:i:iﾍ ［南部信直嫡子・利直］
/¨´.ノ/:.:.:i i:i:i:i:i／ ヽ:i:i:i:i:i:i:ﾍ
家康は見舞客として扱われ、そのことで両者は問答となった。
､__｀≧=-.:／.:.:.:.／..:.:/:/.:.:.:.:.:./.:.:,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`ニＺ.´
､_｀ニ ⇒..:.:.:.:.／.:./.:./:/.:,:.:.:.:./.:.:/.:.:i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.;.:.:.:.:.:.:.-:≦二、
`'¬彡.:.:.／.:././.:./:/.:/.:.:.:/.:.:/.:.:,:.ｉ.:.:j:.:.:.!.:.:.:.:.ｉ:.:.:.､:.:.:.:.:.ー'Ｚ＾
ー=≦／.:.:.:.'ｉ:.:i:./i/,〃.:.:/.:.:/:/:,1:.!:.:'i:.:.,1:.:.:.:.:!、:.:.:＼:.､≦二
__彡.:.:.:./.:.!:.:!∨/l/!:./.:.:,.:./:/ }:.j/_j:/.｣:.:.:.:ｉ:|い:､:.:.:.:＼く￣
｀¨ア.:〃.:.:!!.j厶{劣iｲ.:.:/:/:厶イｨ岱㍉〕.:.:.:ｉ从Ｖ.:＼_:_:_戈
/／/.:/.ｉ|i∧ {iJ＾|:./:/i/'¨下'{iJ ﾉ从:./:.}:.川:.:ヽ.≧=-
´ /イ.:/!い＾`＝‐彳/ ‐＝'^″}':.://∧＼:.:＼_
|/|小.i '｣〉 /イ､く:＼ヽi^''ｰ一 ……わかりました では
|;小 !{ /|｢:.､:＼｀:ト
、 / !!:厶トへ| 付き人はこちらで制限させてもらうが
＼ ─…‐- ' ｉ｢》} 〉
.＼ ／ ／″ /{
／／个 .___ ´ r＜ / }
／／ /j }/ハ / _,厶__
,. -. .、
iﾞ／⌒ヾ:、
_}L. .-:'ﾞi-.−.-_ｪ‐ｧ
.／: : /:.i: : :!: : : :｀:丶、
,:':./: : ;' /|: : :|ﾞ､i. . ＼ ｀:、
': /: : ィ７ .!j: :.l `!ト: : : :`:ヾ:.、
j: i: : : ｲ/__j:!l: j __l:|､: : :!: :i
.!:.|: :.ｵT寸|! !/ T寸!V:.ﾄ;:. |
!:.l: ﾊ 上ﾘ '゛ ヒﾘ !:i;.| ヾ:| あ〜かまわないよ
j: V: ﾄ､ ┌'ｧ ,ノ:::N ﾞ}
.|: :.|::||:::l`ュｰヒ〔:::|: || ともかく 早く殿下に会わせてもらいたいね
!: :.l:.l|‐'ﾞ/＿./ `|: {:|
.l: :λ:l. | /,彡'ｲ:,ハ
j: ;ﾉ ヾlミ| /彡ヘj/ ヽ､ -‐､
l〈 j.>ﾐ!ﾑく、 | ,.-=y'、 ､)
!::}-λ ,.个､ 〉 ﾞ､{'/'" }、 ij
j:::E=l V i ヽ'′ ト､ / `'' ′
●
●
●
＿＿＿＿_
／l /｀l ／／⌒ ⌒ヽ ｀＼
／ l / ｜ / / ・/・ / ､ ヽ
/ l / | /／ `ｰ●ー ´ ＼ ヽ
/ ￣ | /＾ 三 / 三 ヽ ｌ はいはい
/ | ｉ⌒l ヽ.＿_ / ＿＿ l |
/ く●〉 く●〉|｜ | またざジージー | ヽ￣￣￣￣ / | ｌ ……おっ
l lﾉ l ヽ ＼／ ￣｀ヽ／ / /
｜ フ ノ ヽ ヽ､＿＿／ / /
｜ | | |´ >━━,-､━━━━┥ ［前田利家］
｜ | | | ［拾丸］ / ／ ヽﾌ /⌒ヽ￣ ｌ
前田利家の待遇は、家康とはまったく違った。
_ ,. :ｬ≦:￣￣: :≧=-. _
, ＜: : : : : : ---- ､: : : : : : :.＞ｘ
イ: : : : : : ／ ＼ ,ィ─-､ヽ
: : : : : : :.,′ γ⌒ヽ ﾍ,ｲ , -､ ﾍヽ
: : : : : :, { 乂zソ | ( ) i: ∨
: : ／ ヽ､__,. -- ､__,ィ:::::ヽ`_´__ i_: :V
:/ ｀`ヽ､ 八:::::::::::ﾉ ￣｀ ヽ:V
′ `ヽ､ ＞!'´ __Ⅶ
──- ､ | ,. ｨ'´ !
ヽ | ＿＿ i これは徳川殿
i ＿ | _ ￣`!
__, ィ ´￣ i `ヽ､/ i お互い無事でなにより
ヽ i /ヽ,′
＼ i ／ /
:､ `ヽ､__ i _,. イ , '
ヽ＞ｘ_ ──'‐ ' ’ ,ィ
: : ＼::::::≧--z __ __,. z＜/
: : : : : ＞ｘ､__:::::::::::::￣￣￣:::〃 ｿj
: : : : : : : : : : :,ｨ≧------- { _,.イ'∧
: : : : : : : : : :/ 弋==≦´ ﾉ
すぐさま御前に通された利家は、傅役として拾丸を抱き上げ、その警固としてそばに侍っていた。
かたや家康は、見舞いの言葉を述べたのみですごすごと帰らなければならなかった。
. ／ ＞二-―――‐-｀ゝ､
.／ /' ./ ｌ | ＼
/ / / / .| ﾊ ｌllヽ ＼
./ | ||ｌ ｲ .L -―ﾙ |‐-､」.ｌ | ｌ. ヽ
ｆ ｌ | ||L/└┘ ｀ﾍiｊ }
ｌ | |ｌ |.| _, -‐' ヽ、 ﾄ' ﾄ|
ｒ‐――| .| .|| | -┬‐‐= ｚ､＿_ ,' ﾘ
| | | ｆﾙ、ﾄ 弋ノ 弋ﾉ ﾍ、 /
｀ ―‐ｲ { ｌ〈 { /｀
} ＼ u. ' ｌ .} 家康 ようきた
ｌ ＼ﾆヽ ' ､＿＿ ﾉ |
,' 「 ｀|＼ ｀ ‐ '´ イ ｌ |
/ ﾊ | ､ _ イ .} | |:|
./ .ハ | /:::|{ | .|.ｌ:|
/ , -‐'"| | トヘ| | .|.ｌ.|
_＿
／⌒ヽヽ
__＿ ,、＿＿ |/
‐＝ﾆ_ : : : : ｀Y: :`: : : : : : ｀ ヽ、
, イ: : : : : : : :l: : : : l: : : : : : : : : ＼
／;:／: : : : : : : |: l : : |、: l: : : : : : : : :ヽ
/／/ , : : : : :l_:_/|: l : : l l_:_|_: : : :ヽ: : : : l
/ /: : : :/ 'l:./｀|: l: : { ´l: |､｀ヽ: : l: : : : !
,' /| : : /: :/|{ l/l: : | ヽl ＼: : :l : : : l
|/ |: : /: :ﾊr┯┯ l : | ┯┯yl : |: :＼l
. |: :lｲ ;'ハ ｂ::| ヾｌ ｂ::! l l: l｀ｌ:`ﾒゝ
ヽ| ﾚ |: :ｌ ￣ ￣・ ｌ l/ｰ': :l ……はい
l.:|: :ゝ､._ ｰ'ｰ' _,.ｨ': : l:: : :|
|.:|: : : :__二７T ¨´lヽ､| : :l: : : |
|.:|: : :|| l´＿__7 |: : |､: :│
|:,ゝ､:ヽ │ / /: :/ !:: :|
|:l＼ヽ: l | / l: :/／.|:: :|
秀吉が心底で家康をどう捉えているか、危急にあってそれが露骨な対応の差となった。
,. ‐,ニﾆ丶、
／／´ ｀ヾ:
j.:/
{:{ _,.,
,. -:`: :":￣:ﾞﾞ: :'':‐- :'": :|
／: : /: : : : : : : : : : : ; : : : :｢￣二: :_‐.､
, ': : : :/:.／: : : : :,: : :.ｨ::!: : : : j: : : :｀ヽ、｀`丶、
,': : : :./, ':::; : : : :./: :, ':|::!: : : : ;{: : . . ､ ｀ 、
i: : .:: :,!':::::/: : : ;/: ; '::::::!l: : ; : :ハ: : : : :､: : .ヽ
!: : :::/::::::/: : :7ﾌア'‐::::::l!: /: :.,'_;;;j: l: : : ヾ::､: :ﾞ:
.|: ; /::::::;,': : :/_l/＿__::::::j.:/ : /::::::::i:.|: : :i: l`ヾ: :l
. ,!',/:;:イ,': :./!{Ｔ示干':::::;!/: :/ｨ夫ｫｷ|: : :l: :! ヾ}
/ｲj/:/_|:!: /::|::.!_ l｜::::/ｲ:./::l_ l | lﾊ{: : :{: :|
/ !: :ﾞ ' ||;/::ｌ:|:::ヽ-' .::::::::::!/:::::iｰ' :::!:l'|: : ﾊ:｜
.!: :: ﾞl'||:::: ｉ:|:: ￣ '′ ￣ ・l::l !: ,' ﾞ:,! 殿下のお姿を拝見でき ホッとしました
j: : : l::l :::: :i:ﾄ,､ ,， _,..ィ:.|. |/
/: : :/::;ｌ ::: : iﾍ. ｀ 7 ､-‐ｧ:'/|:l::::: :|
/: : ;!く . l: :: : :i.ﾞ:、 い｀ヾ､/ |:|:: : :|
/: :./＼＼.!; ; ; ;.i ﾞ:、-┤ || ﾄ.||: : :.|
/: :.{'＾ヽ ヽ.ヾ: : : :l ﾞ:、 | || |ﾊ|: : :.|
このことは次期公儀の筆頭を自認していた家康の体面を、いたく傷つけた。
＼ ／:＼ ／ヽ ／|
!,:::::::..＼|:::::::::..＼|:::::::..＼＿／::,!
!,:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ,!
!,:::::::_;;;;;;＿__;;;;＿＿＿;;;;;;:::::|
!,:::｢U／.＿|乂Ｘ／ ヽ |::::|
｣:::| | | ・ i f´./ | |::::j 、
r⌒i | ￣| | / /. |f┐|
| f´'i ヽ＿__|,,⊥＿_ノ j´`'／ （……マズい）
ヽ／ `ー´ く／
∠＿＿＿＿＿＿＿＿＿二}
` ､_ ＿,,,一'′
￣￣￣￣ ［増田長盛］
. ､＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
､＞ |
＞＿＿＿＿＿＿＿＿ .|
￣ .|./＿ ＿＼ | |
| / ヽ／ ヽ | |
. | | ／ | ＼ | V⌒ｉ （これじゃ奉行大老同士の離間を煽るばっかりだ
|.＼ 人＿_ノ U 6 |
／ ○ / 以前の殿下なら こんなことしなかったはずだけど）
. ε 厂
＼ ＿＿＿＿_／
￣￣, -/へ／＼/｀- ､
／./ ./op i. ＼
＿＿＿_
＼ ───＿＿＿
＜ ￣￣￣￣|
＞ ＿＿＿＿＿＿＿＿＿ .|
￣￣ | / ＼ | |
| /⌒ヽ ／⌒ヽ | |
| | ‘ | i ‘ | | | （秀次様が粛清されてしまった以上
| ヽ.__ノ ヽ.＿ ノ .ﾚ⌒ヽ
ノ o .u ６ | 公儀を保つには 前田殿と徳川殿の協力が不可欠なんだ
／＿＿ ＼ ＿ノ
＞ ﾉ なんとか お二人を円満につなぎとめなきゃ―――）
＜、＿＿＿ イ
|───┤
／ |／ ＼ ／ ＼
iv'ﾍ | |:|ｌ＝=|
| ;`;| | |:|》: ::::| i'1
| ;'l:| i'`'i 、 ／| |:|＼ : | . |;'| ,、
!:`l'| ζ＼ |;`;| ‖ 〕 .| |:| || | ./＼ ＿.|;'| /.:〉
-､_|_.;l:| ＼';､＼ :|':i;;| . i'1 ||／> r┘.:| |:| ||::| | ‖‐┘ .:|';|──へ./.:/＿r‐
ｰ|＿}:;| ＼';､.＼|;';;;| ./〉 |;|＿r／／ /|￣＼:| |:| ￣ .:〃..／>.::|;'|:::::::::::::::/.:/:::::::::::
-|＿|`|＿r:‐:‐:‐:‐＼';､＼;| r‐//┐_|:|::::::::;⊥、r/.::| .:::::::|／＼/＼ 《／／ ..:::|;'|:::::[]::::/.:/]:::::::[]::
ｰ|＿};|::::::::::: : :: : {二l＼;i`!､::://:::::::::::::::::::r| .::| /.:::::<＼／ 〈:::.:... ＼ 》 ' .::::::::/|＼＿ｎ::::::::::::::::::::
-|＿|￣/＼:::::::/`|＿{┬| |;､＼::::::::i'|::::::r┴冂、 .:::::|::＼＼ _＿＿__:::::.:..〉″へ:::::/ .| |: : : |:|::::::::l`!へ、
ｰ|＿}::/ ､';';〉.:/ /{＿|┴lニニニニﾆｌ.r┴､_|_|_|:>:::::＿＿＿|」＿＿:l;_;_/／..::. ｀〈 :| |: : : |:|::::::::| |: : :
-|＿;l'_;_;_∠;/_/___l_,,:;;}┬┴┬┴┬┴┐::| .:::|_rｪ┘＿＿;!＿__;!＿＿;|＿;_;:::.:／ : :| |: : : |:|::::::::| | : :
~゛'' ┘⊥ ｣_ | |{＿|┴┬┴┬┴┬┴┤ .:|＿;!＿＿;!＿＿:l＿＿;!＿＿;|<___;_/＼_;_;_;|;|-∠|_|;_;_;
~゛'''' ┴'::⊥Λ二＼.:| .:|ー:|＿＿;!＿＿;!＿＿;!＿＿:l＿＿;l:::...＼/＜＞::. ∠二
｀ , ' . ｀ ∨_,,,;;;;/. ~゛`┴ -'⊥ .」＿;!＿＿;!＿＿;!＿＿;!＿;ﾄ､ r─‐-､ ...:.:.:.::.:
, ~゛ ┴ ⊥. .,_..:::| ::/￣.￣'"ヽ┴-､_;_;_;_;_;_;_
,, ｀ ~゛'' ‐-|＼＿＿＿ﾄ--/.. ...:::::::./|
` ., ｀ ,. ' ＼|__;_;_;_;_;!─l二二二l/
. ` ｀
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ― ヽ
／ （ ●） （ ●）'
| （__人__） | ……南部は 九戸の反乱で殿下に救われたんでしたお？
＼ ｀ ⌒´ ,／
／ ー‐ ヽﾟ
-==-
＜i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i＞
／:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i＼
/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i∧
. /:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:∧
i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iﾊ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i: ∧
iﾊ:i:i:i:i:i:j.i斗七ィ斧i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i∧
Ⅵ:i:ij. ィｊ以 ﾉ i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i∧ ええ
i:i:伐} ¨´ . i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i::i
i:ﾊ:〈 __..ノ .i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i: i∧ 私が直接 殿下に討伐を請いました
Ⅵ:i:＼´ i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i∧
i:i:i:i:i:i＞ ィ i:i:i:i:i.＼:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i∧
i:i:i:i:i:i:i:i:i:i＞./:i:i:/／ ＞ ,:i:i:i:i:i:i:i:i∧
i:i:i:／／ .{ ./:i:i/´ ／ ＼:i:i:i:i:i:i:iﾍ
ｯ-¬'' ｰ- ..
彳 ヾ
ﾑ ＿＿_ 仆
沁 ／::,:::::／:::＞ ､巡.
ﾐ尨ｲ:::iｲ:::/::/::://::Y::ヾ
/::::l::::l:l::/::/::/仏」」:i:::l
/:::::::|／￣ヽ/ ｨ辷ﾃj:::ｉ
i:::::,∧ r ､ |:l:: ｌ であるのに昨晩のようなことを申すとは不義理である
ﾚイ:i:ﾊ ､_ -:ｧ l::!:::l
|::|::::ヽ. ￣´ ,ｲ::!:::l と言いたいのでしょうね？
|::|:::::::::iヽ. ∠::::::|::::l
|:ﾘ:::::::人. ｀￣ .入::::ﾄ､::!
':::::::::/ 〉ニ〈 Vｰ┴─-､
／::::::::::∧ ∧ ∧ ∧::::::::,.イ＾ﾐヽ.
, -≠､:::::::::::/l ﾄ./ }-〈. ∨| ｀¨´ l l├-
／ｲ /ヽ__ノ. l | / ', |. ｌ l ﾉ ﾄ､
./ﾑ. l l ｌ |. | |/ :| l ﾚﾞ
∧ ! l ｜∧. | ／ | l /
＿＿＿
／_ノ '' 'ー＼
／ （ ●） （ ●）＼ まっさか
／ （__人__） ＼
| ｀'ーｎl^l^ｌ | やる夫もそこまで清く美しい大名やってきたわけじゃないお
＼ l っ/
( ゝ
ｉ ＼
＿＿＿
／）／ノ ' ヽ､＼
／ .ｲ '（●） .（●）＼ ただまあ 多少意外ではあるお
. /,'才.ﾐ). （__人__） ＼
. | ≧ｼ' ´ ⌒｀ | 南部の取次はあの前田利家殿だし 徳川殿に急いで近づく必要も……
. ＼ ヽ ／
/
/〟〟〟〟〟〟〟〟....
, '::／/:〃:/::,ｲ:‖:::│::|::::ｌ.:::ヽ..... /
〃:／:::〃 '/::::/::/i::ｉ|::::|::::ｌ::::|ｉ:::::!:::::::iﾍ /
/::/:::://::∠..:./!:,'::::|::ｌ|::::ﾄ::::!::::!!::::|!:::::::! ',/
:/i::::::::ヒル」'::Li:::::ｌ:」::!::」」」_::||::::!!:::::::|::::i
'７,ｉr::::}, -rュミ=` 丶＼ ヾｉ｀|ト.||:::::::|:::::ｌ
,','::!!::::i| i:::::@::::ﾉ ト=､`ヽ,!:||:::::::ｌ::::|i
,','::‖::.|| `￣＾ ′ ﾏ@::`_ヽ||:::::::|!::::!!
r‐-､ ,',':::::!::::ｌ ! ￣゛`/||:::::::|!::::|| 浅利の一件で 私は確信したことがあります
＼ 丶 ,',':::::ｌ:::::| iﾄ､ ゛-'`ー′ /_」!:::::::|!::::||
ヽ ヽ , ┐ ',':::::,i:::::::!‖!|丶 _, .ィi|::::ｉ ||:::::::|!::::||
,ム Y ! ',':::::::i|:::::::!‖!|::::|!`ー‐ ' ´!.::ｉ::l‖::| !!:::::::|!::::||
／ ､ ＼j ｌ ,','::::::::ｉ!:::::.|‖i::!:_」! {::」::| !!::::!ｌ|:::::::|!i::::|ｉ
ﾉ ､ ＼__」 ,. ',':::::::::‖:::::!」::'´ ｉ ｱ ヽ.||::::ｉ|!:::::::|!.|::::!ｉ
〈 l
.ヽ i
._l＿＿＿, ＜￣￣￣ヽ
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ﾍ
./:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾍ
i::::::::::: :__: :､-‐ﾗ_≦ﾆﾜ : :i: :ﾊ
|,: :､.不.tｯ､｀ ゛7ﾋﾁﾞンｌ : :l: : ﾍ 太閤殿下亡き後を見据え
ﾍ ヽ￣ , | : :|: : ::∧
|: :ﾍ. ` ＿， .! : :!:::::::::::ヘ、 変化を恐れず語れるのは内府公だけであると
ﾘ. リ｀ ､ ｀ ￣´ ／| : :l!、::::::::::::ヘ、
/,: :i ハ. ＞ー_,,-‐|:::::::ヽ>:::::::::::: : ＼
／i!.: :|/ ,_ﾍ‐''"_.／/´!:::::::::ﾍﾐ ､_::::::::::::: ＼＿
/ , !ｿ'/ 〉､,.ﾍ,_i / ヽ、:::::::＼ヽi:::::::::::::::::＼￣￣￣｀ .
._r 7 /:/／'"i!' ／i ! ヽ:::::::::::＞‐-: :＿＿_＼＿ ヽ
ｒ''i /:// /／ ./ l!、 ＞ _:::::::＿＿::::::::::::::::::::::￣￣｀7
r' /´// /´ ／ｌ l!゛ヽ_, ￣`ｰ､ ヽ._＿＿＿＿＿/
／ /´: :;ｲ f'_, ‐/' ! l!ヽ、｀ヽ ＿,, -=ﾆﾄ-､::::::::::::: : :ヽ、
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─＼
／ （●） （●） ＼ ……これは意外だお
| （__人__） |
./ ∩ノ ⊃ ／ 南部に現状への不満があるのかお？
( ＼ ／ ＿ノ | |
.＼ “ ／＿＿| |
＼ ／＿＿＿ ／
＿＿＿_
／⌒ ⌒＼
／-=・=- -=・=-＼ はっはーん
／::::::⌒（__人__）⌒:::::＼
| ﾄｪｪｪｲ | さては津軽成敗が認められなかったこと まだ根に持ってるお？
＼ ヽﾆﾆｿ ／
/
/
／::`::¬┬､
／::::／/i|:::::||:::ヽ、
//::::/::::/!」!:::::|!:::::|::/ヽ
. //;;;;;/;;,ｲ;;LｌL;;;||:::::|:`ｲ::!＼ ／
. ￣｀`T @￣ｱ:::::::|;;;;;:! |ヽ::＼ ／
ハ 丿￣゛゛ ｌ:::::::|うｉ;;:::＼::::::ヾ まさか
ッ 「＿＿ !::::::::ﾚ/::::::::::ヽヽ:::`,,
ハ ､`／ |::::ｉ:::j::ヽ::::::∨ｉ:::i::::::ｌ 髭野郎の為信には死んで欲しいが
ッ ヽ _」::/:ｌ:::､::::::,,:::::::ｌ::::ｌ:::::ヾヽ 今の南部に津軽征服の体力などありませんよ
ハ ´ |/::::ｌ::＞¬::::::::ヽ::ヽ::::::ヾヽ
,ﾉ::::/ ム::::::::ヽ::ヽ:::::ヾ＼
／:::::/ ＞‐',､´r ヽ:::::::::＼:::::::::＼＼
///////////////////////////////////////ヽ
//////////////////////////////////////////ヽ
.////////////////////////////////////////////∧
//////////////////////////////////////////////∧
./////////////////////////////////////////////////',
,/////////////////////////ﾄ､///,'|ヽ/////!////////////,
,'///////////////////, ' !///,'| '///,| .,////| ,////////////,
.'//////////////i//|i//ｌ |///,ﾘ |///| .|////| |////////////
/,'////////////' |//|!/,'| l,'/// |//,ﾘ |///,ﾘ |////,///////,'
.'/////////////| |//|!/ﾘ }/// |//ﾅ￣,ィ≦彡三ﾌ|i////////
.'/////////////{ !//{ ￣ ７//,' ｰ ´ ィ"´l::::::i:::::} ﾘ |i//////// ただ
.,'/////////丶 ﾏ二三三≧ミ ." ヾ≡ィ彡'.|!///////,'
///////////∧ ヾ ヾ;:::!::ﾉ ｀` "´￣ ｌ!//////// まだまだ一門も国人も強すぎるということです
///////////|i.∧ ゞｰ ￣ " , ﾘ//////// 必ずや 南部の将来にとって禍根となる
///////////|i/,ﾊ } //!////////,'
///////////|i///,ヽ ,.ィ ﾞ .／ .|///////// 連中を抑えるため さらなる拡大 さらなる流血が要る
///////////|i/////＞, . ー-=ﾆ二.彡'" ／./ .i/////////
///////////|i////r'´ ＞ . . ィ´ / ﾘ/////////
///////////|i//// ,'/{ ｀≧ ≦ ｒ ´ / '//////////
///////////|i///, ｌ! '. / ｀ヽ '//////////'
///////////|i// i| .ﾍ / ∧ .ﾘ///////////
///////////|i,/ i| .ﾊ ／i / } ./////////////
///////////|!, .i! ヽ ／ .ﾐ= く. !i ,'////////////,'
＿＿＿_
／ ＼
‐ ─ ＼
（ （ ●） ＼
（人__） | 戦争 ですかお
｀⌒´ ／
｀ｌ ＼
ｌ ＼
-==-
＜i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i＞
／:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i＼
/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i∧
. /:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:∧
i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iﾊ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i: ∧
iﾊ:i:i:i:i:i:j.i斗七ィ斧i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i∧
Ⅵ:i:ij. ィｊ以 ﾉ i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i∧ 闘争です
i:i:伐} ¨´ . i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i::i
i:ﾊ:〈 , 1 .i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i: i∧ 私には まだ闘争が必要なのです
Ⅵ:i:＼ く___ノ i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i∧
i:i:i:i:i:i＞ ィ i:i:i:i:i.＼:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i∧
i:i:i:i:i:i:i:i:i:i＞./:i:i:/／ ＞ ,:i:i:i:i:i:i:i:i∧
i:i:i:／／ .{ ./:i:i/´ ／ ＼:i:i:i:i:i:i:iﾍ
/¨´.ノ/:.:.:i i:i:i:i:i／ ヽ:i:i:i:i:i:i:ﾍ
＿＿＿_
／ ＼
/ ─ ＼
' （●） ＼
（ｌ､__） |
⌒´ ／
｀ｌ ＼
ｌ ＼
＿＿＿_
／ ＼
／ ＿, 、＿ ＼
／ （ ―）三（― ） .＼ （……やる夫にも必要だお 変化は
| '" （__人__）"' |
＼ ` ⌒ ´ ／ このまんまじゃ 荘内の回復なんて夢で終わっちまうお）
／ゝ "` ｀ヽ.
／ ＼
一部の者たちの焦燥と思惑をよそに、秀吉がまず考えたのは伏見城を再建せねばということだった。
／ /´ -‐…‐- .｀＼
/ /´ i !｀ヽﾄ､
. ,ﾍ ,' i ! ! | |i |ﾊ i ヽ
/ ゝ! ﾉ| ! !::__!::ノ ´ ￣ i::.i ｜!
＼ .| .:i i :i i |´ ノ ヽ ｀!､ﾊ:!
｀ヽi 从 i i | !:::::|
. | ＹﾊｉﾊN ニﾆ｀ ´ニﾆ '::::N
. | ヽゝ u ´ ｀ﾊ!｀ 水運を重視しすぎて 地盤が弱すぎたか
. |∧ Ⅵ! ′ ,':::|
ｊ/∧ _!::｝ 、 ⊂' ..ｲ:::::| 木幡山のほうに移すとしよう
///∧´ ∨ ｀ ,.... ィ´ﾞY:::::|
. /////∧ ヽ {ﾄ､∧ |::::::!
,＜￣￣∧ } ｀ヽ ＞''} {￣｀ヽ
. / ｀ヽ:::::::::Y´ヽ i´｀∨::::∧
/ ∨:::::| .:: ! i .:.: !::::/ i
城は近くの木幡山に、より壮大かつ堅固に築かれることとなった。無論、負担は諸大名に課されるのである。
このうち、材木調達を命じられたのは、良質の森林資源を擁する秋田実季だった。
. -=ミ ､
＼ヽ
. __Vﾑ ,- ､
／ ﾍ', } ７ ＼
. ／ ∧ Ⅳ,i| ! ヽ
. / i .}:ミ∨f千 } :､
/ i ,'| ! l 'Ⅵ ＼
. / ;' | ト.L__,: __,|/≦| |＼＼
{／| i:弋り 弋り|. | ｀丶
. | | ￣ ￣ | .! | じゃ 早速だが秋田家臣として初仕事だ
. | ﾊ .| ’ _, !.i | i
. |′∨.|、 ｰ ￣ ﾘ| ,'り 運搬経費を負担してもらうぜ 浅利さんよ
', !､{ ヽ__, ｨﾍ,. ｲニ!' Y
', |:} ／ ∠_}｜ﾆﾆ}＞､＿_
／フ´:iﾘ.!{i′ ー､.}L_ニ!:::::::::::y:::＼
／::{::::::::::|〈 j r-|==}７::::::::／::::::::::::Y
_{::::::::|::::::::::|_/ rﾁr=='::::::,:'::::::::::::＞'∧
/::::V:::::i:::::／:{｛ ≠ﾆ||ニi:::::/:::::::／:／￣::ﾑ
. {::::::::∨:::Y::∧ ヾ __,.ｲニﾆ||ﾆj::::/:::／::／::::::::::::::::}
. }':::',::::::>:´:::::∧＼＼}}ニﾆ||='::/／:,'::/::::::::::::::::::::/
i:::::::',::'::::::::::::::::::＼≧ﾁ∨｢||7::/:::::::ﾚ::::::::::::::::::::::::i
l::::冫:::::::::::::::::::::::::::＞='ﾘ二|!::i::::::::::{::,'::::::::::::::::::::::| ［秋田実季］
. |::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::／二.||:::|::::::::::ﾚ::::::::::::::::::::::: !
_, -＝―- 、
､'´ __ ｀` ､_
〉'´,￣ ￣_'`ｰ-､_ }
,' _ノ,-､ .,-､ ＼ .| |
,' ・ﾉ ・ﾉ ,､| .|
,' ___ ｀ ｰ- .| |
.l （ ` ､ L＿,-{
', 入＿___,､_つ-、 ） なーに言ってんの
. ',｀´ ´ ＼ T´
', ___. ', | 君への課役をどうして僕が負担しなきゃならないわけ
Y´ ＼ ', |
ゝ,､__,-､_ヽ、 ', |
(｀ｰ―‐'´ﾉ |
｀ーt-‐' |、
, -‐十‐__---―‐'フ 〉>､ ［浅利頼平］
／ / |イ;;;;＼ ／_,ノ/ ＼
,､-'´ -‐'''"´ｲ /-―‐､
／ /ﾐ､/彡! ヽ
/ / /‐―ｚ'=| ',
/ /| / | | ',
i | / | / | |!
l.,､-! /ﾆ|/ ,||-| l
',,= i /´, Ｔヾ ィ-ｧ- ! l
/ -| /ヽ-'| じ' | l
ｌ （! /｀ ー' ´ ヽ- ｲ l
ヽ､｣ / ｌ | .l ………
ｒ'´ ｌ ﾊ / | i
. r┘ l ヽﾄ-､._ ,､-‐――-､_,ィ/ |/
┘ ｒ-､ﾍ└‐‐‐`‐‐､..._,,､ｒ‐'-ｭ___
ヽｒ┘ ｀ヽ,:::::::::::::| |:::::::/::// / ｌ
-' ‐--､_＼:::::::ヽ'､ ヽ!/／ ｀''i_
こうして、あっさりと比内紛争は再燃。秋田実季は和睦を破棄し、討伐軍を派遣した。
/, / ｲ l /: : : : : : : : : : : :＼ ﾄ
// l ﾉ'// /l /: : : : : : : : : : : : : : :l l::ヽ
// ,/ ./ / ﾄ,l /: : : : : : : : : : : : : : : :l l: :>
/' ,ｨ' / / / l /: : : : : : : : : : : : ,: : : : :l l´ ｀
l /ﾚ´ /｜/ ＼: :＼: : : : ::／ : : : ／l l
ｌ / / ,,; / l/ ＼: : : :i::, :,:, : :／ l l
_,,,,..-,,ﾚ._/ ,;;; / ' ・ ＼',:|}li|,':／ ・ |ﾉ
..-''' ￣''''-,;;;;: l､ _,....::''::''::'ﾆ...,,,,＿＿_
,/'F-'｀'＾'-っ---...,,ノ};;; ,; l ｀':':':':':':':':´: : : : : :i!: : : : : : : : : : ￣
'''´ ／ ｀'i'｀'''-.....l r......;,;,;,: : : : : : : : : : : : : : : ;,;,;.:.:..-─' あんだとおおおおお！？
.::/ l l´｀'''-､ ￣￣￣￣￣￣￣
..::::/:... .:/ l l ∧ ∧ ∧ ∧ ∧ /
:::::::::::::l:::::::::::::::::::::::l::::::.......... l l/::::::∨::::::∨:::::∨:::::∨:::::∨
::::::::::::l:::::::::::::::::::::::l:::::::::::::::::::::.l::........ l､∧::::::∧:::::::∧::::∧::::∧::::::/
::::::::::::l:::::::::::::::::::::::l::::::::::::::::::::::l::::::::::::::.l, ∨ ∨ ∨ ∨ ∨
::::::::::::l::::::::::::::::::::::l:::::::::::::::::::::::l::::::::::::::::l＿＿＿＿＿＿＿＿＿_／
:::::::::::::',:::::::::::::::::::/::::::::::::::::::::::l::::::::::::::::l､: : : : : : : : : : : : : : : : ／ ／
わずか数ヶ月にして、公儀による調停は失敗に終わったのである。
紛争解決が袋小路に陥るなか、新たな介入者が登場する。
} | ヽ. ヽ ＼＼ ヽヽヽ. |l ヽ
ｲ | ヽ ヽ | | 、 Ｌ! ＼__j｣ | ｜
l | { , ﾍ. | └┘ ｀¨¨´￣ | | ﾄ､｜
| L厶‐'´ ＿,.＼j -＝ｔ‐┬‐'} } ! }｜
r┘ ￣下丁￣ ､_ |{ _j＿`１ | jノ
| ` ='ゞ亠‐' |｜ ￣￣ l |
｜ ｜| | |
! i | | | | もうこんなのどうしろってのよ
l l / ｜
卜 し _＿ /} |
| ﾄ 厂 _＿〕 く｜ ｜
├'´ ヽ ｀¨¨ ￣ ／ | |
! ､ ,.ｨ l ﾄ､
ﾄ､ ｰ---イ | l | ＼ ［浅野長吉］
! ＼ ハ | l !
| ト ｛ ､___j,ﾊ::::::.. ｕ ﾉ | //|
￣￣丁 Tニ==―' ｝ i ::::ー----┼ ┼ 7T¨¨￣
| | _. ⌒¨¨⌒丶:::::::::::| ｜//|
| | ＼ ￣｀´￣ .ｲ::::::::| ｜//| ……浅野殿
| |> . /＞‐--‐＜:J:::::::::| ｜//|
L.. | :::::＞､ }川_＿..::／ﾆﾆ| ｜//|
_＿,.＞へ.{ {:::: ｀ ｰ--―＜::::ｉ: : :ト--‐'"
＼: :＼:::.. 丶 ..:::::::::::ノ : : | ＼
| | |
| | |
i､ _, -!--'- 、 ,'i
＿!＼ _, ' 丶 ／/
＼ ` ー---=ニニニニニﾆ=-`ー' ＞
ｰ'=----- ､------t'^tｰ-----,-t----~=-
i | |ヽ､_,,／/i i ＼, ノ | | |
| | | | |. ¨ | | | 儂はやはり 浅野殿が初めに言ったように
| | ﾄ､. ! ｜ r:| | | 両者を呼び出して直接白黒をつけるしかないと思う
､ .| | |:::i ん､_,,ふ .i:::| | | ,
. ` ー====＝ニﾆへ,_ へﾆニ======-ー' 裁判の席を設けるべきです
| | |::::! ＜ -ｰ-ｰ-＞ .|:::| | |
| | | u `>-=-く .|__| |
レ'＞ ､___ ,,,, .,__ノヽヽ､|
`-ミニﾘ| ＼＿i;;;i ／/ ヽへ < ［奉行・片桐且元］
／::/:{ヽヽ V / /::::ﾉ:::::＼
奉行として土地争いにも関わってきた片桐且元。
且元は両者上洛の上での最終決着を図り、活動を開始することになる。
公儀の波乱はまだ続く。
九月。大坂城に場を移し、明国正使謁見の儀が執り行われた。
三三三||三三┌───────────────────────┐三三||三三三
三三三||三三｜ ┌────────────────┐ ｜三三||三三三
三三三||三三｜ ｜ |! ｊ! ｜ ｜三三||三三三
三三三||三三｜ ｜ ,.., ﾉノ ｜ ｜三三||三三三
三三三||三三｜ ｜ (ｒ' ｡'" ｜ ｜三三||三三三
三三三||三三｜ ｜ ､ﾟ,.'-' ﾄ,ﾉヽ i |. ｜ ｜三三||三三三
三三三||三三｜ ｜ i! _r‐､ ﾉﾉﾂ,.) !､l､. ｜ ｜三三||三三三
三三三||三三｜ ｜ ヾ ~｀)) ｒ'彡ﾉ彡 ヽ-‐ｭ... ｜ ｜三三||三三三
三三三||三三｜ ｜ ｒ, （ ｀ ,.. ,三' ｒ' ﾆ='､ ｜ ｜三三||三三三
三三三||三三｜ ｜ i! ｀''"ヽ ｊ ､＿ｒ､ ,.=､.ノ ｜ ｜三三||三三三
三三三||三三｜ ｜ ヾ _,.〃 ´￣￣､.ノ ｜ ｜三三||三三三
三三三||三三｜ ｜ (ヽへl＾l＾lﾍｒ'ﾌ .〃 ｜ ｜三三||三三三
三三三||三三｜ ｜ '"ﾞﾞ'ﾞ〃ﾞ'"ﾞﾞ'",.-―'". ｜ ｜三三||三三三
三三三||三三｜ └────────────────┘ ｜三三||三三三
二二二二二. └────────────―──────────┘ .二二二二二
∩ ∩
/~ﾐ｜| | |〃ヽ
| | ∧ユ∧ ∧ユ∧| |
|_|（ ´_ゝ`） （´∀｀ ）|_|
/＼￣￣,〉ヽ /〈￣￣／ヽ
〈_＿|⊃-/＿ﾉ 〈＿ヽ-⊂|＿_〉
/ ｜ / / | |
￣￣￣￣ ￣￣￣￣
∩ ∩
/~ﾐ｜| | |〃ヽ
| | ∧ユ∧ ∧ユ∧| |
|_|（ ^o^） （゜Д゜ ）|_|
/＼￣￣,〉ヽ /〈￣￣／ヽ
〈_＿|⊃-/＿ﾉ 〈＿ヽ-⊂|＿_〉
/ ｜ / / | |
￣￣￣￣ ￣￣￣￣
ここで日明講和は決定するはずであったが―――
∧∧
／ 明 ＼ 汝を日本国王に封じ 金印と官服を下賜するｱﾙ！
（ ｀ハ´） 彡 なお 勘合貿易の懇望は受け入れられないｱﾙ！
(m9 つ
.人 Ｙ 彡
レ'（＿）
´: ／二二二二二｀丶
／: : :.:/ : : : : : : : : : : : : : : : ＼
/: : : : :/: :/: :/: : : : ハ: : :ヽ: :＼: ＼
. /: : : : :,' : /: : {: : : : :ﾉ:ハ : : }: : : } : : ヽ
': : :i: : :{__/ー┘￣￣ ￣｀ヽﾉ:j: : : : '
|: : :l: : :| ノ ヽ Ⅳ: : : :
∧＿__j: : :| : l:| ┬┬ ┬┬ !: : : !:Ⅳ
| | .: ;ﾚ:.八 t:::ﾉ ｔ:::ﾉ : : : :N
｀ー一'| : { （￣ ': :ﾚ'┘ ………は？
|: :{＼ﾉ ' {: :|
|: :＼: ｰﾍ. ,' : |
|: : : :Y⌒ﾞﾄ 、 ⊂｀ ｲ: : :|
. ,': : : /| | ＞ __ , イ .|l : : |
/: : : /│ | /: : | |: ∧|
秀吉はことを理解するのにしばらく時間を要した。
´: ／二二二二二｀丶
／: : :.:/ : : : : : : : : : : : : : : : ＼
/: : : : :/: :/: :/: : : : ハ: : :ヽ: :＼: ＼
. /: : : : :,' : /: : {: : : : :ﾉ:ハ : : }: : : } : : ヽ
': : :i: : :{__/ー┘￣￣ ￣｀ヽﾉ:j: : : : '
|: : :l: : :| ＿＿,. ,.ノ Ⅳ: : : :
∧＿__j: : :| : l:| ＿ ＿ !: : : !:Ⅳ
| | .: ;ﾚ:.八 代_刀 代_刀 : : : :N
｀ー一'| : { （￣ ': :ﾚ'┘
|: :{＼ﾉ ' {: :| なにを言っとるんじゃ こいつは
|: :＼: ｰﾍ. ,' : |
|: : : :Y⌒ﾞﾄ 、 ⊂｀ ｲ: : :|
. ,': : : /| | ＞ __ , イ .|l : : |
/: : : /│ | /: : | |: ∧|
明国皇女を天皇妃に迎えること、朝鮮南部の割譲と王朝自体の従属、そして勘合貿易の再開。
以上、秀吉が出した条件のうち、二つは触れられもせず、一つは完全に拒絶された。
小西行長が強引に進めてきた対明交渉の欺瞞が、暴露された瞬間だった。
,=､
_ノ⌒ﾆ=ﾐ､
γ::／ __ノ 廴ヽ
｛::::{ γ⌒Y⌒ヾ
（:::::ﾐ〃､__,ﾉう__人
`'rく {｛ __ }｝ } 殿下 私ではこの条件で手一杯でした
{て ､ } } ´⌒r ┴ｭ、
｀¨＾`トL.,__广´⊂ﾆ)
fﾆﾆﾆ{ rＪ
-=ﾆ｀ﾆﾆ人 丿 ト
f´ﾆﾆﾆﾆﾆﾆニﾉ__frし┴,ﾆヽ
|ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ/ ﾆﾆ}{ﾆﾆ圦ﾆﾆ
|＼ﾆﾆﾏニ/ ﾆﾆﾆﾊﾆﾆニﾏニ
|ﾆ=＼=}=/ ﾆﾆﾆ7={ﾆﾆﾆﾆﾏﾆ
|ﾆﾆﾆニ/ ﾆﾆニ7ニﾏﾆﾆﾆﾆﾏ{
|ﾆﾆニ/ ﾆﾆﾆﾆ7ﾆﾆﾆﾏﾆﾆﾆﾆ
|ﾆニ/ ﾆﾆﾆニ7ﾆﾆﾆﾆ｝ﾆﾆﾆﾆ}
､ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ7ﾆﾆﾆニ{ﾆﾆニノ
＼=ﾆﾆﾆﾆ7ﾆﾆﾆﾆニゝｋ ´ ［小西行長］
｝＼＿／ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ
先の二条件を困難と見た行長はそれを現場で握り潰し、貿易再開のみを伝えさせていたのだ。
しかし、明側からすれば、大乱のケリもついていないうちから皇帝の恩賜である勘合貿易など認めるわけにはいかない。
ただし、勘合貿易の前提となる冊封（中華が蛮夷を封じる）だけは、講和の証として認めてやった。
結果が、この惨状である。
/l /:.l ,..ィ７
ト、 /:.:!/:.:.:L イ:.:.:.:/ ,,...ィ/
ト、 l:.:.ヽｲ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ィ´:.:.:.:./
l:.:.＼!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./ ＿_
、 j:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.￣:.;ィ__,
V｀:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. : : : : : : : : :.:.:.:.:.:.／
r:.:.:.:.:.: : : : : : : : : : : : : : :,ｨ }、: : : : : く__,
＜:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.;′:.:.:.:.:.:.;′ﾑ:.ハ:.:、:.:.:.、イ
／:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.;.:.:.:.:./!:./ .j!≧j:LV:.:.:.:ゝ、
∠;.:.:.:.:.:.:.:.:.:.厶=、:.:,:.;/ ﾚ' ´ d' !ﾍj! ￣
ノ:.＿:.:.:.:.:.:.:.:.{ ﾊ:./!:! |l|lｰﾆ!´ 丶、
￣ !:.:.:.:.:.:.:八ゝ/ l! u l l l _ ﾉ で 殿下……朝鮮も明も苦しんでいます
ﾉ:.:.;ィ:.:.:.:.:.ゝｰ- ! u , ｨ 二 ｰ ,′
/イ´ l:.∧:.:.:.:,′ゝ （＿ r ノﾉ ひとまずは ひとまずはこの条件で―――
ﾚ ﾍ:.:,′ 、 ｰ ￣/′
, ィ ! ｀7 ー＿
/r' ﾘ ﾍ ∧´ ｀＞、
,′Vｲ ﾍ ハ ヽ lヽ、
r〈 ＼ { ﾊ、 ! ー--
行長は自らの手で終戦に導くことに執心するあまり、最悪の形で破局をさらけ出してしまった。
秀吉はようやく気づいた。
／: :／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ : :＼
/: :∠:＿:_／ : : : : : ／.: : : : : : : : : : |: : : : ヽ
/: /: : :/ ｀￣＼／ : : : /| : : : : : : |: : : : : :'.
/／|: : / ＼ 丶 ￣￣￣ |_: : : /: : |/ : : : : |
/: :,ﾚ'/ ・ ＼ - ＼/: : :/: : : : :| j
/: （ ,' ー‐ ー───＼/: : : : : / ′
. / : : ヽ{ ､ ・ /: : : : : : : '＼
/: : /: :/'. ￣ 厶: : : : :/:/ > わらわは
. / : :/ : /八 /／∧/:/＼／
/ : :/ : / / ,＿_,ノ: : :/ わらわはそちどもならうまくやってくれると思った
. / : :/ : / /: :/:.>､ 二) ｨ/＼/: : :./
/ : :/ : /＼/:_:/_/:___/＞r---z‐=ｧ＜: / /:/ : / じゃから拾への権力移譲に全力を尽くして―――
. / : :/ : /: : /＿＿_＿_＿_,入￣ （ : : / /: {: : :|
/ : :/ : /: : /{ / ﾉ＼ ｀ﾞ７＼/l : |: : :|
気づくと同時に激怒した。いや、恐怖だったのかもしれない。
/: : : : i: : ::i: : : : : : : : ::i: ::i: : :/: : : : :/ ｉi i: : :i:i|: : : : : : i: i: : : '.,
/: : : : : i: : ::i: : : : : : : : :i: ::i: ::/|: :＿_/ ﾘ ｀ヽ､jゝ､: : : :ｉ:i: i: : : : ',
/: : : : : : ｉ:: : :|: : : : : : : ::ｉｉ: :ﾚ'´ ｀´ ｀ｰ-､j､: : : : i::i
f: : : : : : : i:: : :|: : i: : : : : ｉ i: | .u ､ ＼: : :i:i
i: : : : : : : :',::::::|: : i: : : : : | i: | ._＿___‐-､＼ i＼j:i
|: : : : : : : : i:::::|: : i: : : : : | i: |豸´乍釜ﾐｭ､ヽ＼_ ﾉ _ }:::::::ii
|::: : : ,: : :::γ‐|: : |i: : ｉ: : | i: | ､ う::tj::ﾟ厂':, ,-―'´ ﾑ::::::ii
∧ |::::: ::,': : : /,-､iﾄ､:|ｉ: ｉ:ｉ: : | ヾ､ ｀￣¨¨¨´ ',ｨ＝rｪｭ. /:::::::::,ﾘ
/ ＼_|::::::::i i: : { ,-j ﾘﾍj: i: : i ヽ ぅfi::ﾟ厂`/:::::::i:::j
i |::::::j :i: : { / ( ｀ヽ､j ｀ ヽ｀寸ﾉ /::::::::::ﾚ'
{ i::::/ :i￣ゝ､｀ヽ｀ / /::::::::::::|
ヽ､＿__i:/: :i ＼ ｀ _＿ /::::::::::::::i
/j: ::,ｲ i ｀ｰ､ ／―-｀ヽ､ ∧:::::::::::::i 結局 わらわが目を離した途端！
/:j: :/::| i |::ji ( ｀Vｉ ,':::|＼::::::i
/: ,'::/::::ｉ ｉ |:八 ゝ ｿ 人::| ＼j そちどもが始めたのは功名争いと足の引っ張り合いか！！
./: ,'::/:::::::i |ｉ ≧｡ ｀ｰ‐‐' ，ﾟ:::::::i
/: ,'::/:::::::::::} ji ＞､ ， ﾟ:i::::::::::::i
./: ,'::/:::::::::::::ｉ ji ＞､ ，ﾟ ￣｀ｉ::::::::::::{
/: ,'::/::::::::::::::::} i 厂￣￣￣｀ヽ､ ≧r―‐':f }:::::::::::::ｉ
./: ,'::/:::::::::::::::::::i ﾘi r‐ ､ Y´厂￣}::::::{ j::::::::::::::i
-―‐-､//＿＿_,-―j } / j { {:::::::{_ ﾉ::::::::i::::::i
｀ヽ i | / i ヽ i___::::} {:::::::::ﾉ::::::ｉ
＼ i |＿___/-――f⌒Y_} { ｀ | ヽ―'´￣￣｀ｰ―
iヽ レ'⌒ヽ､ }二二二二二{ﾆﾆ}￣｀ヽ､ | _＿_j ,
i ｉ i:::::::::::::::::｀i二二二二＞ｲ二ﾉ二二ﾆ＼レ'i: :i: :ヽ ／ ,'
秀吉が信任する公儀トップの能吏も勇将も、所詮は自身の功績しか頭にない。
わずかでも手綱が緩めば、こうして政治全体を歪めるチキンレースを始めてしまう連中なのだ。
行長の首は刎ねられるべきだった。
綱紀を粛正し、公儀の組織全体を再構築しなければならない。拾丸のためにも。
＿＿＿＿
'"´ : : : : : : : : : : : ｀丶､
/ : : : : : : : : : : : : ／|: : : : : ＼
/＼ ,': : : : : : : : : : : :,／ |: : : : : : : ヽ
. 〈 ｀￣￣ }'⌒{￣￣´ | : : : : !_;_／'.
＼＿＿／:｢￣＼_＿_＿_／ : : : : |＿＿j
│: : : :.|: : : : : : : : : : : : : :| : : :|: : : : |
|: : : : : i: : : : : : : : : : : : /|: : : |: : :j:│
|: : : : : i: : : : : : : : : |: :/7´): : ﾄ､:∧:| ゆきながを
│ : : : : : : : : : : : : : ∨ l f: : :│/￣
. |: : : : : : : : : : :'; : : : '､ | ﾚ｀ヽj〈 r'⌒ヽ. ゆきながのくびをっ……ゴホ
ｉ.: : : : : : : : : : :ヽ: : : ﾍ!J u ハ (´ ｀)
'. : : : : : : : : : : : ＼: : :_Ｖ⌒) j ﾐ ゝ,___,ノ´ ゲホッ ゲホゲホッ ガホッ！
rー--ﾍ : : : : : : : : : : : : `く_,ﾊ__（_ノ r'⌒ヽ.
ハ:::::::::| :ヽ : : : : : : : : : : : : :＼:::::::｀ヽ (´ ｀)
/ ';:::::::| : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼:::::::}ヽ ﾐ ゝ,___,ノ´
,′ !::::::| : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ:::| |
{ |::::::| : : : : : :＼:: : : : : : : : : : : : :∨ │
しかし、それを貫徹する自信が、今の秀吉には持てなかった。
公儀は巨大になりすぎた。それを担う者たちの権力も肥大化した。
(＼ ＿＿＿＿＿ /
／´ /／ ヽ⌒ヽヽ ／
/ , -| (・|∠ |-ヽ ＿
/ ／ ` ー ●ｰ′ |＿
ｌ / 二二 | 二 /
. | l ／⌒＼─ | ー ／ 殿下！ 行長は人材だ！ 使いようだよ！
| | / ￣￣￣/￣
| | | / なんとか死だけは免じてやってほしい！
/⌒ヽ | | /⌒ヽ⌒ヽ |
ヽ＿ﾉ＼ ヽ` ー────┴ フ
//＼ `━━━━６━━ ´─/⌒ヽ
/⌒ヽ￣ ／ ヽ ヽ＿ﾉ
ヽ__ノ ┐ / ┌───┐| |￣ //
再改革となれば、彼らは一転して抵抗勢力となり、秀吉の死後まで混乱をもたらすだろう。
＿＿＿＿
'"´ : : : : : : : : : : : ｀丶､
/ : : : : : : : : : : : : ／|: : : : : ＼
/＼ ,': : : : : : : : : : : :,／ |: : : : : : : ヽ
. 〈 ｀￣￣ }'⌒{￣￣´ | : : : : !_;_／'.
＼＿＿／:｢￣＼_＿_＿_／ : : : : |＿＿j
│: : : :.|: : : : : : : : : : : : : :| : : :|: : : : |
|: : : : : i: : : : : : : : : : : : /|: : : |: : :j:│
|: : : : : i: : : : : : : : : |: :/7´): : ﾄ､:∧:|
│ : : : : : : : : : : : : : ∨ l f: : :│/￣ ｾﾞｰ
. |: : : : : : : : : : :'; : : : '､ | ﾚ｀ヽj〈 ……行長の死を免じ
ｉ.: : : : : : : : : : :ヽ: : : ﾍ!J .ハ
'. : : : : : : : : : : : ＼: : :_Ｖ⌒) j 改めて先鋒の将とする
rー--ﾍ : : : : : : : : : : : : `く_,ﾊ__（_ノ
ハ:::::::::| :ヽ : : : : : : : : : : : : :＼:::::::｀ヽ ｾﾞｰ
/ ';:::::::| : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼:::::::}ヽ
,′ !::::::| : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ:::| |
{ |::::::| : : : : : :＼:: : : : : : : : : : : : :∨ │
秀吉は、行長を助命した。目立った処罰すら加えなかった。
／／_....:‐‐:.:.:─,:.:-:...､ ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.丶
／∠イ:.:.:.:,:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:｀ヽV:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
/:.:./:./:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.j!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:',
/:.:.:.:./:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:l:.||:.|:.:.:.:.:.:.:.i:.:.:.!:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:',
/:/:.:.:.:.:.:.:.::/|!:.:.:.:.:.:.|｣ | |:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.!:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l
,:./:.:.:.:r― ´ ー―'´ ｀ー ､:.:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:!
,:.:リイ´ ｀ヽ:.:.:.:}:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:| ＿
.':./:.:.:! u. ＼/:.:.:.:.:.:.}:.:.:.:.:}─‐ ' /
|:.|:.:.:.:', __＼::::::::::::::::::::::,ノ__ /:.:.:.:.://:.:.:.:.:.ト､＿＿_/
|/|:.:.:.:.', ''７｡ﾈミ､::::::::::: ' ,=ﾃ｡≡ﾇ- /:.:.:.:.://:.:.:.:.:.:.'
. ﾄ､:.:.:ﾊ ぅ_ｿ ::::::::::::: _ぅ__:ソ /ｲ:.:.://_ヽ:.:.:.:.'
ト､∧ 〃j／ /( |:.:.:.:.! 宣戦じゃ
|:.:.:.:.:, ノ／:.:.:.:.|
|:.:.:.:.:.., ｀ .ｨー:.':.:.:.:.:.:.:.| 高麗南半のことごとくを平らげ 唐に現実を認めさせてやる
|:|:.:.:.|:.ヽ. ‐っ !:./:.:.:.:.:.:/:.:.:.:|
|:|:.:.:ﾊ:.:.:.:＞.. , |:.l__:.:.:.:,ｲ:.:.|:.:.| 行長はそこでの戦果がすべてと思え
|:|:.:.:|:.}'⌒ﾞ|:.:.|｀:>､ -=' ＿_ノV ヽ/|:.:.:.:|:.:||
||:.:.:.|:.| |:.:.|:.:| ｀{/!￣￣ / /:.|:.|:.:.|:.:l:|
||:.:.:.|:.| |￣｀_Y⌒ヽ==- ､_ / /:.:.|:.|:.:.|:.:.||
ﾉ:.:._ﾉ=| |:::::::ノー(⌒::::::::::::/ , ｀ ー :._!:.:.l|
/⌒´/ | |｀フ::/ |｀|ー ､_,' / ￣｀ ＞､
/ } }-､ノ /:::/ |::::! /-､ノ ／彡´⌒ヽ
/ | /:.:.:| /::::/ |:::::! /:.:.:.} ／／ !
そして、ただ公儀の面目を守る再戦だけが決定された。
秀吉の心は晴れなかった。
´: ／二二二二二｀丶
／: : :.:/ : : : : : : : : : : : : : : : ＼
/: : : : :/: :/: :/: : : : ハ: : :ヽ: :＼: ＼
. /: : : : :,' : /: : {: : : : :ﾉ:ハ : : }: : : } : : ヽ
': : :i: : :{__/ー┘￣￣ ￣｀ヽﾉ:j: : : : '
|: : :l: : :| ノ :::::::::::::::::::::ヽ Ⅳ: : : :
∧＿__j: : :| : l:| ┬┬::::::::::::::::┬┬ !: : : !:Ⅳ
| | .: ;ﾚ:.八 t:::ﾉ ::::::::::: ｔ:::ﾉ : : : :N
｀ー一'| : { （￣ :::::::::;; ': :ﾚ'┘ （かくなる上は 拾への移譲を……
|: :{＼ﾉ u. ' {: :|
|: :＼: ｰﾍ. , -- ､ ,' : | 拾の独立を急がねば）
|: : : :Y⌒ﾞﾄ 、 ｰ'⌒ｰ' ｲ: : :|
. ,': : : /| | ＞ __ , イ .|l : : |
/: : : /│ | /: : | |: ∧|
まもなく拾丸の元服、そして大坂城への移徙（わたまし）の儀が盛大に執り行われる。
同時期、「文禄」は不吉として「慶長」へ改元された。
拾自身は伏見に戻ったものの、新たな天下、新たな大坂城の主を演出しようという意図は明らかだった。
__
へ ./ﾆ ＼
/ﾆﾆﾆ＼_/ﾆﾆﾆﾆ＼
,ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆハヽ＿＿＿
ー, ,ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ=-- --=ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ=-
' /∧ {ﾆ=- -=ﾆ_三ﾆ=---示=ヽﾆﾆﾆ=- '" へ
. ' /∧ _ -=ニ=- ” イ::ヽヽ 〈 {::::} 〉V '" / ／
' /∧_ -=ﾆﾆ r'' ヽ ゝ:ﾉ ' ｀¨,´ .， ./ /
. ' /∧=ﾆﾆﾆ., ､-〜ﾉ ， .ﾉ /
' /∧ ， ゝ' , ／ /
. ' /∧ ,; Ⅵ.／
' /∧ .} ./ / :.
. ' /∧ , , |
' /∧ { { r==､__ }
r-/ | |------------ F彡-==T=ミ､
〕 '/| |----------==≦ llニニ|ﾟ o }}
}≧| |=≦ﾆﾆ.oﾆﾆﾆ..ｏ彡llﾆｏ彡⌒}’ ［拾丸改め秀頼］
|.ｏ.| | ,ｏﾆﾆﾆﾆ=- '" ￣ .|
|¨ .ゝ'.∧￣￣ ,
, ' /∧ ，
ここに、豊臣の宿命を背負う秀頼が誕生する。
┏━━━━━━━━┓
伏見 最上屋敷
┗━━━━━━━━┛
カーンカーン
/◎))）
/ / ：
∧∝∧з / / ：
（･ω･´;) / / ：
[]-Ｏ-Ｏ )ヾ / / ：,
／-(_(_＿)─＼ / / ：,
／――――――＼ / / ：,
／――――――――＼ / / ：,
￣|￣￣￣￣￣￣￣|￣ .∧＿∧ / / ：,
| 田 田 | .（ ・∀・） / ､ ∩__
| |￣￣| | |/ つ¶＿_/ ヽヽ /;;;; ヽ
|＿＿|＿＿|＿_＿| L ヽ ／. | ヽ ニ三 |:;;;; |
＿∪ |＿__| ＼;;;;＿ノ
∧＿∧ [＿＿＿＿]＿
[ニニ∩｀･ω･)] /＿＿＿＿＿_ヽ_ヽ
ヽ ノ |＿＿＿＿＿＿|＿| ガガガ
(( しーＪ /◎｡◎｡◎｡◎ヽ= /￣/
ヽ_◎_◎_◎_◎ﾉ=ﾉヽニヽ
＿＿
{:.:.:.:.:.:.:.:.:￣:.:.ヽ
r‐=':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
|:.:.:.:.:.:._:.:,l:.:.／:.ｲ:.:.:.:.j:＼
|:.:.:.:.:/iY:.l:.r弋ｯ':.xイ/／ 若殿からの見舞いの品だ ついでに俺からもな
|:.:.:.:.{ (fﾍl/ ￣ ﾗ
ヽ:.:.:.≧─ｉ -‐j＿ しかし ずいぶんひどくガタついてるようだな
r‐＜ ト / /
i! | tｰ' /
〈 ◯ | ｊ | _ -‐,
≧ x ｭ | L ＿ レ Ｏ ｲ
＼ ヾ ー‐ﾔ ＼￣￣/ |
､ ＼ ﾄ ヽ / o | ／!
ヽ Y . ＼| ＼ Y o |ﾍ ／ | ［最上家臣・江口五兵衛］
ﾐY | i ヽ ヽ |i o Y=＝彡．イ
≧= i!ｏ/ ｏ, ｉ 丶∧ I=＝f｀r､ .イ}
─フ￣'二= ､ | 「￣l ｌ o | ／/,ﾉ jｰ=彡= '
／／／￣ ＼! l ! | } | ／ﾉく
ｰ/ / ,イ￣｀ ヽ───＞‐､ 人 ヽ
_ ゝ'ｰｲイ⌒≧ｨl__丿-＜´ }イ Yヾ ヘ
ゝ' ノﾉ｀ヽ イ .ﾉ } }
ヽ＼ ／ Y イ=-＜∠ ＿ ノ
＿＿__
／ ＼
. ／ ＼
. ／ ／） ノ ' ヽ､ ＼ 地面から水が噴いちゃって まともに修築できんのだお
| ／ .ｲ '（ー） （ー） u|
. /,'才.ﾐ). （__人__） ／ どこの家も難儀してるみたいだお
. | ≧ｼ' ｀ ⌒´ ＼
／＼ ヽ ヽ
_ _
／: :`: ´: :＼
. : : : : : : : : : : : ヽ
/: : : : : : : : : : :l: : : ヽ
/:./!: :/／ : : : : | : : : 〉
∨_|l/ﾉ彡ノ/: : :} : 〉:./
{〈V弋ｧｲ: : ,zｧﾇ';У わざとすっとぼけてやがるか？
ヾﾍ_￣/イ ￣ﾊｿ __,
r＜ |､ ー' ｲ:/r＜ / 太閤のことだ 言っているのは
「ﾆ - _ (} Ｏ |::｀:ｰ:´::|' ! / ／}
| | ＼ ｀ヽ､__,ﾄ､j＿＿ヽ-‐ｧ:::|ﾐ l＿|_ ィ/∠ |
| | ＼ ◯ 丶 Ｑ/::::::::||::|//// O,|
| l ／`ヽ＼ '.:.:.:.lﾄ､ ::: ||::|/// j
∨::::::::::∧ ヽ .:.ll:::',:::::||::|// /
_>:::::::::::∧ Y´) O:ll::::ﾍ:::!!::!/ ◯/_
≧=::::ｰ:::::〉 ,!｀ :ll:::::::Ⅴ:::|iＯ /::/
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─ ＼
／ （●） （●） ＼ ……まだまだ荒れそうな空気だお
| （__人__） |
＼ ｀ ⌒´ ,／ 喜吽 再戦について他家の反応は？
/⌒ヽ ー‐ ｨヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ ／ r─--⊃、 |
| ヽ,.ｲ ｀二ﾆﾆうヽ. |
＿_
,.-''";;;;;;;;;;｀`'ヽ､
／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、
/;;;;､;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;､
,!;;;! '~ "~ `i||i" '' `ﾍ;;;!
|;;;| ヽ` u ﾐ;;;|
_ゞ;!,-;;;;;;;"ﾌﾉ ヾ`;;;ヽ ､ﾐ;ﾘ
!ﾍl;|.,,_==-､く｀ ,>ﾞ-== 、｢ヽ
!(,ﾍ! ￣'" |ﾐ.'￣" , ﾄﾞﾘ 冗談じゃないってのが第一
ヽﾞ､! !ﾐ ,ﾚｿ
`| ^'='^ ﾑ'′ 人は死ぬ 負担は大きい
. ﾄ､ ､,.-‐ ､,, /| 講和もダメになっちまって 早期の加増も望めん
i| ＼ ' ニ ｲ.:|
,ｲi| ﾞ､＼ ( ／ﾘ.:;ﾄ､
ノ :.:i| ﾞ､ `ｰ─''ﾞ:::;:'::::::!:::＼ ［堀喜吽斎］
＿__ ＿
-‐''"´￣ ｀ ｀''ヽ=､
,.‐''"´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
r（:::::::::::::::::,、_ｨ::::::::::::::::::::::::::::::::::
ゞ, ｒｒ〜ヅ ﾐ:::::::::::::::::::::::::::::::::
ﾌﾊ ﾐ::::::::::::::::::::::::::::::
. l __,,. -─¬,〈::::::::::::::::::::::::::::::
〉ﾞﾞ`'''Tjフ￣ ヽ::::::,ｨ ,､ヽ::::::: 特に 西国武士の負担はシャレになってないようだな
. / ,.‐'" }:::/ /ヽ ﾊ::::::: 軍役を果たせず 逐電や所領没収に及ぶ例もあると聞く
/.. "´ ２ﾉ/ l:::::
. ヽ.ﾆ,｀ __／ :l:::: 加えて この地震と秀頼公への奉仕
. 'ｰr_‐; .ｨ l::: みんな頭を抱えてるよ
〈.. /:{ ヽ
｀} ／:: ! i
丶、,､. イ:::::: !
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
＜:::::::::::::::::ヽ::::::::::::::Vi ´ﾟ⌒ヽ ゝ、
＞::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、 i （ﾟ
∠:::::::::::::、:::::::＼＼＼::::::ヽ ,.ィ} ,) 破産やあああ！ ※家臣の知行没収に及んでしまった人たち
/／ }::ﾄ;::i メ、::::::＼＼＼＼::::i (|! ＿ もうおしまいなんやああああ！
/::i ／ il￣i::::::::＼＼＼:::i} ）:´:::∠..-:::=-
{/i'' ・／ i::r ‐、:::/:::::::::}/ﾟ::::::::::::::::::::{..._ ＿＿＿＿_
t ┘イi／ i v' ）/,ｨ ヽ'ilﾟ⌒｀ﾐヽ:::::::::::::::｀::..._ __「:::::::::::::::::::::::::￣フ
＼／ | ≦:i i il .il|ﾑ-z::::::ヽ￣￣ ／:::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::＞
|＿＿_| ミ´ ／il il ・ il .i! /::::::::::::ヽ ∠:::::::::::|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
i////| ` ./、 il .ii il |/::,ｲ:::::::::::::ヽ ［毛利輝元］ /:::::彡ﾚ|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
-=ﾆ二}. .//∧ i! ii iﾚ, i::/ i:::::::::トミｘ、 ＿_,/:::/'i c |:|:|:::|:;lヾ:::::::::::::::::::::::::＼
, . .、 へ ＿i///」 . ////∧ i! .il ヽﾐ、i::::::::} ／￣7 /::::/ ﾞ＝':|::|:/ｲ c｀i:､:::::::::::::::::::＼
／: ⌒:＼／: o: :＼―‐z／ .//////∧ i! il ・ ヽi:::i!リ ／ / /|::::| , | ﾞ＝'':::〉:::::::::::::::::＼ ………
: : : : : : : :＼: : : : : :＞< /⌒ヽ////∧ i! i!ヽ ﾊ/ | / | |:::;| _ ^ :::/::::::::::::::::::ド､!
: : : : : : : : : :＼: ／ ヽ./:＼ (./////￣ ￣￣}ヽ | ﾚ:::! ‘､_j /:::::::::::::::::;ﾍ| ＼
: : : : : : : : : : :／ /V: :oヽ＼／￣￣ { （、 /` | |::::::!.､` _／/:::::::::::::W ＼
: : : : : : :: : ／ ./: : 〉、＿: : ￣|＿ ヽ ） ［佐竹義宣］ / | ＼:::::i ￣￣￣_／ ﾚ;:::::ﾙ' > ＼
: : : : : : : :/ /: : /: : : : : :￣/: : : ｀ヽ、 ） ヾ、 / | ＼＿＿＿＿＿／ﾚ´ ／/ ﾍ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
／￣￣￣＼
／ ＿, 、＿ ＼ 最上はまた兵糧輸送だからそこまでじゃーないけど……
／ （●） （●） ＼
| （__人__） | これで高麗切り取りに失敗なんかしたら 目も当てられんお
＼ ｀ ⌒´ ／
_ _
／ ｀ '´ ＼
/ ＼
/ ヽ
/ ｲ ヽl|‐､ l/
〈/_l | 八 斗‐ﾍj )〉il 言っておくが 山形も深刻だぞ
｀ヽ{､_＼{ ｰ‐' r'_!|
＿ヽく __ /! ＞､ 秀次卿の一件で 家中の下々まで心が冷え切ってる
| ＼＿ /..| 0 | ＿＿
__| ｛:::::::::::| _. |＿ -‐=イ: :￣: :}
「＝‐-‐＼￣ ＝l::＼￣ O／z‐､: : : : : /
| o ∨::::::::::::::::::> Kc j/:::::::::::ハ : : : /
人 〉::::::::::::::::/ Y{:::::::::::::::::::|: : :/
/:::::::ヽ o/ /::::::::::::::::/ O 「::::::::::::::::::::|: :/
_＿___ ＞:::::::::∨ d:::::::::::::::::/ /二ﾆ{コ二二二＞
⌒`ｰ─｀∨二ヽ| |::::::::::::::::i ,r‐く二{コニニ二＞
<ニVﾆﾆv-z- ｲ::::::::__:::::l O/､ヽヽ):::::::::::/
. /:::::f__/ io/￣/o./ ァ‐^ヽヽjJ::::::／
{::::::::::/＞＜_ | o| |:::::::::: ‐'::::::::/
/::::::::::{ |o| ＞＜| |:::::::::::::::::::::/
／￣￣￣＼
／ ＿, 、＿ ＼
／ （●） （●） ＼
| （__人__） | ……義康はうまく御せてんのかお？
＼ ｀ ⌒´ ／
_....:::::::::､...__
...::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
／:::::::::::::／::::::::::::::::::::::ハ
{:::::::.＞ヽ::／／::::::::::::::::::ハ
i::::::f 1ヽ}/／∠::::::::::::::::::::::::
.::::::::ⅥУ〃 ﾄ､-=彡ィ::/::::::::
/:::::::::ゝ }' { fｯ<_::::／/::::/:!
｛＼/::::::／〈 ＞'_彡イ／/::」
j [/:::／ i ､￣ (歹''゛￣ それは心配いらん 譜代衆をよく掌握している
(ﾉ ｀< ＞ ´
≧=- _＿_ ..｡く 〇 ＞､ ト､-'´ むしろ心配されているのは御屋形だ
ｉ r::､ ＜ヽ. ｀丶 〇|| ﾚヽゝ
| ／≧z､ `ヽ◯ ＼ |ト--〈 厶_ ／]
ﾚ三三三＼ 丶_＿ `{＼三Ⅵ＿_｀´ !‐-､
_ _
／: :`: ´: :＼
. : : : : : : : : : : : ヽ
/: : : : : : : : : : :l: : : ヽ
/:./!: :/／ : : : : | : : : 〉
∨_|l/ﾉ彡ノ/: : :} : 〉:./
{〈V弋ｧｲ: : ,zｧﾇ';У 先の奥方の一周忌もすんだことだ
ヾﾍ_￣/イ ￣ﾊｿ __,
r＜ |､ ー' ｲ:/r＜ / そろそろ奥向きをまとめる継室を決めてもらわんと困る
「ﾆ - _ (} Ｏ |::｀:ｰ:´::|' ! / ／}
| | ＼ ｀ヽ､__,ﾄ､j＿＿ヽ-‐ｧ:::|ﾐ l＿|_ ィ/∠ |
| | ＼ ◯ 丶 Ｑ/::::::::||::|//// O,|
| l ／`ヽ＼ '.:.:.:.lﾄ､ ::: ||::|/// j
∨::::::::::∧ ヽ .:.ll:::',:::::||::|// /
_>:::::::::::∧ Y´) O:ll::::ﾍ:::!!::!/ ◯/_
≧=::::ｰ:::::〉 ,!｀ :ll:::::::Ⅴ:::|iＯ /::/
У冖≦::/ ll:::::_文:::| Y≧=＝
_-─―─- ､._
,-"´ ＼
/ ヽ
/ ＿／::::::＼_ヽ
| :::::::::::::: ヽ
l u （ ●)::::::::::( ●) 継室 かお
` ､ （__人_） /
`ｰ,､_ ／
／ `''ｰ─‐─''"´＼
＿＿
{:.:.:.:.:.:.:.:.:￣:.:.ヽ
r‐=':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
|:.:.:.:.:.:._:.:,l:.:.／:.ｲ:.:.:.:.j:＼
|:.:.:.:.:/iY:.l:.r弋ｯ':.xイ/／ そう簡単に整理がつかんのはわかる
|:.:.:.:.{ (fﾍl/ ￣ ﾗ
ヽ:.:.:.≧─ｉ -‐j＿ だがこれも政治だ 先延ばしにはできんぞ
r‐＜ ト / /
i! | tｰ' / 今回こそ返事をもらってこいと 俺も谷柏のやつに厳命されている
〈 ◯ | ｊ | _ -‐,
≧ x ｭ | L ＿ レ Ｏ ｲ
＼ ヾ ー‐ﾔ ＼￣￣/ |
､ ＼ ﾄ ヽ / o | ／!
ヽ Y . ＼| ＼ Y o |ﾍ ／ |
ﾐY | i ヽ ヽ |i o Y=＝彡．イ
≧= i!ｏ/ ｏ, ｉ 丶∧ I=＝f｀r､ .イ}
─フ￣'二= ､ | 「￣l ｌ o | ／/,ﾉ jｰ=彡= '
／／／￣ ＼! l ! | } | ／ﾉく
ｰ/ / ,イ￣｀ ヽ───＞‐､ 人 ヽ
_ ゝ'ｰｲイ⌒≧ｨl__丿-＜´ }イ Yヾ ヘ
ゝ' ノﾉ｀ヽ イ .ﾉ } }
ヽ＼ ／ Y イ=-＜∠ ＿ ノ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ヽ::_::::::::::_:::: -‐ '' ¨ ￣ ',
/ ￣ / ／ , ﾊ ヽ. ! ',
,' ,' / ,ｲ / ', `i !
. ll i ./ / ／/ / ヽ. l l l
lll !/ / ／ / / ヽ､! ! l
lll !.7￣ﾆ≠-､ //_ -__――_-l l l .l
lll l l i ''又辷ｧ 〃 ´'¨弋辷ァl l l. l
lll ! l ! ./ ￣ / `ー−1 .l ! l そろそろ断を下していただかないと
lll l !ｌ ハ l l l l l
lｌl l l/ l ', ! ｌ l. ｌ ,' 私も本気を出さなければなりませんが
lｌl .l l l l_ヽ、 ` ､＿__ l l l ,'
ll ! l l／ ｀`ヽ 、 ￣ , ｲ .l ! .∧
. ll l ,, -''´ , ￣ l l l lヽ､ ／ .l l .l ,':::::ヽ、
_.! -''´ /-‐ ｨl l l l｀l ｀T´`ー:1 ! ! ,':::::::::::: ﾔｶﾞｼﾜ
￣:/ ノ ''´し'ﾉﾉ /):::/O｀ヽ ::l l l ,':::::::::::::: ［谷柏直家］
:::::{ _,, - '' :::::｀Y:::::::i: : : : :}:::l l ! ,'::::::::::::::::
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
＿＿＿_
／ノ ヽ､_＼
／（ ○）}liil{（○）＼
／ （__人__） ＼
| ヽ |!!il|!|!l| / | 本気ってなんだお！？ なんの本気？！
＼ |ｪｪｪｪ| ／
＿＿__
／ ＼
. ／ ＼
. ／ ／） ノ ' ヽ､ ＼
| ／ .ｲ '=・= =・= u| つっても
/,'才.ﾐ) （__人__） ／
. | ≧ｼ' ｀ ⌒´ ＼ さすがにやる夫も新しい室を迎える歳じゃねーし
／＼ ヽ ヽ
＿＿＿
／ ヽ､_ ＼
／（● ） （● ） ＼
／:::⌒（__人__）⌒::::: ＼ やっぱりここは うみを昇格させることにするかお
| ｌ^l^lｎー'´ |
＼ヽ L ／
ゝ ﾉ
／ /
やる夫には幾人かの側室がいたとされる。
その中でもっとも家格が高いのは、最上一門に連なる清水氏出身のうみだった。
／/..:::::;;::::::......................:::...........:::::::::::::::::......:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
/...::::;;;/...::::::;;;;,::::::::::::;;/::;;/|:::::;;;lヽ.::::::::;;;::::::::::::;;;::::::::::::::ヽ:::ヽ
|＿:::;;|....:::::::;;;;|::::::::|:::;;|::;/ |::::;;| ヽ:::;;ﾞ､:::::::;;;;:::::;;;;|:::;;;;;|::;;;;;|
|/|....:::::::;;;;_|::＿|:::;;|;/ |::;;| ＿＿＼:ﾞi､::;;;/´i＿|一´::::;;;;;;|
＾￣^ヽi ´ _￣､ ヽ| _＿ ｀ ヽ|ヽ/ |::::::::::::::::::;;;;;|
|､／｢7ヾ｜ / ｢７ |ヽ、 ,| /´)!::::::::::::::::::::;;;;|
} ｀ ､_ｰ', | _ｰ_'_, /::｀ｰ':::::::::::::::::::::::::;;;;|
/,! ,ノ , , , /:;／⌒i::::::::::::::::::::::;;;;}
/:::::i' ヽ |/ /⌒ |::::::::::::::;;:::::::;;;!
／..:::.,::ﾞ､ _ , ,＝ /、:::::::;;:::;;;i:::;;;;;ﾞ､
/..::::::::::| |:::ﾞ ､ ｀ | |- ´| |::;;;::::;;::::;;;|::::;;;;;;ﾞ､
|..:::::::::;:::| |::;;;| |＼ /| |;;;;;;;| |::;;;|:::;;;::::;;;|::::::::;;;;ﾞ､
ヽ|!:::::|i ヽニノ!::;;;｀ ‐ ..＿... - ´ |;;;ヾ ﾆン::;;;|:::;;;|::::;;;|:::::::::;;;;|
ヽ｣ |/|::;;/| |:;;;;|;;;;;;;| |;;;;::::;;;;|;;;;;;;;|:::;;;;|:::;;;;|_＿＿|
｀^ ^- ,(二二二二二ﾆ);;;:＿,!＿/｀ｰ┴一
￣/､―― _二二 ﾆ)/´::::::::::::/ ￣￣゛ −-､ ［清水義氏娘・うみ（19）］
. .. ..:::/ ￣￣ /::::::::::::::/
. ...:::/ ／:::::::::::::::::|
今後は、やる夫と三十以上も歳の離れた彼女が、奥向きを差配することになる。
明けて、慶長二年。
朝鮮への侵攻は再開され、十五万に迫る軍勢が九州名護屋から送り出された。
。__ 。__ 。__
| | | | | |
|￣ |￣ |￣
;;;'';;'';;;';';'';';;''';; ;;''';;';'';';';;;'';;'';;; ;;''';;';'';';';;;'';;'';;;
;;;'';;'';;;';';'';';;'';;';';'';; ;;'';';';;'';;';'';';';;;'';;'';;; ;;'';';';;'';;';'';';';;;'';;'';;;
＾〜..＾〜.,＾〜.,＾〜、 ,.〜＾,.〜＾,.〜＾..〜＾ ,.〜＾,.〜＾,.〜＾..〜＾
,.vv⌒vy⌒vv⌒vy⌒vv v⌒yv⌒vv⌒yv⌒vv、 v⌒yv⌒vv⌒yv⌒vv、
,r'´￣｀' ,＾− ,r'´￣｀' ,＾− ヽ −＾, '´￣｀ヽ −＾, '´￣｀ヽ
,r'´￣｀' ‐, ,r'´￣｀' ‐, ,r'´￣｀' ‐, ザッザッザ ザッザッザ '´￣｀ヽ ,‐ '´￣｀ヽ ,‐ '´￣｀ヽ
ザッザッザ ザッザッザ ザッザッザ ザッザッザ
相変わらず、戦闘となれば日本軍は凄まじい強さを発揮した。
. .| ,rt､
┣¨┣¨┣¨ /7., i`i`彡0ｆト'ヾヽ 死ねぇぇぇっ！ ワー.
ワー. ,'´/ﾊ｀ヽ. / ゝ 彡ゝoノ ┣¨┣¨┣¨┣¨
∠二ヽ/>} | 、ノ 彡くﾐヽノ ヘ,/ _(ヽｿ ）
,.、 ,. ＜三派━ら/(｀Д´;ヽ=ヽ .`‐' ヽ____/ゞ | ヽ (⌒丿ヽr'ﾆ二ヽ
|:| // ヽ|ﾟＵﾟ⊂ヽ=.ヽ |川ﾘ ｰ' | ∠＼ヽ;;;ﾊ ﾟ,､ﾟ)=ヽ ワー
|‘='ノ｀ゝ､ ......_ ｿ≡(⌒). | y ノヽ | ━(uu」━━━━━━
.∠二ヽ（_（ ヒィィィィ ヽ し // // ヾ| ﾉ / :::●:::）
⊂ｿ(´Д｀；ヽ=ヽノ＿＿ヽ<) タ、タスケテェェェ・・・ . ⊂ヽ（；．∀。/=/つ
ヽ|ﾟＵﾟ⊂ヽ=.ｿ(´Д｀；ヽ=ヽ っ ニ ｛:::::::::::::::ヽ＿__,,,,, *・ ゞ二二ъ'| * ;'' ；”
ｿ≡(⌒) .(」つii ゝ:ﾉ 三ニ 入._ｃﾆﾆﾆ}. ''''’ . ヽ ____ノ
し ヾ（(ﾘﾉ、 三 .⊂くλ ﾉ=ﾉ~つ｡"､｡)つ
（＿）J
今回は目的が朝鮮の領国化と限定されており、野放図な戦線拡大は避けられ、各地に城塞が築かれた。
また、目的の達成のために一揆殲滅が図られ、軍功の証として鼻削ぎが行われた。
＼ ;; ;;, ＼
/;; ＼
/,, ;; ヽ / /
{ ;; ;; ,, ;;∨ /
∧ ., ∨/
∧ {,, ;; ///
} jヽ;;;; ;; }///
. {;;ノヾ|`ミz､;,ヽ;}//
＼;;;;|:::: :.{ ヽノ/
`|:::: : :i¨ヽ
|;;:: : :i |
|;;;: : :i |
|ヾ : :i |
|;;;;:`㍉、.|
|州 i ヾミ
|州 i }l|
ﾏil|、i ;!|
iⅦi㍉、;;|
,; iⅦ㍑il;;|
,, }!ヾ州ｉｌ|
｡ﾟ l; ;;, ＼|
少なくとも二万の塩漬けされた鼻が都に運ばれ、秀吉が検分の後、鼻塚を築いて供養した。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
,. 彡 ---丶: : : ミ: .、
／ ', ィ:.´￣￣`＼:ヽ＼ ＼
//.イil : : : : :i! : . . :ヽ:| : ヽ:ハ
//′: l|l: : : :| :|ヽ: : :ヽ: ヽ : ヽ∧
i: i : :!: :||{: : :_｣┘ `- :} : :|: : : :l : ﾚヽ
| l| . {: :ハ'´ ,ノ__ヽ} : l: :| : |ノ
|: { : :〉´__＼ ,=ﾃ｡≡ﾇ-|: i.:.N: i |
. ∨ ''７｡ﾈミ _ぅ__:ソ jノ:.:ハ l.| 奥羽の一揆勢は撫で斬りとせよ！
V:丶 ぅ_ｿ }イ'ノ小!
ヽ{ハ ｀ ＿_ 爪: :｜| 郷村ごと灰燼にしても構わぬ！
从小 i/´ ヽ. 八: : :ﾉ:.;'
, 、 ' `i |八{ヽ. ` ー ' ／{'⌒Y_, ｧ
ヽ ＼、_ , ' ,' i｀`ゝヽー― 、 .|!:.:.:Y⌒iフj ー ＜ j / }:/ }'
ヽ、 ￣ヽ/´｀ l´ヽ ヽヽ ｀ヽー-−ヾゝ },:.-ｧ} |´ } / /i j
｀/｀ー ｀' / | l l ヽヽ、＼ i′ |´｀` lｒ´￣'`} j::l |ト
,/,丿,'ﾞ ; ´ ﾌ'´ー-'/ | | ヽ、 .ﾚ‐v ,', l/⌒Y、|、| l ',_ _ , 、
ｒ' ´ / , ,_ _ノ＼ / | | ,、 ヽ /: : :| ,',' .′: :|_┐ ｀/ ／H ＼
`─ー´i |´l ヽ、￣ //'ー- ' ｀`-´｀ヽ、_ ,',/: : :j/ ;; li: : i ｀ 〈' / A 人ゝ
,l/ ﾊ ヽ ｀ー ―'´'´ ,';/ : : :/:::.... ;;. ...jl: : :l: :::.... ,´ / S , ' ｀ ヽ、
〈／ ヽ' / : : :/:::::::::::: ;;: :::::::jl: : :l::::::::::/ ﾍ H / ヽ,
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
かつて、奥羽で行われた情け容赦のない撫で斬りは、豊臣軍団とともに海を越えた。
が、それを指図した秀吉はかつてのごとくではなかった。
名護屋に赴くことすらなく、もっぱら新伏見城や秀頼の擁立、国内の統制に専念。
´: ／二二二二二｀丶
／: : :.:/ : : : : : : : : : : : : : : : ＼
/: : : : :/: :/: :/: : : : ハ: : :ヽ: :＼: ＼
. /: : : : :,' : /: : {: : : : :ﾉ:ハ : : }: : : } : : ヽ
': : :i: : :{__/ー┘￣￣ ￣｀ヽﾉ:j: : : : '
|: : :l: : :| ノ ヽ Ⅳ: : : :
∧＿__j: : :| : l:| ┬┬ ┬┬ !: : : !:Ⅳ
| | .: ;ﾚ:.八 t:::ﾉ ｔ:::ﾉ : : : :N
｀ー一'| : { （￣ ': :ﾚ'┘ 都に秀頼の新たな邸宅を造ろう
|: :{＼ﾉ ' {: :|
|: :＼: ｰﾍ. ,' : | ちょっと町人どもをどかして敷地を確保せよ
|: : : :Y⌒ﾞﾄ 、 ⊂｀ ｲ: : :|
. ,': : : /| | ＞ __ , イ .|l : : |
/: : : /│ | /: : | |: ∧|
外征のことは目付の報告に頼るようになり、それが新たな軋轢を生み出すのだが―――
軋轢はこちらでも生じていた。
| | |
| | |
i､ _, -!--'- 、 ,'i
＿!＼ _, ' 丶 ／/
＼ ` ー---=ニニニニニﾆ=-`ー' ＞
ｰ'=----- ､------t'^tｰ-----,-t----~=-
i | |ヽ二ﾌ,／i i＼!二ﾌ | | |
| | | ￣ | |. ￣ | | |
| | ﾄ､. ! ｜ r:| | | ど どうしよう
､ .| | |:::i ん､_,,ふ .i:::| | | ,
` ー====＝ニﾆへi,_iへﾆニ======-ー' とんでもない誤解がある気がする
| | |::::! ∠ -ｰｰｰ-＼ |:::| | |
| | | u `>-=-く .|__| |
レ'＞ ､___ ,,,, .,__ノヽヽ､|
`-ミニﾘ| ＼＿i;;;i ／/ ヽへ <
／::/:{ヽヽ V / /::::ﾉ:::::＼
比内紛争の解決を目指し、秋田実季と浅利頼平の上洛を指導する片桐且元である。
実季を取り次ぐ佐々淡路、彼と結ぶ長束正家が、且元に疑念を抱き始めたのである。
＿＿＿_
ゝ／: : : : : : : : :＼
／: : : : : : : : : : : : : ＼
/: : : : : :┌---,----i─
| : : : : : : :| / /i＾i |
| : : : : ,--v |_|_ﾟ| | そうは言われてもね
|: : : : | d. '┐
ヽ: : :ヽ_ ┌── | 君の行動はどう考えたって浅利派だよ
ヽ;;／ ＼／ /
_|＿＿__┌ - ′
/:_:_:_:_:_:_:_:＼ ∩
/ / ￣ヽ, 「 / ~￣,⊃ ［長束正家］
| i ＼ | ／＼ ノ
佐々淡路らにすれば、頼平上洛自体が容認できないものだった。
かつてのよく似た例が、荘内紛争である。
不利に立たされた上杉・大宝寺側が、義勝の上洛、秀吉への臣従によって逆転を果たしている。
_,,.. -, ／ ＼-…- ､
_／/ , / ｲﾐ､ヽヽ ﾉﾐ､､ ＼
／/ i ｌ i i ｉi＞─-''＜ijｉﾐ､ ヽ.
,-/ { | ｜｜ |.i」jﾆ._- .､ ＼ｉi .
// i. ｉ ｉ !ゝ'￣ ヽ___弋>､>,ｨTi / ﾘ
. i ｉ | ___ゞ'1´ '''"""￣｀ ￣/i`v′ 一揆の責任を負って追放された僕と父ですが
. | i ｉ!ｲ ベ`′ r‐､ ＼
| ｉi ／! _ （ﾆ、 u. └┘ } 今は上杉家中に戻っていますよ
ヾ/| ヽ ｀ｰ'' ) ´｀ i
ヾヽi i ~¨ーｲ、、 /
＼j i | ＼...,＿＿＿＿_ /
___｀ｰ-､ | i `ｰ .. __ _＞'
＿＿／／´￣￣ﾌ ヽ ~¨|-‐=ﾆ二ﾆﾆ､ｰ-- ..,,,
___／／::::::::::::::::ム ヽ !:::::::::::::::::::::::.:.￣｀}.:.ﾉ
¨|:.:.:ニニ､ヽ.:.:.:.i! ｀''''‐┴ ､ _.!ヾ:::::::::::::::::::::.:／／ ［大宝寺義勝］
.:.￣.::::::::::::＼>_∧、 ¨ヽ_ ′￣ヾ::::.:.:.:.:.／ィ<
::.:.:.:.:::::.:.:.:／／.::.:ヽ`ｰ- ........ ,,,,;;;i‐‐t:/∧.:＼`i:.､
頼平の上洛はその再現となりかねず、秋田側が神経をとがらせるのは当然だった。
_,,,......,,,
,,,''" ﾞ''丶
i;;:::::＿::::_:::_ :::＿ヽ
!:::::ノ ノ ー l
r､| ｲﾟj` 'lﾟj`l もしや君……
､_: ｀ ' ｀ ﾉ
ヽ､ ー- ／ この機会に徳川殿へ恩を売っておこうなんて考えじゃないだろうね
`i -'イ_
⌒/＼／ /￣⌒ヽ
l.／＼/ ヽ
＿_
／ | |
／ -─'┴‐- 、
ミー‐'──-- ｎ--─`‐=彡
｀7'''T卞二フﾉ |弋'フ'ｉi丁´
| | :| ', || |
| | :| ﾉ,､,.〉 || | ………
. ｰ‐|─|‐抂─ノ‐ｖ-､‐刊┼─
| | :| } ｀ヾ`ｰ''フ ｆ||｜
| | :| L ´￣｀ ｣||｜
Ｌ.⊥ﾉ＼＿__ｆｆｆ__／廴|
／ 八 ヽ jｊii / / ＼
ついに、佐々淡路と且元との関係は、面会がドタキャンされるまでに冷却。
且元は必死に不偏不党の立場を釈明せねばならなくなる。
＼ ／￣￣ 冂| / ／
＼ ／ _,､ -┬┼┼┬┬ 、 / ／
＼ ｲ_／ｌ│| │││││| ﾄ､ / ／
丶 ミ≧=ｌ_|_|_|⊥ﾚ┴┴┴┴ 「｣_|_|,>=彡／
丶 ≧三三三三三三ﾌ厂｢三三三三三≦
｀ヽ､ 丶/ | | ＼＿_／/ |＼＿／/| | |
｀丶│ | | ￣ ′ l ￣ | | |
- 、_ │ | | u l u | | |
｀ │ | | u 〈_, _| u | | | いつの間にか儂が悪者にされてる！？
_ - │＿_|_ﾄ､＿＿_,=≦｣│≧=＿,ｲ｣_|＿_
´ │ ￣| |￣|「￣＜二､_,二＞￣|| | |￣
／ 」 | | || ＼＿＿／ u || | |
／ /│ | | || u ／￣＼ || | |
／ / │＿_|_|＼＿＿＿＿,从,＿＿_||_|_| ＼
/ /￣「|￣ ∨////∧Ⅵﾘ //// ￣＼ ＼ ｀ヽ、
公儀内部の分断は、それだけ深刻になっていた。
盛夏のころ、この物騒極まる権力の巣に頼平が到着。
, -――‐- __
/ , -――- 、 ｀ 、
/ /_ __ノ ,-､｀' _ l
__-</ / ｎ n .| ,' ,'
_, -‐ '´ , -L__/::::__ｰ _, - 、 ､,' ,'
_, ‐'´ ゝ､ , -'､_,-､＿_ノ､::::/ / いやあ お世話になります片桐殿
／ _, - '´|. / ｀', `ｰ、
. ヽ ヽ'´ | , -―‐-、 / /-.' これからも訴訟のことでいろいろご指南を
ヽ ヽ、 .| l-､_ | ' /
ヽ ヽ__ |. ｀ｰ､｀'´~ﾉ /
ヽ ﾍ |___ ￣~ ___/
ヽ / ヽ ~＞＜~ ハ‐-、
ヽ ｀＞ヽ/ 〉-〈ヽ,'_,｣ ',
ヽ、 ＼ ヽ/ ',/｀ｰ, ',
| ＼ ヽ / ／ , ',
ﾉ ＼∨／ .| .|
__/⌒_ i i
／ .ﾞ|_| ￣｀ヽ
f |||||||| ﾞｉ
| ､____________________,|,
|ミ≡≡≡≡ ≡≡=彡
| | :| ＝ﾉ ﾞｉ､＝ || | 儂は貴殿をひいきするつもりはない
| | :| u ,､,.〉 || |
. ｰ‐|─|‐抂─ノ‐ｖ-､‐刊┼─ 頼み事は前田利家殿か浅野長吉殿を通して
／＼.| :| } ｀ヾ`ｰ''ﾌ. ｆ|| .|ヽ
/ ヽ￣＼＿_ｆｆｆ__／￣ ＼
| ﾞｉ ヽ jｊii / / ﾞｉ
_,,;;;;;;;llllll||||||ll;;;,,,,_
;l|||||||||||||llllllllllllll|||ll;;,,
.;||||||||||||ll ,''''〈
;|||||||||||||レ _／ |
.;|||||lllll||||l;' (´0 |
;''''''（ `ｰ /
.; ｀´ , -‐' C、´￣｀） へ？
; ／ ＞‐''´
.; '´ , -―-〈
; <ﾆ二>_ノ
-<´｀ｰ､__ ,ゝ-'´
＼ ｀＞､:]-､
｀ｰ'´|:;:;/ ヽ
頼平を迎えたのは、頼みとしていた者たちの意外にもそっけない態度だった。
＿＿＿＿＿
. ／ /⌒＼/⌒ヽ
/ , −| ・|・ |､＼
/ ／ ` ー ●ｰ ′ヽヽ
/ / 二二 | 二 ￣ﾉ 人が苦労してまとめた調停を踏みにじっておいて！
l / /⌒＼ ── | ─ ／
| | / ￣￣￣￣/￣ はいはい ここまできたらお世話はするよ！
ｌ | | / /⌒ヽ
ｌ | ヽ /⌒ヽ⌒ヽ |／ヽ__ ノ
ヽヽ `ｰ───┴─７ /
>━━━━━Ｏ━━ /
━━・・・・・・━━・・・・・・━━・・・・・・━━・・・・・・━━・・・・・・━━・・・・・・━━・・・・・・━━・・・・・・━━・・・・・・━━・・・・・・
/ ト､ i
ﾄ､ ヽ ＼ |
| { | ヽ ヽ ヽ 亅
,ﾊ ,{ ヽ }＼__jヽ._ 礀
|l } / ! _ ＞ '´‐- .] !
|| ! ﾄvﾐ_ ′ ‐=せﾅ| ;
}! ＼jい-'}i ￣´ |
}〉|l .u｜ { ……裁判実務の手伝いならできるけど
| jL、- ｜ i |
| ヽ｀二 ´ | ｜ ！ 今の私にあまり期待されてもね
／￣￣￣¨¨,二ﾌヽ ,. １ l l
／ ` ＜￣] l「 ｜ | !
／ ヽ‐- ＿￣_〕 ‖ ｜ li
／ ﾄ､ ＼__＿丿 ll | ｌl ヽ
. ' y !/ヽ ヽ!l ! |{ 礀 八 ＼
/ ハ { ＼__） ハ __,ﾉ / ′ ＼＿,r;.=＝＝＝=ﾐ
ノ-‐} ！ |ｒ1 /￣／｝ /一…ｧ' ／ ＼
一方の実季は精力的に根回しに励み、吏僚層の支持を獲得。
外交的にも頼平を締め付けていった。
.7 ./ .7 ', .| ',
7./j 7 7＿_, ..-- l i^ヽ＿＿,', .i.', ､ ,i
7/ ! 7j .7＿ｪｪｪｪ ｪｪｪｪ__ﾔi_ﾔ iﾔ i
j/ i j iﾞ.7 ∪ ∪i | .', i ', i
/ i .7､!7_____, .彡 ミ､. ____ij_,-i !7i.|
i i i,' | ! 7' .ﾘ
', i .j ,.:! .| .y 7
', iﾊ ,i ヾ､!:::_:. | 7i.,' 頼平 覚悟はいいだろうな
ヾ .', jﾍ _,ｨ j 7 .ﾘ
', i:::ヽ ` ───── ´ イ:i 7_
／:', j::ヾ:ﾍ ､ ／/ノi7:::::＼
, イ:::::::::::::ヾ:::::＼ ､＞.､ , イ_,.イ'::::::::::::::::::::＞､
, イ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＞-==.､￣￣￣,-‐'"‐'":::::::::::::::::::::::::::::::::::＞.､_
／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i ﾔ .77:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＞､
頼平の比内奪還を支援した津軽為信、実季に対して頼平との絶縁を明言。
_灸ヽヾヽi ヽ｀´ﾞ´´｀ r -,
,> ,r´￣｀ﾞ´ツﾞ´｀´々, ´ﾞ;,
彡;.ﾞ u. ヾ, ミ
.ミ . i! ,: =ニヽ、 ,r=ニ=;,. ﾞ;彡ｿ
;｀7/ﾞr‖_,r=-, i|＝|i´,r=ﾍ｀li,. ;彡>,
彡l ,:/ヾ_ﾞ _ ._ノ .|l|.ヾ=,. _ ノヽﾞ｀ミｿ
i!ヽヾ´ ￣ /∠_ヾ、 ￣ヽ｀ ｀;/!ﾐ
liゝ| |ｿ |三|ヽゝ ヽヾ|/.:i
|l :.| ,r ,_ ＿＿＿＿ _, 7 ,i, yﾞ 津軽・秋田両家のためだったんですがねぇ
ヾ.l/ ﾞ ｀￣ﾞー===―｀￣ ´ ﾞ lｿ
i// , . ヾ、ﾞ,!
ト、// /,. .il||!. ,. liヾ i!ｲ
_,r┤ ＞ 、i!ll|||||||lli!l.|l／.i!ト:、
／ﾞ ,／ﾞ￣￣トﾐー―ﾞﾉ￣ヾ:y,,| ｀ヽ、 ［津軽為信］
／ l::::::::::::::::::::i, i!:::::::::::::｀il ＼
石田三成ら秋田支持勢力と昵懇である立場上、当然の判断ではあった。
それでも頼平は、秋田軍の襲撃によって受けた被害の詳細を正家に提出。
_,,,......,,,
,,,''" ﾞ''丶
i;;:::::＿::::_:::_ :::＿ヽ
!:::::ノ ノ ー l
r､| ｲﾟj` 'lﾟj`l ふーん
､_: ｀ ' ｀ ﾉ
ヽ､ ー- ／ まあ裁判資料として受け取っておくよ
`i -'イ_
⌒/＼／ /￣⌒ヽ
l.／＼/ ヽ
_,,;;;;;;;llllll||||||ll;;;,,,,_
;l|||||||||||||llllllllllllll|||ll;;,,
.;||||||||||||ll ,''''〈
;|||||||||||||レ _／ |
.;|||||lllll||||l;' (´0 |
;''''''（ `ｰ /
.; ｀´ , -‐' C、´￣｀）
; ／ ＞‐''´
.; '´ , -―-〈
; <ﾆ二>_ノ
-<´｀ｰ､__ ,ゝ-'´
＼ ｀＞､:]-､
｀ｰ'´|:;:;/ ヽ
正家の反応は冷たかった。
すでに正家は膨大な資料を精査し、騒動の発端となった頼平の年貢未進を確実に押さえていた。
_,,;;;;;;;llllll||||||ll;;;,,,,_
;l|||||||||||||llllllllllllll|||ll;;,,
.;||||||||||||ll .u ,''''〈
;|||||||||||||レ _／::::::::|
.;|||||lllll||||l;'::::::::::::(´0::::::|
;''''''（ `ｰ /
.; ｀´ , -‐' C、´￣｀）
; ／ ＞‐''´
.; '´ , -―-〈
; .u <ﾆ二>_ノ
-<´｀ｰ､__ ,ゝ-'´
＼ ｀＞､:]-､
｀ｰ'´|:;:;/ ヽ
北の果てより遠く都にまで上ったものの、頼平の形勢は悪化するばかりだった。
しかし、頼平という人はどこまでも諦めが悪く、周到であった。
__ .. -- -ｧｒ 、
. _,. ´￣ ＼ ヽヽ Vﾉﾉ ﾉ
. /´ ＿__ rk‐‐ ‐ｧ ´ ￣￣￣ ＼
ﾚ'´ __ ノ ＞'´ __ r=ﾍ
ﾚ'´ _イ´ﾂ´ ´ｨ'斧ヾ |ﾚ云
レ'´__ノ ｿ r/⌒i. |}}r ヽ
. V´ __ノ 彡 八 .ﾟ人 |人ﾟ_ﾊ
. ﾚ'´ム_. 彡 ´￣ ヽ ´￣ ｀ヽ
| i´ ｀ヾﾘ ,x≦圭ｦ }
N i⌒Y ;!. 爪圭Y´ ノ!
∨ﾊ } 圭≧、 人__ｧ＾ー ＜ ﾘ ……じゃあ仕方ない
∨ﾊ 圭≧ﾊ / ／｀´｀´Y
∨入_ 圭圭i! i / ::.... 〉 最後の奥の手を出そうじゃないか
V ハ 圭彡i! ! /´￣ ｀ー‐'〉
V//∧ 圭ｿﾘ ﾘ i ＼ ｲ
V/// ＼≦く ￣ ﾘ
} //∧/.＼ ヽ ｦ
/{////∧圭 ＼ イ
/ ＼///∧圭圭≧≠==イ ＼
rく! ＼/ ∧圭圭圭{ | ＼
その隠し球とは―――
＿＿＿_
＼ ───＿＿＿
＜ ￣￣￣￣|
＞ ＿＿＿＿＿＿＿＿＿ .|
￣￣ | / ＼ | |
| /⌒ヽ ／⌒ヽ | |
| | ‘ | i ‘ | | |
| ヽ.__ノ ヽ.＿ ノ .ﾚ⌒ヽ
ノ o .u ６ | なっ
／＿＿ ＼ ＿ノ
＞ ﾉ
＜、＿＿＿ イ
|───┤
／ |／ ＼ ／ ＼
. ,ｘ≦三三三三≧ｘ
. ／三7ー＝二三三ニ>､
. ,:仁三/ 二二二二∧
/ﾆ三三〉 } 二二二 ﾍ
. /ﾆ三三7 {､_＿_ ヽ 二二/__ 〉
/三三三{ ｀寸"｡｀>〉〉三ｨ ｡Ⅵ
. /ﾆγ｀ヾ彡 ｀ｰ彡′ `ｰＫ ヾ
/三/⌒ヾﾊ彡 ／ ノ::/jﾍ. ｝
. /三∧(⌒{_彡彡 , ′ _＿＿___,Ⅵ
../三三∧､てⅣ´ /､＿＿__/ ハ なっ ななっ
ハ三三ニ=ゝ小 /::::::::::::::::::i l//〉
｀`寸三三三=∧ /::::::::::::::::::: l l//
｀`＜三=7 ', ,':::::::::::::::::::::::l ﾚ′
. ｀寸j ＼ {:::::::::::::::::::::::{ .′
;ﾞ;ﾞ;ﾞ;ﾞ;ﾞ;ﾞ;ﾞ;ﾞ;ﾞ;ﾞ;/:. ∨＼ ｀` ニニニ´;
;ﾞ;ﾞ;ﾞ;ﾞ;ﾞ;ﾞ;ﾞ;ﾞ;ﾞ;ﾞ;ﾞ;'ﾍ、 ∨::::＼ ｀""´ ﾊ､、
;ﾞ;ﾞ;ﾞ;ﾞ;ﾞ;ﾞ;ﾞ;ﾞ;ﾞ;ﾞ;ﾞ;ﾞ;ヽ.＼.:Ⅵ:::::::＼_＿＿/ﾞ;ﾞ;ﾞ;ﾞ;';';.､、 ［前田玄以］
;ﾞ;ﾞ;ﾞ;ﾞ;ﾞ;ﾞ;ﾞ;ﾞ;ﾞ;ﾞ;ﾞ;ﾞ;ﾞ;ﾞﾍ ｀ ＜ jﾞ;ﾞ;ﾞ;ﾞ;ﾞ;ﾞ;ﾞ;ﾞ;ﾞ;ﾞ;ﾞ;ﾞ;ﾞ;ﾞ;.
頼平は妻子を密かに同伴させており、それを公儀の正規手続きを経ず、豊家への人質としてしまったのだ。
､__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__,
_） （_
_） な なんだって〜〜〜〜！！ （_
） （
⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒
__
／ 7
|/／
／￣￣＼／￣￣＼
/ ヽ
|＿＿＿＿＿＿＿／￣
ｒ^-'ﾉ
.(＾Y⌒Y＾)l |
(ヽ/＞/ ⌒ヽ<っ
( (｀ ＾ っ＾ |)３ ＜うふふふふふ〜
(ノゝ ヽーフﾉ/
（￣￣￣|￣)
.|￣￣￣￣￣￣￣ゝ_
ヽ /
＼＿＿,へ＿＿／
正確には、秀吉の側近女官の有力者・おちゃあへ妻子の身柄が預けられた。
＿＿＿
ｘ≦´￣￣￣｀丶、
／/´::::::::::/:::::::::::::::::::::＼
/:::/::::::::::::;ｲ:::::::::::::::ヽ::::::::::＼ r'l
.'::::ｌ|:::::::::::::ｌ l::::::::::::::::::::ﾄ､::::::::::ﾊ / /
l:::::||:::::::::::::|_|斗-:::::::::-|‐ト､:}__」'. {｀ヽ /_⊥_
|::::::ｌ:::::::::≦ レ'"´￣￣_｀￣{:::::|::| ヽ / / ／｀} 殿下への手引きなら
|::::::|＞:r' 沂抔 r==x |:::::ﾄ:! } └{ r‐ ﾍ
l::::::::::::∧{{V:り , .::::::.|:::::| | | └'￣ﾌ 私に任せてくださいね！
ヽ:::::::::::::ﾍ.::::. |:::::| | l /
＼::.へ:ﾊ、 r ´ア ,.ｲ::::/ ﾄ､＿..ｲ
∠ -─､)⊇={::::}‐′ <|｀}/ ,.ｲ } 、
／─‐-｀ヽ}､」 ｀ ー‐ {⌒ ＿ { ｀ｰ -‐' |
／ 厂＞- 'ア ＞ r<ヽｧ─ﾍ ｀丶、 ヽ |
r{＿__ イ´￣ヽ:::＞─‐-{__,Y::::::::::::'､＿ ヽ | |
} | Y{:::::::::::::::::{__}:::::::::::::::ヽ::癶 ＼{ ｛
∧＿＿ﾉヽ、 '.ヽ、::::::::::::ﾄ､＼＿＿/:f⌒ ｌ ﾊ
｜ | ｌ: : 入__／::::l、 ＼:::::::::)、 | l |
｜ | |: /::::::::::::::::::| ＼ |:｀ー' :ヽ ｛ | ［御内儀衆・おちゃあ］
ヽ | l: :￣｀丶、:::|: : : ヽ、: :..::::} ､ /
| l /: : : : : : : :￣: : : ..::::〉:::::::/ ＼ /
頼平はどうしたものかおちゃあとコネを作り、豊家の懐に潜り込む戦術に出た。
これはまさに正家らが懸念していた、どさくさに紛れた秀吉への直接臣従である。
＿＿＿_
ゝ／: : : : : : : : :＼
／: : : : : : : : : : : : : ＼
/: : : : : :┌---,----i─
| : : : : : : :| :::::/::/i＾i::|
| : : : : ,--v :::::::::|_|_ﾟ| | や やってくれたね 片桐殿
|: : : : | d. '┐
ヽ: : :ヽ_ u. ┌── | そういうことだったんだ
ヽ;;／ ＼／ /
_|＿＿__┌ - ′
/:_:_:_:_:_:_:_:＼ ∩
/ / ￣ヽ, 「 / ~￣,⊃
| i ＼ | ／＼ ノ
_j＿|__ 〔
｀ .
／ :::::..
＿＿__〃 _,. : ´￣￣￣￣｀` : ._:::::::ヽ.
:三三三三二二二}エ{二二二三三三三三三三
￣| |入_＿__ノ::| i::人_＿__ノ:i ｜'/T¨¨￣
| | 〃.::::| |:::::.＼ | | //|
| | | l:::::::. } | //|
| ト ｛ ､___j,ﾊ::::::.. ｕ ﾉ | //| ち 違う！
￣￣丁 Tニ==―' ｝ i ::::ー----┼ ┼ 7T¨¨￣
| | _. ⌒¨¨⌒丶:::::::::::| ｜//| 儂も知らなかったんだよ！
| | ＼ ￣｀´￣ .ｲ::::::::| ｜//|
| |> . /＞‐--‐＜:J:::::::::| ｜//|
L.. | :::::＞､ }川_＿..::／ﾆﾆ| ｜//|
_＿,.＞へ.{ {:::: ｀ ｰ--―＜::::ｉ: : :ト--‐'"
＼: :＼:::.. 丶 ..:::::::::::ノ : : | ＼
／￣｀ヾ:`:.
{ ﾞ!:.}
/:＼＿,∠.._
_,. _-_:‐:‐:|: : : : : : : : ､:｀: .、
／´: i.:,!: : :|:i!: ､: : :丶: : ヽ
／ｨ: : : ｌl. !: : |:!､ﾄ､: : : : ＼: :i
.//./: : : ;1! ∨: l|_､斗‐: : : :ﾄﾞ:､
〃 !: : : {T¬ Ｖ:.{. __⊥:ヾ: : l: : !
'′ |: :.;!:iﾊ_z=T ﾞ､:. T不l ハ: l: ;l いずれにせよ こいつはさあ
.ｌ :ハl:::i ヾﾂ ` ﾞｰ：i::::ﾍ:|/
V ﾞ!::ﾄ..,,_ ,､ _,､ｲ:::::バ' もうアタシらの裁判なんかどうでもよくなるってことだよね
l::::|::::::;ﾌﾌ .,!'ﾞ'l: :/:::::i.
l!::|／/´>'゛_,!:./ｭ::::::l
l};.|i!.j /,,-''.ｲ/‐¬;::::l
./ ﾞ{､i!/''／// i::::!
/ _,,.-火ﾞ､ '"i i:::i
＿＿＿＿
, -‐'"´::::::::::::::::::::::｀ヽ、
／/二ヽ／⌒ヽ;:::::::::::::::::＼
/::ハP_/P￣ヽ/ー-:、::::::::::::＼
/ ヽ、（::::::）ー‐' ＼:::::::::::::::i いい面の皮だな
十―- Y -‐'"￣￣￣ !:::::::::::|
_|＿＿ .| ￣￣￣｀ |:::::::::::| こんな茶番でひっくり返されるようじゃ
(´ .| ￣｀ヽ、_ _ |:::::::::::! 僕ら十人の衆は本当にただのお飾りだ
ヽ-ー‐┴―--- 、r―-:、!:::::::::/
/＼ /´ }/:::::::/
ヽ、｀丶、＿＿_{ ﾉニニ!
｀T"´ﾄｰｒ-::,-ﾄー‐'i"::::::::::::|
,.-'"...:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、
,.-' ..::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾄ､:::＼
,.-' ..:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| ＼ ＼
／ ..:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| ＼ ヽ
／ ..::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::___:::::::::::::::::::;:ゝ / ヽ.}
／ ..:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／,. ﾍ`!:::::,､‐'" / l
／ .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;' ／ ﾉ |::ｆ ／ ｌ |
、 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽヽ < L| `iヽ､ l |
丶 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`､ヽ ﾐ ﾞｰtｯ-、 ,ゞ
丶 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/し' ｀ヾ, f´
ヽ :::::::::::::::::::::::::::::::::／ ｉ U ／ ', 大宝寺様の場合は
＼ ::::::::::::::::::::::／ / ,. ' ', 上杉様に荘内治安を託していたという理がありましたが
`ヽ､::::::::::;､ " 〈 ｒ､ '､
,..､..,ｒ- '`ｰ'"ー-､､､..,,_ ヽ ｀ヽ､ ..ｆ´｀` ′ これがまかり通ってしまっては―――
ｒ'''´ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,｀`丶、 ｒ┴､
〈 ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,, ヽ､ ノ }
ノ ,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼ （ ／｀ヽ、
／ ,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ`7 ,ｨ ヽ
ゝ- ､_;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;r ､;;;;;;;;;;;;;;;;ヾ、／ `‐,
＿
： ＞ ￣ ―― ---‐ ＿＿
; ＞ ＿＿＿＿＿＿. | ；
； ￣ | /_ _ ＼ | | ;
； .|.l´,,ヽ .i'ﾞ,, ｀i | | ;
, jヽ__ﾉ ヽ___ﾉ ﾚ‐､l ； 上方に直訴が押し寄せて
； ／ ° ､ 6 } ;
; ￣~＞ ヽ ﾉﾞ´ ； 公儀の体制に意味なんかなくなってしまう
； ＜＿＿＿_イ ；
; ／|/＼／＼ ;
} | ヽ. ヽ ＼＼ ヽヽヽ. |l ヽ
ｲ | ヽ ヽ | | 、 Ｌ! ＼__j｣ | ｜
l | { , ﾍ. | └┘ ｀¨¨´￣ | | ﾄ､｜
| L厶‐'´ ＿,.＼j -＝ｔ‐┬‐'} } ! }｜
r┘ ￣下丁￣ ､_ |{ _j＿`１ | jノ
| ` ='ゞ亠‐' |｜ ￣￣ l |
｜ ｜| | |
! i | | | | あ 浅利をずっと支援してきた私の立場は……
l l / ｜
卜 し _＿ /} |
| ﾄ 厂 _＿〕 く｜ ｜
├'´ ヽ ｀¨¨ ￣ ／ | |
! ､ ,.ｨ l ﾄ､
ﾄ､ ｰ---イ | l | ＼
! ＼ ハ | l !
−､、
＼ ､
,.−ヽV´￣｀ヽ､
／ ／｀ﾆ´＼ﾆﾆﾆ｀=､、
／ /ﾆﾆﾆﾆﾆﾆヽﾆﾆﾆニl ､
r‐ 、 '´| ｌニ_ﾆﾆﾆﾆ_ニ|ﾆﾆﾆlｺﾆﾄ
＼ ＼ ,., { | |（(_,)）ニ（(_,)）|ニニﾄ!‐ｌ、
＼ ＼｀ ,. ｊ | ｌ | ﾆﾆﾆﾆﾆニニ|ニﾆ|ｆヽ !
＼ ＼｀'、 !,| ﾄ| ニ_,ﾆ,ニ,ﾆ,_ﾆ|ﾆﾆ|ソ/
＼ ＼ i | ! ,ィく∧∧∧∧>|∧|＜
＼ ＼'',, } | i､´|｢三三三三|｢／/ﾆﾆ＼
＼ ＼ |∧| ｀lｊ'−ｧ三三 'ｌj ／ﾆﾆﾆニ＼
＼ ＼ ／｀'ー一 ''´ﾆﾆニ／ﾆニヽ
＼ ＼ _ / ﾆﾆﾆﾆﾆﾆニニ/ﾆﾆﾆﾆニｌ
Y´_,r｀ヽ ﾆﾆﾆﾆﾆﾆニニlﾆﾆﾆﾆﾆニ|
ｌ -'´_｀Lﾆﾆﾆﾆニニニ|ﾆﾆﾆﾆﾆニ|
あとはおちゃあの説得で、秀吉が人質を正式に引き取るか否か。
関係者の阿鼻叫喚のなか、慶長二年は暮れていった。
┏━━━━━━━┓
同年十二月
朝鮮 蔚山城
┗━━━━━━━┛
＼__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__／ ∧∧ ／ ／|／ ／|／|
≫ ≪ @と(ilﾟДﾟ)_|~￣|／|／ ／| ／!／|／| ／
≪ 破城槌を近づけるなァァァッッ！！ ≫ /／ ／| ／}／l／／／ |／!| ／!／i|／
≫ ≪ ヽ (|~￣|／'}|／{／|／| ／| ／|／ |／! |／
／⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒＼ '“／|／|／ ／| ／ ／／|／| ／|,!／
∧／ l| ／ ／l／|／／|／|／ |／ ／|／|／ |!／
‘ /つ<――Ｏl> |~￣'|／／|／|／ ／ ／| ／ ／／!／＼__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__／
≡[ﾐ ＼ l| ／￣／ ＿／／!／.|／|／／| ／|i／ ≫ ≪
ﾐ ＼ノ／￣／|／| |／ii:|／!.／!／|／|／ |／ ≪ 門を破れェェええええエエッッッ！！ ≫
'' ／ し' ｀ヽ)／＿／／ト,|／i i i i|／|／l／!／／i／ ≫ ≪
／ ∧∧ ,|__＿!／ ／|ii! i ii i | ／|／ｲ}|／|／ w, ／⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒＼
・ ／ @と(ilﾟдﾟ)／ ／|／|／ , i| i !i i ii!|／|／|／／ iw
／ ,／￣￣／i''／|／| /i!.i ! i |ii !ii i iii|／|ｲ ／ ∧,,∧ ∧,,∧ ∧＿∧ ∧,,∧――＿＿
／ ／ ／' |／／ ／|_,|ii i| i ii!|!i ii ii iii|／／ ＿_と（｀ハ´#）と（ハ´il!）＿ と（ハ´i! ）＿と（ハ´#）―――＿＿
／ヽ ／_＿／ |／|／ ／ ／|..|i ii !i i!i|ii i!! ii ii|／ ／三三三 ∪ ヽ三三∪三三三三 ∪三三/と ＼――――＿＿＿
∧ ／ l| | |_|／|／|／|／|／|ii !i| i!|!!i iii!i／ ＼三三三（＿） ＼三三三三三三〉 （＿）三ゞ/ ＼――――￣￣￣
つ<――Ｏl>`----ト|／／|／ ／|／.|i! !i ! i!|! ii／ ￣￣￣￣￣ ＼__）￣￣￣￣￣（___/ ￣￣￣ `ー'＼__）――￣￣
ﾐ ＼ l| ／ .|／ ／|／..／|／|i! !i ! !i|／,
ﾐ ＼ノ＿／'|／| ／／..／ ／|／||! !i|／
／￣￣￣／|／|／| ／|／| ／|／|／|／
／|／'|／ ／ ／ |／|／| ／|／w rｗ “'
川／￣）
∧＜ ・ / 外郭 打ち破られました！ お味方討ち死に百余！
<（◆/ﾐゝ ヽ,
∞━━━く（・Д･；ミヽ ヽ,,━━∝≪ニニフ
斤つ ミ/__ ''-､,,-┐
〜''ヾﾐミ三ナー‐（⌒)'~ 》ゝ､__,,ｨ /
/ 《∪_／＼,ノ_/ ∧
| γ＿_|,ノ"〈__ノ〉 〉
ゝ ___ノﾉ 〈__/
〈 γ'"〈 〈"
ﾍ ヽ ﾍ ヽ
ヽ ヽ 〉__〉
〉__〉
、．
__ -‐｀￣￣ ｀゛ヽヽ､
.-‐´ 〃／ ヾ､
＞、 、 _ ., {/_'´ ､ _/ィヾ
7 .「¨７´7／ﾞ ヾ}´ ヽ} i ﾆ ､
'ｨ _ i i i iﾐ }ﾞ
ｲ,彡.} .,-､._ { , ,.、<.ﾐ.’
´ゝ､ ＝tｧｰ ' ｰ=tｧヲ }ｲ} 惣構を放棄させろ
{.ハ ￣ ´ | ｀ ￣ .'/ }
ゝﾊ {i _ ,’ｲ’ 総員 内郭へ
|ヽ ．-─ - ．,:’|i}
| ＼ ´ ｀ ,.ｲ//|｀ヽ､
／:i ｀￣ ´////i|:.:.:.:} ＼
／/:.:,’ // V:.:.:i ヽ
／ {:./ // .V:.i .ヽ
,.’ .i´ ヾ､ ｀i ＼
/ i──--､ ---‐─ i ヽ
ィ´/ | ｀ ´ i ＿＿＿_ヽ､
＼＿ﾉ、
///; ;∽ヽ ∧彡 殿！
∠日 ； ﾟДﾟ ）彡 ・＼ それは水の手も放棄することとなりいささかｎ
》::::<>::彡 人＿ ）
［:::ノ::つ /
〆 /×× / ＼
＜三ミﾐγ"⌒￣（⌒)￣ ヽ ＼
γ/ ） （_/ ﾉ /）
, _,.:i＿ノj ＿ノj
,z,_／'´ ´'´ ´ﾞーz_,
,ﾍｿ 'ーk_,
jﾍﾉ ´＜,
z'ﾞ ﾞ＞
ゝ ﾐﾞ｀´￣￣｀ﾞー-ｿ＞
ヾ､ zミY -=z､ : :::}｀ﾞ
ﾒ _＿ 三K ヾ､:::i
k .､Y rー､ヾ ≦ﾞ ヾﾞｰk〉;:ﾉ
ヾﾐ i }-ニ} ﾞ三'´ :.ﾞゞ'.:::i
,ゞ ﾐ､ヽ ( z ﾞ:::'´ ::.', 水を守って兵隊全滅させる気か！
彡ー-ヘ_ｿ ,rー- ､_ ｰ _,r'ﾞ
／ ∧ '､_｀ー､,_｀ﾞﾐ>-' いいから撤収させろってんだ！！
／i ｀ﾞ:.､ ｀＝ーﾞ,'´
| ヽ / ::.｀＞.､ /
ヽ. ＼ j 〃ﾞー'´
＼ ＼ l i _ノ, ｀:.､
＼ ヽi | ／ ﾉ ￣ヽ_
＼ ＼ / / ´ ￣ヽ
.: x三三三三三三三三三三三三三三三三三ﾐ:.':,
:: . l三三三三三三三三三三三三三三三三三i ::.!
:.:.:.!三三三三三三三三三三三三三三三三三l .:{
:::::{三三三三三三三三三三三三三三三三三ﾘ .j
:::::三三三三三三三三三三三三三三三三三ノ ,{
::::::.≦三三三三三三三三三三三三三三≦､,.:::::i
:::::::......≧三三三三三三三三三三三三三≧.:::::::{
}::::::::.ゝ三三三三三三三三三三≧彡< .::::::::::::::::j'
＜:::::::::::::..≦三三三三三三三三三彡'゛´ ＞'´ }
_j:.ﾐ｀ﾞー＝≡==＝≡≡≡＝≧三＞＝ァﾞ´彡ﾞ ｀i
Y .ﾐ ｀ﾞ .:::::::::::::::::: ':, ､ ≦､ ゝ¨ '＿ ,.:彡′}'jk.ﾉ!
.ヽヾ! ｀ー '´ ノ i :. ヾz_ ￣ ,ﾓソ/ }
∧i .', ´ |l :. ｾop@ | 大丈夫だ すぐに援軍が来る
. ｀ゞ! i! ::. u. 〃'!i|ﾍヽ,
l | :::, / | l_jﾞ'´ それまでは土でも石でも喰らって耐えるんだ
ﾍ ヾ '´ / ｀´ l
':, ,.: -―――――- ､ / j .,
＼ ´￣￣￣｀ﾞ ／ / /
＼ ／ ,′ / /
＼ ／ / / /
｀ﾞー--―='´ / / /
/ / /
日本の政治が動揺を大きくするなか、朝鮮の地でも、一つの分水嶺となる出来事が起ころうとしていた。
「蔚山城の戦い」である。
―― 第七十一段 終段 ――
余談。
昔の地方の冊子見てたら、最上義光の所業は通常の精神状態では理解できないとか言われてたので笑いました。夏。
噂の何故か山形でdisられてた冊子ですか
こう波乱な状況を見たら、やる夫義光がいつか言っていた
「大事な新政なら腰を据えてやれっての」
って言葉を思い起こしたよ。
この頃になると本当にｇｄｇｄやね
天下が収まったと思ったら西国じゃ農民離散
東国じゃいまだに火種がくすぶってる
なのにお上は寄越すもん寄越せじゃね
>>154
実力で国切り取っり現在の地位をもぎ取った身としては
利家より格下扱いされちゃたまったもんじゃないのかねぇ
皆さんが何で最上義光を知りましたか？
自分は大河ドラマの独眼流正宗で知りました。
ただ、最上が強いって分かったのはファミコンの独眼流正宗です。
自分と全く同じでフいたｗ
>>235
ほぼ同じです。信長の野望はあまりやらないので、ナムコの独眼竜正宗で知りました。
ただ、ファミコンの内容をそのまま鵜呑みにしていたので、
最上東北最強、伊達弱小勢力だとばかり思ってました。
このスレを読むまでは。
へうげだと、金の瓦目当てに飛び込んでたが
関ヶ原戦線スレで知った、というかあそこのクマー鮭様が何かやたらと印象に残った。
その後でこのスレと、いい悪い話まとめサイトでの逸話を読み、「なにこの面白いお人」と気に入って今に至る。
最初に名前を見たのはやる夫家康のだけどその時は殆ど記憶に残らなかった。
序でに言えば信長の野望には手をつけておらず、某大河もこれらを読んだ後で視聴したので、
個人的鮭様のイメージは初っ端から脳筋。今でも策謀の人ってイメージはあまり強くない
山形自体が江戸時代はその時々で大名がコロコロ入れ替わる鉢植え用の土地だったり
県としては米沢の上杉推しだったり、義光にちなんだ祭りが時の県知事に潰されたりした影響で。
県南はそんなことないぞ
だから県全体に影響を与えた人物に着目すべきですよ、三島通庸とか。
ウド鈴木の文字
>>245-246の流れ
相方は愛知出身だし
「イ”ーエ”ーヤ”ースーグーーン」とか言ってるに違いない
火曜日２１時半から投下します。間隔がのびのびになっていますがどうぞよろしくです。
>>247
スマンなｗ
朝鮮への再出兵、「慶長の役」が起こった慶長二年（1597）。
日本軍は夏までに各地で勝利を重ね、朝鮮南部に展開した敵の水陸両軍を壊滅状態とした。
＿＿__＿
| |
| （◆） | ﾜｰ
| |
| （◆） | ﾜｰ ﾜｰ
| |
_ | （◆） | ┣¨ ┣¨ ┣¨ ┣¨ ┣¨ ┣¨ ┣¨ ┣¨
, '´｀＼. |
＿∧／＿＿__＼￣￣ /l /l /l /l ﾜｰ
（＿・ |7(・∀・ ｿｃﾐ | |/（◆） | | | | ／◆＼/（◆）＼
|＼Ю ⊂)|√ヽ :::( |（｀Д´ ）ｳｫｫｫ! |（｀Д´ ）｀Д´ ） :(⌒;;⌒ヽ
（ ￣ ~∪ ）^)ﾉ ''⌒;; ﾍと つヽ ﾍと つ つ 三 :::(⌒;;;ソ⌒)(⌒
||｀ || ( | （ | ソ⌒) ┌γ 人 ≡ ⌒） （_ （ ソ''⌒;;）⌒;ソ⌒;;;;!
'~ ~ '~ '~ 〃 ヽ＿人__)≡ ）⌒） ）ｰ､_）ノヽ__）≡;ソ⌒)(⌒;;ヽ;;;;;'''）
/l /l /l /l /l /l /l /l
| |／◆＼ | | | |／◆)＼ /(◆)＼ | |／◆)＼ | | | |/(◆)＼/(◆) ＼
|（｀Д´ ）反撃！|（｀Д´ ）｀Д´ ） |（｀Д´ ）ﾜｱｱｱ! |（｀Д´ ）(｀Д´ ） :(⌒;;⌒ヽ
ﾍと つヽ ﾍと つ つ ﾍと つヽ ﾍと つ 三 :::(⌒;;;ソ⌒)(⌒
┌γ 人 ≡ ⌒） （_ （ ≡ ┌γ 人 ≡ ⌒） （_ ソ''⌒;;）⌒;ソ⌒;;;;!
〃 ヽ＿人__)≡ ）⌒） ）ｰ､_）ノヽ__）≡ 〃 ヽ＿人__)≡ ）⌒） ）ｰ､_） ＿ ;ソ⌒)(⌒;;ヽ;;;;;'''）
これには、憂鬱の続いていた豊臣秀吉も気を良くした。
. , ´ ... -――--...､｀ .､
. ／ /´.. - ―― --､ﾍ. ヽ
. / /´ | i :.ﾊ ',
. ,' | ! | | i| .:.:| :.
i i:.: ∧,-‐' ￣ ｀ヽ! : :! .!
|: |/´ ノ ゝ ｀ヽ| ! |ヘ.
. .へ..|i ! |: ｜.| | >
. く || : ｜ _＿､ ,＿ |; | ﾉ ! ／
｀ ー|l_i N ,〃⌒ ´￣｀ﾒイﾊ､ i´ ふむ やはり我が武運は衰えておらぬわ
| {｀ﾄ! ::::::::::: ' ::::::::: / ノ |
|:.:.ヽ、_ ､__ ... __, ,'イ∧.| いよいよ天下に徳を現さねばの
|:.:.:.:i {ﾍ ／ .!:.:.:.:|
|:.:.:.ﾊ__∨｀ト... ..イ:::.}___|:.:.:.:.!
|:.:.:.ハ ∨.:.:） ｀ _ .{ !::.,' ,'.:.:.:.:|
/へ￣｀i {7´,.く｀ｰ'｡∨｀7 /￣￣ﾄ､
. / ヽ ! /´三ﾐ､===彡三∨ ,' ヽ
{ ∨!| i´川ﾒﾒﾒ７ / / ! ［豊臣秀吉］
| |.:i.! ﾉ:ﾒﾒﾒﾒﾒﾒ{ .! ./ ｜
その影響もあったか、秀次事件に連座し、近江に追放されていた里村紹巴が処分を解かれた。
, -､ , -――- ､
! ', く￣｀'ー ､ ,rz:ｙェｭヽ
ヽ. ヽ __ /.:ト ､ ー-{｛ rｬｚ_}｝ハ
ヽ ＼ /´ ｝ / '} 丶､ ヽ,:ｸｰ'ヽ.〉 li
ｒ‐ヽ. ヽﾉ / l.: / ＞‐ゝ〃ヽl ｌ|
r | {:. , 九、 l: /- ､ ' ,ｨfﾒ､ ＼ l :!
. ｢', ＼＿｝l ﾉ }' ＼ ヽ!:y=､ ﾍ:りj ､Y´Vl 完全復活！ かしらー！！
l ヽ＿〕 ＿ ｲ _〕＼´l＼ _ﾊ:り 、 ´xXx fヽjﾉ
｀ ー 'ｔ--イ __j´ ／ _} ＼ //⌒ヾ _, -'´） ,ｒｰ｣
ﾌ⌒K´ ' ヽ、｜ ヽ、__.／￣ ｀ヽｰ ､ﾆ´ r '´￣￣¨ヽ
厶ィ ｌ ＼ ／ | ､ ヽ ｀丶 - V ｣ト-イ_V´ . 二 _ ｣、
/ ﾊ. 丶､{＿ ｣ ｀ ヽ ／ _}｡ Yﾞ-―‥ﾁ:〉
└ 'ｲ. ﾍ ／ ｲ /‐ｔ― ヽ､, ｲﾉ l:ﾄ､ , -_｣{
/ , l 'ｰｫ / / ＼＿_ , f´￣｀ﾌ|｣ 匕.-'‐i|
´} '´＼ / { ／ / ≦三} ｡ Ｋ≧ｲ!
¨´ｹ ハ フ | ／ / └＝' ､ /ハ l ［連歌師・里村紹巴］
{.ノ} し'ｲj' / ／｀ヽ }'´ :|
紹巴は早速に都に戻り、文化人たちの歓迎を受ける。
八月七日。無事の帰洛を祝し、紹巴を主賓とする連歌会が開かれた。
､へ、 ､へ、 ､へ、 ､へ、
>__∧ >__∧ >__∧ >__∧
(Д‐ ,,) (ﾍ､ﾟ ,,ミ (Д‐ﾒ). (Дﾟ ,,ﾐ
ﾊyハ^ヽ ﾊyハ^ヽ ﾊyハ^ヽ ﾊyハ^ヽ
<」う'Lヾ ヽ. <」とL.ヾ ヽ. <」つLヾ ヽ. <」つLヾ ヽ.
. ﾑﾂとＬ.,,ヽ__ゝ . ﾑﾂとＬ.,,ヽ__ゝ ﾑﾂとＬ.,,ヽ__ゝ ﾑﾂとＬ.,,ヽ__ゝ
旦 旦 旦 旦
高野山の木食応其が呼びかけ、里村一門の高弟や公家ら、洛中の高名な文芸人が集った一大イベントである。
大名からも細川幽斎や前田玄以といったメンバーが参加。
――‐- rぇ､ _.........................._
＿ ／...::::::::::::: -― ヾ＜ ,ｨ升三三三三三ﾆヽ、
〈＼＿__|匸》厶:::::::::: イ / ＼ 、 ヽ /三三三三三三三三ﾍ
ー―仁アr一ｧY / | l l 、＼ ＼＼ ＼ /三!｀ヾﾆ三三三三ﾆイﾆﾍ
. ―＝彡イヽニ ｲ l l | l |'Nム､ヽヽ ヽ ハ /ﾆ三〉! !〈三ﾆﾍ
く／￣ ／ ／/ / ｌ l| |、l 卞ﾃtｿx刈 | |l } } | /ﾆ三/ l l Ⅶ三ﾍ
-−／ ／ ／ / / | || | ＼ｌ| ゞ " ﾍ从ﾉ川 /ﾆ三/ j ', Ⅶ三ﾍ
-− ／ ／ ／ ,ｲ | |ﾍ 、 〉 ｲ乂 /三三l ./:::.:.... ヽ /....:.:.::} l三三ﾍ
.-− ／ ／ ／ | ｜| ＼ゝ 、 _ イハ | /三/こ:ｊ 艾互≧メ /≦互艾 ｲﾍ三=ﾊ
-− ／ ／ / | |l |＼ ｀ ハ ｝| {三ﾍ（ （j ／ .: ヽ j/）)三ﾆ}
― ――＜ イ┌.| |ｌ ト､ ／ | ﾉﾉ ＼ﾆﾍハ. ／ :|:: ＼ ﾑ,/三／
／...:::::.:.:. ＼i /.::| |ヽ＼::::＞ __／ ｌ| |│| ヾﾞ介ﾍ. l::::. ﾊｲj／
.:::::::.: . ＼:::l ｌ::::＞ｰ 、l ｜ ｌ | ｜ |人l ｀ヾ;ﾊ ヽ,ｌ／ /!／
::.: ヽﾍ ∨イ|:lヾ＼ | | | ｜ |ヽ ＼ ［細川幽斎］ ｀ヽ. ー=‐=一 ,ｲ ′
:.:. | ＼ ∨/ゞニｲ | | | ｜ | l ト ＼ ,.,.,.,.,!ﾍ. ｀￣´ / i';.,.,.,.,.,.
.:..:.. . | ／ ヘ＼ |:| ｜ | | ｜ | l | ｀＼ .,.;:';:';:';:';:';! ﾍ / j!:::';:';:';:';:';:':,. ［前田玄以］
.:.:.... . ／∠ ｀ ＼|＼ｊ_ 乂＼| ｜ l | ｝ ,.,.:';:';:';:';:';:';:';ﾊ : :ー‐‐ ′/ l::::';:';:';:';:';:';:,. . .
:::::::::.:.:..... く／ く丁トヘ厶 :..＼＼＼ jﾉ . . : :;';:';:';:';:';:';:';:';:';:i ﾍ : : : : : : / !:::';:';:';:';:';:';:':,: : : : : .
:::::::::::: ／ ::.ヽ| 〈｛迄〉 ::.l ハヽヽ . . : : : : : : :;:';:';:';:';:';:';:';:';:';:l ＼: : : :／ !::::';:';:';:';:';:';:';:',.: : : : : : . .
- ─┬―＜:::: ::.∨ ヾテﾍ ::|′| ｝| . . : : : : : : : : : : :;:';:';:';:';:';:';:';:';:';'::l ヽく l:::::::';:';:';:';:';:';:';:':,.: : : : : : :
これにやる夫も招かれた。当時の歌壇における、やる夫の評価が伺える。
＿＿＿
／ ＼
／ ＼ , ,／ ＼
／ u （●）liil（●） ＼ め 名誉だけどキンチョーするお
.| （__人__） | ＿＿
＼ ｀ ⌒/￣￣⌒/⌒ /
（⌒ / / /
i＼ ＼ ,(つ / ⊂)
| ＼ y(つ＿＿./,＿＿⊆)
| ヽ＿ノ |
| |_
ヽ、___ ￣ ヽ ヽ
と_＿＿_＿＿＿ノ＿ノ
やる夫の歌への熱意は自身の趣味にとどまらず、息子たちへの教育にも及んだ。
義康も家親も、里村一門と交流し、歌を学んでいる。
＿__,＞ Ｙ´'ー-､
＿＿＿_ ＿>ｚ二_ ＿__`ー≧＿_
／ ＼ ＞┴'´￣｀ ‐-､￣ ７ ＜
／ ― ― ＼ ／ ヽ ｀Ｙ′之＞
／ （●） （一） ＼ . / , l、 、 , ､ | ヽ }<
| __´___ | ｌ ,ｨ {７Tハ T寸寸 | }ノ |
＼ `ー'´ ／ |ハ | （●） （●）/ / ,/ﾚ′
/ ∩ノ ⊃ ／ `| ヽ 「)'/|/
( ＼ ／ ＿ノ | | ヽ､_ ― _,.ィT/
. ＼ “ ／＿＿| | ［嫡子・義康］ l 7Eニ::ィ1│
＼ ／＿＿＿ ／ |￣￣￣￣￣￣￣￣ | ［次男・家親］
_（,,) 詠歌大概 (,,）_
／ | .| ＼
羽州探題家としてふさわしい教養がなくては、こうした場にお呼びがかかることすらないのである。
,ｫｪ､＿__
,.f込ｔﾝ:::::::::::｀ ヽ、
／::::;. -‐ ´￣￣｀丶＼
〃::／ ＼ヽ、
. ll::/ l 、 ヽY ＿
ll::l} ｌ | l | l lイﾆ}|
ll;;l} l､ | | ｌ、 -l‐七/ｖ' lミ彳、
. _,'Vｉ l,x tT二ｔ,|ヽ,ノ,ｨT}｀'j ｌ ||〃へ.､
／<//l､ ヽヽｨf_lｊ` ¨ ∠ノlﾉ.|| l ヽ> おひさしぶり 最上殿
ヽ／/{∧ ＼＿. __'_, ,ｨ′l ﾚ. l
. / //'l | ＼__＜. ､ __`_´.ｲ,ヽ ＼,__ l 今年はまた一段と暑さがこたえるわねぇ
/ l_| |_! ｌ ｌ l'ー--,＜└vヽ ＼＼!
. / ,ｨｰ-.‐| |'′ //lＹﾐヽ|l ハ 、 ヽ:.＼
/ /.::::::::::::{ ＼ｰtfﾉｌi 斤 l:::::|j＼ l:::::::.＼
/.:::::::::::::::ヽi＼ ヽ ￣l｣ |/ |::.Ｙ :::`'::::::::::/
. /.::::::::::::::::::::::|:::l ヽl_,､_ｒ､,_,､r､l'|:::::', :::::::::::::/
〈:::::::::::::::::::::::::l:::::＼ﾞ ' | l / ' ,}::::/ :::::::::::ハ
. ＼:::::::::::::::::::i､:::::::::＼ 仍} ,/:::::ｌ｀ヽ:::::::::::::',
T :::::::::::/ ＼:::::::::::` - ､／::::::::l ヽ:::::::::..ヽ
＿＿＿_
／⌒ ー､＼
／（ ●） （●）＼ それにしても 殿下のご機嫌も麗しいようでなによりですお
／::::::⌒（__人__）⌒:::::＼
| |r┬-/ ' | こうして先生の帰還につながったわけだし
＼ `ー'´ ／
ｉ:/ i:ｨ::ヽ | l i ! | ｉ i ｉ ! l ､ ヽ
l:l_/!:レ'::〉 / | .li l ! | | l | ! | | ﾊ
./:/ｉ ﾄｒ‐i´ .!‐トl､! l ! | | / | ! | | | |
::/ .ｌ |:| ! .l≡＞≧l＼ ｌ .// ﾚ// ./ .ﾊ.!
| |:| ヽ |ﾔ''{ fﾝ}ヾﾐ ∨/ム一〈/ / / l|
| |:| |ヾ､ `'~ ィtfｿ7／,}／ " ,ｨ
| ヾ | `~ / ／ｨ| ／/ そうねぇ……
.! i＼ __ ´ <"ｲ l」 ／.:::/.
! .ﾄ､.,へ ‘‐ ´ イ i ／/／.::.::./,─ｧ でも いつまでもつことか
.l l::::::::二_＞ -､.＜ ,| !: : : : -- ―<＿
ニﾆiハ |::／／７只ﾄ､＼ ／:l .ﾄ､: : : : : : : : :‐-
:::::::::ヾ∧ |::＼｀´,ｲ |:L/厶ー:| .!:::＼ : : : : : : : :
:::::::::::::＼ﾍ/ ¨ i:! ￣ .}:::::::::| .!:::::::::ヽ : : : : : :
-r=y=y=y､､
／z〆..::::::::::{f勾::::::..ヽ
／x<..:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
/.f７.:::::刈ｰ'^ｰ'^ｰ'^ｰ'ﾍｰマ}:::ヽ
. / xﾘ::xFﾉ l l .l .ｌ. l ﾏﾍ
/ ｛{l::/ﾉ .ｉ .| ll | l| |! | ! | l| ﾊ
. / ｛{:/ﾉ ｌ .l l ｌ l || |ｌ | | | ｌ| ! llﾊ
/ ｨﾘ{ l| 十 t .⊥ｌ l| ハ.} , ｨ 千 l l| .|
. /, .//|:}ﾄヽｌﾍlr=tzぅﾐヽﾘ ﾘj 斗 T７/ハ l､ 殿下には伏せられているけど
.、 .// 〈〈_}小ﾉハ ヾ弋ン` ゞ ' 〃ｲ ﾘﾍヽ
l:ﾄ:. // 〈.{ /ﾊ､}.〉＼__ ' u ｲ / l .l::|// 唐が大規模な援軍を発したとかで 高麗も勢いづくかもしれないわぁ
、 ﾍ!:V./ ゞｲ 1トム‐ｲ ＼ ､-.. _, ／/ / l.l:}.1 .＿
i;＼ヽ;i〉./ _〃∠ﾉ1 / }| ﾉ1 ヽ − イ / / /千1!|Yﾁi;i;i;i卞z,,_
i;i;i;i;Y// //⊥ｰ |｜|_ﾉ´ } ﾍ.:::::´:y:::ム/ / /ム!|:!||;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i≪_
i;i;i;i;i;{/ 〈〃::::::ヽゝン⌒ ,､ Y｀ｰt:::/イ〃/::::＼ﾄi;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;≪,
i;i;i;i;i/ ノ:::::::::::::::≧ x _, -､く ＼ヽ }|´__ //:::::::::::::＼i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;
i;i;i;/ /::::::::::::::::::::::::〈 ＼ ｢ ヽ _ く. l ||:::::::::::::::::::::::::l;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;
i;i/＿ ､|＿_::::::::::::::::::::::ヽ__,. -＜ ヽｰ"' ||:::::::::::::::::::::::/;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;
＿＿＿_
／ ＼
／ _ノ ヽ､_.＼
／ （●） （●） ＼
| （__人__） | ほー そうですかお
/ ∩ノ ⊃ ／
( ＼ ／ ＿ノ | |
.＼ “ ／＿＿| |
＼ ／＿＿＿ ／
_..．-――― - ､
／ ＼
／ ／ ﾞ＼_ ＼
/ （● ） （● ） ヽ
/ （ 人 ） ﾍ 殿下には伏せられてる……かお
i ｀￣⌒｀￣´ ’
! ｀￣ ´ |
＼ , ′
> ／
／ - 一… ¨￣＼
○ 第七十二段 ： 足音
前回の「文禄の役」にて、日本軍は文字通りの「唐入り」を目指し、進撃に進撃を重ねた。
_
|i|
|i| ∧＿∧ ∧＿∧
G（Д ；） （Д ＜＜ G ＜＜ ；） _＿_
|と ＼ / ヽ ＼ G G´|.XX|
di| ヽ , ヽ し ヽ しし ヽ 〉 .ヽ.XX| ／⌒ヽ
ﾑ| （__,/ ヽ__,） （＿,ヽ＿（＿）ヽ__,） （＿ヽ＿）￣ ＜ ＜ ）;@；;:つ
"｀"'"^´''"''"'"'^´''"''^´''"''"｀"'｀'''"^´''""'"^´''"''"'"'^´''"''""｀'"'"｀"'"^´''"''"'"'^´''"''""^´''"''"｀"'"^´''"''
しかし、そのために戦線は伸びきり、兵糧を明軍に焼かれ、全軍が飢餓状態に陥った。
今回はその反省を充分に踏まえていた。
朝鮮南部の敵勢力を素早く瓦解させた日本軍は、冬までに沿岸部へと立ち戻り、城塞網の構築に力を注いだ。
* ┼
,〜-,〜-,〜-,
十 |_順 天 城| + + ＋
_|_~~~~~~~~ ┼ + *
__i .i-.､ __ ＋
rii | i_,! 'ｰ'l |,_l"'i ﾄ, * 十 十
_ __.ﾞ| '" ." |__ ＋ ＋
└┘ i.L,r-''"i￣￣i~~ﾞ"i''-.,」_.|_iーi ___
┬─┬ﾄ''l"~￣|￣￣|~ﾞ"''i.|..|,,__~".''''ーk,,i=i、.rii l"l,,l l.,l"i ﾄ,.
┴┬┴ri'"~|□￣|￣~"l''ｰ| |_~"'l'''' iｰ-i-.ﾆＬ." ＿__ ^.」
┬回┬r''l"~￣|￣￣|~ﾞ"''i.|~",-､.=､~|~"'l''.ｰiｰ-.|'"|_._|__|~i''i| ┼
┴┬┴ri'"~|□￣|￣~"l''ｰ|~"|;;;|.|;;| .~"|".' ''l -i |r''i"□_| ~!|
┬┴┬r''l"~￣|￣￣|~ﾞ"''i.|~"|;;;|.|;;|._~'_"|"'l': ri'|i'"|_._|__||''i|
┴┬回ri'"~|□￣|￣~"l''ｰ|~"|;;;|.／｡!´｡! ~!"ﾞi r |i'"|_._|__|~'i|
┬┴┬r''l"~￣|￣￣|~ﾞ"''i.|~"|／／|／| | ~ (|i' |_._|__|~''i|
┴┬┴ri'"~|□￣|￣~"l''ｰ| |_~"'l'''' iｰ-i-.ﾆＬ..|" ＿__ ^| ＋
本土との兵站線を確実にし、朝鮮領国化を進めるためである。
重要拠点の一つが、城塞網東端に位置する蔚山城だった。
/◎))）
/ / ：
∧∝∧з / / ：
（･ω･´;) / / ：
[]-Ｏ-Ｏ )ヾ / / ：,
／-(_(_＿)─＼ / / ：,
／――――――＼ / / ：,
／――――――――＼ / / ：,
￣|￣￣￣￣￣￣￣|￣ .∧＿∧ / / ：,
| 田 田 | .（ ・∀・） / ､ ∩__
| |￣￣| | |/ つ¶＿_/ ヽヽ /;;;; ヽ
|＿＿|＿＿|＿_＿| L ヽ ／. | ヽ ニ三 |:;;;; |
＿∪ |＿__| ＼;;;;＿ノ
∧＿∧ [＿＿＿＿]＿
[ニニ∩｀･ω･)] /＿＿＿＿＿_ヽ_ヽ
ヽ ノ |＿＿＿＿＿＿|＿| ガガガ
(( しーＪ /◎｡◎｡◎｡◎ヽ= /￣/
ヽ_◎_◎_◎_◎ﾉ=ﾉヽニヽ
先鋒大将・加藤清正が縄張りし、毛利勢や浅野勢を中心に突貫工事が行われていた。
朝鮮・明連合軍はここに狙いを定めた。
城塞網の完成を阻止し、両戦役で猛威を振るう加藤清正を討つ。それが日本の士気をくじく痛打になると判断した。
;`（´￣|ﾞ ''￣ /∧ ∧...../∧ ∧ ./∧ ∧....../∧ ∧-‐'/∧ ∧....../∧ ∧.;;:";;: (´⌒;;:（´⌒;人;;）;;
:人;;:.｀）"; `(:"";;`)⌒) /∧ ∧...)../∧ ∧ ) /∧ ∧.)../∧ ∧ )/∧ ∧...)../∧ ∧ ) ;;）;;；;:人;;:.｀）"; ⌒;（
￣⌒:^::⌒;.i;;;⌒( :::: )） ( ﾟДﾟ ) . ( ﾟДﾟ ) ( ﾟДﾟ ) . ( ﾟДﾟ ) ( ﾟДﾟ ) . ( ﾟДﾟ ) ;::）i"")::)（´⌒;;⌒
" ;:"' `〜;､ ,,;:・;;,,)"::(⌒;と..∧,,∧..と..∧,,∧ .と..∧,,∧. .と..∧,,∧ と..∧,,∧ ..と..∧,,∧ 人.....:（´;⌒;::;｀(⌒
ζ;;, ﾞ;`（´⌒;;:⌒∵⌒｀),||. }・:::・{.....||. }・::::・{ ||. }・:::・{.....||. }・::::・{ || .}・:::・{.....||. }・::::・{ '"⌒)::/(::⌒;;`(´::..｡
､ ,,;:・（. . .....:（´;⌒;::;｀）,ﾞ.||.({;;;;;;;;;}） .||.({;;;;;;;;;}） .||.({;;;;;;;;;}） ||.({;;;;;;;;;}） ||.({;;;;;;;;;}） ||.({;;;;;;;;;}） ;⌒｀）",.; ;;ヽ;;｀（⌒:
:(⌒;ﾞ;"(´⌒;（´∴人;;ﾉ⌒Π|::|⌒|::|..Π|::|⌒|::| .Π|::|⌒|::|.Π|::|⌒|::| Π|::|⌒|::|.Π|::|⌒|::| ∴人;;ﾉ;⌒｀(⌒;;ソ
)⌒) "⌒)::.....;;"(:; （..V. "......|::|.ﾞ.V. "......|::| V. "......|::|ﾞV. "......|::| .V. "......|::|ﾞV. "......|::| ;::）i"")::)（´⌒;;⌒;
:::: )） (::;;");")（;;i:;_、-`ﾞﾞ ;;`(´::..｡.（. . 人.....:（´;⌒;::;｀(⌒;ﾞ;
,)" ::(⌒;ﾞ;"(´⌒;（´∴' ´;⌒;::;｀）,ﾞ. :::''"⌒)::/(::⌒;;`(´::..｡.:"'
∵⌒｀),， ;:)（´⌒;;⌒;;ノ;(´'" ; ´⌒;（´∴人;;ﾉ;⌒｀）",.; ;;ヽ;;｀（⌒::
⌒;::;｀）,ﾞ. :::''"⌒)::.....;;"(:; ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
⌒;;ヽ(::;;")（;;i:;_、-`ﾞﾞ' (: ; ,")
十二月、五万を超える連合軍が、完成直前の蔚山城を急襲する。
この時、清正は城内におらず、迎撃の指揮をとったのは浅野長吉の嫡子・幸長だった。
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
〈:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::_____::::::::::::::::::::::::::::::}
)::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::_r'‐-'つ｀ヾ､:::::::::::::::::::::`ｰ､
__/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ ,.-.､ __ '､::::::::::::::::::::::::r'
|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| (:::::::ﾉ ,､(:::::ヽﾞi:::::::::::::::::::::::｀ヽ
ノ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,'´ ` ´ '‐' ｀‐ 'ﾉ:::::::::::::::::::::::::::/
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ゝ/,'Y^Y＾YY i､ 〉:::::::::::::::::::::::く
＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|ｉｌ |,.⊥⊥l. l |/::::::::::::::::::::::::::::::}
r'´::::::::::::::::|＼:::::::::::::::::::::::| i':::::::::::::::::ヽ|::::::::::::::::::::::::::::::::ゝ な なな なんてことでしょう！
/:::::::::::::::::::::| ＼::::::::::::::::::| |::::::::::::::::::| |:::::::::::::::::::::::::::::::::＼
｀ヽ:::::::::::::::::| ｀丶､:::::::| |::::::::::::::::::| |:::::::::::::,. -‐''"／:::/
|:::::::::::::::::＼ ｀丶| |::::::::::::::::::l |-‐''"´ ／::::::::|
ゝ:::::::::::::r─＼ | |:::::::::::::::::| | ／:::::::::r'´
ヽ:::::::::::/.:.:.:.:.:.:.＼ .| |:::::::::::::::::l | /｀ヽ:::::r'
￣∨.:.:.:',￣￣ .| |:::::::::::::::::l | /.:.:.:.:.:iノ
／.:.:.:.:.∧ __,| |ｨ ! T ｌ N | ￣／.:|
〉.:.:.:.:.:.:.:∧ / / ｉl l l l l i |､ ／.:.:.:.:.}
r'´.:.:.:.:.:.:.:.:.:∧ ／ ヽ､`＾ ＾ ＾ ＾'/ ) ／.:.:.:.:.:.:.:.｀ヽ､
｀ヽ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧ ＼ ∧＿＿／ }´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:{ﾞ
/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼ ヽ {>‐r‐/ ﾉ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.| ［城将・浅野幸長］
/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼l i ﾄ'､ ／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:((;;;;))◎((;;;)).:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
しかし、幸長は奇襲をまったく予期しておらず、緒戦で甚大な被害を出す。
出先で知らせを受けるや清正は駆け戻り、わずかの手勢で包囲を突破、指揮を引き継いだ。
／|
/ i
/ |
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿r,,､ ＿＿ / . i
´ー――――――――――――――ｸi´｀~}―” /| |
,-― -ﾊｸ-―ｽ ｀ヽ' /:::| i
/::::::::::::::::::::} ヽ ./::::::| . |
i::::::::::::::::::::::〈 .ヽ /:::::::::l .i
{:::::o::､::,_ﾌﾂ〃 /:::::::::::| /
｀＼::iｪｨﾉｹ /:::::::::::/ /
｀´゜{ ./:::::::::::/ /
ﾍ, /====ヾ/＿__,/:::::::::::/ /
`' ､` ､ / /::::::::::./:::::::::::/ /
` ､`､ / /:::::::::::/:::::::::::/ /
,,，…ー―/ /:::::::::／::::::::／ /
，,, -‐::::::::::::::::::::/ }::::::／::::::::／ ／}
／:::::::::::::::::::::::::::::::/ /:／::::::::／ ／:::::i ［加藤清正］
i:::::::::::::::::::::::::::::::::::/ ／::::::::／ ／:::::::::/
{:::::::::::::::::::::::::::::::/ ／::::::::／ ／::::::::::::/
清正の指揮下、一万の籠城軍は激しく抵抗し、連合軍の強襲を幾度も弾き返す。
とはいえ、完成前の城に籠もるのはいかんせん無理があった。
从 ・ ・
人;,从 ＼ ＼ 从
ヾア ＼ |i ＼ 人;,从
|| ＼ ,,ﾍ__ﾍ ＼ ヾア
|| 8＼ ∠ =ロ=ヽゝ ||
|| "ﾞﾞ ∧..∧ ┃ （ﾟДﾟ； ）ゝ ﾊﾟｰﾝ! ∧＿∧ ||
・ (；´Д｀)┃ とｲL[]!!!![]ソ "ﾞﾞ （Д・ ；,）
＼ .∧(oﾉﾍ と||y|| .○ とノ(＿ｌ＿)ゝ .∧(oﾉﾍ （ ◯,）
＼ /( ﾟ∀ﾟ） （,___,）__,）┃ /＿∧＿ゝ /( ；ﾟ∀ﾟ）＼ / / |
￣￣| ＼￣￣| |￣##.￣| |￣￣##| |￣￣￣| |￣##￣||￣￣￣# .|￣￣￣| |￣￣￣|
● | | ＼ #| | ● | | ● | | ●＼| | ● || ● | | ● | | ● |
━━| |━━━| |━━━| |━━━| |━##━.＼|━━━||━━━| |━##━| |━━━|
＿＿| |＿＿＿| |＿##＿| |＿##＿| |＿＿＿| |＼＿＿||＿＿＿| |＿#_＿| |＿＿＿|
＼ﾁｭｰｲﾝ
序盤に外郭を破られた日本軍は数百の死者を出し、水の手も兵糧も尽きるという絶望的な状況に置かれたのである。
それでも、日本軍の抗戦は驚異的だった。
一椀の水すら欠く極寒の地で、清正らは軍を崩壊させず、十日ほども戦闘を継続した。
|◇|
r-'ーｹi=ｭ
〉 ー- i＿＿＿＿＿＿＿＿＿
〉 |＼| i ヽ､
〉､＿＿＿＿＿＿＿i＿|＿| ￣￣￣ヽ
｀=|◇| , - ‐ - ､￣｀ ヾ ､_ __／ }
|◇| /::::::::::::::::::::::ヽ / /
［ニニニニニニ］::::::::::::::::::::::::| ./ /
{≦≧| }:::::::::::::::::::::::::::::i‐ｹ´ /
/ﾕー´｀‐>f‐-=====-‐‐´j | /
./ ｰ>/g',""" i|｀’´/'b} i ﾉ 援軍は必ず来る！
/ 〈 {, ∧ -―- / j ヽ__／} 必ず来るんだ！
./ ､＿_ ,=ｸ ヽ ｀ー ´ / i
/ ,'.| | ヽ __/ /
./ ,'ﾘ.| | ｀ゝ 〉 /
/ ,' .| | ∨ /
../ } | |ヽ |
.∨ /／..| | ', i
∨_,- ´ .....| | } {
| |〈￣￣｀ー---ー´￣￣}
| |/: :i| : : : ::i| : : :i|:: : : i|::ヽ
| ﾉ: : :i| : : : : i|: : : i|: : : :i| :: :ｿ
|/": : : :i| : : : : i|: : : i|: : : :i| :: : :ﾙ
彼らを支えたのは、友軍が自分たちを見捨てるはずがないという信念だった。
明けて慶長三年一月三日。それはついに報われる。
ドドドドドドドドドドドド
「| 「| 「| __｡__ 「| 「| 「|
(´⌒(´。'。'。'。'。'。'。'。'。'。'。'。'。｀）⌒｀）
(´⌒(´⌒0 0 0 0 .0 0 .0 0 .0 0. 0 0 0⌒｀）⌒｀）
, ――- ,
., .' . _ ﾊ／{ _, 丶、
., ' ヽノ_｀二 '.＜ｲ＿ .ヽ ―――全軍
/ ‐=, '／ , .-― ヽヽ＜｀ ヽ ',
,' ‐_,'.,'.／ ＿＿ ﾉ .',::ヾ｀ !
| 川ﾊヽ{_／ ,'ｲ¨! , -┴― ,
', ﾄ, ,.‐ｧ´' .., .'｀¨¨.'
.∧ ヾト. , _, -‐.｀'´ ／
. ＼ .｀ﾘ { ./
_｀ｰｯ'彡'| .. .., .. .. ./
/イ,ィ´ | ヽ| /
_, ‐ , . .／,ィ／. ! ヽ ' ,ィ
ノ ＼,〉, ∠.ｨﾞ, '__, -‐ .| ヽ .ヽ ヽ .! ./ .,.'
{ ヽ｀ｲィﾞ ..,.'ﾌ ｀'., ', .ヽ ヽ ＼{ . { .{ヽ
｀ヾ´イ｀ー,'.,'./｀'ヘ ｀ｰ, .| ＼ .＼ .ヽ ', ',∧
｀丶、 {/ｲ { ｀丶ミ 、 .', ＼ .＼ ＼ ＼ ＼
三三/ . ト､ /{r―‐ｯ＿
三／ .{: :.＼ ﾄ､ヾヾ:::::::::::_::::::::::::二ﾆ=‐
::/ ＿_,__―_‐_＼: : 丶、_, ‐ ,＿＿_ ',::｀´::::,.ｨ／､',､::::: ｀ヽ
:{､＿＿,...:≦三:{_: : : : : : : : : : : : ｀¨ヽ, ＜丶、 ｀¨ヾ¨:,.‐,／./{¨。ﾄ､',::::::::::ﾄ､__
三三三三三三ﾆ）: : : : ___: : : : : : : : : : : : : : : ＞.,／ｨ:{./ __｀ﾆ､ .},:::::ﾊ}｀¨´
三三ﾆ＞'´＿＿｀ﾆ､¨´ ｀¨,'＜_: : : : : : : : : : : :/¨ﾌﾌ｀{ ／二,｀ヽヽﾊ::, 突撃ッ！！
― '´ く: : : : : : : : } .,' ',: : : : : : : : : :.{ ／ .∧＼ｰ.､',ﾆｨﾞ/.}'
ヽ: : : : : : :',／∨ { /: : : : : : : : : :∧{ .ﾘ'ト｀二´イ
.ヽ: : : : : : : : ﾍ._,'＿__/: : : : : : : : : ｏ: : 〉 ／..}: :ヽ._
./: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :..／､ ―‐,ｲ: : : : : 'ｰ ､
{: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ｏ:_, イ_／ /: : : : : : : : : : : ｀¨¨´
｀ ー―‐_,､: : : : : : : : : : : : /‐.} /―__' 二,': :., ― ,＿: : : : : : :
ノﾐ}: : : : : : : : : : :../￣}__ .ﾊ｀ヽ,..＜:／ .ヽ: : : : :
.／―‐｀ﾆ､ー――､_'ヽ／./.,'. , イ: : :..{ .｀}__}¨
,ｲ .｀¨¨ ｰ｀―‐- }_}'´: : : ___ ﾉ
,' _,.イ¨´ ヽ ＿ ［小早川秀秋］
.{ i´ ｀ヽ
九州四国勢を主とする一万を超す援軍が到着。
敵連合軍の背後を突き、城中もこれに呼応、形勢は一気に逆転した。
連合軍は退却に失敗して壊走、二万という途方も無い死者を出した。
... . . .. . ... .... ... . ... ...... . ..
.....................................
.::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::.......
...:::::;;;'' ';;;:::::......
...::::;;;'' '';;;::::::........
....::::::;; '';;;::::::::::......
~~^^;:;:'',,~~~~~^^^~;;;;;~~^^~~~^:;~~~^^~~~~~^^"'''~~~~~^~~^^'',,~~~~~^^^~:;:;:''~~^^~~~^ ~~
'::',:'':';:,.,、:.,"'`::'::',:'::'○ヾ_＝ "'"' "'''.''' "'''.''" '::',:'':';:;..,"'`::'::',:'"'`,.;；:｡;:；;:：､;；:｡;:；;,::',:'':'`::':'::',:'':';:
:'::'○ヾ_＝::':'::' " '''.''"'" ''"'"' "'''.''' "'''.''"'"''"'"' "'''.''' "'''. ,.,;:; :'::'○ヾ_＝':'`::':'::',:'':';:;..,"'`',:''
'::',:'':'`::'::',:'':'`::':'::',:'':';:;..,"'`',:'':'`::'::''::',:'':';:;..,"'`,:'':'`::'::'○ヾ_＝,"'`::'::',::',:'':'`::':'::',:'':';:;..,"'`',:'':::',:'':'`::':'::',:'':
'::',:'':';:;'"'"''::',:＿＿＿ '"'::'`::'::',:'':';:;∧∧::',:'':';:;..,"￣,:'':';:;..,"'`'::',:'':';:;..,":,.::',:'':'`::':'::',:'':';:;..,"'`',:'':
',:'':';:;.（｡ω｡ ）二二⊃ ⊃;',:'':'`:: （,,ﾟωﾟ） ∩∩'';:;..,"'`::'＿＿＿＿_;:;∧∧:":,.
"'''.''' ∨∨"'"''"'"' " "'''.''' "'''.''"'"''"'"' "'':';:;..,"'`',:⊂／ ／`::'::''::',:''⊂＿⊂二二（,,ﾟωﾟ）つ''
::';:; ∧∧＿＿＿＿_:":,.::''" ;; （｡ω｡ ）二⊃ ::∧ ∧:;..,"'`',:'':
⊂（,,ﾟωﾟ）二二つ＿⊃,"'`',:'':'`::':' "'`: :'::',:'':';:; ＿＿ ..,"'`',:'':'`⊂（ﾟω。 ）――つ"'`'
'':'`::'::',:'':';:;..,. ⊂―――';:;∧ ∧:;..,"'`',:'':'`::'::'': （｡ω｡ ）:'`::'::',:` ⊂（＿＿＿＿＿＼つ
⊂＿⊂二二（"ﾟωﾟ）つ ∨∨"' ::'::',:'':';:;:;..
"'"'''':'`::':;:;..,"'`',:'':'`::'::'':':';:"'"''' "''''':'`::':':', :'':';:;:;..,"'`',:'':'`::'::'':;:;.., "'`',:'':'`::'::''
一方、日本側の被害も大きく、犠牲は一千を超した。
まともな戦力でやりあえば、確かに勝てる。
しかし、いつまでその「まともな戦力」を維持し続けられるのか。
, -'´:::::::::::::::::::::::::::::::｀‐､
／:::／ ,.ｲ::ー-､::::::::::::ｒ､::::::＼
ノ::::::::::イ' ´:::::::::::::｀ ‐-ゝ｀ヽヾ::::ヽ
／:::::;':::::i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
/:/::::::i::::;:ｲ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i
/ｲ:::/:::::l:::l/';::::::l';::::::ヽ､::::::::::';::::::::::::::::::::::l
l:;ｲ:::::::ﾄ:! ｌヽ､::lヽ､ゝ,.ｲ',ヽ::i:::::ヽ:::::::::::::::',
! ヽ::::',l ﾄil ｀ liｲ ｀i､ﾄ､::';:::::::::::::::ヽ
l:::l ヽ '┘､ └' ! l::lヽl::::::::::::::::ヾ 高麗駐留を続けるだけでも手一杯だろ！
l::il '"￣ｒ -─ ､｀ ー'´ ';::lノ:::::::::::::::::::::',
ll iヽ l:::::::::::::::::） uノ-ヽ';::::::::ヽ￣￣ヽ 戦線を縮小しなきゃとってももたねえよ！
l l::::＼L:::::::::::::/ , イ:::::::::::::::::ﾄ､::::＼
＿＿／/ l ｀ ‐- ‐' ´ l┐i:ﾄ、::',ヽ:', ￣
／｀ヽ-､ ｒー ﾉ::::::::::＼ ゝｒ‐ ' ´＿ / ヽ､ ｀ ‐＿
/ ／ ヽ 〉 l 〈:::::::::::::::::::/￣l／::::::::::::｀ ‐ｧ ￣ l
l ' ´ ￣', ,ｲ 入:::::::::::／l:::::/二:::::::::::::::::::/ ／
ヽ ￣ヽ/ l く L:::::::::／二!::::::::::::::::::::::::l', / ［主将・宇喜多秀家］
＼ く l ／ l:::／´ ﾄ､:::::::::::::::::/／ /
ヽ l l l プ ';:::＼::::::/ ヽ i ,'
／￣l ﾉ/ l l /ヽ／ヾ ／ l i
高麗陣の総大将格である宇喜多秀家を中心に、戦線縮小計画が唱えられた。
軍中の十三将もこれに同意。連署の上、上申書が提出された。
が、小西行長や宗義智といった武将たちは、提議への反対を表明。
,. -､,.､,.､,､_
{::::::::::::::::::::::::｀ヽ
V⌒＾^7:::::::::::::::}
{/＾u#{:::::_::::::::::{ これだけの犠牲を出しながら
[}‐=＝fぅ }:::::::ﾉ 成果をむざむざ投げ出すつもりですか！？
ノ"'' iju ﾆｲ:::::厶 ,. -‐=ミ
` <ﾆヽ ｝ УﾆKﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ=-
ﾉイ ／ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ=-
ｎ ｎ くﾆﾆﾆﾆﾆニ`ﾆ＝=‐-=ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆニヽ
｢∟{｛＿ﾉ } ｝ﾏﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆニ} ｀¨アﾆﾆﾆﾌ
ヘ`ァ〃（ ﾉ ニﾏﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ, ／ﾆニア
｀_フ''＿ ＼ |ﾆﾆ`マﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ／ﾆニア
└‐'´ ＼ノ´＼ |ﾆﾆﾆ７＼ﾆﾆﾆﾆﾆr‐一'＾ヽ_ア
. ＼ﾆニ`マﾆ７ }}＼ﾆニ「 /ﾆﾆ
＼ﾆﾆニ7 † ﾏ=└､＿ノﾆﾆニ
＼_フ /ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆニ ［小西行長］
/ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆニ
彼らは単独でも持ち場を死守するとまで主張し、日本軍は分裂の危機となった。
この状況は、すぐに秀吉にも伝わった。
／: :／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ : :＼
/: :∠:＿:_／ : : : : : ／.: : : : : : : : : : |: : : : ヽ
/: /: : :/ ｀￣＼／ : : : /| : : : : : : |: : : : : :'.
/／|: : / ＼ 丶 ￣￣￣ |_: : : /: : |/ : : : : |
/: :,ﾚ'/ ・ ＼ - ＼/: : :/: : : : :| j
/: （ ,' ー‐ ー───＼/: : : : : / ′
. / : : ヽ{ ､ ・ /: : : : : : : '＼
/: : /: :/'. ￣ 厶: : : : :/:/ >
. / : :/ : /八 /／∧/:/＼／ またか……
/ : :/ : / / ,＿_,ノ: : :/
. / : :/ : / /: :/:.>､ 二) ｨ/＼/: : :./ またあやつらは―――
/ : :/ : /＼/:_:/_/:___/＞r---z‐=ｧ＜: / /:/ : /
. / : :/ : /: : /＿＿_＿_＿_,入￣ （ : : / /: {: : :|
/ : :/ : /: : /{ / ﾉ＼ ｀ﾞ７＼/l : |: : :|
秀吉が家臣たちに感じてきた不安と苛立ちは、頂点に達した。
／／_....:‐‐:.:.:─,:.:-:...､ ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.丶
／∠イ:.:.:.:,:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:｀ヽV:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
/:.:./:./:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.j!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:',
/:.:.:.:./:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:l:.||:.|:.:.:.:.:.:.:.i:.:.:.!:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:',
/:/:.:.:.:.:.:.:.::/|!:.:.:.:.:.:.|｣ | |:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.!:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l
,:./:.:.:.:r― ´ ー―'´ ｀ー ､:.:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:!
,:.:リイ´ ｀ヽ:.:.:.:}:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:| ＿
.':./:.:.:! ＼/:.:.:.:.:.:.}:.:.:.:.:}─‐ ' /
|:.|:.:.:.:', __＼::::::::::::::::::::::,ノ__ /:.:.:.:.://:.:.:.:.:.ト､＿＿_/
|/|:.:.:.:.', ''７｡ﾈミ､::::::::::::' ,=ﾃ｡≡ﾇ- /:.:.:.:.://:.:.:.:.:.:.'
. ﾄ､:.:.:ﾊ ぅ_ｿ:::::::::::::::::::: _ぅ__:ソ /ｲ:.:.://_ヽ:.:.:.:.'
ト､∧ 〃j／ /( |:.:.:.:.! 阿呆どもが
|:.:.:.:.:, ノ／:.:.:.:.|
|:.:.:.:.:.., ｀ .ｨー:.':.:.:.:.:.:.:.| かような隙を敵に突かれればいかがするつもりじゃ
|:|:.:.:.|:.ヽ. ‐っ !:./:.:.:.:.:.:/:.:.:.:|
|:|:.:.:ﾊ:.:.:.:＞.. , |:.l__:.:.:.:,ｲ:.:.|:.:.|
|:|:.:.:|:.}'⌒ﾞ|:.:.|｀:>､ -=' ＿_ノV ヽ/|:.:.:.:|:.:||
||:.:.:.|:.| |:.:.|:.:| ｀{/!￣￣ / /:.|:.|:.:.|:.:l:|
||:.:.:.|:.| |￣｀_Y⌒ヽ==- ､_ / /:.:.|:.|:.:.|:.:.||
ﾉ:.:._ﾉ=| |:::::::ノー(⌒::::::::::::/ , ｀ ー :._!:.:.l|
/⌒´/ | |｀フ::/ |｀|ー ､_,' / ￣｀ ＞､
/ } }-､ノ /:::/ |::::! /-､ノ ／彡´⌒ヽ
/ | /:.:.:| /::::/ |:::::! /:.:.:.} ／／ !
折も折、一部の謹厳実直な目付が、蔚山での軍務違反を愚直に報告。
,,_＿＿_
／ニニニニニﾆ=‐-,,,__
/ニニニニニニニニニニミ_
}/ニニニニニニニニニニニﾆヽ
〃ニニニニニニニニニニニニﾆ}
iニニニニニニニニニﾆﾆﾆﾆﾆﾆ/
|ニニニニ/ ⌒ }ニ/}/}／}／}／
i!ニニニﾆ乂 ≧ニﾆﾆ}=={ニﾆ}
､ニニニニ≧ヽﾆﾆﾆ/ キﾆ/! 蔚山救援軍の中には
＼ﾆ{⌒ヽミ ￣ 〉 i 戦闘に参加しない者 また軽率な者が幾人かいたようだ
＼≧=‐ _ __ , /
}､ ヽ､ _ / これは陣掟に違反する行為と考えられるだろう
／{ ＼ ￣ ﾆ{´ｧ
／ﾆ=-､ ≧=}￣ヽ⌒ヾ=-,,_
_,,=ニニﾆ=- ミ ヽ､ }ヽﾆﾆﾆ=-,,_
,=ニニニニニニ=- ≧=‐} i!ﾆﾆﾆﾆﾆ}
/ニニニニニニニニ=- ∧ i! ヽニニ}
{ニニニニニニニニニﾆ=- ∧ i!. |ニニi!
〉ニニニニニニニニニニニ=∧ i! |ニニi!
i!ニニニニニニニニニニニニﾆ=- i! |ニﾆﾆi! ［目付・福原長堯］
|ニニニニニニニニニニニニニニﾆ=- i! |ニニﾆi!
´: ／二二二二二｀丶
／: : :.:/ : : : : : : : : : : : : : : : ＼
/: : : : :/: :/: :/: : : : ハ: : :ヽ: :＼: ＼
. /: : : : :,' : /: : {: : : : :ﾉ:ハ : : }: : : } : : ヽ
': : :i: : :{__/ー┘￣￣ ￣｀ヽﾉ:j: : : : '
|: : :l: : :| _ノ~:::::::::::ヽ Ⅳ: : : : |
∧＿__j: : :| : l:| ＿__..二 ::::::::::: ﾆ..＿ !: : : !:Ⅳ
| | .: ;ﾚ:.八 弋::::ﾉ:::::::::::::::弋::ﾉ ｀ﾊ: : :N そうか……
｀ー一'| : { （￣ ¨ ¨ ': :ﾚ'┘
|: :{＼ﾉ ' {: :| そやつら 己の失敗を糊塗しようと
|: :＼: ｰﾍ. r､＿＿＿ ,' : | 若い秀家に要らぬ知恵をつけさせておるのじゃろう
|: : : :Y⌒ﾞﾄ 、 `ー -'´ ｲ: : :|
. ,': : : /| | ＞ __ , イ .|l : : |
/: : : /│ | /: : | |: ∧|
. /: : :_/ -| | {rヘ| |:│ |
/ｘ＜::::::::::Ｌ___j ＿ ＼{＿_ﾄ│ |
／ ヽ ::::::| : : | ヽ. / ￣|: : :|:::}｀＼
. / Y⌒| : : |〜ー─-〜─|: : :|ｰ| ヽ
/: : : : i: : ::i: : : : : : : : ::i: ::i: : :/: : : : :/ ｉi i: : :i:i|: : : : : : i: i: : : '.,
/: : : : : i: : ::i: : : : : : : : :i: ::i: ::/|: :＿_/ ﾘ ｀ヽ､jゝ､: : : :ｉ:i: i: : : : ',
/: : : : : : ｉ:: : :|: : : : : : : ::ｉｉ: :ﾚ'´ ｀´ ｀ｰ-､j､: : : : i::i
f: : : : : : : i:: : :|: : i: : : : : ｉ i: | ､ ＼: : :i:i
i: : : : : : : :',::::::|: : i: : : : : | i: | ._＿___‐-､＼ i＼j:i
|: : : : : : : : i:::::|: : i: : : : : | i: |豸´乍釜ﾐｭ､ヽ＼_ ﾉ _ }:::::::ii
|::: : : ,: : :::γ‐|: : |i: : ｉ: : | i: | ､ う::tj::ﾟ厂':, ,-―'´ ﾑ::::::ii
∧ |::::: ::,': : : /,-､iﾄ､:|ｉ: ｉ:ｉ: : | ヾ､ ｀￣¨¨¨´ ',ｨ＝rｪｭ. /:::::::::,ﾘ
/ ＼_|::::::::i i: : { ,-j ﾘﾍj: i: : i ヽ ぅfi::ﾟ厂`/:::::::i:::j
i |::::::j :i: : { / ( ｀ヽ､j ｀ ヽ｀寸ﾉ /::::::::::ﾚ'
{ i::::/ :i￣ゝ､｀ヽ｀ / /::::::::::::| 綱紀粛正を徹底する！
ヽ､＿__i:/: :i ＼ ｀ _＿ /::::::::::::::i
/j: ::,ｲ i ｀ｰ､ ／―-｀ヽ､ ∧:::::::::::::i 違反者 消極主義者どもを処罰せよ！！
/:j: :/::| i |::ji ( ｀Vｉ ,':::|＼::::::i
/: ,'::/::::ｉ ｉ |:八 ゝ ｿ 人::| ＼j 豊臣に近い者ほど容赦はするな！
./: ,'::/:::::::i |ｉ ≧｡ ｀ｰ‐‐' ，ﾟ:::::::i
/: ,'::/:::::::::::} ji ＞､ ， ﾟ:i::::::::::::i
./: ,'::/:::::::::::::ｉ ji ＞､ ，ﾟ ￣｀ｉ::::::::::::{
/: ,'::/::::::::::::::::} i 厂￣￣￣｀ヽ､ ≧r―‐':f }:::::::::::::ｉ
./: ,'::/:::::::::::::::::::i ﾘi r‐ ､ Y´厂￣}::::::{ j::::::::::::::i
-―‐-､//＿＿_,-―j } / j { {:::::::{_ ﾉ::::::::i::::::i
｀ヽ i | / i ヽ i___::::} {:::::::::ﾉ::::::ｉ
＼ i |＿___/-――f⌒Y_} { ｀ | ヽ―'´￣￣｀ｰ―
iヽ レ'⌒ヽ､ }二二二二二{ﾆﾆ}￣｀ヽ､ | _＿_j ,
秀吉の厳命により、多くの人間が泥をかぶることになった。
養父・小早川隆景の遺領、筑前三十万石を知行していた小早川秀秋、越前北ノ庄十五万石へ転封。
,' ./ _, ―――- ,__', .｀ ',
. , ‐ ,_,.ィ ‐ '´ _,.....‐ｧ―r...., ｀丶, ',
__,.イ {／ ,..::'´:::::/{/ .}:ﾊ:::｀丶、 .＼ー ,_, ‐ ,
, ' ´ , ' フ´:::::::::::/ |' ',::::}::::::ヽ ｀ヽ 〈 ＞. ,
. { ‐―r , ', ‐'‐ｧ:::::::ﾊ,' ＼_, ,__／ }ノ}:::::::::ト, ',´ ｀丶
＼ 丶ｰヘ {,ｲ::::{ ¨¨ ' .〉 ィ_¨¨_.',:::::::ﾊ,} ./} , ' ￣￣ .}
..＼ .｀ヘ＞<{ﾞヾ..r―‐｀――‐ﾞ,´'.,'￣}＿__,.イィ¨´ . , イ
.丶、 ヽ,',.{￣￣￣￣￣} ,'_／ ´ . ,＞ ´
.丶、 ..', .| ﾊヾ ,――――,'ｲ.} .,' / ＞ ´
.丶、} }/ .{- ,.'ー‐ '_´ ‐' ,' ..|/ ＞ '´
ヽ{ ∧ .｀ ´ ,ｨﾞ }r '´
毛利高政ら、福原長堯と距離を置いた目付たちも強制帰国の上、領国逼塞。
叱責を受けることになった現地武将たちは、この理不尽な措置に疑念と怒りを募らせた。
／:{ｲ:::::;;ィ:ィ;:::ｲイ:::.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/
／;:::::::.,';ｲlil.{.li〃.:::::::;ｲlil.{.li〃.:::::::ィ:::::::::::::〈´
￣/::::::/i:::/l:::::::/l:://:::::/l:::::::/l:://::::;:::::::::::::::',
/.:;ｲ:i .l/ l|::::/ 'l;'./ |:/ l|::::/ 'l;'./ |::::.;;::::::::::::::',
/.::::;'.:::::::::: .l/ l|::::/ 'l;'/::|:/ l|::::/ 'l;'/.:: |lilli::::::ﾐ::',
:/l;' l::;:: ::` -._!!:::::::ﾊ;'/.'/:: .l/ l|: 'l|:/ l|::::/ iii{ilﾐﾄ､
' |! .!:l.ｌ;:/ f:::::ゞ、.l/.;.;.;.;.;..l/ l|: 'l|/:: .l/ l|:⌒iﾊ:|l:'
Ⅵヽ 弋::’ノ`.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;Y{ﾘ.lﾊ i::!.
| `￣￣ }:.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.r‐' /ﾘ:|! ……ふざけやがって
ヽ. /.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;､ノｖ‐ .!
ヽ `.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.,.:′ V∧
＼ ＿_.;.;.;.;.;.;.;.;.;／ .／ ＼
｀ 、 `.─`.;.;.;.;ィ ／ l
／ ＞,...__ .＜ , イ .ｲ
／:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:
:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..
:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..
:..:..:..:..:..:..:..:..:..／:..:..:..:..:..:..:.／:..:./´｀ﾞ¨/｀ﾞｿ}/´/ }:..:..:.:
:..:..:..:..:..:..:..／:..:..:..:..:..／／:..／/ / ｲ/ .!:..:..:.:
:..:..:..:..:..／/:..:..:..:..:／／:.／ / / ／ ./ |:..:..:.:
:..:..:.:／ メ:..:／´ﾞ´／:.／ ./ / ./ .|:..:..:..
:..／{ ,ｲ:..／≧x:._:.／ ./ / _ ｡r≦^-/:..:./:.
ｲ X:／ ん::ﾊヾ:z、 _ 。r ん::ﾊ /:..:./:..:
.| ／ー ゞ=-'-=. . ./ !. .ヽ. .ー ={ゞ_:,ﾑ__ ,/:..:./:..:..:
ﾉ} ＼. . . / |. . . /. . --- . . . . /:..:./:..:../
{ | |. . /. . . ＼/ . . . /:..:./:..:../ ,
ゝ} .u |. . . . . . . . . . . . .´｀/:..:.イ_ノ
. ﾊ -＜. . . . . . . . . . . . . ./／ / こんなふざけた政治が殿下のもんであるはずがねえ
ト-ﾍ ｀ヽ.. . . .＿＿__. . イ}. . . ./ /
:..:..:∧ r=二二二二二 | l 、 ﾚ. . ../ー ´
:..:..:..:.:＼ ￣￣￣￣ ¨¨. .―――´. . ..ｲ:..{
:../∨:..:..!＼ ー. . . . . . . . . . . ..イ:..:..:.|
/ }:..:..:{ >. . . . . . . . ＜ . !:./ {:{ ／
≧ｭ｡._}:. ヾ .、 ／. . . . . .＜. . . . . .{ /
＼ ＼. . ー.‐. .´ . . . . . . . . ..|＿_,ｨ/}
ﾏﾊ :. ＼. . . . . . . . . . . . . . ..! //l
. ﾏﾊ | ＼. . . . . . . . . . . . .| ／ |
. ﾏﾊ-―:| ＼. . . . . . . . . . ｲ | ［黒田長政］
´｀ヽ∧. :| ＼. . . . . .／ / |
ことに、秀吉との近さを誇りとしてきた者たちほど、動揺は大きかった。
ただ、秀吉が過敏になったのも無理からぬ国内事情はあった。
＿＿＿＿
'"´ : : : : : : : : : : : ｀丶､
/ : : : : : : : : : : : : ／|: : : : : ＼
/＼ ,': : : : : : : : : : : :,／ |: : : : : : : ヽ
. 〈 ｀￣￣ }'⌒{￣￣´ | : : : : !_;_／'.
＼＿＿／:｢￣＼_＿_＿_／ : : : : |＿＿j
│: : : :.|: : : : : : : : : : : : : :| : : :|: : : : |
|: : : : : i: : : : : : : : : : : : /|: : : |: : :j:│
|: : : : : i: : : : : : : : : |: :/7´): : ﾄ､:∧:|
│ : : : : : : : : : : : : : ∨ l f: : :│/￣
. |: : : : : : : : : : :'; : : : '､ | ﾚ｀ヽj〈 r'⌒ヽ. ｾﾞｪｾﾞｴ まったく
ｉ.: : : : : : : : : : :ヽ: : : ﾍ!J u ハ (´ ｀)
'. : : : : : : : : : : : ＼: : :_Ｖ⌒) j ﾐ ゝ,___,ノ´ どいつもこいつも………
rー--ﾍ : : : : : : : : : : : : `く_,ﾊ__（_ノ r'⌒ヽ.
ハ:::::::::| :ヽ : : : : : : : : : : : : :＼:::::::｀ヽ (´ ｀)
/ ';:::::::| : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼:::::::}ヽ ﾐ ゝ,___,ノ´
,′ !::::::| : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ:::| |
{ |::::::| : : : : : :＼:: : : : : : : : : : : : :∨ │
会津九十万石を知行する蒲生秀行。
／:::::::::::::::::::::: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .:ヽ
//::::::::::::::::::/:: .: _⊥-┴──- ゝ_:.ヽ
//::::::::::::::/::/::／ ＿ r┬─-､_ ｀ヽ
. //::::::::::::::/::::ﾚ_ -.:T:::: .: .: .| |.: .: .: .:}「､ｒ､_l
//::::::::::::::::l l:::「:: .: .:.|:: .. .: .: | |.: .: .: 〃 .: 〉ﾍ
. ｌ ｌ:::::::::::::::::ｌ l::::｀ト､ .:.ト ､_:: .: l l.: .: .:/.: ／.: ノ
Ll_::::::::::::::::| |:::￣kZtヽ!ｧミ＼.ヽl.: .:_,ィﾁ.ィ´
＼_:::::::| |::: : .:l ヽ`"‐ ｀ ｀`ｧ `=' ｲ :|
｀ヾ 」_:: :. .:＼ 、 / : l ……困った
｀卞─｀- ィ' ﾑ＿.ヽ _
ｌ ＼ ‐ ‐ ／ ￣
/ ＼ ／
,ヘ _ ｀ r‐'
_ ィく ｀ - ＿ﾔ_､
_ ‐::::::::::::::ヽ / r､ヽ
-‐ ＝く::::::::::::::::::::::::::ﾍ ｲ;:;`;;:;::;ト､
::::::::::::::::＼:::::::::::::::::::::::ﾍ / ﾄ､__ ィ､::::｀:r ､
:::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::ﾍ ｌ | | | ヽ:::::l::::l ［蒲生秀行］
:::::::::::::::::::::::::',::::::::::::::::::::::ヽ l | ｌ | l:::::|:::|
その家中の内紛がついに武力衝突へと発展していたのである。
そもそも、蒲生家は氏郷期に知行を急膨張させ、多くの新参を抱え込み、それらが主導権を争い合ってきた。
氏郷生前より、彼らは派閥を競い、実力行使に抵抗がなかった。
_ ィ.:￣￣:｀:. ‐-..､
r∠ -──- r=＝‐｀ヽ_
／::::::::::::::::::::::::::::::l |::::::::::::::::::「
イ::::::::::::t‐┐r-=､ _」r‐ ﾆ7::/
.´'へ::::::::f ムL＿ , ｨ`L_=､ V
.`r､「 ィtン r｀` '´ l }
ヽ ｌ | ﾚ ＼ ☆
｀| u. _ｧ' l | ☆
ﾊ､ ,＿ ｭ l| ﾎﾟｶ (⌒ ⌒ヽ /
| ヽ ー ﾊ ＼ （´⌒ ⌒ ⌒ヾ ／
,ヘ _ ヽ ＿＿_ j ﾄ､ （'⌒ ; ⌒ ::⌒ ） ﾎﾟｶ
＿ - イ ￣ ,＝＝､‐´ ヽ‐ ､_ （´ ﾟДﾟ ） ::: ） ／
ィ::::´:::::/ | ,イ＿＿_＼ | T 丶､ , ― ､ ☆─ （´⌒;: ::⌒`） :; ）
.l::::::::::::l ｌ ／ ヽ=-‐ァ' ヽ l |::::::::::::「｀ ＜＜:;;:） ） （⌒:: :: (;;::)Дﾟ:⌒ ）
l::::::::::::l ヽ/ 〉n 〈 ＼/ |::::::::::::| Ｕ( (Ｕ_つ ／ （ ゝ ヾ 丶 ソ ─
.ｌ::::::::::::l l:::| |:::l |::::::::::::|
ｌ::::::::::::l l::::| |::::| ｌ::::::::::::l
|::::::::::::| |:::::| |:::::ｌ ｌ::::::::::::l ［先代・蒲生氏郷］
氏郷が家臣団の再編に着手できず早世したことで、内紛は激化の一途をたどる。
氏郷死後、一度は会津取り上げを考え、秀次に阻止されていた秀吉は地団駄を踏んだ。
／／￣: : : : iﾄi:￣｀＼: : :＼
／:,:': : :/:,': : : ,ｨi i: : : :i ::i:i : : : :ヽ
/: : ,': : :/i::i: : :_j ﾘ ﾘ､＿i:::::ii: : : : : :::.
,': : ,': :__j '´￣ ｀i::::i::i: : : : : i
i: : ﾚ´ ‐､_ ､／ ヽi::i: : :i: : ::i
|:,ｲ::i ,ｨ≠ﾐ､ ,ｲ芸㍉ ﾉｨ: :i､:i: : ::i‐-‐イ
ﾘ |:::': ん) ん) ﾘ ｉ:::::j_ﾘ: :: :|､＿/
ﾚi::': ¨´ ¨´ レ') }: ::ｉ: | それ見たことか！！
γヽ レi ､ u. ‐'/ノ: ::ｉ: :|
{ ＼ 八 r‐‐-､ .ｨ‐'´: : ::ﾉ: :i 秀行に統御できるわけがなかったのじゃ！
乂 ､ >､ ) .::::j‐-‐ｧ'´＿_i
ヽ ＼ /:,ｨ:＞､ _,.: : ／′／ Y
＼ ｀ ￣｀ｰ‐-､ /:/ i: _/ ｀ｱ¨i__／ / f }､
｀ヽﾉ ｀ヽ､,ｨ´/ /＿i｀i＿/ / -‐'´ ',ヽ
/ ﾉ ,' ＼′_/ﾆﾆ{::}ﾆ,ｲ⌒ヽ､―-､ i: :.
... -‐- ､.〈 / / ,: ヽ―――‐‐､‐-､ ＼ }:: i
( ＼〈 〈 ,ｲ､ ヽ ヽ /i:: ::i
｀ｰ―‐-､ ｀ゝ―ヽ､__j､ i i i'´}::i:: ::i
￣｀ｰ――ｧ――r‐- ､ } } r': ::|:::i:: : :i
r'´ |: : : | ￣￣｀､ｰ‐/ /: :. /: : :::|:::i: : : i
正月、秀行の宇都宮十二万石への減封が下達される。
／／_....:‐‐:.:.:─,:.:-:...､ ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.丶
／∠イ:.:.:.:,:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:｀ヽV:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
/:.:./:./:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.j!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:',
/:.:.:.:./:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:l:.||:.|:.:.:.:.:.:.:.i:.:.:.!:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:',
/:/:.:.:.:.:.:.:.::/|!:.:.:.:.:.:.|｣ | |:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.!:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l
,:./:.:.:.:r― ´ ー―'´ ｀ー ､:.:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:!
,:.:リイ´ ｀ヽ:.:.:.:}:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:| ＿
.':./:.:.:! ＼/:.:.:.:.:.:.}:.:.:.:.:}─‐ ' /
|:.|:.:.:.:', __＼ ,ノ__ /:.:.:.:.://:.:.:.:.:.ト､＿＿_/
|/|:.:.:.:.', ''７｡ﾈミ､ ' ,=ﾃ｡≡ﾇ- /:.:.:.:.://:.:.:.:.:.:.'
. ﾄ､:.:.:ﾊ ぅ_ｿ _ぅ__:ソ /ｲ:.:.://_ヽ:.:.:.:.'
ト､∧ 〃j／ /( |:.:.:.:.! もはや堪忍は切れたわ
|:.:.:.:.:, ノ／:.:.:.:.|
|:.:.:.:.:.., ｀ .ｨー:.':.:.:.:.:.:.:.| 蒲生後見を任せてきた家康では信用ならぬ
|:|:.:.:.|:.ヽ. ‐っ !:./:.:.:.:.:.:/:.:.:.:|
|:|:.:.:ﾊ:.:.:.:＞.. , |:.l__:.:.:.:,ｲ:.:.|:.:.| そちが指揮を取り 国替えを断行せよ
|:|:.:.:|:.}'⌒ﾞ|:.:.|｀:>､ -=' ＿_ノV ヽ/|:.:.:.:|:.:||
||:.:.:.|:.| |:.:.|:.:| ｀{/!￣￣ / /:.|:.|:.:.|:.:l:|
||:.:.:.|:.| |￣｀_Y⌒ヽ==- ､_ / /:.:.|:.|:.:.|:.:.||
ﾉ:.:._ﾉ=| |:::::::ノー(⌒::::::::::::/ , ｀ ー :._!:.:.l|
/⌒´/ | |｀フ::/ |｀|ー ､_,' / ￣｀ ＞､
､__｀≧=-.:／.:.:.:.／..:.:/:/.:.:.:.:.:./.:.:,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`ニＺ.´
､_｀ニ ⇒..:.:.:.:.／.:./.:./:/.:,:.:.:.:./.:.:/.:.:i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.;.:.:.:.:.:.:.-:≦二、
`'¬彡.:.:.／.:././.:./:/.:/.:.:.:/.:.:/.:.:,:.ｉ.:.:j:.:.:.!.:.:.:.:.ｉ:.:.:.､:.:.:.:.:.ー'Ｚ＾
ー=≦／.:.:.:.'ｉ:.:i:./i/,〃.:.:/.:.:/:/:,1:.!:.:'i:.:.,1:.:.:.:.:!、:.:.:＼:.､≦二
__彡.:.:.:./.:.!:.:!∨/l/!:./.:.:,.:./:/ }:.j/_j:/.｣:.:.:.:ｉ:|い:､:.:.:.:＼く￣
｀¨ア.:〃.:.:!!.j厶{劣iｲ.:.:/:/:厶イｨ岱㍉〕.:.:.:ｉ从Ｖ.:＼_:_:_戈
/／/.:/.ｉ|i∧ {iJ＾|:./:/i/'¨下'{iJ ﾉ从:./:.}:.川:.:ヽ.≧=-
´ /イ.:/!い＾`＝‐彳/ ‐＝'^″}':.://∧＼:.:＼_
|/|小.i '｣〉 /イ､く:＼ヽi^''ｰ一
|;小 !{ /|｢:.､:＼｀:ト はい
、 / !!:厶トへ|
＼ ─…‐- ' ｉ｢》} 〉
.＼ ／ ／″ /{
／／个 .___ ´ r＜ / }
／／ /j }/ハ / _,厶__ ［石田三成］
弋￣:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/＿＿
＼￣:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／
＞::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
≦::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／/::::／::: |:::::::::::::::::::::|:::::::::::::::::::ミ三
￣/:::::::::::::::::::::::::/／__/／|/:::::/|::::::::/|:::::::::|::::::::::::::::ミ､
. ／:::::/⌒|/::::::::/ ＿__≧､|::／ i: : /厶 |::/::::::::::::＜
フ::::::|厶〈|::::::|/ ヾ じ￣｀ ヽ .|／,≦__|/::::::::::::::::::ト､
∠:::::::∧. { |/|/. `ｰ ´じ￣'/::::::::::::＼￣
￣／:::＼ `ー' |::::::::::::弋 先の地震での応対
,.イ::::::::::::|､ i /::::|＼| それに 会津の処分……
|／|::::: | ＼ ´ / /ｌﾙ'
. 川/ ＼. ,-――ｧ .／ やはり徳川をそのように考えてるんですね？
__/. ＼ `ー―' .／
. / `ー――‐ ､ ＞､＿ , ´
/ ＼/
7￣￣￣ ｀ヽ. ＼
/ヽ＿,／ ＼ ＼_
. / ＼ /
/. ／´ ￣＼ .＼ .∧,
| ｜i | .! |i .! l .! ヽ
| | i i|,l! _|!i/! l .! ',
.| ｜,, -ゞ ´ ￣ ¨" t -_..ゝ
∧ ! { ´￣ ヽ f‐''
' .ﾞ､ ﾞ､ ﾞ､ , -＝､__ ′
¨ヾ､ ､ヽ ､ ヽ .!rﾟ| ト
λ､fヽ､ヾ ゝ ｀ヾｿ 丶
.(〈 ｀ ' ヽ、
`^ｰj ﾉ ……家康には わらわも世話になったと思う
|｀‐f ′
| l ∧ ＿ ﾉ
',.!{ /
!',ヽ 丶、 /
⌒ヽ ､ ノ
ヽ ,r｀フーr ´!|
､ ヽ ,!´ .! /| |
丶 ヽ |.! ! | |
ヽ ヽ | ! !/| |
. ヽ ,r┴､ ﾄ､! .!｜ |
_,. -─ ー─- ､_
_.イ_ -‐───── ､ ＼
／∠ -‐─‐r──‐-､ / ＼
/ / / / ﾊ V ﾊ
／ / / / / 〉 ｲ ', l
／ ,' /／|＿_ノﾚ′厶＿／ ! ! | !
／ ／ { 厶 ヽ ／ ﾚ| ｜ |
∠ ／| 个 ＿ _ィf示ｱヽ! ｜ ├─┐
| ｲィfてｶ 弋_zｿ ﾘ ﾑ ト､_ノ
/ ／lハ 弋_ｿ / ／´} ! されど わらわ亡き後まで見通せば
. / ／ / ﾊ , /／ l ）ﾉ | 徳川家の力をそのまま公儀に持ち込ませては危険すぎる
/ ′ / ∧ ｨ７厂 |
| ﾍ、 ´｀ ／ | ｜ | できうれば 宿老の一人というに留めておきたい
| / ノ＞ 、 _ イﾄ､ / / ｜
| |⌒| ≧ て / |⌒| ./ j
| | |_.へ_ﾉ ト､! ! / /
| _| || ＼ | |,' /
/／ /|⌒|| l__ |⌒ト‐-〈
／/ l | || | ￣ヽ ∨ ﾍ＼
／ | ヽ! !!＿ ＼ ＼ ＼ﾍ ＼
／ | | || ヽ＿_ﾍ | ヽﾍ. ＼
｀ﾐ、z:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/＿
｀ﾐ::::::::':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/
＞:::::::::::／:::::;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＞‐
―＜:::::::::::イ::::::::'/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＞‐
＞z:::::::::::::::/::::::::::::::;::::::::::::/:::::::/l:::::i:::::l:l::::::::::ヽ::＼
ー＞,:::::‖/::::::::;'::/l:::::/ .l:// l:::/l::/孑:::lゝ:::::::ゝ、
∠::::::'::,‐、::::/:::; .l::/‐‐十= 'l:/ .l/l;ﾗl::::::厶￣
‐＜'ﾌ:::::l :／l::::〈 ./ 弋ﾂ ./ / ; l }ゝ、 徳川は 奉行大老会議を牛耳っての現状変更を企んでいます
／:'l::::、 ;:::l::i ¨ :; .ﾊ.ll
" .l:'l:::::ヽz、v｀ ‐ / 〉 殿下の懸念はもっともかと
/ .l:/vV: :ゝ _ , /i l
. / ＼ : : : : ＼ ー‐'./ ./
厶 ＼: : : : : ＞. , ｲ ./
／￣ ゝ ＼: : : : :/ ￣; /、
／ ; ,ゝ: :/l ./＼;.ヽ、
／ . ;: / l==〉 l / }
/_ ‐ ― 、 ノ ; ／ ゝ:::::; |_ / .l
./ V / V´ ＼:l l/ .|
／ /´ -‐…‐- .｀＼
/ /´ i !｀ヽﾄ､
. ,ﾍ ,' i ! ! | |i |ﾊ i ヽ
/ ゝ! ﾉ| ! !::__!::ノ ´ ￣ i::.i ｜!
＼ .| .:i i :i i |´ ノ ヽ ｀!､ﾊ:!
｀ヽi 从 i i | !:::::|
. | ＹﾊｉﾊN ニﾆ｀ ´ニﾆ '::::N
. | ヽゝ u ´ ｀ﾊ!｀
. |∧ Ⅵ! ′ ,':::| じゃから 筑前の小早川領をそちに―――
ｊ/∧ _!::｝ 、 ⊂' ..ｲ:::::|
///∧´ ∨ ｀ ,.... ィ´ﾞY:::::|
. /////∧ ヽ {ﾄ､∧ |::::::!
,＜￣￣∧ } ｀ヽ ＞''} {￣｀ヽ
. / ｀ヽ:::::::::Y´ヽ i´｀∨::::∧
/ ∨:::::| .:: ! i .:.: !::::/ i
l:.:.＼!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./ ＿_
、 j:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.￣:.;ィ__,
V｀:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. : : : : : : : : :.:.:.:.:.:.／
r:.:.:.:.:.: : : : : : : : : : : : : : :,ｨ }、: : : : : く__,
＜:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.;′:.:.:.:.:.:.;′ﾑ:.ハ:.:、:.:.:.、イ
／:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.;.:.:.:.:./!:./ .j!≧j:LV:.:.:.:ゝ、
∠;.:.:.:.:.:.:.:.:.:.厶=、:.:,:.;/ ﾚ' ´ d' !ﾍj! ￣
ノ:.＿:.:.:.:.:.:.:.:.{ ﾊ:./!:! |l|lｰﾆ!´ 丶、 勘弁してくださいって
￣ !:.:.:.:.:.:.:八ゝ/ l! u l l l _ ﾉ
ﾉ:.:.;ィ:.:.:.:.:.ゝｰ- ! u , ｨ 二 ｰ ,′ そりゃ大領があれば石田の力も大きくなるんでしょうけど
/イ´ l:.∧:.:.:.:,′ゝ （＿ r ノﾉ
ﾚ ﾍ:.:,′ 、 ｰ ￣/′
, ィ ! ｀7 ー＿
/r' ﾘ ﾍ ∧´ ｀＞、
,′Vｲ ﾍ ハ ヽ lヽ、
r〈 ＼ { ﾊ、 !
ﾉ ﾍ、 ＼ ＿, 、 ! lﾍ !
／ ﾍ ＼ } l !
＞、:::::::::::, '::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ソ、
＜::::::::::::, '::::::::::::::::,;:::::::::::::::;:::::::::::::::::::＞ー‐
＞、::,:::::::::::::::://l:::::::::::::/l:::i:::::::::::::::::＞z_
zソ::,:::::::/:::,l://._l:::::/ｿ:' l::'l:::::::::::::::::::＞、
＜::::::ﾉ::::,'/:/_l:'ｨイ,'::// ＞ｰﾔ!::::::::::::::::::::＞ｰ 今 九州に行っちまったら
￣＞:::::::l ! ぞ! / !ぞ!＼¨l::::::::::::::zー' 高麗攻めのことで忙殺されて 天下公儀どころじゃなくなる
＞l ;l ー‐' . ー−' .l::,ヽ::::::::＼
￣ニ! i : ,' ノ::＜￣ それなら大領なんていらないですよ
∠.::、 ＿ _ _' イ:ー≠ｰ
、 r_ ＿ヽ イ::::::へ'
_ .l＼ イ,'V'¨ ヽ
/ ＞: : : : .へ、_
_ イ / .}: : : l /ヽz＿
＜￣ 癶 / l: : :〈 、 /＼ ＼ ヽ
／ V' >‐ｲー‐ ' ）/ー ＼ノ :.∧
l ゝ , ' .: ＞、＼ ; ; l ＼ : }
. .l У .: ＼ l; /〉 ./ .: : ェ、
l 、: . : l l; l / ,' l
秀吉は、小早川秀秋を移封した後の筑前を石田三成に与えようとしたが、三成はこれを拒んだという。
筑前は、一時的に秀吉の蔵入地となった。そして、蒲生の去った会津へ移封されるのが―――
. イ´ : : : : : : : : : ミ.. .
／: : : : : -―‐- . : : : : :＼
／ : :/イ´ .. ---- .. ｀ヽヽ: : :ヽ
/ . : / イ´ : / : :l: :| i : : ｀ヽ､i: : : : .
.′ : /: :/: . ｲ: : : | |i: : .ヽ: : l: . : :i i
i.! : : i|: :|: : : i |. :| . . l :|| : . .|| :｜: : :| l
|| :|: :|! :|! : _｣ L⊥: ⊥ハ: : :|! : || : : |:.|
∧||: |: :|:／´ _ノ ￣ ｀ヽ|l : :i.|:.レﾍ
〈. |l i:l:. :{ ｀^ｰ |l: : ﾘ: | ノ
` |从. : l j.l : 从:|´
|.:.{`ト{ ≡≡′ `≡≡' ｲイ }.:.:!
|.:|トミ.! ﾚノ.i.:.:′ ふん 面白いやつめ
|小: :.:.:､ ' ､ ﾉ:.: :/:/
|:.:ハ :_ :＼ ｰ､―‐ノ ／--v':.l{ 東西の国替え 一任する
|/:.:.:i´ i｀{:.i`i . ￣ ィ:´i:.j }:.:.|
}:.:.:.:.| |:.|i:} ￣ {:.:.l|:|/ ハ:.l
ﾉ:.:.:._:| レ' ` ｰ| ト :.:.|
f:.￣::.::.|, -､} ___ __/ j::.::.` ー..､
/⌒ヽ::.::.::|: :ハ ｀ .... ´ /⌒{::.::.::.::.::/ヽ}
.′ },.‐┤ : : i i : : :ﾚ‐ ､::./ .
| l{（::.| : |: :ト.... ＿＿＿ .|: : : |⌒j }' |
rtr､
＞弋¨¨ﾅ-､
ｧｲ从|｀'''´从ヾヽ
{ {Yﾐ㍉ ｰミ㍉ ﾊ
(l |.彡ｿ '¨'' ｲ爪 ヽ､ ＿_
| 〃-= j从ﾊヽ 辷==ﾆ三三辷 ､
ｲ小､ _ イ::. ヾ ＼ ≧=＝ｰ- ヾ弋
-‐< | l从 |:::::.. ヽミ辷ー-- =ﾆ辷 （
ｨ彡＜: : ｀从 ヽ､ ' Y人 ＼ ≦⌒ヾミ辷二 ﾆ=ー- ､
|: : ＞ 彡: : :ヾ 彡ｲ ヽ: :ヾミヽﾊ ヾミー--- ）
ｲ／: :／: : : : : ㍉ｿ弋ヽ ﾄ≦...､いヾミ≧≠ ==ﾆｱ⌒ヾイ )
/＞''´: : ｲ: : : 〈: :｀ヽﾐヽ（::､: : : : ﾄ辷ー- 弋 r彡′ 从ﾉ
/＞′: : :.ﾉ: : : : ﾊ: : /⌒ヽｿ::､: : :.|㍉⌒ ｰ一'′ jﾙ
/: : : : : :／: : : : : : : ）ﾉ::::::::（::::::::＼:|: ﾊ
／: : : : :／: : : : : : : /イ:::::::::::::::::::::::::::{ヽ: ヽ
彡: : : : ／弌㍉: ≦彡::::::O::::::::::O:::::::::::|: : :ヽ} ［上杉景勝］
／: : .....::＜: : o: : 彡＜:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::{: : : :'{l
／＞イ: : : : : : : :.／:::::＜ }::::ﾉ）:O::::::::::O::::::::::|::...: : ﾊ
／／ /: : : : o: :イ::::::::::::::// ￣辷､:::::::::::::::::::::::::. : 八＼
.／／ /: : : : : :〃: ＞､::::://､＿ ､ヽヾ:::::::::::::::::::::从: : :.｀ヽ: :o....
..／／ ノ: : :o: : /: : : : : : :¨: :/::::::::｀7 ﾊ_ﾄ/::::::::::::::::::::::}::ﾊ: : : : : : ＞､: :o:ー---
越後国・佐渡国・川中島・荘内、計九十万石を領する上杉景勝だった。
┏━━━━━━━━┓
伏見 最上屋敷
┗━━━━━━━━┛
＿＿＿_
／ ノ ヽ＼
／ （○）}liil{（○）
／ （__人__） ヽ う 上杉が……
| |!!il|l| |
＼ lｪｪｪl ／
/ ヽ
しヽ ﾄ､ﾉ
| __ |
!___ノ´ ヽ__丿
__＿___r‐-､__＿＿___.
/:::.... ..:ｉ ｀＼
ﾒ _,, :ﾉ〉:: ..::i: ::.. ＼
／ " ,ｲ ∨:: .:::λ. ヽ::.. ＼
／::／.. ::/|::| ∨:: :::,ﾉ |:|∨ ｀ヽ:::::::ハ
／::,ｲ ::/: ::/‐|::|‐- .〉 :::/.-‐||‐∨ :::｀ゝ::::::}
／::／/ ::/: ::/ _ |:|_ 人 ::{ _ﾘ_ ∨､ ::::::;〉:|
ﾒ／ / ::/::: γ´ ﾘ ｀ヽヽ|γ ﾃ=ｚ､.| i＼:;;ｲ::::| 佐渡と荘内は据え置き
| ::/|::i :{ 〃 ,r'i＾iﾍ |::ｿ::ﾊ} :| :i :i: :|
| ::/ﾒ::i : :|ゝ _ _ ,ｨ＾| | .| .|､_￣._人 | :| :|:〈 越後と川中島に代えて 会津 置賜長井 伊達信夫刈田
|;/ |::| : :|ﾍ { {ィ⌒>ｲ|:ﾊ ｊ: :|::|
,}::｀ヽ;|::::＞‐-ｔ__ ,,ﾒ~__ ||::::|/: ::|:::|. あわせて百二十万石にもなりますか
. |:: i : :,ィ´ ＼:{二二二二}７ ｀||:::/: :λ:::| .
|:: | ::/ }二二二二{ .ﾘ/: ::/ﾍi: ::|.
,}: :|:/三≡=‐〈 ::ﾉ ヽ:::ｿ 〉 ノ : :ﾉ三:〉:::|.
|: :| :{ ｀゛`＼ | :::::::::{.,／ :∠-‐─}:.人
. / :| :ゝ ...:::,rヘ_＿＿_::;;|: :,ノ´ /: : : ヽ.
/ ..,ｲ :::ﾒ､::::ノ ｀|TTＩ-‐､ /: : : : : : ＼ ［徳川家臣・本多正信］
／／/ .::: :::＼ .ﾉ: :|:|:|:| ~゛ゝ: :: :: :: :: :）
／／／ r'.:ﾒ:::::::::::::＼,,_＿＿＿::::::::|:|:|:| ､ヽ〉: :: :: ::/
／:::/ （ 〈::(:::::::::::＜" ￣￣￣`ﾍ_〉_ソ: : : :／
＿＿＿_
／⌒三 ⌒＼
／（ ○）三（○）＼
／::::::⌒（__人__）⌒:::::＼ ひゃくにじゅう……
| |r┬-| |
＼ `ー'´ ／
,､ 7 ,､｀´/
」 ｀‐'｀{ レ‐-' .ヽ {
~}ｯ | ,､ ﾘ .{
ﾉ し ' ｀ν {
ノ｀'´ 津軽 .{
'7 凸 _ ヽ,､
!､, ' ' ' ' ' ' , , ﾚ｀ .ヽ
ﾘ ', ゝ
ﾉ 比内× .; 凸南部 .て
ﾍ‐´ ' ; ヾ
｀''´ ヽ ',; }
秋田 凸 ,' },
ﾘ , ' {"
ﾉ ; ,"
{ 凸 ', {
/. 小野寺 ', ,="
酒田 / , , ; ' {"
◇ ' ', {" 凸：各大名府城
尾浦/´● ; 凸伊達 }
/' ' ; 最上 , ' .{, ●：新上杉領拠点
η | ' ; 凸 , ' ,οr ヽヾ
/´ /,､ ﾉ ; ' ' ', ● /
{,､ ´ノ _,,／ ; ● ; ' ' 白石 {
,r' ノ' ／´ ' , , , 米沢 !､
~´ ./ , ' ' ' , ' ' ● }
,r' , ; _,､ 福島.. 凸 相馬
/ , ' ' ' 凸ﾍﾉ }
／´ ; 上杉（仮） }
_,,r'｀ ,, ' ; , ; ' ' ' , 凸 岩城
, , , ' ' , ; ' ' ; , , , ' ' ' ; ; ' , _,,ﾘ
|／ _, -‐ ￣ ￣｀ ‐- 、
| ,. ' ´ ＿＿＿ ｀ヽ、
l／ ,. '´￣ /l l lヽ ￣｀ヽ、 ＼
／ ／ / ｆ┴┴ヽ ＼ ヽ
.., ' ／ ｆ { l ', ヽ j
/ / ', 、 l } j l /
! ,' l l ヽ,-弋´ ｰメ､ノ i l'´
', l ヽ＼.／ｨ''てﾃ｀ー' イミ､､ヽ / //
＼. ', ｀,.=< { !リl {Ｙj｝｀ /ｨ／'" とと 当家が上杉に包囲されるってことじゃないですか！
`ｰ-lゞf ‐､｀ -‐-' ヽ ﾋタ. ｆﾉ´
', l t .u .／`ｰｒ .}| い いざ戦なんてことになったら！
j `ｰ-‐､ i ,' / ',
､_____ノ ,. ‐ ､,-l＼ ヽ__,ノ _r‐'⌒l_ ＼ _,ノj
＼___, / ｛ ∧ ` ｰ-‐/´ lヽヽ、￣ ノ
ヽ￣´ { /＼ { ', 〈 } ! ｰ＜-イ
｀`ーl l ＼! ／＼ ／ } ノ ［新関久正］
,l、l、 r三nｺｭ | ! t--‐'´
ﾄ f ￣ゝ､Ｏﾉﾉ l ! ＞
ヽ.｀ヽ、
, -‐―- -`- ＼ヽ、
､ ＿ , - ',´ ｌﾉi
＼ ￣ ￣ ´ '-､
｀＞ ､ ､＼
／, ∧ ヽ ヽj
/ 7´ 〃 ヽ、 l＼ ＼ 、 、 ｀ヽ __,
-' | / ヽ!│ ｀'ｰ ﾐ､､ | i l ￣／
,!､| l / _ ｀`|∧, -､ ､‐'
｀ ﾌ l jl ヽ､,_, l/ ,_.r,'´ j/ (´｀l ヽ､_
／-‐'7 ', ｒ‐r､' ヾ´ 'ｲて_ﾊ ' ゝﾉ/-‐'´
ﾒ ', '､`-' -‐ ´ __／ゝ いや 平時にしたってよ
￣ !' ', ｀´ ! .u /､_ ,＞
', ヽ ‐ 人j､ヽ、 海陸とも 領外との出入りは上杉次第ってこったぞ
,ゝ､ ー- --‐ ／ |／ ヽ、
l l ｀丶、￣_ , ', - ´ 〃l
' ´|ヾ､`ヽく ｀_´- '´ , - ='" /、
ヽ `> 〃´ ／'´ ／ ＼
ヽ〃 ll , ／ ｱｷﾋﾃﾞ
l ｌ| -‐／ ［坂光秀］
＿_
,.-''";;;;;;;;;;｀`'ヽ､
／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、
/;;;;､;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;､
,!;;;! '~ "~ `i||i" '' `ﾍ;;;!
|;;;| ヽ` u ﾐ;;;|
_ゞ;!,-;;;;;;;"ﾌﾉ ヾ`;;;ヽ ､ﾐ;ﾘ
!ﾍl;|.,,_==-､く｀ ,>ﾞ-== 、｢ヽ
!(,ﾍ! ￣'" |ﾐ.'￣" , ﾄﾞﾘ 当家だけじゃないぞ
ヽﾞ､! !ﾐ ,ﾚｿ 奥羽全体が上方との連絡を上杉に掌握されることになる
`| ^'='^ ﾑ'′
. ﾄ､ ､,.-‐ ､,, /| つまりこいつは
i| ＼ ' ニ ｲ.:|
,ｲi| ﾞ､＼ ( ／ﾘ.:;ﾄ､
ノ :.:i| ﾞ､ `ｰ─''ﾞ:::;:'::::::!:::＼ ［堀喜吽斎］
／..:::::::::::::::::::::::::::..ヽ､
(,､:::::::::::_::::＿,､::::::::::::::..ﾞ:、
.l ｀'＾'´ ..: :.: :. }::::::::::::::::::i
._ ､＿＿,､ 〈:::::::_::::::::::|
!） ﾍﾗヾ´ ﾞ! /ﾍﾞ!::::::| 単なる知行替えじゃあない
.ｿ ｀｀` :.:.: ｿ,iﾉﾉ:::: | 奥羽のお目付け役そのものの交替だ
ヽ,- .:..:.:ｼ_,ｲ､::::::l
i＝=- .:..:.:ｲ ヾﾍ. いや 五大老という立場がある分 より強力になると見るべきか
, ゝ...:. _,.ィ i ,.ィ´ ヽ.
, ´ ﾞ'ーイｼ″／ ／:.:.:.l:.:.`:.:.....
,.．'´ ＼ ヽ,.イ /:.:.:.:.:.: l .:.:.:.:.:.:.:.:｀ ｰ- ､
/ ノﾄ_,ﾉ┘.∧ /､:.:.:.:.:.:.:l.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.ヽ
/￣￣ヽイ:l: :ｲ!ﾊ/// ヽ./:.: ＼:.:／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.,':.:.:.:.:.:.:.:. '
./￣￣｀ヽ/:.:.／:.:.:i:l//i: /: : :.:.:.:.＼.:.:.:.:.:.:.:.:.:.,':.:.:.:.:.:.:.:.: :.:'
/.:.:.:.:.:.: : : /iく.:.:.:.:.:.:!l//! /:.:.:.:.:.:.:.:／.:.:.:.:.:.:.:.:.:,':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
./:.:.:.:.:.:.:.: : /::!.:.:ヽ.:.:.:.ll//!: /:.:.:.:.:.:／:.r──ｭ:.:.:.:',::...:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
ヽ＼
,..-─.､､.＼、
ヽー-....-−":::::::::::::::::::::::::::::ﾞ:ヽ
＼__:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾞi,
/,:::::::::,:::::.∧::::、::::::::::::::::::::::::::ヽ
__,ノ''ﾞ:::::::.ハ ::| :、::l＼:::::i、::､:::::::ヽﾞ､__,
＼:::::::ノ::i:/ __､!_ l::.! ヾ::|ヽ::|、､__:::::::7
ﾞ7,::::;､l､.´ ﾞ≧､ |/=＝"ヽ- ﾞ! ,､!:::::::/
,／::::| ゝ ( !・jヽl '::ｨ!・! ) :l"ｌ.ｌ,: イ
￣ﾞｊ.!.ﾞ| ´ ﾞ: ｀ .u ';'/r-､| ……秀頼公の世は 関東の徳川 奥羽の上杉
"ヽ! .:. .,i-":.iﾞ
ヽ __ , ".!;;:: ヽ、 二人の大老で東国を統括しようってことすか
ﾞヽ、 -｀ ,／, " .=＝l
,,.￣ ＿_,,,... 〉
/ .／ ￣ ﾞ.ヽ、 }
{ , .／: : : : : : : : : : :l :|、
ﾞl./.,: : : : : : : : : : : : :.l !:.|
〃 i,
r' ｨ=ゝー-､-、､r=‐ヮｫ.〈
! :l ,ﾘ|} |. }
. {. | ′ | }
ﾚ-､{∠ﾆ'＝=ｧ ､=＝ﾆゞ<
!∩|.}. '__＿ﾞ` ./'_＿` f＾|
ｌ（( ﾞ′｀￣'" f::`￣' |l.| 徳川殿に東国監察を一任していては 権勢の突出を招きかねん
. ヽ.ヽ {:. ｌﾘ
. }.iｰi ^ r' ,' 互いに監視させ 牽制させ合おう ってところか
!| ヽ. ｰ=＝=- /
. ／} ＼ ｰ‐ ,ｲ
__/ ‖ . ヽ､＿!__／:::|＼
＿＿＿_
／ ＼
／ ＼
／ _ノ ::::::: ゝ､ ＼
| （○） （○） u | ……上杉の五大老入りは前々からの布石 かお
＼ （__人__） ,／
／ ｀⌒´ ＼
＿__ ＿
-‐''"´￣ ｀ ｀''ヽ=､
,.‐''"´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
r（:::::::::::::::::,、_ｨ::::::::::::::::::::::::::::::::::
ゞ, ｒｒ〜ヅ ﾐ:::::::::::::::::::::::::::::::::
ﾌﾊ ﾐ::::::::::::::::::::::::::::::
. l __,,. -─¬,〈::::::::::::::::::::::::::::::
〉ﾞﾞ`'''Tjフ￣ ヽ::::::,ｨ ,､ヽ:::::::
. / ,.‐'" }:::/ /ヽ ﾊ:::::::
/.. "´ ２ﾉ/ l::::: そして蒲生騒動という機を逃さず実行に移した
. ヽ.ﾆ,｀ __／ :l::::
. 'ｰr_‐; .ｨ l::: 衰えが目立ってはいたが さすが殿下だな
〈.. /:{ ヽ
｀} ／:: ! i
丶、,､. イ:::::: !
〃 i,
r' ｨ=ゝー-､-、､r=‐ヮｫ.〈
! :l ,ﾘ|} |. }
. {. | ′ | }
ﾚ-､{∠ﾆ'＝=ｧ ､=＝ﾆゞ<
!∩|.}. '__＿ﾞ` ./'_＿` f＾|
ｌ（( ﾞ′｀￣'" f::`￣' |l.| まったく あんたがた
. ヽ.ヽ {:. ｌﾘ
. }.iｰi ^ r' ,' 公儀の中枢にいながら うかうかとしすぎだ
!| ヽ. ｰ=＝=- /
. ／} ＼ ｰ‐ ,ｲ
__/ ‖ . ヽ､＿!__／:::|＼
__ ｨ:.、 ＿
,: : `:.|: : :￣: : : ￣:｀ヽ
/: : : ::|:l: : :i: : : : : :ゝ: : :＼
／: : : : : |:l: : :.ﾄ: :l: : : : :＼:l:: :ヽ
,ｲ:.:/: :j: : :,ｨ|:.',: :.:|ヽ`i-:.､: : .ﾊ＼:ハ
,':,ｨ': : /: :7:/jﾊ: : :.i ﾏ:',＼: : ::ﾊ: :.ヽ:',
{/,l: : i': : :/ ' ﾏ:.':, ＼':, iヽ: : V : :}:l
l: :,i,: : ﾊ __ ｀ヾ ＿_ |: :ﾏ:j }:リ:.| 返す言葉もありません
ﾏ:{ ゝ::i:} ￣ 厂ゝ ￣ l: : kノ: : : |
｀{ﾞi＾i^i ' __ - イ: : i: : : :,:7 まったく困りましたね
|:'. 〈＞-=- ´ ,:': :/: : :: ::,'
|Λ ,}///` - /:: ://ミ: : :|
,ｲ:/ //,:' //: :.//／ }: :|
／ ,/ ///{ __//: :::/ ,': :i
{ ｨ〃 /V/l,//,'|: :./ /: : :|
マ /;|__ゞ イ V:ﾘ }: : : :i
` - ’´ i ＼〉=-､ i: : :: :|
＿＿＿
／＼:::::::::／＼.
／:::<◎>:::<◎>:::＼ こっちは困りましたねで済む話じゃねーお
／::::::::⌒（__人__）⌒::::::＼
| ｀ ー'´ u | 徳川殿はどーするおつもりだお
＼ u ::::: ／
／ ::::::::::::::::::: ：巛￣ヽ
/ , ：〈⊃￣( .}：
／ / ｀ : .
__／ / ｉ ｀ヽ
／ / / / ,′ 丶
. / / / / ⌒/ i ,' ｣ ヽ. '.
|.ｲ / / / _/｣ !/ | ｀ﾄ､ Ｖ !
| i !/〃ﾌ:ﾊ i __ミメ、 |
| ∧ ﾊi |::::::::ｊハﾉ ノ:｀ヽﾊ |
ヽＮﾄ､ｉ（ ゝ-ﾟ'' ｒ‐ｒ |::::::::::》| i | 残念ですが 身動きはできかねます
ﾉノヽ`ト-- ' ､ ゝ-ﾟｲ从 i リ
| ﾉ｀ト . ﾟ ￣´// }Ｎ ﾉﾉ! 蒲生の仲裁に失敗した負い目がありますからね
| ｉヽ. ヾ＞- イ７ 从ｲｲ {
ｒ‐、__ｎ ﾉ /77¬ｆｒ‐ ／ ／彡ﾍ !
_.>ｒ‐ｘ' ト､' /ｉ// /ｰ‐／ ／´ ハハ
ゝ-- ､ ／〃// / .／ ／ / ヽ
＿＿＿_
／ ＼
／ ノ ヽ､ ＼
／ （○） （○） ＼ ……正信殿 やる夫は本当に徳川殿に世話になってきたと思うお
. | （__人__） | 次男を預けたのも 打算からだけではないお
＼ ｀ ⌒´ .／ヽ
（ヽ、 /￣） | ただ それもこれも家のためだお
| ｀`ー――‐''| ヽ、.|
ゝ ノ ヽ ノ |
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─ ＼
／ （●） （●） ＼ 家のためなら 最上が上杉の下風に立つのも 道ではあるお
| （__人__） |
＼ ｀ ⌒´ ,／ 徳川殿より 上杉のほうが頼むに足るなら
/⌒ヽ ー‐ ｨヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ ／ r─--⊃、 |
| ヽ,.ｲ ｀二ﾆﾆうヽ. |
┌ｰ- ､/ヽ,__
,!, ,.′ ｀丶、
／ / / /, ｀、ヽ
／ / -r / ./ﾄl､ ヽ i
{/ ,/ / ﾚレ' `:､、 ､|
! / l. 〈} Ｈ. ﾊ ! }
Vヽﾍ{ﾞト--' ヽ､. ｨ ∨)!/! そのことについて 当家が意見すべきことではありません
/| ｀i..､_{ ﾌ__,./ ,{ |
,.-'"！ Ｋ゛./／/ 人! `､
,r'´ ,.ゝr<>ﾞくr‐ｧく、 ヽ ｀､
{ ,ｲ iべﾐﾐY.∧У彡／ヽﾞ! ﾞ!
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─＼
／ （●） （●） ＼ パイプがないこともないお
| （__人__） |
./ ∩ノ ⊃ ／ 上杉も歌会に熱心な重臣は多いお 喜吽？
( ＼ ／ ＿ノ | |
.＼ “ ／＿＿| |
＼ ／＿＿＿ ／
＿_
,.-''";;;;;;;;;;｀`'ヽ､
／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、
/;;;;､;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;､
,!;;;!ﾞ`''〜^〜ｧrr-'ﾞ`'´''ﾗﾍ;;;!
|;;;| ﾉﾘ ﾐ;;;|
_ゞ;! r─-- ､ ,rｪ--- ､ﾐ;ﾘ
!ﾍl;|. ぐ世!ﾞ｀｀ ,ｨ '"世ﾝ ｢ヽ
!(,ﾍ! ￣'" |:::.` ￣ ,ﾄﾞﾘ 山形にいる江口五兵衛がいいだろう
ヽﾞ､! !; ,ﾚｿ
`| ^'='^ ﾑ'′ 交際も広いし 徳川殿の色がついてない
,rﾄ､ ー- ─-: /|
_..／ i| ＼ === ,ｲ.:ﾄ､
／ i| ﾞ､＼ ; ／ﾘ.:;!:::＼､＿
ﾞ! ﾞ､ `ｰ─''ﾞ:::;:'::::|::::::::::＼
ﾞ､ :::/::::::|::::::
`ヽ、 ﾞ､ ./ .| ,-､、
＿＿＿
／⌒ ー､＼
／（ ●） （●）＼ 色がついてないのは 嫡男の義康もだお
. ／::::::⌒（__人__）⌒::::::＼
ｃー､ | |r┬-/ ' |⌒,一っ いざとなりゃ やる夫が隠居すれば丸く収まる
,へ λ ＼ `ー‐' ／ 入 へ、 めでたく上杉組下大名として生まれ変われるってわけだお
<<<／ヽ /＼>>>
l´￣`ｰ--.､/´ヽｰ─-:.､__
ｊ,ﾉ | . ｀ヽ、
／ ,| :| ﾍ:: ﾍ
／ ﾉ / ,/ | |:|'| |::u λ:: ﾊ
/ ,./ / / /u :| |:| | :|､::: ＼ }
/ ,ｨ'/ / ,| -|-‐ | |:| | :|-ヽ‐:: ＼
/ / / ::ｊ ,/ ヽ|__ ヽ、 :|ｊ ヽ|__ ∨ ｉ:: ﾊ
|/ ｊ ::::| ﾊ ,ｨﾁﾃｵ ヽ､| ﾁﾃ心∨ |::|､ |
| ::l |:ﾊ`､Vｨ:;l }‐{ l:ｨ:;ﾘ,' ﾊ. lﾘ| |/ 最上様がいかに御家を運営しようと
∨ |ヽ､|::::ｊ､::.￣ ::,ﾉ ' ヽ:::￣゛..::{:::ｊ,/: |
ヽ､| | ｉ:::::ヽ、￣ ｰ' ￣u,ィ:ｉ::|: | 当家が口を挟むことではありません
| /| :::::ｉ:::｀＞‐r- -ｒ‐＜:|:::ｊ:: | |
|/ :| :::| /´ { } |:/:: j: |
/ :;| :::|' |＼／| ,ﾉ /ﾊ |
/ :::/'| :::| | | / ,/ } |
.. ＿＿＿_
／ ― -＼
. . ／ （●） （●） その通りだお
／ （__人__） ＼
| ｀ ⌒´ | そういう道も確保しておくってことだけは 知っておいてほしいお
. ＼ ／
. ノ ＼
／´ ヽ
,. ..-―::::-..,.へ_
r'゛::::;:::::::/:::::::::ｌ::::ヾ:､
/::::::::::::::::/::::::/:l､l;::ヽi:｀､
. i:::::::::::::::!/;::::::/ｨ´l!l:::::!!ﾄ:ヽ
!::::::::::::/:/:::::/'ﾞ,.ｲ' |!::}'::l｀､! ……それで
l:::::::::::{::,{;:::/'| '＾l!U'|/::;!
. l:::::i:::::ﾞトﾄハ:| . ) |/ なぜ言うまでもないことを私にくだくだと告げられたのでしょう？
!:::|:::::::|::ﾄ､:::'l--‐'
. l::::|:::::::!::|=ﾍ;:ヽ
/::::l::::::::!::|'⌒ヾ:ヽ
/::/:l:::::::j::,! Yﾐ}､
,/:;:'::::l:::::::ﾚ'| ヾく､
/:'::::;:ｲ::::::;{=j｀、 ﾍ | 〉
/'::／/::/::::::! ｀、 ﾞV!
（:;ｲヾ':::::::::::r'| ｀､ ヾ:、
＿＿__
／ ＼
. ／ ＼
. ／ ― ー ＼
| （●） （●） | そりゃね
. ＼ （__人__） ／
. ノ ｀ ⌒´ ＼
／´ ヽ
::::::... ..丶
:::::::.... ...＼
:::.' ──-.. ＼
:::::::... ⌒__丶 ＼
:::::::::.... .'::. ）.ヽ .ヽ
:::::::::::.... __ ..丿 ヽ
:::::::::::... ヽ .ヽ
:::::.._ ﾉ ヽ.___＿丿 .丶 そんな道選ぶくらいならやる夫は死んだほうがマシだからだお
::::::::::::::.... ..::ﾉ .）
:::::::::::.. ../ .ﾉ
:::::::::.⌒ " ..ﾉ
:::::::::::::::::.... ....::::::../
:::::::::::::::::::::.. ......::::.／
＿＿＿_
／三三三 ＼
／ ─三三─ ＼
／ （●）三（●） ＼ 上杉への意地だけではないお
| 三（__人__）三 |
＼ ｀ ⌒´ ,／ 荘内のことも コマも さやも 唐入りもだお
／ 三三三 ＼
＿＿＿_
／ノ ヽ､_＼
／（ ○）}liil{（○）＼ やる夫は 今のままの公儀が続くことに耐えられんのだお！
／ （__人__） ＼
| ヽ |!!il|!|!l| / | 今のままでは生きていけんのだお！
＼ |ｪｪｪｪ| ／
／ `ｰ' ＼ |i
／ ヽ !l ヽi
（ 丶- 、 しＥ |そ
`ー､＿ﾉ ?堯?l､Ｅ ﾉ <
＿＿＿_
／ ＼
／ ＼:::::::::::／ ＼ 長年の友誼とかなんとか 甘っちょろい言い訳は毛頭せんお！
／ （●）:::::（●） ＼
| （__人__） u | やる夫のために！
＼ . |┬-r| ／ 徳川殿には公儀を取り仕切っていただかねばならんのだお！
／ ｀ー´９ｍー ）
`ーー‐'ﾞ
__＿___r‐-､__＿＿___.
/:::.... ..:ｉ ｀＼
ﾒ _,, :ﾉ〉:: ..::i: ::.. ＼
／ " ,ｲ ∨:: .:::λ. ヽ::.. ＼
／::／.. ::/|::| ∨:: :::,ﾉ |:|∨ ｀ヽ:::::::ハ
／::,ｲ ::/: ::/‐|::|‐- .〉 :::/.-‐||‐∨ :::｀ゝ::::::}
／::／/ ::/: ::/ _ |:|_ 人 ::{ _ﾘ_ ∨､ ::::::;〉:|
ﾒ／ / ::/::: γ´ ﾘ ｀ヽヽ|γ ﾃ=ｚ､.| i＼:;;ｲ::::|
| ::/|::i :{ 〃 ,r'i＾iﾍ |::ｿ::ﾊ} :| :i :i: :|
| ::/ﾒ::i : :|ゝ _ _ ,ｨ＾| | .| .|､_￣._人 | :| :|:〈
|;/ |::| : :|ﾍ { {ィ⌒>ｲ|:ﾊ ｊ: :|::|
,}::｀ヽ;|::::＞‐-ｔ__ ,,ﾒ~__ ||::::|/: ::|:::|.
. |:: i : :,ィ´ ＼:{二二二二}７ ｀||:::/: :λ:::| .
|:: | ::/ }二二二二{ .ﾘ/: ::/ﾍi: ::|.
,}: :|:/三≡=‐〈 ::ﾉ ヽ:::ｿ 〉 ノ : :ﾉ三:〉:::|.
|: :| :{ ｀゛`＼ | :::::::::{.,／ :∠-‐─}:.人
. / :| :ゝ ...:::,rヘ_＿＿_::;;|: :,ノ´ /: : : ヽ.
/´｀ヽ/´＼-‐─-､_
,ノ" { ｀ヽ、
／ , | |､ ＼: ﾊ
/ ,ﾉ ｉ /∨. | ∨ ﾍ. }
/ ,/ ::;| |'´∨ { ⌒ヽ ﾍ.ｊ
ｊ// / ::;/|/ __ ヽ､| __＼:::: }::: ,〉
| /| .:;ﾊ ｨﾁミ Ｈ ｨﾁミ V:::ﾒｊ,/| 先ほど 私はうっかり失言をしたようです
ヽ､| { ::{::ﾊ､＿,ノ ヽ＿_,ノ|∨ｉﾉ:ｉ|
ヽ､|:::ｊ、 -‐ ,|::. | | 訂正させてください
{ ::|::｀二=ｒ ｒ=ﾆ":::ｊ:_ | λ
／:ヽ{/ヽ |/ヽ,/ ￣（ |__ｊ::: ﾍ
/::/|::::/ / |／ ｒ'､〈〈 }::.: ﾍ
ヽ:| |::ｊ ゝ:::. ', ::::... {ゝ-‐',},〉::ｉ: 〉
,-､
/'´￣`ー-/:::::｀ヽ-‐─-.､__
,ノ´::::::::::::::::::,/:::::::::::::::ｉ:::::::::::::::::::::｀ヽ、
／::::::::::::::::::::::/ :| ::::::::::::::::|:::::::::､:::::::::､:::::ﾍ
／::::::::::::::::::::::::/ ;|､:::::::::::::: |:|､:::::|:::::::::::ヽ､. ﾍ
／::::::::::::::::::::::::: / / |∨:::::::::::|:| ∨.|::::::::::::::::｀ヽ.ﾊ
/ ／::::::::: :;:::::::::::| ,ィ:::::::| ∨ : : |:|:::::::::|ヽ:::::::::::､:::: ﾊ.}
/ ,ｲ / : ::/:::::::::::,| /:::::::|::::∨ : :|ｊ:::::::::::ヽ::::::::::: |::::::::||
〈 / | :ｊ: : ::ｉ::::::::: / |/,r二㍉､:::ヽ､::|,::::::::::::::∨:::::::|:::::::}|
ヽ| | :|: : ::| :::::∧ ,ｲ弋○:ﾅ }冖{::::::::::::::::::::i∨ }::: ,/|
ヽ| : :::ヽ､ {:::ﾊ. `ﾐ三彡,ﾉ ､:::::::::::::::::::'∧ /ｊ;ノ | 残念ながら 蒲生の仲裁に失敗した影響が強く
∨: ::|::|::`::.:::j｀ ｰ-‐'" __'__ ｀ｰ::::::::::::{::::ｊ,/::|::::::| 徳川は身動きができません
｀ヽ:|| |:::::::|｀l:.､ V ,ﾉ :::::,.ｲ|:::´::: |::: |
|ｊ: |: ::,:ｊ .|:::_;;＞‐-,｀ﾆ´ｒ-‐＜´::|:|::: : : |::: | 「今は」
ﾘ: |::::;ﾉ ,ﾆュ､ | ´ ` } ヽ|ｊ:: : ｊ:: |
,ﾉ:,ィ´{ -‐y 〕 |,-─‐-ｊ ﾉ:: /:::: {
/ ::ｆ ｀ｒヽ､_＿_,ｊ;＞､ / ／/´: /}:::: |
/ ::::| },ミ三三三彡}. / ／／ｊ; / |:::: |
/: :::::|, :〈｀゛ｰ─--─'´〉V ,／,,ノ| ,/ |:::: |
/: :::::::| :::〉 "|ヾ ＜´ ｊ／ ｉ: |:::: |
＿__ ＿
-‐''"´￣ ｀ ｀''ヽ=､
,.‐''"´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
r（:::::::::::::::::,、_ｨ::::::::::::::::::::::::::::::::::
ゞ, ｒｒ〜ヅ ﾐ:::::::::::::::::::::::::::::::::
ﾌﾊ ﾐ::::::::::::::::::::::::::::::
. l __,,. -─¬,〈::::::::::::::::::::::::::::::
〉ﾞﾞ`'''Tjフ￣ ヽ::::::,ｨ ,､ヽ:::::::
. / ,.‐'" }:::/ /ヽ ﾊ:::::::
/.. "´ ２ﾉ/ l:::::
. ヽ.ﾆ,｀ __／ :l:::: 今は ね
. 'ｰr_‐;ｧ ｨ l:::
〈.. /:{ ヽ
｀} ／:: ! i
丶、,､. イ:::::: !
r-､
rｰ―― !: : `´￣｀. .' . ､
,!: : : : : : :!: i : i､: : : : : : : :ヽ、
/: : : : : / /|: | : l:!ヽ : : : : ヽ : :ヽ
/ : : : : : ,': ,' .! l: : !| l: i、: : : ヽｉ : ',
/ : : : ,: : ,!-!‐ !,ｌ: : l:! !‐!- ､ : : ヽ : !
. ,': i: : : i: : :l :l lﾉ!: : !! |/ ヽ : : i: ',: |
l : |: : : !: : :N ＿! : ﾘ ' ＿ ヽ: :|: :V
|: /!: : :|: : l. ,´＝= `r‐{. =＝ミ!i: :ｈ: ! それから た だ の 噂話をしますが
l/ !: : i、:ｉ'{ ﾉ ,.ヽ ﾉ,ﾊ:ｌ,ﾊ,!
ヽ: l ヽ!:`iｰ‐‐' r‐┐`''''",!,! :i' :|:i 伊達政宗様が何やらご不満をお持ちですとか
ヽ! ,|: |:i`'ｰ- `_‐',., イ: !': : !: :!:!
r ､ /|: :!|: : |, '^'、 ,ハl:/: : :,! : ',|
ヽ ヽ_r_v r! :ヾ―l, Ｖ /: : : ハ: :ヽ
Y,. -{ Y!:',: :ヽ:.:.V´,ﾌ､ヽ/ : : /:.:｀i,: : :',
l、/´）ﾊヽ'､ :ヽ:.ヾｲ|.!|､! : :, ':.:.:./ ! : : ヽ
/ `ｭ,ノ }i 〉ヽ :ヽ:ヾ|,|,!'l: :/:/:., ' !: : : : ヽ
上杉家の新領は、そのほとんどが代々の伊達家が支配していた地である。
また、政宗は奥州を統括する地位にも強い未練を抱いていた。
‐- ､ _ -‐':::::／ , -‐ ´￣￣￣ ￣｀` ‐- _ ＼::::::::＼｀ヽ‐‐─‐‐‐､
ｉ 〈｀ヽ卜 /:::::::/ ／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::､::::::::::::::::::::::::::ヽ_＼::::::::ヽｉ⌒ 〉 ｉ
ｉ ｰ- ∟/:::::::/ ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼:::::::::::::::＼:::::｀ヽ::::::::､ヽｰ､, ﾉ
{ _ - ＜´ / ;:::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ｌ::::ｌ:::::::::::::::::::＼:::::::::::::::＼::::::::::::;; ヽ ＼／
＞ / ;;:;/.::::::::::::::/:::::|::::ｉ::::::::::::::ｌ::::ｉ::::::::::::::::::::::::＼::::ヽ:::::::::::::::::::;;ｉ ｉ＼__､＼
λ 冫 / / /.......ｌ.....{............'......:'....＼...................ヽ ヽ | | 〉
/ 〉/ { ｌ .:::::::::::|::::::∧:::::ｌ::::::::::::::'::::::ヾ::::::＼:::::::::::::::ヽ:::::::::|:::::::::.....| ;;ｌ ∧ﾐ､
| ／ ＼__／ｌ ...:ｌ:::::::::::::::::|:::::/ ﾚ:::: ﾄ::::::::::::::':::::ヽ::::::::::＼::::::::::: ﾍ::::::::|::::::::::::::}::;; ﾄ, /::::ヽ |
{::::::/ /::::ｌ::::::|::::::::＼::::|::::/ ｌ.:.ハ:::::::::::::,::::::::＼::::::::::＼:::::::::ﾍ, ｰ´￣::::::|::::::ﾊ~~＼::::ﾊｌ
{::::/ /:::::::ｌ::::::|::::::::::::::＼::ｌ ｌ:::ｌ ヽ::::::::::,::::ﾊ::ヽ､::::::::::::＼／ﾍ::::|:::::::::::ｌ::::::::::| ｌ:::::}
|::〈 /:::::::::ｌ::::::|::::::::::::::::∧ｌ＼ ｌ:::' ＼:::::::::::ﾍ＼ ＼::::／"::::} ﾍ::|:::::::::ｌ::::::::::::| 入:}
|::::ヽ:::::::::::::ｌ:::::|::::::::::::::/ ﾘ ＼,_::ｉ＿,､ ＼:::::::::ﾍ ヽ乂 :::::::::::} 〉|::::::::ｌ:::::::::::::レ´:::::::|
ｌ::::∧::::::::::::::ｌ.:| ヽ::::::::ｉ 彡毛三≡ｯﾙ ＼｀ｰ ィ ≦三毛ﾘﾐｮﾉ::::::::/::::::::::::::::::::::ﾊ:::::|
ｌ:::ハ::::::::::::::::|::::'::＼::::ｉ <"弋__案ﾂゝ ＼::::〈弋__案八ｨﾘ::::::::::/:::::::::::::ｉ::::::::/ ｉ:::|
ﾂﾉ ﾍ::::::::::::::::|::::::::::＼li ､ 乂彡" ヽ゛ ≦彡 〟/::::／::::::::::::::ｉ:::::::/ ｉ:| 伊達の本領が全部上杉のもんって
ﾘ ＼::::::´~|::::::::::::::＼ /／;;;;::::::::::::,ｰｉ::::::/ ｉｌ
／￣/ ｌ:::::::::::::::.::|ヽ､ .:ｉ ／ /;;::::::::::::::::/ ｀ヽ ﾘ どういうことなのよ
ｉ ｌ ｌ::::::::::::::::::ﾄ _ /;;::::::::::::::::/ /
ｉ ｌ 从::::::::::::::::::::ゝ_ ⊂=ー....´⊃ ≦/::::::∧::::::/ ／|
人 ｌ /ヾ::::::::::::::::::::ヽ＞ ,,, _ ､､ _ ＜ /:::::::/ 乂/ } ［伊達政宗］
/ ＼ ｌ 乂 ::::人::::::ヽ ≧≦ ﾉ::::::/ ﾘ ｌ
その地位も旧領も、現状の継続では永久に戻ってこない。今回の措置はそれを政宗に突きつける形になった。
＿＿＿_
／ ＼
／ _ノ ヽ､_.＼
／ （●） （●） ＼ そーゆー話以前
| （__人__） |
/ ∩ノ ⊃ ／ 隣に超巨大国家が誕生して喜ぶ大名なんかいるわけないっつーか
( ＼ ／ ＿ノ | |
.＼ “ ／＿＿| |
＼ ／＿＿＿ ／
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─ ＼
／ （●） （●） ＼ ともあれ
| （__人__） |
＼ ｀ ⌒´ ,／ やる夫の隠居はまだ先になるかと思うお 正信殿
/⌒ヽ ー‐ ｨヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ ／ r─--⊃、 |
| ヽ,.ｲ ｀二ﾆﾆうヽ. |
／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.| :::::::::::: ヽ、
/:::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |ヽ､ :::::::::: ∧
|:::::/::::::::ﾉ::::::/:::::::: ,ｊ::::::::: | |∨ ::::::::ｉ : ﾍ
.|:::/::::／:::::::::/:::::: / |:::::: | | ∨ :::::| :: ﾍ
|:/／:::::::::::::/::: ／| |::ｉ: :: | | ∨ ::::| |: λ
ｊ/:::::::::::::,-/-─-/ | | ｉ: |-|─-|-､ ::| |: ﾊ
/::/::::::::::: /:／ __/_. | ｊ ｊ |._!__ V ::| |: |
|:::|:::::::::::: ﾊ ,ｨｆﾁﾃｵ､ ｊ/ /|:|ｵﾃﾐｫ､∨ ::| |: |
|:::|:::::::::: |:ﾊ んｨ::ﾊ ｊ_,,ノ ﾘんｨ::ﾊ `ﾊ ｊ: |:: ,/ﾘ
|/|::ヽ､::: |::ﾊ `~-‐" }＝{ `~‐-" ,ﾊ,/ ,ｨ j;／ 本日はお訪ねして本当によかった
|::::/:ｉヽ､{:ｉ`:ｊ､ _＿_,ノ ´ 丶_＿__ ,ﾉ{::::} / ｊﾉ
|:/::::|::: | ::ヽ、 ｰ-‐ ノ:::::::ｊ,ノ | 最上……いえ やる夫様のご真意 確かに家康に伝えます
/ : ::|:: |:::ｉ|:::｀＞‐-〟 ,-‐＜´:i|::::::::|／:λ
/ :::::::|:::: |::,イ´ .＼,ｨｊ {､,／ｒ'´ヽ／ｊ ::::: ﾊ
／"::::::::;|::: |´ ｀ヽ、 ￣￣￣ (´￣~_,〉 ::: ﾍ
／ :::::::::/´/|:: | ゛ ~~"´ ／(＿￣ 〉 :::: ﾍ
/ ::::::::::::/ ./ |: | ／ﾉ ,ゝ、￣ ﾉヽ、:: ﾍ
国替えに対する最上側の反応は、「現実的」だった。
この時期、山形盆地の支城群は、針を立てたハリネズミのように強化される。
柵
柵 ∧∧
柵. ,＿＿（ﾟДﾟ,,） / ＼
∧／ ＼ 柵 ￣'''n'''と | ,＿＿（ﾟДﾟ,,）
||( ；ﾟДﾟ) /￣￣＼＿＿ ∪"∪＿ ￣'''n'''と |
⊂ ） │ ￣￣￣￣￣
─────|| ∪∪ ─┐ │
│ │
│ │
│ │
│ │
│ │
│ │
│ │
│ │
│ │
└────────────────────┘
一方で、外交上は上杉景勝への接近も図られていく。
こうして、公儀中枢が新たな課題に騒ぐなか。
i ! r‐―'-!.::!.i ヽ..ｰ' ー｀‐ 'i:::::::::i
ヾ ! i― '!:::ﾄ| i i::::/!:!-､ ……うおーい
i ヾヽ ヽ:!ヽ ,...,,,_＿,,,.....、 !::/､!':::/
／! ヽ ヽj､!､!ヽ._!､,'_＿_＿,,..ヽ/!/ ヽ'""i
／ iヽ i ! 、ヽ＝,ヽ--‐''i r‐−i i_,/..、
. ／ iヽ 丿ノヽ ! ヽ i i i i / !―'､
／ i ヽ_,i´! ヽ､ ヽ.i !.,.// i - ／ ,..-―､
./´ ヽ' / i. ー ､ i iーi ' / ／ ヽ
i ヽ ヽ j i iヽ｀! ! / _＿___,,,.... -‐'' ヾ
! ,,..-‐'" ヽ ,! , iー!iiニ!! i i_ﾉ i' i
ヽ､ _,,. ＿,, , i ! ヾi｀!´ i ,i ! !
ヽ ,,_,,.-―''" i ' / ,! i! ! i ! i i
! / , i i ! i i i
秋田浅利紛争では再びの急展開が起こっていた。
-=ェｪ､_ ── - ､
／､＼', , - ､ .＼
／ ＞､ ／,ﾍ ＞ ､ﾍ
_,彳.′ .|Wv'"W| ＼
7 i .| | i, ∧ト､
| .7| | .| j ∨ .iﾐi
i :≧||_ i i,､_|7 ﾔ |ﾍ
ﾔ i ゞ'ヾ ` 弋ﾝﾔ .iﾊﾍ 会津もいいけどよ
i ', .i ￣ ` ‐ | 7 //
i7',j | , | /ト' ゝ こっちも早くケリをつけてくれよ
,イll,:.ﾘﾔ!､ -､`_ |j7:ﾘ:::::＞-.､
/7:.,-､:.:.:7ｪ,jヽ､ _ ￣｀. イ 7::::::::::::::::::::,=＼
.i':.:＞-- 7/ﾆ:ゝ':Ｏ,-ｷ ,... -'7:::::::::::::::::/ ヽ'
.|:.:.:.:.:.:.:.:∨≧-､テ∪i /:::::::::::::::::/ ',
i:.:.:.:.:.:.:.:.ヾ､_,=-､:.o:.i' 7:::::::::::::::::/ |
|:.:.:.:.:.:.:.i:.i≧=-- ≦! .≠:::::::::::::::/ ､ 7
ヽ､;,;,;,;,.」:|i|l ,ｪ:.__:.:.7 .／::::::::::::::::::i j ′ 7 ［秋田実季］
.|:.:.:.:.:.:.:7j!:/lj/:j:,7イ::::::::::::::::::::::::i ' i
中央での訴訟対決において、秋田実季は周到な準備を重ね、勝利をほぼ確信していた。
＿＿＿
ｘ≦´￣￣￣｀丶、
／/´::::::::::/:::::::::::::::::::::＼
/:::/::::::::::::;ｲ:::::::::::::::ヽ::::::::::＼ r'l
.'::::ｌ|:::::::::::::ｌ l::::::::::::::::::::ﾄ､::::::::::ﾊ / / ［御内儀衆・おちゃあ］
l:::::||:::::::::::::|_|斗-:::::::::-|‐ト､:}__」'. {｀ヽ /_⊥_
|::::::ｌ:::::::::≦ レ'"´￣￣_｀￣{:::::|::| ヽ / / ／｀} __
|::::::|＞:r' 沂抔 r==x |:::::ﾄ:! } └{ r‐ ﾍ ／ 7
l::::::::::::∧{{V:り , .::::::.|:::::| | | └'￣ﾌ |/／
ヽ:::::::::::::ﾍ.::::. |:::::| | l / ／￣￣＼／￣￣＼
＼::.へ:ﾊ、 r ´ア ,.ｲ::::/ ﾄ､＿..ｲ / ヽ
∠ -─､)⊇={::::}‐′ <|｀}/ ,.ｲ } 、 |＿＿＿＿＿＿＿／￣
／─‐-｀ヽ}､」 ｀ ー‐ {⌒ ＿ { ｀ｰ -‐' | ｒ^-'ﾉ
／ 厂＞- 'ア ＞ r<ヽｧ─ﾍ ｀丶、 ヽ | .(＾Y⌒Y＾)l |
r{＿__ イ´￣ヽ:::＞─‐-{__,Y::::::::::::'､＿ ヽ | | (ヽ/＞/ ⌒ヽ<っ
} | Y{:::::::::::::::::{__}:::::::::::::::ヽ::癶 ＼{ ｛ ( (｀ ＾ っ＾ |)３ ＜うふふふふふ〜
∧＿＿ﾉヽ、 '.ヽ、::::::::::::ﾄ､＼＿＿/:f⌒ ｌ ﾊ (ノゝ ヽーフﾉ/
｜ | ｌ: : 入__／::::l、 ＼:::::::::)、 | l | （￣￣￣|￣)
｜ | |: /::::::::::::::::::| ＼ |:｀ー' :ヽ ｛ | .|￣￣￣￣￣￣￣ゝ_
ヽ | l: :￣｀丶、:::|: : : ヽ、: :..::::} ､ / ヽ /
| l /: : : : : : : :￣: : : ..::::〉:::::::/ ＼ / ＼＿＿,へ＿＿／
しかし、浅利頼平は妻子を秀吉側近女官へ預けるという非常手段に打って出た。
訴訟手続きに見切りをつけ、秀吉への直接臣従を果たそうとしたのである。
その直後。浅利頼平、大坂の宿所にて急死。
__,冖__ ,､ __冖__ / ／/ ,. - ―- ､
`,-. -､'ヽ' └ｧ --'､ 〔／ / ＿／ ヽ
ヽ_'_ﾉ)_ﾉ `r＝_ﾉ / ／ ,.ﾌ^''''ー- j
__,冖__ ,､ ,へ / ,ｨ ／ ＼
`,-. -､'ヽ' く <´ 7_／/ / _／^ ､`､
ヽ_'_ﾉ)_ﾉ ＼> / / ／ _ ､,.;j ヽ|
n 「 | /. | -'''" =-{_ヽ{
ｌｌ |｜ .,ﾍ / ,-､ | ,r' ／￣''''‐-..,ﾌ!
ｌl ヽ二ノ__ ｛ / ﾊ `l／ i' i ＿ ｀ヽ
ｌ| _| ﾞっ ￣フ.rｿ i' l r' ,..二''ｧ ,ﾉ
|l (,･_,ﾞ> ／ { ' ﾉ l /''"´ 〈/ /
ｌl __,冖__ ,､ > >-' ;: | ! i {
ｌ| `,-. -､'ヽ' ＼ l l ;. ｌ ｜ | !
|ｌ ヽ_'_ﾉ)_ﾉ ﾄー-. !. ; |. | ,. -､,...､| :l
ｌl __,冖__ ,､ |＼/ ｌ ; l ｉ i | l
ｌｌ `,-. -､'ヽ' iヾ l l ;: ｌ ｜ { j {
|ｌ ヽ_'_ﾉ)_ﾉ { |. ゝ ;:i' ｀''''ｰ‐-' }
. ｎ. ｎ. ｎ l | ::. ＼ ヽ､__ ﾉ
|! |! |! l | ::. `ー-｀ニ''ﾌﾞ ［比内領主・浅利頼平］
o o o ,へ l :. |
／ ヽ :
裁判をすべき当事者の消滅。
_j＿|__ 〔
｀ .
／ :::::..
＿＿__〃 _,. : ´￣￣￣￣｀` : ._:::::::ヽ.
:三三三三二二二}エ{二二二三三三三三三三
￣| |入_＿__ノ::| i::人_＿__ノ:i ｜'/T¨¨￣
| | 〃.::::| |:::::.＼ | | //|
| | | l:::::::. } | //|
| ト ｛ ､___j,ﾊ::::::.. ｕ ﾉ | //|
￣￣丁 Tニ==―' ｝ i ::::ー----┼ ┼ 7T¨¨￣ ……とにかく裁判はこれで中止ってことで
| | _. ⌒¨¨⌒丶:::::::::::| ｜//|
| | ＼ ￣｀´￣ .ｲ::::::::| ｜//|
| |> . /＞‐--‐＜:J:::::::::| ｜//|
L.. | :::::＞､ }川_＿..::／ﾆﾆ| ｜//|
_＿,.＞へ.{ {:::: ｀ ｰ--―＜::::ｉ: : :ト--‐'" ［片桐且元］
＼: :＼:::.. 丶 ..:::::::::::ノ : : | ＼
, ─── ､
／ /⌒ヽ⌒ヽ＼
/ , ┤ ‘|‘ |､ ヽ
. / ／ ｀ー ●ｰ´ ヽ
l / 二 | 二 | うん それでいいよ
| l ─ | ─ l
l | | ） / 後始末は奉行衆に任せる
ヽヽ ／￣￣￣￣ /
〉━━,-､━━━━く
/ ／ ヽフ ＼. ヽ ［前田利家］
と同時に、公儀は余計な面倒事から解放され、秋田杉の安定供給にもめどがついた。
頼平の突然すぎる死について、対立する実季が毒殺したという風聞もあった。だが、証拠はない。
, -'".,,--‐‐ 、 l/／ ＼
,-'"／ /'ヽヽ,l/〃,∨ ＼
,-'",／ /ヾﾍヽ/7〃"∨ ＼,
/ ／ ,i | ∨ ∧ヽ
i/ ' || | |_|、 ,-、i
/| | | i ,| |ヽ＼ (ヽﾊ
.| i |_,ﾔ|＿, ,> ヽ≦-‐ヽ ＼i ﾊ そりゃ俺が疑われるだろうけどよ
| |,＿|＿＞- 弋_ﾉ＼ ＼ ＼,i-、 頼平が一番警戒してたのも俺だろ
> |, 弋_ノ ’ -- '"＼ , '"- ＼
/ (i | ‐‐ ' , /￣ ｀ﾞ''ｰ、 簡単にいくもんじゃねえぜ
ヽハi , | , 〉 〈,..- ' /￣￣￣￣∧
_y┘/| ,i | _,, ( / |
>ー/ |,i'ヽ,.|＼ , -'",,-┘ /ﾔ￣' ‐- 、 / |
y-,/ i 〉- ,＿＿ヽ '‐ ￣ / ∧-' ﾉ "'/ ∧
／" i ,i i '----,∧ ｀`丶====‐'/ / / ,/ ∧
/ i i | ヽヽ /￣￣"/ 〃〃 〈 ∧
一つ言えることは、
予想外の騒動を振りまきだした浅利側は、公儀にとっても目障りになっていたということである。
∧∧ ∧＿∧ ∧∧ ∧＿∧∧＿∧ ∧＿∧
( ）（ ）( )( （ ） ( ）
（ .）（ .） | | （ | （ ）
.| | | ｜ |. | |..| ｜ .| | .| ｜ ｜ ｜
.し`Ｊ （＿_）＿）し`Ｊ.（＿_）_（＿_）＿） （＿（＿_）
::::::: ＿_ _,. -‐' ¨´
::::::::::: て＿,＿｀ `ーく^ヽ
:::::::::::::::ｲ⌒ー::" ,．( :::::::::ヽ ヽ
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽｲ⌒r-ー ｿ ::::::::::: _Lj
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ｲ⌒r--,, ::::::::::: ／ヽ
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ヽ⌒＿-ー´" :::::::::::｀¨´
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
::::::::::: ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::
影響が二つ残った。
一つはおちゃあと奉行のトラブル。おちゃあは頼平死去から一ヶ月が過ぎても妻子を保護し続けた。
／ : : :::::::::| |＼:::::|:::::::::::＼＼
| | ヽ.ﾄ ＼ヽ
. / . ::::::::|::::|::::: i | | -┼-ヽ.::::::::::: |∧
. . : /i /|::::|:::::_|ﾉﾉ __|＿ |:::::::::: |. . .
. ,'::::::: | |:| |／￣ 〃笊__Ｙ|:::::::::: |:::::: ｉ
|:::::::: | |:|＿_ 乂_ソ |:::::::::: |_::::::|
|:::::::: | 〃笊_i |:::::::::: | |::: | いったん引き受けたものを
|::::::::::| {{ 乂.ｿ 、 ﾉ:::::::::: |ﾉ:::::|
|:::::::::::＼ ／ ｉ:::::::::: |:::::: | そう簡単に投げ出せるわけないでしょう
|::::::::::::::∧ , 、 |:::::::::: |:::::: |
|ｉ::::::::: /:圦 ． |:::::::::: |:::: 八
八::::: : / //＞: :个. . . .ﾉ.::/
＼::::::|ヽ. . . .//＞‐-＜::: : |/人:::／
＼| )人／ |___ ___|／＼
ヽ ／￣ ∧∧ ＞‐ ´￣￣￣二二二つ
／∧____/＿l／ ＼ ＼
＿＿／//／: : :.l__/ ＿＿＿＼ ＼ ＼
/＼ V//∧: :＿∧ ＜: : : :.///＼＼/|. |
. / 丶 ∨//|/ ｌ ＼/_l}: :＼_////.⊂l_ﾉ l_ﾉ i
| : |/// . . :ｌ:.. 7.: : : :.|////| :|
＿＿＿_
ゝ／: : : : : : : : :＼
／: : : : : : : : : : : : : ＼
/: : : : : :┌---,----i─
| : : : : : : :| / /i＾i |
| : : : : ,--v |_|_ﾟ| | 彼らについては秋田殿が身の立つよう取り計らうよ
|: : : : | d. '┐
ヽ: : :ヽ_ ┌── | 秋田殿だって家族にまで私怨があるわけじゃないんだから
ヽ;;／ ＼／ /
_|＿＿__┌ - ′
/:_:_:_:_:_:_:_:＼ ∩
/ / ￣ヽ, 「 / ~￣,⊃ ［長束正家］
| i ＼ | ／＼ ノ
＿＿ __
, .≦三三 ヲ´
, . ≦三三三 ＜´
, . ≦三三三三三三三三＞
r≦ 三三三三三三三三三＜
|三_j| /⌒＼ ／｀ヽ !￣￣ ｀
. |三..l | ∨ i |
i⌒V | O || ＜ |.ﾄ.
| i} .u ゝ.＿ノf入＿人{_ﾉ そ そうですよ
乂__ ､＿＿＿ __ノ´
＼ ＼ ｀ヽ ｀ﾌ´ 処遇についてはもう奉行衆が一致したことなんです
. __}＞ .＼ i／ ＿
/く `ー‐‐ｧく＼ _／ 二.）
. / i＼ / Y ＼__／ ! -- ' /＼
/ ! `′ i 人 /＼ヽ)
. 〈 ﾉ |＼＿／ ｀丶 ＼ )'
＼ /`ー─ ──i ｀´ ［増田長盛］
/::::::ハ ハ::::::::.
/::::::: し} {丿:::::::::.
/:::::::::::/ } {ヽ:::::::::::::.
/:::::::::::::{ } { }:::::::::::::::.
/::::/⌒ヾ} 八,,__＿＼ ／＿__,,八 {:/⌒ヽ::::.
,:::::::{ (⌒( ｀ﾞ气或ｱミV V戈或アﾞ´ )⌒) }:::::::.
{::::::::＼＼ﾊ ｀¨¨＾／ヽ /＼＾¨¨´ .ﾊノ／::::::::}
{::::::::::::::＼_, / ｉ:. ', .'_／::::::::::::::} 頼平の非はすでに明白
'::::::::::::::::::∧ / i|:. ' ∧::::::::::::::::: /
＼::::::::::::∧ l|:::. ∧:::::::::::::: ／ これ以上の庇い立ては 立場を悪くするのみです
＼::,x㍍ﾍ ､j|／ 厶㍍fｘ､／
´ x㍍㍊f ∧ __＿＿__ ∧ }㍍㍊fx､ ｀
´ ｘ㍍㍊㍍f { ∧ ー 一 ∧ } }㍊㍍㍊fx､ ｀
. ／ ｘ㍍㍊㍍㍊ｆ { ヽ ' } }㍍㍊㍍㍊fx､ ＼
／ x㍍㍊㍍㍊㍍f { ＼__＿／ } }㍊㍍㍊㍍㍊fx､ ＼
/ x㍍㍊㍍㍊㍍㍊f ＼ ／ }㍍㍊㍍㍊㍍㍊fx､ ',
奉行たちは硬軟織り交ぜ、なんとかおちゃあから浅利妻子を奪回しようとした。
＿＿＿＿
. '". -‐…・…‐-ミ
. ／ ／..: /.:::::::::::::::::::::::..＼
/ // :::: /.::::::::::::: l :::::::::::::::
. / // :::: / .:/.:::::::::::|:::: ｉ|::::::::
/ // :::::: ｌ_,｣Ｌ::::::::::::|::: ｣|__:l:::
.' ::l |::::::／|: 八 ::::::::: |::: 八 :|｀
l:::: '.|:::::: |厶=ミ＼:::::::|::厶=ミ､
|:::::::l'.:: 〃 ん(_ ん(_
| : /l: ＼| 弋zｿ 弋zｿ
l :.ﾞ､| ::::::| ' うーん でもねえ
|:::::::| ::::::|
|:::::::| ::::::|:. -‐-
|:::::::| ::::::|: ＼ ‘ .／
'.:: ！ :::.∨|/｀i .,,__,,. イ /.:
. ＿＿＼|＼＼＼､:| |/.: /
/¨∨/////∧｀二二＞┬‐┬＜∠...
. | ∨////／ .／l l＼
. | '──{ / L....｣ '.
_,,,......,,,
,,,''" ﾞ''丶
i;;:::::＿::::_:::_ :::＿ヽ
!:::::ノ ノ ー l
r､| ｲﾟj` 'lﾟj`l さあ いかがですか
､_: ｀ ' ｀ ﾉ お引き渡しを
ヽ､ ー- ／
`i -'イ_
⌒/＼／ /￣⌒ヽ
l.／＼/ ヽ
. /:::／ ,..::´::::::::::::::::::::::::::::::::::｀::.､ ＼::ヽ
/::::|／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::l::::::::::::::＼|::::::',
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|ｌ:::::::::::::::::::::::::::'
. l:::::::::::::::::::::::::::::::l:::::::::::::::::l::| .l:::::i!::::::::::::::::::'
. l::::::::::::::::::::::::::!::::l::::::::::::::::ｌl:| l:::ｌ l:::::|:::::::::::!
ｌ::::::::::::::::::::::/ !:/l:::::::::::::::l l:| l:l .ｌ:::|::::::::::l
l::::::::::::::l:::::/ l/ l::::::::::::丿 l' ￣￣丶l:|::::::::::l
. ｌ::::::::::::::|::/´￣￣ヽ .,ｘ＝=ミ、ｌ|::::::::::!
!:::::::::::::|/ ,ｘ=＝ミ､. ヾ.}:::::::::l
!:::::::::::::| 〃 /:::::::::! 無理です
ｌ::|:::::::::|ヽ /::::::::::l
. l:|.l::::::::|_ヽ ' /::::/:::,' 逃げられてしまったものですから
l ',::::::|::::人. ｀ ｰ ´ ノ イl:::/
ｌ ヾ::|:::::::::::丶. ・ r ､ .／:::::ﾉｲ|
ヾ|从从从／|｀. ー| | .´| ＼从从
, − - ─ ‐ ''´| ＼ | |／ /｀:ー::::‐::- -, ､
/ ＼ ヾ:::::::::::＼. ＼| | ／ 二つ:::::::::::/ / ヽ
, ＼ l ::／￣￣`r─|／ ／─‐j＼ :: / / l
l ＼l ＼ フ L〈. ／ ／￣ ／:::::ｌ / .l
| |─| ／| 二ﾆ⊃ ─ l / |
! ＼ ! : :＼_／/: :| { |／: : : : ｌ │
l ＼ |: : : :.＼/:.:.:.:| { l──┐ｌ |
.l ＼|: : : : : : : : : :.} {/:──┘ｌ |
|l ＼: : : : : : :＿} } : : : : : : :ｌ |
＿＿＿_
＼ ───＿＿＿
＜ ￣￣￣￣|
＞ ＿＿＿＿＿＿＿＿＿ .|
￣￣ | / ＼ | |
| /⌒ヽ ／⌒ヽ | |
| | ‘ | i ‘ | | |
| ヽ.__ノ ヽ.＿ ノ .ﾚ⌒ヽ
ノ o ６ | 逃げ……？
／＿＿ ＼ ＿ノ
＞ ﾉ
＜、＿＿＿ イ
|───┤
／ |／ ＼ ／ ＼
, -‐:ｨ ￣¨/:::::::::::`::: 、
／:::::::::::::::::i /:::::::::::::::::::::::::ヽ
./::::::::::::::::::::::| ,′::::::::::::::|::::::::::::::ヽ
/:::::::::::::::::::::::::! '::::::::::::::::::::!:::::::,:::::::::::丶
.::::::::::::::::::::::::::::i! |::::::::::::::::::::|:::::::ﾊ:i:::::::'.ﾍ
,:::::::::::::::::::::::::::::::! |::::::::::::::::::::|::::ﾘ__,ﾘ_:::_:}
{::::::::::::::::::::::::::::::ヽ |::::::::::::::::::::|::ﾉ' i
!:::::::::::::::::::::::::::::::::｀i:::::::::::::::::::.:! |
､:::::::::::::::::::::::::::::::::::!::::::::::::::::::::| ｧ=' ､_ はい ごめんなさーい
'，:::::::::::',:::::::::::::::i´!::::::::::::::.::::! !
丶、:::::::',:::::::::::::､.|:::::::::::::::::::| ! ちょっと目を離したら いなくなってましたー
ﾞ:::::::::::',:::::::::::i !::::::::::::::::::| 一 , -‐――-､
::::::i:::::::',:::::::ヾ:::::::::::::::::::! ・ ! .| : : （＼
}::::i:::::::丶、:ゝヽ:::::::::::::::!- ― ‐' |;:;: : . . : : ::（ヽ.}
从ﾉ,::ハﾍ‐-ヾ゛_ ＼::::|､! !_,.．-‐_''つと_ j
/__＿ ￣￣ ￣ ‘､_ ／ ｨ'＿_:j_／〉
////////y 、 i_i / __＿, ','
////////////｀丶/¨.:´〉ヽ { ＿___,,,,-‐'
y´ ￣¨ヾ///: : : 〈.:.:.:.:.:{.:..:', ,ｒ'"~｀丶'¨ /_
,' ＼: : : : :ヽ.:.:.:.,'.:.:.!/ ヽ､一'
i ヽ、: : :〉､/iゞy′'ﾞ´¨ヽ / j
妻子と一族は、忽然と都から姿を消した。
彼らはついに捕まることなく、後年、佐竹家に仕えることになる。
＿＿＿_
ゝ／: : : : : : : : :＼
／: : : : : : : : : : : : : ＼
/: : : : : :┌---,----i─
| : : : : : : :| :::::/::/i＾i::|
| : : : : ,--v :::::::::|_|_ﾟ| |
|: : : : | d. '┐ ………
ヽ: : :ヽ_ u. ┌── |
ヽ;;／ ＼／ /
_|＿＿__┌ - ′
/:_:_:_:_:_:_:_:＼ ∩
/ / ￣ヽ, 「 / ~￣,⊃
| i ＼ | ／＼ ノ
しゃあしゃあと言い逃れるおちゃあを前に、正家たちは追求を断念した。
,.... -===- ､
,ｨ´::::::::::｀ヽヽ:::::::｀丶
,.'::::}、::::::::::::::', ,i::::: ::::::ヽ
ﾄ､├!:i）:::i::::::::i.j:::::::::::::::::l
i::::F ｀ ヾ.!:::::::::ii!::::::::::::::::!
|::ﾉ =-､ !:::::::::i:!:::::::::::::::′
i . i::::::::::i):::::::::::::/ まだなにかご用がおありでしたら
!::. r ﾌ i:::::::::j:i::::::::::::i 殿下直々のご裁許をお願いしますね
_,ｨ/),:、___ .:j::::::ｨ:!:r!::::/､:i
i ' '/,'/ﾘ _ﾉ/:!:/」-､!ﾉ' ｀
i r'i{,-ｧﾉv､´!' __ｊ、
! | l i/´｀ｰ､_／ .∨
j !x'/ﾄ ／ヽ , =.､
,'｀Y´/,ｲ ヽ ' .∨ ／ ｜
r´｀ｰ!／ .乂_iコ ,.:'／ .i
i ! {./ i
.} iヽ , :::.、 ', .!
i ',O〉. ', ー- i .i!
i , ' 〉 ! i:i
i .,ィ､ i i ,':..!
公儀の複雑な権力関係のなかで動かざるをえない、奉行衆の限界が露わとなった。
そして、影響のもう一つは、浅利にも配慮を見せていた家康である。
,..::;ﾆ＝-､
i::/ 、
,ゞｰ--‐::':::|,..-;:ァ
／:::::::::::::::;::::::::!::::::｀丶、
/::/::::::::::/:/|;:::::;!i::i::::::....､ヽ
l:/::;'::::'オ/|::|:::/:廾!::::::::::ﾞ:.ヾ:、
,!,イ:::::/ !':|:l::l::/::::::lﾊ:::::|;;::::l
/i:::::!::/ｉTﾆT::,!;':::ｲﾆﾘ,!:::l｀､:|
!:（|:'!::l::ﾟ‐':::/:::::::ﾟ‐：!:}::! ﾞ!
|::::M::::!､ _ .ィ:i!ﾘ 毒殺の疑い ねぇ
|::::|:::l:::ﾚﾞ'ﾏ¬＜:!::|::|
!::::|x<!:l |―| ,l:::|:::!
l::::::;!ヾｌ:ﾄﾐヾ、l〃!:ハ:|
,':::::::| ヾ＞ﾐV∠}′ i|
l::::::::{ ,r=-=ニＬ._〉,ノ l|
,!:::::::::l |l!l!|´ |!
!:::::::::::ﾄ、 |＜ ＿/:| ［徳川家康］
!::::::::::::ﾞ7ー イ丁´「 〈::::::|
蒲生騒動、続く頼平の暴走によって、家康は紛争への影響力を喪失。
翌年、実季にごたごたに終始した一連の顛末を説明するよう、質問状を送りつけている。
この時、すでに比内制圧も完了させていた実季は余裕の構えだった。
｀`ヽ､
,-- ､ヽ-- --､ ,. -‐'ﾍ
／ ./＼.i／,'ﾊﾍ ﾍ
/ /ﾞﾞﾞﾞ丶'´ﾞﾞﾞﾞﾞ∨ﾍ ﾍ
/ / , ､ ∨ ＼ ∧
7/ 7 -√ `‐=-i .＼ .ﾍ いや〜 頼平みたいな曲者
〃! i 〃¨`, 〃¨`; | .! ヽ ﾍ みんなから見放されて敗北決定してたみたいなもんすよ！
i.| i | |7:.:i:.ヽ,ィ キ‐､
,--j i y､_＿'_＿ ,.-i | ﾘ':.:.:i:.:i¨ﾍ￣- ﾔ もうね 俺の手で成敗してやろーって思ってたら急死しちゃって
/:.:.､!:i|, .i, i::::::::::::::::::::::::i .! 7ﾘ:.:./:.:.ﾍヽﾍイ_ ! 参ったなー
y､:.:.:.ﾍ:':ﾍ!ヽ ヽ::::::::::::::::::ノ ノ!7:.:::/:/:.:.:./ﾍ ヽ-' iﾔ
∠:.:.>:.:.:.ﾍ:.:.:.:ﾍ＞｀二二´＜ 7:.:.／:.:.／:.:.:ヽ､ .i ﾊ
/:.:.／:.:.＼:.:.＼:.:ﾊ､ ﾍ / _,-,〈:./:-i'":.:.:/:.:.:./-､iﾍ彳!
i:.‐‐､:.:.:.:.:.:.:.＼:.:ヽ:.i`ヽ､_ _／::::j:.:i:.:.i:.:.:/:.:.:.7:::::i／:.:.:.:!
ﾔ:.:.:.ﾍ:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.i::::::::::::￣::::::::::i:.:.i:.:.ﾍ:.i:.:.:.:.:i:.-'":.:.:.:.:.:.i
〃:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.:.i:.:.:.:.|::::::::::::::::::::::::::::i:.:.i:.:.:.:＼:.:.:.:.ヽ､:.:.:.:.:.:.:.i_
|:.:.:.:.:.:.:.:.ﾍ:.:.:.:.i:.:.:.:.i:::::::::::::::::::::::::::::!:.:.:.:.:.:／:.ﾊ:.:./:.ヽ:.:.:.:.:.:.ﾍ
そもそも、こんな質問状を出さねばならぬこと自体、家康が事件解決から排除されてしまったことの証だ。
／:／ ／/::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::l::.:∧::.::.::.::.::.::.::Ｎ::.::ヽ::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::ヽ.::.::.::.:
/／ ／ /::.::.:/::.::.::.::.::/::.::.::.|:.:l l::.::.::.::.:l:.::.| ヽ::.::」､＿::.::.::.::.::ヽ.::ヽ::.:ヽ.::.::.:
／ / /::.::.::./::.::.::.::.::.|::.::.::./|::l l::.::.::.::.l:.::| へ´::＼::`.::.::.::.::.::l.::.::|.::.::ヽ::.::
/ /::.::.::.:l:.::.::.::.::.::|.::'￣!´|┤ !::.::.::.:l:.:| ＼::.!＼::.::.::.::.::.:.!::.::|.::.::.:ヽ:.
/ j::.::.::.::.,|::.::.::,.::.::|::.::.::.! l::| !::.::.::.:l:.| ＼l ヽ::.::.::.::.::.:!:.:.|＼:.::.l:.
. / !::.::.::.:/ l::.::.::l.::.::|.::.::.:! l:| !::.::.::l:| ニニキニュ::.::.::.::.:!:.:|:.::＼.｀
/ |::.::.::/ |::.::.::ヽ::.|:.::.:ﾋﾆﾆキ三､ !::.::.l| ´T:￣::￣}｀/＼::.::.::.:!:.|::.::.:「:､
j::.::.:/ |::.::.::.ヽ::.|.::.::N´{￣:: :::! !::.::| ! ::: :: ::.:} l l::.:ヽ.::.::.:!:「ヽ:|::.
|::.:/ |::.::.::.ハ::|.::ﾍヽ ､ ､ : : : !::.:l :: :: : |::.!::.',::.::.N｀l:.:::::|.:
. !::l |::.::.:| Ｎ::.l:ヽ ､': : : !;:;:;:;:;:;:ヽj:;:;:; ;L:_:_:_/ l::.!::.::.:',:.::.:lノ.::::::.|::. 毒殺 ねぇ……
!| !::.:.| |::Ｎ|::.:.l:;: `'' ´ :;:;: ,;:;:;:;:;:;: ・ l::!.::.::.::.L,::.l.::.::.::::::|:.
|' !::.| |:.::.!!::.l l::!.::.::.::ハ:',::!.::.::.:|:
V |::.::. ｀､_ へ , イ/:!.::.::.::.l::.:l:.',|::.::.:l
'|::.::.::.::.l ｀ ｰ- ､＿＿, - ´ / l:!:.::.::.::ト ､:_:l::.::.:.
|::.::.::.::.l ../ ヽ / |!::.::.::.::j ｀ ‐､
|::.::.::.::.l ／.| / j::.::.::.:::|
|::.::.::.::.l ／ ト-- フ j::.::.::.::.j｀ヽ ､_
|::.::.::.::.l , ' .／ | / ´`ヽ|::.::.::.::.j y´
家康は、猜疑を深めていった。
●
●
●
／ i .／ヽ,
/::: | ／ ',
/::::: "" i
/:::::: l
/:::::: i ［豊臣秀頼］
/:::::: |
/:::::: | ,..-,
/:::::: | , ':/;;:/:::
/:::::: | ,'::/;;:/:::
/::::: ヽ ､――, ,'::/;;:/::: ＿＿＿＿＿＿_,
/::::: ', /:: :: :: ;ヽ ,'::/;;:/::: /:: :: :: :: :: :: :: :: ::/:）
//::::: ',. l;;;; ;; ; ;; :ｌ::::. ｌ/;／:::. /:: !:: :: ;:; :; :;:; :: :/:/::
/::!:::::: 丶 ! ｀ー―‐':::: /::::::::. /:: :; :: :: :: :: ;' :: ::/:/::
/::l::::::: l, l ::::::::::: /::::::. /:: :#:: :: :: ;: :: :: ::/:/::
i:::|::::::: |i l ′ /;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;; ;;/:/::.
|::|::::::: || | '三三三三三三ｌ:/:::::
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
＿ ＿＿_
_人_ ,. :'´: :,. -―‐-ミ:ヽ、
｀Y´ ／: : : :厶ｨ': ´￣￣ヾ : :＼ *
/: : : : : :.!: :M: : : : : }､: ヽﾄ､:.＼
ｉ: : :.!: : : ﾚ‐' ｀￣⌒ ⌒" ﾄﾍ:ﾊ!
ﾄ--|: : :.!: : ､| ｰ‐'' ´ ｀'ｰ }: :.ﾄ
`ｰ‐!: : :!: : : :! z=≡ ≡z.{: :.ﾊ _人_
',: :.ﾊ :_Nとつ ＼＼＼ C VVﾘ ｀Y´ 秀頼〜 早速のお手紙嬉しいぞ！
ｉ: :弋こ ＼ヽ ＿＿,. }
|: ﾊ: : :}＼ / 1 ／ _!_ 早う直接会いたいわ……このことおかか様にもよろしくの
/>=くf⌒Y ｀ {_ _,ﾉイ| !
_!_ /:.| ヽ ﾍ,､ _｢ |::!:::}
! ／: :.| ,r‐┴く:ﾄ､＿_ｉ⌒!::|ｲヽ ,. -‐ ､
／: : :∨ / ､ }:::::!C|: :|:ｲ | :}/ ､ ＼
／: : :./:/ / `ｰｖ-J:::::!::::|: :|/ V し､__,__}
/: : : : /:./ /ｉ::|: : |:::::::::|: :| / /
/: : : : :/:.人 ノ::::::|: : |:::::::::|: :|＼ ／!
/: : : : :./: : : :｀ｰ＜::::::::::|: : |:::::::::|: :|: : :￣!: :∧
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ｉ| | | | l| ll l ! i ｌ|
ｉ| |＿_」!_,斗'LﾆﾆlL二ﾆlﾄ―-┴-ﾆ.」! l .!!
ﾊ ｉ | | ! ｉ|
八 ! | ――- -―― | j! ｲﾄ､
ゝ,ﾄ l ＿ ＿ | ｌ! /､|、
∨入ﾚ z=＝≡ミ ィ≡＝=x j人∧}
i ﾚう ｲｿ.ｲ して 「きつ」「かめ」「やす」「つし」どものことじゃが
ヽ ゞ i /ノﾉl|
|` 圦 レ1| l| 秀頼に逆らう真似をした旨 ようわかった
| |∧ ＿ ＿ ,ｲ| .!| i|
| ﾄ、丶 ∨ / ∧ ! .i! i| わらわが行くまで 四人まとめて縛り上げておけ
| | ヽ,ﾊ.＼ ` ｰ ' , く _i ﾉ| |! i!
| | 「 Ⅵ 1 ､ . イ|川´ Y;i! |! |!
| | ∧ ∨| ＞-＜ |Ⅳ | i! |! |!
| | ﾍ ∨ ヾ! l 八. i! |!
ﾉィ个:､ _ｊ＿_,> ﾄ､ﾉ ,､ ヽ i! |!
／.:.:.:.:.'ｖ'´ l´ i｀ヽ / 1`ｙ':｀丶i八
／ .:.:.:.:.:.:∧ ! i l ,/ .i| /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ゞ爪 ! 厂｀ ´￣7 jlﾚ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
. , ´ ... -――--...､｀ .､
. ／ /´.. - ―― --､ﾍ. ヽ
. / /´ | i :.ﾊ ',
. ,' | ! | | i| .:.:| :.
i i:.: ∧,-‐' ￣ ｀ヽ! : :! .!
|: |/´ ノ ゝ ｀ヽ| ! |ヘ.
. .へ..|i ! |: ｜.| | >
. く || : ｜ _＿､ ,＿ |; | ﾉ ! ／
｀ ー|l_i N ,〃⌒ ´￣｀ﾒイﾊ､ i´ わらわが全員 叩き殺してやるからの！
| {｀ﾄ! ::::::::::: ' ::::::::: / ノ |
|:.:.ヽ、_ ､__ ... __, ,'イ∧.| よいな 絶対に許すなどしてはいかんぞ？
|:.:.:.:i {ﾍ ／ .!:.:.:.:|
|:.:.:.ﾊ__∨｀ト... ..イ:::.}___|:.:.:.:.!
|:.:.:.ハ ∨.:.:） ｀ _ .{ !::.,' ,'.:.:.:.:|
/へ￣｀i {7´,.く｀ｰ'｡∨｀7 /￣￣ﾄ､
. / ヽ ! /´三ﾐ､===彡三∨ ,' ヽ
{ ∨!| i´川ﾒﾒﾒ７ / / !
| |.:i.! ﾉ:ﾒﾒﾒﾒﾒﾒ{ .! ./ ｜
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
| : : : : : : : : : : : : : :/: : : : : / / .!: : : : : : : / ｉ |: : : : N: : : : : :ハ
| : : : : : :!: : : : : : :/: : : : : / / レ--‐―┘ ! |: : : : ! !: : : : : !: :!
＿＿＿＿!: : : : : :|: : : : : : :|レ-―' ハ: : : | ｉ: : : : : !: :|
＼ |: : : : : :|: : : : : : :| ＼ ＼| |: : : : : !: :|
＼＿,／! : : : : :ｉ: : : : : : :| ヽ !: : : : :.!: :!
',: : : : : |: : : : : : :! ／ ＼: : | !:!
|: : : : :.| : : : |: : | -=弋ぅト ､ ヽ /: :＼N |
|: : : :/ |: : :.|从! んf:::::::}ﾄヽ ,.. /: : : : : :い
,': : : :.{ |: : ::| Vに辷ｿ ,. rヤテト､ /: : : : : : :.!: !
/: : : : ::＼ ＼ | {ﾊ::::r'ｿ / : : : : : : : :|: |
/: : : : !: : :|＼ :::::::::::::::: `' マ ∧: : :!: : : : : |リ まだまだ気に入らぬ女官がおるようじゃの
/: : : : ::/: : /: : ｀Tヽ :::::::::::::::: /: : ∨|: : ﾊ: /
/: : : : : /: : :/: : : : :| 、 " /: : : : : |＼| V みんなみんな 死ぬほど殴りつけてやれば
―＜`ｰ―‐' ∧: : : : :.| ` ｰ-―‐ ､__,. /: : : : : : :! 従順になるじゃろう
ﾏﾍ: : : : :/ ∨:＿｣ 、 ノ: : : : : : : :.!
ﾏﾍｰ‐' V ! ＼ ,. :＜: : : : :.!: : : : :| うむ この父上に任せておけ ふふっ
ﾏﾍ V | ｀ ､ _＿ ,. .:＜: :|＼: : : : : :.!: : : : :!
ﾏﾍ | | ／ ＼／Y ＼: : : :!: : : : :|
ﾏﾍ | | / | | ∨: !: : : : :|
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
＿＿＿＿
'"´ : : : : : : : : : : : ｀丶､
/ : : : : : : : : : : : : ／|: : : : : ＼
/＼ ,': : : : : : : : : : : :,／ |: : : : : : : ヽ
. 〈 ｀￣￣ }'⌒{￣￣´ | : : : : !_;_／'.
＼＿＿／:｢￣＼_＿_＿_／ : : : : |＿＿j
│: : : :.|: : : : : : : : : : : : : :| : : :|: : : : |
|: : : : : i: : : : : : : : : : : : /|: : : |: : :j:│
|: : : : : i: : : : : : : : : |: :/7´): : ﾄ､:∧:|
│ : : : : : : : : : : : : : ∨ l f: : :│/￣
. |: : : : : : : : : : :'; : : : '､ | ﾚ｀ヽj〈 うっ ゲホゲホッ ゴホッ！
ｉ.: : : : : : : : : : :ヽ: : : ﾍ!J u ハ
'. : : : : : : : : : : : ＼: : :_Ｖ⌒) j ……必ずそちらに伺います かしこ
rー--ﾍ : : : : : : : : : : : : `く_,ﾊ__（_ノ ｾﾞｰ
ハ:::::::::| :ヽ : : : : : : : : : : : : :＼:::::::｀ヽ
/ ';:::::::| : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼:::::::}ヽ
,′ !::::::| : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ:::| |
{ |::::::| : : : : : :＼:: : : : : : : : : : : : :∨ │
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
／ i .／ヽ,
/::: | ／ ',
/::::: "" i
/:::::: l
/:::::: i
/:::::: |
/:::::: | ………
/:::::: |
/:::::: |
/::::: ヽ
/::::: ',
//::::: ',.
/::!:::::: 丶 !
/::l::::::: l, l
i:::|::::::: |i l
|::|::::::: || |
―――慶長三年五月。秀頼宛、秀吉書状。
―― 第七十二段 終段 ――
皆様、よいお盆を。
>>343
家康と実季の間には基本的に信頼関係がなかったんだろうなあ、という節はあります。
乙
最上も徳川もこの時既に布石は打っていたのね。
それにしても最後の秀吉の手紙……。
公儀の綻びがあちこちであらわになり始めてるな
マジネタなのかもしれない。もはや狂人としか思えん。
ttp://blog.livedoor.jp/mansaku21/archives/50488313.html
ttp://iiwarui.blog90.fc2.com/blog-entry-958.html
今更といえば今更だけど、やっぱこの時期の秀吉怖過ぎるわ
多くの創作物でスルーされてる理由がよくわかる
その手紙も載っている「太閤の手紙」（講談社学術文庫）、時期ごとに秀吉の書状が整理されていてとてもいい本です。
お値段も手頃ですし。
ｉ| | | | l| ll l ! i ｌ|
ｉ| |＿_」!_,斗'LﾆﾆlL二ﾆlﾄ―-┴-ﾆ.」! l .!!
ﾊ ｉ | | ! ｉ|
八 ! | ――- -―― | j! ｲﾄ､
ゝ,ﾄ l ＿ ＿ | ｌ! /､|、
∨入ﾚ z=＝≡ミ ィ≡＝=x j人∧}
i ﾚう ｲｿ.ｲ
ヽ ゞ i /ノﾉl| 「我ら参り候て ことごとく たたきころし申すべく候
|` 圦 レ1| l|
| |∧ ＿ ＿ ,ｲ| .!| i| 御ゆるし候まじく候」
| ﾄ、丶 ∨ / ∧ ! .i! i|
| | ヽ,ﾊ.＼ ` ｰ ' , く _i ﾉ| |! i!
| | 「 Ⅵ 1 ､ . イ|川´ Y;i! |! |!
| | ∧ ∨| ＞-＜ |Ⅳ | i! |! |! ※ 秀頼は六歳です
| | ﾍ ∨ ヾ! l 八. i! |!
ﾉィ个:､ _ｊ＿_,> ﾄ､ﾉ ,､ ヽ i! |!
／.:.:.:.:.'ｖ'´ l´ i｀ヽ / 1`ｙ':｀丶i八
／ .:.:.:.:.:.:∧ ! i l ,/ .i| /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ゞ爪 ! 厂｀ ´￣7 jlﾚ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
この後期のキチガイぷりのせいで、絶対的に秀吉は好きになれんのだよなぁ。
人たらしの一方で、虐殺大好きなのが透けて見えるしなあ。
基本ホームグラウンドは上方だしな。
晩年書きたくなかったそうで。
自分も家康の方が好きだなあ
歴史・時代小説の作者のスタンスって、生まれ育った土地に結構左右されてるんだなw
名古屋近辺は信長じゃないかなー。
尾張と三河で違う結果になると思う。
尾張人の俺は秀吉派だけど。
徳島だから、あまり豊臣に思い入れはないなー。
蜂須賀は豊臣の家臣だけど、あっさり徳川に鞍替えしたしな。
しかし福山市民にはろくでなし好きの人は多いらしいぜ？
ソースは私の友人の福山出身者一名だけだが……
ゆるキャラとしてのかつなりくんは割と活発に活動してるらしいぞ。
福山市民だが小学校には水野勝成の伝記漫画が置いてある
治水干拓築城祭りと市政史語る上じゃ絶対外せない人だからDQN四天王五人目呼ばわりは許さん
羨ましい
あきらめろ、DQN四天王は政治や軍事がダメでそういわれているんじゃないから
むしろそっち方面では名君・名将と言っていいのに、色々やらかすからDQN四天王と呼ばれるんだ
……なんだ水野勝成も立派に資格ありじゃないかｗ
俺は好きなんだが年長者たちはこぞって嫌ってるんだよなぁ
そんな年寄りの比較に出てくる寒河江公ってだれなんだろ
確かに、寒河江当主は最上義光に攻め滅ぼされるのですが・・・
ずいぶん投下が開いてしまいまして、すみません。
週明けの予定が未定なので、急ですが今から投下してしまいます。
それでは10分後に
慶長三（1598）年、三月。京の醍醐寺において、豊臣秀吉は大掛かりな花見を催した。
「醍醐の花見」である。
＼ｰ'＾､ﾍ,ｨ､ r-i^v-､ｨﾆ ;*:''ｧ . ｰ'＾`'ｨﾆ ;*:''ｧﾍ,ｨ､ > *: <／
＼ >:*:ﾍ,ﾍ, ｸ､ > *: < ノ {_ﾊ_ﾝ ,ﾍ, {_ﾊ_ﾝ>:*:ﾍ ｰ'＾`'
ヽ_}^ｖ Z ｀＾ " >:* く ｰ'＾`' _}^ｖ Z=>:* く (ヽ_,-､ｰ'／ (ヽ_,
> *: < ｀v'ｰ' > *: < ｀v'ｰ' ｨ｀:*: <'y-､ｨ｀:*: <
~.r-i^v-､ ,-､ (ﾉ ~ﾚ'ヽ' -､._ //^ﾚ'^ｰ' *:< ﾚ'^ｰ'
> *: < ￣ > *: < } }､ﾍ,ｨ､ ｰ'＾`' _}^ｖ Z
ｰ'＾`' ｰ'＾`'. //>:*:ﾍ r''y-,. > *: <
(ヽi!,.｀＾ " ｨﾆ ;*:''ｧ~ﾚ'ヽ'
ｨ｀:*: < {_ﾊ_ﾝ
ﾚ'^ｰ'ﾞ
♪ ♪
/） /） ☆ ∧∧ ∧＿∧ .Å ∧∧
リ＿リ ヽ (ﾟーﾟ*) ∩*-∀-） ／ ＼ (ﾟДﾟ*∩
ノヘハヽヾ 日日と と ,l ヽ ⊂ ） ﾍ(´∀｀*)ﾉ /⊃ /
; . ,, ., ; ,, .,| ﾉ,,´〜｀）ﾘ.,( ･∀･)ノ. ,,. (_(＿つ..,.,,. ,..,（ （ ﾉ ,. ,. ( へ),.,, ,（ ヽノ.,.. .,. ∧_∧,., .. ,..
;..:. , ,;,.,:, ノﾘ, つ■)）ヾ..;., ;,.,:. . ; ,.,.: ,..;,∧＿∧ ..,,; （＿ﾉし' ,:;.,. : < ,.;, ;:. し^ Ｊ ,;. :,. (^д^,,) :.. ,;,
( ￣@) ∧∧ ∧∧｀)(⌒) ;..:. , ,;,.,.:,. ,:;. （ *´∀） ,.;:.,;.,; ,.;,,. ;,.,:. .; ,.;., ;,:;, ,.-､,.-､,.-､と ヽ ,;.,.:.
爪ﾟ∀ﾟ)(*ﾟＡﾟ)(*ﾟ∀ﾟ) ..;., ;,.,:. . ; ,.,.: ,..;, ;,. / ヽつ日 ,:; ;: 口;,. 日 []∧＿∧lヽ .-､,.-､,.-､⊂,,_UＯ〜 ;,
:U |.（l l）,|⊃｜;.,; ,.;,,. ;,.,:. .; ,.;., と_/、＿⌒^)^) ,:. .; ,.;., ;,:;, , （,, ‘∀‘）＼ヽ .-､ ,.-､ )ヽ ;..:. , ,;.,
.;| 〜| .〜| ０ ,.;:.,;.,; ,.;,,. ;,.,:. .; ,.;., ;,:;, ,.;:.,,.,; ,.;,,. ;,.,: .; ,.;., （ つ つ ＼ヽ )(■) ヽヽ ,;:.,;
,,Ｕ Ｕ (/｀Ｊ し'´ ;..:. , ,;,.,.:,. ,:;. ;,.,:. .; ,.;., ,.;,,. ;,.,:. .; ,.;., ;,:;, （￣＿）__） ,.,;:., ＼l二二二二l ;:,.;
過ごしやすい春になり、秀吉の体調は持ち直していた。
＿ ,､
,＜＼／〉、 弋(☆)ﾌ
_ 从: : :￣ : :{ 〈〈||く＞く＞＜乙
ヽ＼_ ＿j: : : : : : : :ヽ、 <||∠＞＜二〉
‘ー- ￣￣￣¨ヽ/: 人: : : : : : : :`:ｰ-=ﾆ二こ) └'＼〉
￣￣∨∠}::::＼: : : : : : : : : : : ヽ: :||:＼
／:/: ∧:::l::::｀T7::｀丶 : : : : : :＼)￣
'´ : /￣ }::::l:::::::〈￣￣ ＼: : : : : : }
ﾚﾍ : { /:::::l:-=ﾍ＼. }:.∧_厂 ［豊臣秀吉］
`┘ ｛::::::::l:::::::::ヽ::＼ 〈_｣
/:::/:::l::::::ーﾍ:⌒〉
〈⌒{_xヘ＿:_:厶'´
ｰﾍ | |
ヽイf⌒}.i
`‐ﾄ、 ヽ
| ヽ_,ﾉ
| |
|ｰ‐}
| !
_| i
｛ﾉ {
弋_ﾌ
下見や指図を現地で繰り返し行い、山にも登り、当日は茶屋を巡り歩くなど、病の影は感じさせない。
ただし―――
￣＞--｀:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀ヽ:/ヽ、:.:.:.:.:.ヽ、
.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.!:.:.:.:.:、:.:.:.:.ヽ/:|＼:.:.:.:.:.:ﾍ
/:.:.:〃:.:.:.:.:.:.:.:.l:.|ヽ:.:ヽヽヽ、:.:.:.:.:',:.:ｉ:.:',:＼:.:.:.:.ﾍ
,':.//:.:.:.:/:.:.:.:|:.:|:.|ヽ＼七云ヽ、:.:.:.ｉ,､:.∧:.:.＼:.:.:ﾍ
∨.ｉ:.:.:/:ｉ:|:.:.､メ云 ヽ .'ら い,.ｉ:.:.:|:|ヾ/ ',:.:.ヽ＼:.:',
|:.:∧:.ｉヽ:.ヽんう .辷ﾉ .}:.:.,':| / ',:.:.:.ヽ ヽ:.ｉ あんまり大きなこと言える立場じゃないけど
',:.| {:.:',ヽヽ:ヾ､ゝ, .u,':./:.:!/ ｉ:.:.:.:ｉ:.:.ヽ:|
ヽ ヽヾ ＼ヽ、 ｀＿ 〃|:./| }:.:.:.:|:.:.:.:.| お金出させるだけ出させておいて……
ヽヽヽ、.ト 、 ./／./ .|､ .ｉ:.:.:.:|:.:.:.: |
＼ ヽ:.｀＞ .イ .〃／/.>＜￣7‐‐ ､:. |
ヾ 、.r/､./／ / /:::::／::::::::::::::',:.|
,､r:::´// .ﾍ´ / ./-:/::::::::::::::::::::::}:|
/:|:::::::/ Ⅳ∧ヽ′ / / ヽ::::::::::::::::::::,':.|
_/::::| /ヽ／ヾ､/ヽ‐‐ .| ./ |::::, ≠ ､::/:.:|
//::::〃 / .|::／ ／ .／ .|:/,' .}/|:.:.:|
//::〃∠‐ゝ∠ ／ /.､ヽ !{ ､ .丿:|:.:.:|
ゝ ｀/ /:／｀ ‐‐ぐ､ゝ′ |｀-::´!:.:.|:.:.:|
/ ___ { ./:/ ヽ´＼ ‐‐／:.:.:|:.:.:| ［島津義久］
./// ヽ 、 |:.| ヽ //:.:.:.:.|:.:.:|
/ / ｀ヽ ､ /./ |:.:.:.:.:|:.:.:|
秀吉が花見をともにしたのは、妻子や女官、運営担当の側近たちで、いわば身内に限られた。
,.--､,.-‐''"ﾞﾞ｀`'‐.､
／ ,へ, i |l , ｀`'‐.､
/ // ! l l| i , ｀ヽ.
/ // | l| il | i , ヽ.
ノ .// l i l l l i li i i,
／/ //i __ .l l l | i l |l l i,
＼ i i il（_ ｀ j/ | l l l l l l !,
＼ ! ハl ＞=u-、 ヽl |i l l l l i
＼ ヽ! l| ''"､_ ,/ ヽl lヽ人l | l i | l ……ま
＿.) ） l. く ､ ヽ/l| / l !
（(￣ .! _ ヽ/／‐-」' 街道警備にあたっただけマシ なのかね
＝ #ﾆﾆﾆﾆﾆﾆヾﾆ＝=､ ﾉ ''/っ ノ
ヽ ー‐ ／ 〈_,.／
＼ ／ i
＼__________／ l ［福島正則］
iヽ ヽ
催し事において、大名たちに負担を求めつつ、参加はさせないというのはいかにも秀吉らしくない。
_,. -─ｯ‐- 、
／〃 ／、｀ヽ ＼
,≠==#=〆 ', j べ.
ﾊ〃 l!/ 》_ i／ ,(
〈 {{ /⌒Y ⌒)) /,. '´ ヽ)_ 、
≫^Ｙ⌒>ｰく⌒Ｙ(/ く ' Y 花が
《 廴_{ ※ 心ﾉヾ:, んzｿ ,: |
＿_≫=ﾍ.__｀辷'_,ノヽ〃 ´ j
＼＿彡ｲ/// 》==f'ヘ ／
////=彳:.k个r-‐' r､´
∠/// ｉ : i :ヽl /､ ＼
くｲ ! : i＼rヘ..＿_ ヽ＼rﾍ
| ｉ: ;ﾑ:__＼. ＼=ミﾐヽ} ｉ Vﾊ
| !/ .:￣＼rへ. ｀'ﾐ| :Vﾊ
| : / .:.:.:.:.:.:.:.:', v=ﾐ:,| 〉 i
l ! / l|. ﾞ､ | l | l | !! ＼ ヽヽ
| i l ! ﾞ､ |､ ! |l i ! || !ヽ ヽ ﾞ, ﾞ､
! |! ! ﾞ､ ヽ l l |､ |l i,l | || ! i i! ! !
! ||. | ヽ. ヽ い_ヽ.|l | | !! || ! | l i
| l i | -‐ヽ!＿ヽ|! | ' || | ! ! || l l !
! i |｢､ﾆ_'=.､ ､ヽｨ,=;‐､ゝ! | || | ! l |l !/ /
ヽ ヽ',. Y'i:o:ヾヽ '´ i::ｰ':::::i `|! || il >‐､. li / /
!| ハ ヽ::::ﾉ, ! ､_ヽ:::::ノ,. || | |//｣ | |! / ./
ﾘ|!ヽヽ `'''" | ￣ || / ,' rｧ //ノ／ え？
l! ｀ﾞ､. '、_ ||' /‐',イ / ,/
ヽ ＿＿_ || iイl|!// /
＼ ‐--‐ ｀ ,.ィ| !r'"ヒ二ﾌ‐､
＼ _, '" | ! !| li |ヽヽ ヽ
`ーｧ‐,'ヾ-､. | ! | ﾞ, | | |l l! l!､ !
／／/ ハ い ! ヽ∟､_ l |!l |
i /〃/ﾉ/ i ｀ヽゝ'"´-＝‐-､ l| ［北政所・ねね］
,.. . ....L_＿,./-‐'''| ／,. '´ ヽ
＿,,__
`ー'-`==､､,,
`''=-;,,,;=;,,, ,--､ , -､
, -, --､,,=''" 〉ﾊヽ=-___ （ Y ﾉ
`ｰ(i--;ヽ__） /(⌒ Ｙ~ )=,(⌒ヽ>=ヽノ
'''''ン)､） /（ ﾉ!!! ⌒)､,,, -=--,,,,-､ヽ ,__
,ﾉー,(､`ヽノ''''' ）､_ﾉ ／ヽ／ｰ､(⌒ヽ､,-'⌒)
(~ !!!!`ヽ^ヽ,､ﾉ (⌒i／) (__,,ノ!!!`ｰ,-',, __ﾉ⌒）-､
`-' `ー' (⌒''ｰ'､/-,, （ ;'' `-/ ）ミ::<'''__,）
`ｰ::彡) ヽ＼ `ｰ'（） `'`~（ ）､）ﾆヽ__
`ー'ー'`ｰ' `'`' ~ー`==ﾆ
_,. -─ｯ‐- 、
／〃 ／、｀ヽ ＼
,≠==#=〆 ', j べ.
ﾊ〃 l!/ 》_ i／ ,(
〈 {{ /⌒Y ⌒)) /,. '´ ヽ)_ 、 桜が 美しいのう
≫^Ｙ⌒>ｰく⌒Ｙ(/ く ' Y
《 廴_{ ※ 心ﾉヾ:, んzｿ ,: | かように無心で桜を見たのは いったい何年ぶりのことか
＿_≫=ﾍ.__｀辷'_,ノヽ〃 ´ j
＼＿彡ｲ/// 》==f'ヘ ／
////=彳:.k个r-‐' r､´
∠/// ｉ : i :ヽl /､ ＼
くｲ ! : i＼rヘ..＿_ ヽ＼rﾍ
| ｉ: ;ﾑ:__＼. ＼=ミﾐヽ} ｉ Vﾊ
| !/ .:￣＼rへ. ｀'ﾐ| :Vﾊ
| : / .:.:.:.:.:.:.:.:', v=ﾐ:,| 〉 i
| . :/____..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:'. Ⅵﾘレ'´ | l
| : Ⅴ ￣￣` ｰ-i V :| |
| : / : ｌ ', .:| |
. |.:/ l : l .:::| |
j/ : | i l ..:::::::| l
. 礀 | ｌ |::::::::::り
| : | l! !::::::〃
| : : . 川ｈiり::::::||
＿＿＿
. イ´ : : : : : : : : : ミ.. .
／: : : : : -―‐- . : : : : :＼
／ : :/イ´ .. ---- .. ｀ヽヽ: : :ヽ
/ . : / イ´ : / : :l: :| i : : ｀ヽ､i: : : : .
.′ : /: :/: . ｲ: : : | |i: : .ヽ: : l: . : :i i
i.! : : i|: :|: : : i |. :| . . l :|| : . .|| :｜: : :| l
|| :|: :|! :|! : _｣ L⊥: ⊥ハ: : :|! : || : : |:.|
∧||: |: :|:／´ _ノ ￣ ｀ヽ|l : :i.|:.レﾍ
〈. |l i:l:. :{ ｀^ｰ |l: : ﾘ: | ノ
` |从. : l j.l : 从:|´
|.:.{`ト{ ≡≡′ `≡≡' ｲイ }.:.:! そちどもとな ただの花見をしたかった
|.:|トミ.! ﾚノ.i.:.:′
|小: :.:.:､ ' ､ ﾉ:.: :/:/ 今日は佳き日じゃ
|:.:ハ :_ :＼ ｰ､―‐ノ ／--v':.l{
|/:.:.:i´ i｀{:.i`i . ￣ ィ:´i:.j }:.:.|
}:.:.:.:.| |:.|i:} ￣ {:.:.l|:|/ ハ:.l
ﾉ:.:.:._:| レ' ` ｰ| ト :.:.|
f:.￣::.::.|, -､} ___ __/ j::.::.` ー..､
/⌒ヽ::.::.::|: :ハ ｀ .... ´ /⌒{::.::.::.::.::/ヽ}
.′ },.‐┤ : : i i : : :ﾚ‐ ､::./ .
醍醐の花見は、秀吉にとって最後の花見であり、妻女のための最後のイベントとなった。
○ 第七十三段 ： 天下の終わり
┏━━━━━━━━┓
同年同月
奥州会津若松城
┗━━━━━━━━┛
⌒ゝ 〃⌒⌒ヽ_ |!＿＿＿＿i| （ ノ⌒ヽ､＿二-‐'⌒
`ー' ,-､＿ノ⌒) /=‐::::::::::::::::∧
'⌒ゝノ⌒ヽ､-〜､ノ ∧────ト ∧ (⌒⌒ヽ＿ノ⌒〃
/=ﾍ ﾛ ﾛ ﾛﾛ | /=ﾊ /ﾍ `〜‐-､＿＿二ﾆ(
／⌒ヽ､＿ /＿ ﾍ ﾛ |/＿ハ/= ﾍ
,ノ"´ ｀゛ー-､＼-‐' ］二二［ ］二二［.|￣| ∧
"´′ "ﾉ ヽ＼ |ﾛ ﾛ ﾛ |=====:|ﾛﾛ ﾛﾛ|＼|/=ﾍ__／⌒､∧_,∧､_
,ﾉﾐゝ ...┌冖冖冖冖冖冖冖冖冖冖冖冖 /=∨ハ
彡ゞﾉｿ爻乂ゞ∧ ソ |＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝..|＼＿/＿ﾊ__ハ
爻ﾉゞﾉ个ゞゝ/=ﾍﾐ |＿＿＿ ｪｪ ﾆｺ ｪ 」 | | | ﾛ| ﾛ|
＾＾~"￣~~ﾞ /=-ﾍ彡／....＿／| ｪｪ r=====ﾍ￣￣￣￣￣￣
从 ﾉゞ Fﾆﾆﾆﾆ.I | .| : | r=====ｮ /=-‐==ﾊﾍ |￣∧ |￣∧
ﾉ爻ゞ | ./￣￣￣∧...:::| : | ||ロl.lロ|| /=＝ -‐-ﾊﾍ ﾚ'△ﾍ ﾚ'△ﾍ
ﾉゞヽ /￣￣￣￣∧/品| | : | ||日ll日|| /＿＿＿＿ﾊﾍ＿＿＿＿＿＿
ゝ' ./＿＿＿-=/品| ∩ .|／／￣￣￣［INN］┌┬┐ |┌┬┐┌┬┐
／＼=- ＼＿¬ ／／′″,, ＿ | ├┼┤ |├┼┤├┼┤
／ .品. ＼‐- ／／|＿￣ " . ／ ／| └┴┘ |└┴┘└┴┘
＿＿＿＿＼＿|￣|／|／ . |￣|／|＿＿＿＿__|＿＿＿＿＿＿
.ｴｺ ｭ |￣| ''| ′′ '''' |￣||￣ ｴｺ ｪｪ ｺ
ｴ ｺ .. 匚 |~ｺ| │ ‐- | ||匚］ ′′匚 ］
,,vy,､,_,,,.,.,,vv､.,,| ,,_|,／ 二= -‐ |,,_ ||,,___,,vw_,,,,,y从w,,_､､,,,＿vy,,＿
::::､､::::::::::::vy,,::::::::::::::z' ‐- `ｚ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
上杉景勝、新たな居城となる若松城へ入城。
/／__/＿/ / | ヽ ＼＼ ',
r┴' / / ｀∧ ! /^＼＜￣ヾヘ
／／ / / ,、∨,、 ＼ヽ ＼＼
∠..ノ / / / ∧ヽ|/∧ヽ ヽ＼ ヽ ヽ
r' / ,' / /l /´｀"ﾞ｀´ ', ! ､ ', ヽ＼}
| { l ﾘ ,' 从 ﾘ | 〉 } } ﾘ
／ﾚﾍ |＼トﾍ匕Ｌ..＿,. ､__/厶∠L／ ｌ ｌイL
,ィ ´ ／ ∧ﾄ､ゝ弋‐辷ﾃﾐ､ ,ィ辷テｧ/／|,.ｲ ヽ＼ー- ､
/ ／-ｰ彡'´|l lﾍミi｀￣彡 ｜ ヽ ｀￣´/ // ! ｀ ‐- ＼｀ヽ ＼ ……蒲生家とは
_,.〉＜´ // |ｌ トゝﾐ彡'7 | ／／,' |ヽ ｀¨ ｰ- ヽ
.´ // |ｌ |ヘ三彡ﾞ ┘' ,.ﾌ / ｌ ＼ ｀¨＞ｰ ､ 節制に厳しい家だったのだな
. ,'/ | ', ヽ.l｀マ{ ゞ二.Tミ、／ｌ l | ヽ 〉 ',
/ /| ｌ ｌ| ＼ |ヽ|´ ｜ ｌ ｌ| ',. / l
. ,' ,' ｜ ｌ ｌ| ｀ ｰ'|ヽl | ｌ ｌ ト、 ｜ / !
/＿＿ / | l | ＼ ゞ'ﾞ | ｌ ｌ | ヽ___⊥__ / ,'
ヽ, | l |彡 ｀ ´ ィ三ﾐ:! l ｌ | / / / ［上杉景勝］
＼ ﾉ l |三i ゞﾐ三| l ｌ | / / /
／:.:./ﾚ 7／{:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼_
/:.:.:.:./ 〃/:.:.:.:.:.:.:.:..|:.:.∨~＾＾´＼-:.:.:.:.\xAD\xF4
___, ノイ:.:.:/イ／V:.:./:.:.:|:.:.:.:|ﾊ:.:| V≠=寸
/:.:.:.:.:./:.:.:.:.|:./lV:.::|､:.:.:| ｌ:| ＿___ W::::/
/::ｨ:.:.:.:.l:.:.:孑|::|廾|:代､:.::| '~|´_- ｀ |::::|
／´ /:.:.:.:.|:.:.:.|! |/_ 二ﾍ! ヽ::| ´ｲ升ﾃ=､ z. |::/‐､
|ﾊ::|:.:|/l::| 〃{ﾋっ┘ `＾─'′ .|'f;＾:. ! 「なんだここは
l !:N:|ｲ¨| | l:::ﾉｊ:/ .百二十万石の府城としては手狭で貧相だな」
｀| l{{<∧ { ､ |＾;:./
＼ {:〉 _＿_＿＿＿､ ｊ_／ と解釈してよろしいですか？
`ｰ ヽ 弋二￣ 二ノ /!
,-‐|＼ ￣￣_￣ ,.'::ト､_
／:::::::| ＼ ／ ..::|:::::::ヽ
/ ::::i| ｀ ー ─ '' :|!:::: :::',
/ ::i} {!:: .:'､
_/ Vヽ / V '､ ［直江兼続］
_ -‐'´ ﾄ､ |:.:｀､ ./ | /!. ＼_
／／ |彡へ
/ , y ／ヽ|/∧ヽ＼ｰ-､
ｲ ｲ ﾊ ｲ｀''''''y/爪. | ヽ ﾍ
.|ﾊ | |=| | } | | | 〉
ﾙﾊミヽﾄﾐ{ミﾁ==ｲ ﾑｲ / j {
彡<ﾆ二tﾃﾐミ､ /==ｰﾑｲ / /}
彡辷三三ﾂ´ （ﾐ､ 〉彡ｲ j
彡彡≦ｲ <_tﾃ /／ /'
彡炎ミrﾁ. r 〉 ｨ彡ﾉﾉ フッ
三ミﾂ ｲ z彡ｿ'
彡ｲ ､＿＿＿_ j
彡ﾐi ｀ ＜ｨｨｨﾇｲｲﾇﾇﾇﾇﾇﾇﾇﾇﾇ(:::(::)
彡ﾐﾑ ｰ- ､_つ￣￣Z ﾃ￣￣￣
ｲ彡f ／| |
炎彡{ ／| | |
ヽ､ｷ}. /| | | |
＞ ､ ＿＿/| | | | |
ｲ...川川川 | | | |
/:::::::::::::::::| | | | | |ー-- ､＿
/:::::::::::::::::::| | | | | |::::::::::::::::::::
／ 〉 爪⌒ヽ__ ／｀ヽ
ｨ仁二ﾆ⌒ヽ､ ／ / / V/／i ＼
.／ ＞/ { { ,ｲ l从〃:,:.} ＼
／ V / | 从ハ | ｀¨¨´| } l ＼
,r＜ / / | /ﾆﾆﾆ从{ |∧从 ｀ヽ
/ 小/ｲ | 小二二二ﾆヽ |' 〉小 圦
, ﾊ | ﾙ 仁三三ミ ﾆﾆ⌒|ﾊ 小 ＼_
{ ', 斗 ﾄ { Y艾｡ 寸气 {.＞示y从 .ﾙﾊ
i 小. | {代 ≧三二ﾆ= ＼ﾟｰく { ,小ﾊl
∨二|込 {从 {ﾆﾆﾆﾆﾆﾃ ﾉ V ﾙ' }
V {｢込| ＼ 辷===Y ´ ′ !il|
圦ヽ. | | ﾏﾆﾆ込 ー====ｧ 川 で？
人 ＼_! l )ﾆﾆ圦 ﾞﾞﾞﾞ 小|
＼ | ﾊ ｀ヾミ{ / 从
| | | ≧:.:...... / ',
| |: . | ', ＼:.:.:｀.:.:.:ー--イ ',
l |: . | ', ＼:.:.:.:.:.:.:.:/ V ',
| | ｨﾆ| ', ﾊ V ',
| 八ﾆ抓 ', {弋 V ',
ﾘ=ﾆﾆﾆﾆﾆ小 ', 小Vﾆﾆﾆ', ＼
. ／: : : : : : : : : : : :.:.:.:.:.:::.:.:.:'，
/: : : : : : : : : : : ::.:.:.:....:.:.:.:.:.:.:.:'，
/／: : : : : : : : : :.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.'，
／|::!: : : : : : :./: :./}.:rﾍ:.}￣¨''ミ:.:..:}
|八: : : :|: /|: :/ .|:| .}:| ',:.:斥
|从: :|斗抃ト､|! /, -‐─Ⅴ }
! {Ⅵ 艾テ / 艾テ ! / 石田三成より無事 蒲生旧領を受領
ヽ } i ｒ‐'､
／.|ﾍ 」 / .| 乂 掟書も全村に下し 目立った問題はない
イ ｜ ､ ` ｰ─ ｲ | ' ，
, ’ | ＞ ＿ イ/ ! ' ，
. ,イ | ＼ ／ . ＞､
. ,ハ ! rそ厶 ′ ,ハ
. / . ' ／ ∨// ＼ / .
/ '. V }//{ Ｖ ,
. -―=＝≠´＼_
.......:::´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::...ー-
／ .:::::::::::::::::::::::::::::::::::/.:::::::::::::::::::::｀丶
/ .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/.:::::::::::::::::::ト､:::::::.＼
. /.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::ﾊ:::::ハﾄ､:::::::::.⌒ヽ
/.::::::::::::/.::::::::::/.:::::::::::::/|:::::; l::::| |:!ヽ::::::ﾊ
:::::::::::::::ｌ::::::::::/:::::::::/::/ |::厶 l::::| |厂{:::∧
|:::::::::::::::l::/.::/.::::::i:::i::::ｉ／厂 |:八 ﾑ、 Ⅵ
|:::::::::::::::/:::∧::::::::Ⅵ:::| ／,二、/ ﾋﾌ_, {
|:::::::::::::::八{::ﾊ:::::::| 八|.ィ:::厂, ,; Ｖ 、 検地帳が引き渡されてるから 知行の把握もスムーズなもんだ
|::::::::::::::::::_::::::::l＼| ^===彡 ＼ |
ヽ:::::::::::/ ｀ヽ:| , ノ | あとは俺たちの問題
＼::::{ ( く_ | 家臣団をいかに動かし 知行割に従わせるか
＼ヽ ｝ ,_-ｘく|
. ＼＞―ﾍ /こ´个＼
| ＼ 丿 ﾞﾞ
／| ｀ニ＝=‐―┬=≦ ＿＿
| ＼ ＼:::::::::::::::::| ∧
| ｀ ー-=ﾆ二::＿::::| //∧
. / ｀ヽ ////∧
〃〃 ヾ ヽ
,ﾚ''¨¨爪|¨¨｀ヽｰﾄ|
ﾄｧｰ⌒ヽ__ﾙ | ﾊ ﾊ
rｰZ ⌒ ´∧/ヽへへ}､__
ｿ'〃／ 从/ｨ ヽ
/从（ /从（ｿ | |. | | ､./
／ | ,ｲ.xtｯ≧ ﾒﾑ_ﾉ ﾉ .ﾉ|
__z-ｰ=彡.| |ﾐミミ ｲ =tｫｲ___／lﾊ ……任せたはずだな？
rzｲ// ノ ｲ| ﾚ' 〉ﾐ ｣ 彡'ii, l | ヽ､
（〃{/ ,,彡ｲ /／ .ﾑ＜二二ﾆｱ |＼ ,| ﾊー-､
ﾙ ＜ |// -ｰヾz:::::. | ＞- ､ ヽ ヽ
r＜ ,ﾉ./ イ´ / .| ｀＞ ､.|
| ＼ ,ﾘ| ／ / l |ヽ ＞､
| ＼ ､. ノ/ rｰｲヽ ´￣j | | 〉 /
ﾑ ﾐｿ （ ∧ /ミゝ （{ | ヽ /
{∧ 人 ｀￣￣ヽ , 人 l l 〉 /ヽ
| ∧ / ＼＿ []/|＼i| ／ 川 ﾘ / 〉
_ -――- _
,. ＜/////////////＞､
. , イ'///////////////////∧
. ,ｲ///////////////////////∧
. /,イ'////////////////////////!
/ l///////////////／'' "l'lヽ///!
l///////////,ｲ'" ﾘ ヾ//l
.l/ｌ////l'/// !/ l l//、
/'.l/l//‐l//'-|' ! --――‐- .l/; !
! l'{.' l{-ｔｰﾃヽ ' ｰtｰﾃ !ﾉ/ 今回 御屋形と移動した人間で最後にするつもりだ
`ヽ! ` ´i ｀ ,'､
. 、 .! ,:::.. ヽ 他の者たちは 越後で帰農させる
/ i 、 ＿´ /l:::::} !
-‐ ￣ } ./ヽ .!_!―｀ .／ .!:ノ !￣ヽ- _
. ヽ / / .ﾉ､| | ／ !./
l,.' ／ ￣｀ヽ´ /- ､ l
/ . ‐ '"￣ ‐-ｒ‐､ //ﾊ .! ／
/ ' -‐＝―‐--.ｊ. ヽ/ ヽ!
, _,.. -‐T ￣｀ヽ',
i ､. -f'"￣￣ 、
j l.l/("'' ー 丶 i
／ /.!/( 'ｰ- !
- '" ._,.ノ !//＞、 , ｀ .._
上杉景勝主従にとって、実りも金銭収入も豊かな越後国は、幸いであると同時に呪いでもあった。
先代・上杉謙信死後の、血で血を洗う内戦の数々。
, = - ､
∠ﾆiと'"""(:;:;@:;) // ∧,..,.
(ili ) :;8;:;,. /// (ﾟ- ﾟ#)
∨∨:;:;,8.:;:;,.;: i:i:iつＯ|l二ニ＞
,-―-､:;:;ミ 〜ﾉ,,,ﾉヽヽ 彡 （,.,.,..,,.,.,. ,.,,.,.∧∧
∧∧ 〜（,, ﾉ :;:;:;;:,. し' ｀(,/ と:;:;:::;:(:;:;@:),.,.(:;::;;:つ:;pﾟ)
(；ﾟ oﾟ)／ヽ (,/ ｀Ｊ ,.:;:;;:,.:;:;,. "';:;:;;:;:;:;:;:;;'"
( つ≫―l> ∧∧
〜（,, ＼ノ /|(ﾟＯﾟ；)
し'｀Ｊ <l―≪ ＝ ― （ | と )
∧∧ ヽ|ヽ ,,）〜
∧∧ /|(ﾟへﾟ#) し'｀Ｊ
(#ﾟ皿ﾟ) <l―≪ ＝ ― （ | と )
( つiﾆﾌつiﾆﾌ ∧∧ ヽ|ヽ ,,）〜
〜（,, つ (#ﾟＯﾟ) ﾟ ｡ ﾟ ∧∧｀Ｊ
(,/ ━( つ━Ｏ━━(((＜＞ ＜(iliﾟ ^ﾟ) (ﾟ- ﾟ*)
〜（,, つ ＜＞)))( つ━━Ｏ━とi:i:i━ ＝ ―
それは上杉家の家督と同時に、この豊かな地をめぐる土着勢力の争いでもあった。
景勝はあらゆる手段を用い、かろうじてこれを制御したにすぎない。
その後は、統一戦争に邁進していた秀吉に臣従。この権威のもとで国内を統制した。
,. 彡 ---丶: : : ミ: .、
／ ', ィ:.´￣￣`＼:ヽ＼ ＼
//.イil : : : : :i! : . . :ヽ:| : ヽ:ハ
//′: l|l: : : :| :|ヽ: : :ヽ: ヽ : ヽ∧
i: i : :!: :||{: : :_｣┘ `- :} : :|: : : :l : ﾚヽ
| l| . {: :ハ'´ ,ノ__ヽ} : l: :| : |ノ
|: { : :〉´__＼ ,=ﾃ｡≡ﾇ-|: i.:.N: i |
. ∨ ''７｡ﾈミ _ぅ__:ソ jノ:.:ハ l.|
V:丶 ぅ_ｿ }イ'ノ小!
ヽ{ハ ｀ ＿_ 爪: :｜|
从小 i/´ ヽ. 八: : :ﾉ:.;'
, 、 ' `i |八{ヽ. ` ー ' ／{'⌒Y_, ｧ
ヽ ＼、_ , ' ,' i｀`ゝヽー― 、 .|!:.:.:Y⌒iフj ー ＜ j / }:/ }'
ヽ、 ￣ヽ/´｀ l´ヽ ヽヽ ｀ヽー-−ヾゝ },:.-ｧ} |´ } / /i j
｀/｀ー ｀' / | l l ヽヽ、＼ i′ |´｀` lｒ´￣'`} j::l |ト
,/,丿,'ﾞ ; ´ ﾌ'´ー-'/ | | ヽ、 .ﾚ‐v ,', l/⌒Y、|、| l ',_ _ , 、
ｒ' ´ / , ,_ _ノ＼ / | | ,、 ヽ /: : :| ,',' .′: :|_┐ ｀/ ／H ＼
`─ー´i |´l ヽ、￣ //'ー- ' ｀`-´｀ヽ、_ ,',/: : :j/ ;; li: : i ｀ 〈' / A 人ゝ
,l/ ﾊ ヽ ｀ー ―'´'´ ,';/ : : :/:::.... ;;. ...jl: : :l: :::.... ,´ / S , ' ｀ ヽ、
〈／ ヽ' / : : :/:::::::::::: ;;: :::::::jl: : :l::::::::::/ ﾍ H / ヽ,
秀吉も上杉を高く評価した。
東国に足場のない豊臣公儀にとって、北陸・関東・奥羽に広く影響力を持つ上杉は有用な大名だった。
両者の思惑は一致、景勝は忠実な公儀の執行官となる。
奥羽に起こった仕置反対一揆の鎮圧、千利休切腹での大掛かりな警備、そして唐入り。
＿ - _ − ー 三 ＝ __ −￣ _ﾄﾞｽｯ！−￣ ＝_ −￣ ＝--
─── 三 ＿ ─ ドスッ！─__＿三- =─,r'◆ﾋｨｨｨ！ =- ─ ∧))∧=-＿ −──
三 ─ ／◎＼ ￣ /◆ヽ─/◆ヽ─ _ (li 'ﾟД)∵;r'三ﾞｉ ＿─（ﾟДﾟ ／◎＼
─- = ＿（ ｀∀´） ∵;；(Дﾟ' il) (Дﾟ' il)-= _ （@（ﾞ〇━(li 'ﾟД)＿=〃⊂（・∀・ ）＝＝
＝＝＿（ ⊃━⊃━《三〇ﾞ）@）〇ﾞ）@）￣-─゛し'し＿（@（ﾞ〇 ＜》━⊂━⊂ ） ──
＝＝（＿）し _ーし'し" し'し"─- =￣─- _ _ ゛し'し￣─- _ _ し（＿）三＝−
,,､,､,,, ,,､,､,,, ,,､,､,,,
,,､,､,,,
────────────────────────────────────────────
/.:.:..:::::::::::::::::::::: .:.:.:.:.:.:.:.:..ヽ
/.:.:..::::::::::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l
/.:_:_:::::::::::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
,. .:.:.'".:..::::::::::.｀`::... .::::::::.::.:.:.:.:.:.:.:.:.,:．┘' ７
r_:'.:.:.:.:...:::::::::::::::::::::::::::::::_,＞x._ ,. ‐ '" ,／ , ′ __
｀¨ﾌ ｰrr‐--‐≦､ | ´ ,. ,／ ／￣ ,／
{ / Ｖいｲ:} ヽ＼| く '" ／::＼／
. ＿＼!＿_,ﾉ'. ﾚ' 丿 ∠::::::::::::..＼
{::::::ﾉ ヽ、＿＿＿__ ＼_＿,ノ
レ' / rﾍ
{ ,. -──……─- .,ゝ
‘､ { ｀ヽ
,,.. ､ ＼ ,．- } }
rft=='＾{ /, '＾ヽ イ /
`ヽ:::::::::Ｖ::′ ｀¨＾ ､ | ／ ［千利休］
'::::::::::ﾉ Ｖ_ .. -─‐- ､ rく
｀¨´ -─ ￣ ＼'´ ＼
軍事警察の職務を期待通りにこなし、ついに五大老、奥羽目付けとなった。
＿＿
／:::::::::::::::::¨:''ﾍ
／::::::::::::::::::::::::::::::::::=-‐
／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
V:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.ｒ''ミ:::メ、
V::::::::::::::::::::::::::／/::/ }:ﾄ､
厶ミ!|.::/:/:/／ ./::/／/!|
＿＿＿_,.．, イ {ｔｯ|:/:/斗zｫｰ''/ ﾋﾔi┐
. , '' ¨ / { 弋.| `¨¨ ､ ! ﾄ､ で ようやくここまで来たってのに
／ ヽ, ─── ‐‐| ､ ｉ ' ' ! ;
/ i | ﾍ ＼ -‐ ‐ ｲ } ! 太閤殿下の健康問題だ
./ i | | /¨''{ ＞ __ ／ / j
i | | /| | } ｒ'' { ／/ / /
. i .| |/ l .{ 乂 j ノⅣ. / /
i | ＼＼ ﾍ,ノ/ /. / /
! | ＼＼__/./ / /
. | V. / ./ /
. ｜ V / / /
. -―=＝≠´＼_
.......:::´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::...ー-
／ .:::::::::::::::::::::::::::::::::::/.:::::::::::::::::::::｀丶
/ .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/.:::::::::::::::::::ト､:::::::.＼
. /.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::ﾊ:::::ハﾄ､:::::::::.⌒ヽ
/.::::::::::::/.::::::::::/.:::::::::::::/|:::::; l::::| |:!ヽ::::::ﾊ
:::::::::::::::ｌ::::::::::/:::::::::/::/ |::厶 l::::| |厂{:::∧
|:::::::::::::::l::/.::/.::::::i:::i::::ｉ／厂 |:八 ﾑ、 Ⅵ
|:::::::::::::::/:::∧::::::::Ⅵ:::| ／,二、/ ﾋﾌ_, {
|:::::::::::::::八{::ﾊ:::::::| 八|.ィ:::厂, ,; Ｖ 、 殿下の死後 公儀がどうなるか
|::::::::::::::::::_::::::::l＼| ^===彡 ＼ |
ヽ:::::::::::/ ｀ヽ:| , ノ | それによっちゃ 越後もまた血みどろになりかねなかった
＼::::{ ( く_ |
＼ヽ ｝ ,_-ｘく| この国替えが家中改革の最大にして最後の好機ってわけだ
. ＼＞―ﾍ /こ´个＼
| ＼ 丿 ﾞﾞ
／| ｀ニ＝=‐―┬=≦ ＿＿
| ＼ ＼:::::::::::::::::| ∧
| ｀ ー-=ﾆ二::＿::::| //∧
. / ｀ヽ ////∧
兼続らは、公儀の指令を利用して多くの土豪を越後に帰農させ、家中の刷新を図った。
＿＿___
､__＿＞ ￣￣￣￣￣￣｀ヽ
_..:::彡⌒.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼ __
ー ≦､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ.
＜:::::::::__: ノ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ﾍ.
＞ ／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:/彡イ气:::::::::::::::ﾍ.
／:／:::::::::::::::::::///;ｲ:／／//:/´ ｀ミ::::::::::ﾍ
／__＿::ノ:::::::://77ﾒく_/ //:/ ＿ ﾐ:::::::::::::l
／クハ::://///_,,/≧/´/ ..,≦´ ｀ヽﾐ::::::::::::!
. ／ 〉!/ﾊ! ｲ'ひゾ /: / / ｲろ心、 ﾊ::::::::/
//ﾙ ! ｀￣'/ ゞｰ"ノ ハ:::::/
ヾ に! };. ﾑわ/ 切った分以上に新しい人材を迎え
ヽい ´:ｿ /ノ:/′
ｰ', __＿__ んソ 家臣団を再編しなきゃな
ヽ ´ ` :/´
_＿|＼ ｀" ／
. / | :ヽ .イ:!｀ヽ
. , イ .:.j : : : :ー: ´:.:.:.:.:.:! / |
／ _＿ ..:/ｲ ／ |
/_／ /⌒)/:.:.l __/: L___,､_＿
,..＜ｲ⌒/:.:.:.:l / :/:| /ー:、 ￣￣
., ＜ ＞イ :/:.:.:.:.:.l:_＿ / :/ .:i / /￣｀ヽ、
＜::＞"´ .,.:/_ :.:.:.:.l ヽ .:./ :/ .:/| :/ /:.:.:. . . ｀ ー
"´ .:/ !＼ :.:.ｌ ／ ／／ :|/ /:.:.:. . . . .
..:/ :!:.:.:!＼ヽ ／ ／／ /
上杉家臣団は、もはや以前と同じではない。
父祖よりの所領と既得権は失われ、知行割と新領統治に際して否応なく再編される。
,.ヘ､＿＿＿ ＿_
,心､_| ハ ＼ﾐ＼ ＼ﾍ癶､
／ノ ﾉ rﾐl:l:lﾊ ヽ ｀ヽ ＼ｰ'＼
〈 / |ジ´,,´´} /Nヽ ト,ｌ＼ V Yﾍ
ﾉ 〈l lﾊ ゞｊノー--H/､| } lﾊ ＼〉
／/ / Nゝ!'＾｀ヽ ~''´_,z≧､_N | l ∧ ヽ
/ l {イ弓彡､ﾐ_ｊ ､_´¬‐’='＾ｊ/ l ﾊｊ)ハ
| l ! ﾄﾄ!〃_(・'`/ ﾟ // /ｲ 〉 | 領国の開発を 怠るな
＼l,! ﾍ|Z簠彡7ヽ r､ !ｲ/ /ﾄ! } |
ヽ､|ﾐ彡彡{ ス//|rノ |
|lﾏ三彡7∠_ 二`ﾆー' ｊ/´| ! | （(
| l∨辷/ | | ! | （ ⌒ )
| ll ＼払 ´ ﾐ /| | ! l (~ ノ
／} | |l l＼} ／ｹl | | ノ
ヾ 彡＼ ／ｰ'/ ! li | ｌ |＼ | | lヽ∫
／｀ヾ ／ ／ ノ| l | llﾊ ::::＼ ＿ ィ _ｨ| |l r_i~＼
／ ／ ／ ＼─‐-､_/ム| l l／ﾊ ヾ壬/ ｀ヾ| l|ﾊノ人､ヽ_三⌒ヽ
| _／ ／‐ヾ､ノﾘ＼::::::::::::::::| ｌ |三∧ _ _ __,|z ﾆ1'＼ﾍ＼ _｀ヽ_ﾐリ
ヽ ー'´ー=ハヾ､ジ ＝=二_ァこ- |-¬'}＾´￣ｰ´ ￣ │! lﾍ:::::::`ー--..､ﾙ(_rﾍ
l _／ 〉:::::::::::::::::::::::/ ﾉ | / ﾉ ', ､､＼::::::::::::::::::::｀丶､
|l .ィ:::::::::::::::::::::::/ ﾊ/ l ─--､ く_.. --─∧ゞ ﾆ _＼__:::::::::::::::::::::
/::＼ ´ ヽ:::::::::::::::::/{ ! _ノ|ゝﾍ `~ z‐､/::::::＼ _ ヽ ム:::::::::::::::::
/:::::::::∧ }::::::::::::〈 ﾉヽソ （::::||彡〈 〈ミ/::::::::::::::::::ｿ フ ﾉ::::::::::::::::
「景勝の上杉家」へと、会津は上杉を生まれ変わらせる地となるはずだった。
／ : : ; : : /_.．-───- ._: :＼
. ／ : ; : :/: : /´ ＿＿＿＿＿＿＼: ヽ
/: : _/: :/: : 厶 '´: : : : : : : : : : : : : :｀ヽ: ﾍ
/:／ ,.'７: : :/: : : :|: : : : : : : : : : : : : : : : ﾍ: ',
/' , '/ i: : : :|: : : ∧ : : : : : : : : |: : : |: : : : i: |
. ハ厶i. |: : : :|: :.|:.l ',: : | : : : : : |: : : レ': : :|: |
|:.７ /トr|: : : :∟」_| ＼|＼ : : : | x'´ﾊ: : : ;' ﾊ
|:.' /: | r{ : : : |: ∧｢｀ヽ､.___,.＼: ｲ__V_,|: :rｆ:/| | ［伊達政宗］
|:| |: :.| | |: : : :Ｎ 'Tに叮 ヾ ｈィ}r〈 { 'j.ﾄ'| ＿＿＿_
|:ヽ: :.| |､|: : : :| ゞ-‐’ ￣´l | | l': :! ／⌒三 ⌒＼
l: : : └ : ﾍ: : :|、 ' ﾉ } リ : | ／（ ○）三（○）＼
∨: : : : : :|ﾍ: :.l ＼ ｒ─ｬ _. '´ l: ,l: | ／::::::⌒（__人__）⌒:::::＼
,.、ﾍ＼ : : | ﾄ: l ｀ ._ ,ｒ´ ｲ､ j/ | |r┬-| |
,〈 ', ', ヽ: } | ヽ / ｢| ィ ´|｜|', ＼ `ー'´ ／
/ ',. ', ', V | ム -‐ ´ } |｜| |
ただし、これは因縁を引きずる周辺大名との、新たな軋轢の始まりでもあった。
そして、最上・伊達とは異なる立場で危機感を募らせる大名もいた。
| ｀ ι └'_ノ
、 __ r‐‐ア´
＼ {ヽ──'∨｀z ／／ まずい……まずすぎるよ
＼_ ｀￣￣￣￣´ イ／
｀ - ､＿__, ／ |＿＿__
rf──| ／ ＼＿__
r‐f＾ ＜ __／ ／: : / ⌒＼
／/: : { ＼＿＿／ /: : : :/ ヽ
/ |: : : ＼ ∧∨∧ /: : : :/ }
| |: : : : : ＼/ /||| | ＼ /: : : : { |
{:.:.:.:.::.:.:. -:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ:.:.:.:.:.:ヽ
, −-i:.:.:.:.:, '´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.＼:.:.:.:.:.＼
／:.:.:.:.:.:ヽ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:.:.:.:..:
./:.:.:.:.:.:.:.:.:,'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::ヾ:.:.:.:
../:.:.:.:.:.:.:.:.:/:::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::/｀ヽ:::::::::i:::::::ヾ::::::::::::::::∧:.:.
〈＿:.:.:.:.:.://:::::::::::/::::::::::::/::::::::::::::/ }:::::/i:::::::::::}:::::::::::::::::∧:.
i.:.:.:.:i::i:::::::::::::{::::＿::::i::::::::::::::/ i:::/ |::＿i::L::一::::::::::::ﾚ
L.:.:.:i::{:::::::::::／::::::::/ヽ:::::::::/ ,＿z=- i::::/ヽｊヽ::::i::::}:::/
-i:::ヽ::／:::ヽ::::ﾊｊ i::×/ N -‐}/ }:::/:::ﾄ/
{::::::＼:::::::i乂j ‐≠=-ｎ ∠ - ― フ ﾚ::::ｲ |
ヽ::::::::::{ー‐ ＿ ＿ ｒ 廴ﾉ -‐ ム 〉 .i
ト、_戈弋￣廴ﾉ_ ノ ﾚ /
∨ ﾍ ￣ レ' 上杉が奥羽に来るって……？
＼ ﾍ U ' ´ /ー- ＿
ト、 ／:.:.:.:.:.|
-―ヽ､_ ＿ ‐ｖ ／ l|.:.:.:.:.:.:|
／ |.:.:.:.:.:.:.- ー_-__ イ ||.:.:.:.:.:.:| ,/
/ ヽ |.:.:.:.:.:.:ﾄ 、 ￣＼__ ／ |.i.:.:.:.:.:.:|/
/ } .|.:.:.:.:.:.:| ＼ ,-‐fﾌ‐- 、 / .i.:.:.:.:.:.:i
i ヽ |.:.:.:.:.:.:.i Y ,イi i＼ ﾊ,/ |:.:.:.:.:./ ［角館城主・戸沢安盛（14）］
i ヾ|.:.:.:.:.:.:.i V 〃ヾ i .|.:.:.:.〈 i
羽州山本郡四万四千石を知行する戸沢安盛である。
安盛の父は、やる夫と対小野寺で共闘もし、小田原参陣直後に陣没した鬼九郎こと盛安である。
,x'/:::::::::::::::::::::::::::::::::" ＼
.／:::::::::::r::::::::::::::/ / ／ ./| ヽ
':::::::::::::/:::/::::／l l / ／/:::l ヽ
:::::::::::/:::/:／ | l | ／ノ'￣ヽ. | | l
::::::::/:: ／ | | /／ | |l | ヽ | | |
::::: l: /|. | ./|// ,, |ヽ|､ | | |. |l|
:: | / | | | |.|::l:| lﾉ |::::ヾ:､ | | | | |.|
､ |'. | | l |:::::l .l |ll!､|. | || | |
.l | | | ､ヽ l:::: ＼＿__／ ll'' |>/ /| / |/
l. | .|､| l ､ l､､＼ "" l'､ // /. l/ /
ヽ|l |:ヽ ＼ヽl ＼ //' / ／ ／/
ヽ| ､ ､ l､＼ _ / 彡' ／／'
ヾ､l､＼ヽ- ､￣ ヽ二ｧ ´ ／／／
/:::::::::::::::::::::::::＞ - ､＿ - " - '
_/;───- ､ ヽ
/:::::::::/: ゛ ｰ＼＿_
/::: / , -- " ｰ､ ［先代・戸沢盛安］
／ / ＼
彼の死後、戸沢家は弟の光盛が継ぐのだが、彼も名護屋在番に向かう途上で病死。
戸沢家は公儀の激動期に、二代続けて当主を失ってしまった。
こうして安盛にお鉢が回ってきたのが六年前、いまだ八歳の時だった。
{ ＿ ＞――＜ ＿ ｊ
／ ｌ／: : : : : : : : : : : : : : : :｀ヽ、/
／ /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ::ヽ｀ヽ、
/ //: : : /::／ ｨ: : : ,ｨ: : :}:､: :､: ､: ::ヽ ヽ
⌒ヽ //: : ::/::/l／ｊ: :: ::/ j: ∧: i: :ｌ: ::|:: ::lヽ／
ｌ | |: :: :l::/ヽ |: ::ノ /::/ ヽ|Ｖl: ::|: : :lノ
｀┤l: :: :|―‐-､,レ' ﾚ'_／￣￣j丿:ｲﾘ
Ｖ｀ヽﾊ （）｀ （） ﾉレ´l/
ヽ(. ', ｀ー―' ｀ー‐´ /) ,ﾉ で 殿下！
｀ｰヽ ' .u /ｰ'
／￣/＼ -―v ノ￣ヽ どうか戸沢家のことをよろしくお願いします！
/ / l ヽ、 ＿__ イ/ｌ ', ｊ ヽ
| Ｖ lヽ、＿ｒｔ＿__/ .| |,ﾉ i
／ ｌ | ヽ／八＼/ | | |
く ／ ｀ｌつ.| 〈/ ヽ> r┴/｀ヽ ヽ
く 〈 ／ ヽ｀ヽ＿＿＿＿'r⌒ヽ ヽ ﾉ
ノ | " ,, } / ､ ゛ / ヽ
>ｒ「/ｌ ﾉ ヽ、 /__ ﾉ
i ｌ ｀ー‐┤､ └┬‐' / )/
秀吉は安盛を手元に置き、天下人の権威を彼にまとわせることで家中の混乱を防ごうとした。
人質の意味もあったにせよ、これはうまくいった。
ｉ| | | | l| ll l ! i ｌ|
ｉ| |＿_」!_,斗'LﾆﾆlL二ﾆlﾄ―-┴-ﾆ.」! l .!!
ﾊ ｉ | | ! ｉ|
八 ! | ――- -―― | j! ｲﾄ､
ゝ,ﾄ l ＿ ＿ | ｌ! /､|、
∨入ﾚ z=＝≡ミ ィ≡＝=x j人∧}
i ﾚう ｲｿ.ｲ
ヽ ゞ i /ノﾉl| 案ずるな 任せておけ
|` 圦 レ1| l|
| |∧ ＿ ＿ ,ｲ| .!| i| そうじゃのう そちはわらわのもとにおったほうがよいな
| ﾄ、丶 ∨ / ∧ ! .i! i|
| | ヽ,ﾊ.＼ ` ｰ ' , く _i ﾉ| |! i!
| | 「 Ⅵ 1 ､ . イ|川´ Y;i! |! |!
| | ∧ ∨| ＞-＜ |Ⅳ | i! |! |!
| | ﾍ ∨ ヾ! l 八. i! |!
ﾉィ个:､ _ｊ＿_,> ﾄ､ﾉ ,､ ヽ i! |!
／.:.:.:.:.'ｖ'´ l´ i｀ヽ / 1`ｙ':｀丶i八
／ .:.:.:.:.:.:∧ ! i l ,/ .i| /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ゞ爪 ! 厂｀ ´￣7 jlﾚ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
安盛は、秀吉の措置に納得はしていた。
ただそれから六年、上方暮らしを余儀なくされ、一度も国入りできていない。
r― ､
|: : : :`ー-､
「￣!: :i: : : : : : i
,. --┴‐-...､!: : : : : :!
. ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀ヽ、: ∧
／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.vﾍ: ＼
__/:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:ヽ:.ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.i: : ヽハ
. /:.:.:./:.:.:.:.ヽ:.:､:.:.:.:}.:.レﾍ:.:.:.:..|: : : !: :|
/:./:/:.:.,ｲ:.:.:.ﾄ､ﾊ:.:.:.V / i.:.:.:.:'⌒y: : :ｊ
!´|:.|:.:.:.ﾄ! ﾒ､iN!｜:./ く_} }:.:.:.:.:.:./ ￣´
ヽﾄ､:.鄽h_,.'´ ﾚ' └ｲ:.:.:.:.:/ ……殿下が間違っていたとは思わないけど
う^ U 「vﾍ／ ___
ヽ ,ﾑ ＞‐ｧ'／ |
＞＜ ,.ｲ r‐' /:/ / L、
| /７´Vﾊレ1: :|/ ＼
ヽ i:└-<ｲ」__」: :| ヽ
/V: : : : : : : : : : : `ーｧ‐､ }
/ !: : : : : : : : : : : : : / /´ /
i ﾉ: : : : : : : : : : : : : { / /
ヽ ヽ､＿＿ : : : : : : : ／ /
＼/: :`ー＝―-ハ/ /
/: : : ￣: : : : : : 「ヽニ∠ '
': : : : : : : : : : : : :| ｆi^ヽr'
i: : : : : : : : : : : : ヽ`ーく_: ＼
若年であることも加え、奥羽での安盛の存在感はほぼ無きに等しい。
そうこうしているうちに、奥羽では秋田実季と南部信直が前田利家の仲介で和睦、姻戚関係となる。
. -=ミ ､
＼ヽ _ ,,,...,,,__,/ _._
. __Vﾑ ,- ､ ,;-'" ((`'"_=-
／ ﾍ', } ７ ＼ ,;' ∠ ￣`~ヽ､
. ／ ∧ Ⅳ,i| ! ヽ / ∠ '"￣~_`_＼
. / i .}:ミ∨f千 } :､ / / ／／ ／/, ヽ､ヽヾ
/ i ,'| ! l 'Ⅵ ＼ ／ /／/ / ／ﾅﾒ/, ヾ､ヽ ヾヾ
. / ;' | ト.L__,: __,|/≦| |＼＼ ／／／ .r^`{|l /ｧ-;-, {l | }_}_ ヾ、 〉
{／| i:弋り 弋り|. | ｀丶 ／／ ／ .ヽ`| | .|.ヾ;ﾉ , l l/-､ﾘl| } l/
. | | ￣ ￣ | .! | ／/／／ y^ ヽ{ ~￣ ､ヾｼ/,l/}/
. | ﾊ .| ’ _, !.i | i ［秋田実季］ '／/／,‐'.-. ,,ヽ、 ' /~' '
. |′∨.|、 ｰ ￣ ﾘ| ,'り 〉~; : ; : ; :~;`‐. ..,,_~ ／
', !､{ ヽ__, ｨﾍ,. ｲニ!' Y ／: ; ヾ :ヾｰ;-:-;-:‐; :~`ゝ
', |:} ／ ∠_}｜ﾆﾆ}＞､＿_ ［南部信直］ /~`'‐ :.,;_:_: : : : :_; ; ; ;ゞヽ ,,-‐､
／フ´:iﾘ.!{i′ ー､.}L_ニ!:::::::::::y:::＼ 〈::::::::_,,..,,_ ヾ,:~:ヾヽ、 ` ､ ヽ、 , ‐､
／::{::::::::::|〈 j r-|==}７::::::::／::::::::::::Y {:::::,'" ~ヾ: ; : ; .ヽ ヽ i^i l/ '}
_{::::::::|::::::::::|_/ rﾁr=='::::::,:'::::::::::::＞'∧ |.r':::::::::::. ヽ,: : ; . ;ヽ .〉| .ﾚ' }
/::::V:::::i:::::／:{｛ ≠ﾆ||ニi:::::/:::::::／:／￣::ﾑ |.l::::ヽ::、::. ヽ,: : ; : ;ヽ.......::::/r' /
. {::::::::∨:::Y::∧ ヾ __,.ｲニﾆ||ﾆj::::/:::／::／::::::::::::::::} ヽ,ヽ:::::::ヽ::、 ゝ; : ; : ; l:::::::ノ/ ノ
. }':::',::::::>:´:::::∧＼＼}}ニﾆ||='::/／:,'::/::::::::::::::::::::/ ヽヽ::::::::::::.`` `､; : ; : :!-'"~{ ＼ /
実季は比内浅利氏を滅ぼして集権化を推し進め、信直も不来方（盛岡）の地に新たな府城を築こうと軸足を南へ移す。
戸沢家は、腹背をこの二大名に挟まれることとなった。
さらに、内紛にあえいでくれていたもう一つの隣国・小野寺義道。
-=ミ ､_i ､ ,. -¬ Z≦ｚ__ ≧-
≧ﾐ ＼ト ,／ / , - ､｀)＼ ミﾍ
-＝- _ ,／ ￣｀ヽ V ⌒ヽV￣ ､ヽ
＼{ ／￣ ＼ ∨´ l | ﾐﾞ
l 〃, =‐- V Ⅳヽ | ≧ヽ
Lﾍl { ｒ’＾ 川 ） ﾉ ﾉ ､ ＼`
) ´ ﾘ _∠ ヽ-`
. / ｛ Ⅵ｜ 、 、≧
. / 、 .ﾍヽ ヽ l从l＼トﾄﾄｙーゝ-
｀¬__／´ﾉ , ′ _ "´
├ '´ ／ . ´
ヽ , . ´ __
|川､ ∠／ _ == "´ ［小野寺義道］
ゝ― 彡 ´ _ = "´
/ _ ｧ ´
| . . ´´ /
/彡' /
__ノ´ /
_／〃￣￣） ／
ｒ＜ ￣￣ ／
仙北一揆の鎮圧を通して上杉と関係が深く、今回の国替えを機に挽回してくる可能性もある。
しかも頼みとなる秀吉は健康問題を抱え、公儀には亀裂も目立ち始めた。
＿＿＿＿
'"´ : : : : : : : : : : : ｀丶､
/ : : : : : : : : : : : : ／|: : : : : ＼
/＼ ,': : : : : : : : : : : :,／ |: : : : : : : ヽ
. 〈 ｀￣￣ }'⌒{￣￣´ | : : : : !_;_／'.
＼＿＿／:｢￣＼_＿_＿_／ : : : : |＿＿j
│: : : :.|: : : : : : : : : : : : : :| : : :|: : : : |
|: : : : : i: : : : : : : : : : : : /|: : : |: : :j:│
|: : : : : i: : : : : : : : : |: :/7´): : ﾄ､:∧:|
│ : : : : : : : : : : : : : ∨ l f: : :│/￣
. |: : : : : : : : : : :'; : : : '､ | ﾚ｀ヽj〈 r'⌒ヽ.
ｉ.: : : : : : : : : : :ヽ: : : ﾍ!J u ハ (´ ｀)
'. : : : : : : : : : : : ＼: : :_Ｖ⌒) j ﾐ ゝ,___,ノ´
rー--ﾍ : : : : : : : : : : : : `く_,ﾊ__（_ノ r'⌒ヽ.
ハ:::::::::| :ヽ : : : : : : : : : : : : :＼:::::::｀ヽ (´ ｀)
/ ';:::::::| : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼:::::::}ヽ ﾐ ゝ,___,ノ´
,′ !::::::| : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ:::| |
{ |::::::| : : : : : :＼:: : : : : : : : : : : : :∨ │
戸沢家は、奥羽でも中央政界でも孤立しかねない、瀬戸際のところにあった。
／: : : : : : : : : : : : : :i: : : : ヽ : : : : ＼
_,.イ: : : : ／:／: : : ,.ｲ: : :ﾊ: : : : : }: : : : : : :ﾄ､
.7:| /: :〃_Ａ-､:／ /: : :/｜: /: /|: : : : : : :|. .＼
| |: |: / ﾚ' |／＼/: ／ j,ｲ__/-|: : : :/: :,'. . ／
|: VⅥ ／⌒ヾ､ヽ.X ぃ＞jへ |: : :/ : /／
Y⌒､| 0 ` ´0 ヽイ ,.イ´
ヽ {_,| ‐┬― ＿ /
`ｰ! || | ､ ,. ￣￣ / なんとかしなきゃ……
ヽ /´
＼ r-―v┐ ／ なんとか……
` . ゝ:.:.:.:.ノ ,.イ
＿ ＿＿r‐L｀二´__」┬─ｧ┬-､
./ |７. . . / く__,ム___ > ,| . . .! | ヽ
/ !'. . . /|／ /∧ヽヽ/ |. . . | | |
./ /. . . / </ Ll !. . . ! / |
| |. . . /＿＿＿ _| . . ﾚ' /
| ,'｜. . . . . . . . . . ￣￣. . . . .| /
._」 / |. . . . . . . . . . . . . . . . . . . | /｀7
.| / /. . . . . . . . . . . . . . . . . . . | く
! ヽ､. . . . . . . . . . . .＿. . .／ | |
／ r‐(. . . ._,. -―'"´. . . .｀７ | |
前田利家でもなく、上杉景勝でもない、できうればこの盤面をひっくり返してくれるような。
そんな後ろ盾を、安盛は見つけなければならなかった。
┏━━━━━━━━━━┓
四月
伏見 徳川家康屋敷
┗━━━━━━━━━━┛
_＿, ＿..＿＿ ＿＿ ＿,,＿ ＿.,＿ ＿_,,＿ ＿_,,＿ .__
((＿((＿((＿((＿((＿((＿((＿((＿((＿((＿((＿((__＿((__
ノ___ノ___ノ___ﾉ___ﾉ___ﾉ___ﾉ___ﾉ___ﾉ___ﾉ___ﾉ___ﾉ___ﾉ___ﾉ___ﾉ
ノ___ノ___ノ___ﾉ___ﾉ___ﾉ___ﾉ___ﾉ___ﾉ___ﾉ___ﾉ___ﾉ___ﾉ___ﾉ___ﾉ___ﾉ
＿@==@==@==@==@==@==@==@==@==@==@==@==@==@ノ
((＿((＿((＿((.|il |;;::: ..::.. ::.. ::..:: . .: :.. . ::: .. : ::::|il i::
ノ___ノ___ノ__.ノ...|il |＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_|il l::
= @==@==@= |il |＼_____________________________________,_,,,,,;;;;;;;|il l::
|il | | | |ニニニニニニニニニニ l | : |il l::
|il | ｌ┌┐| |;;;l;;;l;;;l;;;l;;;l;;;l;;;|;;;l;;;l;;;l;;;l;;;l;;;| | : |il i::
|il | ｌ└┘| |;;;l;;;l;;;l;;;l;;;l;;;l;;;|;;;l;;;l;;;l;;;l;;;l;;;| | : |il l::..
＿＿＿＿＿＿|il |＿ｌ＿＿| |;;;l;;;l;;;l;;;l;;;l;;;l;;;|;;;l;;;l;;;l;;;l;;;l;;;| |__.|il i=== =
,, ' ,;; ' ". ; .., |il |:｣｣i ｢:｢:｢| |;;;l;;;l;;;l;;;l;;;l; @=@ ;l;;;l;;;l;;;l;;;| |:ｉii|il |::|::|::|::
,' . . .; . '., .|il |:｣｣i ｢:｢:｢| |;;;l;;;l;;;l;;;l;;;l;;;l;;;|;;;l;;;l;;;l;;;l;;;l;;;| |:ｉii|il |::|::|::l
';; . .,､ . |il |:｣｣i ｢:｢:｢| |;;;l;;;l;;;l;;;l;;;l;;;l;;;|;;;l;;;l;;;l;;;l;;;l;;;| |:ｉii|il |::|::|::l
.; ,; ., ､ ;;､ |il |:｣｣i ｢:｢:｢| |;;;l;;;l;;;l;;;l;;;l;;;l;;;|;;;l;;;l;;;l;;;l;;;l;;;| |:ｉii|il |::|::ｌ::i
,,､'..,,､､.. ; .,,,､,;;､|il |／..;; ".. ｀,," . . .; .,, ' ´ ,, ;; ､ " ,, ､|il |::|::ｌ:
. . ' _ 二二 _ .､
／ /´ -‐…‐- .｀＼
/ /´ i !｀ヽﾄ､
. ,ﾍ ,' i ! ! | |i |ﾊ i ヽ
/ ゝ! ﾉ| ! !::__!::ノ ´ ￣ i::.i ｜!
＼ .| .:i i :i i |´ 一 ｰ ｀!､ﾊ:!
｀ヽi 从 i i | ニﾆﾐ .ﾆニ !:::::|
. | ＹﾊｉﾊN {r::ﾘ｀ ´{r::ﾘ '::::N
. | ヽゝ ´´ ｀｀ﾊ!｀ 秀頼にの 権中納言の打診があった
. |∧ Ⅵ! ′ ,':::|
ｊ/∧ _!::｝ 、 ⊂' ..ｲ:::::| 後日の参内で 正式な推挙があるじゃろう
///∧´ ∨ ｀ ,.... ィ´ﾞY:::::|
. /////∧ ヽ {ﾄ､∧ |::::::!
,＜￣￣∧ } ｀ヽ ＞''} {￣｀ヽ
. / ｀ヽ:::::::::Y´ヽ i´｀∨::::∧
/ ∨:::::| .:: ! i .:.: !::::/ i
. : :'"￣￣ ｀ヽ､
／ : ／: : : : : : : : : : ＼
./: :／: : : : : : : : : : : : :´|::＼
/／.: : : .:＿_ : : : ｲ: : :..:::|::::::::＼
／: : : : .: .:／/:｀／ |: : : ::::|:::::::::::',:ヽ
/／|.: : : : :/_ /／/ l: : :::::/:::::::::::::ﾄ､|
|: :!.: : .:/「行圷' / : ﾊ/|V::::ﾊ::::|
/: :ﾚl／ | ﾋｚｿ /／ｘく i:::::/::|::::|
./: : : :| : : |、 , /ｸ／:::::/::∧::| それはおめでとうございます！
/ : : : ∧: : | ＼_(`7 ｀'ﾊ:/／|/ }ﾉ
/ : : ／ ﾍ : |、〈ヽ￣￣´::::/ 順調な昇進ですね
./: : :/‐-、 i: :|ﾊ⌒ｉ ＼:::|:::::{
/: : :/ ヽ V ﾊ ｜ ∧:!:::/
./: : :ﾉ } ＼ ﾍ | / V/
/: : :/ ∨ ＼ ,ﾘ′ }{ ［徳川家康］
| ｜i | .! |i .! l .! ヽ
| | i i|,l! _|!i/! l .! ',
.| ｜,, -ゞ ´ ￣ ¨" t -_..ゝ
∧ ! { ´￣ ヽ f‐''
' .ﾞ､ ﾞ､ ﾞ､ , -＝､__ ′
¨ヾ､ ､ヽ ､ ヽ .!rﾟ| ト
λ､fヽ､ヾ ゝ ｀ヾｿ 丶 これに伴い
.(〈 ｀ ' ヽ、
`^ｰj ﾉ 権中納言に就いておる毛利輝元と上杉景勝
|｀‐f ′ この二人を辞任させる
| l ∧ ＿ ﾉ
',.!{ / 権大納言であった前田利家はすでに退官しておるゆえ問題ない
!',ヽ 丶、 /
⌒ヽ ､ ノ
ヽ ,r｀フーr ´!|
､ ヽ ,!´ .! /| |
丶 ヽ |.! ! | |
ヽ ヽ | ! !/| |
. ヽ ,r┴､ ﾄ､! .!｜ |
秀頼への推挙があった同日、輝元と景勝は主君との序列に配慮して辞任を申し出た。
_＿
／⌒ヽヽ
__＿ ,、＿＿ |/
‐＝ﾆ_ : : : : ｀Y: :`: : : : : : ｀ ヽ、
, イ: : : : : : : :l: : : : l: : : : : : : : : ＼
／;:／: : : : : : : |: l : : |、: l: : : : : : : : :ヽ
/／/ , : : : : :l_:_/|: l : : l l_:_|_: : : :ヽ: : : : l
/ /: : : :/ 'l:./｀|: l: : { ´l: |､｀ヽ: : l: : : : !
,' /| : : /: :/|{ l/l: : | ヽl ＼: : :l : : : l
|/ |: : /: :ﾊr┯┯ l : | ┯┯yl : |: :＼l
. |: :lｲ ;'ハ ｂ::| ヾｌ ｂ::! l l: l｀ｌ:`ﾒゝ となれば
ヽ| ﾚ |: :ｌ ￣ ￣・ ｌ l/ｰ': :l
l.:|: :ゝ､._ ｰ'ｰ' _,.ｨ': : l:: : :| 内大臣を拝命しているアタシも当然―――
|.:|: : : :__二７T ¨´lヽ､| : :l: : : |
|.:|: : :|| l´＿__7 |: : |､: :│
|:,ゝ､:ヽ │ / /: :/ !:: :|
|:l＼ヽ: l | / l: :/／.|:: :|
´: ／二二二二二｀丶
／: : :.:/ : : : : : : : : : : : : : : : ＼
/: : : : :/: :/: :/: : : : ハ: : :ヽ: :＼: ＼
. /: : : : :,' : /: : {: : : : :ﾉ:ハ : : }: : : } : : ヽ
': : :i: : :{__/ー┘￣￣ ￣｀ヽﾉ:j: : : : '
|: : :l: : :| _ノ~ ヽ ?: : : : |
∧＿__j: : :| : l:| ＿__..二 ﾆ..＿ !: : : !:?
| | .: ;ﾚ:.八 弋::::ﾉ 弋::ﾉ ｀ﾊ: : :N
｀ー一'| : { （￣ ¨ ¨ ': :ﾚ'┘ そのことじゃ
|: :{＼ﾉ ' {: :|
|: :＼: ｰﾍ. r､＿＿＿ ,' : | そちは 内大臣を引き続き相努めよ
|: : : :Y⌒ﾞﾄ 、 `ー -'´ ｲ: : :|
. ,': : : /| | ＞ __ , イ .|l : : |
/: : : /│ | /: : | |: ∧|
. /: : :_/ -| | {rヘ| |:│ |
/ｘ＜::::::::::Ｌ___j ＿ ＼{＿_ﾄ│ |
／ ヽ ::::::| : : | ヽ. / ￣|: : :|:::}｀＼
. / Y⌒| : : |〜ー─-〜─|: : :|ｰ| ヽ
´: ／二二二二二｀丶
／: : :.:/ : : : : : : : : : : : : : : : ＼
/: : : : :/: :/: :/: : : : ハ: : :ヽ: :＼: ＼
. /: : : : :,' : /: : {: : : : :ﾉ:ハ : : }: : : } : : ヽ
': : :i: : :{__/ー┘￣￣ ￣｀ヽﾉ:j: : : : '
|: : :l: : :| _ノ~ ヽ Ⅳ: : : : |
∧＿__j: : :| : l:| ＿__..二 ﾆ..＿ !: : : !:Ⅳ
| | .: ;ﾚ:.八 弋::::ﾉ 弋::ﾉ ｀ﾊ: : :N
｀ー一'| : { （￣ ¨ ¨ ': :ﾚ'┘ 大老のうち 身内同然のそちのみに許す
|: :{＼ﾉ u. ' {: :|
|: :＼: ｰﾍ. r､＿＿＿ ,' : | わかるな 家康
|: : : :Y⌒ﾞﾄ 、 `ー -'´ ｲ: : :|
. ,': : : /| | ＞ __ , イ .|l : : |
/: : : /│ | /: : | |: ∧|
. /: : :_/ -| | {rヘ| |:│ |
/ｘ＜::::::::::Ｌ___j ＿ ＼{＿_ﾄ│ |
／ ヽ ::::::| : : | ヽ. / ￣|: : :|:::}｀＼
. / Y⌒| : : |〜ー─-〜─|: : :|ｰ| ヽ
五大老のうち、宇喜多秀家も権中納言に留まったが、秀家は秀吉の猶子、つまり秀頼の義兄弟である。
/: ;.-‐¬‐-｀ヽ
,. . -: :‐. . .､∨ ﾘ
,. :':´: : : : : ; : : : : : : ｀`::ｰ: :¬__,,......_
,.': : : : :j.-'". . : : : , : : : : : : ,!､-―‐｀`ヽ､
. /: : :,: :': :,:. : : : : :,.:.:::; ': :/:. . . : /: : ｀ヽ
/:.:／;.ィ" : : : : ,∠_;.:': ;〃:. : : . /. ｀ 、
/:,:':／/: : : : :／,. /｀ソ/::/.: : ;./!: : : : : i. .
i/:': : /: :: : :/／ /;／ /::/: :,/:/‐l、!: : : :.!: : :i.
ｲ／: :j: : : ;ｲ ／ /:'.:／::/ .!:/:: : : : lヽ:.:.l
／,.:-/ﾞ!: :./::|:! /:／ ::/ j/:::: : : : l ｀､:!
／'".: : :ヽ!:/:::: l:! ｨ三=ﾐ /'" / ,|::.: ;!: : :l
,l: :.::::::::lﾍ:: : :l| ｨ=､ /,{::: ハ:.:i ……もったいないお言葉
/: .::::: :/:.ハ: : ﾍ ,､_,__ ・:ﾞ::!|:::/ l.:i
/: : .::: :/:/:::/'ﾞヾ: ﾍ::,.､ `ｰ' _,ノ:: ｌ:j:/ ﾘ しかし 私事ならいざ知らず
/: : : :: ://:::/ ,.＞ゞ､::｀::¨ﾌ刀:/::: : l '′ 官位という公事でアタシだけの特例というのは
. /: : : : : 〃::/ ／'／´￣｀ヾ:ｼ'゛ |/::: : ,'
/: : : : : :/:::/ ,,:',,:' / ! |':: : :,'
/: : : : : :,'::/=''// / ､、 l !: : /
/: : : : : :.i/三ﾆ/ / ! ｀`¨ヽ､l: :/
/: : : : : : l ￣ l ヾ
彼らよりも格上となってしまう内大臣を家康に認めることで、秀吉は家康への最大級の配慮を示した。
官位だけではない。血縁でも秀吉はそれを示そうとした。
￣｀二ﾆヽ‐- ､/77, ､ ＿＿ jｼ
_, , -'7//////`//,!/////////////＞,.､、
∠-'―'-/////////j'/////!//!//∨///ヾ/｀ヽ
／////////./,ｲ/////,!/ｲV//､////,ヾ/// 、
／///／////////|/i////,l/,| V/ﾊ./////ﾍ//∧
／/// ｨ'////// /// |/!////,!/!`ｰ＼ﾊ/////ハ//ﾊ
∠- ''" ///////// / j/!∨//,l/ -―-ヾ!/////ハ//,|
////////i'/_ｚﾆ干N ∨/,| 行示牙斗////iハ'/,|
.l//;/////i/卞才｜ 、 ヾ/l/つ、,ｲl | Ｖ//,'l/ﾊ/,!
.!// ∨//,jﾍ lう､ ;l. }''"ﾞヾ{！ﾐﾆｼl i'ﾊ//ﾄ､/l/
l'/ V//j/ﾊ、ﾋ彡' / ＼｀`'''' ．i//ﾊ/lヽ∨ ………
{' V/,|V,ﾊ` ー ''゛ ` ー '"!//i'ﾊｌノ∧
Ｖ,|lV/!、 − i///'/|//ﾊﾍ
ヾ|,V//＞,.､、 __,.. -＜'////,!//! V､
|ハ//l/ ／￣Τ l./ //////l//j. V
|/ハ/| ﾞ、 ::::iノ /::／'/////,!l//,| ［家康嫡子・秀忠］
l//ハ| ﾞ:、 |-―ｧ'／ .//////ｿ､//,|
徳川秀忠には、すでに秀頼の生母・茶々の妹を嫁がせている。
昨年、二人の間に娘が産まれるやいなや、今度は彼女を秀頼に嫁がせることとした。
だが、これは単純に喜べることでもなかった。
秀頼との縁組が決定したことでむしろ立場が微妙になり、粛清に至った秀次の例がある。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|::::: .:: |::::::: |
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|::: l::::::: |
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: -‐ 1:::::::::::::::::::::::::::::::/::: i/Λ: /
::::::::::::::::::::::::::: -‐ }::厂｀＼::::::::::::::/:::::Ⅵ､|/ }/
::::::::::::/￣ _ j/ ｀¨¨¨ /;:::::::::::::{
::::::::::::､ ､ , 、 /::::::::::/
::::::::::::::::､ ヽ ｰt- _ -‐'´ ﾉ /::::::::::::{
::::::::::::::::::::､ `'＜`ー＜＿.. -ｧ='´ /:::::::::/:N
::::::::::::::::::::::＼ ｀¨¨¨¨¨¨¨´ .イ::::::::: : ::|
::::::::::::::::::::::::::::＼ ＝=- イ::::::::::::::::: : ::|
:::::::::::::::::::::::::::::::::` _ ´:::::::::::::::::::::::: ::::|
::::::::::::::::::::::::::::::i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::N{
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i､::::i :::: i＼|
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| ヽ|＼::|
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: 厂＼ `|
おびただしい流血を伴った、諸侯の生々しい記憶だ。
ｉ| | | | l| ll l ! i ｌ|
ｉ| |＿_」!_,斗'LﾆﾆlL二ﾆlﾄ―-┴-ﾆ.」! l .!!
ﾊ ｉ | | ! ｉ|
八 ! | ――- -―― | j! ｲﾄ､
ゝ,ﾄ l ＿ ＿ | ｌ! /､|、
∨入ﾚ z=＝≡ミ ィ≡＝=x j人∧}
i ﾚう ｲｿ.ｲ
ヽ ゞ i /ノﾉl| そちは秀頼の義理の祖父となる身なのじゃ
|` 圦 u. レ1| l|
| |∧ ＿ ＿ ,ｲ| .!| i| 頼む うん と申してくれ
| ﾄ、丶 ∨ / ∧ ! .i! i|
| | ヽ,ﾊ.＼ ` ｰ ' , く _i ﾉ| |! i!
| | 「 Ⅵ 1 ､ . イ|川´ Y;i! |! |!
| | ∧ ∨| ＞-＜ |Ⅳ | i! |! |!
| | ﾍ ∨ ヾ! l 八. i! |!
ﾉィ个:､ _ｊ＿_,> ﾄ､ﾉ ,､ ヽ i! |!
／.:.:.:.:.'ｖ'´ l´ i｀ヽ / 1`ｙ':｀丶i八
／ .:.:.:.:.:.:∧ ! i l ,/ .i| /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ゞ爪 ! 厂｀ ´￣7 jlﾚ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
/／ ヽﾞ:.
{'′ . ）)
＿ /＼―−--＜、
,.. -__''二ﾞ- ｀/ ｀丶、
'"￣ ,. :'" / ヽ
／ ／ / l | ｀、
,:' ,.ｨ / / !.| |､ l i. ! ﾞ!
/ ,. 'ﾞ/ / l ,'| |! ｌ l l、 i l i
/'´ / ｜ l ⌒|.l'| | ⌒ト､ ! l l
i ,! !./ l| l | ｀、| ｀､ l. !| .!
|. / | ,!{ ＿_ ｀、.| ＿!j＿ヽ. l.|! 、｜
{/ ! ,'!ヽﾞ!r;|｀ ヽ| 'ﾞ! r;｢ﾞﾞﾃ'}､ llr-､ ､.| そのように言われてしまっては……
ﾞ、.!.| !｀''' `ー'' ．ｌ ｀､ レへ｀{
ヽ| | l､ ､_,__, ,l | ｀i` わかりました 内大臣を引き続き務めまして
| |＞ｭ､｀ニ.,-‐'てl !| |
| | ／´ i′ /l / ｛ | |
| }iﾞ|! l￣｀７ // / ﾍ |
| |l|l|! l / ''" /彡ﾍ |
,. ;':":.:.:.:.:.:.;.:.!:.:,:. :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:､:｀ヽ
,. '´ , ' : : . . . :.l.:.;.::. :.:.:.:.:.i.:.:.:.､:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.｀:、
, ' / '.:.:.|.:.l ::. :.:.:.:.:.:!. ｀、: : : : : ｀、:.:ヽ
／..:.::.;:.::.:/.:.:.:.:.:.:.::; :.:/!:.:|、:. :.:.:.:.:.lﾞ、:.:..i, . ｀､:.:.:i、
,:':.:;. イ::.:/.:.:.:.:.:.:.::::l.:.:/ |:.:!｀::::. :.:.:.:.:!｀、:.:.',､:.:.:. . : ﾞ:.!:.:l
/／ /::./.:.::.:.:.:.:.::.:ｨ-/''''トl､｀、:. :.:.:.:! _,x―!ト､:.:.:.:.:..l.:.',:.:l
/' ,'.::.:;!.:.::.:.:.:.:.::.:/!:,' ﾞ::! ｀､:. :.:.:.! ｀、l.｀､:.:.:.:.:.:.:i.:.',:!
. i.:.:.;l.:..:::.:.:.:.:.:./ |:! ﾞ:、 ｀､ :.:.| ヾl ｀､:.:.:.:.:.:!:.:{
i:.:/.|.:.:::l.:.:.:.:.〈. 上=＝≦ヒ ｀、| ﾆ≧非=ｭ.}、.:.:.:.ﾄ;:.l
. !/ !..::;'|.:.:.:/:::ｌ ﾞ｢ﾄ::'::;;:..:ｲ｀ ｀:j ﾄ::'::;;:..:ﾘ/::ﾍ:.:.:.:|:ヾ!
〈. !:/ j.:.:.j＾!::::ｌ ヾ-―` ´―-"'/::.::.λ:.:ﾄ､:`､ 秀頼公を微力をもって支えること
｛ ﾊ.:.l:ﾄ|.:::::! ・/:::::::.l:ﾍ.:.|.|｀丶:、
l:.:V:./|..::::ﾄ､ _jー'ー! /:::::..:l乃ヾ!:! 徳川の名にかけてお約束いたします
l:.'.:.:〈ﾐ|.:..:::!:|｀`丶／ /´ｌ‐r',,.. -:'" /:::..:.:j//ﾞi.:.:.l.
｜.:.::! ﾞl.:.:..::!|}＜7_ ′/ ト、 ,,/::..:.:.:!'′ !.:.:.l
|:'.:.:! .l:.:.:.:/､､ ｀`¬-､⊥ ／'/.:.:.:.:/ |:.:.:.!
|'.:.:ｌ l.:.:/､､｀`｀＝､､_ ﾞ}ｲ/.:.:.:.:/ |.:.:.:l
|.:.:.| `/ ｀｀＝-、、｀｀`‐ｦ /.:.:.:./ l:.:.:.:!
. |:.:.:.l } ､、 ｀`｀¨＝|/:.:.:.:./ !:.:.:.|
徳川家の政治力を削ごうとする一方で、秀吉は家康・秀忠父子に気を遣い続けた。
. , ´ ... -――--...､｀ .､
. ／ /´.. - ―― --､ﾍ. ヽ
. / /´ | i :.ﾊ ',
. ,' | ! | | i| .:.:| :.
i i:.: ∧,-‐' ￣ ｀ヽ! : :! .!
|: |/´ ノ ゝ ｀ヽ| ! |ヘ.
. .へ..|i ! |: ｜.| | >
. く || : ｜ _＿､ ,＿ |; | ﾉ ! ／
｀ ー|l_i N ,〃⌒ ´￣｀ﾒイﾊ､ i´ そうか うむっ
| {｀ﾄ! ::::::::::: ' ::::::::: / ノ |
|:.:.ヽ、_ ､__ ... __, ,'イ∧.| そうじゃ 今日の返礼をせねばならぬ
|:.:.:.:i {ﾍ ／ .!:.:.:.:| 近く茶でも飲みに参れ
|:.:.:.ﾊ__∨｀ト... ..イ:::.}___|:.:.:.:.!
|:.:.:.ハ ∨.:.:） ｀ _ .{ !::.,' ,'.:.:.:.:|
/へ￣｀i {7´,.く｀ｰ'｡∨｀7 /￣￣ﾄ､
. / ヽ ! /´三ﾐ､===彡三∨ ,' ヽ
{ ∨!| i´川ﾒﾒﾒ７ / / !
| |.:i.! ﾉ:ﾒﾒﾒﾒﾒﾒ{ .! ./ ｜
／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : `:-.‐.‐: : :‐.-. . ,,_
, ': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :`: ＜¬ｰ-｀`ヽ
.:': :/: : : :／: : : : : : : : ::: : : : : : ﾍ: : : : : : : : : : : :. ｀ヽ
/: :/: : :.／ : : : : j::: : : : : : : :!: : : i:.. : : : : : ､ ＼
,': :/: : ; ' . . . : : : :!: :.j|::: : . . . !: : : V::. ヽ ヽ
,': :.i: :,:'. . : : : : : : : : :i: :/ |::|: : : : : : : |ﾍ: : :.V:::. . . i... ヽ ｀､
.i: : i.:/: : : : : : : : :_;,,;/:_/ .!:|: : : : :.l: : | v‐'个-:.､: :V::. : :Vﾍ丶、 `、
j: : l/: : .::j: : : :':´: :./l:./`ﾞ !j: : : : :.!: : l`'゛V: :.!::::::. : :.V::.: : V:ﾍ ＼ﾞ、
l: :./: :.::::j: : : : : : :/.j:/ :||: : : : ﾊ: :.j ∨:.|V::::. : :.i!:::. : :.!､:ﾞ', `
!:./: .::;:イ: : : : : :/_/ﾞ-― |!: : : / !: !--- V:.| V::::. : :.!::::. : :!｀、!
!:l: :／_:l: : : : r主圭王羊 .|: : :/ :|:.E玉圭主ｮ∨::. : j:::::. : :! Vi
lj:/|:./ i: : : : :У.|:::::;;;;::::| l: :./ !:,!|::::;;;;::::,!/ λ::: : :!:::::: : l ﾞ}
}': j: ﾍ !: : : :∧ !V С !, ' j/ lV С /:::i::: : l::::::: :.j
l: :l: : :ﾞ|: : :∧::l ヾ、__ﾂ /' ヾ､_,ﾂ ,'::::::ｉ:: :ﾊ:::::: :,!
.!:.!: : : |: :/:::ﾍ::i ‐''"´ 、 ｀`'''‐ ・ i:::::::::!:/ !::: / 喜んで
!j: : : :.|∧: :::ﾍ:j.､ ,ﾉ::::::: l/ |:::/
li: : : : .::|ﾍ: : ::ﾍi:::;＞:...,_ ´｀ _ ,,. ,-::''ﾞ:|:|:::::: : :! !/
}: : : : : :|::ﾍ: : : ﾍ . {'゛｀` ''''' {´| `ヾ{::::::::::!|:: : : :.| '′
.!: : : : :,:-＜ﾞ､: : :.ﾍ l ｰ-､ ,-l ｀ﾌ7||: : : : l
l: : :.／ ヾ､: : :ﾍ. !'´￣￣￣| // |l: : : : l
しかし、徳川側では不信感が募る一方であり、茶会の誘いにすら暗殺疑惑がささやかれる始末だった。
┏━━━━━━━┓
六月
伏見 普請場
┗━━━━━━━┛
∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧
￣|￣|￣|￣|￣|￣|￣|￣||￣|￣|￣|￣|￣|￣|￣|￣| ＿ ＿ ＿ ＿＿_
| | | | | | | || | | | | | | | | l＾lニl＾lニl＾lニl 十/i~i~i~i#::/______/~ヽ个卅
| | | | | | | || | | | | | | | | "'''''''^^^^"''"''"''"''"''"''"'''''''''''"| 田 | 田|'"''"''''
| | | | | | | || | | | | | | | |'"''"''^^^''"''''''''"''"~~~''"''〜''"''^^^''"''''''''"''"~~~''"
| | | | | | | || | | | | | | | |
| | | | | | | || | | | | | | | |
二二二二二二二二二二 二二二二二二二二二二］
. | | . | |
￣￣￣￣￣￣￣￣ | | ￣￣￣￣￣￣￣￣ | |
￣￣￣￣￣￣￣￣ | | ￣￣￣￣￣￣￣￣ | | ｵｰﾗｲ ｵｰﾗｲ
∧＿∧ ∧＿∧. ∧＿∧
＜三三三三三三三三三三三三三三」
ヽ.∧＿∧ ∧＿∧. ∧＿∧ﾉ
( ´･ω)人( )人(ω･` )
（ ) （ ) （ ）
`ｕ-ｕ'. `ｕ-ｕ'. `ｕ-u'
. ／ ＞二-―――‐-｀ゝ､
.／ /' ./ ｌ | ＼
/ / / / .| ﾊ ｌllヽ ＼
./ | ||ｌ ｲ .L -―ﾙ |‐-､」.ｌ | ｌ. ヽ
ｆ ｌ | ||L/└┘ ｀ﾍiｊ }
ｌ | |ｌ |.| _, -‐' ヽ、 ﾄ' ﾄ|
ｒ‐――| .| .|| | -┬‐‐= ｚ､＿_ ,' ﾘ
| | | ｆﾙ、ﾄ 弋ノ 弋ﾉ ﾍ、 /
｀ ―‐ｲ { ｌ〈 { /｀ ふむ あれが高野山から移される金堂か
} ＼ ' ｌ .}
ｌ ＼ﾆヽ ' ､＿＿ ﾉ | 遅れなどないじゃろうな？
,' 「 ｀|＼ ｀ ‐ '´ イ ｌ |
/ ﾊ | ､ _ イ .} | |:|
./ .ハ | /:::|{ | .|.ｌ:|
/ , -‐'"| | トヘ| | .|.ｌ.|
／｀ヽ ト-┤＿ ヽ} ⌒|､|.}.|
. / ＼ | | | ｀ '￣ | | ト､|
/ } -ｊ |＿＿＿＿＿| ﾚ′＼
/::::::ハ ハ::::::::.
/::::::: し} {丿:::::::::.
/:::::::::::/ } {ヽ:::::::::::::.
/:::::::::::::{ } { }:::::::::::::::.
/::::/⌒ヾ} 八,,__＿＼ ／＿__,,八 {:/⌒ヽ::::.
,:::::::{ (⌒( ｀ﾞ气或ｱミV V戈或アﾞ´ )⌒) }:::::::.
{::::::::＼＼ﾊ ｀¨¨＾／ヽ /＼＾¨¨´ .ﾊノ／::::::::}
{::::::::::::::＼_, / ｉ:. ', .'_／::::::::::::::} 諸大名に命じまして ぬかりなく
'::::::::::::::::::∧ / i|:. ' ∧::::::::::::::::: /
＼::::::::::::∧ l|:::. ∧:::::::::::::: ／ 新たな城と金堂
＼::,x㍍ﾍ ､j|／ 厶㍍fｘ､／ 両所を中心に 伏見は地震より立ち直るでしょう
´ x㍍㍊f ∧ __＿＿__ ∧ }㍍㍊fx､
´ ｘ㍍㍊㍍f { ∧ ー 一 ∧ } }㍊㍍㍊fx､
. ／ ｘ㍍㍊㍍㍊ｆ { ヽ ' } }㍍㍊㍍㍊fx､ ［前田玄以］
／ x㍍㍊㍍㍊㍍f { ＼__＿／ } }㍊㍍㍊㍍㍊fx､
/ x㍍㍊㍍㍊㍍㍊f ＼ ／ }㍍㍊㍍㍊㍍㍊f
. ／ ＞二-―――‐-｀ゝ､
.／ /' ./ ｌ | ＼
/ / / / .| ﾊ ｌllヽ ＼
./ | ||ｌ ｲ .L -―ﾙ |‐-､」.ｌ | ｌ. ヽ
ｆ ｌ | ||L/└┘ ｀ﾍiｊ }
ｌ | |ｌ |.| _, -‐' ヽ、 ﾄ' ﾄ|
ｒ‐――| .| .|| | -┬‐‐= ｚ､＿_ ,' ﾘ
| | | ｆﾙ、ﾄ 弋ノ 弋ﾉ ﾍ、 /
｀ ―‐ｲ { ｌ〈 { /｀
} ＼ ' ｌ .} そうじゃな……
ｌ ＼ﾆヽ ' ､＿＿ ﾉ |
,' 「 ｀|＼ ｀ ‐ '´ イ ｌ |
/ ﾊ | ､ _ イ .} | |:|
./ .ハ | /:::|{ | .|.ｌ:|
/ , -‐'"| | トヘ| | .|.ｌ.|
／｀ヽ ト-┤＿ ヽ} ⌒|､|.}.|
. / ＼ | | | ｀ '￣ | | ト､|
/ } -ｊ |＿＿＿＿＿| ﾚ′＼
,-､
ﾑ{｀
,ｨ彡癶/≧s｡ ﾐx ))=ミx
'" `マ///≧s｡ﾉ} __,,.. -zz彡ィ( .‖
-‐ ￣ア`'寺///ミx __,,.. -=≦////////{:::}爪＿,ｨ=x .‖
_,,.. -‐‐ ﾄ廴 ｀`'' 寺/ミs｡ __,,.. -=≦'///////////////////衍//三彡イ ‖ ./
iiill||| .| ＿¨ =- ｀ﾞ`ミ≧zx {{廴＿ -=≦'//////////////////////, -‐ rr ¨￣ |圭圭|ll| ‖ /
彡'ﾟ?x | |lllll|丁 アx- _|彡'ﾞ ,ｨfＴ7777////////////.. vvff ￣YY´ }{ .::|{＿,,.. ‐|圭圭|ll| ‖ ,′
皿 ﾞ?｡_..｡rz彡'ﾟ ﾏＴ..| rrz彡イ//////..vvr-‐ ff￣ ||:. }{´ ._」L -zェァ7ﾌl |圭圭|ll| ‖ ,′
zz≦////ヾ彡ﾟ ／ゞ'ヽﾞ?| rzz≦=-‐ .Ｔ.丁 || }{ __,||__,.斗 -ｪェァ7ﾌ|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|lljjII」,,.. -=ﾆﾐzzzｧ´ ‖ ′
─…¬ |-=ﾆ///≧s｡ ＼?≧s｡．_ ＼-=|? 」斗zz--==ﾆ77|l|l|l|l|l||l|l|l|l|l|jjjII斗-=ﾆ二三三三三二ﾆ=-r彡ｲ ‖,'
¨￣￣~..| ￣￣ -=ﾆ≧zｧ/////≧s｡． ヽ.|l ||l|l|l||lljIII!!斗-=ﾆﾆ二三三二ﾆ=-r─=f¬¨￣ |Ｇ |＿＿乂ノ洲. ‖′
:::.. | ¨ -=ﾆ///////>､rz≦三三三二ﾆﾆ=-rr─rr≦ 桐 弌|,,」L -ゝｲ厂 丁¨.|i:i:i:i:i:i:i| |／ ‖′
iiillll|| 0 | [] |≧s｡．_ ¨ -=ﾆ//ヘ､弌＿ {Ｇ}＿{Ｇ}--Ψ¨Y´-─ ￣￣| :|i:i:i:i:i:i| :|i:i:i:i:| |i:i:i:i:i:i:i| |ZZZＺ７
'┴┘￣.!.￣ └=ﾆ二」 0 rrrrx ￣ -=r'i:i:i:| |i:i: | |i:i:i:i| .:| | :l二ニ.| :|===| l二二ｺ .| | ,'
__| ￣ ─皿皿 o 川ll | :|ﾆﾆ:| |ﾆコ..:|二 | ::| | :|７'//,| :|||||||| |┴┴┘..| ┼‐‐′
-=弋フ_,|￣卞弋ェｪ- ．＿＿ ￣ ¨¨ ─ 」 :|i:i:i: | |i:i:i:|..ｌ|i:i:i:i| ::| | :|７'//,| :|￣¨| |i:i:i:i:i:i:i| |__?..′
-kつｰっ|￣厂仙台六十二万石广弋=- ． ＿ :|i:i:i: | l冂i|..ｌ|i:i:i:i| ::| -─ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣‐=彡;';';';',′
､ゝﾉ勹ｰ|フヘノ ヽ大手門ヽ-'三二ﾆ=-─ ¨ ￣￣￣￣ ‐=≦;';';';';';';';';';';',′
にんり`ﾉ＼/-ヽjI斗-＝ﾆ ￣ ,ィ升;';';';';';';';';';';';';';';';';,′
二ﾆ=-'"￣ く;';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';'
｀ ＜;';';';';';';';';';';';';';';';'
¨≧=-=ﾆ;';';'/
〕≡＝＝＝＝＝＝≡〔
l"l l l ｌ"l
､__,.ﾉ.ｨ ｌ l ト !.,__,.
ヾ;;≦;;_''介 介''_;;≧彡
＼¨''〒〒〒〒〒iii〒〒〒〒〒''¨／
｀"¨ ≫≡≡≡≡≡≡≡≪.¨"´ _,,..， -=
ミ＝孑"´ ｀"マ＝ｽ,─────‐┴‐ッ ∠
- Ω.,, ＿＿＿＿＿＿マﾐ丈二ニ≡＝＝＝＝＝＝＝≡ニ二孑ﾁ才＿＿＿＿＿_,∠Ω===
ｎ'´ ;;;｀ｎrrrrt‐ｪ‐ｪ‐ｪ‐ｪ‐ァ､|干|,r;;TiTiiiiTTiTiiiliiiTTTiiiiTiT;;;y,|干ﾚｬ|;T|;Ｔ|;Ｔ|;Ｔ|;Ｔ|rrｎ'´ ;;;｀ｎ
|ii|ﾆ!ニ|ii|ililili|mlmlmlmlm}ニ{区}・{-l+liiiiiil;;|+liiiiliiiil;;l;;liiiiii|+|-}・{区}ニ{区区区区区|ililili|ニ!ﾆ|ii|
'ゞ､,;;;;ツ^"¨~~￣￣￣￣=],,[==Д======!=======!=====.Д.==];;[=￣￣￣￣￣~"ゞ､,;;;;ツ''
|;;;;;| '''''''' ／ ＼ '''''''' |;;;;;|
,r‐;;;;;;;ｰ､ ／ ＼ ,r‐;;;;;;;ｰ､
＝===＝ ／ ＼ ＝===＝
__
＿ rｪｪﾆi_iｪｪｪｪｪｪｪｪｪｪｪｪｪｪｪｪ ∧ lﾆl＿＿lﾆl
;';';';'＼／X＼XXXXXXXXXXXXXX＼---lﾆｺ---lﾆｺ-､ ＿i:.:i＿ ＿ ／.:.i[]:.:.:.:i[].:.:＼__
;';';';';';';'＼ XX＼XXXXXXXXXXXXXX＼::::::::::::::::::::::::::i:::＼ ／.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼ ／:::∠＿＿＿＿＿／:::::
ﾆﾆﾆﾆﾆﾆｺXXX＼XXXXXXXXXXXXXX＼===========ｪ ＿ ,---------／___ﾛ__ﾛ__ﾛ__l.／:::::::::
i1|i1|i1|i1| XXXXX＼XXXXXXXXXXXXXX＼ ｉ._H__H_|_H_| ./:::／::::::::::::::::::::::::::::|;;;;|［i .［i .［i∠;;;;;;;;;;;;;;; .
￣ ￣ ￣|========ｺ====================ｺH__H_|_H_|/／:::::::i^i::::::::::::::::: :: |iiii|-------| {i {i {i
i｀!|[]_[].| ｉ「! ｉ「! ｉ「! |_l]__l]__l]__l]__l]__l]__l]__l]__l]_|ｉH__H_|_H_|￣|I￣I I￣I￣I￣ |iiii|［i .［ｉ .［ｉ |-------
H |ｉ---|__l」__l」__l」_|====================.!.H__H_|_H_|::|::|I￣I￣I￣I￣I￣ |iiii|-------| {i {i {i
i｀!|[]_[].| ｉ「! ｉ「! ｉ「! |_l]__l]__l]__l]__l]__l]__l]__l]__l]_|ｉH__H_|_H_|::|l:|I￣I￣I￣I￣I￣ |iiii|［i .［ｉ .［ｉ |´~"''‐- ､
H |ｉ---|__l」__l」__l」_|====================.!.H__H_|_H_|::|l├┬┬┬┬┬┬|iiii|-------| {i {i {i
i｀!|[]_[].| ｉ「! ｉ「! ｉ「! |_l]__l]__l]__l]__l]__l]__l]__l]__l]_|ｉH__H_|_H_|;;|l :::::::::::::::::::::::::::::::: ＼|┬┬┬. |.｀ﾞ''ｰ-､,_
ｌ ∧＿∧ ∧＿∧ ∧＿∧
＼. 'ｌ / （´∀｀/ﾞ) （´∀｀ ） (（´∀｀/ﾞ) ﾊﾊﾊ
/ と 〈 ⊂) つ ヽ, 〈
／ ヽ ／ ヽ (⌒ﾞ ,,ﾉ) （ 、 ﾉ) ヽ (⌒ﾉ)
（,,´Д｀） （´Д｀,,／ ヽ ／ ｀ヽ,_,） . ∧＿∧
/ っ ／ ヽ ｌ （´Д｀,,） （ ´∀｀ ） ｲｿｶﾞｼｰ
（ ,, ´） (⊃⊂ ) と つ
/´ ｌ わいのわいの （ （_）
/ / / ﾊ | | ﾞ,. |
｜ l il |ﾚ|___ |l| | |
. ;L┴r"￣ ´ ￣ `ゞ!'‐ ､| !
. ´ `-{ ,r '"￣｀ } , /|
' _,,;ﾆ= ､ / , / / l |
ノ, |lﾟr| / / / / /,r,二
ﾉ ゞ-´ ﾝ/,ｲノ}/ ｈ
,r´ r')ﾉ （……すべて わらわがものじゃ）
ヽ r '^ ／
ﾞ, ７ ´|
丶＿ ∧ l |
ヽ ｿ∧
丶 , // ,!
. !､ , ' /⌒〈
. | l t‐ r≦､、 / ,!
. | l |ヽ| |! / ./
| l l | V || / ./
| ,l l ﾄ./ |.| / /
ノ/!./ ﾚ ﾚ| ノ‐ ､ /
_,. -─ｯ‐- 、
／〃 ／、｀ヽ ＼
,≠==#=〆 ', j べ.
ﾊ〃 l!/ 》_ i／ ,( （あの城も 橋も 道も 大寺院も 町も
〈 {{ /⌒Y ⌒)) /,. '´ ヽ)_ 、
≫^Ｙ⌒>ｰく⌒Ｙ(/ く ' Y この天下も
《 廴_{ ※ 心ﾉヾ:, んzｿ ,: |
＿_≫=ﾍ.__｀辷'_,ノヽ〃 ´ j 徒手空拳から すべてわらわがものにしたのじゃ）
＼＿彡ｲ/// 》==f'ヘ ／
////=彳:.k个r-‐' r､´
∠/// ｉ : i :ヽl /､ ＼
くｲ ! : i＼rヘ..＿_ ヽ＼rﾍ
| ｉ: ;ﾑ:__＼. ＼=ミﾐヽ} ｉ Vﾊ
| !/ .:￣＼rへ. ｀'ﾐ| :Vﾊ
| : / .:.:.:.:.:.:.:.:', v=ﾐ:,| 〉 i
| . :/____..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:'. Ⅵﾘレ'´ | l
| : Ⅴ ￣￣` ｰ-i V :| |
| : / : ｌ ', .:| |
. |.:/ l : l .:::| |
j/ : | i l ..:::::::| l
. 礀 | ｌ |::::::::::り
| : | l! !::::::〃
| : : . 川ｈiり::::::||
|: :|: : : : : :|: : : : :.:./ .|:l: : : : : : :∨ : :.:.ヽﾍ|: : : : : : : : :l: | : : : : : : : :.|
|: :| : : : : :ﾊ : : :.:./ |ﾍ : : : : : ﾍ∨ : ::.:.Ⅵ: : : : : : .:.:.:l: | : : : : : : : :.|
|: :|:: : :／ |_,.ノ´/ |__ヽ : :_.: : ﾍ∨ : : : :|: : : : : : : : :l: | : : : : : : : :.}
|: :i, ノ､ ｀ｰ' ﾞ＜ﾍ∨:.: : :|: : : : : : : : :|: | : : : : : .:.:.:.|
| :|´: :', ＼ : :|: : : : : : : : :|: | : : : : : .:.:.:.{
ヽ|: .:.:.:. ＼ ／ ヽﾞ|: : : : : : : : :|: | : : : : : : :.:.|､＿__
| : : : :', <､=zﾍ ｀ｰ'´, .＿ | : :l: : : : : : l-、: : : : : : ,r|
| : : : :.ﾍ八 ｡心 z=r‐ ＝ﾐ≠- |.:l.:l.: : : : : : -,ﾍ: : : : : :.{ |
|.: : : : ,lﾍ ｀ｰ ' 乂辷r｡ﾉ |:ﾊ:|: : : :.|: :| }: : : : : :| |＿＿_ （神よ仏よ……
Ｖヽハ.|∧ |ハ| : :＿Y´ } ﾉ: : :. .:.:.| | 日輪の子がこれだけ施してやったのじゃ
∨:ﾍ ﾉ c |／ 〃´／: : : : : .:.:| |
. ∨:ﾍ ｀ , - '´ : : : : : : : ハ | この天下を永遠にせよ 加護をよこせ）
∨::ゝ ／ V : : : : : : : :ハ: :ﾍ
∨:l ＼ ｀ ､__ .／{―- : : : :ノ ﾍ: :.八
, -―‐〉.| ＼ , イ ／ ,ノ| ＼人 : : : : : :ﾍ
ﾉ ハ |＞ _ , ＜ , -‐'"´ l／ ／ ﾞ'-＜: : : :＼
.l | l | .| ﾍ l_, ＜ .／ ／ ＼:. : :｀ヽ
|ヽ
-‐┴┴‐- 、 ＿ノ＼
／: : : : : : : : : : : : :｀＜ ノ
': : : : : : : : : : : : : : : : : :｀く￣
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
. /: : : : : : : : : : : : : : : : :｀丶､: : : :＼
' /、: : : : : : : : : ､: : |: : : : : : ｀丶: : :＼
|ｲ ｀ ー――‐ﾍ: :|: : : : : |: : : : : :.￣ヽ
| ＼ V: : i |､ト､: : ＞- ､: !
. |: :ｌ ｌ｀. .ー―― ¬"|: : : |:ﾄ､|: : : :／⌒ヽ| せめて
. |i| | | |: :|: : : : |: :. :|: |: : :ｌ|:|ﾉｌ|.イ/ ＼
}レ ⌒､ﾄｌ､＿|ｌ_: : }: |: : ｊｲ＜ｨ// ', 秀頼が長じるまでの命を くれてもよかろうに
. / ／ 丶､ｲ／| :ﾚ/ ﾄ､
/ / ヽ.」 .// }::ｌ
. / l ＼// ／ /::|
. ' .! ｌ: / ／―‐'′|
,ｲ } | / /::::::::::::::::::::|
. {:| ﾊ |―' ./ :::::::::::::::::::::|
ヽﾄ､ ハ | ｀ヽ、 .人 :::::::::::::::::::::|
| ￣￣ / .! ノｌ ＼ ／ ＼:::::::::::::::::|
| ./ |｀ヽ-‐ ''´ | ヽゝ ＼:::::::::: |
伏見視察の後、秀吉は急激に病を悪化させた。
梅雨と、夏の厳しい気象が秀吉の体力を奪っていった。
! | !l |! ! | ! | ! l | ! l |! | !ll |! l |!| !l | ! ! |
!l |! ! | ! !ll |! l !| l !ll |! l !| | ! l il i (ヽ＝＝＝＝＝＝＝＝
| |! ! | ! | ! l | l | !| ! l | ! l ノ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ
l !i! | ! l | !l |! !! l !l |l |! l |! l |! ノ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ
! l ! | | l | ! l |! | | ! l |! l l |! ノ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ
!l |! ! | ! i | ! l i !i li | ! l ! ノ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣
! ! | | ! | ! l | !l |! ! | ! li ノ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ
!l ! ! | | ! | ! l | !l |! ! ノ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣
! | !l |! ! | ! | ! l | ! l |! | ノ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣
| ! | ! l | ! l | ! l |! | ＠二|二|二|二|二|二|二|二|二|二|
| ! l | ! l |! | !ll |! l |!| | ! |二二二|二二二|二二二|二二
! | | ! | ! l | !l |! ! | | ! |二二二|二二二|二二二|二二
愛好していた有馬湯治を取りやめた一月後には、腹中の病で食が喉を通らなくなった。
朝廷は前年に続き、平癒の大祈祷を行った。
∩＿ ∩＿ ∩＿
[|＿＿] ,っ [|＿＿] ,っ [|＿＿] ,っ
（|；｀д´）／ノ （| ；д；）／ノ （|；｀д´）／ノ
|￣|つ￣| | |￣|つ￣| | .|￣|つ￣| |
| ノ | |_ノ .| ノ | |_ノ ..| ノ | |_ノ
|ー――| .|ー――| |ー――|
/＿＿＿| ./＿＿＿| /＿＿＿|
（＿_） (_＿） （＿_） (_＿） （＿_） (_＿）
ヽ ∩⌒|
丿 ヾ ［|二二］ |::|
丿~ （ （´Д｀iill） |::|
∧ 丿 ＿＿＿＿/⌒凹⌒＼::し
ノノ 丿ヽ し 彡 ⊂＼::::::::::::::::::ヽ::::::/:::::::::|
∧ ∵ ヾ |:::::::::::::::::::::::::::/::::::::::|
（ ） ＼::::::::::::::::::::/:::::::::::::|
ヽヽ ^ 丿 丿 |::::::::::::::::/＼:::::::::::|
三三三三三三三三 ~＼＿＿し |::::::::::::|
三三三三三三三三 /ヽ ＼＿_|）:::::
三三三三三三三三 （＿丶＿＿＿_丿:::::::::::
三三三三三三三三
効果が見られないとなると、北政所や外様大名たちまでがこぞって祈祷を願い出た。
_ _,,-ー-,,_
＿,,-ー''"""""::.:: ..::"''ー-,,＿
,,-ー''".:: "---
／::.. .::: /:.
／::. ヽ_,,-ー''~~~~'_ー-,ﾉ;＿::::...
,／::. ..::／.:.:.:.:.:.:_,,ー'''":::::::::::::::::ヽ:::::::...
/::. ＿／.::.:..:.／:.:.:／..:.:.:::::::::::::::::::}_,,
l::. .::l ....:_／..::／:..:.:.:::::::,,_-ー''".::
i::. .::{ ..::{ ..:::{..: .::,／::,r'ヽ、 ヽ
ヽ::. .::i ..::} ..::}.:: .::{::.. { ヽ ..::: ,-ー''"￣￣
ゝ.:. .::ﾉ .:::,i ,i..:: ,:::ヽ::._ヽ___ノ ,,-ー''"
"''`''''''''`''''`''''''''''"''''''''''"''"''''''`''"''''"''''`''''''''`'''''''''`'''''''''''''"''''''''''"''"''''''`''"''''"''"''
しかし、秀吉が快方に向かうことはついになかった。
七月に入ると、秀吉は重臣たちを病床に呼び寄せ、それぞれに遺言を託した。
∽∝∞∝∽∽∝∞∝∽∽∝∞∝∽∽∝∞
..::／||====================================
...:::／| ||三三三i三三三i三三三i三三三i三三三i三三
...: :／| |／||三三三i三三三i三三三i三三三i三三三i三三
／| |／| ||三三三i三三三i三三三i三三三i三三三i三三
|／| |／||三三三i三三三i三三三i三三三i三三三i三三
／| |／| ||三三三i三三三i三三三i三三三i三三三i三三
|／| |／||三三三i三三三i三三三i三三三i三三三i三三
／| |／| ||三三三i三三三i三≡≡i≡≡≡i三三三i三三
|／| |／||三三三i三三三i三≡≡i≡≡≡i三三三i三三
／| |／| ||三三三i三三三i三三三i三三三i三三三i三三
|／| |／||三三三i三三三i三三三i三三三i三三三i三三
／| |／ ..:::||□■□■□■□■□■□■□■□■□■
|／...::::::／ ／ ／ ／ ／
／.....:::::／ ／ ／ ／ ／
...:::::::／ ／ ／ ／ ／
..:::／ ／ ／ ／ ／
r,/''"´￣｀
l::| ／!
l:! ／.::/
ヾ:. ＿/.::.:∠-.−::.::ァ 『徳川家康。
, ゝ´.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::＜、
. ／.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:｀ヾｰ その律儀なることは、秀吉は昔から知っている。
. /.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::. .＼
/.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.: i . :.:.i__::丶、 秀頼は孫婿となるのだから守り立てていってほしい。
,' : : .::.::.::.::.::.::.::.::..::. : . . : l.::.::.::.! ￣
i.::.::.::.::.; ,::.::.::.::.::. . : ::.::.::.:l:.::.:i:.::| これは以前から何度も何度も、皆の前でお願いしたとおりだ。』
l.::.::.;:;';';';';';';:,.::.::.::.::.::.::.::i::.::j､::.;{::.:|
. l:.::;';';';';';';';';';';';.;';.::.::.::.::.l::.::l Υ|::.:|
l.::;';';';';';';';';';';';';';'.::.::.:.:/:.::ﾊノ.::|ヾ|
!.;';';';';';';';';';';';';';';.::.::./::.::| |::.:|
. l.';';';';';';';';';';';';';';'::.::/.::.::|ノ|::.:|
},';';';';';';';';';';';';';'::./::.::.::l !.::.|
. l.:l.';';';';';';';';';';';';';/::.::,::.::!_|.::/
l.::.!.';';';';';';';';';';';'/::.::.;;.::.:|l!ヾ、
l.::|::.::';';';';';';';';';'/.::.::.;;';:.::.|l!l!|ﾞ!
『前田利家。
__＿＿＿＿ そちの性分は友だち時代からよく承知している。
;-‐'' ,-‐-､ ___｀ヽ
／-‐‐ｃ'´／ ﾞi／＼ ヽ ＼ それを見込んで秀頼のお守役とした。よくよく取り立ててほしい。
/' ＼⊂_´≧.ノ（(･)）ﾞ:､i ＼
＼`ｰ､ヽ､し'● ゝ ,､ <´ヽ ﾞ:､ これも前から何度も頼んでいたとおりだ。』
/＼ ＼ / ﾆ二し' `ヽ ) ﾞi ﾞi
/ ＼/ ヽ､＿二＿ l |
/ '´￣ ＼ ヽ | |
（^ヽﾉ i⌒:､ ＿＿_ .| | |
＼ ＼ ヽ､ ＿ `i .| | |
ヽ､ ｀`ｰ--､｀`''''''´ / / ／ ［前田利家］
_ -=ﾆﾆ:::ヽ
´ ＿__ ヾ} 『徳川秀忠。
. ┤::::::::::`≠ .
／ :::: |::::::::::::::::::::::::::` 秀頼の舅となるそちは、家康が老いたあとも秀頼を頼む。
/:::::::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
/イ::/::::::ﾊ::::::i_::::i::::::::::::ヽ::::i 皆の前で申したとおりだ。』
|::i::::i:７´',::::| ',`ト､::::::::i:::: ′
|:;|:::l/T勿i'.| ┬ｫT:::::i:l::: ′
|'.|::从ー‐⌒'辷ﾟ・ｨ}/N:::′
|/ i::≧ . -＿ .ィ|:::::|::::′
|:::::rイV 仄|:::::癶!
|:::/:;::::}l〃:￣|:/:::::::〉
l:/:/:::::У:::rｰ|:i::::::::ﾊ
/:/::::〃:::::::￣l:|:::::: l::'.
/ノ::::::{{::::::::::::::::ﾘ、::: l::::'.
r':ﾉ::::::::;ﾘ::::::::::::::r〜::::::{::::::'.
〈::{::::::::〃:::::::::::::::l::::::::::::::〉:::::'.
/`ﾍ::::::{{:::::::::::::::::ゝ--ｧ'´:::i､:::i
/／ノ`'-ﾞー―=＝＝ｲ:ﾄ､::::l ',::l
/'／ Ⅵ.}:::l .l/
{/ i i ヽ'::::l./
『前田利長。
, ──── ､ 利家が引退となったあとは、そちがお守役だ。
ゝ／ ＿＿＿＿＿__ヽ
i | / /⌒ ヽ/⌒ヽ かたじけなく思って責務をまっとうせよ。』
| ＿| ＿| ・|・ |__
, ─i ､ ヽ ＿_ o__ ﾉ ヽ
! `-､ | !
＼ ヽ､ ──┘ ノ ／
＼ ＼二二へ二ヽ／
＼ | |
| | ［利家嫡子・利長］
, -──- ､
, -'´:::::::::::::::::::::::::::::::｀‐､ .『宇喜多秀家。
／:::／ ,.ｲ::ー-､::::::::::::ｒ､::::::＼
ノ::::::::::イ' ´:::::::::::::｀ ‐-ゝ｀ヽヾ::::ヽ 幼少のみぎりから秀吉に養われてきたそちだ。
／:::::;':::::i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
/:/::::::i::::;:ｲ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i .秀頼のことからは逃れられぬと覚悟せよ。
/ｲ:::/:::::l:::l/';::::::l';::::::ヽ､::::::::::';::::::::::::::::::::::l
l:;ｲ:::::::ﾄ:! ｌヽ､::lヽ､ゝ,.ｲ',ヽ::i:::::ヽ:::::::::::::::', 五奉行五大老の仕事 抜かりなく努めるがよい。』
! ヽ::::',l ﾄil ｀ liｲ ｀i､ﾄ､::';:::::::::::::::ヽ
l:::l ヽ '┘､ └' ! l::lヽl::::::::::::::::ヾ
l::il '"￣ｒ -─ ､｀ ー'´ ';::lノ:::::::::::::::::::::',
ll iヽ l:::::::::::::::::） uノ-ヽ';::::::::ヽ￣￣ヽ
l l::::＼L:::::::::::::/ , イ:::::::::::::::::ﾄ､::::＼
＿＿／/ l ｀ ‐- ‐' ´ l┐i:ﾄ、::',ヽ:', ￣
／｀ヽ-､ ｒー ﾉ::::::::::＼ ゝｒ‐ ' ´＿ / ヽ､ ｀ ‐＿
/ ／ ヽ 〉 l 〈:::::::::::::::::::/￣l／::::::::::::｀ ‐ｧ ￣ l
l ' ´ ￣', ,ｲ 入:::::::::::／l:::::/二:::::::::::::::::::/ ／
ヽ ￣ヽ/ l く L:::::::::／二!::::::::::::::::::::::::l', /
＼ く l ／ l:::／´ ﾄ､:::::::::::::::::/／ / ［宇喜多秀家］
ヽ l l l プ ';:::＼::::::/ ヽ i ,'
／:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;∠_,,.､..,,_
/:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;＼
/l,l:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;＼ 『毛利輝元。
/:;:;lﾞ:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;．-
l:;:;:;:;:;:;:;:;:;／/:;:;:;:;／.:/:;:;／/:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;｀;､ .そちの律儀さで、今度は秀頼を取り立ててくれ。頼む。
l:;:;:;:;:;:;／:.:..{:;:;:;:;ﾞ,>､/;∠:／:;:;／}:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;;ﾊ
＼:;:;:;:l.:.:.:.:.:l;:// ＼／_.ィ´ヾ/ｿ_,}:;:;:;:;:;:;ﾊ .国元にいる上杉景勝にも同じく伝えてほしい。』
,>::;l/^ヾ/ﾚi n ヽノ _,.．-=''"l:;:;:;:;:;:;:;:;}
,/:;:;:/ >､ﾘ, ﾞ l;l / n iヾ,:;:;:;:;il:;:;/
l:;:;:;:{ l_ ｀----´ ゝ l:l //_.ィ´ l;/
ﾚ{:;:;:;ヽ_ ノ ヽ= / ﾉ ,ﾘ
ヾ:;:;:;:;>､ - ､ ﾚ
V､;i_,.．-┐ ｀ ,／
_,.．''"´:::r┐:::::l丶 ィ´
i::::::::::::::::::i__!::::::l ｀ - ｨ_,,.;:-−''i
＝＝＝＝＝-:::::::::::::`:‐┐ {:::::::::/ }:::/
::::::::::::ll:::::::::::::::::::://::::::::::::i /￣'i::::ゝﾞ::/__
::::::::::::::ll::::::::::::::::::l l::::::::::::iVl l:::::::::::::::/､..,,_ ［毛利輝元］
:::::::::::::::ll::::::::::::::::l l::::::::::::l l .l:::::::::::::/::::::::::::｀丶､ _
:::::::::::::::ﾊ::::::::::::::l l:::::::::::l ＼ l l::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::＼
そして、五大老に臨時の成敗権を持たせること、蔵入りの算用などを指示した後―――
＿＿＿＿
'"´ : : : : : : : : : : : ｀丶､
/ : : : : : : : : : : : : ／|: : : : : ＼
/＼ ,': : : : : : : : : : : :,／ |: : : : : : : ヽ
. 〈 ｀￣￣ }'⌒{￣￣´ | : : : : !_;_／'.
＼＿＿／:｢￣＼_＿_＿_／ : : : : |＿＿j
│: : : :.|: : : : : : : : : : : : : :| : : :|: : : : |
|: : : : : i: : : : : : : : : : : : /|: : : |: : :j:│
|: : : : : i: : : : : : : : : |: :/7´): : ﾄ､:∧:|
│ : : : : : : : : : : : : : ∨ l f: : :│/￣
. |: : : : : : : : : : :'; : : : '､ | ﾚ｀ヽj〈 r'⌒ヽ.
ｉ.: : : : : : : : : : :ヽ: : : ﾍ!J u ハ (´ ｀)
'. : : : : : : : : : : : ＼: : :_Ｖ⌒) j ﾐ ゝ,___,ノ´
rー--ﾍ : : : : : : : : : : : : `く_,ﾊ__（_ノ r'⌒ヽ.
ハ:::::::::| :ヽ : : : : : : : : : : : : :＼:::::::｀ヽ (´ ｀)
/ ';:::::::| : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼:::::::}ヽ ﾐ ゝ,___,ノ´
,′ !::::::| : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ:::| |
{ |::::::| : : : : : :＼:: : : : : : : : : : : : :∨ │
秀吉は最後の爆弾を遺した。
´: ／二二二二二｀丶
／: : :.:/ : : : : : : : : : : : : : : : ＼
/: : : : :/: :/: :/: : : : ハ: : :ヽ: :＼: ＼
. /: : : : :,' : /: : {: : : : :ﾉ:ハ : : }: : : } : : ヽ
': : :i: : :{__/ー┘￣￣ ￣｀ヽﾉ:j: : : : '
|: : :l: : :| _ノ~:::::::::::ヽ Ⅳ: : : : |
∧＿__j: : :| : l:| ＿__..二 :::::::::::::ﾆ..＿ !: : : !:Ⅳ
| | .: ;ﾚ:.八 弋::::ﾉ :::::::::::弋::ﾉ ｀ﾊ: : :N
｀ー一'| : { （￣ ¨ ¨ ': :ﾚ'┘ なお 家康は伏見にあって諸政務を世話し
|: :{＼ﾉ u. ' {: :|
|: :＼: ｰﾍ. r､＿＿＿ ,' : | 利家は大坂で秀頼を補佐せよ
|: : : :Y⌒ﾞﾄ 、 `ー -'´ ｲ: : :|
. ,': : : /| | ＞ __ , イ .|l : : |
/: : : /│ | /: : | |: ∧|
. /: : :_/ -| | {rヘ| |:│ |
/ｘ＜::::::::::Ｌ___j ＿ ＼{＿_ﾄ│ |
／ ヽ ::::::| : : | ヽ. / ￣|: : :|:::}｀＼
. / Y⌒| : : |〜ー─-〜─|: : :|ｰ| ヽ
新築した京の押さえ、伏見城を預け、政務を統括させる。
:::;:':::::::::::::::::::::／,!:.:.:.:./:j:.:. : :/: : :.| l:|
;:':::::::::::::::::／: : /:.:.／: :l:. : :/;.:. : :i ﾘ
::::::::::::::／|: : :./:／: : : :!: :.//|:. : ,'
:::::::::／::::|: : ;ｼ'゛: : : : :i: /:/ !: :,'
::::;r'::::::::::| : : : : : : : : //|:' l:.;'
:/::::::::::i:::| '" l j/
::::::::::::::|::| , l
!:::::::::::::l::| └-､_, ﾉ
l:.:.::::::::::!:| _,,.-''′
.!:.:.:.:::::::l:|::¬'''"´
ﾞl:.:.:.:.:.::::ｌ|::::::|
. l: : : : : l|:::.:.|
l: : : : : |: : :|
名目は立派だが、家康は秀頼のそばから明確に引き離すという宣告だった。
, --───- ､
／ / ⌒ヽ./⌒ヽ＼
/ , -{ / ﾊヽ } ､ ヽ
/ ／ ゝ _ ノ, ‐ヽ-' ＼ヽ
/ ‐┼──- ゝ ノ - ‐一!|‐
| l.､, -一 | ｰ─- ｌL_
| ／ ＼.／ | ｰ-.／ !
､ ' l. ／＼＿ | ＿／ /＼
ヽ Ｘ ￣￣ ／
/､二二二二二二二二 く
/ ／ ( 〒)＼ ヽ
! / / } !
家康が望んでいた地位についたのは、結局のところ利家だった。
|ヽ
-‐┴┴‐- 、 ＿ノ＼
／: : : : : : : : : : : : :｀＜ ノ
': : : : : : : : : : : : : : : : : :｀く￣
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
. /: : : : : : : : : : : : : : : : :｀丶､: : : :＼
' /、: : : : : : : : : ､: : |: : : : : : ｀丶: : :＼
|ｲ ｀ ー――‐ﾍ: :|: : : : : |: : : : : :.￣ヽ 大丈夫じゃ……これでいいのじゃ
| ＼ V: : i |､ト､: : ＞- ､: !
. |: :ｌ ｌ｀. .ー―― ¬"|: : : |:ﾄ､|: : : :／⌒ヽ| 秀頼が成人となり 関白に任じられさえすれば
. |i| | | |: :|: : : : |: :. :|: |: : :ｌ|:|ﾉｌ|.イ/ ＼
}レ ⌒､ﾄｌ､＿|ｌ_: : }: |: : ｊｲ＜ｨ// ', もはや豊家の脅威はない
. / ／ 丶､ｲ／| :ﾚ/ ﾄ､
/ / ヽ.」 .// }::ｌ
. / l ＼// ／ /::|
. ' .! ｌ: / ／―‐'′|
,ｲ } | / /::::::::::::::::::::|
. {:| ﾊ |―' ./ :::::::::::::::::::::|
ヽﾄ､ ハ | ｀ヽ、 .人 :::::::::::::::::::::|
| ￣￣ / .! ノｌ ＼ ／ ＼:::::::::::::::::|
| ./ |｀ヽ-‐ ''´ | ヽゝ ＼:::::::::: |
_,,.‐一ｰ､＿_
_＿-ｰ ｀ー― 、 恐れるものはない……
_／ ｀'、
| 、 │ すべて消した 排除した 殺してきた
〃 ｜ |
|, - ‐| | 豊家の天下は日輪に満たされておる……
_ノ′ _r'、 l,
_l ／:::::入 ヽ､
_,.-‐'ﾌ _/´::::／ ヽ ｀'ｰ ､_
___.,ｒ一' _／ /::::::(_ ｀'ｰ 、
ﾞﾞ 〃 ﾞヽ:::::::::ヽ ｀
ﾞ'、::::::::＼ ＿
ﾍ:::::::::::::｀――――'´:::::｀‐--＿_
＼:::::::: ::::::::::::::::::::::::::::
ヽ､::
゜ ○ o o ゜ ○ o o o ゜ 。
o ゜ . ○ ゜ o ゜ . ○ ゜ ゜ o
, '"´￣￣￣ヽ｀ ` ヽ､
| ／＼ ＿ヽﾚ-_,.-‐ヽ_ ヽ. ＼
ヽ＼|/＿＿ニ=_‐:::::::ﾆ_-‐ヽ ヽ ヽ ヽ |
／＞/ ,.rァ:;:::::;i:::::::､ヽ ヽ `､ ヽ | Ｎ
/li / ／ /／!:/!|::|i:::| ヽ!｀ヾ､ ‐-､ ',|'::l!:ﾉ,/
/ /. l/ l/ | !:| l::| | ｀ヽ､ヽ｣::::::::∠_
,/!￣￣￣|￣|! フi::ト|:|､ -‐─ァ:::::::::::､‐-｀ヽ、
,. '／/ | .::: ／ ヾ! ﾘ |｀ヽ ､ ／"／/ﾊ〉:::::ヽ ｀ヽ
,. '´ ／::/ .:| :: , ' .::. i::. |､ヽ|::r`､､/ 〃./:||::i､:ゝ＼
／ ／.::/ .::| : / .:: l:: |. ｀ヽ､ｰﾞﾟﾍヽ_/ ﾘ !/ i:|
∠_ ／ ::/ .:::| .: / ::: i:: !￣￣￣￣{ﾞ! / |:!
ブ :/ .:.::::| .: / :::: !:: |::＿＿＿ .｣｣ ノ ﾉ
∠__ 〈 .:.:::::| / ::: !ﾆｰ┘＿_`ー─-ﾞ,
`ヽ､`ｰｧ-､:|. / :: i:::､｀`ヾl:::::ｰ-ﾆr─ '
／-ﾆ＿ｿ :: !:::. ＼ ＼:::;r‐'
,. -‐／ .::: `ー､‐-､_ : |/ヽ. ＼. /
／ ,∠＿＿ :l｀`ヽ `ヽl. ＼__,ノ
／ ／ ,／ ￣｀`ｰ-､_| ／
/,.／'"´ ￣￣ヽ`ヽ‐-､ |ヽ./＼
,.' ―-ム、 ヽミ､｀ヽ＜＿´_‐-ミ、＿､ヽ、
/ , イ彡三≧ﾆ=‐ ヽ、_￣、ー-ﾐ､ ｀ヽヽ、
./ ィ彡"´ , .l .iハ ｀ヽヽ 、 ヽ、 ヽ、
, ／／ .,. '´ ,ィ{ .l ヽ ｀ヽ .＼ ＼
., .／／／ .／ .／ ハ.', .', 丶 ヽ ＼ ヽ
／ , '／ ／/ ／,′〃.ハ.',. ', ＼ ヽ ＼. ＼、＼
/ ., ' / .／ / ／ .〃/,' / ｌ',ヽ '., ＼ ＼ ヽ 、
ｲ / ./〃/ ,'./ / ,' ,' il/ |.ヽヽ ヽ .､＼ ＼ ヽ 、 ＼
.,'// ,'〃.,' ,'./〃 , ., .ｉｌ' , .', . l i､ヽ ヽ ＼ ヽ、＼ ＼＼ 丶
.,'./! ,〃.,'i ,'/ .ﾊ i|! ｌ .l l.l .l、.', li ヽ.＼ ヽ ヽ` 、 ｀ ヽ、
_,...i/ l il! i .l i≧ i､l i!｜.i.| .ﾄ､ ', lili、丶 ヽ ＼. ＼ ｀`ー――
,ィ ', .i! | i! ,.| ｌ ﾊ. l.ｆｼl､li、 li ｜'., ', l ヽ .iﾊ、 ｀ ､__＼. ﾍ. ',--.
. ／.::::',. V.:::: l i!.l .i .ｌ !|l `li-‐_Ⅵ l ', ｌ ヽ、.i! V .i ＼ ヽﾄ,ミ ｀ヽ,ﾑ::::
.／...:::::::::.', V.::::Ⅶ! ｌ li .!从 ', Ⅴ.l=､l'-ｚ‐'rｪ―', .l、 ヽ l!} ＼ ＼.::
:::::::::::::::::::::', V.::::Ⅷ ', .|l、'i! ` ヽｌ ヽ `ー―‐'', lヽ ヽ .liヽ、 ＼_ ヽ
::::::::::::::::::::::.', V.::::::.Ⅵliliハ ｉ _ ヽ ` ` Ⅵム､ハ ﾄ.ﾊ｀ーミ､
:::::::::::::::::::::::::', .';:::::::liⅦlｉ.ﾊﾍ ヽ ‐ ,.イ; ― ヽ li .l,iハ,...:'´:::
::::::::::::::::::::::::::.'., ';::::::}.l:ヽ:'.,'V:::.、― 、 , .イ:::／＿_ノﾊ |Ⅵ::::＞ｘ ／
::::::::::::::::::::::::::::::', ';:::::ヾ､:::::..ヾ､:.ヽ ｀`_, ＜::::::::::::::::::＞―‐ｌ|‐!|:;＞イ,.ィ
:::::::::::::::::::::::::::::::.＼ﾘ.::::::::.＼ :::::..＼ 〉ｚｚ≦::::::::::::::／/／´ i! .i!￣｀ー-､
::::::::::::::::::::::::::::::::::::..ヾ;::::::::::....ヽ_::::::::´:::::::::::::::::::／..／
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..ヽ ::::::::::::::;.イ|:::::::::::::::::::イ／
゜ ○ o o ゜ ○ o o o ゜ 。
o ゜ . ○ ゜ o ゜ . ○ ゜ ゜ o
|ヽ
-‐┴┴‐- 、 ＿ノ＼
／: : : : : : : : : : : : :｀＜ ノ
': : : : : : : : : : : : : : : : : :｀く￣
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
. /: : : : : : : : : : : : : : : : :｀丶､: : : :＼
' /、: : : : : : : : : ､: : |: : : : : : ｀丶: : :＼
|ｲ ｀ ー――‐ﾍ: :|: : : : : |: : : : : :.￣ヽ
| ＼ V: : i |､ト､: : ＞- ､: !
. |: :ｌ ｌ｀. .ー―― ¬"|: : : |:ﾄ､|: : : :／⌒ヽ| わかっておる……
. |i| | | |: :|: : : : |: :. :|: |: : :ｌ|:|ﾉｌ|.イ/ ＼
}レ ⌒､ﾄｌ､＿|ｌ_: : }: |: : ｊｲ＜ｨ// ', わかっておるから そう恨めしそうな目でわらわを見るな
. / ／ 丶､ｲ／| :ﾚ/ ﾄ､
/ / ヽ.」 .// }::ｌ
. / l ＼// ／ /::|
. ' .! ｌ: / ／―‐'′|
,ｲ } | / /::::::::::::::::::::|
. {:| ﾊ |―' ./ :::::::::::::::::::::|
ヽﾄ､ ハ | ｀ヽ、 .人 :::::::::::::::::::::|
| ￣￣ / .! ノｌ ＼ ／ ＼:::::::::::::::::|
| ./ |｀ヽ-‐ ''´ | ヽゝ ＼:::::::::: |
, --――- _
. イ: : : -――- ､: : : ｀`丶、
. ／: :∠ -――- ､ ｀ ＜ ｌ: : ｀ 、
／: :／: : : : : :./: : : : :｀丶､ ｀ｌ: : : : : ＼
. /: :／: : : : : : //: : : : : : : : : :＼|: : : : : :ｌ: :ヽ
/:／: : : : :./: ://: : : : : /: :ｌ: : : : :|: : : : : :|: : : ',
. /:/: : :/: : :/: :///: :. : :.ｲ: : ll: : :.| :|: : : : : :|: : : :.',
/:/ｲ: :/''"￣￣ ￣＼/ |: : ||: :.:.|: |: : : : : :|: : : : }
ｲ/ └ｒ' ｀ヽ _,.＞' L: :/: |: : : : : :|: : : : ｌ
|: : : :| ＿ ｀ヽl : : : : : |: : : : ｌ
|: :. :.ｌｌ '"7ﾇｚﾐ 〉: : : : :l: : : :/
ﾚ___」.} 弋_cﾉ -テﾓ=ｚ、 ,': : : : : l: : : ,'
. | ｀" 弋ﾟｃン｀ /: : : : :/l: : : ｌ わらわともあろうものが 今さら逃げ隠れすると思うか
. ｌ , ｀゛¨ //: : :,イ::|: : : ',
', 〃―" ,ﾉ:::ｌ: : : :ヽ 地獄の亡者どもめ
. 人 ｒ､＿＿ -ｒ '": : :ﾊ: : : : :＼
ｆ: :.> 、 ｀ ‐―┘ ／ ｊ＿: : /__ゝ＿: : : ＼
|: / ＼ / ∨::::::::::::/￣｀ヽ
ﾚ' /:::ト―ｒ‐＜ / /::::::::::: /
ｌ ｌ::::.| | ヽ / /::::::::::::: ｌ
| |ｒ‐| | / /:::::::::::::::::|
八月五日。秀吉は最期の小康状態を得、五大老に向けて秀頼のことをくれぐれも頼む旨、重ねて書状にした。
γ
（
_ノ
／
＿＿
,､'" ． `' ､
i`ｰ _ ',
. l| !| i""!|
}: }ｉ |{ !ｊ
〈| 'Ｊ |! }ｊ :｝
_ﾉ;し i｝ ｛J |
,､-,､' ハ- ､
（ .( '､＿ _ ,ノ ﾉ:i ）
,､'""`ｰ---‐'"ﾌ､_ - _,､' -'"
（ ＿ ,､'" ￣
`ー--─'"
同月十三日。秀吉、死去。
その喪失がもたらすであろう途方もなく大きな影響が考慮され、公儀の最高幹部たちによって死は秘匿された。
`ミ￣::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::厶＿__
＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／
弋￣:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/＿＿
＼￣:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／
＞::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
≦::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／/::::／::: |:::::::::::::::::::::|:::::::::::::::::::ミ三
￣/:::::::::::::::::::::::::/／__/／|/:::::/|::::::::/|:::::::::|::::::::::::::::ミ､
. ／:::::/⌒|/::::::::/ ＿__≧､|::／ i: : /厶 |::/::::::::::::＜
フ::::::|厶〈|::::::|/ ヾ じ￣｀ ヽ .|／,≦__|/::::::::::::::::::ト､
∠:::::::∧. { |/|/. `ｰ ´じ￣'/::::::::::::＼￣
￣／:::＼ `ー' |::::::::::::弋
,.イ::::::::::::|､ i /::::|＼| 唐・高麗への影響
|／|::::: | ＼ ´ / /ｌﾙ'
. 川/ ＼. ,-――ｧ .／ それに公儀内部の動揺も考えりゃな
__/. ＼ `ー―' .／
. / `ー――‐ ､ ＞､＿ , ´
/ ＼/
7￣￣￣ ｀ヽ. ＼
/ヽ＿,／ ＼ ＼_ ［石田三成］
. / ＼ /
/. ／´ ￣＼ .＼ .∧,
ヽ ＼/＼|
しかし、秀吉の病状は人々の最大の関心事であり、早いうちから情報は流れだしていった。
ﾋｿﾋｿ
今度ｺｿﾗｼｲﾖ…
∧,,∧ ∧,,∧ ∧,,∧ ∧,,∧ ﾏﾀ噂ﾀﾞﾛ？
∧ (´・ω・) (・ω・｀) ∧∧ ∧ (´・ω・) (・ω・｀) ∧∧
( ´・ω) Ｕ) ( つと ﾉ(ω・｀ )( ´・ω) Ｕ) ( つと ﾉ(ω・｀ )
｜ Ｕ ( ´・) (・｀ ) と ﾉ ｜ Ｕ ( ´・) (・｀ ) と ﾉ ｲﾔｲﾔ…
ｕ-ｕ （l ∧,,∧ ∧,,∧ ｕ-ｕ （l ) (∧,,∧ ∧,,∧
`ｕ-∧ (´・ω・) (・ω・｀) ∧∧`ｕ-∧ (´・ω・) (・ω・｀) ∧∧
( ´・ω) Ｕ) ( つと ﾉ(ω・｀ )( ´・ω) Ｕ) ( つと ﾉ(ω・｀ )
｜ Ｕ ( ´・) (・｀ ) と ﾉ｜ Ｕ ( ´・) (・｀ ) と ﾉ ﾋｿﾋｿ
ｕ-ｕ （l ) ( ﾉu-ｕ ｕ-ｕ （l ) ( ﾉu-ｕ
`ｕ-ｕ'. `ｕ-u' `ｕ-ｕ' `ｕ-u'
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─ ＼
／ （●） （●） ＼
| （__人__） | そういう噂は前にも何度か流れたお
＼ ｀ ⌒´ ,／
/⌒ヽ ー‐ ｨヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ ／ r─--⊃、 |
| ヽ,.ｲ ｀二ﾆﾆうヽ. |
＿__ ＿
-‐''"´￣ ｀ ｀''ヽ=､
,.‐''"´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
r（:::::::::::::::::,、_ｨ::::::::::::::::::::::::::::::::::
ゞ, ｒｒ〜ヅ ﾐ:::::::::::::::::::::::::::::::::
ﾌﾊ ﾐ::::::::::::::::::::::::::::::
. l __,,. -─¬,〈::::::::::::::::::::::::::::::
〉ﾞﾞ`'''Tjフ￣ ヽ::::::,ｨ ,､ヽ:::::::
. / ,.‐'" }:::/ /ヽ ﾊ::::::: 今回の出どころは 殿下近侍の僧侶だ
/.. "´ ２ﾉ/ l:::::
. ヽ.ﾆ,｀ __／ :l:::: 他家もまったく同様の情報を掴んでいる
. 'ｰr_‐; .ｨ l:::
〈.. /:{ ヽ
｀} ／:: ! i
丶、,､. イ:::::: ! ［堀喜吽斎］
＿＿＿_
／ ＼
／ _ノ ヽ､_.＼
／ （●） （●） ＼ ……ふーん
| （__人__） |
/ ∩ノ ⊃ ／ ほんとなら政局が急変するかもしれんお
( ＼ ／ ＿ノ | |
.＼ “ ／＿＿| |
＼ ／＿＿＿ ／
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─＼ うん まずは事の真偽を確かめんと話にならんお
／ （●） （●） ＼
| （__人__） | 徳川殿 細川殿 玄以殿あたりに探りを入れてみるお
＼ ⊂ ヽ∩ <
| | '､＿ ＼ ／ ) 機密扱いにせよ 反応くらいはとれるお
| |＿＿＼ “ ／
＼ ＿＿＿＼_／
＿＿＿
／ノ ヽ､_ ＼
／（●） （●.） ＼ あとは今後の公儀体制の詳細……
／ （__人＿,） ＼
| ｌ^l^lｎ ⌒ ´ | それに唐入りはどうなるんだお？ えーそれから―――
＼ヽ L ,／
ゝ ﾉ
／ /
＿_
/:l'ﾞ ,r'ﾞ . : ;' : : : ; ,' i; : : : : i i ; : ::::::i.'､ ,.-''";;;;;;;;;;｀`'ヽ､
/ ! /. : : : i : : : ; ;i ､,_!l ; : : :,' l l; : : :,'::::ﾞ;､ ／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、
'､ ﾞ､ ! : : : '; i ; : : ;_i!-' ﾉﾌﾞ''''''7'ﾅｩl: : ﾉ; ; ; ::', /;;;;､;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;､
', ﾞ-;l : ; : : '; ';v‐'ﾞ,,'_ r''ﾌ''j=t:､ｨノ/,':,': : :! ,!;;;! '~ "~ `i||i" '' `ﾍ;;;!
', !､: ' ; ; : ;､)iﾞl ,!;l' l:r;'.;l:.} ﾞ' ﾞ: ﾞ_:': : :i |;;;| ヽ` u ﾐ;;;|
i ヾ､ ; ' ､;ﾞi !l;.i:j ,!,ﾞ;;',ｿ 'ﾞ_,ﾞ､ : :i-- …… _ゞ;!,-;;;;;;;"ﾌﾉ ヾ`;;;ヽ ､ﾐ;ﾘ
,rｰ'､. ﾉヾ>'‐;iﾞ', ﾞ‐'' ノ u. 'ﾞ ,!: : ! !ﾍl;|.,,_==-､く｀ ,>ﾞ-== 、｢ヽ
.,／ `‐､ ,／ﾞ |'､i ' __ ,､､-;' : : :', !(,ﾍ! ￣'" |ﾐ.'￣" , ﾄﾞﾘ
ﾞ ﾞ> /;,rﾞ':､ ｀~ /ﾞ;:;: : ﾞ､: : : ﾞ ヽﾞ､! !ﾐ ,ﾚｿ
,r(,＿,,ノ/: : : iﾞ'‐､_ ,､- ,'::;:i:;: : :`:､':,､ `| ^'='^ ﾑ'′ ……
／ ｀''''ﾌﾞ:/: ;､､ ':::::::i.,`'‐ｯ:-:'':ﾞ: !::::;';:'､: : : :`:' . ﾄ､ ､,.-‐ ､,, /|
,r'_,ッｯ'ﾞ-‐-ｯ'ﾞ,;;,,`'-､'::i:::.._,i i,､,'､::'､::. : : : i| ＼ ' ニ ｲ.:|
、 /ﾞ´‐'ﾞ´ /,,;;;;;;;;;;;;,,,~''rﾁv}_,,､-､ ,-'ﾞ_,,＞=-‐'''''‐ ［新関久正］ ,ｲi| ﾞ､＼ ( ／ﾘ.:;ﾄ､
iﾞ'‐( /,;;;;;;;;;;;;;;;;r'ﾞ'=!'-{,)=ﾆ!ﾉ:､‐'ﾞ,,,,,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ノ :.:i| ﾞ､ `ｰ─''ﾞ:::;:'::::::!:::＼
／ ＼
/ ─ ─ ＼
/（ ●） （ ●） ＼ ん？ なんだお？
| （__人__） |
＼ ｀ ⌒´ ／
/ ー‐ ヽ
/ ｀
, -ｰ''''~~￣￣￣~~~`'''i
,､,_ .l _,,,,, ､ -------､､_.l
l, `i''''~ 'l
,-'_-_ﾆﾆﾆ二二二二二二ﾆﾆﾆ_ー--､
,,-/ i / il' l ､＼~~~
＼l l l {.{ {{ .}} l ., }
,. l, ,､'､i , ,,' `'''~ ' ＼_ / /ノ
､ {.l l { ヽ'l l ll__,,,- ./-'''~ い いえ
lヽ,_ `-`,/-,-''`''l.' ' '', , `'ｰ''.lノ ,-,'
l, ~~ / ,_{ヽ､iｰ-､,,_ _,ノヽﾆ,~-7 御屋形様が案外に その……
,-'-､, ,,ノ l `''l.7,'ｰ''~)~ .l _ノ
`ヽ､_(_ｰ-, l ''''7ﾉ` l _>'-~
i'''~`'''ｰ/-,l'ｰ-,_ l-''~l l＼,,,ﾉ _,-,-`
l l .l X l / .l .l l l. X l
../ , l .l l l,_ .l .l _l.l l
l ／ , l X .l `'' '-' l, X l
, -‐―- -`- ＼ヽ、
､ ＿ , - ',´ ｌﾉi
＼ ￣ ￣ ´ '-､
｀＞ ､ ､＼
／, ∧ ヽ ヽj
/ 7´ 〃 ヽ、 l＼ ＼ 、 、 ｀ヽ __,
-' | / ヽ!│ ｀'ｰ ﾐ､､ | i l ￣／
,!､| l / _ ｀`|∧, -､ ､‐'
｀ ﾌ l jl ヽ､,_, l/ ,_.r,'´ j/ (´｀l ヽ､_
／-‐'7 ', ｒ‐r､' ヾ´ 'ｲて_ﾊ ' ゝﾉ/-‐'´
ﾒ ', '､`-' -‐ ´ __／ゝ あの秀吉が死んだってことで
￣ !' ', ｀´ ! .u /､_ ,＞
', ヽ ‐ 人j､ヽ、 まあ……
,ゝ､ ー- --‐ ／ |／ ヽ、
l l ｀丶、￣_ , ', - ´ 〃l
' ´|ヾ､`ヽく ｀_´- '´ , - ='" /、 ｱｷﾋﾃﾞ
ヽ `> 〃´ ／'´ ／ ＼ ［坂光秀］
ヽ〃 ll , ／
／￣￣￣＼
／ ／ ＼ ＼ はっはーん
／ （●） （●） ＼
| （__人__） | さてはやる夫が大喜びするとか 改めて憤怒するとか思ってたお？
＼ ｀ ⌒´ ／
／ ＼
／￣￣￣ ＼
／ ─ ─＼ なんつーか やらかしたことの規模がでかすぎるせいかお
／ （ー） （ー） ＼
| （__人__） | 秀吉個人に向かってはどーもね 感情が湧いてこないんだお
＼ ｀ ⌒´ ／
／ ヽノ ⌒＼＿_
/ | ＼_＿＿）⌒＼
｀￣＼ ＼ -''' ⌒(＿__)
＼ ／＼ ＼__
` ―─―─´ ヽ＿__）
＿＿__
／ ＼
. ／ ＼ それより怖いのは 秀吉亡き後
. ／ ／） ノ ' ヽ､ ＼
| ／ .ｲ '（ー） （ー） u| 秀吉一人を見てりゃよかったこれまでより
. /,'才.ﾐ). （__人__） ／ よっぽど処世が難しくなるお
. | ≧ｼ' ｀ ⌒´ ＼
／＼ ヽ ヽ
＿＿＿
／ ＼
／ ／ ＼ ＼ さ 情報収集だお！
／ （●） （●） ＼
| （__人__） | やる夫も心当たりをあたってみるお
＼ ` ⌒ ´ ,／
. /⌒〜"￣,￣￣〆⌒,ﾆつ
| ,＿_＿ﾞ＿__､rヾｲｿ⊃
| ｀l￣
. | |
|／ _, -‐ ￣ ￣｀ ‐- 、
| ,. ' ´ ＿＿＿ ｀ヽ、
l／ ,. '´￣ /l l lヽ ￣｀ヽ、 ＼
／ ／ / ｆ┴┴ヽ ＼ ヽ
.., ' ／ ｆ { l ', ヽ j
/ / ', 、 l } j l /
! ,' l l ヽ,-弋´ ｰメ､ノ i l'´
', l ヽ＼.／ｨ''てﾃ｀ー' イミ､､ヽ / //
＼. ', ｀,.=< { !リl {Ｙj｝｀ /ｨ／'"
`ｰ-lゞf ‐､｀ -‐-' ヽ ﾋタ. ｆﾉ´
', l t. u .／`ｰｒ .}| はっ はい！
j `ｰ-‐､ i ,' / ',
､_____ノ ,. ‐ ､,-l＼ ヽ__,ノ _r‐'⌒l_ ＼ _,ノj
＼___, / ｛ ∧ ` ｰ-‐/´ lヽヽ、￣ ノ
ヽ￣´ { /＼ { ', 〈 } ! ｰ＜-イ
｀`ーl l ＼! ／＼ ／ } ノ
,l、l、 r三nｺｭ | ! t--‐'´
ﾄ f ￣ゝ､Ｏﾉﾉ l ! ＞
| ヽt / ﾄYｨ′＼ | | ／ ノ
ズダッ ズダッ ズダッ……
／￣￣￣＼
／ ＼
/ ─ ＼ ヽ ﾌｰ
| （●） （●） |
＼ （__人__） __,／
／ ｀ ⌒´ ＼
＿/((┃))＿＿＿＿_＿i |
.. ／ /ヽ,,⌒) ￣￣￣￣￣（,,ノ ＼ ｻﾗｻﾗ
／ /＿＿＿＿＿＿＿＿＿ヽ.. ＼
.￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
／￣￣￣＼
／ ＼
/ ─:::::::::::─ ヽ
| （●）:::::（●） | ……そうだお
＼ （__人__） __,／
／ ｀ ⌒´ ＼
＿/((┃))＿＿＿＿_＿i | ｻﾗｻﾗ
.. ／ /ヽ,,⌒) ￣￣￣￣￣（,,ノ ＼
／ /＿＿＿＿＿＿＿＿＿ヽ.. ＼
.￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
＿＿＿_
／::: ＼
／:::::::::: ＼ ……どうでもよかったんだお 今さら
／:::::::::: ＼
|::::::::::::::: | 死期のわかりきった秀吉なんか
＼:::::::::::::: ／ヽ
/::::::::: くゝ ）
；|:::::::::::: ／ ；
；|:::::::::::::: イ ；
:::....::::::........ . .::::::... .... ..::::::::::::::::....::::::........ . .::::::... .... ..::::::::::::::::....::::::........ . .::::::... ....::::::::::
.. .. . ... .::::.. . . .:: : :.. . ... ::: :::.. ... .. .. ... ... ..::. .. .
.. . .. .::::: :: :. ... .::::: :... . .:::: .. . .
... .. .. . ... ... ..:: . .. . .. . .. .. . ... ... .. ..:: . .. . ..
. .. . .. ... .. .. . ... ... ..:: . .. ... :: ◯ : . .. .
. .:: : :.. . ... ::: :::.. §. .. . .. .. .. .. ... ... ... .... ..:: .
. .. . .. .. .. .. . . . .. . § . ... ... . .. .
.. . .. .:::: :: -‐'" ﾞ''‐- . ... ... . ... ... ..:: .
..:: . .. . .. ｀`侖侖''" . .. .
-‐'"韭 ﾞ''‐- . ... ... ..:: .
ﾞ''､,,_,,,,-‐'゛｀`''､, ｀`侖侖侖''"
;'' ;~'',;'''',;'';'' ;~'',;''ﾟ ;~'',;;-‐'"韭韭 ﾞ''‐-
,;'',;''ﾟ ;~,;":;;;: : ;: ;: ;::::::｀｀ﾞ''ｰ-侖侖''"::;.-‐'゛~ﾞ｀ﾞ''-、.,,,:: . ... ...
::;.:".:;.:'"ﾞ:.:ﾞ,:;、,"'.:.:;,`:;,':,:;.,:;.:::;.:"ﾞ''､,;.:'"ﾞ:.:ﾞ,:;、,"'.:.:`;'' ;｀`'‐.､;;;;;;;.,.,.,.,..,.,.,.,.
:;,':,:;.,:;'' ;~'',;''ﾟ ;~'',;;~'',;';~.:.:;,`:;,':,:;.ﾞ:.:ﾞ,:;、,"'.:.:;,`:;,':,:;.ﾞ:.:ﾞ :: :;":;; ~ﾞ"'ｰ-;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;...
":;;;: : ;: ;: ;: ; ::; : ;:; :; : :: :; '' ;~'',;''ﾟ ;~'',;'',;' ｖ'ﾟ ;~,;''ﾟ ;~ﾟ''ﾟ ;~'',;'',;'~,;ﾞ''､,,_ｭiｭ... .. .. . ...
::;...;;.;;ii:i;;:;i,'' ;~'',;''ﾟ ;~'',;'',;' 'ﾟ ;~,;''ﾟ ;..;;.;;ii:i;;:;i'',;'',;''ﾟ ;~,;::;.:".:;.:'::;...;;.;;ii:i;;:;i|ﾞ:.:ﾞ,:;、,"ｺｴ...HE
ﾞゞ:.ﾐ,,;'',;' ;~,;''ﾟ ,:;,`ﾞゞ:.ﾐ,,;'',;' ;~ﾞゞ:.ﾐ,,;'',;' ;~,;''ﾟ ;~ﾟ''ﾟ ;"i|:;.::;,,;''ﾟ ;~ﾟ''ﾟ ;":;.::;,ﾞゞ:.ﾐ,,;'',;' ;~,;''ﾟ ,:
:.ﾐ,,;'',;' ;~,;''ﾟ ,::.ﾐ,,;'',;' ;~,;:.ﾐ,,ii;'',;' ;~,;''ﾟ :.ﾐ,,;'',;' ;~,;''ﾟ ,:;,`ﾞゞ:.ﾐ,;'',;' ;~ﾞゞ:.ﾐ,,;'',;' ;~,;,:.:.､;:...:,:.:.､
.:.:;,`:;,':,:;.ﾞ:.:ﾞ,:;、,"'.:.:;,`:;,':,:;.ﾞ:.:ﾞ.:.:;,`:;,':,:;.ﾞ:.:ﾞ,:;、,"'.:.:;,`:;,':,:;.ﾞ:.:ﾞ.:.:;,`:;,':,:;.ﾞ:.:ﾞ,:;、,"'.:.:;,`:;,':,:;.ﾞ
太閤秀吉の天下は終わった。次なる天下は、秀頼のものである。
しかし、他ならぬ秀吉の遺言によって、実権は五奉行五大老が握ることとなった。
―― 第七十三段 終段 ――
家族のために邪魔者を排除ってのはやる夫自身もスケールが小さいとはいえやってきたことなんだよなあ
もちろん他の生き残っている大名家は全部そうなんだけど
政治家にとって最も幸せなことは、
個人的な利益の追求が属する集団の利益の追求になる事である
しかし、秀吉はいろいろな意味で凄すぎて
どう評価していいのか分からんキャラになっているよねｗ
これからついに関ヶ原へ突入してくんですなぁ
乙
今更なんですが、こういう東北の局地的な目線から見た歴史もまた面白いですね。
>>434
ある漫画の信長の言った「神仏奇跡を信じるな」を思い出した
しかも善光寺仏の動座に合わせて鼻狩りとかやってるし
今更神頼みは……
体験があるからな＞秀吉
都人にはどっちもイタタに見られたらしいけどね
慶長見聞書、落穂集、信府統記あたりに大仏や善光寺如来の罰が当たって死んだ、
みたいな風説が流行ったことが書かれてる
>>484
都人は成り上がり者の秀吉が何をやっても文句をつけただろうなという気がする。
ただ、当時の常識からして罰当たりなこととかやったらそりゃ辛辣に見られるさ
増して秀次事件とか長期の唐入りとかで政権の評価が地に落ちた後だからな
何をしようとしてた５年前の俺
名前を見るたび起動しハマる
読み込みの不具合かと思ってスレ25のログ削除しちまったよ保存してないのに…
ttp://ux.getuploader.com/yaruo6th/download/715/1391320805.dat
落としおわったら教えてくれろ
ありがとうございます。助かりました。
２月２２日のパソコンが吹っ飛んでいるAAが、俺の手元に残っているログの最後だ・・・。
まとめサイトで間のエピソードを読んできます。
続きはよぅ
なぁに運が良ければ生き残れるさｗ
伏見城と並べるなら大垣城あたりかな
木が生い茂って思ったよりも見通しが良くなかったが、
基本的に高い建物が無かった往時は、「標高が高い」というだけで価値が大きかったんだろうなあ
・・・山形城といえば狐耳一人称わらわの変身系娘ですが、
ほんとは天童城のほうにお稲荷さんに関する逸話があるんですよね。
機会があればAA化します。
なお>>456で秀吉の命日間違いという恐ろしいことをしました。
正しくは八月十八日ですね。訂正いたします。
┏━━━━━━━━━━━┓
慶長三（1598）年 八月
伏見 最上屋敷
┗━━━━━━━━━━━┛
y y
i､ __ ＿, --- ､＿ _ r'
｀ヽ (ノ´ 二ニ二 て) / ｼﾞｰ
i､,〉'<入_li il_入>tｲ､ﾉ
〉ー,---─---一'〈
d〉､＿＿_,､＿＿_,_j.b ｼｬｼｬｼｬ ｼｬｼｬｼｬ ｼｬｼｬｼｬ
〈ﾊ´ ; ; ｀ﾌ〉
rﾄiﾚ ﾉj,ｭ､ ｼｬｼｬｼｬｼｬｼｬｼｬ ｼﾞｰ
j iﾊi j､ ､ , ,iﾊ!| l
/ l川ヽｰﾆ｀ｰ‐'´ﾆ‐'rハ! l ｼﾞｰ ｼｬｼｬｼｬ
ﾉ ,l∧!ヽ'´ ,-─-､ ｀斤ﾊﾙ i
' |i iミ､r ' `Y ﾒ' l∧ ｀
'|j ﾄシ`､,-─-､'ﾉヘ､j' ﾊ
,１ﾚ「`ﾋハﾆ二ﾆハﾉﾖ'´､i,」､
ノ | l iト､ﾋ三ｷｰ≠三土ノＶ| ヽ
´ |',V｀ΥＬﾆlニlﾆコﾍΥ´V| `
l 从ヽ ､ー-―ｿ'ﾉ ﾉ从 l
l l Ｙヽヽ ＼i／ノｿヽK jl|
. lハハ､,ｿ7 ' ,Y / ﾉ､Nlｿ
lﾉヽ ヽ ｿ Ｖ ﾉ k ｿ
ゝ j Y V ノ,iﾘ
ヽi y 亡 iﾘ
｀´ ｀´
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─ ＼
／ -=・=- -=・=- ＼
| （__人__） U | ……生死不明？
＼ ｀ ⌒´ ／
ヽ.｀ヽ、
, -‐―- -`- ＼ヽ、
､ ＿ , - ',´ ｌﾉi
＼ ￣ ￣ ´ '-､
｀＞ ､ ､＼
／, ∧ ヽ ヽj
/ 7´ 〃 ヽ、 l＼ ＼ 、 、 ｀ヽ __,
-' | / ヽ!│ ｀'ｰ ﾐ､､ | i l ￣／
,!､| l / _ ｀`|∧, -､ ､‐'
｀ ﾌ l jl ヽ､,_, l/ ,_.r,'´ j/ (´｀l ヽ､_
／-‐'7 ', ｒ‐r､' ヾ´ 'ｲて_ﾊ ' ゝﾉ/-‐'´
ﾒ ', '､`-' -‐ ´ __／ゝ そういう報告になりますね
￣ !' ', ｀´ ! .u /､_ ,＞
', ヽ ‐ 人j､ヽ、 どこの誰も 正確なところは教えてくれないんすよ
,ゝ､ ー- --‐ ／ |／ ヽ、
l l ｀丶、￣_ , ', - ´ 〃l
' ´|ヾ､`ヽく ｀_´- '´ , - ='" /、 ｱｷﾋﾃﾞ
ヽ `> 〃´ ／'´ ／ ＼ ［坂光秀］
ヽ〃 ll , ／
＼、
ヽ＼
,..-─.､､.＼、
ヽー-....-−":::::::::::::::::::::::::::::ﾞ:ヽ
＼__:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾞi,
/,:::::::::,:::::.∧::::、::::::::::::::::::::::::::ヽ
__,ノ''ﾞ:::::::.ハ ::| :、::l＼:::::i、::､:::::::ヽﾞ､__,
＼:::::::ノ::i:/ __､!_ l::.! ヾ::|ヽ::|、､__:::::::7
ﾞ7,::::;､l､.´ ﾞ≧､ |/=＝"ヽ- ﾞ! ,､!:::::::/
,／::::| ゝ ( !・jヽl '::ｨ!・! ) :l"ｌ.ｌ,: イ 太閤の病状に異変があったのは確かっす
￣ﾞｊ.!.ﾞ| ´ ﾞ: ｀ ';'/r-､|
"ヽ! .:. .,i-":.iﾞ 徳川様も前田様も 生きておられると口では言いながら
ヽ __ , ".!;;:: ヽ、
ﾞヽ、 -｀ ,／, " .=＝l どうも奥歯に物が挟まったみてーな表現で
,,.￣ ＿_,,,... 〉
/ .／ ￣ ﾞ.ヽ、 }
{ , .／: : : : : : : : : : :l :|、
ﾞl./.,: : : : : : : : : : : : :.l !:.|
/|/: : : : : ;,: : : : : : : :l l: :ｌ
,! j: : :,,;;;／: : : : : : : : | |: :|
＿＿__
／ ＼
. ／ ＼
. ／ ／） ノ ' ヽ､ ＼
| ／ .ｲ '=・= =・= u| ほんとは亡くなってるけど 隠してるんじゃないのかお
/,'才.ﾐ) （__人__） ／
. | ≧ｼ' ｀ ⌒´ ＼
／＼ ヽ ヽ
､ ＿ , - ',´ ｌﾉi
＼ ￣ ￣ ´ '-､
｀＞ ､ ､＼
／, ∧ ヽ ヽj
/ 7´ 〃 ヽ、 l＼ ＼ 、 、 ｀ヽ __,
-' | / ヽ!│ ｀'ｰ ﾐ､､ | i l ￣／
,!､| l / _ ｀`|∧, -､ ､‐'
｀ ﾌ l jl ヽ､,_, l/ ,_.r,'´ j/ (´｀l ヽ､_
／-‐'7 ', ｒ‐r､' ヾ´ 'ｲて_ﾊ ' ゝﾉ/-‐'´
ﾒ ', '､`-' -‐ ´ __／ゝ そう考えるのが自然っすけど 確認する方法もないわけで
￣ !' ', ｀´ ! /､_ ,＞
', ヽ ‐ 人j､ヽ、 やっぱ不明としか
,ゝ､ ー- --‐ ／ |／ ヽ、
l l ｀丶、￣_ , ', - ´ 〃l
' ´|ヾ､`ヽく ｀_´- '´ , - ='" /、
＿＿＿_
／ ＼
／ _ノ ヽ､_.＼
／ （●） （●） ＼ お偉いさんたちも タイミングを測ってるところかお
| （__人__） |
/ ∩ノ ⊃ ／ んで
( ＼ ／ ＿ノ | |
.＼ “ ／＿＿| |
＼ ／＿＿＿ ／
＿＿＿
／ノ ヽ､_ ＼
／（●） （●.） ＼
／ （__人＿,） ＼ そっちは？
| ｌ^l^lｎ ⌒ ´ |
＼ヽ L ,／
ゝ ﾉ
／ /
/: : : : : / : : : : : ＼: : : ＼: : : : :＼
/: : : : : / : : : :, : : : : ＼: : : ＼: : : : :＼
/: : : : : : : : : : :/: : : : : : : ＼: : : ＼: : : : :>
/: : : : : : : : : ／: : : : : : : : : : :} : : : : ＼／
/: : : : : : : : : /::/: : : : : : : : : : /: : : : : : /
〈: : : : : : : : : /_/:_:_:_:_: : : : : : /_:_:_: : : :/_
＼: r ､: : :∧ 弋ノ ヽ}: : : :>'弋ﾉ∧: :/三
ﾚ/ヽ∨ ￣￣ /: :／〉 ￣ !/三三 それはまさか この俺の対上杉外交を心配しているのか？
|{ >' | {／ ' }三三三}
＞' | ー‐ｧ /三三＞'{ ふん 見くびってもらっては困るな
／ ! ＼ ∠二＞' |
〈 | ＼ イ: :i !
| {-} ! ＞ 7--_'＿|:_/ |
{| | ／ ////////} | ＿_
| ! ／ /////////,L ＿＿＿_ ｣＞´: //
|＿＿＿_／ //////////∧:_: : : : : : : : : : ://:ヽー‐ ､ ［江口五兵衛］
／ {-} {////////////>､＼: : : : : : ://ー' >
_....:::::::::､...__
...::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
／:::::::::::::／::::::::::::::::::::::ハ
{:::::::.＞ヽ::／／::::::::::::::::::ハ
i::::::f 1ヽ}/／∠::::::::::::::::::::::::
.::::::::ⅥУ〃 ﾄ､-=彡ィ::/::::::::
/:::::::::ゝ }' { fｯ<_::::／/::::/:!
｛＼/::::::／〈 ＞'_彡イ／/::」 畿内で培った人脈 甘く見るな
j [/:::／ i ､￣ (歹''゛￣
(ﾉ ｀< ＞ ´ 上杉家中も詩歌は盛んなんでな 歌仲間はそれなりにいる
≧=- _＿_ ..｡く 〇 ＞､ ト､-'´
ｉ r::､ ＜ヽ. ｀丶 〇|| ﾚヽゝ
| ／≧z､ `ヽ◯ ＼ |ト--〈 厶_ ／]
ﾚ三三三＼ 丶_＿ `{＼三Ⅵ＿_｀´ !‐-､
_ _
／: :`: ´: :＼
. : : : : : : : : : : : ヽ
/: : : : : : : : : : :l: : : ヽ
/:./!: :/／ : : : : | : : : 〉
∨_|l/ﾉ彡ノ/: : :} : 〉:./ 今は家中筆頭の直江兼続につながるラインを探っているところだ
{〈V弋ｧｲ: : ,zｧﾇ';У
ヾﾍ_￣/イ ￣ﾊｿ __, そして保険としてもう一つ
r＜ |､ ー' ｲ:/r＜ /
「ﾆ - _ (} Ｏ |::｀:ｰ:´::|' ! / ／}
| | ＼ ｀ヽ､__,ﾄ､j＿＿ヽ-‐ｧ:::|ﾐ l＿|_ ィ/∠ |
| | ＼ ◯ 丶 Ｑ/::::::::||::|//// O,|
| l ／`ヽ＼ '.:.:.:.lﾄ､ ::: ||::|/// j
∨::::::::::∧ ヽ .:.ll:::',:::::||::|// /
_>:::::::::::∧ Y´) O:ll::::ﾍ:::!!::!/ ◯/_
≧=::::ｰ:::::〉 ,!｀ :ll:::::::Ⅴ:::|iＯ /::/
У冖≦::/ ll:::::_文:::| Y≧=＝
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─ ＼
／ （●） （●） ＼ 伊達も国替え後は領国再建で苦労してるみたいですし
| ___'___ |
＼ `ー'´ ,／ 以前よりずっと与し易いんじゃないですか？
/⌒ヽ ー‐ ｨヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ ／ r─--⊃、 |
| ヽ,.ｲ ｀二ﾆﾆうヽ. | ［最上義康］
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
_ _
／ ｀ '´ ＼
/ ＼
./ ヽ
/ ｲ ヽl|‐､ l/ と 若殿がな
〈/_l | 八 斗‐ﾍj )〉il
｀ヽ{､_＼{ ｰ‐' r'_!| 伊達の国元衆と話をつけたいようだったが
＿ヽく __ /! ＞､
| ＼＿ /..| 0 | ＿＿
__| ｛:::::::::::| _. |＿ -‐=イ: :￣: :}
「＝‐-‐＼￣ ＝l::＼￣ O／z‐､: : : : : /
| o ∨::::::::::::::::::> Kc j/:::::::::::ハ : : : /
人 〉::::::::::::::::/ Y{:::::::::::::::::::|: : :/
/:::::::ヽ o/ /::::::::::::::::/ O 「::::::::::::::::::::|: :/
＿＿__
／ ＼
. ／ ＼
. ／ ／） ノ ' ヽ､ ＼ うーん ヨシのやつを追い出した伊達と……
| ／ .ｲ '=・= =・= u|
/,'才.ﾐ) （__人__） ／ なんて好き嫌いは言ってられんかお
. | ≧ｼ' ｀ ⌒´ ＼
／＼ ヽ ヽ
＿_
,.-''";;;;;;;;;;｀`'ヽ､
／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、
/;;;;､;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;､
,!;;;! '~ "~ `i||i" '' `ﾍ;;;!
|;;;| ヽ` u ﾐ;;;|
_ゞ;!,-;;;;;;;"ﾌﾉ ヾ`;;;ヽ ､ﾐ;ﾘ
!ﾍl;|.,,_==-､く｀ ,>ﾞ-== 、｢ヽ
!(,ﾍ! ￣'" |ﾐ.'￣" , ﾄﾞﾘ 在京してる関東奥羽越の諸侯とも ますますうまくやっていかんとな
ヽﾞ､! !ﾐ ,ﾚｿ
`| ^'='^ ﾑ'′ 上杉と対峙していくには 相当に微妙なさじ加減が必要だ
. ﾄ､ ､,.-‐ ､,, /|
i| ＼ ' ニ ｲ.:|
,ｲi| ﾞ､＼ ( ／ﾘ.:;ﾄ､
ノ :.:i| ﾞ､ `ｰ─''ﾞ:::;:'::::::!:::＼ ［堀喜吽斎］
＿＿＿_
／ ＼
／ _ノ ヽ､_.＼ しばらくは均衡を保っていくしかない かお
／ （●） （●） ＼
| U （__人__） | でも最後の担保はやっぱり
/ ∩ノ ⊃ ／
( ＼ ／ ＿ノ | |
.＼ “ ／＿＿| |
＼ ／＿＿＿ ／
_ _
／: :`: ´: :＼
. : : : : : : : : : : : ヽ
/: : : : : : : : : : :l: : : ヽ
/:./!: :/／ : : : : | : : : 〉
∨_|l/ﾉ彡ノ/: : :} : 〉:./
{〈V弋ｧｲ: : ,zｧﾇ';У 畑谷 上山始め
ヾﾍ_￣/イ ￣ﾊｿ __,
r＜ |､ ー' ｲ:/r＜ / 国境の城砦は街道警備の名目で普請を続けている
「ﾆ - _ (} Ｏ |::｀:ｰ:´::|' ! / ／}
| | ＼ ｀ヽ､__,ﾄ､j＿＿ヽ-‐ｧ:::|ﾐ l＿|_ ィ/∠ |
| | ＼ ◯ 丶 Ｑ/::::::::||::|//// O,|
| l ／`ヽ＼ '.:.:.:.lﾄ､ ::: ||::|/// j
∨::::::::::∧ ヽ .:.ll:::',:::::||::|// /
_>:::::::::::∧ Y´) O:ll::::ﾍ:::!!::!/ ◯/_
≧=::::ｰ:::::〉 ,!｀ :ll:::::::Ⅴ:::|iＯ /::/
У冖≦::/ ll:::::_文:::| Y≧=＝
_-─―─- ､._
,-"´ ＼
/ ヽ
/ ＿／::::::＼_ヽ
| :::::::::::::: ヽ ……やれやれ
l u （ ●)::::::::::( ●)
` ､ （__人_） / あとは奉行大老たちの動向次第かお
`ｰ,､_ ／
／ `''ｰ─‐─''"´＼
○ 第七十四段 ： 狐狸の都
八月十八日。豊臣秀吉は病没した。
しかし、豊家と公儀幹部の総意により、その死は隠蔽された。
`ミ￣::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::厶＿__
＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／
弋￣:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/＿＿
＼￣:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／
＞::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
≦::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／/::::／::: |:::::::::::::::::::::|:::::::::::::::::::ミ三
￣/:::::::::::::::::::::::::/／__/／|/:::::/|::::::::/|:::::::::|::::::::::::::::ミ､
. ／:::::/⌒|/::::::::/ ＿__≧､|::／ i: : /厶 |::/::::::::::::＜
フ::::::|厶〈|::::::|/ ヾ じ￣｀ ヽ .|／,≦__|/::::::::::::::::::ト､
∠:::::::∧. { |/|/. `ｰ ´じ￣'/::::::::::::＼￣
￣／:::＼ `ー' |::::::::::::弋
,.イ::::::::::::|､ i /::::|＼| 唐・高麗での戦争が心配だ
|／|::::: | ＼ ´ / /ｌﾙ'
. 川/ ＼. ,-――ｧ .／ 公表は撤兵のめどがついてからにしたい
__/. ＼ `ー―' .／
. / `ー――‐ ､ ＞､＿ , ´
/ ＼/
7￣￣￣ ｀ヽ. ＼
/ヽ＿,／ ＼ ＼_ ［石田三成］
. / ＼ /
/. ／´ ￣＼ .＼ .∧,
ヽ ＼/＼|
秀吉は死んでいない。つまり、この時点で遺言は効力を持たない。
,..::;ﾆ＝-､
i::/ 、
,ゞｰ--‐::':::|,..-;:ァ
／:::::::::::::::;::::::::!::::::｀丶、
/::/::::::::::/:/|;:::::;!i::i::::::....､ヽ
l:/::;'::::'オ/ !:::/へ|:::::::::::ﾞ:.ヾ:、
,!,イ:::::/ !′ l::/ .lﾊ:::::|;;::::l
/i:::::!::/iTﾆT ,!;' ｲﾆﾘ,!:::l｀､:|
!:（|:'!::l ゜┘/ ﾟ‐：!:}::! ﾞ! 異議なし
|::::M::::!､ ο .ィ:i!ﾘ
|::::|:::l:::ﾚﾞ'ﾏ¬＜:!::|::|
!::::|x<!:l |―| ,l:::|:::!
l::::::;!ヾｌ:ﾄﾐヾ、l〃!:ハ:|
,':::::::| ヾ＞ﾐV∠}′ i|
l::::::::{ ,r=-=ニＬ._〉,ノ l|
,!:::::::::l |l!l!|´ |!
!:::::::::::ﾄ、 |＜ ＿/:| ［徳川家康］
!::::::::::::ﾞ7ー イ丁´「 〈::::::|
l::::::::::::/ l | | l ﾞ､::::|
重臣たちは自らの行動規範を、秀次事件以降、秀吉がたびたび提出させた誓紙に求めた。
特に、この十人の会議が設置された際の「御掟」「御掟追加」が重視された。
＿＿＿＿＿_
／ / ⌒ヽ ⌒ヽヽ
/ , ┤ ／･|・＼ |､ ＼
/ ／ ` ー ● ｰ ′＼ヽ
l / ── | ── ヽ 二国との停戦 そして数万人規模の撤退か
| / ── | ── |
l | ── | ー─ ｌ 気が遠くなるね
l | | /
ヽ ヽ ／￣￣￣＼ /
>━━━━━Ｏ━━━く
/ ／ ヽ ヽ ［前田利家］
その基本方針は守りつつも、彼らの綱引きはすでに始まっている。
. ､＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
､＞ |
＞＿＿＿＿＿＿＿＿ .|
￣ .|./＿ ＿＼ | |
| / ヽ／ ヽ | |
. | | ／ | ＼ | V⌒ｉ
|.＼ 人＿_ノ 6 |
／ ○ U / ………
. ε 厂
＼ ＿＿＿＿_／
￣￣, -/へ／＼/｀- ､
／./ ./op i. ＼ ［増田長盛］
,ｨ ／:::::::::::::::::::::／,. .へ..
.／ :ﾚ´::::::::::::::::::::::/.イ:::::::::::::::｀ :::,.=-
／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＜
/::::::::::::::::::::::／(:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀丶、
. {::::::::::::::::::::::::'´） }::::::::::::::::::::::::::::::ヾ::::::::::::::::: ＼
、::::::::::::::::::／ '―-、r―-uヽ、ヾ:::::::::::::ヽ￣ ヽ
ﾄ、、::::::::::::::::⌒ー:::::―-,r'´￣ヾ::::::::::::::::::::::::＼
l:::ヾ;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}
’;::::::'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/
':;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::、:::::/
＼ﾊ:::::::::::::::::::::::::::::ﾄ、:::::::::::::::::::::i、:::ハ:::/
,ィ!ヽ〉::::::::::::::::::::::::::', ヽ:::::::::::::::::::l_ソ :;:;ｿヽ
／:;:;:ﾊ ヽ:::::::::iヽ、::::::::::}―＼:::::::: ;ｨ';:;:＼;:;:;:;:;:ヽ、 撤兵っすかぁ
:;:;:;://:;ヽ_〉、::l￣ ＼::{ﾘ ｊiﾂ iﾊ:::/ﾉ:;:;:;:;ヽ＼:;:;:;:;:ヽ
:;:;:;:;＼ 、 ;:;:ヽト `,_ ´ __、 ﾚｲ:;:;:;:;:;:;: ／,:;:;:;:;:;:;:}
:;:;:;:;:;: //:;:;:;:;/、 ＞ ￣￣, イ |;:;:;:;:;:;:;:< :;:;:;:;:;:;:;:;:;:!
:;:;:;:;:;//:;:;:;:;/＼＼ ￣.／／ヾ;:;:;:;:;:;:;:＼ ;:;:;:;:;:;:;| ［毛利輝元］
./:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;-;:;;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;'
/:::::::::::::::::::::::::::;: 'ｨ:::::;' //|::::::::::::::;;:::::::::::::::::::::::::::::::::yi
./:::::::::,ｨ::::::::::::／ |:::;' |:{ i::::::::::::/ ヽ;:::::::::::::::::::::::::::::/
'::::::／〈::::::::∠二三!::|==';|__':;::::::/`ヾ }::::::::::;、:::::::::::::::`..、
i／ .';:::ｲ≧=ミ ≧==―弌:::{ミ、ﾉ::::::::/ .',:::::::::::::::::::::',
V}!＿n,,ﾘ ﾐ,,,￣ﾞﾞ`丶,';:i 〉:::::／ ヾ .';::::::::::::::::::::',
;λ￣ `丶、n_`, ムイi＼ヽ、 .',::::::::::::::::::::', 殿下は 西国の軍事は俺に任せると
,' }.、 ￣ /:::::::ヾ、 ,,〉:::::::::::/;ﾊ'
', 、 , /:;,x'⌒',::`´:::::::::::/ 生前そう言ってましたっけねぇ
', ￣￣￣ '´ ヾ} ,':::::::::::::;:;'
', ﾉ ,ノ,.'::::::::::::/ 領国からの近さもあるし 名護屋には俺が行きましょうか
', ,、ｰ’,...イ::::::::::／
ー-..................... イ ￣/:::::::::::;:/
} ＿_ /:/i／j/´
＿_....-_‐..二二L. -― ¨¨￣ .￣７
、 ヽ、 ＿ ... ＝-―＝┴-..、
. ヽ、 ｀i ／ ヽ、
／⌒ヽヽ
__＿ ,、＿＿ |/
‐＝ﾆ_ : : : : ｀Y: :`: : : : : : ｀ ヽ、
, イ: : : : : : : :l: : : : l: : : : : : : : : ＼
／;:／: : : : : : : |: l : : |、: l: : : : : : : : :ヽ
/／/ , : : : : :l_:_/|: l : : l l_:_|_: : : :ヽ: : : : l
/ /: : : :/ 'l:./｀|: l: : { ´l: |､｀ヽ: : l: : : : !
,' /| : : /: :/|{ l/l: : | ヽl ＼: : :l : : : l
|/ |: : /: :ﾊr┯┯ l : | ┯┯yl : |: :＼l
. |: :lｲ ;'ハ ｂ::| ヾｌ ｂ::! l l: l｀ｌ:`ﾒゝ ……アタシだって 諸政務の面倒を任されてるしなあ
ヽ| ﾚ |: :ｌ ￣ ￣・ ｌ l/ｰ': :l
l.:|: :ゝ､._ ｰ'ｰ' _,.ｨ': : l:: : :| 毛利さんの金魚のフンってことで ついていこうか
|.:|: : : :__二７T ¨´lヽ､| : :l: : : |
|.:|: : :|| l´＿__7 |: : |､: :│
|:,ゝ､:ヽ │ / /: :/ !:: :|
|:l＼ヽ: l | / l: :/／.|:: :|
撤兵は確かに困難な事業である。
しかし、唐入りに投入された十万を超える軍団に影響力を及ぼせる、絶好の機でもあった。
,. -――‐- ._
,. '´ /⌒ヽ /⌒ヽ ｀ヽ
/ ! ｏ l_!ｏ ! ヽ
.. / ,. ‐へ＿,ノ-ヽ＿_ノ‐､ ﾍ
,' / ｀`'''ｰ- ﾞ､_,ﾉ -‐''" ヽ ', ……秀頼公の意志を代行する役目も必要じゃないかなあ
! l ￣￣_ | _￣￣ l |
l l ‐弋´ ｜ ｀~ﾌｰ ! l 僭越ながら それは僕だって思うんだけど
. ', ', ＞-､_ | _,. -'" / /
VV { ） ￣ / /
ヽ／ ｀ー'＿＿＿＿＿,/／
/ /--/⌒ヽ----┘、
l / ﾋΤﾌ ヽ ＼
軍事力を担保に世を渡ってきた戦国大名の代表格、五大老たちはその意義を的確に把握していた。
当初、引き揚げ事業は大老たちが所管を主張した。
､__｀≧=-.:／.:.:.:.／..:.:/:/.:.:.:.:.:./.:.:,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`ニＺ.´
､_｀ニ ⇒..:.:.:.:.／.:./.:./:/.:,:.:.:.:./.:.:/.:.:i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.;.:.:.:.:.:.:.-:≦二、
`'¬彡.:.:.／.:././.:./:/.:/.:.:.:/.:.:/.:.:,:.ｉ.:.:j:.:.:.!.:.:.:.:.ｉ:.:.:.､:.:.:.:.:.ー'Ｚ＾
ー=≦／.:.:.:.'ｉ:.:i:./i/,〃.:.:/.:.:/:/:,1:.!:.:'i:.:.,1:.:.:.:.:!、:.:.:＼:.､≦二
__彡.:.:.:./.:.!:.:!∨/l/!:./.:.:,.:./:/ }:.j/_j:/.｣:.:.:.:ｉ:|い:､:.:.:.:＼く￣
｀¨ア.:〃.:.:!!.j厶{劣iｲ.:.:/:/:厶イｨ岱㍉〕.:.:.:ｉ从Ｖ.:＼_:_:_戈
/／/.:/.ｉ|i∧ {iJ＾|:./:/i/'¨下'{iJ ﾉ从:./:.}:.川:.:ヽ.≧=-
´ /イ.:/!い＾`＝‐彳/ ‐＝'^″}':.://∧＼:.:＼_
|/|小.i '｣〉 /イ､く:＼ヽi^''ｰ一 それには及ばねえ
|;小 !{ /|｢:.､:＼｀:ト
、 / !!:厶トへ|
＼ ─…‐- ' ｉ｢》} 〉
.＼ ／ ／″ /{
／／个 .___ ´ r＜ / }
／／ /j }/ハ / _,厶__
}＼|:.Ｖ.:.:|/.:.:／／.:./´.:∠二 __
_＿ヽ.:.ヽ:.:.:´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:‐＝二´
､_｀ニ ⇒:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.￣`ﾆ=-
､__｀≧=-.:.:.:.:.:.:.:.:.:./.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:∠二.
__｀ﾆ=-.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.-ミ一
___フ.:.／.:.／.:.:.:.:./.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.-､`=-
｀¨ア.:.:／.:.／.:.://〃.:.:/、.:.:.!.:.:.:.:.:.:.:､:.:.:.:.:＼_
__彡:／.:.／;i≧劣;/!i:.:/!ｉいj:_ij_j:.:.!:.:､:.＼:.下￣
｀¨7.:.／.:/代{ 〔入,|j/､j:じ斥;!!T:l:|:.:.:.＼:.∨`
/／/.:/{｜ ￣ j ｀ `＾ ﾞｰ'_}} !从:.:.＼い| 名護屋には俺が行く
´ 'イ:公; } ￣ /!｢}＼:.､{`
l//小. , - ､ 厶iへ:.:.:Ｖ^ 検地やらなにやら 九州での仕事は慣れてるからな
'イ|小. {_ ) ／.:.}.}:､:.:い|
／￣`￣] ､ ￣ イ厶ｨ;仏ハ| それにこういう実務は やっぱり奉行の仕事だろ
{∧ . /} ￣ .〃￣`う
.__／ }、 Vくj_ ／ {_,厂 {
., -‐ ￣／__／ハ !:_: :`'ー＜__ _／} 〉
/i ￣ 〈 i`ｉ￣ : : /￣´ ハ へ.
,ｨ,"二､ヽ、
/'′ ｀j,!
,.ゝ.-.‐.‐.-. ､,／ヽ_
,. :': : : : ; : : : : : : : : : |−`=-.､
. ,:': : : : : :／: : : : : :,!. ! ｀ヽ
,/: : : : : :,:'.:/: :_:,,:.//'|:,: : |_: : ヽ､ヽ
.i: : : : : :,:': /: : : :// j.:i: :.ﾊ: ::::. :i｀ヾ:､
j: : : : :./: /: .:: :./'′ j;ｲ / .|i: ::!:. i
.!: i: : ;': ;ｨ.::::: :ｫｵ云! '゛!:伝'::l.;:ﾊ::.|
! |: :.ﾚｸｲ::::;ｲ| V | / lｿi!::'/ l::| ごもっともだけど 石田くん
ｌ:j: : .:::!_!:/:::l:| ｀´ _ ,' ,!V ﾘ
j:ｌ: :.:::: !|':|:: :l:!_ `",イ:| キミの格で 諸侯に抑えが効くかどうか……
!!: :.::::|:::;{:: : l! K二`＾!|:!:::|
l!: .:::::|/_ Ｖ: : ﾞk'（ |゛|::|
!: ::::::l三ミ､Ｖ: :iﾍヽ ﾄ､|:l
,' :::::::{'⌒`ヾﾐヾ:|､`| ! V
ヽ二二二ヽ:::::::::::::::::::::ヽ:::::＼ /!
=ニ￣::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ＼ | | /|
＜_::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＜｀ヽヾ V ﾚ'!
￣:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::_-＝二 / /|
::::::::::::::::::＿::::::::::::::::／二≧-｀ヽ、 ﾚ' /
::::::::::::／〈りﾌイ::／ ≧ミ＜::::::Ｚ_ /イ_,.
::::::::::::| ヒｧ'´ ﾚ' ヾ じﾊフ／,.イ､＿／
::::::::::∧_｀ `ーフイ::::::∧ ＼_
::::::::::::,.ｲ ,. ＜ >//小￣´
＿_∠ ＼ く｀^' ､,＼ イ::ﾚ!:Vﾍ ﾄ､ じゃあ 浅野さんを連れてく！
::::::::::::＞..､`ヽ、 ｀ヽ ヽ. 从/:::/ ヽ!
:::::::::::::::::::/ ＼^/´,.ｲｲ∧/ それで文句ないだろぉが！！
::::::::::::::::/ ヽ ,.' ﾚ′
:::::::::::∠., ｀ｧ‐- ` ._/
:::::::::::::::/ /
::::::::::::/ ／/:＞.､
:::::::::∧/ /::::::::::::::>
:::::::::| ＼::::::::::／
/ ' ｨ１:::::::::::::ヽ !
｜ ! ／::|! lﾄ::::::::::::::|ｌ｜
/| ｌ ／_|!:::|! l |::::::::!:::|!｜
' | ｌ ／ｒ┘､＿ ｀≧ﾘ::::}! | て
/ 釗 ! ／:::::| ‐危ﾃ ´ヽ攸:::::/ / （
, ' | ｌ /}::::!::::| ｀¨´ Y::::/ / （ はっ！？ ちょっ 私？！
＿,/ l | l /⌒ヽ::::| u ＿__‐ｒ┘/ / ⌒
::::/ l | ｌ /／⌒|::::ﾄ ､ 〈ニＹ/::／/∧､
::/ ヽ ｌ | ｒ'´ ,. - ┤::|（:::｀ −':::/／/}|｜|
::! ヽ ｌ | 乙 - ─ヽ:j ヽ::::ヽ:/ /〃 ﾊﾊ
::! ヽl | `Ｔ ─ｒ /::! }!::／ ｲ /{!/::{｛｝
へ、 ヽヽ､ ! （ {凵 ／ ／//／::::::`:ﾍ ［浅野長吉］
し'⌒ヽ、 丶、｀ヽ ＼|∠＿'´／／::i⌒i::ト､_〉 ／）
/⌒ヽ:::::｀ ヽ 、 丶 ヽ ＼ー､＼'):::::::l l::|ミミ! ／／／ ）
/::::::::::::::::::::｀ − /ﾊヽ ＼- ､＼::::`ｰ':::!ミ!ﾍ ／ '／ ／ ）
−' ／⌒ヽ、::::::::::::::l !:::j lヽ ヽヽヽ!::｢￣´ミ!ﾍ冫 ' ／ ／ ／
−'/ ' / '｀ - ､_:l し'丿::ヽ ｌ｜ トｌミｒ‐'＾ﾍ冫 / ' ／ ／
/,人人人人/／￣ ｀ − ､＿ヽ |｜ | ＼ ﾍ ﾍ冫 / '´ ∠ ― つ
／〃/ ／／ ／, −`ー 、 ! ＼冫 / r‐ ￣
／〃／／ ／／ ／￣￣￣￣￣￣￣ /
} | ヽ. ヽ ＼＼ ヽヽヽ. |l ヽ
ｲ | ヽ ヽ | | 、 Ｌ! ＼__j｣ | ｜
l | { , ﾍ. | └┘ ｀¨¨´￣ | | ﾄ､｜
| L厶‐'´ ＿,.＼j -＝ｔ‐┬‐'} } ! }｜
r┘ ￣下丁￣ ､_ |{ _j＿`１ | jノ
| ` ='ゞ亠‐' |｜ ￣￣ l |
｜ ｜| | | （まったく強引というか
! i | | | |
l l / ｜ 身勝手というか……）
卜 し _＿ /} |
| ﾄ 厂 _＿〕 く｜ ｜
├'´ ヽ ｀¨¨ ￣ ／ | |
! ､ ,.ｨ l ﾄ､
ﾄ､ ｰ---イ | l | ＼
! ＼ ハ | l !
結局、撤兵作業は大老から奉行の所管に切り替えられた。
十人衆が発足して直後から始まる主導権争い。露骨になったのは、秀吉が病に倒れた夏以降だ。
l｀: .､ |:/
__|: : : :`:-:‐:''':''':'': :‐. .,,_
_,,. -‐'',,."￣: :.|: : : : : : : : : : : : : : : : :｀: .、
,.-,."-‐''／´: : : : : :.|: : : : : i: : : : : : : : : :､: : : : ヽ
,.-'"'" ／ ;. : : : : : : : :|: i; : : : i: : . . ＼: : : :':,
/ :/:/ . . : : : :.;|: :i; : : :.:ｉ: l; : : : : : : . . 、＼: : :',
/ /./. : : : : : i: : :.i i: :|ﾞ､: : :.:i::lﾞ:､: :､_;,.: : : :ヽ: :ヽ: :.!
/／j:.;'.: : : : : :.::|:_:_:ｌ i: l. ﾞ:､: : ::!i 弋ﾞ:＼:::. : : :.ヾ: ヾ:j . ､＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
// .!:l: : : : : : ::::}: : 厂丁{ ﾞ:､: ::i:! ヾﾍ＼:::. : : :i; : ﾞ! ､＞ |
..〃 l:l: : : : : : ::::|l: :.ｌ Ⅵ ﾞ:､:.i =キ三≠i､: : : :iﾍrゝ ＞＿＿＿＿＿＿＿＿ .|
/ lj: : :,|: : : :::Ｎ: :ヒニ干ｷ ヾ! |ノしｲ| lﾞ;:､: : :iﾍ ￣ .|./＿ ＿＼ | |
.l: :./ !: : : ::|::}; |ﾞ:,∨しｲ} ヾ＿ｼ l:;::::ﾞi､: lヾ:、 | / ヽ／ ヽ | |
!:./ l: |; : :l::ﾊ:ﾄ、 ヾシ' ・,!;:::::j:,:ヾ| ` | | ／ | ＼ | V⌒ｉ
V l:.!ヽ: lj i:{::ﾞ:. ′ ／!; : :i: :',| |.＼ 人＿_ノ 6 |
ﾞ{ ヾ| i:::::ト.. ,,_ ＾ _,,. イ＾i:::l; : :i:::: :.i ／ ○ U /
i: :.::l::|:::::￣:/丁 ,l'′`!: :.i::::::: :i. ε 厂
i; : :l:|,.-''" ∠--､/ . l: :.j,＞､:: i. ＼ ＿＿＿＿_／
l::',: :.l| ｜ / ,.l :/,.-''"ヽ: i. ￣￣, -/へ／＼/｀- ､
l:::/',: :| l / ,,-'',,j:/' ,,-''" i: :i. ／./ ./op i. ＼
秀吉が彼らに遺言を伝えるようになっていた七月半ば。
利家と家康は在京する主だった大名から、秀頼への忠誠、私戦の抑止、御法度の遵守などを連ねた誓紙を集めた。
／⌒ヽヽ
__＿ ,、＿＿ |/
‐＝ﾆ_ : : : : ｀Y: :`: : : : : : ｀ ヽ、
, --───- ､ , イ: : : : : : : :l: : : : l: : : : : : : : : ＼
／ / ⌒ヽ./⌒ヽ＼ ／;:／: : : : : : : |: l : : |、: l: : : : : : : : :ヽ
/ , -{ / ﾊヽ } ､ ヽ /／/ , : : : : :l_:_/|: l : : l l_:_|_: : : :ヽ: : : : l
/ ／ ゝ _ ノ, ‐ヽ-' ＼ヽ / /: : : :/ 'l:./｀|: l: : { ´l: |､｀ヽ: : l: : : : !
/ ‐┼──- ゝ ノ - ‐一!|‐ ,' /| : : /: :/|{ l/l: : | ヽl ＼: : :l : : : l
| l.､, -一 | ｰ─- ｌL_ |/ |: : /: :ﾊr┯┯ l : | ┯┯yl : |: :＼l
| ／ ＼.／ | ｰ-.／ ! |: :lｲ ;'ハ ｂ::| ヾｌ ｂ::! l l: l｀ｌ:`ﾒゝ
､ ' l. ／＼＿ | ＿／ /＼ ヽ| ﾚ |: :ｌ ￣ ￣・ ｌ l/ｰ': :l
ヽ Ｘ ￣￣ ／ l.:|: :ゝ､._ ｰ'ｰ' _,.ｨ': : l:: : :|
/､二二二二二二二二 く |.:|: : : :__二７T ¨´lヽ､| : :l: : : |
/ ／ ( 〒)＼ ヽ |.:|: : :|| l´＿__7 |: : |､: :│
! / / } ! |:,ゝ､:ヽ │ / /: :/ !:: :|
「御掟」によって私的な誓紙取り交わしは禁じられているため、これは公儀としての業務である。
九州出張で都を空けていた三成は、二人の提携に驚愕した。
秀吉健在時、これと似た内容の誓紙は何度か集められたが、すべて宛先は奉行衆だった。
＿__＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!:::::::::::::::::::::::::ﾚイ＿
＼:￣::::::::::::::／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!::::::::::＼:::::::::::::::／
＞:::::::::／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i::::::::::::::::＼:::::<
＜:::::::::::∠､::::::::::::::::::::i::::::/|:::::!:::::::::::::!::i:::::::::::::::,::::＼::＼
＞:::::::／::::::i::::::i::::::!::::/ .i:::/i::::::::::∧::ﾄ::::i:::::::::::,::::::::--ゝ
＜:::::::::∠:::::::::/::::::|::::!|::/ヽ |/ .|::::::ﾊ:| ﾊ:iヽN:::::::::: :,＿_＼
⌒＞::::::::::::/::ｲ:::::/ｨ==ﾐミ､ミ|::/´,.ﾘ,ｨ===ﾐ::::::|＼i ￣´
∠__::イ:::::/⌒ i::八 ノ彡汽|_i._... .》∧i―-＼
／::＿{ （ Ⅵ|=´三彡 ´!⌒ ｀ヾミ彡|i ハ ｀´ 前田と徳川で誓紙をとってるって！？
￣ ｀i＼ ｲ ! ! _＿＿＿___ ! !i' ＼i
!:::::::::i /ヾ―-------ヽ ! 聞いてねーぞ！！
_＿∧卅／i::::ゝ /r -- 、_:::::::::::::::|i／ 从
i ＼|/ 〉Ｙﾆ≡== -⌒ ヽ__jj〃i从ﾍﾉ 弋
卅 （｀（¨´￣ゝ二 イ¨)¨) ‖
/ i ＼＼ :::::::::::::::／/ ｀i
从 ! ／ ＼＼ ン / } i 鄱
Ⅳ | i／ ＼｀￣_／/ ＼ | / I
| ／ / ￣ / ＼ | / |
秀吉は、秀頼後見の地位をダシに二人を意図的に競わせてきた。
, -──- ､
／ , -‐､ , ‐ ､ ヽ
/ /,-‐''´∨~~｀ヽ ヽ
/ _,.l ・ ,! ・ /‐､ ヽ
l / ニ､｀ｰ‐‐'◯ｰ‐' 二ヽ | どうしたんだい？ 石田くん
l l-─ l ‐､-l!
l l ヾ''ｰ‐ ､__ |＿ _,,...ｨ'´ l 僕は秀頼様の後見として動いたまでだよ
ヽヽ ヽ ）／ /
ヽヽ ｀''ｰ── ' /
ヽ＿＿＿＿＿＿, -‐''''⌒ヽ
／ ￣､ﾌｰ─‐＠─‐ヽ（ ）ノ
／,.-／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、
/／／::::::／::::::／:::::::::::!::::::::::::::::::::::::::::ﾊ
/::::::::/::::::∠::/!:i::::::::l::::::l::::::､:::::::::::::::::|
i´::::::/:::::::/::::/､!:ｌ:::::::|l::::::i:::::::::＼::､::::::l
|:::::/|::::::::|:::/ l::!:::::::!､￣lヽ ::::::::!::l:::::l
l::/ l;:::::::i::!lｰ-､!ﾄ､:::| _､:!ヾ:l:::::::|:::l::::!
" |:::::ｲ:i ir‐ﾉ ヽ::l !、ァl::i:::::::lヾ!::|
!::/!::ｌ ｀´ ﾞ ､_ｼ ﾚlヽ、!＞,l 公務の面倒を見るのがアタシの仕事なんでねぇ
',| l::::｀i>､_ｰ､_, _･/:::::／ ／:!
l::::::l:!i:::｀ｰ┬ ''人 〉-〈 ,/ヾ:::l
/l::::::|!l:::::::ﾄ､ //:::{￣ ! __ i:|
i !:::::ｌ!i:::::::ｌ ｿ/::::::[￣ ,! ､l
ところが秀吉の統制から離れるや、その二人が結託し、奉行衆を出し抜こうとし始めたのだ。
. ､＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
､＞ |
＞＿＿＿＿＿＿＿＿ .|
￣ .|./＿ ＿＼ | |
| / ヽ／ ヽ | |
. | | ／ | ＼ | V⌒ｉ ……み 三成 殿下のご意向はともかくだよ
|.＼ 人＿_ノ 6 |
／ ○ U / や やっぱり あの二人が公儀の要になるんだ だから―――
. ε 厂
＼ ＿＿＿＿_／
￣￣, -/へ／＼/｀- ､
／./ ./op i. ＼
＼::｀ヽ!::::＼`ヽ|:::ヽ
ヽ二二二ヽ:::::::::::::::::::::ヽ:::::＼ /!
=ニ￣::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ＼ | | /|
＜_::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＜｀ヽヾ V ﾚ'!
￣:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::_-＝二 / /|
::::::::::::::::::＿::::::::::::::::／二≧-｀ヽ、 ﾚ' /
::::::::::::／〈りﾌイ::／ ≧ミ＜::::::Ｚ_ /イ_,.
::::::::::::| ヒｧ'´ ﾚ' ヾ じﾊフ／,.イ､＿／
::::::::::∧_｀ `ーフイ::::::∧ ＼_
::::::::::::,.ｲ ,. ＜ >//小￣´
＿_∠ ＼ く｀^' ､,＼ イ::ﾚ!:Vﾍ ﾄ､ ああそうだな！！
::::::::::::＞..､`ヽ、 ｀ヽ ヽ. 从/:::/ ヽ!
:::::::::::::::::::/ ＼^/´,.ｲｲ∧/ じゃあそのとおりに誓紙にしてもらおうか！
::::::::::::::::/ ヽ ,.' ﾚ′
:::::::::::∠., ｀ｧ‐- ` ._/
:::::::::::::::/ /
::::::::::::/ ／/:＞.､
:::::::::∧/ /::::::::::::::>
三成は五大老に、自分たち奉行衆と仲違いしないよう求める誓紙を提出させた。
この時、三成は提出先を「四奉行」にし、家康と関係を深める長吉を外した。
/ ト､ i
ﾄ､ ヽ ＼ |
| { | ヽ ヽ ヽ 亅
,ﾊ ,{ ヽ }＼__jヽ._ 礀
|l } / ! _ ＞ '´‐- .] !
|| ! ﾄvﾐ_ ′ ‐=せﾅ| ;
}! ＼jい-'}i ￣´ |
}〉|l ｜ {
| jL、- ｜ i |
| ヽ｀二 ´ | ｜ ！
／￣￣￣¨¨,二ﾌヽ ,. １ l l
／ ` ＜￣] l「 ｜ | !
／ ヽ‐- ＿￣_〕 ‖ ｜ li
／ ﾄ､ ＼__＿丿 ll | ｌl ヽ
. ' y !/ヽ ヽ!l ! |{ 礀 八 ＼
/ ハ { ＼__） ハ __,ﾉ / ′ ＼＿,r;.=＝＝＝=ﾐ
ノ-‐} ！ |ｒ1 /￣／｝ /一…ｧ' ／ ＼
| ィ `┘ ／|| | j,ノ ／ j /}ノ ／／
一方で、その実績と格から、名護屋での業務には三成も彼を必要とした。
,ｨ升三三三三三ﾆヽ、
/三三三三三三三三ﾍ
/三!｀ヾﾆ三三三三ﾆイﾆﾍ
/ﾆ三〉! !〈三ﾆﾍ
/ﾆ三/ l l Ⅶ三ﾍ
/ﾆ三/ j ', Ⅶ三ﾍ
/三三l ./:::.:.... ヽ /....:.:.::} l三三ﾍ
/三/こ:ｊ 艾ﾋｫ≧メ /≦ｬｲ艾 ｲﾍ三=ﾊ
{三ﾍ（ （j ／ .: ヽ j/）)三ﾆ}
＼ﾆﾍハ. ／ :|:: ＼ ﾑ,/三才 （……胃が痛い）
ヾﾞ介ﾍ. l::::. ﾊｲj才
｀ヾ;ﾊ ヽ,ｌ／ /!才
｀ヽ. -‐=‐=‐- ,ｲ ′
,.,.,.,.,!ﾍ. ｀￣´ / i';.,.,.,.,.,.
.,.;:';:';:';:';:';! ﾍ / j!:::';:';:';:';:';:':,.
,.,.:';:';:';:';:';:';:';ﾊ : :ー‐‐ ′/ l::::';:';:';:';:';:';:,. . . ［前田玄以］
. . : :;';:';:';:';:';:';:';:';:';:i ﾍ : : : : : : / !:::';:';:';:';:';:';:':,: : : : : .
. . : : : : : : :;:';:';:';:';:';:';:';:';:';:l ＼: : : :／ !::::';:';:';:';:';:';:';:',.: : : : : : . .
. . : : : : : : : : : : :;:';:';:';:';:';:';:';:';:';'::l ヽく l:::::::';:';:';:';:';:';:';:':,.: : : : : : : : : . .
敵味方の関係がヌエのように入り乱れる状況は、今後しばらく続くことになる。
こうして事態の複雑化する十月頭。会津への国替えのため帰国していた上杉景勝が上洛。
rtr､
＞弋¨¨ﾅ-､
ｧｲ从|｀'''´从ヾヽ
{ {Yﾐ㍉ ｰミ㍉ ﾊ
(l |.彡ｿ '¨'' ｲ爪 ヽ､ ＿_
| 〃-= j从ﾊヽ 辷==ﾆ三三辷 ､
ｲ小､ _ イ::. ヾ ＼ ≧=＝ｰ- ヾ弋
-‐< | l从 |:::::.. ヽミ辷ー-- =ﾆ辷 （
ｨ彡＜: : ｀从 ヽ､ ' Y人 ＼ ≦⌒ヾミ辷二 ﾆ=ー- ､
|: : ＞ 彡: : :ヾ 彡ｲ ヽ: :ヾミヽﾊ ヾミー--- ）
ｲ／: :／: : : : : ㍉ｿ弋ヽ ﾄ≦...､いヾミ≧≠ ==ﾆｱ⌒ヾイ )
/＞''´: : ｲ: : : 〈: :｀ヽﾐヽ（::､: : : : ﾄ辷ー- 弋 r彡′ 从ﾉ
/＞′: : :.ﾉ: : : : ﾊ: : /⌒ヽｿ::､: : :.|㍉⌒ ｰ一'′ jﾙ
./: : : : : :／: : : : : : : ）ﾉ::::::::（::::::::＼:|: ﾊ
／: : : : :／: : : : : : : /イ:::::::::::::::::::::::::::{ヽ: ヽ
彡: : : : ／弌㍉: ≦彡::::::O::::::::::O:::::::::::|: : :ヽ}
／: : .....::＜: : o: : 彡＜:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::{: : : :'{l
／＞イ: : : : : : : :.／:::::＜ }::::ﾉ）:O::::::::::O::::::::::|::...: : ﾊ ［上杉景勝］
／／ /: : : : o: :イ::::::::::::::// ￣辷､:::::::::::::::::::::::::. : 八＼
.／／ /: : : : : :〃: ＞､::::://､＿ ､ヽヾ:::::::::::::::::::::从: : :.｀ヽ: :o....
..／／ ノ: : :o: : /: : : : : : :¨: :/::::::::｀7 ﾊ_ﾄ/::::::::::::::::::::::}::ﾊ: : : : : : ＞､: :o:ー
秀吉の死、そして遺言や今後の体制についても、正式に知らされる。
∨//,∧ /ゞミ∨j从ﾘ} ＼ ｀ヽ 丶 : : : : .
. ∨//,∧.／ ,ｲ. : : .>､:八 ｀ ハ ﾊ: : : . .
i:. ∨//,∧ゝ ' /. :／ ﾑ: : :) ,ハ ! ﾊ | |!: : . .
|! .∨//,∧ ,ｲ／ゝイ〃ｖ:/ ／ﾉノ | !! :. jl: : : '
､ ﾊ .／∨//,: ／ ／: :ゞ'_イミ:.､/ 人|八 ﾉi |: :. |! ／イ
. ＼ 从ｿ∨ . :' :,ｲ／ . :／､: : : : '´ﾞ_ __イ'_￣＿_ー=ミ' i/ '; ∧ﾑ∨ （……殿下が亡くなったばかりでせわしいことだ
＼ ｀ヽ.:/ : : 〃 . :,ｲ.｀Y: : : : : : ´:７≧' 弋ゞ'ノ フ /,ﾉ ,ｲ/ }从 .∨ ∨
｀ヽ./ .: ,.' . ::/彡 .ｊ .: : : : 'ヽ: : : .￣￣￣´・ｲ ／ .! .'ﾊ .∨ 国元の整備がこれからという時に
＼ヽ ./ .,ｲ . : : ; '､＞､' :: : : '´ ＝彡 ' 'ﾞ .|/.|: .'.: . ∨
｀ヽ ./ ノ .: : : / ' ' , ／イ ,ｲ〃 |!ﾄ､|: :.ﾊ ＼ 都での火遊びはいささか重荷だな）
| i .: : ／ ,ｲ: ＼:. u.イ //.i |:|/ ｀ ＜＼
|! . ∧ '´ . : : ノ⌒ヽ:. !: . : ::// ,' ∧////,｀ ＜
ﾊ .∧ . : ／ ﾊ ｊｿ . : ::/ ' / / ∨////////｀ ＜
国替えという大仕事に忙殺されていた景勝は、この混沌に準備不足のまま飛び込まなければならなかった。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
／:.:./ﾚ 7／{:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼_
/:.:.:.:./ 〃/:.:.:.:.:.:.:.:..|:.:.∨~＾＾´＼-:.:.:.:.\xAD\xF4
___, ノイ:.:.:/イ／V:.:./:.:.:|:.:.:.:|ﾊ:.:| V≠=寸
/:.:.:.:.:./:.:.:.:.|:./lV:.::|､:.:.:| ｌ:| ＿___ W::::/
/::ｨ:.:.:.:.l:.:.:孑|::|廾|:代､:.::| '~|´_- ｀ |::::|
／´ /:.:.:.:.|:.:.:.|! |/_ 二ﾍ! ヽ::| ´ｲ升ﾃ=､ z. |::/‐､
|ﾊ::|:.:|/l::| 〃{ﾋっ┘ `＾─'′ .|'f;＾:. ! どっちも意図が見え透いてるとはいえ
l !:N:|ｲ¨| | l:::ﾉｊ:/
｀| l{{<∧ { ､ |＾;:./ 伊達 最上ともに関係改善を申し入れてはきてる
＼ {:〉'´ ＼ ＿＿＿､ ｊ_／
_／ {:.. 弋云￣ 二ノ /! まあ 悪いことじゃないと思うが
／´｀ー-くﾞマゝく_∨￣_￣ ,.'::ト､_
/ ー-､／X｀ｰ/ ／/::|::::::::ヽ
/´ ヽ _ くジ′∨｀ ーzァ7ﾌ／ ::|!::::: :::',
./ _､_ ＼ 〉 ﾑ:.. .{!::: .:'､
/ __犬_ } / }＼__〉 / V '､ ［直江兼続］
_/ 〈＿__ノノ /|:.: / | /!. ＼_
,,.､ -‐ ''"´/ :.:.:}:.:.:..／!.:|::.: ,′ / /:::|::.. ヽ｀丶､
´ ノ ..:.:ノｰ彳 :.:ト:|::.:. 〈／￣/ /::::::|:::::... ＼ ｀丶､
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
/／__/＿/ / | ヽ ＼＼ ',
r┴' / / ｀∧ ! /^＼＜￣ヾヘ
／／ / / ,、∨,、 ＼ヽ ＼＼
∠..ノ / / / ∧ヽ|/∧ヽ ヽ＼ ヽ ヽ
r' / ,' / /l /´｀"ﾞ｀´ ', ! ､ ', ヽ＼}
| { l ﾘ ,' 从 ﾘ | 〉 } } ﾘ
／ﾚﾍ |＼トﾍ匕Ｌ..＿,. ､__/厶∠L／ ｌ ｌイL （……今後を考えると
,ィ ´ ／ ∧ﾄ､ゝ弋‐辷ﾃﾐ､ ,ィ辷テｧ/／|,.ｲ ヽ＼ー- ､
/ ／-ｰ彡'´|l lﾍミi｀￣彡 ｜ ヽ ｀￣´/ // ! ｀ ‐- ＼｀ヽ ＼ 確かに悪い話ではない な）
_,.〉＜´ // |ｌ トゝﾐ彡'7 | ／／,' |ヽ ｀¨ ｰ- ヽ
.´ // |ｌ |ヘ三彡ﾞ ┘' ,.ﾌ / ｌ ＼ ｀¨＞ｰ ､
. ,'/ | ', ヽ.l｀マ{ ゞ二.Tミ、／ｌ l | ヽ 〉 ',
/ /| ｌ ｌ| ＼ |ヽ|´ ｜ ｌ ｌ| ',. / l
. ,' ,' ｜ ｌ ｌ| ｀ ｰ'|ヽl | ｌ ｌ ト、 ｜ / !
/＿＿ / | l | ＼ ゞ'ﾞ | ｌ ｌ | ヽ___⊥__ / ,'
ヽ, | l |彡 ｀ ´ ィ三ﾐ:! l ｌ | / / /
＼ ﾉ l |三i ゞﾐ三| l ｌ | / / /
┏━━━━━━━━┓
伏見 伊達屋敷
┗━━━━━━━━┛
_____________ｌ＿| ◎〜◎〜◎〜◎〜◎〜◎〜◎ |＿l______________
///////////||ﾛ''''''''ﾛ''''''''ﾛ''''''''ﾛ''''''''ﾛ''''''''ﾛ''''''''ﾛ||ヽヽヽヽヽヽヽヽ
~~~~~~~~~~~~"|li ||=====================|| il|~~~~~~~~~~~~~~
|li || || il|
二l二l二l二l二|li ||=====================|| il|二l二l二l二l二
〜◎〜◎〜(ﾞ.|li |||￣|￣|￣|￣|| | || il|.ﾞ)〜◎〜◎〜
|li ||| | | | || |▲ || il|
|li ||| | | | || |┃ || il|
|li |||＿|＿|＿|＿||_|┃.∧＿∧ || il|
|li ||| o . |_|┃（. ・∀・）|| il|
|li |||￣|￣|￣|￣|| |⊂ ）|| il|
|li ||| | | | || |┃｜ ｜ | || il|
;;,, ,,;;;|li |||＿|＿|＿|＿||_|┃（____）__.）|| il|;;,, ,,;;;
￣￣￣￣￣￣￣"''""''"''''"'''""''"""''''''""''"''''￣￣￣￣￣￣￣
,-'"´￣￣`'‐､
__ r‐"‐‐､''ヽ-‐-:､‐:`､
/ ``:､ヽ ヽ i`i _,,ヽ`‐',
| .| r'.＼', ヽヽi´i''`i‐-.|
ヽ|', !、,rヽ', i |`i',:i､` | ―――と このように内府殿は仰せで
` ',ヽ| '"' .',l ./ |'ﾞ:､_ ヽ
ヽ,'ｰ､__,,,.|/ ,.:! "`i 秀頼公の御治世を盤石ならしめんことを
ヽ ／ ＿,.-‐')ヽ
`'r,''i"ﾞi"i‐-"-./ ',-､,,,_
_／/ | | ',--=/ .', .`',:=‐‐ｰ-:､
__,,,.-‐'/ ,:', .i___:::', ,:,:'_ ／ ／ .i
,.:' / ,...!'..' .ヽ,_lﾞ .!,'__!./ `"> .i |
,:' /. ,' r'r‐:､ |''i,__r:|:/ / l ',
r' .,' l `/、 Y.| ,-l,.|' / | l
/ i i. ,', i-:' ,:'ｰ';::./ ,' l i
,:' l .| i .i | ./／ .,' ,' ヽ __|
,-､ ノ .| | | `i/" ,' / | ./ .)',
!,__｀'''‐:､__ ＿,..:'" .| | .| |o i. ,' ___,,,,,,r''=‐---､,,!_ ,:',,_.',
. ,.:-'-､ `i," ヽ | | l .| .|. ,' (-i:':､,_`ｰ'-::､ 、 ./, ',
. ／ , `‐ .li`i ヽ ,| | | .|o |.,' `ﾞ､'_ `ﾞ-､_ ､`' ` ﾉ,.l i
. ／ ／､ _,,,_､ ._,l | | ／|. ',| .| .|i ヽ':､_ `‐ ノﾉﾉ l ［豊臣秀吉御伽衆・今井宗薫］
.(__,:'iﾞ )'r'i',_.)-'r､)' i _,r' | | .|o | ＿_ヽ､ﾆﾆ,,,-='ﾆ/--―‐
／ : : ; : : /_.．-───- ._: :＼
. ／ : ; : :/: : /´ ＿＿＿＿＿＿＼: ヽ
/: : _/: :/: : 厶 '´: : : : : : : : : : : : : :｀ヽ: ﾍ
/:／ ,.'７: : :/: : : :|: : : : : : : : : : : : : : : : ﾍ: ',
/' , '/ i: : : :|: : : ∧ : : : : : : : : |: : : |: : : : i: |
. ハ厶i. |: : : :|: :.|:.l ',: : | : : : : : |: : : レ': : :|: |
|:.７ /トr|: : : :∟」_| ＼|＼ : : : | x'´ﾊ: : : ;' ﾊ
|:.' /: | r{ : : : |: ∧｢｀ヽ､.___,.＼: ｲ__V_,|: :rｆ:/| |
|:| |: :.| | |: : : :Ｎ 'Tに叮 ヾ ｈィ}r〈 { 'j.ﾄ'| 舌がくどいわね
|:ヽ: :.| |､|: : : :| ゞ-‐’ ￣´l | | l': :!
l: : : └ : ﾍ: : :|、 ' ﾉ } リ : | 要するに あたしの娘を家康の息子に嫁入りさせたいって話なんでしょ
∨: : : : : :|ﾍ: :.l ＼ ｒ─ｬ _. '´ l: ,l: |
,.、ﾍ＼ : : | ﾄ: l ｀ ._ ,ｒ´ ｲ､ j/
,〈 ', ', ヽ: } | ヽ / ｢| ィ ´|｜|',
/ ',. ', ', V | ム -‐ ´ } |｜| | ［伊達政宗］
´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`:..､
／:.:.:.:.:.:.:.:.:.: --＜:.:.:.:.:.:.＼
,:':.:.:.:.:.:.:.:.:/ ＿＿｀ ､:.:.:.:.:ヽ
./:.:.:.:.:.:/:.:./／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼ト､ﾊ
':.:.:.r‐ｲ:.:.:,:.:.:.:.:.{!:.:.:.:.:.:.:.:､:.:.:.:.:∨{:.:.
ｉ:.:.:.:{/ |:.:.:.:.:.l:./ハ:.::.:.:.:. 厶ｨ:.:.:.:V:.: i
|:.:.:./ 」|:.:.:.:._j:.!＿,,＼:.:./ ハ:.:.:.:.lﾄ :.:!
|:.:.:i_//|:.:.:.:.:.N ヽ ＿ |:.:.刈个| まあ 悪くないわね
l:.:.:.:.〈_,|:.:.:.:.:.l' === , ￣ l:./:.:.:.:|:.|
|:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.| ＿, .ｲ:ﾙ:.:.ハ:! 今までは浅野長吉に石田三成 奉行の連中にいろいろ頼ってきたけど
|:.:.:.:.:.从:.:.:.:父ト ´ ／:.j/:八{ ′ 実利は微妙だったし
}:.:.:.:/:.:.:.ヾ:.:.:.:.:》 ￣「:ヾ:.ｲ〕iト．
ﾉ:.:イ⌒ヽ:i:i:＼「:＼ ヽ: : : : i:i: ﾊ
/ V∧: : : : :Ｖ´￣＼: :.i:i:l {
.′ ヽ:i:＼: : : :ﾟ， |: :i:i:| ヽ
{ ＼〕ｉト: :.∧. |: :i:i:| !
|:ヽ ＼}＼ヾiト: } rｎ|:/i:ｲ |
|: : :ﾄ ＼ `ｰｫ====ミv'⌒ヽ＼
￣:! ヽ/:i:i:i:ヽ ＼ }
ゝ /⌒ヾ:i:i:} ノ
-―――-
／ : ／ ／￣￣｀ヽ｀ヽ、
/ : :_/. :/´「￣￣、｀ヽ､ ヽ
/.:／ !: :/_/ｌ: ! : : ､:ヽ : : :V ∧
i::〈_人!: :l∧＼ヽ: : :i : i : _: ﾄ､: i
. l:://l/ !:::lf千 ﾐ､ヽ＼!≦´V lく: :l
lく/〈/´!::ｌ ゞ-' 弋冫j/ｌ ｌ〉 ! 殿下亡き後はどう公儀が動くかわかったもんじゃない
l ::!:::ヽ､!::l ､＿′ /:∧!: :!
!::l:::::::::∧ﾄ､ ー ′／:/.:/ ﾊj 家康がそこまであたしを重く見てるってんなら
. Vヽ、:::::lヽ、丶､_ ィ/.::/.:/j/ 手を握ってやってもいいわ
（＼＿ ＿>､:::!､|ヽ ト､/イ／
＞ _｀ヽ__ /ヽ ヽ! ＼ ＿ヽ￣ ヽ＿
rf壬‐＿´__ノ Ｖヽ / ∧ ヽ´＿_｀ヽ ト､ヽ
〈＼ ﾉ ト､!// 丶 、＿_｀i l }
/ヽ￣ ノ ∨ ､ ｌ ! !/ ヽ、
{ ￣ ｌ / ＼ ｌ ｌ ∧ ＼
. ＼ l＼ /／ ＼ ! ! / !／ ヽ
ヽ￣ /ヽ、 ヽ、! ｌ / / ￣ /
,...‐.:ﾆ二'_`:..､
. /::／,,.-‐ーゝ:v＼
/ｨ:iｲ´i:.:,ヾ､::`i:::∀::',
/V:::i:ﾑ,ﾊぃ斗､ﾊ:::ﾄ〉:i で
!/|::::| zｭ` -=v':::|i::::|
|ﾄ;::::∧ _ , i:::::|:::i.| 当然 これは殿下が生前にOK出してた話なのよね？
.!ﾊ:::i::::＞ ＿／ｲ:/:::ﾘ
り|:_:／"／´ﾚヘﾉ
r/ /=ヌ ／" `,
,// ! / ,イ,.ノ ,.|
/,.4､,.ﾚ' ,.／ﾉ´ /ﾉ
／メi´ `'ーｧ'´ /´
.〈´ ' ､ fj ,ｲ
`ｰ-z.､,＞､＿ ,／┘
,-､_ ./｀ﾞ':､＿__
| i:､`| i ', `:､ `ヽ、
| !.,r'ｰ'‐‐| i `i ヽ
|i',i､ -r=' | ,i i i i_ i
!'.!l' `￣.!/|,' /i-', ! ……滅多なことを仰せあるな
i`___ !/ r';,ﾉ ./
ヽ ｀ ' ／" ',./ 太閤殿下は伏見城にて健在である
ﾞｰ-r‐''" ._,.-‐'i:､_
,:-|‐'iﾆ"_,,-=:l. i`':､＿
,.;'" ,' i"-‐ _.,:' .| ￣ `''=:､
／/ ,'-:､ |-‐フｰ-=ﾆ ,.;-'" ヽ
_,.-',`-i"`i ,' .`i.,.:'/ ./ ,.-, / i
,r' i-､!"'､r-'"iﾞ ./ /／,.:'-" |
,:' / r''l__ri"r| i"'､|./ r-"-く_ .i
／__,,,!__| | i" 7 ／.i ,!ﾞ-ﾆ_''‐､'`:､.. /
. _,.-:;'r'ﾞ,.',:-' `''―:'-'-'---!-',r‐-,,,`‐:､)‐' ,,:'
/ -'､_,'/ ` ―`ﾞ´- _,:',:'
/ i ,.-'".,:'
＿_ ィ:´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀:...､
．.:.:.:.／:.:.:.:.`:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
／:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.／ .二二二 ＼:.:.＼
./:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:/:.:.:.:./ ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:丶!:.:.:.:.ヽ
/:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:/:.:.:.:.:′:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼〉:.∧
':.:.:.:.:.:.:.:.:. ィｌ}:.:.:.:.:.:|:..:.:.:.:.:､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.ヽ:.:.:.
ｉ:.:.:.:.:.:.:.／ 7:.:.:.:.:.ｉ:{:.:.:.:.:.:!:.ﾄ :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l:|:.:. Y.:.:.
|:.:.:.:.:.:〈 /|:.:.:.:.:.:l:.!ヽ:.:.:.|､| ＼:.:.:.:.:.:/:.}:.:.: |:.:.:i
}:.:.:.:.:.:.:.｀X !:.:.:.:.:_l_|＿＼! ＼ ';.:.:.:.ﾑｲ:.:.:ﾇ|ヾ:|
|:.:.i:.:.:.:.:///ﾞ|:.:.:.:.:.:Ｎ ` ー一 ∨/ ノ}:.ｲ.!:! !!
|:.:.|:.:.:.///ヽ|:.:.:.:.:.:| ==彳:.ﾚ|:| || は？ そういう建前はいいのよ
l:.: !:.:〈/八 ｢|:.:.:.:.:.:|＼==≠’ ､ 从:| |:| ﾘ
l:从:.:.:.〈/:.:.:.|:.:.:.:.:i:| } ＿__, /:.ｌ:.:| |:| 茶頭として殿下に近いあんたが知らないはずないでしょ
){ l:.:.i:.:.:.:.:从:.:.:.:.l《 乂＿__ (＿Ｖ ｲ:.:.l:.ﾘ |′
x=ﾍ:.ト :.:.:.:.厶:.:.:| ｀ヽ ／:.:.l:.:ﾉ:′ 殿下はとっくに―――
′ ＼＼:.:.:!:ヽ:ト--z====ミ }ﾍ:.:.:∧ ＼
/ ヽ: Ⅵ: : :＼| |i:i:i:i:i:i:i:i:i:i〉:ヾ{:釗 ハ
.′ 、 }: :i:i:i: : : ／ゝ-----く: :.:i:ｉ: | ' i
{ ＼ ﾟ，i:i:ｉ: :./ Ｖ:i:ｉ: l′.∧
,,,,,-_ﾆ"二_"''‐-:､
,--､-!.i''‐:､ヽ`､ヽ ､ .ヽ
ヽヽ:､;;ヽ_,,,-ヽヽヽヽi__ |
',', i'" ヽ', .|-ヽ.|
i.i､ ヽ､､-tテ|.|| .,'b',!.|
'l ヽ, l,| ￣.|,' | ,' 'i"`.i だとしても です
`:､ｰ_,,,__ l' ./__ノ,ヽ､
/i`:､＿,／',､':,＼',':,ヽ、
_,,.. --―'''" ,' ヽ,､ | ';: ヽ＼', ヽ`‐:､_
,r‐'‐-:､ ,' ','､'i ri `,､.＼ `'i-､_
/ ヽ '‐:､__ ', '| .i´iヽ,_lﾞ `‐'､',,_,..ゝ ', ヽ
/ ヽ ／ ', "i ' ,,', ､`i_i､ ＼ .', ',
/ i く ', !''i-', 'i-' .>、）. `i .', i
,-'"´￣￣`'‐､
__ r‐"‐‐､''ヽ-‐-:､‐:`､
/ ``:､ヽ ヽ i`i _,,ヽ`‐',
| .| r'.＼', ヽヽi´i''`i‐-.| 公儀は殿下を健在とし その支配下にあると喧伝している
ヽ|', !、,rヽ', i |`i',:i､` | すなわち内府殿の婚姻も 殿下の御意に従っている
` ',ヽ| '"' .',l ./ |'ﾞ:､_ ヽ
ヽ,'ｰ､__,,,.|/ ,.:! "`i そう考えるしかないのではありませんか？
ヽ ／ ＿,.-‐')ヽ
`'r,''i"ﾞi"i‐-"-./ ',-､,,,_
_／/ | | ',--=/ .', .`',:=‐‐ｰ-:､
__,,,.-‐'/ ,:', .i___:::', ,:,:'_ ／ ／ .i
,.:' / ,...!'..' .ヽ,_lﾞ .!,'__!./ `"> .i |
,:' /. ,' r'r‐:､ |''i,__r:|:/ / l ',
r' .,' l `/、 Y.| ,-l,.|' / | l
/ i i. ,', i-:' ,:'ｰ';::./ ,' l i
,:' l .| i .i | ./／ .,' ,' ヽ __|
,-､ ノ .| | | `i/" ,' / | ./ .)',
!,__｀'''‐:､__ ＿,..:'" .| | .| |o i. ,' ___,,,,,,r''=‐---､,,!_ ,:',,_.',
. ,.:-'-､ `i," ヽ | | l .| .|. ,' (-i:':､,_`ｰ'-::､ 、 ./, ',
.／ , `‐ .li`i ヽ ,| | | .|o |.,' `ﾞ､'_ `ﾞ-､_ ､`' ` ﾉ,.l i
／.: : ／二二二二_ ヽ| : : : |: : : : : ヽ
/.: : : : :/.: : : : : : : : : : :＼| : : : | : : : : : :∧
. /.: : : : : { : : : : : : : : : : : : : :| : : : |⌒ヽ: : : ∧
/./': : : : ∧: :!、 : : :| : :l : : : :| : : : | ＼ 〉 : : :.!
i:,' l : : : : i斗::| ＼ : :|ヽ｣ｘ' : : | : : : | 〉'.: : : : |
l| ! : : : : |,rfﾄl､ ｘ|' ,ｨﾁえ、| : : : L. ｲ.| : : : : |
l : :|: : '. ﾄィl {.ノ::ﾘ'^| : : : :|｀i | | : : : : |
ﾄ､: |: :ﾊ ｰ' ｰ‐' .| : : : ,'_ﾉ l.｣ : : : : l
| :Ｎ :| :'. ' 'J j : : :/. :レ : : : : :,′ ま まさか あんた………
| :l | :| : ＼ ｰ ､ /. : : /.: : : : : : : : /
| :| ヽ| : :l : ｀ . __.. ´'. : : /.: | : : : : : :./
ｌ :| ｜ :|∨ : : :r‐} /' } :./ﾍ | : : : /.::/
. ヽ! ∨:L.ゝ‐'´／ ／,::/ .ｿ.: ／.::/
/７Ｎ ∠｀ヽ／ /' ／- '´｀ ｰ'-､
/ / /¨ヽﾝ _. '´ '.
, ′ / , ′ ／ |
． ´￣￣￣` ､
／:.:.:.: /:.:.:.:./ニニ､:.＼
/:.:.:.:.::.:ｵ:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.＼:ヽ
':.:.:.:／ ｲ:.:.:.:_:_:爪ﾄ:.:.:.:.:.:.:.:.:.ﾟ，
i:.:.:.〈/､__|:.:.:.:l:.:/X {l ＼--:.:.:.ﾊ
l:.:.:./ =ﾐ!:.:.: |v芯 ヽ ｨ=ﾐ、:.:.:}
|:.:/ ,ｲ |:.:.:.:|辷ｿ ﾋﾝ/:.:.:.′ 大名間の私的婚姻の禁止
|:.:∨/ヽ |:.:.:.:| ＿' ,小:.:ﾘ
|:.:.:l:.:.:. 从:.:.:.| ( ∨ .ｨ:.:.:.V 家康と組んで骨抜きにしようって腹？
|/:.{:.:.:厶_|:.:.:〕ト .イ/|:.:.:.:|
/ : ィ⌒＞‐_/ ) ' l:.:.:.ﾉ
}: ,′ ／ ､ /＿ jイ
l〈 / ､ /ヽ＼ﾍ、
/ハ {ヽ_ソ(_ ｲ}i:i ヾ＼
./: i|ヽ ` ー"／ V∧: : :ﾟ，
':_:_i| ≧==イ ヾiﾄ: : :i
＼:.| ＼ ＼: :|
./ / }＼ ヾ
,-､_ ./｀ﾞ':､＿__
| i:､`| i ', `:､ `ヽ、
| !.,r'ｰ'‐‐| i `i ヽ
|i',i､ -r=' | ,i i i i_ i
!'.!l' `￣.!/|,' /i-', ! さて 仰せあるところの意味がわかりませんが
i`___ !/ r';,ﾉ ./
ヽ ｀ ' ／" ',./
ﾞｰ-r‐''" ._,.-‐'i:､_
,:-|‐'iﾆ"_,,-=:l. i`':､＿
,.;'" ,' i"-‐ _.,:' .| ￣ `''=:､
／/ ,'-:､ |-‐フｰ-=ﾆ ,.;-'" ヽ
_,.-',`-i"`i ,' .`i.,.:'/ ./ ,.-, / i
,r' i-､!"'､r-'"iﾞ ./ /／,.:'-" |
,:' / r''l__ri"r| i"'､|./ r-"-く_ .i
／__,,,!__| | i" 7 ／.i ,!ﾞ-ﾆ_''‐､'`:､.. /
. _,.-:;'r'ﾞ,.',:-' `''―:'-'-'---!-',r‐-,,,`‐:､)‐' ,,:'
,,,,,＿_i‐=‐-:､,,,_
|i'':,ヽ':,|.|:::ヽヽ','､‐:､
i |:::::_',,'-'-:､ヽヽ ､ヽ`,
| l::::,'-､_ __,,, | | .|.::ヽ',
|'ヽ:|.ti-l ''tj-|.|.::::r､ヽi 私見ですが 政宗殿にとっては
' `'| i_ , //:::/i |ﾉ"
'、,,____,,..'ｿ,:'/,'r'i どちらでも構わないのではないか と思えますがね
ヽ.`‐‐'".'／ `|
`:,--‐'_,,-‐''"i':､
,r,''i"ﾞi"i‐-"-./ ',-､,,,_
_／/ | | ',--=/ .', .`',:=‐‐ｰ-:､
__,,,.-‐'/ ,:', .i___:::', ,:,:'_ ／ ／ .i
,.:' / ,...!'..' .ヽ,_lﾞ .!,'__!./ `"> .i |
,:' /. ,' r'r‐:､ |''i,__r:|:/ / l ',
r' .,' l `/、 Y.| ,-l,.|' / | l
/ i i. ,', i-:' ,:'ｰ';::./ ,' l i
,:' l .| i .i | ./／ .,' ,' ヽ __|
,-､ ノ .| | | `i/" ,' / | ./ .)',
!,__｀'''‐:､__ ＿,..:'" .| | .| |o i. ,' ___,,,,,,r''=‐---､,,!_ ,:',,_.',
. ,.:-'-､ `i," ヽ | | l .| .|. ,' (-i:':､,_`ｰ'-::､ 、 ./, ',
.／ , `‐ .li`i ヽ ,| | | .|o |.,' `ﾞ､'_ `ﾞ-､_ ､`' ` ﾉ,.l i
/ ／ ／/ ／ ヽ＼
. / // // l／ ヽ丶
/ l / r―/ ｌ ｜ ハ l ヽ ﾄ､}
ｌ l' ﾚ７ｌ l ﾊ !_ ヽ.ﾄ、 |ﾊ、 l ﾉ
ｌ l / ハl l { l/ ｀ヽ! ヽf,r､l !
/ ｌ / 〃,くl ! ﾚf示ｒ' lﾘ/ ! |
. / // ∨lﾊ (_! l ﾊﾄ辷ﾘ ､´l l
/ // l l ＼l |ノ〃ﾉ r'フ _ ﾉ/ /
|/ l l ヽ l | |｜Y 〈＿_´／ ′/
. | /{ ﾄ､ ヽヽヽ、 ｀ヽ, ノ
. l/ ', ﾄ,l＼ ﾄ.}⌒￣｀ヽ､＿, r′
. / ヽヽ.＼＼ﾉノ ＼ '、
/ ｀ ＼ l＼ ヽ
. / ｀, ヽ ＼ ヽ
/ l `, 丶
. / ヽ ヽ } ',
´ ￣￣￣ 〕iト．
.／:.:∠二二＼:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
/:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.､_:_:.:.ﾟ，
':.:く/:.:.ﾄ :.:.:.:.､:.:.:.:.:.|:.:.:.|ヽ ).:.:.
i:.: 〈|:.:/{ハ:.:.:.)＼:.:.:!:.:. ﾄイ:.:.: i
|:.:.:.:|:.|≧ ＼{≦ ヾ|:.:.:.| ｌ|:.:.:. |
|:.:.从ﾊT7 T7７|:.:.:.| |l.:.:.:.:|
|:.:.:.:.:.八 ′ |:.:.:从l.:.:.l:.| ……そーゆー腹でいいってわけね？
|:.:.ｉ:.:.{:.:.i＼ ‐ ｨ|:./:.| |:.:.ﾊ:|
乂ﾄ:.:.}:.:l:.ィうｰ≦ !ハ:|/}/ l|
.ィ从: :.l/⌒ヽ/: : : 〕iト. ′
/V∧: : :|--ミ/: : : :/i//ハ
' V∧: :| ./: : xi〔:／ ',
_}＿ V∧:|rｎ’／.:ｨ ´ ！
ｉ: : : : ヾ.V∧ {ｲ: ／_}_＿_ |
|====≧ヽ: |/:イ /=====ﾐ:＼{
}く｢￣` ｰ┴─‐へ:_:_:_:_:_: ＼:〉
,,_
,.-‐,r‐､'''''‐'.,...,`､
r'／´|.l:::',', //;:'::':､`:、
,'.:´ .|.|-‐'-'-'-::､_ヽ. ',､
,' i .|.|. ､,,_ _,, i::', | |
! i''､.|i |i.|tj‐,"´.i',,... |::l |ﾉ
':,!',':,|ヽ.iヽ |. ,':,'./ 内府殿は誠実な方です
ヽ‐,'i', ヽ ,__,,_" /ﾉ/
|' '､ ._,,｀ / 味方にしたい相手に ツケはまわさないでしょう
_,.'i'-､,,,,`;;､,,___,,,:'､
_,-／ ,|-/ :i' |,! ',r':| ','‐､_
_,.-‐'".／ ./i/ :| ,..._|:. ',:i'､ ヽ `ｰ-､_
,..:-‐'" ／ /::l,r:､_!' :| !;;;r‐',:;', ヽ `'ｰ,-､
.,:'´ .i ＼_ _,.:i;::/ :i__ , : _.',: ヽ:i､_ ／ i `:､
〆 ／!-‐l:::l :::::/!::::::l:::::::::::::::::::::',:::: ! :::::l::',:::::l ヽ､__/:',
ﾄ､／/ |-‐::!::| :::::! l :::::|'i::::::::::::::::::::i:::::lﾞi:::::il::i:::: ! ,>',:::: |
/´:::ゝ､i〉 :::::!:it::､_i i::::::i ＼::::::::::::::!:_;|-!‐!l::!:::: !ｲiヽヽ: |
i .::/ //∧ :::| ! ＼ !｀ヾ､:ヽ. ＼::::／i|ム‐|､i:/!:: | ! ', ヽヽ!
| / !/ i::::〉:::ﾄ:! ,ィ≠ﾐ:ヽ｀ 丶 ' ゞ;ｨ=≠ﾐゝ|::: l,.| i::::i |
i i､_｣i |:/∧:::ﾞi｀代〃 ::ﾊ fヾ〃:ﾉ/ !::: !^l |::::ソ! ふんっ 誠実ね！
| ::i ｀'＼! | i´t､ﾞi. ゝ- ' , ゞ-‐' ' |:::ﾑ./'"::::::| |
ｌ ::| ::::::::ii､!ヽ ｀ヾ_ゝ ､＿_,.._＿, /::/´::::l:::::: :! | まあいいわ 縁談を進めなさい
!:::i :::::::::i:ヾ. ｀ ｀‐ ､_ ／!:/:::::::::i::::: / |
! :|i :::::::ヾ ゝ ￣ ヽ .イ:::/:/::::::::::/::: /:: l
| :i l ::::::::::ヽ ＼. ｀i _, ＜ .|｀メ/::::::::/::::::/}: /
ヽ.! ヽ :::::_;; ゝ;:〉=-. ,_._ / メ i:::::::/‐-､/ ﾚ
ｒヽr‐t´ ./:::::::::::....｀ ‐､/_ __,,} ヽ:/ ￣!｀i‐､_
／ ヽ y´￣￣｀"‐-､ "ヾ:::::..〉 ｀ ´ | ｀ .| } | ｀ヽ
/ Y 弋‐--y'_,,-‐‐- ,,＿| / / i ､ ＼
! / ｀ } -‐‐‐--==l / / / ｀ ‐ ＼
伊達政宗の長女・五郎八姫と、家康の六男・忠輝との縁談が徳川家より持ち込まれたのは、このころである。
政宗だけではない。
同様の誘いを受けた大名は、朝鮮から帰国したばかりの者も含めて複数いた。
＿＼|/|／///////////////｀ｰ- ...＿＿＿_
＼//////////////////////////////ﾑ‐'"
／///////////////////////////＼
／'///////////////////////////////＼
,／/////////////////////////|///////V//＼
//////////////////|////l//| |///////∧＼/ﾊ _...............__
./////////////」/」// .|/// .l//'｜l///////∧ ∨ ,.-‐'"⌒'´ ,. -‐'' ￣｀'ｰ､
.///////!////,ﾒて)≧ｘヽ|// // /.斗|/|///∧∧ .'´ _.~｀ヽi´,. -‐''＝､￣｀ヽ,｀ヽ
l|//な|/|//|// |/iiiiｉ/| |/ ｨｆ_):圷|/|///| ∨| / ／ ノ ,.‐ '´￣｀ヽ｀ヽヽ. '､ ヽ
l|/| ｌ乂 |//|/ ゝー‐' { ﾚ'!!!ﾘ |/∧| ∨ ﾉ ﾉ / / /`''"ヽ, ', ヽ ', ', l
| ｌイﾉ|/ i〉 ｀¨´ // | .l| | | i′ ヽ ', ', l l | ［福島正則］
＼ヽ{i ﾒヽ、 ′ {/ | l | | | | `,｜ |｜ | | .-
`ーﾍ ＼ゝ 二二二二二ﾌ / ﾉｨ′| | | 「ﾞﾕ |｜ |｜ | | 〈
V/|＼ ` ｰ───一'′ ′l | | | |＞ｰ‐-､ |ﾉ| |｜ ﾚ′ ヽ
∨| ＼ ／ |_il___l_ ﾄ､| -o‐‐- l ｜ |｜/ 〉
| ‐ .＿ イ ［黒田長政］ _,.-ｯ''´λ -､`l ｰ--‐ l ヽﾙﾚ^ヽ ＿＿....-'′
.／| _ 斗'＼ _,.-‐''´:::::::|三〈 ｀'ー-ヽ､ ､＿___‐ゝ ／:::::::::::} ／
/ ﾉ _. 斗＜ ヽ "::::::::::::::::::::::ヾ彡ゝ､ `' ., ｀ ｰ‐､^X:::::::::::::::;l 〈 ＿＿.r
./∧| 斗＜ 〉┐ ;::::::::::::::::::::::::::::::ヾ彡｀'ｯ､_ √ﾐ｀'iｰ-‐'^ヽ,ゝ-=ﾆ二`ｰ-‐' i´
.／| |／ ＼ ／ ￣＼＿ .;:::::::::::::::::::::::::::::::::::＼彡´ｲ只ヽ､ﾉ::::::::::::::::::::::::;/ `ー--､＿_〉
、．
__ -‐｀￣￣ ｀゛ヽヽ､
.-‐´ 〃／ ヾ､
＞、 、 _ ., {/_'´ ､ _/ィヾ
7 .「¨７´7／ﾞ ヾ}´ ヽ} i ﾆ ､
'ｨ _ i i i iﾐ }ﾞ
ｲ,彡.} .,-､._ { , ,.、<.ﾐ.’
´ゝ､ ＝tｧｰ ' ｰ=tｧヲ }ｲ}
{.ハ ￣ ´ | ｀ ￣ .'/ }
ゝﾊ {i _ ,’ｲ’
|ヽ ．-─ - ．,:’|i}
| ＼ ´ ｀ ,.ｲ//|｀ヽ､
／:i ｀￣ ´////i|:.:.:.:} ＼
／/:.:,’ // V:.:.:i ヽ
／ {:./ // .V:.i .ヽ ［加藤清正］
,.’ .i´ ヾ､ ｀i ＼
いずれも、豊家直下の軍団を構成する、有力武将である。
彼らは、秀吉子飼いとして地方の有力大名となり、重要な役儀も果たしてきたものの、
秀吉死後には公儀での地位が確保されていないという面々だった。
, _,.:i＿ノj ＿ノj
,z,_／'´ ´'´ ´ﾞーz_,
,ﾍｿ 'ーk_,
jﾍﾉ ´＜,
z'ﾞ ﾞ＞
ゝ ﾐﾞ｀´￣￣｀ﾞー-ｿ＞
ヾ､ zミY -=z､ : :::}｀ﾞ
ﾒ _＿ 三K ヾ､:::i
k .､Y rー､ヾ ≦ﾞ ヾﾞｰk〉;:ﾉ
ヾﾐ i }-ニ} ﾞ三'´ :.ﾞゞ'.:::i 結局 ろくな報償もないまま唐入りは終わっちまう
,ゞ ﾐ､ヽ ( z ﾞ:::'´ ::.',
彡ー-ヘ_ｿ ,rー- ､_ ｰ _,r'ﾞ 公儀で地位を得ないことには 家中ご破産だ
／ ∧ '､_｀ー､,_｀ﾞﾐ>-'
／i ｀ﾞ:.､ ｀＝ーﾞ,'´
| ヽ / ::.｀＞.､ /
ヽ. ＼ j 〃ﾞー'´
＼ ＼ l i _ノ, ｀:.､
＼ ヽi | ／ ﾉ ￣ヽ_
＼ ＼ / / ´ ￣ヽ
加えて、秀次事件や唐入りにおいては石田三成や、三成と組んだ小西行長となんらかの確執を持っている。
／:{ｲ:::::;;ィ:ィ;:::ｲイ:::.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/
／;:::::::.,';ｲlil.{.li〃.:::::::;ｲlil.{.li〃.:::::::ィ:::::::::::::〈´
￣/::::::/i:::/l:::::::/l:://:::::/l:::::::/l:://::::;:::::::::::::::',
/.:;ｲ:i .l/ l|::::/ 'l;'./ |:/ l|::::/ 'l;'./ |::::.;;::::::::::::::',
/.::::;'.:::::::::: .l/ l|::::/ 'l;'/::|:/ l|::::/ 'l;'/.:: |lilli::::::ﾐ::',
:/l;' l::;:: ::` -._!!:::::::ﾊ;'/.'/:: .l/ l|: 'l|:/ l|::::/ iii{ilﾐﾄ､
' |! .!:l.ｌ;:/ f:::::ゞ、.l/.;.;.;.;.;..l/ l|: 'l|/:: .l/ l|:⌒iﾊ:|l:'
Ⅵヽ 弋::’ノ`.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;Y{ﾘ.lﾊ i::!. しかも新体制じゃ あの石田が最高幹部入りだ
| `￣￣ }:.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.r‐' /ﾘ:|!
ヽ. /.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;､ノｖ‐ .! このままじゃ俺たちに未来はねぇ
ヽ `.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.,.:′ V∧
＼ ＿_.;.;.;.;.;.;.;.;.;／ .／ ＼
｀ 、 `.─`.;.;.;.;ィ ／ l
／ ＞,...__ .＜ , イ .ｲ
だが幸い、権力を独占する五奉行五大老は亀裂だらけである。
彼らが成すべきは、その亀裂をうまく押し広げ、秀頼の側近へ、新体制の一角へと入り込むこと―――
,.--､,.-‐''"ﾞﾞ｀`'‐.､
／ ,へ, i |l , ｀`'‐.､
/ // ! l l| i , ｀ヽ.
/ // | l| il | i , ヽ.
ノ .// l i l l l i li i i,
／/ //i __ .l l l | i l |l l i,
＼ i i il（_ ｀ j/ | l l l l l l !,
＼ ! ハl ＞=u-、 ヽl |i l l l l i
＼ ヽ! l| ''"､_ ,/ ヽl lヽ人l | l i | l 手っ取り早い解決策は だ
＿.) ） l. く ､ ヽ/l| / l !
（(￣ .! _ ヽ/／‐-」' 五奉行五大老でありながら 今の公儀に不満を持ち
＝ #ﾆﾆﾆﾆﾆﾆヾﾆ＝=､ ﾉ ''/っ ノ 変革を望んでるやつと組むこと……
ヽ ー‐ ／ 〈_,.／
＼ ／ i
＼__________／ l
iヽ ヽ
／: : : ,./: : : : : : : :/: : : :/: : , '/!: : : : : : |: : :|: : : : : : : : :
, ': : : :／/: : : : : : : :/: : : :/＿/ / l: : : : : : :|: : :|: : : :l: : : : : :
/: : :／ / : : : : : : :/: : : :/´: :/ l｀ |: : : : : : |: : :|､: : : !: : : : : :
. /: :／ /,ｲ: : : : : /: : : : /: : / !:::::::l: : : : : ∧: : ! ＼: :!: : : : : :
/／ // |: : : : : :!: : : : ,! :::/:::::!:::::::::::!: : : :/ ヽ: :| ヽ｀ヽ､ : : : :
!' l: : : : : l: : : :/.|: ,':::::::!:::::::::::::!: : : !:::::::l: |:::::ヽ: ヽ: : : : :
| : : : : |: : :/ !|/'ｰ- |､::::::::::::::l: : l:::::::::', l:::::::::ヽ: ヽ: : : :
| : : : : |: :/l:::::|__ |::::::::::::::!: |:::::::::__'|:::::::::::ヽ;!､: : : :
|: : : : :,!: !: l:::::r ' i !:::::::::::::::| |:::::::::::/｀''―- ､ヾヽ: : :
!: : : ｲ|/: :,!:::::!ヽ-'/::::::::::::::::::l:!:::::::::::!_ /l: :∧: :
',: : l l |': / ｀ ｰ' | r‐' i ./ ! :/: :! : :!
ヽ:| | |: :{ l､ ヽ.ノ,. ' /:/ : : | : l
'.| | |: : ＼ ､__ ` '´ /:/ : : : ,!: |
| |: : : : |ヽ､ __,.、 `ｰ' ･ /:/: : : : :/!/
| |: : : : |: :／／ ヽ ,.. /:/: : : : :/´|: :
| |: : : : |/ / / ,'‐;!ー――,.i' ´-.//: : : : :/ : :|: :
| |: : :/7 / / / l｣ ,.. ''´:::::::::::::/': : : : : / : : |: :
| |: : ! |／::::::::::::::::: , ': : : : : , ': : : : |: :
そして何より、政敵・石田三成を放逐し、公儀中枢に「空席」を造り出すことだった。
しかし、こうした公然たる私党結成がいつまでも隠し通せるわけがない。
_ ,. :ｬ≦:￣￣: :≧=-. _
, ＜: : : : : : ---- ､: : : : : : :.＞ｘ
イ: : : : : : ／ ＼ ,ィ─-､ヽ
: : : : : : :.,′ γ⌒ヽ ﾍ,ｲ , -､ ﾍヽ
: : : : : :, { 乂zソ | ( ) i: ∨
: : ／ ヽ､__,. -- ､__,ィ:::::ヽ`_´__ i_: :V
:/ ｀`ヽ､ 八:::::::::::ﾉ ￣｀ ヽ:V
′ `ヽ､ ＞!'´ __Ⅶ
──- ､ | ,. ｨ'´ ! ふふーん
ヽ | ＿＿ i
i ＿ | _ ￣`! 家康め 焦って尻尾を出したな
__, ィ ´￣ i `ヽ､/ i
ヽ i /ヽ,′
＼ i ／ /
:､ `ヽ､__ i _,. イ , '
ヽ＞ｘ_ ──'‐ ' ’ ,ィ
: : ＼::::::≧--z __ __,. z＜/
: : : : : ＞ｘ､__:::::::::::::￣￣￣:::〃 ｿj
: : : : : : : : : : :,ｨ≧------- { _,.イ'∧
: : : : : : : : : :/ 弋==≦´ ﾉ
各方面に強力な人脈を持つライバル、前田利家はもちろんのこと。
名護屋での撤収指揮から戻った石田三成も、すぐさま事態を把握した。
＿ ＞:::::::::::::::::::::::::::::-‐v／.:::::::::::::::::::::::::::::::::＜
＼::::::::::::::::::::::／.:::::::::::∧＼:::::::‐―＜:::::::＼⌒::＞
／.::::＞‐::::／.::::::／//.::::::::::＼:::::::::::::::＼::::::::::::::＼
／⌒／.::::::／.::::::／／.::::::::::::}:::| ::＼:::::::::::::::ヽ::::::::::⌒｀
／.::::::／.::::::／／ /.:::::::::::/:::,:::::::::::ヽ::::::::::::::}ヽ::::＼
／⌒＞ .::::::／rく /.:::::::::::/:::/::::::::::::::::} :::::::::/:/}:::::::::＼
／⌒７.:::::; 弋ｯV:/ｉ::::::::/ l/酛:::::::::::::ｉﾄ､::::/:/∧:::::く⌒
´/／} ￣l/ハ::::/_/＿_|/|/|:::/:::::∨.／.:::::::::::::＞
/′ : , Ⅵ７¨弋ｯ｀ヽ!/ｉ:::::::::|.::::::::::::::≦.._
{ / ` ー " /.::::::::ハ::|}:::::::＜⌒
∧ } ／/／}/rﾉi/.:::::＜
_ .. -‐=＝ﾆ二¨,∧ ＼ ／､___ イ:::「￣
／＿＿＿⌒ヽ / ∧ ヽ｀ヽ イ＼丁／/／
´⌒/ / /￣￣ ∨/ //}ゝ---- ―=≦´／ ｛
＿_/ / /_ .. -‐} } ″{ ／ /,
＿__厂￣7 / / ＿} }＿ ／} , -‐=≦ //ハ
/ / /, ／ 厂￣￣￣/ ./ //⌒ｉ | // ｝ 、
ｉ ｉ ｉ/′ { ＝ ／ｉ :// :| | ／/ / ＼
ここから政局は動く。
|￣￣￣￣￣￣￣￣|
| 太閤殿下死去 |
|＿＿＿＿＿＿＿＿|
∧∧ ||
( ﾟдﾟ)||
/ づΦ
∧ ∧
( ω・｀ ) 知ってたがな
年末、公儀は豊臣秀吉の死を公表し、即座に遺言を発効させた。
慶長四年正月。遺言に従って豊臣秀頼は伏見城から大坂城へ居を移し、利家は守役として供奉。
吏僚や大名屋敷などもこれに続き、政権機能は大坂へと移っていった。
＿＿＿＿＿＿＿_
.／ ／ ＿＿、ヽ
.＿,ノ ＿＿,ノ ∠＿＿ヽ ＼＿_
Iニニニニ|＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿|
| ＿＿＿＿_ | |.:::─:::.、 | |
| | | | | |:::::::-==ヽ| |
| | | | | |:L:iλ::i::」| |
| | | | | ||i ﾟ ヮﾟﾉ:||| |
| |＿＿|＿__| | |'ヽ∞ｲiつ| |
| _ | |/,.-=-!:::|.| | ／￣￣￣￣￣￣￣￣＼
| ／.￣￣ヽ＼.| |,、__,_、〉;:| | /| ∧＿∧
l / ＼‖/ `, `, ￣￣￣~ | / | .） ⊂￣￣⊃
| { 二（())三. }. |二二二二二二ニニニニニニニニニﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆヽ 0'ヽ 0'
~^`、 ／.|ヾ / /´/ ＼7 / ∋J / /| /´ | / ./ ヽ i （
＼＿_，/ /、＿_／／ | （ | （ .| ( / （∩∩）
ｰ---‐´ ｰ-‐´ |__ヽ.L_ヽ Lヽ_ヽ
伏見に残るのは、城番である長束正家、同じく城番で京都所司代の前田玄以。
_ ＿r､＿＿＿＿＿＿_ｨi＿ _
〈r三ﾆ==================ﾆ三x〉
∨/,| 二二二二二二二二二 |///
＿＿∨/}i:i:i:i:i:／／.二.＼＼:i:i:i:i:i:{'//＿＿
∨二ﾆ=====ﾆ／ ＞＜ ＼ﾆ=====ﾆ二∨
∨/|＿＿＿_l [][]¨[][]¨[][] |＿＿＿_|///
┌- ＿∨,}i:ﾛﾛi:i:ｉﾛ:|ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆニ|:ﾛi:i:iﾛﾛ:i{'//＿ -┐
∨三ニ===============================ニ三∨
∨/,|＿＿＿＿＿＿＿_／＼＿＿＿＿＿＿＿_|'///
Ｖ/|:i:i:[][]:i:i:i:i:[][]:i:i:i／／＼＼ｉ:i:i:[][]:i:i:i:i:[][]:ｉ:i:|'//
┌―――┴ lﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆニ／／:::＝:::＼＼ﾆニニニニニ! ┴───┐
∨＞==============================================＜∨
∨/,|＿＿＿＿_∧＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__∧＿＿＿＿_|///
＼:}i:i:i:ｉ:[][]:ｉ／人＼i:i:i[][]:i:i:i:i:i:[][]:i:i:i:i:i:[][]i:i:／人＼ｉ:[][]:ｉ:i:i:ｉ{:／
＿＿＿＿＿＿_lﾆﾆﾆ＜ ＞⌒＜ ＞ﾆﾆﾆﾆニニニニニ＜ ＞⌒＜ ＞ﾆﾆﾆ|＿＿＿＿＿＿_
{､＿＿＿＿＿＿_└―――＝―――┘ └―――＝―――┘＿＿＿＿＿＿_,.}
＼'///T^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^T,///／
. ＼'/| |'/／
｀ |―───────────────────────────―:| ´
|:i:i:i:凵:i:i:i:凵凵:i:ｉ:ｉ凵凵:i:i:i:凵凵:i:ｉ:ｉ:凵凵:i:i:i:凵凵:i:i:i:凵凵:i:i:i:凵凵:i:i:i:凵:i:i:i:|
|:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:ｉ:|
-============================================================-
/―-＜_ﾉ＿ノ>一'┬┴r‐ゝr‐'ｰｧ┬'ｰr'┬'⌒Y⌒ｴ¨＞‐r'二l二工⌒ｉ >‐<＿ﾉ､／∧
/¨＼＿ /_ _ﾌ__匸_jﾆ二ヽー`r―v⌒i⌒)二「＿工＿}＿j__人_人／丁ヽ⌒ヽ>＿斗‐∧
. /＼/＿/⌒rヘ__ﾉ､_」､＿}ｰ-ヘ-ﾍ二ﾌ､⌒>‐`r‐<＿ﾉ┬'`ｰく_ノｰ┬`ｰr'⌒Y⌒ｉ ＿_∧
そして自邸に徳川家康。
遺言の具体的な内容を初めて知ることになった諸侯、なかでも家康を頼る武将たちには動揺が走った。
＿＿＿_
／ノ ヽ､_＼
／（ ○）}liil{（○）＼ な なんで徳川殿が伏見居残りなんだお？！
／ （__人__） ＼
| ヽ |!!il|!|!l| / | しかも城代ですらねーって これじゃ左遷だお！
＼ |ｪｪｪｪ| ／
＿__ ＿
-‐''"´￣ ｀ ｀''ヽ=､
,.‐''"´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
r（:::::::::::::::::,、_ｨ::::::::::::::::::::::::::::::::::
ゞ, ｒｒ〜ヅ ﾐ:::::::::::::::::::::::::::::::::
ﾌﾊ ﾐ::::::::::::::::::::::::::::::
. l __,,. -─¬,〈::::::::::::::::::::::::::::::
〉ﾞﾞ`'''Tjフ￣ ヽ::::::,ｨ ,､ヽ:::::::
. / ,.‐'" }:::/ /ヽ ﾊ::::::: ……その意図が太閤にあったとすれば
/.. "´ ２ﾉ/ l:::::
. ヽ.ﾆ,｀ u. __／ :l:::: いや 他の奉行大老にあるなら
. 'ｰr_‐; .ｨ l::: こいつはどえらいことになるかもしれないな
〈.. /:{ ヽ
｀} ／:: ! i
丶、,､. イ:::::: !
─────────────────────────━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
. ,..イ´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:´￣｀丶､
／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
. ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ﾍ
∠:ィ:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.',:.:.:.:.:ﾊ:.:.:.:.:.:＼
/:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:!:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.ﾊ:.:.:|:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:トゝ
. |:.:':.:.:.:.:.:.:.:|:.:∧:.:.:.:.:!､:.:.!.､:._｣',...Ｌ:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.Ｎ
. l:.:l:.:.:.:|:.:.:下'ト ヽ:.:.:| ｘ|'´＼! ',:l:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.|
V||:.:.:.Ｖ:.:.|,ｨ=ミ､＼! ｨイ¨'ﾄヽ:.:.:.:.:ハ:.:ﾄｿ
ﾘ､:.:.:.＼|:{ ﾋ,ハ ら､j.| |:.:.:.:.,'ノ〉:|′
ヽN:.:.:.:| ｰ‐' ー-' ,!:.:.:./ｲ/ヾ 「どエライこと」？
l∧:.:.ヽ '_ /:.:.// '′
＼:.|｀ _,..__ .ィ ./:.:./ｰ､
｀rｧ ´ / l ,./:.:/ ∧
／′ /三ミ ､//／ ヽ
/ .′ / ｀y ´ ﾍ. ［片倉景綱］
,′| | / .ィ´￣ヽ.〉
/ .| | / ,.'´ ｜
＿＿／∠ィT丁￣￣トミ､ゝ、ヽ⊥__ヽ、
ﾉ-ヲ/:.:/:.:.:ハ:.:.ｉ:.:.:.:.:.:.ヽ:.:ヽヽｉ:.:.:F{⌒￣{
ン ./:.:.i:.:.:.:!:.:.i:.:.:.!:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:ヽ:.!:.:.:l. ＼＞′
,i个.､{:.:.:.!:.:i:.:!:.:.ﾄ､:.:ﾄ､:.:.:.:.:.:.!:.:.ﾉ:.i:.:.:.:l >ゝ、
／ ///:.!:.:.i:.:.:!{:ト_ト､!:ｌ ヽ:.:.:.イ!｣:/!:.:.:├斥、ﾊ!
￣V/:.くl:.:.:i:.:.ﾚ彳Tヽ｀ヽ ｀xi斥 トｌ:.:.:.:ﾚ:.:ヽヽ
}:.:.:.:.l:.:.:ヽ:ﾄ､ゝン ゝン ,l:.:.:.:.!:.:.:.:.V! そーよ
l:.!:.:.:.':;:.:.:.:.＼ , /:.:.:.:.:i:.:./:.ﾊ!
l:ﾊ:.:.:.:.:.:;:.:.:.:.:.ヽ ｰ‐_− ／!:.:.:.:.:.,':./l/l/ 家康抜きにして 今のこの公儀が回ると思う？
ヽ ヽ:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:.:｀ヽ、___ ｨ!｀V/!:.:.:/:｢ / ´
ヽ ＼ハヾヽ、:.:.:.:.ヽ、__′メ/:.,.ｲLl ´
／--i:{_ ｀⌒ヽ{ｒ‐┐.／イ ｉ! l
/__￣｀＼＼／￣/ ├､_／!:.:.:!!Y
-―――-
／ : ／ ／￣￣｀ヽ｀ヽ、
/ : :_/. :/´「￣￣、｀ヽ､ ヽ
/.:／ !: :/_/ｌ: ! : : ､:ヽ : : :V ∧
i::〈_人!: :l∧＼ヽ: : :i : i : _: ﾄ､: i
. l:://l/ !:::lf千 ﾐ､ヽ＼!≦´V lく: :l こないだの縁談もそういうことだったのね
lく/〈/´!::ｌ ゞ-' 弋冫j/ｌ ｌ〉 !
l ::!:::ヽ､!::l ､＿′ /:∧!: :! 家康だって黙ってるわけないってことよ
!::l:::::::::∧ﾄ､ ー ′／:/.:/ ﾊj
. Vヽ、:::::lヽ、丶､_ ィ/.::/.:/j/
（＼＿ ＿>､:::!､|ヽ ト､/イ／
＞ _｀ヽ__ /ヽ ヽ! ＼ ＿ヽ￣ ヽ＿
rf壬‐＿´__ノ Ｖヽ / ∧ ヽ´＿_｀ヽ ト､ヽ
〈＼ ﾉ ト､!// 丶 、＿_｀i l }
/ヽ￣ ノ ∨ ､ ｌ ! !/ ヽ、
{ ￣ ｌ / ＼ ｌ ｌ ∧ ＼
. ＼ l＼ /／ ＼ ! ! / !／ ヽ
ヽ￣ /ヽ、 ヽ、! ｌ / / ￣ /
/, | /:: , l:: i::. }::ヽヽ::.ヽ ＼
.// .:! :| : /:::/:/::/i: /: !: }i:',ヽ:|
i,i .::| :|: :: !,/_ﾑ/_ l:/::: l:: !l::! i::!
. ! l .: : .::::| :i:.:: ﾚ',ｿ,＿/｀!::/i:/ i:! |
. !.:! ::. : .:.::/´', !::: | ! ヾ.i´:i｀ !/ / ! 家康がいなければ公儀は立ち行かない
i:l', :::::. :. ::. ::〈 ､'_ﾞil::::. |.| j_ｿ ﾞ､_ それを家康は実力で示す
ヽヽ､:::::::::. :::.::::＼ニ',::. ii::! ﾉ
ヾ､i::::l::::l::::',:| ',::. !',! ｨ´ 縁談はその手段として……
i|ヾ:!:::i::::/ヽ ヽ. l 丶. /
ﾉ /ii/lノ ヽ:r‐y┬ '
イ'"｀'‐- ､ / ヽl/ '
/ ＼__{ヽ､
／_,, -‐‐‐-- ,,_ ＼_,ヽ‐､
,. ＜:::::::::｀´:::::::＞､
／::::::::::＞---＜:::::::::::＼
__/_:/:::::/_ -====ミ.∨ﾑ--ﾍ
_} -７:::::/::::::i::::::::::::::::::､::::::::',ト }',
乂_/::::::,'::::::/|:V:::::､::::::::',::::::::', ﾉﾑ
i/i::i::::::|::/{ﾄ､{ ∨ﾑ＼:::::i:::::ハ∨:',
〈/i::|::::::{:i | 丶 ＼', Ⅵ}::::::i::i }:',ﾊ ふふん♪ なかなかおもしろいことになりそうだわ
7_|:::V:::ﾑ,==ミ rﾁ千::::/::|`:::i丶
. ,'::::i::::::＼:ﾍ、 ､ ﾑイ::::::L_::| } どうおいしいとこに喰いつくか
|!::::i::::::::::八 r─ _ｱ /:::::::7| |¬, じ〜っくり品定めといこうかしらね
ヾ{ V:::i､::::',＞ .￣ イ':::::／| !.| '、
, r{ ＼!.＼i. ト _ ¨´ _|／. . | |.| , j＼
／ ､ {:i. . . ト ._｀ '´-.}. . . ..| |.! / ＼
r ' ｀ - V',. ..ﾑ<ヽ_彡'ﾆi . . ..//,'/ ｀ヽ、
∨ __,..-､∨､. ∧.ー＜./. . ./// ト ,_ _,. }
果たして、決定的な事態が訪れる。
秀頼を奉じて大坂へ移ってわずか九日後。
すかさず利家は、他の奉行・大老とともに家康弾劾を決議し、関係者に詰問使を送った。
ミﾐ ＿＿＿＿＿ 彡彡彡彡彡彡
ﾐﾐﾐ ／ / ＼|/ ヽ ＼ 彡彡彡彡彡
/ ／| 0|∠ |ヽ ヽ、 彡
ミﾐ. | |＼ ｀−○-´ ／| | 徳川家康は「御掟」で禁止した私的婚姻を何件も繰り返してる！
ﾐ | /| |＼ 三|三／| | |
ﾐ | | |＿|__|＼_|／| |__| | ＿ 証拠は明々白々だ！
| | | | |￣ |￣|￣| / / （___ﾉ
ミ __ ヽヽ＼＿／￣＼___/／ ／ ／
ﾐ（___）−＝＝＝（Ｔ）＝＝ ／ 丿丿
ヽ__ ／ ヽ | ／
弋￣:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/＿＿
＼￣:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／
＞::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
≦::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／/::::／::: |:::::::::::::::::::::|:::::::::::::::::::ミ三
￣/:::::::::::::::::::::::::/／__/／|/:::::/|::::::::/|:::::::::|::::::::::::::::ミ､
. ／:::::/⌒|/::::::::/ ＿__≧､|::／ i: : /厶 |::/::::::::::::＜
フ::::::|厶〈|::::::|/ ヾ じ￣｀ ヽ .|／,≦__|/::::::::::::::::::ト､
∠:::::::∧. { |/|/. `ｰ ´じ￣'/::::::::::::＼￣
￣／:::＼ `ー' |::::::::::::弋
,.イ::::::::::::|､ i /::::|＼|
|／|::::: | ＼ ´ / /ｌﾙ' 事の次第じゃ 大老の地位を降りてもらわなきゃならねえな
. 川/ ＼. ,-――ｧ .／
__/. ＼ `ー―' .／
. / `ー――‐ ､ ＞､＿ , ´
/ ＼/
7￣￣￣ ｀ヽ. ＼
/ヽ＿,／ ＼ ＼_
. / ＼ /
対する家康の返答は―――
,. ;':":.:.:.:.:.:.;.:.!:.:,:. :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:､:｀ヽ
,. '´ , ' : : . . . :.l.:.;.::. :.:.:.:.:.i.:.:.:.､:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.｀:、
, ' / '.:.:.|.:.l ::. :.:.:.:.:.:!. ｀、: : : : : ｀、:.:ヽ
／..:.::.;:.::.:/.:.:.:.:.:.:.::; :.:/!:.:|、:. :.:.:.:.:.lﾞ、:.:..i, . ｀､:.:.:i、
,:':.:;. イ::.:/.:.:.:.:.:.:.::::l.:.:/ |:.:!｀::::. :.:.:.:.:!｀、:.:.',､:.:.:. . : ﾞ:.!:.:l
/／ /::./.:.::.:.:.:.:.::.:ｨ-/''''トl､｀、:. :.:.:.:! _,x―!ト､:.:.:.:.:..l.:.',:.:l
/' ,'.::.:;!.:.::.:.:.:.:.::.:/!:,' ﾞ::! ｀､:. :.:.:.! ｀、l.｀､:.:.:.:.:.:.:i.:.',:!
. i.:.:.;l.:..:::.:.:.:.:.:./ |:! ﾞ:、 ｀､ :.:.| ヾl ｀､:.:.:.:.:.:!:.:{
i:.:/.|.:.:::l.:.:.:.:.〈. 上=＝≦ヒ ｀、| ﾆ≧非=ｭ.}、.:.:.:.ﾄ;:.l
. !/ !..::;'|.:.:.:/:::ｌ ﾞ｢ﾄ::'::;;:..:ｲ｀ ｀:j ﾄ::'::;;:..:ﾘ/::ﾍ:.:.:.:|:ヾ! えー？ そんな条目あったっけー？
〈. !:/ j.:.:.j＾!::::ｌ ヾ-―` ´―-"'/::.::.λ:.:ﾄ､:`､
｛ ﾊ.:.l:ﾄ|.:::::! ・/:::::::.l:ﾍ.:.|.|｀丶:、 あーあーホントだー
l:.:V:./|..::::ﾄ､ _jー'ー! /:::::..:l乃ヾ!:!
l:.'.:.:〈ﾐ|.:..:::!:|｀`丶／ /´ｌ‐r',,.. -:'" /:::..:.:j//ﾞi.:.:.l. ごめんごめん うっかりしてたんだよ
｜.:.::! ﾞl.:.:..::!|}＜7_ ′/ ト、 ,,/::..:.:.:!'′ !.:.:.l
|:'.:.:! .l:.:.:.:/､､ ｀`¬-､⊥ ／'/.:.:.:.:/ |:.:.:.!
|'.:.:ｌ l.:.:/､､｀`｀＝､､_ ﾞ}ｲ/.:.:.:.:/ |.:.:.:l
|.:.:.| `/ ｀｀＝-、、｀｀`‐ｦ /.:.:.:./ l:.:.:.:!
. |:.:.:.l } ､、 ｀`｀¨＝|/:.:.:.:./ !:.:.:.|
家康に妥協的な勢力すら擁護できないひどいものだった。
＿＿＿_
＼ ───＿＿＿
＜ ￣￣￣￣|
＞ ＿＿＿＿＿＿＿＿＿ .|
￣￣ | / ＼ | |
| /⌒ヽ ／⌒ヽ | |
| | ‘ | i ‘ | | | （こいつ
| ヽ.__ノ ヽ.＿ ノ .ﾚ⌒ヽ
ノ o ６ | 言い訳する気すらないのかよ……）
／＿＿ ＼ u. ＿ノ
＞ ﾉ
＜、＿＿＿ イ
|───┤
／ |／ ＼ ／ ＼
一方の当事者である諸大名も、神妙に責任を認めるなどという態度ではなかった。
-―――-
／ : ／ ／￣￣｀ヽ｀ヽ、
/ : :_/. :/´「￣￣、｀ヽ､ ヽ
/.:／ !: :/_/ｌ: ! : : ､:ヽ : : :V ∧
i::〈_人!: :l∧＼ヽ: : :i : i : _: ﾄ､: i
. l:://l/ !:::lf千 ﾐ､ヽ＼!≦´V lく: :l
lく/〈/´!::ｌ ゞ-' 弋冫j/ｌ ｌ〉 ! 大名同士の勝手な婚姻の禁止ね 知ってたわよ
l ::!:::ヽ､!::l ､＿′ /:∧!: :!
!::l:::::::::∧ﾄ､ ー ′／:/.:/ ﾊj けどこれは 徳川内府が望んで 今井宗薫が仲介した話なのよ
. Vヽ、:::::lヽ、丶､_ ィ/.::/.:/j/
（＼＿ ＿>､:::!､|ヽ ト､/イ／
＞ _｀ヽ__ /ヽ ヽ! ＼ ＿ヽ￣ ヽ＿
rf壬‐＿´__ノ Ｖヽ / ∧ ヽ´＿_｀ヽ ト､ヽ
〈＼ ﾉ ト､!// 丶 、＿_｀i l }
/ヽ￣ ノ ∨ ､ ｌ ! !/ ヽ、
{ ￣ ｌ / ＼ ｌ ｌ ∧ ＼
. ＼ l＼ /／ ＼ ! ! / !／ ヽ
ヽ￣ /ヽ、 ヽ、! ｌ / / ￣ /
ィ:.:.:. ´￣￣ ` ､:.:.:.`:..､
. ／:.:.:.:.:/ -─── ､}:.:.:.:.:.:.:＼
. ,:':.:.:./:.:.厶イ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.: トミ
/:.:. ｨ:.:.:.':.:.:.:.:.:.l{:.:.:.:.:.:.:、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:{ ヽ
. /／}/!:.:.:!:.:.:.|:../ハ :.:.:.:.:.＼:.:.:.:.:.___:.i:.:.:.ﾟ，ヽ∧
' / |:.:.:ｌ:‐/l┼ﾐ !:.:{:.:.:.: l:.:.:x:´:.:.:.:.!:.:.:.:.∨/ハ
. ハ〃 |!:.:.:Ｖ |/ ｀}:ハ:.:.:.:レ' ＼:.:.:|:.:.:.:.:.|〈 (:.:.:.
i:. /ｌ:ﾄ _]:.:.:.:l ＼:ｌ ィカ卞ヾ!:.:.:.:.:.!│{:.:.:i
|:.:ﾚ|:| lﾊ:.:.: ㌧不孑ﾄ 戈z少 |:.:.:.:.:.| 〉: ! 太閤殿下の許可が下りてると思うのが当然じゃないの
|:.:| |:| l:.:.:＼:X.戈少 ￣｀ |:.:.:.:.:.l }/:.:.:|
|:.:V:.ﾄ:!:.:.:.:. Ν´￣ ′ |:.:.:.:.:.|V:.:.!:.::! まだあたしたちは ご逝去を知らされてなかった んだから
|:ｉ:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:∧ ー ´ /|:.:.:.:.:从:.:.|∨
|:ｌ:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:|:.:..、 " ｲ:.:|:.:.:./:.:.:.:. |釗
}ﾊ:.:.:从:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:〕iト イ:.:l:.:.|:. ｲ:.:.:i:.:. リ
ﾟ，:.:.:.ヽ:.:.:.:|:.:.:.:ｌ:.ﾊ. ￣ |:.:.l:.:イ:.:.:.:/|:.:.ﾉ
}:.:l:.:.:.:.＼:l:.:.:ノ⌒i |¨:j/:.j:.:. ｲ :!:.′
. Ⅵ --≦ヾ{ ﾚ′ 乂 }イ 〕iト ．
／ ｀ヽ. |ー‐ ‐一| ′ /＼
まるで口裏を合わせたように、彼らは異口同音に陳弁した。
挙句、開き直った家康は辞任カードをちらつかせる有り様である。
_,. ニ＝.-:､`:ヽ.、 ＿_ j!
,. :'':´: : : : : :,:-'': :./: : : : : : : :｀:`:ヽ<､
,.r:'ﾞ: :_:,,: ; '"／: : : : /: :j: : : : : : : : : : : : :.＼
／'"´ ／ , ' :./: : j: : l : :,: : !: : : : : : : : `:､:`.、
, ': : : : /: : . .i-‐仆: :j: : : : l: !: : :i:. : : : : ｀､:｀､
,.': : :/: .:j: : .::::i: :./ |: :.j!: : : :l:ハ:,:-:!:‐ ､ ｀､｀.
. /: : :./: .::j: : .::::l: :/ j: :i.|: : : j/ ∨: l::::::. : : i . ﾞ; i
': :／j: :.:::|: :.:::/j:./-‐_!:l. !: : :.j! ∨:.!:::::::. : :l: : :! ',|
/, ' |: .::::l: :::/ヤ示亦ｌ| i: : :i! V:lＶ::::::. : !:. :.!: i
'゛ !: :::::l: ﾊ ﾞrＪ::V l Ｖ: ! ､ ヾl.ﾞi;:::::: :j:::. :ﾄ､!
l: :::::}:l::::! Lﾆﾉ ヾ! ﾐミニ ﾞ'j::V: : |:V: !ハ まあ これで事が収まらないってーなら
V:/Ｎ::::! ' ￣．l::::::V: !: :V| アタシが隠居して大老を降りるしかないかねぇ
. ﾞ' |:| ::l. ｰr ､___, l:::::: |Ｖ|: :.Ｎ
|:,!: ::`:...、 ヽ ノ ,ｲ::: ::l:::i＾ヾ! そしたら今後のことは秀忠に任せるよ
|':l: : ::::::l:::`i:.. 、 _,,... イ::::l::: : j::: } |
j: :!: : : ::l::;/´iﾉ ￣ i! ヾ､|::::j:: : :.!::./ '´￣二､ヽ
ｉ: : !: : : :.! l. ＿ | ｀i|: : :.l:: l -―-'､
,': : ∧､: : i ｢ .｀| '!: : :.!:::ﾍ ´￣_,)'′
,': :.∧:ﾍ:､: | l. ! /: : ∧:: :.| T ´￣
,': :/ ヾ､ﾍ: |. l. j /: :,/ V::| |
遺言では、確かに家康の引退後、秀忠がその地位を継ぐよう乞われている。
／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ |/
:::::::::::::::::／::::;::::::::::::::::::::::::::丶'
::::::::::::::/::::; ｲ:::::::::::::/:::::::::::::::::ヽ
::::::::､_::_∠ |::i::::::::/|:::i:::::::::::::::::::',
:::::::/:／ |::|:::::/ .|:､::::|::::::::::::!: ',
::::/く_＿ .|::|:::/ .|ﾊヽ|::::::::::::V::|
:/V「｀ｰ＝ |ハ:{ ' ',:|｀:::::: i::|:::i
r| ト､:: ｶ 、 ',::::| ァ=z.､::::::::::|::|:/
ゝ.. L＿/ ﾉ‐-v‐ .か:::｀ｿｱ::::/:::|'
::! ー‐ ' 丶 れ::::/ く::::ﾊ::::| でも どこにいろとまでは言われませんでした
::丶 ｀ー-.- ｲ:/:::|:::i
:::::::::;丶. ｀ ,ｲ:::|'::|::ﾊ/. , -, 在京？ さあ……どうしましょうか？
:::／:.:.|ﾉ ｀ T:,:Τ´::::/::/:::/::| r . .／／
:':.:.:.:.:.| 7:.:＼::::|::/::::/:: | i ' ´ ｰ ﾆつ
ヽ:.:.:.:.|ー-／:.:.:.:.:.:ヽ!':::::/::::/｀! ﾆﾆつ
､i´￣ヽ／,:.-‐‐-､:./:::::::|:::/:.:.:.ヽ ＿, ､ヽ ［徳川秀忠］
:.ヽ:.:.:.:/:.´:.:.:.:.:.:.:.:.｀!::::::::::/:.:.:.:.:.:.ヽ:.:ヽ ｀
ではその秀忠がどこにいるかというと、秀吉死後にいつの間にやら江戸へ下向していた。
家康が先手を打っていたのだ。
三成ら反家康派の鼻息は依然荒く、強行突破も辞さない構えだった。が―――
＼::｀ヽ!::::＼`ヽ|:::ヽ
ヽ二二二ヽ:::::::::::::::::::::ヽ:::::＼ /!
=ニ￣::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ＼ | | /|
＜_::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＜｀ヽヾ V ﾚ'!
￣:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::_-＝二 / /|
::::::::::::::::::＿::::::::::::::::／二≧-｀ヽ、 ﾚ' /
::::::::::::／〈りﾌイ::／ ≧ミ＜::::::Ｚ_ /イ_,.
::::::::::::| ヒｧ'´ ﾚ' ヾ じﾊフ／,.イ､＿／
::::::::::∧_｀ `ーフイ::::::∧ ＼_
::::::::::::,.ｲ ,. ＜ >//小￣´
＿_∠ ＼ く｀^' ､,＼ イ::ﾚ!:Vﾍ ﾄ､ ああ そりゃあ願ってもねえこった！
::::::::::::＞..､`ヽ、 ｀ヽ ヽ. 从/:::/ ヽ!
:::::::::::::::::::/ ＼^/´,.ｲｲ∧/ 殿下の猶子同然の秀忠殿を相手にしたほうが
::::::::::::::::/ ヽ ,.' ﾚ′ どっちみち やりやすいからな！！
:::::::::::∠., ｀ｧ‐- ` ._/
:::::::::::::::/ /
::::::::::::/ ／/:＞.､
:::::::::∧/ /::::::::::::::>
:::::::::| ＼::::::::::／
:::::::/＼__j:::::く
::::/ |:::::::::＼
┏━━━━━━━┓
伏見 徳川邸
┗━━━━━━━┛
_／__／__／__／__／__／__／__／__／__／__／__／__／__／__／__／__／__／__／__／__／
@==@==@==@==@==@==@==@==@==@==@==@==@==@==@==@==@==@==@==@==
ｌ｣/'' l｣/'' l｣/'| l｣/'' l｣/'' l｣/'' l｣/'' l｣/'' l｣/'' l｣/'' l｣/'' l｣/'' l｣/'' l｣/'' l｣/'' l｣/'' l｣/'' l｣/'' l｣/''
─┼─┼─╂─┼─┼─╂─┼─ .└───ｖ─────┘─┼─┨| |
─┼─┼─╂─┼─┼─╂─┼─┼─╂─┼─┼─╂─┼─┼─┨| |
─┼─┼─╂─┼─┼─╂─┼─┼─╂─┼─┼─╂─┼─┼─┨| |
─┼─┼─╂─┼─┼─╂─┼─┼─╂─┼─┼─╂─┼─┼─┨| |
━┷━┷━╋━┷━┷━╋━┷━┷━╋━┷━┷━╋━┷━┷━┫| |
//////////┃//////////┃//////////┃//////////┃//////////┃| |
━━━━━┻━━━━━┻━━━━━┻━━━━━┻━━━━━┛|＿|＿＿＿
二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二
二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二
──────────────────────────────────
:::::::::::::,,|;;;;ｉ|,|:フｉ:::::::::::::::::::::::::::::::,,|;;;;ｉ|,|:フｉ:::::::::::::::::::::::::::::::,,|;;;;ｉ|,|:フｉ:::::::::::::::::::::::::::::::,,|;;;;ｉ|,|:フｉ
:::::::::f----イ／::::::::::::::::::::::::::::f----イ／::::::::::::::::::::::::::::f----イ／::::::::::::::::::::::::::::f----イ／
＼∧＿ﾍ 集合だｺﾞﾙｧ!
,,､,､,,, / ＼〇ノゝ∩ ,,､,､,,,
/三√ ﾟДﾟ) / ,,､,､,,,
/三/| ﾟＵﾟ|＼ ,,､,､,,, ,,､,､,,,
,,､,､,,, Ｕ （:::::::::::） ,,､,､,,,
//三/|三|＼ ∧＿∧∧＿∧ ∧＿∧∧＿∧∧＿∧∧＿∧
∪ ∪ （ ） （ ） （ ） ）
,,､,､,,, ,,､,､,,, ∧＿∧∧＿∧∧＿∧ ∧＿∧∧＿∧∧＿∧∧＿∧ ｻﾞﾜｻﾞﾜ
,,､,､,,, （ ） （ ） （ ） （ ）
内府殿！内府殿！
／
／／
∧ ∧∧ ∧∧ ∧∧ ∧∧ ／
∀ﾟ) (,,ﾟ∀ﾟ)ﾉ) (,,ﾟ∀ﾟ)ﾉ) (,,ﾟ∀ﾟ)ﾉ) (,,ﾟ∀ﾟ)ﾉ) ｷｬｰ
.∧∧ ∧∧ ∧∧ ∧∧ ∧∧
(,,ﾟ∀ﾟ)ﾉ) (,,ﾟ∀ﾟ)ﾉ) (,,ﾟ∀ﾟ)ﾉ) (,,ﾟ∀ﾟ)ﾉ) (,,ﾟ∀ﾟ)ﾉ) やめないでー！
∧∧ ∧∧ ∧∧ ∧∧ ∧∧
(,,ﾟ∀ﾟ)ﾉ) (,,ﾟ∀ﾟ)ﾉ) (,,ﾟ∀ﾟ)ﾉ) (,,ﾟ∀ﾟ)ﾉ) (,,ﾟ∀ﾟ)ﾉ) ＼
∧ ∧∧ ∧∧ ∧∧ ∧∧ ∧∧. ＼＼
∀ﾟ) (,,ﾟ∀ﾟ)ﾉ) (,,ﾟ∀ﾟ)ﾉ) (,,ﾟ∀ﾟ)ﾉ) (,,ﾟ∀ﾟ)ﾉ) (,,ﾟ∀ﾟ)ﾉ） ＼
,ｒ:-::‐:::-:.､
|:/"￣｀ヽ::}
__,.:-┴::─ｨ'ヽｊ/:‐:-.､
,.ィ´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾊ::.::.:.:.:｀ヽ、
,/:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.::ｉ:.:.:.:.:.::|:.:.:.ヽ､:::.:.＼
../:.:.:.:.:.:.,'.:.:.:.:::ｉ::.:|;/|:.:.:.:|:.:|ｉ:.:.:.:ﾍ:::.:.::ﾍ
.ｊ.......:.:.:/:.:.:.::;-ｉ‐- |:.:.:.:|:.:||‐-:.:ﾊ:::.:.:ハ
l: : : :.:/:.:.:.:.:.:/|:.:|. |:.:.::ﾘｊ/| ∨:.:.:|::::∧:|
{:.:.:.::/:.:./::.:/__ｊ;/_ |:.:/ __!__|:V:..}:.:}
∨:〃::/:.:./ｵ≡≡ ｊ;/ ≡≡|:.∨::/ いやいや ありがとうみんな
. ∨:.:/:.::/:| ’|::.:|;/
|::/.:.:/::.:|､゛ ｰ'ｰ' ィ|::.:|
/:.:.:.:::.:／.:.:.:.:.:.:.:.:;.::..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:､:.:.ヽ､
/:.:.ｊ:.:／.:.:.:.:.:.:.:.:.::/::.: /|ヽ:.:..:|::.:.:.:.:.|'ｉ:.:|::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀ヽ､:ｉ
|:.:.:ｉ/. ../ . . . .:.:../::/ | ∨:|::.:.:.:.:| |:.:|ヽ､:.:.::::.:.ｉ . . .:ヽ､-､. . .｀ヽ
|:.:./. .,ｲ . .::.:.γ⌒::ﾄ | |:.|: : :.:| |::|⌒ヽ:.:. : :| . . . . .ヽ､＼ . . .
|:/: / . . : .::::.:./ |.:| | |:ｉ::.:.:.:j |:| ∨:.:.:.|::::..:.: : : ::ｉ ＼::
/::/:|:.:ｉ:::.:.:.:.:./_＿|ｊ＿.!_ |ｉ::.:.:/ _|ｊ_＿__ ∨:.:.}､::::.:.:.:.:.:.:|
l:/､:}:.:|:::.:.:.:.:ﾊ 「 ｆ:;::;;;::!゛` |:.::/ 'ｉ::;::::;;;:! 7 ﾊ:.:|::ﾄ､::::.:.:.:.:.|
ﾚ'|:::.:.::/:.:ﾊ ､込ﾒ:;j , |:/ 込:ｨ:;ｊ / ﾊ:;/.:|,ﾉ:|ﾍ:::.:.:.ｊ
|.:.|:.:.:/ｉ:.::::ﾊ ｀￣ ´ ￣´ ・ ﾊ:.:.::|:::::.| }:.::/
|:.:.|:/:::|:.:::::::j ゛ ,.-､_ {:::::.:.|:::.:.:| |:/ はてさて こいつは困ったねぇ
|:.:..'::.::::|:.:.:.::ｉヽ、 ｀ーl＾: | ｀l ,.ィ:::::.:.:|::.:.:.:| ´
|:.:.:.:::::::|:.:.:ｉ::|:::i:｀＞‐-ｉ´ｉ | | |､τ´::ｉ:|::::.:.:.:|:.:.::..:|
|:.:.:.::::::::| : | |-‐´ {._ﾉ| .! ! | ｉ｀ｊｰ--|ｉ:::.:.:.:.|､:.:.: :|
|:.:.:.::::::/|:.:.|:| ヽ-{ ,,ﾉ_ /:.: : : :ｊ ﾄ､:: :|
|:.:.:.:::::ｆ｀|:.:.||＼ ﾍ ヽ、 ／ ｀ハ:.:.:.::/ / |:.::|
|:.:.:.::::| |::.:ｉ|＼＼ ﾍ ／ .／／ ∧::/ / |:.:.|
政局勃発からまもなく、隠居の情報を伝え聞いた家康支持派諸侯が伏見に集結。
決起集会さながらの騒ぎとなった。
,. -. .、
iﾞ／⌒ヾ:、
_}L. .-:'ﾞi-.−.-_ｪ‐ｧ
.／: : /:.i: : :!: : : :｀:丶、
,:':./: : ;' /|: : :|ﾞ､i. . ＼ ｀:、
': /: : ィ７ .!j: :.l `!ト: : : :`:ヾ:.、
j: i: : : ｲ/__j:!l: j __l:|､: : :!: :i
.!:.|: :.ｵT寸|! !/ T寸!V:.ﾄ;:. | おっ こりゃこりゃ やる夫くん
!:.l: ﾊ 上ﾘ '゛ ヒﾘ !:i;.| ヾ:|
j: V: ﾄ､ ┌'ｧ ,ノ:::N ﾞ} 上杉景勝はここにゃきてないよ〜
.|: :.|::||:::l`ュｰヒ〔:::|: ||
!: :.l:.l|‐'ﾞ/＿./ `|: {:|
.l: :λ:l. | /,彡'ｲ:,ハ
j: ;ﾉ ヾlミ| /彡ヘj/ ヽ､ -‐､
l〈 j.>ﾐ!ﾑく、 | ,.-=y'、 ､)
!::}-λ ,.个､ 〉 ﾞ､{'/'" }、 ij
j:::E=l V i ヽ'′ ト､ / `'' ′
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─ ＼
／ -=・=- -=・=- ＼
| （__人__） U | そーゆー皮肉は覚悟してましたお
＼ ｀ ⌒´ ／
,ィ´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..::/.:.:.:.::::::::;:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
／::／.:.:.:.:.::.:.:.:::/:.:/|::.:.::::ｉ:::/7:.:.:;/:.:..:.:.:.:.:.:.
/,ｲ:.:.:..:.:.:.:.::/::.:;ｨ'.::/ |:.:.::::ｉ;/ |:.:.:|ｉ.:.:..:.:.:.:.:.::
'"/:.:.:.:.:./:..:/.:.::7::_/__,ノ|.:.:.::ｉ:| |:.:| |:.:.:.:.:.:.:.:.:.
|:.:.:.:.:.:/:.:/.:.:/ |:/ |:.:.::|' ｀ｰ|-|-|:.:.:.:.:.:.:.::
|:.:.::／|:./7|::ﾊ 三ﾆｭ､ |:.:::{ ヽ| ＼.:.:.:.:.::
j::／ |//:.:ﾘ::j ヽ:| ヾﾆ三. /:ヽ､::.:
'" |:.:.::::ﾉ ゝ-､__, ・/.:.:.:.::∨ ジョーダンだよ ジョーダン
|:.:.::∧ V.__丿 /.:.:.:.::/ }.:
|:.:..:.:::::ヽ、 ,/.:.:.:.::./ノ.:. 今のところやる夫くんに見限られてないってのは安心材料さね
|:.:.:.:.:ｉ:| ｀ ｰ‐ｧ-‐τﾆ´/:.:.:.::ノ:.:.::ｉ:.:
|:.:.:.:.ｉ:| ｊ ,ィ´／:.:.:,ｨ´::.ｉ:.:.:.|:.:
| :.:.:::ｉ| /｀`／ ／:.:.:／ |:.:.:.|:.:.:.|.:
|:.:.:.::ｉ|. / / /:.:.:／ ,r' ~｀ﾍ::|.::.:.|:
／´￣｀￣、: 、
l ﾞ:,: :ヽ
ヽ ',: : l
,-､ ; :./
∠ニ二: :￣:｀:丶､/: :.ﾞ:、 ;／
,.-''",. :'": : : : : :/: : : :｀:`: .＜
／_,,／: : : : : :/: :, '!: : :,::. : : : : : :＼
／／/: :./: : : :'⌒>' l: : :i:::. ヽ
/'" ./: :,/: : : : /:/ |: : l::ﾊ: ⌒ヽ: :!: i: :ﾞ:.
./:／i: : : : :,i∠,,_ l: :.!i. V |:::. : :l: :i: : i
// .i: :,: : /｢､示ｆ l: :i! ≧ﾐﾊ:::::. :|: :!: :.l
/' l: :|: :ﾊ. r';;;;'| !: l ﾑ升;:ﾔ::::. !: :!: :i なにせ 奥羽衆のなかでも初めてのシンパ
|:,ｲ:./::i. ｰ-' ∨ r';;;;'/'ﾊ:::::ｌi: :!:/
ｌ' |/ｲ:{ 、 ｀`''・/:ﾊ:::j::i :/ 大名連中じゃ初めて子弟を家臣に入れてくれた人だからね
l:::`:;...,,, ￣`ー /::::∧|:::i′ ／）
| ::::l:::ｌ::::＞┬┬､''ﾌ::::/":ﾞ::::/Υ／
| :::l::::l:／ ﾋ.-､/ /: :/:::::::::i´Ｙ´￣}
.l: :l,､< ｜ / i: :/'>､:::::ゝ ﾞ<, ノ
l:.l､ﾞ:､ﾞ:､｜ / ,,-i: /" ヽ/ ,'´
／ﾞ:{ ＼ヽﾞ:| /／,ｲ:/ ,:=/ ,'
,. ‐,ニﾆ丶、
／／´ ｀ヾ:
j.:/
{:{ _,.,
,. -:`: :":￣:ﾞﾞ: :'':‐- :'": :|
／: : /: : : : : : : : : : : ; : : : :｢￣二: :_‐.､
, ': : : :/:.／: : : : :,: : :.ｨ::!: : : : j: : : :｀ヽ、｀`丶、
,': : : :./, ':::; : : : :./: :, ':|::!: : : : ;{: : . . ､ ｀ 、
i: : .:: :,!':::::/: : : ;/: ; '::::::!l: : ; : :ハ: : : : :､: : .ヽ
!: : :::/::::::/: : :7ﾌア'‐::::::l!: /: :.,'_;;;j: l: : : ヾ::､: :ﾞ:
.|: ; /::::::;,': : :/_l/＿__::::::j.:/ : /::::::::i:.|: : :i: l`ヾ: :l
. ,!',/:;:イ,': :./!{Ｔ示干':::::;!/: :/ｨ夫ｫｷ|: : :l: :! ヾ}
/ｲj/:/_|:!: /::|::.!_ l｜::::/ｲ:./::l_ l | lﾊ{: : :{: :| キミが思ってる以上に 政治的価値は高いんだよ
/ !: :ﾞ ' ||;/::ｌ:|:::ヽ-' .::::::::::!/:::::iｰ' :::!:l'|: : ﾊ:｜
.!: :: ﾞl'||:::: ｉ:|:: ￣ '′ ￣ ・l::l !: ,' ﾞ:,! キミにフラフラされると アタシの威信に関わる
j: : : l::l :::: :i:ﾄ,､ ,， _,..ィ:.|. |/
/: : :/::;ｌ ::: : iﾍ. ｀ 7 ､-‐ｧ:'/|:l::::: :| オーケー？
/: : ;!く . l: :: : :i.ﾞ:、 い｀ヾ､/ |:|:: : :|
/: :./＼＼.!; ; ; ;.i ﾞ:、-┤ || ﾄ.||: : :.|
/: :.{'＾ヽ ヽ.ヾ: : : :l ﾞ:、 | || |ﾊ|: : :.|
／￣￣￣＼
／ ＿, 、＿ ＼
／ （●） （●） ＼
| （__人__） U | わ わかってますお
＼ ｀ ⌒´ ／
この時、伏見に対抗する形で、大坂の前田利家邸にも諸侯が続々と集っていた。
弾劾に賛同した家康以外の大老奉行はすべて、こちらにいた。
／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::"''-､
./l./::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
/::ll::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::‐=､-､::ヽ
/::::ｌ:::::::::::::::::::::::::::::::::::,i::::::::::::ﾄ､::::::::::::::::::::::＼＼|
l:::::::::::::::::::::,ｨ::::::::::::／ l::::::::::/ ヽ:::::::::::::::::::::::ヽ
l::::::::::::::::::::i |:::::::／＿/:::::／__／l:::::::::::::::::::::::::::l
.＼::::::::::::::l‐l:::/ ＼ /::／ ／ ヽl:::::::::::::::ﾄ､:::::::l
/::::/ヽ:::ヽヽl / l /ヽ ノ::::::::::::::::l .l::::/
i:::::::l {r ﾚヽl. | | ,,,,,,L | |￣/ 7:::::／ .ﾚ′
ﾘ.l::::ヽ__ __ / u lﾘ/l／ いや僕ぁ 特に徳川さんに恨みがあるわけじゃないんすよ
ヽ|/l::/＼ u u ヽ｀''‐..,,_ .l´
. _,,..-――|:::l/ ＞u ｀ー''´ ／ ただねぇ
''"´:::::::::::::_,,.-|:::ヽ ＞ ＿ ＜￣"''‐..,,_
_,,..-―‐'"::::::::l:::::::＼ ::::::::/ .|:::::::::::＼:::::::::::｀"''-､
::::::::::::||::::::::::::::ヽ:::::::::::７ :::lヽ |:::::::::::::/￣￣ll"''-..,,_ヽ
::::::::::::||::::::::::::::::::＼::::/__ / l |::::::::::/:::::::::::::||::::::::::::::l∧
::::::::::::||:::::::::::::::::::::::|:::::::/ニニ-'′.|::::::::::７:::::::::::||::::::::::::/:::∧
/／__/＿/ / | ヽ ＼＼ ',
r┴' / / ｀∧ ! /^＼＜￣ヾヘ
／／ / / ,、∨,、 ＼ヽ ＼＼
∠..ノ / / / ∧ヽ|/∧ヽ ヽ＼ ヽ ヽ
r' / ,' / /l /´｀"ﾞ｀´ ', ! ､ ', ヽ＼}
| { l ﾘ ,' 从 ﾘ | 〉 } } ﾘ
／ﾚﾍ |＼トﾍ匕Ｌ..＿,. ､__/厶∠L／ ｌ ｌイL
,ィ ´ ／ ∧ﾄ､ゝ弋‐辷ﾃﾐ､ ,ィ辷テｧ/／|,.ｲ ヽ＼ー- ､ 私たちが公儀の運営を握っている以上
/ ／-ｰ彡'´|l lﾍミi｀￣彡 ｜ ヽ ｀￣´/ // ! ｀ ‐- ＼｀ヽ ＼
_,.〉＜´ // |ｌ トゝﾐ彡'7 | ／／,' |ヽ ｀¨ ｰ- ヽ 当然すぎる選択だ
.´ // |ｌ |ヘ三彡ﾞ ┘' ,.ﾌ / ｌ ＼ ｀¨＞ｰ ､
. ,'/ | ', ヽ.l｀マ{ ゞ二.Tミ、／ｌ l | ヽ 〉 ',
/ /| ｌ ｌ| ＼ |ヽ|´ ｜ ｌ ｌ| ',. / l
. ,' ,' ｜ ｌ ｌ| ｀ ｰ'|ヽl | ｌ ｌ ト、 ｜ / !
/＿＿ / | l | ＼ ゞ'ﾞ | ｌ ｌ | ヽ___⊥__ / ,'
ヽ, | l |彡 ｀ ´ ィ三ﾐ:! l ｌ | / / /
＼ ﾉ l |三i ゞﾐ三| l ｌ | / / /
, -──- ､
, -'´:::::::::::::::::::::::::::::::｀‐､
／:::／ ,.ｲ::ー-､::::::::::::ｒ､::::::＼
ノ::::::::::イ' ´:::::::::::::｀ ‐-ゝ｀ヽヾ::::ヽ
／:::::;':::::i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
/:/::::::i::::;:ｲ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i
/ｲ:::/:::::l:::l/';::::::l';::::::ヽ､::::::::::';::::::::::::::::::::::l
l:;ｲ:::::::ﾄ:! ｌヽ､::lヽ､ゝ,.ｲ',ヽ::i:::::ヽ:::::::::::::::',
! ヽ::::',l ﾄil ｀ liｲ ｀i､ﾄ､::';:::::::::::::::ヽ
l:::l ヽ '┘､ └' ! l::lヽl::::::::::::::::ヾ 私党結成して公儀の邪魔しようなんて
l::il '"￣ｒ -─ ､｀ ー'´ ';::lノ:::::::::::::::::::::',
ll iヽ l:::::::::::::::::） uノ-ヽ';::::::::ヽ￣￣ヽ 認められるわけないだろ？！
l l::::＼L:::::::::::::/ , イ:::::::::::::::::ﾄ､::::＼
＿＿／/ l ｀ ‐- ‐' ´ l┐i:ﾄ、::',ヽ:', ￣
／｀ヽ-､ ｒー ﾉ::::::::::＼ ゝｒ‐ ' ´＿ / ヽ､ ｀ ‐＿
/ ／ ヽ 〉 l 〈:::::::::::::::::::/￣l／::::::::::::｀ ‐ｧ ￣ l
l ' ´ ￣', ,ｲ 入:::::::::::／l:::::/二:::::::::::::::::::/ ／
ヽ ￣ヽ/ l く L:::::::::／二!::::::::::::::::::::::::l', /
＼ く l ／ l:::／´ ﾄ､:::::::::::::::::/／ / ［宇喜多秀家］
ヽ l l l プ ';:::＼::::::/ ヽ i ,'
他にも、事の発端の一因でもある加藤清正。
_＿z≧=彡ー=z_ノj＿
_彡 _ 、 ノj ｚ ´=z_
＞ < z ,､ z--､＿ _ ゝ_
ノ ＞´ ﾉｿ∨ ｀k 〈
彡 ﾐﾞ .: ﾉミz≧ {
≧ ｿ , ;; ＼ ヾ ﾐ
ミ j _ ; ／｀ヽ Yﾐ 〉
ｦ, i ＞z_､ヾz≦だOｱ i彡i Z それはそれ！これはこれだ！
ヾjﾍ ゝ-゛｀} ￣ ij ,ﾐ/ } ヾ
ヾﾞ､ j ﾐzソ'ﾞ´ 前田様には恩義があるんだよ
＼ ｀_,.．-┬z､ /,ki.|i
ヽ tﾆ--―┴'"., ,ﾞ´ ´i′
＼ ｀￣ ／:;′ .:,
ゝ-― ' ﾞ:::::;' ':,
i｀ﾞ :::::::::; ' i ':,
| ﾞ :::; ′ i ﾐz-､
／ﾞj i 〉 ｀ー-､
／ { ; / ／ ＼
──────────────────────────────────────────
,.--､,.-‐''"ﾞﾞ｀`'‐.､
／ ,へ, i |l , ｀`'‐.､
/ // ! l l| i , ｀ヽ.
/ // | l| il | i , ヽ.
ノ .// l i l l l i li i i,
／/ //i __ .l l l | i l |l l i,
＼ i i il（_ ｀ j/ | l l l l l l !,
＼ ! ハl ＞=u-、 ヽl |i l l l l i
＼ ヽ! l| ''"､_ ,/ ヽl lヽ人l | l i | l 腰の座らねぇやつだな
＿.) ） l. く ､ ヽ/l| / l !
（(￣ .! _ ヽ/／‐-」' だから先鋒大将止まりなんだよ
＝ #ﾆﾆﾆﾆﾆﾆヾﾆ＝=､ ﾉ ''/っ ノ
ヽ ー‐ ／ 〈_,.／
＼ ／ i
＼__________／ l ※徳川邸組
iヽ ヽ
さらに佐竹義宣といった地方大名、徳川寄りだった浅野長吉もいた。
＿＿＿ﾐ::::::::::::::::｀¨ミヽ､::::::ヽ.
＜:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ::::::ヽ
ヽ､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾄ､
ー=ﾆ､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::j::ﾊ
--─=＝ﾆ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヾミ:::::::::::}
,,ｨ彡:::::／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::彡ｲﾊ::く
／::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::l::::::::',
／---─ｧ':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／::::::::::::／:::ﾘ:::::::}ﾊ
／/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::イ:::ﾂ<彡'/:::;イ::::::::::l:::|
/::::ｨ::::::::::::::::::::::::::,ｨ/ ¨''=ｲ _,ｲ:::ｲﾃ ::::::::::ハj
_,,ｲ／/:::::::::::::::::::::ｲ/ | ノ |¨ .::::::ｲ/
∠ イ:::::::::ｨ::/ .| ､ _｣ ｲ:／.j' ……これはどうも その節はお世話に
/ｲ:／ .|ｲ ＼ ‐--- ／|:/
__ ｲ j ＼ ﾞﾞﾞ／ .ｿ
/＼ ／ヽ- '
／ ヽ､ _ ｲ
／ ヽ､ Y
/ ー┴､ ［佐竹義宣］
. / |
/ ト､ i
ﾄ､ ヽ ＼ |
| { | ヽ ヽ ヽ 亅
,ﾊ ,{ ヽ }＼__jヽ._ 礀
|l } / ! _ ＞ '´‐- .] !
|| ! ﾄvﾐ_ ′ ‐=せﾅ| ;
}! ＼jい-'}i ￣´ |
}〉|l u.｜ { （関東奥羽の人たちには
| jL、- ｜ i |
| ヽ｀二 ´ | ｜ ！ ちょっとやり過ぎたこともあったかしらねえ）
／￣￣￣¨¨,二ﾌヽ ,. １ l l
／ ` ＜￣] l「 ｜ | !
／ ヽ‐- ＿￣_〕 ‖ ｜ li
／ ﾄ､ ＼__＿丿 ll | ｌl ヽ
. ' y !/ヽ ヽ!l ! |{ 礀 八 ＼
/ ハ { ＼__） ハ __,ﾉ / ′ ＼＿,r;.=＝＝＝=ﾐ
ノ-‐} ！ |ｒ1 /￣／｝ /一…ｧ' ／ ＼
| ィ `┘ ／|| | j,ノ ／ j /}ノ ／／
公儀幹部クラスの支持をまったく得られなかったことに、さすがの家康も内心動揺した。
l｀: .､ |:/
__|: : : :`:-:‐:''':''':'': :‐. .,,_
_,,. -‐'',,."￣: :.|: : : : : : : : : : : : : : : : :｀: .、
,.-,."-‐''／´: : : : : :.|: : : : : i: : : : : : : : : :､: : : : ヽ
,.-'"'" ／ ;. : : : : : : : :|: i; : : : i: : . . ＼: : : :':,
/ :/:/ . . : : : :.;|: :i; : : :.:ｉ: l; : : : : : : . . 、＼: : :',
/ /./. : : : : : i: : :.i i: :|ﾞ､: : :.:i::lﾞ:､: :､_;,.: : : :ヽ: :ヽ: :.!
/／j:.;'.: : : : : :.::|:_:_:ｌ i: l. ﾞ:､: : ::!i 弋ﾞ:＼:::. : : :.ヾ: ヾ:j
// .!:l: : : : : : ::::}: : 厂丁{ ﾞ:､: ::i:! ヾﾍ＼:::. : : :i; : ﾞ!
..〃 l:l: : : : : : ::::|l: :.ｌ Ⅵ ﾞ:､:.i =キ三≠i､: : : :iﾍrゝ （本当にただの私党になっちゃったのはつらいとこだねぇ
/ lj: : :,|: : : :::Ｎ: :ヒニ干ｷ ヾ! |ノしｲ| lﾞ;:､: : :iﾍ
.l: :./ !: : : ::|::}; |ﾞ:,∨しｲ} ヾ＿ｼ l:;::::ﾞi､: lヾ:、 浅野あたりには期待してたんだけど……）
!:./ l: |; : :l::ﾊ:ﾄ、 ヾシ' ・,!;:::::j:,:ヾ| `
V l:.!ヽ: lj i:{::ﾞ:. ′ ／!; : :i: :',|
ﾞ{ ヾ| i:::::ト.. ,,_ ＾ _,,. イ＾i:::l; : :i:::: :.i
i: :.::l::|:::::￣:/丁 ,l'′`!: :.i::::::: :i.
i; : :l:|,.-''" ∠--､/ . l: :.j,＞､:: i.
l::',: :.l| ｜ / ,.l :/,.-''"ヽ: i.
l:::/',: :| l / ,,-'',,j:/' ,,-''" i: :i.
,. -―- ､
. /／￣￣ヽヽ、
l' ＿__ ,ヘ_ゝL__
,,.-フ':::::::::::::ｌ:::::::!:::::::::::｀＼
. '" ／:::::／::::/:!::::::i::ﾄ、::::::､::::ヽ
/:::::::〃:::⌒/l:::::::l Lヽ_ :::i ::::::ﾊ
i::::／!::::::::ｨ"_ |l:::::l ﾚ ',::｀:l::!::::::! （そろそろ撤退かねぇ こりゃ）
_ r､ l::/ ,':l::::::,ｲ「 i| l、:| 「ﾞ ﾐヽ:::|l::::::l
l､ヽ! !.ﾚ !|l:::/:ｉ ﾄ_ﾘ ヽ! ﾄ__ﾘ /::|!:::/
{ ｿ ｀"ﾌ l !::i':::､ ､_,__, ･/::l:l':l::| やーあ 大谷さん ドーモドーモ
', /-､ /:::|::::;＞､_ゝ_ﾉ _,/:::/:::::!::!ヽ
ヽ _,〉/ l !::レl:ｌl:ｌl::::/-､ 7,:::/:::::::!::!::::ヽ
し ／ /｀ﾄ::!/l:ｌl:ｌl::::! 〉::!:/,.＼::|::|:::::::
Y ,／: ｌ:|l:::!ｌｌ|ｌ:::;' ／/:/i' ／ﾞ 〉!:|:::::::
〈´ ﾚ::l:l:::ヾ､!:::ﾚ:／:〃:::! /::∧:::::
/ / + ん ⌒y' + ﾉ⌒) ﾉ:|ハ
.′ |）V⌒ /' ／ヽ x ／ +| i
| |ノ + （__んﾉ ／′ﾉ ／) （__,| ｜
_|__ ノ｀¨ ７ ―..┬‐.ｧ..―――――く |
｀i ７′ :ト :/|.:/|.:i:.ハ:∧:.ト､ :|ノ:.:.ヽ､`:廴
|/イイ:/lﾙ,≧ﾐｰﾊ′}ー},ﾑ≦ﾄ､トヽ:V 丁
} 从 /'|_r::ci` :::::::::::::' |_r::clヽVﾄ:ト} |
/ . | .:l {{ 廴ツ 廴ツﾉ' }: | ∧ あ？ ……内府殿？
i ｜:.i u , 小:| ' ヽ
ﾉノ ∧小. u .八 :| i ごめん 眼がもうだいぶきちゃってるかも……
/ ﾉぐ} {）＼ ∠｀ヽ , ｲ} :/{ {
/ ／ ヽ｜l{ |.i＞ . ＿_ . イ/.// :∧ﾍ ハ
. （_))イ´ |: :l l..ヽ、 ` ー ´ /../ ': :i{/.ﾍ 〉、 ヽ
} ｜ |: :| ヽ_.＼＿彡'_;;/ |: :l| `=ト､ 丶
∧ } } | （こ)__ ヽ/.._jD） |! :l| | ∧ ［大谷吉継］
/....＼ﾉ |. :l| ￣ヽ/|ヽ/ |! :l{ | /....＼
よくも悪くも、家康を担ごうとしているのは、現体制下での地位に不安を抱く者ばかりなのだった。
一方の利家も、三成らとは異なり、これ以上の政争拡大を望んではいなかった。
＿＿＿＿
,.＞‐'::::::::::, - ,;::::::,ニ、'‐-::、
,.;'"::::::::::::::::／‐- 、l／ ';:::::::::＼
／::::::::::::,;::::::/ .（ ･)| |--- .|:::::::::::::＼
／:::::::::::::::/:|-'へ、／⌒,.!、｀ヽ ./￣＼:::::::::l
:::::::::::／ し' ' ‐-イ::::::::）‐'" ＼:::| い 家康め なりふり構わずってとこか
:::::::::/ ￣ ￣ ' - '‐ｒ''" '￣￣￣ ',:!
:::::::/ ∧ー――- .| ――∧- l| 伏見組と秀忠が暴走なんてことになったらさすがに……
:::::::| し' ＿ | ー- し'_ l|
:::::::ｌ ―― '´ ,ｒ ┬个┬-、 ./
::::::::ｌ -‐＝'"┴┴┴┴ ┴=:、 /
::::::::' 、 ￣ / ,
＼::::::＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／ / |
＞------------ｒ―-:、------ゝ、 し'
／::::::::::::::::::;;-‐'"´￣ﾄ‐┬‐ｌ￣＼:::::::::::＼
::::::::::::::::::::/ ヽ -‐' ｀:,:::::::::::l
重臣間のチキンレースに慌てた豊家の人々の圧力は、秀頼守役たる利家に集まってしまう。
,ﾊ// r─- 、 ＼ ＼ ＼＼
ゝい、 ⌒ヽ、＼ ＼ ＼ ヽ ＼ヽ
/ ヽ ヽ ＼ ヽ ヽ ヽ ヽ',
./ | ﾄ､ ヽ ＼ ＼ ヽ ヽ ヽ ', !
| | l l ＼{＼ ヽ 丶 ト＼! , |
l |｜‖ ＼ ＼ ヽ ﾄ､ヽ lﾐヽﾍ , ｜
{ ｜Ｎ|i! し ＼ ＼_ ＼_＞}Ｎl !ﾐ,r‐i |
＼ ヽ |ﾊ _＼ ﾆｨ,ｨ=':¨ﾄ､l ! ﾏ/） } ｜
＼ヽN又;示ミヽ '´｛ｰ':::ﾉ,ｨ il Y7ﾉ l !
ヽ ﾄ､〈 ト':::}｀ ﾞ! ヽﾆイ |l ﾚ'.ハ !/ ち ちょっとちょっと！！
i |ﾄヽゞﾆ ' | ‖ ∨ { !〃
川＼ヽ ヽ- ,ハ＼＼ヾ{{ 利家も家康も三成も なに勝手なこと言ってるの！
ヽ＼ ←ﾆヲ ／ ＼__,.＞ゞ-､
ヽ丶、 ¨´ ／ ／/;;／＞;＼
Ｗ} ＞┬ヘ 〃 {;;;{ ゝ-‐'_,.）
,.-},ﾘﾉl_jノﾑ∠｝ 〃 ヾ＞ィ"⌒１
/ / }／ 丿 〃 ,ｨ ,ィ/⌒ヾ;;、 |
／ _,. イ/ ゞジ′ ）;;｝! ［秀吉正室・ねね］
, ; - ￣ ￣ ｀ ｰ ,
, ; ' ヽ
／ ｀ 、
＼
｀、
＼/∧ 从 i ,ﾄ､!
, へ, |､___/＼丿 / / / i､ ',
｛ 7 ／ | ㌦刃ゞ､/ ,∟__i ﾄ , ',
L ;／ l ./ ト-'"|/ィ i刃从 | ハ i
X |/ ﾞ^ ｊ刈',,N ′
ヽ ヽ ｛ ｿ ………
/ 、 ´ノ
/ ＼ ￣ ／
/ヽ / ＼ ィ
/ ヽﾑ ｀ ￣
/ / ____` ヽ
// 彳" ＼ ［秀頼生母・茶々］
/ 〃 , ;; ''⌒¬
/ / ‖ ／ i,
また、利家は自身の健康不安も抱えていた。とても、大きな博打には臨めない。
_ ＿＿＿_
,,-´ ＿ _` ヽ、
／ ／ ／|＼＼ ＼
/ ,,,−|／ /|ヽ ` |- ､ ヽ.
/ ／ ヽ ＿ | ＿./ ＼ヽ
| / ● ||
| | ／ | ヽ | 最後に家康さえ除いておけば
| | / ／ | ＼ |
| | / ／ | ＼ / 前田家の先々も安泰だと思ったんだけどね
/ ＼ | / | ＼ /
/ ＼ヽ ／￣＼＿|__／ヽ ／
| ヽ━━━━━┯イ ´
. | i＼ ＼ （T） ﾉ ﾉ
| | _＼ ＼ ＿ ／ ／
| | ＼ ＼（ ）／|
こうして利害の一致を見た利家と家康は、和解へと舵を切る。
一度火の着いた争い事を収束させるのは簡単ではない。
しかし、そこは秀吉に見込まれた両者である。役者が違った。
,.､ｪニ;,:丶.､
／ ｀`ヽ:ヽ
｛ `i:.}
/`:.、 j/
＿_ _i: : : ヽ‐- ∠._
_,,､r:ニ: ;,_: :_;,.`:ヽ:|: : : : ; : : : : :､:｀: : .、
´ ,.-''": : : /: ;!:::. : : :i: : : : : :｀:.､: :.丶
,,-" . . ./: /.!::i::.: : :.i: :｀､. . . ＼: :｀:.
／. : :/: : : : ;:-､′!:.!::.: : :.ﾄ､-:､、: : : : :`:、:i
,:': : : /: ; : : :./;l:/ !:|∨: : :! ＼:.V:.: : : :.i: ﾞ､:!
./:,,-''./: :i: : : //｣Ｌ＿ ';.! V: : ∟,,_ヾV:::.: : :.i､:ヾ
/'゛ /: : j.: : :,/ｬｷ示オ i! V: :｢示ミ≧､::::. : iヾ:ﾞ:.
j: :,/l: : :.ハ. Lし'!| ∨|7しﾍ| /,ヘ::::. Nヾ!
|/ !: :.i::::ﾊ 〈:::;;ｯ ヾ;;_.:ｯ' //:::::ﾄ;:::.l:ﾞ:､ 『婚儀のことは私がうっかりしてました！ 皆様の言う通りです！
V: !:::ｉ::l ・ ;/:::::::ﾚ:::Ｎヽﾞ:.
ヽl:::::i::ト.,,_ :‐､ _,,ィ:::::: j:::::::l:| ヽ これからも太閤殿下の御遺言や誓紙に従って
ﾞ!: ::j:|ヾ:::::¨::::;コ''''''て;::;/::: :./:::::: l{
r= ､､!: : ﾞ! V/´/ｰ -‐∠'-‐ュ::::::ｉ: :l 秀頼様へ忠勤いたします！』
i ｀｀`丶く' | _,,､-''"´ ￣ l::::::i: :l
i ｀Ｙ´ l､::::i: :|
二月二日。家康はあっさりと辞任発言を撤回し、陳謝。他奉行大老と誓紙を交換した。
同月末。細川忠興の仲介を得た利家が、こちらもあっさりと伏見の徳川邸を訪問。
家康はこれを歓待し、争いは綺麗さっぱりと流された。
,ｒ:-::‐:::-:.､
|:/"￣｀ヽ::} ＿＿＿＿＿
__,.:-┴::─ｨ'ヽｊ/:‐:-.､ ／.− ､ −､ ＼
,.ィ´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾊ::.::.:.:.:｀ヽ、 ／ | ・|・ | -、 ＼
,/:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.::ｉ:.:.:.:.:.::|:.:.:.ヽ､:::.:.＼ /／ `−● − ′ ＼ ヽ
../:.:.:.:.:.:.,'.:.:.:.:::ｉ::.:|;/|:.:.:.:|:.:|ｉ:.:.:.:ﾍ:::.:.::ﾍ | 三 | 三 ヽ ヽ
.ｊ.......:.:.:/:.:.:.::;-ｉ‐- |:.:.:.:|:.:||‐-:.:ﾊ:::.:.:ハ | （＿_＿_|＿＿＿＿ | |
l: : : :.:/:.:.:.:.:.:/|:.:|. |:.:.::ﾘｊ/| ∨:.:.:|::::∧:| | ＼. / | |
{:.:.:.::/:.:./::.:/__ｊ;/_ |:.:/ __!__|:V:..}:.:} ヽ ＼/￣￣￣ヽ/ / /
∨:〃::/:.:./ｵ≡≡ ｊ;/ ≡≡|:.∨::/ _ ヽ `───-′ / / _
. ∨:.:/:.::/:| ’|::.:|;/ （ ）ヽ━━（ ｔ ）━━━ ／（ ）
|::/.:.:/::.:|､゛ ｰ'ｰ' ィ|::.:| ＼ / ＼ ／
＿＿ __
,.. -‐':.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.::: ､
／:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.::.:.:.:.::.::.＼
':.:.:.:.:／:.:.:.:|:.:.l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:...:.:.ヽ
':.:.:.:.:::':.:.:.:.:.:.:|:.:.|:!.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:..:.',
.'.:.:.:.:./:.:.:/／ハ:.:|:lヾ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l.:.:.::|
l:.:.|:.:.ﾚナナ'‐ l:.ﾄ! ＼:._＿:.:.:.:|.:.:.:|
|:.:.:ｨ升Krｫｧ=､ ヾ!＼´ _ゝ_ ` .:, .:.:.,'
|:.:.ﾊ:.:| 辷'ﾉ 丶 ｲt::_iヾﾚ:.::.::,
|:.:.:.:l:.| :::::: ゞ-' !:.:.:.:.:ｲ
l.:i:.:.:.|ヽ. _ ′ ::::: ﾊ:..:./ どうやらご両所に恩を売れたみたいだね
. |:l:.:.:.|:.:.＼ ￣ イ:::::/
ヾ!.:,|ﾊ..:.:.|ゝ､ _ ...ィ/:.:.ﾚ:j/
_ _ _ゞ＼ｰ- ､ |:.／ﾚl:.:..:/
_ﾚｰﾊヽ ヽｫ_ｰ ､. |:.:/
/::::::::::つ ／,ｲjくヾ＼'_ ［細川忠興］
/:::::::::::::::L ﾚ' //}ヽ.j＼ヽ7
, ──── ､
／ / ⌒ヽ⌒ヽ＼
/ , -| ／・|・ヽ |ヽヽ
/ ／ ｀ ー ●ｰ′ ヽ さて 今回は僕が先に腰を上げたんだ
ｌ / 三 | 三. |
| l └─-､ l こいつは一つ 君への貸しとして
l | /´⌒＼ ＿＿＿ ノ /
ヽ ヽ ヽ､＿＿＿＿＿/ / すぐにもそれを返してもらいたいんだけどね
〉━━━━━O━━ー◯
/ ／ ＿＿＿ヽ ／
/ | ヽ ﾉ | |
◯/ `ー‐<⌒ヽ─ ヽ
ｌ | | ｌ
` ー──く __ノ── ´
／⌒ヽヽ
__＿ ,、＿＿ |/
‐＝ﾆ_ : : : : ｀Y: :`: : : : : : ｀ ヽ、
, イ: : : : : : : :l: : : : l: : : : : : : : : ＼
／;:／: : : : : : : |: l : : |、: l: : : : : : : : :ヽ
/／/ , : : : : :l_:_/|: l : : l l_:_|_: : : :ヽ: : : : l
/ /: : : :/ 'l:./｀|: l: : { ´l: |､｀ヽ: : l: : : : !
,' /| : : /: :/|{ l/l: : | ヽl ＼: : :l : : : l
|/ |: : /: :ﾊr┯┯ l : | ┯┯yl : |: :＼l
. |: :lｲ ;'ハ ｂ::| ヾｌ ｂ::! l l: l｀ｌ:`ﾒゝ アタシも貸すのは好きですが 借りるのは嫌いでして
ヽ| ﾚ |: :ｌ ￣ ￣・ ｌ l/ｰ': :l
l.:|: :ゝ､._ ｰ'ｰ' _,.ｨ': : l:: : :| ただ 返し方は思案しないと
|.:|: : : :__二７T ¨´lヽ､| : :l: : : |
|.:|: : :|| l´＿__7 |: : |､: :│
|:,ゝ､:ヽ │ / /: :/ !:: :|
|:l＼ヽ: l | / l: :/／.|:: :|
＿＿＿＿
, -‐'"´::::::::::::::::::::::｀ヽ、
／/二ヽ／⌒ヽ;:::::::::::::::::＼
/::ハP_/P￣ヽ/ー-:、::::::::::::＼ その心配はいらない
/ ヽ、（::::::）ー‐' ＼:::::::::::::::i
十―- Y -‐'"￣￣￣ !:::::::::::| 家康くん 大老奉行の間で違法や私闘があった場合
_|＿＿ .| ￣￣￣｀ |:::::::::::| どう遺言されたか覚えてるだろ？
(´ .| ￣｀ヽ、_ _ |:::::::::::!
ヽ-ー‐┴―--- 、r―-:、!:::::::::/ これはうっかりしてもらっちゃ困る
/＼ /´ }/:::::::/
ヽ、｀丶、＿＿_{ ﾉニニ!
｀T"´ﾄｰｒ-::,-ﾄー‐'i"::::::::::::|
/／ ヽﾞ:.
{'′ . ）)
＿ /＼―−--＜、
,.. -__''二ﾞ- ｀/ ｀丶、
'"￣ ,. :'" / ヽ
／ ／ / l | ｀、
,:' ,.ｨ / / !.| |､ l i. ! ﾞ!
/ ,. 'ﾞ/ / l ,'| |! ｌ l l、 i l i
/'´ / ｜ l ⌒|.l'| | ⌒ト､ ! l l
i ,! !./ l| l | ｀、| ｀､ l. !| .!
|. / | ,!{ ＿_ ｀、.| ＿!j＿ヽ. l.|! 、｜
{/ ! ,'!ヽﾞ!r;|｀ ヽ| 'ﾞ! r;｢ﾞﾞﾃ'}､ llr-､ ､.| 他の大老奉行による糾問 仲介による和睦
ﾞ、.!.| !｀''' `ー'' ．ｌ ｀､ レへ｀{
ヽ| | l､ ､_,__, ,l | ｀i` そしてかなわない時は誅伐し これを殿下や秀頼様の御意とみなす
| |＞ｭ､｀ニ.,-‐'てl !| |
| | ／´ i′ /l / ｛ | | 今件はまさにモデルケースでしたねぇ
| }iﾞ|! l￣｀７ // / ﾍ |
| |l|l|! l / ''" /彡ﾍ |
, ──── ､
／ / ⌒ヽ ⌒ヽ ＼
/ , -| ・|・ |- ､ ヽ
/ ／ ｀ー ●ー ´ ＼ ヽ
ｌ / ─ | ─ ヽ l その通りだ
. | ｌ ─ | ─ ｌ |
, ─ ､ｌ ─ | ─ | ! 私闘の解決ができなければ 半自動的に誅伐が発動する
ｌ l , ─┴─ ､ ｌ /
ヽ､__ ノヽ ／ ＼ ｌ/ つまりね
ヽ ヽ━━━,−､━━━━く
＼ ／ ヽフ ＼ ヽ
. . : : : : ￣￣: : : : : . _
,. : ´: : : : : : : : : : : : : : : : : : :｀ :. ､
／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＼
,:': : : : : : : : : , -- ､: : : , -- ､.: : : : : : : : :ﾍ
/: : : : : : : : : / ﾍ::/ ヽ: : : : : : : : :ﾍ
./: : : : : : : : : 7 ｀` ｘ.,_ | _,ｘ '´ ',: : : : : : : :.ハ
7: : : : :,＞ ' ´ i. { (:・:)}Y{(:・:) } }￣｀`ヽ,:.-.: :.',
i: : ー:' _ ﾍ `ー' ∧`ー ' ./ ,. -'´ ヽ: :.｜
|: :./ ｀ヽ､ ー- 7:r ):ﾊー-‐ '_,. ´ ∨:| 反家康の急進派が 仮に暴発したとする
|:７-- ＿＿__ 乂::::ノ __,. --──:.'
V{ γ⌒ | _ j:7 その場合 公儀の正規軍が出動できる名分が生まれるってわけだ
.ハ; ', _,. -‐ '´ | ｀ z- __ //
ヾ ‐'´ヽ ＿ | _ . -‐:':´, ' 〃 そして喧嘩は両成敗になるだろう
ﾍ ＼ﾏ´: ￣￣￣: : : : : : : : . ｲ ∠_
_,.Ⅹ `ヽ､: : : : : : : : : ＞'´ ,ｨ/: : :＼
＞'´: : : ＼ヽ､ ￣￣￣ _,. ィ::／:.| : : : :ﾍ
, : ´￣｀ :.､: : : : |: : :＞-::::::ー::......................:::::::::::＞'´ヽ : .!: : : : :ハ
〃 Y: : :.!: / ７´===:ｷ ´ Ⅵ, --- ､:.}
____
／:;:;:;:;:｀ヽ.
./;／ ヽ;:',
/;/ __,.ﾍ､___!___
,. |/'"´::::|:::::ヽ::::::::::::｀"'' ､
,. ,. ''::::::!:::::::::/|:::::::::i:::::::::::::::::::､:::::ヽ､
'´ ／::::::::::::::::/ﾚ|:::::::::i:::::ヽ､ヽ;:::::＼:::::',
/:::::::::::::::::::/|:::::i::::::::::|＼::::;i｀ﾍ::::::::＼i
,'::::::::/::::::/:/ !;;ﾊ::::::::| ＼!;;;ﾊ::::::::::::::ヽ.
i:::::::/!::::::i/〒ﾃﾃ ヽ::::| ﾃﾃﾃ'!ヽ＼:::::::::',
!::::/::i::::::::ﾊ ﾋ:;:;r ヽ! ﾋ;:;r! !＼::::!へﾊ! 和睦の席で 脅迫ですかい
V'! ｲi::::::/!:! "" ""．l:::ﾍ:::!:|
ヽ! ヽ!::|::i>､. ､_,､_, ,.イ:::|:::::ﾚi::| 又左さん
|::|:::|::::::｀7:.r--r 7´|:::|::::|::::::::|::|
.|::|::::|:::;:イヽ!__／::::｀>.,|::::|:::::::|::|
|:::|::::|く＼::::::!/::::::／／|::::ﾄ.:::::|::|
, --───- ､
／ / ⌒ヽ./⌒ヽ＼
/ , -{ / ﾊヽ } ､ ヽ
/ ／ ゝ _ ノ, ‐ヽ-' ＼ヽ 心外だな 内府殿
/ ‐┼──- ゝ ノ - ‐一!|‐
| l.､, -一 | ｰ─- ｌL_ 逆だよ 逆
| ／ ＼.／ | ｰ-.／ !
､ ' l. ／＼＿ | ＿／ /＼ 僕はそういう不測の事態だってあると忠告してるのさ
ヽ Ｘ ￣￣ ／
/､二二二二二二二二 く
/ ／ ( 〒)＼ ヽ
! / / } !
＿＿＿＿
／−､ −､ ｀＼
/ | ・|・ |- ､ ヽ
/／ ｀ｰ●ー ′ ＼ ヽ 君こそ 三成たちの単純さを甘く見ないほうがいいね
ｌ 三 | 三 ヽ l
（＿＿＿|＿＿＿ | ｌ 実益の見出しにくい痛み分けってやつに 豊家直臣連中は慣れちゃいない
ヽ ｌ ＿＿ ｀ヽ ! /
_ ヽ ヽ__（＿＿＿)ノ / / 行動と成果を求められ 結果を出してここまでのし上がってきたやつばかりだ
（ __）ｰ━━O━━━━━く
＼ |/ ＿＿＿_ ヽ /⌒i ）
／⌒ヽヽ
__＿ ,、＿＿ |/
‐＝ﾆ_ : : : : ｀Y: :`: : : : : : ｀ ヽ、
, イ: : : : : : : :l: : : : l: : : : : : : : : ＼
／;:／: : : : : : : |: l : : |、: l: : : : : : : : :ヽ
/／/ , : : : : :l_:_/|: l : : l l_:_|_: : : :ヽ: : : : l
/ /: : : :/ 'l:./｀|: l: : { ´l: |､｀ヽ: : l: : : : !
,' /| : : /: :/|{ l/l: : | ヽl ＼: : :l : : : l
|/ |: : /: :ﾊr┯┯ l : | ┯┯yl : |: :＼l
. |: :lｲ ;'ハ ｂ::| ヾｌ ｂ::! l l: l｀ｌ:`ﾒゝ ご忠言はありがたく拝聴しますが
ヽ| ﾚ |: :ｌ ￣ ￣・ ｌ l/ｰ': :l
l.:|: :ゝ､._ ｰ'ｰ' _,.ｨ': : l:: : :| 趣旨がわかりかねます
|.:|: : : :__二７T ¨´lヽ､| : :l: : : |
|.:|: : :|| l´＿__7 |: : |､: :│
|:,ゝ､:ヽ │ / /: :/ !:: :|
|:l＼ヽ: l | / l: :/／.|:: :|
＿＿＿
／::::‐‐､::,--､｀ヽ
/::::::::l ．| ． l::::::::',
,≦/:::/￣｀--●--'ヽ､:::::', 連中をなだめる 納得させる行為が必要なんだよ 家康くん
/￣ｌ::::l 二ﾆ | ﾆ二ヽ:::|￣|
| ｌ::l -― | ―- .｀| .| 向島あたりに移ってくれると
ｌ ヾ -― ┴―- / .| 君のためにも 公儀のためにもなるんじゃないかな
/⌒ヾー＝ソ¨(ｔ)¨ヾ=-´__/⌒ヽ
>―'-､::::,⊥､＿＿_ ヽ, --､-イ￣￣ヽ
ｌ Y ', ﾉ/ ｌ i ｌ
ヽ l ｌ＝＝ﾏ /- i l´
| iヽ--ｲ ヽ-イ i |
|┬┬|┬┬┬┬┬┬┬┬┼┬┤
/ .| | .| | | .| | | .| | | .| | ヽ
└┴┴.┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴‐┘
向島とは、伏見開発で生まれた、湿地に浮かぶ集落である。
秀吉は伏見城を築く際、宇治川に大規模な改修を加え、堤防を築いて流路を変えた。
もとは巨椋池の孤島だった向島は堤防の一部となり、出城が築かれた。
t_,_,_,_,_ｨ
ﾉ_:_:_:_:_:入
,...,l_;_;;;;;_;:l;:!、
ﾉ_:_:_:ヘ_:_:_:入
,....,,,,l_;_;_;;;;;;_;_;_;l;:!,,..、
ノ_:_:_:_:_:ヘ_:_:_:_:_:_:_;入
l_;_;_;__;;;;;;;;_;_;_;_;_;_;l;:!!
/千ΖУト千ΖУト千ﾍ丶
./Уト千ΖУト千ΖУトΝ,ヽ
,'""'ﾞ,ﾞ'""'"､.wiﾙv,iﾙwviw.: :=_≡
;;;ii ;;;;;ii,;;;;;,ii.;;;;;ii.;;;;;.ii .;;;;;,ii.;;;;; = -
''_'''''_'''_'',.'''_''''_''_'''''_'',.'''_''''_''_''''',;;;"'､,,'""'ﾞ,ﾞ'"",'""'ﾞ,ﾞ'""'"､
^ _ _ -_ ^ _ _=_ -_^__ =_ -ｰ-､_:::: ::.::::: ;;;ii ;;;;;ii,;;;;;,ii.;;;;;ii.;;
;ｌiｌi,i;ｌiｌiｌiｌi;ﾉ;_;Ｙ;;,;';_;;｀ｰ- -、';_;;,;';_;;,;';_;;,;';_;;,;';_;;,;';_艸;,;'林;.,./ ';_;
:':‐.:':'‐:':':':':'‐ :':':':':'.:‐:':':':':': :':':':':':':':':':':':':':':':':':':':':':':':'.‐:':':':'￣｀ﾞー
::‐ .:.::.::.::.::.::.::.::.::.:‐. ::‐ .:.::.::.::.::.::.::.::.::.:‐. ::‐ .:.::.::.::.::.::.::.::.::.:‐.
.: .: .:: .: .: .: . .::.::.::.::.:_::.::.:.:.::.: .: .: .:: .: .: .: . .::.::.::.::.:_::.::.:.:.::.: .: .: .:: .: .: .: .
::‐ .:.::.::.::.::.::.::.::.::.:‐. ::‐ .:.::.::.::.::.::.::.::.::.:‐. ::‐ .:.::.::.::.::.::.::.::.::.:‐. ::‐ .:.::.::.::.::.
::.::.::.::.::.:.: .: .: .:‐.: .: .: .: .i!_: .: .: .: .:i! .: .: :.::.::.::.::‐ .:.::.::.::.::.::.::.::.::.:‐.::.::.::.: .:.::.:
: ‐ : .: .: . ‐.: .: .: .: .:.i!／三 三 .i!/i.: .: .: .: .: .:: .: ..: .:‐ .: .: .:: .: .: .: . .::.::.::.::.:
: .‐.: .: .: . .: :.:.:::.:.:.／三 三三 ./! i|::.-: .: .: .: .: .: .: .: . .: ‐.: .: .: : .: .: .: .: .: .
〜: .:.:.:.:.:.:.:.:.:.i|.／二ﾆ.二二i!/:i|::~:-:.:-:.:.:.:..: .: .: .: .-.: : .: .: ..: .: .‐ .: .: .: .:
::.:.:.:.:.:.〜:.:.:.／―ー―ー- /i::::~-::-..-.:.:-.:.:-.:.:.:.〜: .: .:: .::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
もっとも、秀吉はこの向島城を遊興に何度か用いただけで、公儀が大坂に移った今は寂れてしまっている。
＿_
／￣｀ヾ:`:.
{ ﾞ!:.}
/:＼＿,∠.._
_,. _-_:‐:‐:|: : : : : : : : ､:｀: .、
／´: i.:,!: : :|:i!: ､: : :丶: : ヽ
／ｨ: : : ｌl. !: : |:!､ﾄ､: : : : ＼: :i
.//./: : : ;1! ∨: l|_､斗‐: : : :ﾄﾞ:､
〃 !: : : {T¬ Ｖ:.{. __⊥:ヾ: : l: : !
'′ |: :.;!:iﾊ_z=T ﾞ､:. T不l ハ: l: ;l ……そこへ立ち退け と？
.ｌ :ハl:::i ヾﾂ ` ﾞｰ：i::::ﾍ:|/
V ﾞ!::ﾄ..,,_ ,､ _,､ｲ:::::バ' 伏見城のお膝元から？
l::::|::::::;ﾌﾌ .,!'ﾞ'l: :/:::::i.
l!::|／/´>'゛_,!:./ｭ::::::l
l};.|i!.j /,,-''.ｲ/‐¬;::::l
./ ﾞ{､i!/''／// i::::!
/ _,,.-火ﾞ､ '"i i:::i
ﾞく ｨ､ ＼j ,l:::|
, ──── ､
／ / ⌒ヽ⌒ヽ＼
/ , -| ／・|・ヽ |ヽヽ
/ ／ ｀ ー ●ｰ′ ヽ そうだよ
ｌ / 三 | 三. |
| l └─-､ l これで君が政局から身を引いたんだって
l | /´⌒＼ ＿＿＿ ノ /
ヽ ヽ ヽ､＿＿＿＿＿/ / 大坂方に戦果を与えてやれる
〉━━━━━O━━ー◯
/ ／ ＿＿＿ヽ ／
/ | ヽ ﾉ | |
◯/ `ー‐<⌒ヽ─ ヽ
ｌ | | ｌ
` ー──く __ノ── ´
, -──- ､
／ , -‐､ , ‐ ､ ヽ
/ /,-‐''´∨~~｀ヽ ヽ
/ _,.l ・ ,! ・ /‐､ ヽ と いう建前でね
l / ニ､｀ｰ‐‐'◯ｰ‐' 二ヽ |
l l-─ l ‐､-l! 都を睨む伏見の城持ちになるわけだ 君は
l l ヾ''ｰ‐ ､__ |＿ _,,...ｨ'´ l
ヽヽ ヽ ）／ / しかも あの太閤秀吉直轄の城のね
ヽヽ ｀''ｰ── ' /
ヽ＿＿＿＿＿＿, -‐''''⌒ヽ
／ ￣､ﾌｰ─‐＠─‐ヽ（ ）ノ
| ヽヽ~￣￣￣|￣￣ヽ
ヽ （ ） | ヽ
|｀ｰ┬'l￣ヽ＿＿＿|＿＿＿ヽ
| ヽ､｀ｰ---- '´／ |
,ｨ,ﾆニｭ､_
// ｀`ヽ
__《__＿_＿__
,ィ´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀‐-ｨ´ヽ、_
／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾉ.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.::|:::`ニﾆ=‐-
/ : : : :.:.:.:.::.:.:.:／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|::.:.｀ヽ、
ｊ: : : : : : : : .／:.:./:.:.:..::ﾉ:.::.:λ:.:ﾘ::::.:.:..:.ﾍ、
{ : : : : :.:.:∠:ｊ:.::/::.:;／'⌒／|:.:/::::::::ﾄ､:.:.:ﾊ.
∨:.::.:.:.:..:::.:.:|::/:;／|/:;／＿ｊ;/,':/|:::| ＼:.:|
∨:.:.:.:::::.:.(_|::'"::::::|´ ≡≡ 〈:/ |/ ヽl ……なるほど
ｊ:.:.:.:.:::.:ｉ:.:/:|::::.:.ｉ::| 〉
|:.:.:.:::::.:|/::..,|::::.:|::| (.｀ゝ／ それが加賀大納言殿の算盤勘定ですか
|::.:.::::::./:.:./､|:.:.:|::|‐-‐::'l´
|:.:::::::./:.:./ ﾍ:.:.::λ:::::::::|
|:.:.:::::/:.:./=＝､ヽ:.:.ﾍ､_::::}
|:.:.:::/.::/ , ＼＼::|,ｊ::ﾘ
_,. ニ＝.-:､`:ヽ.、 ＿_ j!
,. :'':´: : : : : :,:-'': :./: : : : : : : :｀:`:ヽ<､
,.r:'ﾞ: :_:,,: ; '"／: : : : /: :j: : : : : : : : : : : : :.＼
／'"´ ／ , ' :./: : j: : l : :,: : !: : : : : : : : `:､:`.、
, ': : : : /: : . .i-‐仆: :j: : : : l: !: : :i:. : : : : ｀､:｀､
,.': : :/: .:j: : .::::i: :./ |: :.j!: : : :l:ハ:,:-:!:‐ ､ ｀､｀.
. /: : :./: .::j: : .::::l: :/ j: :i.|: : : j/ ∨: l::::::. : : i . ﾞ; i
': :／j: :.:::|: :.:::/j:./-‐_!:l. !: : :.j! ∨:.!:::::::. : :l: : :! ',|
/, ' |: .::::l: :::/ヤ示亦ｌ| i: : :i! V:lＶ::::::. : !:. :.!: i
'゛ !: :::::l: ﾊ ﾞrＪ::V l Ｖ: ! ､ ヾl.ﾞi;:::::: :j:::. :ﾄ､!
l: :::::}:l::::! Lﾆﾉ ヾ! ﾐミニ ﾞ'j::V: : |:V: !ハ わかりました
V:/Ｎ::::! ' ￣．l::::::V: !: :V| アタシもその方向で手を打ちましょう
. ﾞ' |:| ::l. ｰr ､___, l:::::: |Ｖ|: :.Ｎ
|:,!: ::`:...、 ヽ ノ ,ｲ::: ::l:: :!: :j しかし いいんですかね？
|':l: : ::::::l:::`i:.. 、 _,,... イ::::l::: : j::: :!: :! 秀頼様守役たる方が勝手に殿下の城を切り売りして
j: :!: : : ::l::;/´iﾉ ￣ i! ヾ､|::::j:: : :.!:: :.|: l
ｉ: : !: : : :.! l. ＿ | ｀i|: : :.ｌ:: : :i: l
,': : ∧､: : i ｢ .｀| '!: : :.!: : :.l: :l
, --───- ､
／ / ⌒ヽ./⌒ヽ＼
/ , -{ / ﾊヽ } ､ ヽ
/ ／ ゝ _ ノ, ‐ヽ-' ＼ヽ
/ ‐┼──- ゝ ノ - ‐一!|‐ これも天下公儀のためさ
| l.､, -一 | ｰ─- ｌL_
| ／ ＼.／ | ｰ-.／ ! それにおかしなことを言うな 君は
､ ' l. ／＼＿ | ＿／ /＼
ヽ Ｘ ￣￣ ／
/､二二二二二二二二 く
/ ／ ( 〒)＼ ヽ
! / / } !
-‐=＝....＝＝=:...........
ｘ≦: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :｀ :.､
／ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ミ 、
. : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＼
／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : , = : ;: : : : : : : :::..
, : : : : : : : : : : : : : : : : : :_:_: : : : : ／ ヾ､.: : : : : : :.∧
, : : : : : : : : : : : : : : : :／´ ｀ヽ: : ,' ._ ∨: : : : : : :∧
.: : : : : : : : : : : : : : : :/ _ ',: {〈;,,} }:_:_:_.: : : : :∧
. { : : : : : : : : : : : : : : : { {,,;l ∨ `¨ ｀ヽ: : : : }
. | : : : : : : : : : : : : : : : { ｀¨ ,.}:ゞ=-,,____,ノ ／ ＼: :.|
. | : : : : : : : : : : ,ｘ≦＝ゝ 彡';;,,,,,,,', ´ ＿＿_ !: ! 守役だからこそ これが許されるんだ
. | : : : : : : : : ／ ＿ ｀ _ == イ;;;;;;;;;;;;;ﾉ ´ x､＿_.l,ｲ
. ',: : : : : : : :/ ／￣￣ ｀¨"',´ =‐‐┼─!- 僕以外がやればそいつは逆賊さ
∨: : : : : :{! ´ ＿_ ‘, / ,'
. ∨ : : : : ! , ' ￣￣ __ / /
∨ : : : i! , ｘ≦ '., /
: : : :∧ {!／ ∨彡' /
ヽ: : ∧ ´` ＝=‐--- --‐‐ ´ ∧≧ｘ
＼ : ＼ ,zｲ r７' ∨
. ヾ_:_｀≧ｘ ｘ≦{_,, ‐'´(;;;;;;) i!
/＝==== ヾ‐─＝=====＝≦"´: : : :ゝ ∧;;! ﾉ
/: : : : : : : : : : : ヾ : : : : : : : : : : : : : : : : ｀＞‐‐‐彡'
,. -――‐- ._
,. '´ /⌒ヽ /⌒ヽ ｀ヽ
/ ! ｏ l_!ｏ ! ヽ
.. / ,. ‐へ＿,ノ-ヽ＿_ノ‐､ ﾍ
,' / ｀`'''ｰ- ﾞ､_,ﾉ -‐''" ヽ ', じゃ いい返事待ってるよ
! l ￣￣_ | _￣￣ l |
l l ‐弋´ ｜ ｀~ﾌｰ ! l ごちそうさま
. ', ', ＞-､_ | _,. -'" / /
VV { ） ￣ / /
ヽ／ ｀ー'＿＿＿＿＿,/／
/ /--/⌒ヽ----┘、
l / ﾋΤﾌ ヽ ＼
_＿
／⌒ヽヽ
__＿ ,、＿＿ |/
‐＝ﾆ_ : : : : ｀Y: :`: : : : : : ｀ ヽ、
, イ: : : : : : : :l: : : : l: : : : : : : : : ＼
／;:／: : : : : : : |: l : : |、: l: : : : : : : : :ヽ
/／/ , : : : : :l_:_/|: l : : l l_:_|_: : : :ヽ: : : : l
/ /: : : :/ 'l:./｀|: l: : { ´l: |､｀ヽ: : l: : : : !
,' /| : : /: :/|{ l/l: : | ヽl ＼: : :l : : : l
|/ |: : /: :ﾊr┯┯ l : | ┯┯yl : |: :＼l
. |: :lｲ ;'ハ ｂ::| ヾｌ ｂ::! l l: l｀ｌ:`ﾒゝ
ヽ| ﾚ |: :ｌ ￣ ￣・ ｌ l/ｰ': :l ………
l.:|: :ゝ､._ ｰ'ｰ' _,.ｨ': : l:: : :|
|.:|: : : :__二７T ¨´lヽ､| : :l: : : |
|.:|: : :|| l´＿__7 |: : |､: :│
|:,ゝ､:ヽ │ / /: :/ !:: :| ズダッ ズダッ ＞
|:l＼ヽ: l | / l: :/／.|:: :|
,,=＝=､､
// ヾ､
l:| ヾ.
＿＿!__/:ヽ､＿＿_l|_
,. -‐_´:-: : : : : l: : : : : : : : : : :`: .､
／‐／: :,: : : : : :, :l: : : : : : : : : : : : : : :ヽ
／: : /: : : : : /: /l: : : : ﾊ: l: : : : : : : l: :｀､
/: ,／/: :/ : : :_LＬ_l: : : l:l レA､:_: : :､: l : : l
/／//: : :l : : : ∧/ l: : : ﾘ l: |丶:｀: : l: l: : :l
／ //l: : : l: : : /_V＿ヾ: : |l _ヾ__ヽ: : : l:ll: : :l
/│: : ,､: : :lT亦テl ヾ: l T示┬l: : W :､:l
l : ハ: : ﾊ｀､'::,┤ ヾ P:,:::ﾉ'lヽ: ﾄ｀,:x
V ヽ:l: :l `''´ , `''´'．: ヽl_ノ: N ……タヌキジジイ
｀ N: :ゝ､_ _ .ノ : : N : : l
│: : :| ≧ t - ＜: : /: : :ﾊ: : :l
.l : : :|.／ |,─ ､./ //: : : l: l: : :l
.| : : :| |ィ ヽ/ // : : :/彡l､: l
|: : : | .| ⌒/ //: : : /〃彡l l
|: : : | .| / // l l /,´／ |l
伏見訪問からほどなく。
力を使い果たしたかのように、前田利家の病は急激に悪化。床から立ち上がれぬ状態となった。
―― 第七十四段 終段 ――
乙ー
信じられるかい？ このタヌキ、若い頃に茶坊主と喧嘩して殺して信長をぶち切れさせるようなヤツだったんだぜ
健康は政治家にとって必要な才能だよなぁ・・・
おなかの四次元ポケットの中がブラックホール並に真っ黒そうだなこの青だぬきは
ほんと妻の助けや秀吉との付き合いもあったとはいえ
武辺者がここまで出世するとはね、歴史はほんと面白い
うーん、面白い
この辺りの政治的な駆け引きは、
賤ヶ岳とか小牧長久手を大将として潜り抜けた世代が一枚上手ですねえ。
そして、政宗さんが水を得た魚のようだw
でも古今東西、そう呼ばれるくらいでなきゃ政事で名を残せないんだよねえｗ
家康を狸って呼び出したのは幕末の反幕府派なんだよなあ
まだ上り始めたばかりだからな、果てしなく遠い京への道を
蜜柑でも食いながら
年末年始中に一度投下したかったのですが、ちょっとめどがつきませんでした。
今年もまたよろしくお付き合いください。
月曜日の１５時から、投下します。どうぞよろしく。
創造PK、今日注文しましたが、遊びにくかったところが改善されてるようでなにより。
楽しみにして待ってっがらなー（山形市民並の感想）
┏━━━━━━━━━━━━━━┓
慶長四年（1599） 三月十一日
大坂 前田利家屋敷
┗━━━━━━━━━━━━━━┛
≡≡|≡≡≡|:::|.≡≡≡|≡≡≡|:::|.≡≡≡|≡≡≡|:::|.≡≡≡|≡≡≡|:::|.≡≡≡|≡≡≡
≡≡|≡≡≡|:::|.≡≡≡|≡≡≡|:::|.≡≡≡|≡≡≡|:::|.≡≡≡|≡≡≡|:::|.≡≡≡|≡≡≡
≡≡)≡≡≡):::)≡≡≡)≡≡≡):::)≡≡≡)≡≡≡):::)≡≡≡)≡≡≡):::)≡≡≡)≡≡≡
|＝＝＝＝＝＝| | |＝＝＝＝＝＝| | .|l i |
|＝＝＝＝＝＝| | |＝＝＝＝＝＝| | .| ,' |
|＝＝＝＝＝＝| | |＝＝＝＝＝＝| |＿____＿＿|; . |＿＿＿＿＿＿＿＿＿
|＝＝＝＝＝＝| | |＝＝＝＝＝＝| || l | │ | . || l '| |@| i│ | ; | |
|＝＝＝＝＝＝| | |＝＝＝＝＝＝| || . | │ | . ||. i | | | ;│ |..│ |
|――――――|_|_|――――――|_|| . | │ | ; ||, ' | | | .│ | . | |
'￣￣￣￣￣￣ ￣￣￣￣￣￣ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
, --───- ､
／ u ./ ⌒ヽ./⌒ヽ＼
/ , -{ / ﾊヽ } ､ ヽ
/ ／ ゝ _ ノ, ‐ヽ-' ＼ヽ
/ ‐┼──- ゝ ノ - ‐一!|‐ そ うかい
| u. l.､, -一 | ｰ─- ｌL_
| ／ ＼.／ | ｰ-.／ ! 向島城への移動 呑んでくれるかい
､ ' l. ／＼＿ | ＿／u./＼
ヽ Ｘ ￣￣ ／
/､二二二二二二二二 く
/ ／ ( 〒)＼ ヽ ［前田利家］
! / / } !
＿_
／￣｀ヾ:`:.
{ ﾞ!:.}
/:＼＿,∠.._
_,. _-_:‐:‐:|: : : : : : : : ､:｀: .、
／´: i.:,!: : :|:i!: ､: : :丶: : ヽ
／ｨ: : : ｌl. !: : |:!､ﾄ､: : : : ＼: :i
.//./: : : ;1! ∨: l|_､斗‐: : : :ﾄﾞ:､
〃 !: : : {T¬ Ｖ:.{. __⊥:ヾ: : l: : !
'′ |: :.;!:iﾊ_z=T ﾞ､:. T不l ハ: l: ;l はい
.ｌ :ハl:::i ヾﾂ ` ﾞｰ：i::::ﾍ:|/
V ﾞ!::ﾄ..,,_ ,､ _,､ｲ:::::バ' なので 前田殿は心やすくご療養を
l::::|::::::;ﾌﾌ .,!'ﾞ'l: :/:::::i.
l!::|／/´>'゛_,!:./ｭ::::::l
l};.|i!.j /,,-''.ｲ/‐¬;::::l
./ ﾞ{､i!/''／// i::::!
/ _,,.-火ﾞ､ '"i i:::i ［徳川家康］
ﾞく ｨ､ ＼j ,l:::|
_＿
／⌒ヽヽ
__＿ ,、＿＿ |/
‐＝ﾆ_ : : : : ｀Y: :`: : : : : : ｀ ヽ、
, イ: : : : : : : :l: : : : l: : : : : : : : : ＼
／;:／: : : : : : : |: l : : |、: l: : : : : : : : :ヽ
/／/ , : : : : :l_:_/|: l : : l l_:_|_: : : :ヽ: : : : l
/ /: : : :/ 'l:./｀|: l: : { ´l: |､｀ヽ: : l: : : : !
,' /| : : /: :/|{ l/l: : | ヽl ＼: : :l : : : l
|/ |: : /: :ﾊr┯┯ l : | ┯┯yl : |: :＼l
. |: :lｲ ;'ハ ｂ::| ヾｌ ｂ::! l l: l｀ｌ:`ﾒゝ 向島の接収も始めてますので 引っ越しは今月末にも
ヽ| ﾚ |: :ｌ ￣ ￣・ ｌ l/ｰ': :l
l.:|: :ゝ､._ ｰ'ｰ' _,.ｨ': : l:: : :| これで公儀の総和解は成就しましょう
|.:|: : : :__二７T ¨´lヽ､| : :l: : : |
|.:|: : :|| l´＿__7 |: : |､: :│
|:,ゝ､:ヽ │ / /: :/ !:: :|
|:l＼ヽ: l | / l: :/／.|:: :|
, --───- ､
／ u ./ ⌒ヽ./⌒ヽ＼
/ , -{ / ﾊヽ } ､ ヽ
/ ／ ゝ _ ノ, ‐ヽ-' ＼ヽ
/ ‐┼──- ゝ ノ - ‐一!|‐ ふっ ふふっ
| u. l.､, -一 | ｰ─- ｌL_
| ／ ＼.／ | ｰ-.／ ! 棺桶に片足を突っ込んだ人間相手に
､ ' l. ／＼＿ | ＿／u./＼ 心にもないことを言うもんじゃないよ
ヽ Ｘ ￣￣ ／
/､二二二二二二二二 く
/ ／ ( 〒)＼ ヽ
! / / } !
, --───- ､
／ u ./ ⌒ヽ./⌒ヽ＼
/ , -{ / ﾊヽ } ､ ヽ
/ ／ ゝ _ ノ, ‐ヽ-' ＼ヽ 君の本心はわかってる
/ ‐┼──- ゝ ノ - ‐一!|‐
| u. l.､, -一 | ｰ─- ｌL_ 君以外の人間だって 腹の中は似たようなものさ
| ／ ＼.／ | ｰ-.／ !
､ ' l. ／＼＿ | ＿／u./＼ 僕が一世一代のタヌキ芝居で成し遂げた和睦なんか 風の前の塵に同じ だ
ヽ Ｘ ￣￣ ／
/､二二二二二二二二 く
/ ／ ( 〒)＼ ヽ
! / / } !
_＿
／⌒ヽヽ
__＿ ,、＿＿ |/
‐＝ﾆ_ : : : : ｀Y: :`: : : : : : ｀ ヽ、
, イ: : : : : : : :l: : : : l: : : : : : : : : ＼
／;:／: : : : : : : |: l : : |、: l: : : : : : : : :ヽ
/／/ , : : : : :l_:_/|: l : : l l_:_|_: : : :ヽ: : : : l
/ /: : : :/ 'l:./｀|: l: : { ´l: |､｀ヽ: : l: : : : !
,' /| : : /: :/|{ l/l: : | ヽl ＼: : :l : : : l
|/ |: : /: :ﾊr┯┯ l : | ┯┯yl : |: :＼l
. |: :lｲ ;'ハ ｂ::| ヾｌ ｂ::! l l: l｀ｌ:`ﾒゝ
ヽ| ﾚ |: :ｌ ￣ ￣・ ｌ l/ｰ': :l ……そうお思いなら なぜ
l.:|: :ゝ､._ ｰ'ｰ' _,.ｨ': : l:: : :|
|.:|: : : :__二７T ¨´lヽ､| : :l: : : |
|.:|: : :|| l´＿__7 |: : |､: :│
|:,ゝ､:ヽ │ / /: :/ !:: :|
|:l＼ヽ: l | / l: :/／.|:: :|
, --───- ､
／ u ./ ⌒ヽ./⌒ヽ＼
/ , -{ / ﾊヽ } ､ ヽ
/ ／ ゝ _ ノ, ‐ヽ-' ＼ヽ は はは 痛快じゃないか
/ ‐┼──- ゝ ノ - ‐一!|‐
| u. l.､, -一 | ｰ─- ｌL_ 後世 きっと人々は語るだろうよ
| ／ ＼.／ | ｰ-.／ !
､ ' l. ／＼＿ | ＿／u./＼ 「前田利家ってのはあの徳川家康に一杯食わせた たいした奴だったんだ」！
ヽ Ｘ ￣￣ ／
/､二二二二二二二二 く
/ ／ ( 〒)＼ ヽ
! / / } !
,,=＝=､､
// ヾ､
l:| ヾ.
＿＿!__/:ヽ､＿＿_l|_
,. -‐_´:-: : : : : l: : : : : : : : : : :`: .､
／‐／: :,: : : : : :, :l: : : : : : : : : : : : : : :ヽ
／: : /: : : : : /: /l: : : : ﾊ: l: : : : : : : l: :｀､
/: ,／/: :/ : : :_LＬ_l: : : l:l レA､:_: : :､: l : : l
/／//: : :l : : : ∧/ l: : : ﾘ l: |丶:｀: : l: l: : :l
／ //l: : : l: : : /_V＿ヾ: : |l _ヾ__ヽ: : : l:ll: : :l
/│: : ,､: : :lT亦テl ヾ: l T示┬l: : W :､:l
l : ハ: : ﾊ｀､'::,┤ ヾ P:,:::ﾉ'lヽ: ﾄ｀,:x
V ヽ:l: :l `''´ , `''´'．: ヽl_ノ: N お戯れを
｀ N: :ゝ､_ _ .ノ : : N : : l
│: : :| ≧ t - ＜: : /: : :ﾊ: : :l
.l : : :|.／ |,─ ､./ //: : : l: l: : :l
.| : : :| |ィ ヽ/ // : : :/彡l､: l
|: : : | .| ⌒/ //: : : /〃彡l l
|: : : | .| / // l l /,´／ |l
, --───- ､
／ u ./ ⌒ヽ./⌒ヽ＼
/ , -{ / ﾊヽ } ､ ヽ
/ ／ ゝ _ ノ, ‐ヽ-' ＼ヽ
/ ‐┼──- ゝ ノ - ‐一!|‐ ああ うん 悪ふざけだ もちろんそうさ
| u. l.､, -一 | ｰ─- ｌL_
| ／ ＼.／ | ｰ-.／ ! 僕の寿命を考えた時 これぐらいしかできなかったってだけのことだ
､ ' l. ／＼＿ | ＿／u./＼
ヽ Ｘ ￣￣ ／
/､二二二二二二二二 く
/ ／ ( 〒)＼ ヽ
! / / } !
, --───- ､
／ u ./ ⌒ヽ./⌒ヽ＼
/ , -{ / ﾊヽ } ､ ヽ
/ ／ ゝ _ ノ, ‐ヽ-' ＼ヽ
/ ‐┼──- ゝ ノ - ‐一!|‐
| u. l.､, -一 | ｰ─- ｌL_ だから この後のことは君に頼むしかない
| ／ ＼.／ | ｰ-.／ !
､ ' l. ／＼＿ | ＿／u./＼ どうか―――
ヽ Ｘ ￣￣ ／
/､二二二二二二二二 く
/ ／ ( 〒)＼ ヽ
! / / } !
___−''''￣￣~~￣''¬-.._
_,-''" `‐ ﾞﾞｰ 、
_／ ノ冖t ﾞ' 、
ﾞｰ,,,l'´________/´_,,上│,;ｭ‐'^'t _ u ﾞゝ
/ン^ﾍ 、 | ｨl ・ ! !´・卜v |￣ .u r‐''''￣ ＾ 、
,−''￣^''ｰ-＿ ﾍ_"ﾞ^'_/ﾍl彡il宀=‐ ｰーー'‐ー '、
./´ 〆￣ ＼ ` ￣（ !￣ ,_..--マ￣￣ﾞ<'''' ヽ 頼む 家康！！
| / i ﾞ! ｀ｰrソ ／ﾞﾞ ＾ゝ ヽ │
l l / .! │ _／ ヽ 1 | 前田家を……
ヽ ヽ ／ | │ ノ'´ 1 .| .│
ﾞ 、 ﾞ￣^ _.ノ⊥ │ │,ノ'´ , |! | │ 利長のことをよろしく頼むよ家康！
ゝ`''''''''''" １ ﾞｰ---'ﾞﾞ ｒ │ ! │ ! !丿
`‐ 、,,..-ｩ || 釗 ‐ .! " l!.//
礀 ﾞﾍ/’ ! ___,,------,,__ /リ/
│ !''ﾞ二,,⊥-------ニコｮｯ-----‐'ン'´
／ |ぃ一ー│ﾆン宀''￣￣~~"￣''‐'‐ニ¬-,,ｨ!'´
/ /´ ＼ .,,....--‐― ''''''''''''''''‐ﾐ
|’ |! lｌ..-‐''" │
ｌｌ ヽ 丿 l
＼ ノﾍ＿_____／-,,＿ │
／:／ ／/::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::l::.:∧::.::.::.::.::.::.::Ｎ::.::ヽ::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::ヽ.::.::.::.:
/／ ／ /::.::.:/::.::.::.::.::/::.::.::.|:.:l l::.::.::.::.:l:.::.| ヽ::.::」､＿::.::.::.::.::ヽ.::ヽ::.:ヽ.::.::.:
／ / /::.::.::./::.::.::.::.::.|::.::.::./|::l l::.::.::.::.l:.::| へ´::＼::`.::.::.::.::.::l.::.::|.::.::ヽ::.::
/ /::.::.::.:l:.::.::.::.::.::|.::'￣!´|┤ !::.::.::.:l:.:| ＼::.!＼::.::.::.::.::.:.!::.::|.::.::.:ヽ:.
/ j::.::.::.::.,|::.::.::,.::.::|::.::.::.! l::| u .!::.::.::.:l:.| ＼l ヽ::.::.::.::.::.:!:.:.|＼:.::.l:.
. / !::.::.::.:/ l::.::.::l.::.::|.::.::.:! l:| !::.::.::l:| ニニキニュ::.::.::.::.:!:.:|:.::＼.｀
/ |::.::.::/ |::.::.::ヽ::.|:.::.:ﾋﾆﾆキ三､ !::.::.l| ´T:￣::￣}｀/＼::.::.::.:!:.|::.::.:「:､
j::.::.:/ |::.::.::.ヽ::.|.::.::N´{￣:: :::! !::.::| ! ::: :: ::.:} l l::.:ヽ.::.::.:!:「ヽ:|::.
|::.:/ |::.::.::.ハ::|.::ﾍヽ ､ ､ : : : !::.:l :: :: : |::.!::.',::.::.N｀l:.:::::|.:
. !::l |::.::.:| Ｎ::.l:ヽ ､': : : !;:;:;:;:;:;:ヽj:;:;:; ;L:_:_:_/ l::.!::.::.:',:.::.:lノ.::::::.|::. ―――！
!| !::.:.| |::Ｎ|::.:.l:;: `'' ´ :;:;: ,;:;:;:;:;:;: ・ l::!.::.::.::.L,::.l.::.::.::::::|:.
|' !::.| |:.::.!!::.l u . l::!.::.::.::ハ:',::!.::.::.:|:
V |::.::. ｀､_ へ , イ/:!.::.::.::.l::.:l:.',|::.::.:l
'|::.::.::.::.l ｀ ｰ- ､＿＿, - ´ / l:!:.::.::.::ト ､:_:l::.::.:.
|::.::.::.::.l ../ ヽ / |!::.::.::.::j ｀ ‐､
|::.::.::.::.l ／.| / j::.::.::.:::|
|::.::.::.::.l ／ ト-- フ j::.::.::.::.j｀ヽ ､_
|::.::.::.::.l , ' .／ | / ´`ヽ|::.::.::.::.j y´
|::.::.::.::.l / | / j::.::.::.::.j /
j::.::.::.::.l ./ V !:.::.::.::.j /
利家は、布団に抜き身の刀を隠し、それを握ったまま面会したという。
, --───- ､
／ u ./ ⌒ヽ./⌒ヽ＼
/ , -{ / ﾊヽ } ､ ヽ
/ ／ ゝ _ ノ, ‐ヽ-' ＼ヽ
/ ‐┼──- ゝ ノ - ‐一!|‐ なんてね
| u. l.､, -一 | ｰ─- ｌL_
| ／ ＼.／ | ｰ-.／ ! はは 結構悪くなかっただろ？
､ ' l. ／＼＿ | ＿／u./＼
ヽ Ｘ ￣￣ ／
/､二二二二二二二二 く
/ ／ ( 〒)＼ ヽ
! / / } !
,,=＝=､､
// ヾ､
l:| ヾ.
＿＿!__/:ヽ､＿＿_l|_
,. -‐_´:-: : : : : l: : : : : : : : : : :`: .､
／‐／: :,: : : : : :, :l: : : : : : : : : : : : : : :ヽ
／: : /: : : : : /: /l: : : : ﾊ: l: : : : : : : l: :｀､
/: ,／/: :/ : : :_LＬ_l: : : l:l レA､:_: : :､: l : : l
/／//: : :l : : : ∧/ l: : : ﾘ l: |丶:｀: : l: l: : :l
／ //l: : : l: : : /_V＿ヾ: : |l _ヾ__ヽ: : : l:ll: : :l
/│: : ,､: : :lT亦テl ヾ: l T示┬l: : W :､:l
l : ハ: : ﾊ｀､'::,┤ ヾ P:,:::ﾉ'lヽ: ﾄ｀,:x
V ヽ:l: :l `''´ , `''´'．: ヽl_ノ: N ……お戯れを
｀ N: :ゝ､_ _ .u.ノ : : N : : l
│: : :| ≧ t - ＜: : /: : :ﾊ: : :l
.l : : :|.／ |,─ ､./ //: : : l: l: : :l
.| : : :| |ィ ヽ/ // : : :/彡l､: l
|: : : | .| ⌒/ //: : : /〃彡l l
|: : : | .| / // l l /,´／ |l
＿＿＿＿
. ／´ /⌒ヽ ⌒ヽ｀＼
/ , -| ＞|＜ |−､ ヽ
/ ／ ｀ー ●ー ′ ヽ ヽ 家康 僕はやっぱり 武辺者 傾奇者の又左で死にたい！
ｌ / .二 | 二 ヽ ｌ
/⌒ヽ| ｌ l ─ | ─ | | | 君とやりあったタヌキなんかじゃなく
〉､__ノl | ＼ | ﾉ ｌ
| ヽヽu. ヽ､ | ／ /｀ヽ 最期は槍の又左で死にたいんだ
ヽ ヽ ￣￣￣￣ ／ ｌ
ヽ ＼ ＿＿＿＿＿＿_ /⌒ヽ ﾉ
. 〉 `ー──◯──‐ヽ＿ノイ
ｌ ／ ＼ |
, --───- ､
／ u ./ ⌒ヽ./⌒ヽ＼
/ , -{ / ﾊヽ } ､ ヽ
/ ／ ゝ _ ノ, ‐ヽ-' ＼ヽ
/ ‐┼──- ゝ ノ - ‐一!|‐ さあ家康 僕をこのまま馬鹿な傾奇者で逝かせてくれ
| u. l.､, -一 | ｰ─- ｌL_
| ／ ＼.／ | ｰ-.／ ! 君のことを信じていいね？
､ ' l. ／＼＿ | ＿／u./＼
ヽ Ｘ ￣￣ ／
/､二二二二二二二二 く
/ ／ ( 〒)＼ ヽ
! / / } !
／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : `:-.‐.‐: : :‐.-. . ,,_
, ': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :`: ＜¬ｰ-｀`ヽ
.:': :/: : : :／: : : : : : : : ::: : : : : : ﾍ: : : : : : : : : : : :. ｀ヽ
/: :/: : :.／ : : : : j::: : : : : : : :!: : : i:.. : : : : : ､ ＼
,': :/: : ; ' . . . : : : :!: :.j|::: : . . . !: : : V::. ヽ ヽ
,': :.i: :,:'. . : : : : : : : : :i: :/ |::|: : : : : : : |ﾍ: : :.V:::. . . i... ヽ ｀､
.i: : i.:/: : : : : : : : :_;,,;/:_/ .!:|: : : : :.l: : | v‐'个-:.､: :V::. : :Vﾍ丶、 `、
j: : l/: : .::j: : : :':´: :./l:./`ﾞ !j: : : : :.!: : l`'゛V: :.!::::::. : :.V::.: : V:ﾍ ＼ﾞ、
l: :./: :.::::j: : : : : : :/.j:/ :||: : : : ﾊ: :.j ∨:.|V::::. : :.i!:::. : :.!､:ﾞ', `
!:./: .::;:イ: : : : : :/_/ﾞ-― |!: : : / !: !--- V:.| V::::. : :.!::::. : :!｀、!
!:l: :／_:l: : : : r主圭王羊 .|: : :/ :|:.E玉圭主ｮ∨::. : j:::::. : :! Vi
lj:/|:./ i: : : : :У.|:::::;;;;::::| l: :./ !:,!|::::;;;;::::,!/ λ::: : :!:::::: : l ﾞ}
}': j: ﾍ !: : : :∧ !V С !, ' j/ lV С /:::i::: : l::::::: :.j
l: :l: : :ﾞ|: : :∧::l ヾ、__ﾂ /' ヾ､_,ﾂ ,'::::::ｉ:: :ﾊ:::::: :,! ……死後の保証を与えるなど
.!:.!: : : |: :/:::ﾍ::i ‐''"´ 、 ｀`'''‐ ・ i:::::::::!:/ !::: /
!j: : : :.|∧: :::ﾍ:j.､ ,ﾉ::::::: l/ |:::/ 神仏にあらぬ家康にはおよそ不可能なことです しかし
li: : : : .::|ﾍ: : ::ﾍi:::;＞:...,_ ´｀ _ ,,. ,-::''ﾞ:|:|:::::: : :! !/
}: : : : : :|::ﾍ: : : ﾍ . {'゛｀` ''''' {´| `ヾ{::::::::::!|:: : : :.| '′
.!: : : : :,:-＜ﾞ､: : :.ﾍ l ｰ-､ ,-l ｀ﾌ7||: : : : l
l: : :.／ ヾ､: : :ﾍ. !'´￣￣￣| // |l: : : : l
/: ;.-‐¬‐-｀ヽ
,. . -: :‐. . .､∨ ﾘ
,. :':´: : : : : ; : : : : : : ｀`::ｰ: :¬__,,......_
,.': : : : :j.-'". . : : : , : : : : : : ,!､-―‐｀`ヽ､
. /: : :,: :': :,:. : : : : :,.:.:::; ': :/:. . . : /: : ｀ヽ
/:.:／;.ィ" : : : : ,∠_;.:': ;〃:. : : . /. ｀ 、
/:,:':／/: : : : :／,. /｀ソ/::/.: : ;./!: : : : : i. .
i/:': : /: :: : :/／ /;／ /::/: :,/:/‐l、!: : : :.!: : :i.
ｲ／: :j: : : ;ｲ ／ /:'.:／::/ .!:/:: : : : lヽ:.:.l
／,.:-/ﾞ!: :./::|:! /:／ ::/ j/:::: : : : l ｀､:!
／'".: : :ヽ!:/:::: l:! ｨ三=ﾐ /'" / ,|::.: ;!: : :l
,l: :.::::::::lﾍ:: : :l| ｨ=､ /,{::: ハ:.:i
/: .::::: :/:.ハ: : ﾍ ,､_,__ ・:ﾞ::!|:::/ l.:i 槍の又左の意地 アタシは感動しました
/: : .::: :/:/:::/'ﾞヾ: ﾍ::,.､ `ｰ' _,ノ:: ｌ:j:/ ﾘ
/: : : :: ://:::/ ,.＞ゞ､::｀::¨ﾌ刀:/::: : l '′ こいつはお世辞抜きでね
. /: : : : : 〃::/ ／'／´￣｀ヾ:ｼ'゛ |/::: : ,'
/: : : : : :/:::/ ,,:',,:' / ! |':: : :,'
/: : : : : :,'::/=''// / ､、 l !: : /
/: : : : : :.i/三ﾆ/ / ! ｀`¨ヽ､l: :/
/: : : : : : l ￣ l ヾ
●
●
●
, -──- ､
ゝ／ ＿＿＿＿＿__＼
/ | ノ ─ ､ −､ !
/ |＿| ･ | ・ |
| | | | ! あ 内府殿
/⌒` u ` ー− っー ヽ
ヽ__ ﾉ それで父さんはなんて……？
／／ , -＼ -─┘ ／
／ ／ | ` ｰ─┬ ´
／ ＼／＼/ ｌ ／／
/ ／ / ＼ _
/＿_/ /､ （_）￣)
（ ヽ＼＿＿_ / ヽ､ | |二 ﾉ ［利家嫡子・利長］
( ＿ _ﾉ / `ー ´
〃￣｀
!| , ィ
ヾ､＿／:/--‐;ｧ
／::｀::.::.::.::.::.::.｀ヽ
/.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::. ｀＼
,' : : .::.::.::.::.::.:: . : |.::.:}￣
!.::.::.;;.;:.::.::..: .::.::.::.!.:ｉ:.|
l.::,;;';;';;';;.;;.::.::.::j.:/)ﾍ::| うん……
!;;';;';;';;';;';;';:.::.j.:/ﾞ!::|`}
. l;;';;';;';;';;';;';:./::.|ｲ::.!
λ;;';;';;';;';;';/.:: | |.:l
l:i:!';;';;';;';;';/:..:..:|ﾞヾ
j:|.::.i|;;';;';;/.::.::.::.|l!ﾊ
|::!;;.::|;;';;/:.::.::.::.::|l|｜
!::|';;.:l;;';'.::.::,'::.::.::!」｜
ヽ: :}
l｀: .､ |:/
__|: : : :`:-:‐:''':''':'': :‐. .,,_
_,,. -‐'',,."￣: :.|: : : : : : : : : : : : : : : : :｀: .、
,.-,."-‐''／´: : : : : :.|: : : : : i: : : : : : : : : :､: : : : ヽ
,.-'"'" ／ ;. : : : : : : : :|: i; : : : i: : . . ＼: : : :':,
/ :/:/ . . : : : :.;|: :i; : : :.:ｉ: l; : : : : : : . . 、＼: : :',
/ /./. : : : : : i: : :.i i: :|ﾞ､: : :.:i::lﾞ:､: :､_;,.: : : :ヽ: :ヽ: :.!
/／j:.;'.: : : : : :.::|:_:_:ｌ i: l. ﾞ:､: : ::!i 弋ﾞ:＼:::. : : :.ヾ: ヾ:j
// .!:l: : : : : : ::::}: : 厂丁{ ﾞ:､: ::i:! ヾﾍ＼:::. : : :i; : ﾞ!
..〃 l:l: : : : : : ::::|l: :.ｌ ? ﾞ:､:.i =キ三≠i､: : : :iﾍrゝ
/ lj: : :,|: : : :::Ｎ: :ヒニ干ｷ ヾ! |ノしｲ| lﾞ;:､: : :iﾍ
.l: :./ !: : : ::|::}; |ﾞ:,∨しｲ} ヾ＿ｼ l:;::::ﾞi､: lヾ:、 秀頼様のことをくれぐれもよろしく と
!:./ l: |; : :l::ﾊ:ﾄ、 ヾシ' ・,!;:::::j:,:ヾ| `
V l:.!ヽ: lj i:{::ﾞ:. ′ ／!; : :i: :',| そうおっしゃってたよ
ﾞ{ ヾ| i:::::ト.. ,,_ ＾ _,,. イ＾i:::l; : :i:::: :.i
i: :.::l::|:::::￣:/丁 ,l'′`!: :.i::::::: :i.
i; : :l:|,.-''" ∠--､/ . l: :.j,＞､:: i.
l::',: :.l| ｜ / ,.l :/,.-''"ヽ: i.
l:::/',: :| l / ,,-'',,j:/' ,,-''" i: :i.
○ 第七十五段 ： 去る者、追う者
┏━━━━┓
山形城
┗━━━━┛
├─────┤ r====n 、
_|三三三三三三|_／＿_／-＼ ／ ｀ ､ゞヾ;ゞゞ
====／三三三三三三三＼============ ｀ ､ゞヾヽ,.ゞ:,,
┝┿┿┿┿┿┿┥l l l l l l l l l l l l／ ｀ ､ゞヾ;ゞゞ
￣i￣i,;;*,';,';,|l:≡≡:l|,:;.:;';,':,￣￣i￣￣i￣ ｀ ､ ／＼
￣￣,:'';.:;';,'*:, ,:;*.';:;';,':,￣￣￣￣￣￣ ｀iｰ i´ ／＼
￣／ ｀ ､
｀i､ ｀ ､
=i=================i= ﾄ｀i､ ｀ ､
| || || | ＼ﾄ｀i､
.===| || i l || |=========================
| || l ! l l l l | | ! || |
l l l /_^__|_|__l__|_|_!_!__|_|_|_.^_ゝl l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l
i￣ |::|三|::|::|三三|::|::|三|::|￣￣i￣￣i￣￣i￣￣i￣￣i￣￣i
＿＿＿_
.. ／ ＼
／ ─ ─＼
／ （●） （●） ＼ ふむ そうですか
| ' |
＼ ⌒ ／ これでようやく 山形の基盤整備にめどがつきますね
. /⌒ヽ ｨヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
./ ／ r─--⊃、 |
| ヽ,.ｲ ｀二ﾆﾆうヽ. | ［やる夫嫡子・最上義康（25）］
／￣＼
| |
＼＿／
|
／ ￣ ￣ ＼
／ ::＼:::／:: ＼
／ .<●>::::::<●> ＼ ミニ大坂 ミニ伏見……とまではいかないが
| （__人__） |
＼ ｀ ⌒´ ／ 山形も「らしく」はなってきたな
/,,― -ー ､ , -‐ ､
（ , -‐ '" ）
`;ー" ` ー-ー -ー' ｱｷｳｼﾞ
l l ［宿老・氏家光氏］
.:.:.:.:.:./ l | / ／ / / | l | | |.:.|.:.:.:.
.:.:.:.:.:.! ! ! ,' ／ / / ヽ＼ .! | |.:.|.:.:.:
.:.:.:.:.:ｌ ｌ l / _,／-ｰ / /ｰ─-弋＼ | | |.:.|.:.:.:
.:.:.:.:.| ｌ !,.lｨ'ﾞ/ __,. - / / -- ､,__ ヽ | ! !.:.:!.:.:.
.:.:.:.:l l | ／二ｪ=ｰ､ /／ ｨ＝=ミ､ ＼! ｌ .l.:.:|.:.:.
.:.:.:.:| | |ﾒ<ｲ r:'::ﾉ:iﾉ/ ､f:Y::ﾊ ｀>| | | !.:.|.:.:
.:.:.:.:| i ! ! ｀￣´ , ￣´ | | ! |.:.:|.:.: ま それを指図した猿太閤が
.:.:.:.:| | ', ﾄ, ! | | ! |.:.:.|.:.
.:.:.:.:| | ', ﾄ、 l l l ｲ.:.:.|.:. 先に死んでしまいましたけどね
.:.:.:.:| |ヽ i ゞヽ ｰ──,.ｧ ,ｲ l ! |.:.:.:!.:.
.:.:.:.:| | | ', | ＼ ／/ l / |.:.:.:|.:.
.:.:.:.:', l l ヽ ヽ ヽ、 ／! ! / / |.:.:.:.!.:
.:.:.:.:.ﾊ',| ', ', !ヽ､ ,_,. ｨ '´ | | ! / |.:.:.:.|.: ［谷柏直家］
.:.:.:/.:.:ヾ ヽ ヽ r=ﾆ! ﾙ、l // !.:.:.:|.:
_z=- ､,. -=z＿
,. '´:::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ､
-=ヲ::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼:::::::::＼
-=7 :::::::::::／::::::::::::ヽ:ヽ:::::::ヽ:::::ヽ:＼_
. /::::::::::::/::::/:::: - ､::|:::|:::|::::::|::::::::ﾄ､「
/::::::::::::/::::/:::::/,ｲ/｀ﾄ､!:::|::::::|:::i::::}:::ﾄ､
=ｲ::::::::::::::{:::/:::::/卞ﾏﾊﾚ'|::::i,≠|:::|:::|i:::|
|::::::::::::/ﾚ'i::::: ﾚ' 込ソ |: /rぇ|:::|::{ ﾚ'
ﾚi:::::::〈 （ |ﾄ､:: j ﾚ!弋ﾀﾚ'|:/ 奥州御仕置から九年だからな
}::::::::｀ﾄﾉ V 〉 |:::!′
. ﾚ个､j -‐ /ﾚ' その間に状況も変わっちまってるし
,. --┴--- ､＼ ／
/ --─一'´￣｀ヽ‐ '
＼
}
/
/ /i
. / / }
厶-─- 、 | | ［志村高治］
＼| ＼| |
,. -─＝≦=-､
／:::::::::::::::::::::::::::::::＼
. ∠イ::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::::::ヽ
/ i:::i::::::/::|:::i::::|::::|::|::::::::::}
{:::|:::/‐-ﾚ'|:::j -j┼ |:::/
Y Ｖ下于 ∨ 下于 ﾚﾍ てゆーか上杉に囲まれることになったわけで
ヾ| |ソ
ヽ j / 山形集住政策に家中で抵抗も出てきてるぞ
ヽ､ ‐- ／
＿,. ｰ＞ - ＜-､＿
,. '´ ／ / ,ﾊ ＼｀ヽ､
／ ／ { } ＼ >､
'´ ￣￣＼j /j /´￣ / ヽ
｛ヽ二二ノl｛ /
｝.:.:.:.:.:.:/ノ
／￣￣￣＼
／ ノ ヽ ＼ みんな自分の城地が心配に決まってますからね
／ （●） （●） ＼
| __´ _ | 人質の妻子以外 強制まではできないでしょう
＼ ￣ ／
⊂⌒ヽ 〉 く /⌒つ
＼ ヽ / ＼ ヽ /
,. -‐…━…‐-
.／::::.: : : : : : : : : : : : :｀ : .
/:::::::: : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
':::::::::: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .
i::::::::::::. :i: : : :i!: : : : : : : : : : : : : : :.
|::i::::i|::: j|: : _｣L: -‐__┤: : : : : : : : :.
ﾚﾍ＝=ミ＾´ ≠笊ぅﾌ|: : : : : : : : : :.
|::::::代てぅ ｀￣´ | : : : : : : : : : :. 上杉といえば
|::::::ﾊ } |: : : : : : : : : : :.
|:::::::::::. `｀ ! : : : : : : : : : : . 上山の父から気になる話が
|::::::::::人 - ― |ｉ : : :i|: : : : : : }i
|i::::::::::::个 ¨ ´|{ : :_｣L: :」Ｌ: :j｣
|{:::::::::::::i!:::::≧r ´ ,.ｵ´::＞‐､
｀￣￣´＾⌒>┤ ／,.-‐ ´ >‐-
_｢≦-┴≠´ -‐ ´ ＞=ﾐ
／ ∧_＿__ -‐ /::::::::::Уヽ ［義康側近・里見権兵衛］
._｣ / /::::::::／ `､
＿＿＿
／ ヽ､_ ＼
／（● ） （● ） ＼
／ __´__ ＼ 里見民部には 国境の監視を頼んでいましたね
| ｌ^l^lｎー'´ |
＼ヽ L ／
ゝ ﾉ
／ /
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
／: : : : : : : : : : : : :｀ヽ､
／: : : : : : : : : : : : ;.ｲﾉ＼ : ',
i: : : : : : : : : : ;. - '´ ′ │: }
|: : : : : : :/／_＿ l /
|: : : : : : :L -‐{〒ぇ>‐rfデ1 まだはっきりしたことは掴めないが
ヽ: : ｆ ヽ;| ￣ ト -〈
＼:! ぃ ′ ./ 上杉家中らしい者たちによって
`!ヽ.、 r_:三ヨ / 朝日の山中に大量の資材と人夫が集められているようだ
L:_| ヽ ‐ /
│ ＼ 亅
│ ＿_二二ニヱ‐ ､＿
r弋/ _ -‐ フ´ |￣ ‐- .._ ＿_
,. ‐ '"´ ￣＼=ﾆラ'´ ! ￣ ＼
_ ／ ／ / |／ ＿＿＿_」 / ヽ ｶﾐﾉﾔﾏ
／/ /. | ＼ / ', ［上山城主・里見民部］
/ 〈ヽ / | ＞ / i
/ ＼＼ L. _ │＿, -‐ ´ / |
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
: : : .:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
: : .:::〃:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i
: |: :::||:::|::::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::||:::|
: L.::｣Ｌ」_＿_｣::::::::::::||:::::::|L::::::::::::_＿_」Ｌ」
: ::| ――- .,_￣￣ ￣´ _,. -― ':::::::
: ::| ､斗rぅ示､｀` /´,ｨぅ芯＾ｱ ;:::::::::
: ::| ｀ ､Ｖrツ ゝ , ､ Vrツ' ;::::::::::
: ::| | ;::::::::::: ―――とのことで
: ::| | ﾊ::::::::::
: :ﾊ -ノ ｀ヽ::::::: なにかしら大掛かりな普請ではないか と
: :|∧､ _＿_ __ / 丶
: :|/∧＼ (二二ﾌ′ ,. 'ﾘ
: :|∨∧ ＼ ｰ ∠7/
刈 Ｖ∧ 、 ,.ｨ劣'ﾞ/
ﾊ `＜､ ｰ-､ ｀ｱ壬二ｱ /
＼ ` ー‐――一'／
朝日山地は、最上、荘内、長井、越後に跨る広大険阻な山岳地帯である。
─────────────────────────────────────
. 荘内 / ｀ｰ､＿
f ,' ｀ー-'ｰ､_
/ ' ; ｀ヽ
最上川 ,ｲ凹酒田 ; , 鮭延 ＼__
/｀ー‐-､ , ; ○ } 村山郡
/ ヽ ; ; ヽ
／ 'ｰ､' 清水 'ｰ,
／ 凹 尾浦 .;｀´｀ｰ-┐○ ,, /
/ ; ヽ__,､ , , ' ' ' ' ; }
. / ' , , , 'ﾌ r-'
/ ; , ' ヽ ヽ
./＼_ , ' , ' , , ; _ﾉ f
￣｀r ; ' ' ' ' ' ' } ヽ ○：最上方拠点
} ;. 寒河江 { r'
L, 朝 ;. ,､ ○ } ﾉ 凹：上杉方拠点
｀ 日, ' ,､f ヽ-' r'
越後 山 f 山形 ﾉ´
地 ' , , , ' r´' ; ,. ◎ .i 最上郡
r‐--‐´ ' , ; 凹} ', |
| .荒砥r'´ , ; ○ ／
{ | ' , 上山 i
ノ ヽ_ ' 'r―‐'´
{ ヽ }
. ﾉ / 米沢|
{ |凹 f
＼_ } | 長井郡
｀ｰ^ー^ｰ'´ヽ ヽ >
'ー'‐､＿ﾝｰ
会津↓
─────────────────────────────────────
|:: :: ／, ---、＼／ ○ ＼／:: :: /:: :: :: :: :: :: :: |
|:: / / ／Ｏ : :＼／:: :: :: :: :: :: :: :: |
ヽ| | ./ ＿ , ――― 、 : : : 丶:: :: :: :: :: :: :: ::/
ヽ ＼＿/／ ` 、 ▼ ＼: : : : 丶:: :: :: :: :: ∠＿
／:: ヽ ＿|/ |: : : : : :|:: :: :: :: :: :: :: :: :ヽ
/:: :: :: :: :: ::| |: : : : : : |:: :: :: :: :: :: :: :: :: |
|:: :: :: :: :: : | ／|＼ 、 ／: : : : : : ::|:: :: :: :: :: :: :: :: :: |
|:: :: :: :: :: : |＼ ＿ ／| .| ＼"ー――."|＼: : : : : : : |: :: :: :: :: :: :: :: :: :|
|:: :: :: :: :: :: | `Γ|―＼ .| / ＼|乂川乂|. ＼: : : : : |: : :: :: :: :: :: :: :: /
ヽ:: :: :: :: :: ::| | |イ砂ﾒ |/ ／| 砂メ "| |: : : : :/:: : : :: :: ::: :: :／
＼:: :: :: :: ::| .| |.| こ | ` .| こ | /| |: : : :/:: :: :::: :: :: ::＜ 寒河江でも動き自体は把握している
＞:: :: :: | | | `ー" `ー" | |: : /:: :: :: :: :: :: :: :: :: ヽ
|:: :: :: :: :ヽ | | ::: _`＿＿ :::: | |／:: :: ::: ::: :: :: :: :: :: :: :| 上杉以外に越後衆も疑っていたのだが
|:: :: :: :: ::: ＼| | |ー――^` 、 .／| .|:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::ノ
＼:: :: :: :: :: :| ＼ ヽ |／ /::| |:: :: :: :: :: :: :: :: :: , - `
＼:: :: :: :: ＼ |＞ー-ゝ、＿_ ／ ／: : | /＼:: :: :: :::|￣￣
`ー―― ゝ|: : : : : :` ―― : :|/: : : :＼:: ::/
/ `: : : : ,--- 、 : : : : : : : : :V
/: : : : : : : /::: ::: ::: ` 、 |: : : : : : : | ［寒河江衆筆頭・寒河江肥前］
＿＿＿_
／ ＼
／ ＼
／ ＼ ／ ＼ ……ほう 相当大規模なようですね
| （●） （●） |
＼ ´ u ／ まさか城でも建てようというのでは
／ ⌒ ＼
／￣＼
| |
＼＿／
＿_|＿_
／ ＼
／ :::─:::::::─＼
／ <●>:::::<●> ＼ いやいや 国境緩衝地帯にいきなり築城はないだろ
| u. （__人__） |
/ ∩ノ ⊃ ／ 完全に違法なうえ 下手すりゃ反乱に問われかねん
( ＼ ／ ＿ノ | |
.＼ “ ／＿__| |
＼ ／＿＿＿ ／
. ／::::::::::::::::::::::::::_＿＿＿::::::::::::::::::
/::::::::::::::::,, - '' /／ ¨i '' ‐､ノ
､::::,, - '' 〃-‐- ､ ,イ /l l l
l l l ｬェｧ / /_」 ll l
l l ! .l／ ｀/／ｨぇ! l l !
l l l ! l ´ !｀"/! l l ! だいたい あんな修験者しか通わないような場所
/__ ﾉﾉl l l _ _′,' .l !
´::::｀丶.l l ! .／ // 城ができても維持できませんね
::::::::::::::::', l、 ､＿／ //
::::::::::::::::::', l::`l 〃 ./'
::::::::::::::::::::', l:::::l／,ｲ /
::::::::::::::::::::::', ',ハ｀ヽ、 /
::::::::::::::::::::::::',l､ !, −＼＼
:::::::::::::::::::::::/:.:i ﾘ:.:.:.ヽノヽ､）
:::::::::::::::::／:.:.:.l/:.:.:.:.:.:.:ヽゝ-ヽ、
:::::::::::::/:.:＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.',:.:.:.:.:.ヽ
. : ´: : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .
' : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.
/ : 〃: :/{: : : : : : : : /: : : ,.ｲ: : : : : : ::::.
ｰｧ仆-┘'ｰ一'´￣´＾` ､/ ﾉ : : : : : : :::::.
／〃:{ -‐‐-ミ ,. -‐=ﾆ`ｰ-ｧ : : :::::::,
／ : /:::ハ <てうヽヽ ｲてう ＞/ : : : :::::::i
, ': : : /:::/::::ﾊ ｀¨´ j ｀ ¨´／ : : : : ::::::::!
. /:/: : /::::::::::∧:. 〈 ､ ／: : : : : : .:::::::::| ですから もっとも可能性が高いのは
〈://: /::::::::::/::::::', ': : : : : : : : .::::::::::|
∨.:/::::::::::::::::::::::::､ - --- /.:〃 : : : : : .:::::::::::; 道普請かと
. ∨―- ､_:::::::::::::::＼ ＝ `〈: : : :／: .::::::::::::,'
｀＾` ､」L::丶 不〃..,_/::::::::::/
厂 ｀ﾄ｀二 ´ ト､:::::::::::｀＞′
ｘ≦￣￣｀ヽ/ ` .,_ ﾄ､ｰ-､¨´
∠／:::::::｀ヽ {｀ ., ` ┴―1
. ／ ｀丶::::::::. 、 ｀ ‐- .,___,ﾉ‐- .,_
＿＿__
／ ＼
. ／ ノ ' ヽ＼
. ／ ／）（ー） （ー） ＼ なるほど……
| ／ .ｲ ' |
∨,'才.ﾐ). -‐‐- ／ 上杉領の長井と荘内を結ぶ直通路 ですか
. | ≧ｼ' ＼
／＼ ヽ ヽ
_.. ‐'''''''''''' ‐ ､
,ｒ' ＼
/―′ ヽ,
（ ●） `― i 新領地を急速に整備している上杉の動きとも合致しますね
i. （ ●） |
＼ _´＿ / 会津のほうでも道普請が盛んと聞きます
＼ ｀ ＿_／
／￣＼
| |
＼＿／
|
／ ￣ ￣ ＼
／ ::＼:::／:: ＼ どういうつもりか知らんが 抗議するなり公儀に訴えるなり
／ .<●>::::::<●> ＼ なんか手を打ったほうがいいな
| （__人__） |
＼ ｀ ⌒´ ／ このまま頭の真上に道を切られちゃ気分が悪い
/,,― -ー ､ , -‐ ､
（ , -‐ '" ）
`;ー" ` ー-ー -ー'
l l
＿＿__
／ ＼
. ／ ノ ' ヽ＼
. ／ ／）（ー） （ー） ＼ いや 調査はぬかりなく続けてもらうとして
| ／ .ｲ ' |
∨,'才.ﾐ). -‐‐- ／ 表沙汰にはしないでおきましょう
. | ≧ｼ' ＼
／＼ ヽ ヽ
＿＿＿
／ ＼
／_,ﾉ ＼ ＼ 相手は奥羽鎮護役で五大老
／ （ー） （ー） ＼
| ' | どうとでも言い訳できますし 当家がそれで睨まれたらかなわない
,'⌒ ＿ ＼ ⊂ﾆﾆ⊃ ／
ヽ＿ノ ／ ＼
＿＿＿＿
／ ＼
/ ＼
/（ ○） （ ○） ＼ ただ こちらがあえて黙っているだけだと
| ' |
＼ ／ 上杉方にほのめかしておく必要はありますか
/ ー‐ ヽ
/
.:.:.:.:.:./ l | / ／ / / | l | | |.:.|.:.:.:.
.:.:.:.:.:.! ! ! ,' ／ / / ヽ＼ .! | |.:.|.:.:.:
.:.:.:.:.:ｌ ｌ l / _,／-ｰ / /ｰ─-弋＼ | | |.:.|.:.:.:
.:.:.:.:.| ｌ !,.lｨ'ﾞ/ __,. - / / -- ､,__ ヽ | ! !.:.:!.:.:.
.:.:.:.:l l | ／二ｪ=ｰ､ /／ ｨ＝=ミ､ ＼! ｌ .l.:.:|.:.:.
.:.:.:.:| | |ﾒ<ｲ r:'::ﾉ:iﾉ/ ､f:Y::ﾊ ｀>| | | !.:.|.:.:
.:.:.:.:| i ! ! ｀￣´ , ￣´ | | ! |.:.:|.:.: そのあたりが適当かと
.:.:.:.:| | ', ﾄ, ! | | ! |.:.:.|.:.
.:.:.:.:| | ', ﾄ、 l l l ｲ.:.:.|.:. ひとまずこのことは 御屋形様にもお知らせしておきます
.:.:.:.:| |ヽ i ゞヽ ｰ──,.ｧ ,ｲ l ! |.:.:.:!.:.
.:.:.:.:| | | ', | ＼ ／/ l / |.:.:.:|.:.
.:.:.:.:', l l ヽ ヽ ヽ、 ／! ! / / |.:.:.:.!.:
.:.:.:.:.ﾊ',| ', ', !ヽ､ ,_,. ｨ '´ | | ! / |.:.:.:.|.:
.:.:.:/.:.:ヾ ヽ ヽ r=ﾆ! ﾙ、l // !.:.:.:|.:
: : : .:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
: : .:::〃:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i
: |: :::||:::|::::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::||:::|
: L.::｣Ｌ」_＿_｣::::::::::::||:::::::|L::::::::::::_＿_」Ｌ」
: ::| ――- .,_￣￣ ￣´ _,. -― ':::::::
: ::| ､斗rぅ示､｀` /´,ｨぅ芯＾ｱ ;:::::::::
: ::| ｀ ､Ｖrツ ゝ , ､ Vrツ' ;::::::::::
: ::| | ;::::::::::: お待ちください
: ::| | ﾊ::::::::::
: :ﾊ -ノ ｀ヽ::::::: 都の御屋形様に伝えるまでに 情報は何人もの手を経ます
: :|∧､ _＿_ __ / 丶 こちらが急使を発したことも完璧に秘匿はできません
: :|/∧＼ (二二ﾌ′ ,. 'ﾘ
: :|∨∧ ＼ ｰ ∠7/
刈 Ｖ∧ 、 ,.ｨ劣'ﾞ/
ﾊ `＜､ ｰ-､ ｀ｱ壬二ｱ /
＼ ` ー‐――一'／
.／::::.: : : : : : : : : : : : :｀ : .
/:::::::: : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
':::::::::: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .
i::::::::::::. :i: : : :i!: : : : : : : : : : : : : : :.
|::i::::i|::: j|: : _｣L: -‐__┤: : : : : : : : :.
ﾚﾍ＝=ミ＾´ ≠笊ぅﾌ|: : : : : : : : : :. 今 下手に露呈しては せっかくの手札が死ぬ
|::::::代てぅ ｀￣´ | : : : : : : : : : :.
|::::::ﾊ } |: : : : : : : : : : :. 御屋形様には帰郷の際に直接 正確にお話すべきです
|:::::::::::. `｀ ! : : : : : : : : : : .
|::::::::::人 - ― |ｉ : : :i|: : : : : : }i
|i::::::::::::个 ¨ ´|{ : :_｣L: :」Ｌ: :j｣
|{:::::::::::::i!:::::≧r ´ ,.ｵ´::＞‐､
｀￣￣´＾⌒>┤ ／,.-‐ ´ >‐-
_｢≦-┴≠´ -‐ ´ ＞=ﾐ
／ ∧_＿__ -‐ /::::::::::Уヽ
._｣ / /::::::::／
＿＿＿_
／ ＼
／ ― ― ＼
／ （一） （一） ＼ ……うん それもそうですね
| __´___ |
＼ `ー'´ ／ まだ本当に道普請かもわからないのですし
/ ∩ノ ⊃ ／
( ＼ ／ ＿ノ | |
. ＼ “ ／＿＿| |
＼ ／＿＿＿ ／
＿＿＿_
／ ＼
／ ― ― ＼
／ （●） （一） ＼ 父上には私が折を見て話します
| __´___ |
＼ `ー'´ ／ この情報は今のところ口外厳禁としましょう
/ ∩ノ ⊃ ／
( ＼ ／ ＿ノ | |
. ＼ “ ／＿＿| |
＼ ／＿＿＿ ／
さて、この時、上杉家は実際に朝日山地を突っ切るバイパス道路建設に着手していた。
主導したのは、米沢三十万石を知行する直江兼続である。
／:.:./ﾚ 7／{:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼_
/:.:.:.:./ 〃/:.:.:.:.:.:.:.:..|:.:.∨~＾＾´＼-:.:.:.:.\xAD\xF4
___, ノイ:.:.:/イ／V:.:./:.:.:|:.:.:.:|ﾊ:.:| V≠=寸
/:.:.:.:.:./:.:.:.:.|:./lV:.::|､:.:.:| ｌ:| ＿___ W::::/
/::ｨ:.:.:.:.l:.:.:孑|::|廾|:代､:.::| '~|´_- ｀ |::::|
／´ /:.:.:.:.|:.:.:.|! |/_ 二ﾍ! ヽ::| ´ｲ升ﾃ=､ z. |::/‐､
|ﾊ::|:.:|/l::| 〃{ﾋっ┘ `＾─'′ .|'f;＾:. ! いざって時 米沢と尾浦・酒田が分断されちまっちゃ統治の障り
l !:N:|ｲ¨| | l:::ﾉｊ:/
｀| l{{<∧ { ､ |＾;:./ 街道こそ領地の血管だ
＼ {:〉'´ ＼ ＿＿＿､ ｊ_／
_／ {:.. 弋云￣ 二ノ /!
／´｀ー-くﾞマゝく_∨￣_￣ ,.'::ト､_
/ ー-､／X｀ｰ/ ／/::|::::::::ヽ
/´ ヽ _ くジ′∨｀ ーzァ7ﾌ／ ::|!::::: :::',
./ _､_ ＼ 〉 ﾑ:.. .{!::: .:'､
/ __犬_ } / }＼__〉 / V '､
_/ 〈＿__ノノ /|:.: / | /!. ＼_ ［上杉家執政・直江兼続］
,,.､ -‐ ''"´/ :.:.:}:.:.:..／!.:|::.: ,′ / /:::|::.. ヽ｀丶､
´ ノ ..:.:ノｰ彳 :.:ト:|::.:. 〈／￣/ /::::::|:::::... ＼
しかも、兼続は純粋に政治・軍事的意図を構想しており、最上家への配慮はもちろん、悪意すら一切持っていなかった。
. -―=＝≠´＼_
.......:::´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::...ー-
／ .:::::::::::::::::::::::::::::::::::/.:::::::::::::::::::::｀丶
/ .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/.:::::::::::::::::::ト､:::::::.＼
. /.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::ﾊ:::::ハﾄ､:::::::::.⌒ヽ
/.::::::::::::/.::::::::::/.:::::::::::::/|:::::; l::::| |:!ヽ::::::ﾊ
:::::::::::::::ｌ::::::::::/:::::::::/::/ |::厶 l::::| |厂{:::∧
|:::::::::::::::l::/.::/.::::::i:::i::::ｉ／厂 |:八 ﾑ、 Ⅵ
|:::::::::::::::/:::∧::::::::Ⅵ:::| ／,二、/ ﾋﾌ_, {
|:::::::::::::::八{::ﾊ:::::::| 八|.ィ:::厂, ,; Ｖ 、 作る必要があるものを作るだけだ
|::::::::::::::::::_::::::::l＼| ^===彡 ＼ |
ヽ:::::::::::/ ｀ヽ:| , ノ | 朝日の山奥なんか どうせ誰の領地でもない
＼::::{ ( く_ |
＼ヽ ｝ ,_-ｘく| だったら奥羽を監督する俺たちが 公儀のため使うのが筋ってもんだ
. ＼＞―ﾍ /こ´个＼
| ＼ 丿 ﾞﾞ
／| ｀ニ＝=‐―┬=≦ ＿＿
| ＼ ＼:::::::::::::::::| ∧
| ｀ ー-=ﾆ二::＿::::| //∧
. / ｀ヽ ////∧
上杉家と兼続は、この手の態度―――自負心からくる傲慢さを隠しきれずにいた。
それは最上家以外とも軋轢を生んでいる。
昨年、上杉の去った越後国は主に三分割され、旧織田家臣の大名が移封された。
r､
/ ￣｀,
/ { 出羽
{ ｀‐- ､
_/´} } }
／ } ,'凸 ___／
佐渡国 / / / 村上 }´
：上杉領 / ゝ ッ / 〈
{ r､ / ／´凸 ｉ´
｀ ノ / ,‐‐ ´ 溝口 /
__} ／ , ' ´ '､
｀ー‐ ´ ／ ´〉
/ ／
{ 凹 ノ
ﾉ 津川：上杉領
／ ____ {
/ ____r､ｉ´ ｀ 会津
/ 〈
, - ' }
／ ／
_ _ ／ ヽ,、
. ノ ｀ ´ 凸 堀 〉
_ -´ r､ ',
_ - ´ r ' ´｀ヽ __,ノ ヽ_ {
｀ 7 _______ r､/ } __{ ｀'
｀} 〉 / __r-､} ｀ヽ {
}_／ ヽ '´ } r'´
｀ -r'
春日山に堀秀治が四十五万石、新発田に溝口秀勝が六万石、本庄に村上義明が九万石である。
このうち最大の大名、堀秀治が上杉家に抗議の声を挙げた。
( ⌒ ⌒ ）
（ ）
（､ , ,）
|| |‘
／￣￣￣￣＼
ｌ ∨∨∨∨∨ ｌ
| ＼()／ |
(| (（・） （＜） |) おい！ 俺のぶんの年貢はどこいった！！
| ⊂⊃ |
| .| ⌒ ＼.ｌ／ ⌒ | | 百姓は上杉家に全部渡したと言ってるぞ！
／ |. ｌ ＋ ＋ ＋ ＋ ﾉ |＼
／ ＼＿＿＿＿＿／ ＼
／ ＿ ＼
/／￣￣(＿） |
|ししｌ＿ｌ （ | | ［堀秀治］
|（＿⊂､＿_） | |
＼_＿＿_/ | |
領地替えの際、旧主は年貢を半分残し、新主に引き渡すのが通例だった。
しかし、上杉家はそれをすべて持ち去ってしまったため、秀治は返還を求めたのである。
兼続は事実関係を認め、こう返答した。
／ .:::::::::::::::::::::::::::::::::::/.:::::::::::::::::::::｀丶
/ .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/.:::::::::::::::::::ト､:::::::.＼
. /.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::ﾊ:::::ハﾄ､:::::::::.⌒ヽ
/.::::::::::::/.::::::::::/.:::::::::::::/|:::::; l::::| |:!ヽ::::::ﾊ
:::::::::::::::ｌ::::::::::/:::::::::/::/ |::厶 l::::| |厂{:::∧
|:::::::::::::::l::/.::/.::::::i:::i::::ｉ／厂 |:八 ﾑ、 Ⅵ
|:::::::::::::::/:::∧::::::::Ⅵ:::| ／,二、/ ﾋﾌ_, {
|:::::::::::::::八{::ﾊ:::::::| 八|.ィ:::厂, ,; Ｖ 、 あー年貢ね 確かに徴収しましたよ
|::::::::::::::::::_::::::::l＼| ^===彡 ＼ |
ヽ:::::::::::/ ｀ヽ:| , ノ | だって しょうがないでしょ
＼::::{ ( く_ | 会津の蒲生さんが先に年貢すべて持って行っちまってたんですよ
＼ヽ ｝ ,_-ｘく|
. ＼＞―ﾍ /こ´个＼
| ＼ 丿 ﾞﾞ
／| ｀ニ＝=‐―┬=≦ ＿＿
| ＼ ＼:::::::::::::::::| ∧
| ｀ ー-=ﾆ二::＿::::| //∧
----
...::i〔:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i〕iト
:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i＼
/⌒i:i:i:i:i:iア"""`ｰ≠i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ヽ
/i:i:i:i:i:iア" `ｰ≠i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i}
/i:i:i:i:iｱﾞ ｘ≠"⌒ ＾⌒{i:i:/⌒ヽi:i:}
′i:i:i:i:＼ 汽苡 ｀＾ (ﾉj｝}i:i:} だからこっちもそれにならったまで
.Иi:i:i:i:i{=ミx ＾´ ｛ﾉ /ｉ:i:i}
.{^{ｉ{＾:i汽ﾘ くi:i:i:ｉ′ そんな基本的な事前調査もしない
.{ Ν 小〈 ､ ′ `ｰ{
{∧` -=ア / ', 旧領での徴収を怠ったほうが悪いんじゃないですかね
ｰ / ／⌒
＼ ／ ／ 〉
＼ " ／ ／ 〕ト
｀¨´ 〉辷彡' ／ 」┐" 〕iト
}ﾊ＾V ／ /乂 jI斗
/}i:i:i:ｉ∨ ／ Y
r ､ﾐ ___ //ｉ:i:i:i:/ ´ ／ /
/_] ┘} [ 」′ __./ }:i:i:i:i/ ／ .′
/7 :| | | | { ﾊ/i:i:i:i:′ ′ /
./ ｛ .:| | | |´￣｀{ ゝ＼ｉ:ｉ{ { /
秀治は激怒した。
しかし、明文化された規則でない以上、大国相手にあまり強くも出られない。
＼ |￣|□□ |￣|□□ |＿＿__ | ／
／ | |＿ |￣ ￣￣| ┌┐// ＼
＼ | ＿| ￣| |￣| | | |￣ ／
／ |＿| |＿| |＿| ﾉ / ＼
￣/ , ────- ￣ ＿|￣
￣ /／V:V:V:V:V:V＼,
) ||::::::::::＼:／:::::::::|| （
） ||::::（×）:'':（☆）::::|| ( （
）三三)::::::::::(二二)::::::::::(三三 (
） _ ／::／ヽ／::::::＼／ヽ::ヽ_ (
／ |:::::|／／|＼:／|＼＼|::::| ＼
/ ヽ／／￣￣￣￣￣＼＼: ヽ
| ／／、＼__(二 二）__／／＼＼ |
⌒ ／／ ｀-─--─-- ′ ＼＼⌒
⌒ ⌒ ⌒ ⌒
結局、堀家は矛を収め、新領の経営で損失を補おうとした。
だがそれはつまり、新たな検地による徴税の強化である。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
/″″″″″″″″/″″″″″″″″/″″″″″″″″/″″″″″″″″/″
./″″″″″″″″/″″″″″″″″/″″″″″″″″/″″″″″″″″/″
.″″″″″″″″/″″″″″″″″/″″″″″″″″/″″″″″″″″/″″
"''"''"''"''"''""''""''""'~""'""'~"''" "''~"''"''"''"''"''""''""''""'"''"''"'' ''"''"''"''"''"''"''""''"''"''"''
＿
/''⌒＼ /''⌒＼ 彡 = ﾐ
,,..' -‐==''"フ ,,..' -‐==''"フ lｃ ﾞ Д,ﾞ）
（´・∀・） ｒー'´｀ （ TД） ::: /´ﾍ ｔュ.ｆ`ァ::.
. ゝ ⊃ヵ=二二二二二二＝と´ / ::: / 、_,,ﾌ|| ｌ「 :::
ヽ__）_,） Lノり . :::く,＿__ｌ__||_l,ゝ ::.
また、この過程で上杉が寺社に与えていた田地や特権を取り上げていったこともあり、
堀の新政は大きな不満をもって迎えられることになった。
秀治以外の二大名も、抗議こそ控えたが苦境は同じで、領内に大きな火種を抱えてしまう。
国元の兼続も大坂の上杉景勝も、彼らに対し冷淡そのものだった。
〃〃 ヾ ヽ
,ﾚ''¨¨爪|¨¨｀ヽｰﾄ|
ﾄｧｰ⌒ヽ__ﾙ | ﾊ ﾊ
rｰZ ⌒ ´∧/ヽへへ}､__
ｿ'〃／ 从/ｨ ヽ
/从（ /从（ｿ | |. | | ､./
／ | ,ｲ.xtｯ≧ ﾒﾑ_ﾉ ﾉ .ﾉ| 首領を名乗る分際なら
__z-ｰ=彡.| |ﾐミミ ｲ =tｫｲ___／lﾊ
rzｲ// ノ ｲ| ﾚ' 〉ﾐ ｣ 彡'ii, l | ヽ､ 自分の尻ぐらいは拭えるものだ
（〃{/ ,,彡ｲ /／ .ﾑ＜二二ﾆｱ |＼ ,| ﾊー-､
ﾙ ＜ |// -ｰヾz:::::. | ＞- ､ ヽ ヽ
r＜ ,ﾉ./ イ´ / .| ｀＞ ､.|
| ＼ ,ﾘ| ／ / l |ヽ ＞､
| ＼ ､. ノ/ rｰｲヽ ´￣j | | 〉 /
ﾑ ﾐｿ （ ∧ /ミゝ （{ | ヽ /
{∧ 人 ｀￣￣ヽ , 人 l l 〉 /ヽ ［上杉景勝］
| ∧ / ＼＿ []/|＼i| ／ 川 ﾘ / 〉
もっとも、国替えに難儀していたのは景勝側とて同じだ。
いや、歴史ある大国ゆえに、堀らよりも多大な労を払った。それが他者への余裕を失わせていた。
r―-､
ノ´￣ﾐ､ ﾄ､_
／｀ヾ: ヽ jzzzj_ ﾑ_
/ ,.＝-ﾞ´￣,' ＼｀ ヽﾊ
／,.ｲ イ＿r-､ ﾊ:＞､＿_ ｀ヽ
. /彡'´￣/ / ﾄ∨/ ∨ ∨ｰ:､:､
_/ ' / / ,ﾙﾐv/∧ ヾ ヾ:, ハ
. ／ / ﾉムｲゞﾊ ーﾁ
,' ,イ 〃 / / ノ ∧ ｀Y
. ∨ ./ 从∧_| /,.:彡:ﾉ 人 ﾊ ヽ
{ i: 〈 , }八´ゞ从ﾍ ｀￣ミ≦､ｿ ﾉ } ノ
ヽ. |: ∨ゝミz-t・ナz〉 z=t・ ,-､,イ. Y´
从ﾘ从 彳｀＝ﾞ´彡 ｰ｀￣・彡 ノ 从｜ しかも家中の集権化 領内整備を同時進行しているのだ
.' 人|､ヾミz 三 了 ￣;´ ,:!ﾉ |
; ! ＼ミ＝- ﾘ ,.イ ／ | ! このうえ 後ろ盾の太閤殿下は逝去
,ｲ ;' | 八=｀ヽz} ｀ ´ 彡ｲ; ｜| ﾄ､ 畿内で政局続きときている
／｜ ' | ∧ 三 〉r' ´￣｀ヽ u ｲ/ |｜ ! ヽ
, ´ ,'|川 i | |,.＜:＞'´￣￣｀ ,ｲ:ﾊ |｜ | ､ ＼
／ ,.イ / / i.:| ! ,.＜::＞'＞ . ,.イ | ,' |｜ | ヾ. ＼
彡 ,ｲ / ﾉ !: (::))>'ﾞ.:::| ｀ ー＜ ,:': !｀ヽ |｜ :ﾑ ヽ ＼ ヽ
だが、それはそれ、これはこれである。秀治らには、景勝への不信と怨嗟のみが募った。
＿＿＿＿＿
ウ //∨∨∨∨∨ヽ ∧＿∧ ∧＿∧ ∧＿∧
|. | ∪∪ | （# Д ） （# Д ） （# Д ）
ウ |__| (＠ (＠ |、 （ ∽ （ ∽ （ ∽
（d へ ⊂⊃ 'ヘ
ウ | i⌒＼ /__!_＼/＾| |
： | | WW//WW＼＼| | ＿＿
__i＼ヽ-//一⌒ー-＼＼ ⌒ ） /
／ ＼ / /￣￣￣ﾉ￣ヽ＼( ） ／
/⌒ヽ // ￣￣￣ | i ( ノ ┌┴┐
| （ ｀ ⌒ ) | | ｀ ′ ／
|＿＿| （ ) |＿| ﾂ
| | ｀ ′ | |
上杉景勝と直江兼続は、ほとんどの周辺国とこの種のトラブルを抱えていた。
それでも、公儀に五大老として君臨し、百二十万石を治める上杉家と表立って敵対しようという国はなかった。
＿＿＿_
／ ＼
. ／ ＿,ﾉ ⌒＼
ｌ^l^lｎ （●） （●） ＼ ともかく 父上の方針どおり
ヽ L ､ ｀ |
ゝ ﾉ ￣￣ ／ 当家は単独で上杉と事を構えず しかし警戒は怠らず です
／ / ＼
／ / ＼
. / / -一'''''''ー-､.
人＿＿ﾉ (⌒＿(⌒)⌒)⌒))
各国はぬかりなく上杉と親交を結び、一方で軍備を固めていた。
|
ll
!l
_ ,,..._ ﾄ{ .,,___ ､..,__,,.
"´::ヾ::ﾞﾞ;｀>''´￣｀ゝ､__ ｀:;､;;｀::ゞ:;ﾞ
::´;;::=::;;::ヾ芥芥芥l壬{ ,;''´;'::;; =､::;;ﾞ _,,....._
''´;;ヽ:::;ﾞ=<ﾞ二二二＼_,｢「ﾞﾆﾆﾆﾆﾆﾆ7´::;''::ﾞ!::､:_'^:ヾ';"::ﾞ;;ヽ::
､ゞ;;::''ﾞ::;;､::｀ﾞ;芥芥lｱ''´j | ﾞ:;｀ヾ;;｀ﾞ:=::丶::;''::,;''ﾞ:::;:ﾞ
::｀':;;::''´::｀ﾞ''=;,テテﾃﾆ´＿＿＿＿＿__ﾞゞ､::ゞ:;;_｀丶::ﾞ':;;::='::;'
_ﾞ´::i::｀;;'"::ﾞ:_::ﾞ;,┴┴弌竺竺竺竺竺竺竺;''::;::;;:::'':;;::ゞ:;;'ﾞ::_::'
::｀j':!::ﾞ;;._::::;;::"ﾞヾ‐;;.. -'┴┴┴┴┴┴┴ゞ;;::"!ﾞ!;;::ヾ､l !'´::ﾞ;
'';;:: i⌒;;::`ﾞi:;ｰ:''´ﾞ;;===ｎ==ｎ===ｒn===ｎ=ﾞ;;::ヾ!:l::`:=::'ﾞ:i::''´;;
ゞ;l;;'ﾞ::''ﾞ;;..:ﾞi::;;.:ﾞ::;;' i i ｉ l丁丁!￣丁l￣丁｢ i:´:;''ﾞ:iヾ::ヾj;ilﾞ;;::;'::
::';;!:..;''::ヾ;;''";;)'´｢｢入｢j_辷j_辷ヒ|_辷ゴ_辷ゞ;;ゞ,:========､
Tﾞj''i"i´´ |ｌ|´ﾆニl:l幵;;￣￣/ﾌ三三三「ｌ￣;ﾞj::ﾞ}＿＿＿＿__{
｀ﾞ::''"":⌒ﾞ''=::"ﾞﾞヾﾞ''"ｱ７"二二二二二二l:|i{:｢ﾞl`TTﾆﾆTT´
厂厂厂厂厂厂厂「ｌ/ ｒ―――――――|jｌ{jｰ{';;|_L二」_|::
_,.．‐'´::::::::::::::::::::::::::::`ヽ､
／(::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::⌒)`ヽ､
／） ゝ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,ノ ,ゝ `ｰ､
/:::::::⌒) ＼:::::::::::::::::::::::::::::<`' _,.ノ:::::::ヽ::::ヽ
/::::::::::/⌒ヽ `ｰ‐'（:::::::::::::::::::ヽ/::::::::::::::::::ヽ､|
l:::::::::::/,ｨ::::::::）〆∨⌒::i:::::∧::|:::::::::::::::::__::_::::|
/:::::::::::l//::::::::::::::::::::::::::/l |/ |/__i..._ｒ‐'´::::,ｒ'`'
./::::::::::::::（`'ｰ-!-┬‐-､ノ,ﾉﾉ l,.．‐'´|::,'´
/,ｨ::::::::::::::::::ｏつ::::ﾉ '´,ri.ヘ´ /|ﾚﾟ｝ /( では よろしくお願いします
.//,l::::::::::::::::::（ 乂:〈｀`< |.ﾚﾟﾉ i ｰ' /::::ヽ、
l/ ,l::::::::::::::::::::::`､_ﾍl ｀¨´ .冫 |:::::::ﾄ.l こちらも六月に向けて 順調に進んでますから
L:_:::::::::::,.ｨ:::::::::/,.ﾍ rｰ-‐ｧ ﾉ::::::ﾉ '
｀`ヽ､l.|/^∨//.:ヘ、 ヽ､_/ ／⌒´
｀ ﾋノ`ヽ__∧ ／‐､,.-‐‐-､
_,.．r.:'´'´.:/| ` ｰ' i￣.:.,ｒ'￣￣＼
,ｒ'´ |.:.:.:.／<`ｰ-‐'´ｒ'.:.:.:.:l l
l |.:.（ l`'ｰ‐'´/.:.:.:.:.:|. |
l l.:.:.:＼ .| /./.:.:.:.:.:./ l
l 〉.:.:./ | / <.:.:.:.:.:./ ∧
| |.:.:./`‐-|､__,＼.:.:/ ∧:l
| .l.:.:| /i!､. ∨ ./.:/＼ ［やる夫正室・うみ］
.| ∧.:l､_ l!‐i:| / /.:.:.:.:.:.:.:〉
＿＿＿
／ ヽ＼
│ │
へ- ─ヾ │
─ ─ ∂ ＼ うけたまわりました
｜ し 丶 √ │││
｜ ﾄ-＝ヽ │ ││ ご先代・栄林（義守）様の十回忌 微力を尽くさせていただきます
＼ ／ │ │
／ ゝ── ／ノ 丿
（ ＼＿＿ ／ /│
＿＿＿
／ ヽ＼
│ │
へ- ─ヾ │
─ ─ ∂ ＼ それにしても その……
｜ し 丶 √ │││
｜ ﾄ-＝ヽ │ ││ 奥方様が御自ら足を運ばれずとも
＼ ／ │ │ 当方から誰ぞを御所に遣わしますのに
／ ゝ── ／ノ 丿
（ ＼＿＿ ／ /│
＞ー':´:::::::::::::: ::::: :::::::::::＼
／,- ..:::::::. ...:::...:ヽ;::.::::::::::::::::::':,
/::..:::::..:::;:::|!:::..:::::ヽ:::::l:::::::::::,-ぅ::::::＼
/:::::;::::::::::l ヽ|ヽ､=--￣ヽ､::ｒア´::::::::::::＼
lｲ::::;;;;::::::| ヽ ｆ:Cｰｒ }!f i.ヽ;;;;;;;:::::::::`ｰ､
ヽ‐､ヽ;;ヾゝ、 ヾ' ´ ｒ ノ;;;;;;;;;;;;;::::::::ﾄ､
lﾄﾞﾘ （l;ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;:r' いいんです
/:::::ヽ ､,ィ〉 }､_ﾉ;;;;;;;;;;;l!|/
イﾊ:::::（ト,`´ ,.:: 彡;;;;;;;;;;;r┘ 最上家安泰 繁栄の祈願も兼ねての参拝ですから
' ﾚへ::ー`ーｒ':::: 」〜ｰ'´
_＿＿_ノ＝＝＝＝!ーｒ‐‐‐‐‐ ､
／ /: : //`ー― フ'´: : :/ ＼
／ /: : : ﾄ ／: : : : : :|
/ ／: : : : ｨ ,イ: : : : : : : ヽ,
／ /: : : : : : :l / l: : : : : : : : : : l
＿＿＿＿_
,. ´ ｀ ､
､_ｰ‐--‐'´ ｀ ､
_,..＞ ＼＿
∠‐ｧ ,' ∧ ＜｀
|/l / / ﾄ, / | ∧ r─-＼
' ﾚ|∧,' /_L⊥!.,_ ﾚ_,.⊥,,.∠',. ﾄ,|
_／＼`'< _,. ベ.` ',. ヘ.,_ / / |
_／ .ヘ| 〈 |ｲ| |ｲ| 〉 |べ、 │ それに御城に閉じこもってばかりだと
／７ | |. | ｀´ くl ｀´ l ヽ/ |
ﾚﾍ >ﾍ.'､ r─‐ｧ 'ｰく ! 気が滅入ってしまいますの
＼ //´| ＼ ヽ / ／ /|.| |
|.ﾋ'/ヘ∧.＼ ` ,.イﾍ...,V∧__∧|
￣ │ ｀ ´ .| `´
＿＿ ﾋ三三三.| ＿＿
ヽ. /
＿＿＿
／ ヽ＼
│ │
へ- ─ヾ │
─ ─ ∂ ＼ さもありましょうなあ
｜ し 丶 √ │││
｜ ﾄ-＝ヽ │ ││
＼ ／ │ │
／ ゝ── ／ノ 丿
（ ＼＿＿ ／ /│
＿＿＿
／ ヽ＼
│ u.│
へ- ─ヾ │ （……こちらとしては あのいかつい護衛たちの対応に頭が痛いが
─ ─ ∂ ＼
｜ し 丶 √ │││ 過分な寺領をいただいている身ではなにも言えぬ か）
｜ ﾄ-＝ヽ │ ││
＼ ／ │ │
／ ゝ── ／ノ 丿
（ ＼＿＿ ／ /│
さやが都で病死した後、正室となったのは最上一族、清水家出身のうみだった。
うみは寺社に出向き、たびたび最上家のための祈祷を執り行う。
護衛としてお供するのは、鮭延秀綱与力の鳥海勘兵衛と決まっていた。
i! , ' ﾉ三三三三三三i 丶、 " i!
.i! " i!,____ , r '三三三三三三三ヾ===＝i! i!
i! , .i!三三三三三三三三三三三三三三i! i!
i! .i!三三三三三! .!三三三三三三i! , " " i!
i! " i!i三三三三三!. ,!三三三三三三i! i!
i! Ｘ"""'''＝==ヾ;ヽ, , , ,／==＝'''"""""""i! , i!
廴 冫 " , , " ' , , " , , i! " i!
,＝=ｭｭｭｭｭ、、、、、、 , 、、、、、、、、、}、、、、, ;;"
{ヽ 毟ﾘﾘ”.,r'====ミﾐｭ" " "尨豸r=＝ｭ "''ミｫ ﾐ毛彡'" `i
i 〉 豸. i!､{ 逞}゛!ｉ .`彡” { 逞}} シ ミ亥仆 .}
.i ヾ､ｉl!. `ー‐‐_'ノi | | i.廴__￣￣ !; ;| )) !
､ `ｉ|l. ._, -'" ,r‐' | | 弋___ "'''-- ヽヽ /、l| ﾉ ノ、 貴様ら 気を抜くなよ ﾍｲｯ
ヾ-!! i {. | | | / .l| , ' i! ∧∧ ∧∧
i / .{. `ー! ＿__! / 丶 .l|ノ . i! （ﾟДﾟ,,∩ （ﾟДﾟ,,∩ ｳｽｯ
∧ i ; , "'-==--＝''" ､ ､ ヾ ､ ,ﾘﾚ.i , , i! ,＿＿ｲ i/ ,＿＿ｲ i/
.!巛l ' ,r' ""￣￣￣￣ ` ､ ヽ .i ! , i! ￣''' | |〜 ￣''' | |〜
.!必! 廴 ´￣￣￣￣ `丶､ `, i ､.i ﾉ " i! ∪"∪ ∪"∪
.!沁仆､丶 ￣￣￣￣￣ .゛`ー' i ., ' / , i!
ミ尨尨丶 i ., ' ) i! ［鳥海勘兵衛］
ヽ〃〃`- i i i i i i i _,,..‐'' ) " i!
ヽ＝=￣￣￣￣￣￣ )
Λ Λ
( ・д・) あのー 寺側が当方の兵が侵入しすぎていると抗議を
/（ ）y|
⊂（_ノＵ |__）
// / ,. ＜三三三三三＞､
.// / ,ｨ ´三三三＞=＝＝＜三ﾊ
./ /､_, _,ﾉ三ﾆ＞ ´ rぅ＿＿て､ ｝
. / ! .} {三／ ,. ＜三ﾌ / ゝ､三≧<
ｖ､__ﾉ_ｿ }ﾆ!,. ＜へ三彡i il ﾐ"r‐tﾝ＜,ﾊ
ト! ､_}ーイﾆr{ f } 彡 ! !′ ヽｿ ﾞ /ﾆ､
! .l示≧r､}ﾆl" ﾊ ｰ 1 ,' ′ ー ﾊ l ヽ 仕方ねえ いったん退かせろ
| ト＜＿ijﾆV T i , / ， ム_ | !
l iﾆ! l三ﾆﾊ , ﾄ i i| ＜｀､ｰ､｀r ' i 半刻したらもう一度 所定の配備につかせる
! ﾉﾆ| l三三 V i ヽ!{ " ｀ ｀､ヽ!＼ヽ ﾉ
/三, ,′三三ゝ/ ヾ ､ ｀f'ミtr≧く
三/ /三三三三＼_ _,.＞r==--人≦しﾆミ!
. / /三三三三三7//≧"三三三 }｀ ＜ミﾊ
/ /三三三三三 0 "三三三三三i l三＞!
) ｀;- 、 ､ . _ "
| ｆc ．､|ヾ,;i;i;i;/、 ____ _ _ _ .... ,: ‐､ ｀i ﾞ:ﾞ:ﾞ:.
. ＼_ ｀´ _ﾉi / ; ｀ `／´￣| i´の.｀i | .／. ﾞ:ﾞ:ﾞ:ﾞ:ﾞ: : : ; ,
￣_ '/ ! 丶._ ＼ _ ｀-' ノ ´ i ﾞ:ﾞ:ﾞ:ﾞ:ﾞ:ﾞ;ﾞ
! ,';';':'' _.i | | ｀ゝ:;:;:;:, ¨ ¨´ | ﾞ:ﾞ:ﾞ:ﾞ:ﾞ;ﾞ
ヽ. f | | !, -‐ ､ :':': ﾉ ﾞ:ﾞ:ﾞ:ﾞ;ﾞ 向こうさんにも言い分はあるだろうが
i | .| ! ｜ , :' ! ﾞ:ﾞ:ﾞ;ﾞ 領内だからこそ なにかあったら大事になる
ｉ | | _.- ､ ﾉ ' ,:' /;ﾞ
. | ｀¨ -k ´ ,-‐ ´ '| / そうなりゃ誰にとっても不幸な―――
| , . . .. . . ｀´ .. _ _ - .. ! /
. ! ｀r‐-、- - .._ ｀丶. ,..: ｀ / .'
ﾞ､ 丶. ｀¨- ､ ｀丶 ＼ ´ ノ γ´￣￣￣￣￣￣￣￣γ
丶 ｀ ｀ ヽ ´ ´ l あ あのー…… l
ヽ、＿＿＿＿＿＿＿＿,/
, -─-r'´￣｀ヽ
／⌒l ﾉ| ,ヽ- ､
j ヽ＞-─‐- _f｀!/ Y⌒ヽ
く／:::::::::::::::::::::::::::::｀`＜ノ / }::＼
/ :. .: :::::`＜ 〈::::::::ヽ
./ : .:::::... ..:i:.. .::,:. .::::::::::::::＼）:::::::::',
l .:::::::::::::::l|::::::/」_/l:::::::::::::::::::::::::::::::::::i
!.. .:i|ﾄ､ﾄ､:::|:!|::::/ j/l/l7ﾄ､1:::::::::::i:::::::::::::|
!::::::l,=ミ､ヽ!| V , ==､/／!:::::::::::l-､:::::::::|
l:::::::| f';ヽ f.'::ヾ`' !::::::::::l^ l::::::::::!
l:::::::|｀ー' `ー'´ |::::::::::ｌ /:::::::::/ お忙しいところ申し訳ありません
ﾞ､:::::l "" ､ """ ｜:::::::l/:::::::::/
ヽ::::ヽ _ !:::::::/:::::::::/ 奥方様がそろそろお帰りになられるとのことです
＼､ ＼ ￣｀ ,/:::::/:::::::〃
` ヽ-丶 ＿ ィ ｲ〃ム┬'
,. ----､ /! ／´ ヽ
/ ＼」-ァく7く-- _, -‐'´::＼
／ヽ f´￣ /! ＼￣:::::::::::::::::::／＞─‐- _ ［うみ付き侍女・花輪］
/ ‐-､ﾊ ／ ,! ヽ::::::::::::::／ ∠ -─‐-､
! ｀V ∧_／/ /| !::::::／ ∠＿__ /⌒)
〉 ７〈__/ / / ヽ ＿__j:::/ ∠＿_ ｀ヽ /:￣｀
|、 ,,,,,i､ ﾞf, ﾞlﾞﾞl
l｀ ;,,,,: :、、:ﾞﾞl,, ﾞl ﾞl,、
l; ,,'″ ,,,iiiiiiiiiiiiiiii,,、;;;:;;｀;;,;,,,,,,,iiiiiiiiiiiii,, ﾞl ﾞl、
l｀ ＼ ,illミ'ﾞ゛;ﾞﾞﾞﾞl!!!llll,.:' t;l,llilll!!!lﾞﾞ!!￣ﾞ!ll,、 ﾞl 'l
ト;、 i ll 〈 Ο 〉｀;ﾍ:″;;`ﾞﾞ〈 Ο 〉｀ﾞll,, ﾞl ;l
l l | ;! ヽ─イ丿 l l: l,,ヽ─イ 'ﾞN, ﾞl: :;i
,l! ,i lﾞﾞﾞ;',ll ／“l l ”ﾟヽ: ﾞl::::::,,,,、 l::;i
l ゜:ﾞ ll !l ///// l | | l ///// |ﾞl::::::/!ﾞﾞﾞll,,,: l l
i´ ﾞﾞ !ﾞi lﾞﾞｙ l ﾞr,,,,,,,;―、_ﾉ | ;ﾞ!l/ ;｀ﾞﾞli,、 l,
;'ll、 ﾞli,,,,| ／￣￣￣￣｀ヽ、 ; ″ソ l l, l ………は
'l,、 ｀ :ﾞ!!| ／___,,,,,--ｰｰ---､, ｀i_ ィイ 、 'l
';lli,,,,;,,ト: ;,,｀; k_____,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,__ﾞﾞli、i ,ill,,、 ! 'l!i
l ﾞ! l!l,, ﾞllli, L_________,,,,,,,,,,,,,,,,______/ / llllﾞlli､ ﾞ! l
,j ﾞ｀ ﾞ!lliillllli,,_ ﾞﾞ!l,,,ﾍ,,゜ 丿,,,l＼,,,ﾞlilﾞ ヽl ヽ
、;;､.,;.__,,,,,,,i,,-ーーー″ .,ﾞ!lllllii,,ﾞﾞl*i,,,、ﾞﾞlll,,; ,,,,lﾞﾞﾞﾞ＼l!ﾞ′ iiil i
llﾞlli,,,,lll!!!ﾞﾞﾞ~｀ ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ!!llll,,,.ﾞﾞﾞlli,,,,ﾞﾞllllllw,,,,,,,_;;;;;;;_,,,,,,,,,,,,illl!lll＼ﾞ＼'lﾞ ,ll l
ﾟﾞﾞllll,,,,ﾞﾞlll,,_ ｀ﾞﾞﾞﾞﾞﾞlﾞﾞﾞ!llﾞﾞll,,;ﾞﾞぁ_,,li,ii!!ﾞ’ ;i '!
ﾞﾞﾞﾞlllll,lllll,,, ﾞ″ﾞl'llliilll!!ﾞ° __,,,,i ll ｀｀ﾞー、
) ｀;- 、 ､ . _ "
| ｆc ．､|ヾ,;i;i;i;/、 ____ _ _ _ .... ,: ‐､ ｀i ﾞ:ﾞ:ﾞ:.
. ＼_ ｀´ _ﾉi / ; ｀ `／´￣| i´の.｀i | .／. ﾞ:ﾞ:ﾞ:ﾞ:ﾞ: : : ; ,
￣_ '/ ! 丶._ ＼ _ ｀-' ノ ´ i ﾞ:ﾞ:ﾞ:ﾞ:ﾞ:ﾞ;ﾞ
! ,';';':'' _.i | | ｀ゝ:;:;:;:, ¨ ¨´ | ﾞ:ﾞ:ﾞ:ﾞ:ﾞ;ﾞ
ヽ. f | | !, -‐ ､ :':': ﾉ ﾞ:ﾞ:ﾞ:ﾞ;ﾞ い いえっ その
i | .| ! ｜ , :' ! ﾞ:ﾞ:ﾞ;ﾞ
ｉ | | _.- ､ ﾉ U ' ,:' /;ﾞ はっ 承知しました！
. | ｀¨ -k ´ ,-‐ ´ '| / すぐさま沿道警備に移ります
| , . . .. . . ｀´ .. _ _ - .. ! /
. ! ｀r‐-、- - .._ ｀丶. ,..: ｀ / .'
ﾞ､ 丶. ｀¨- ､ ｀丶 ＼ ´ ノ
丶 ｀ ｀ ヽ ´ ´
_＿__{￣￣) ┌‐=ミ
_／}( 斗┴…- ミ{ )
. . . . : : : : : : : : : : : : : : : ＜V⌒ヽ、
＿／: :／: : : : : : : : : : : : : : : : . ＼_ノ(
.／: :／ : : : : : : /: : : : : : : : . く￣￣〉
. : : ／: : : : : /⌒/ ノ: : :/ ／| /
≧＝彡: : : : ７/: : ／____.⌒７_ｼ′ ,斗-―く/ 〉
.／ : : : : : {/: :, /￣_):刈 ____ 厶ｲ 厂|
..／／〉: :／: ::И{ 弋:シ /￣_):刈 '7 |
(／ . : /|: : :/: :ili′ ｒ 弋::シ / /
/:/ |: :/: : ill{ / / はいっ
./:/ .| 7 : : 孤 ＿.ノ Λ ′
.{:/ ﾚﾍl: : :.lΛ ､ _＿, ＞ Λｿ / お疲れさまです
И: :{ｌ: : ≧=彡′,_／ /
ヽ儿_父 . : : : : : ノ/
.／￣＼＿ |个=-- ≦ {ノ人レ'⌒
.厂￣＼ ＼┌| ￣￣} /:}￣￣￣|
／￣￣￣￣￣｀ヽ: ._|___／ __＿, く/:/ : : : : : : }
.／ ／￣￣￣￣≧ (巛_{ー- /l|￣￣У: : : : : : : :＼_
／ ／￣￣ ＿___／ フ7 〉==--‐ / |: : ／￣￣＼: : : : : : }
.く ／ .／ __／ ／ / /{ ／/⌒ヽj／: : : : V: : : :_/
＼(______／ ／{ ／.:／ / i{ | |: : ／: : : : : V: : : ＼
i! , .i!三三三三三三三三三三三三三三i! i!
i! .i!三三三三三! .!三三三三三三i! , " " i!
i! " i!i三三三三三!. ,!三三三三三三i! i!
i! Ｘ"""'''＝==ヾ;ヽ, , , ,／==＝'''"""""""i! , i!
廴 冫 " , , " ' , , " , , i! " i! ∧∧
,＝=ｭｭｭｭｭ、、、、、、 , 、、、、、、、、、}、、、、, ;;" （ﾟДﾟ,,∩ お頭 なにか？
{ヽ 毟ﾘﾘ”.,r'====ミﾐｭ" " "尨豸r=＝ｭ "''ミｫ ﾐ毛彡'" `i ,＿＿ｲ i/
i 〉 豸. i!､{ 逞}゛!ｉ .`彡” { 逞}} シ ミ亥仆 .} ￣''' | |〜
.i ヾ､ｉl!. `ー‐‐_'ノi | | i.廴__￣￣ !; ;| )) ! ∪"∪
､ `ｉ|l. ._, -'" ,r‐' | | 弋___ "'''-- ヽヽ /、l| ﾉ ノ、
ヾ-!! i /// .{. | | | ///// / .l| , ' i!
i / .{. `ー! ＿__! U/ 丶 .l|ノ . i! な なんでもない！
∧ i ; , "'-==--＝''" ､ ､ ヾ ､ ,ﾘﾚ.i , , i!
.!巛l ' ,r' ""￣￣￣￣ ` ､ ヽ .i ! , i!
.!必! 廴 ´￣￣￣￣ `丶､ `, i ､.i ﾉ " i!
.!沁仆､丶 ￣￣￣￣￣ .゛`ー' i ., ' / , i!
ミ尨尨丶 i ., ' ) i!
ヽ〃〃`- i i i i i i i _,,..‐'' ) " i!
ヽ＝=￣￣￣￣￣￣ )
出羽の片隅で、この堅物の男が少女に一目惚れしていたころ、天下は大きな転換点を迎える。
閏三月三日。大坂自邸にて、前田利家死去。
／⌒ヽ、○ヽ､ ／｀￣￣￣ ﾞ＼
ヽ､_／ ￣￣┃ ヽ
! ● ┃ i
ﾉ ┃ |
, −、 ┃ !
| | ┃ /
ヽ､_ﾉ＿＿_ ○_ノヽ､ _／
利家は秀頼守役として、秀吉没後の公儀を切り回してきた。
彼を失った影響はたちどころに―――わずか数刻後に明らかとなる。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
((＿((＿((___((____((＿(＿((＿((＿((__((___((___((＿((___((＿@ ((__((__((__((__((__((___(__((__((__
／ ／ ／ ／ ／ ／ ／ ／ ／ ／ ／ ／/ / / / / / / / / / / / /
／＿／＿／＿／＿／＿／＿／＿／＿／＿／＿／＿／/ / / / / / / / / / / / / / /
ニ@ニ@ニ@ニ@ニ@ニ@ニニ@ニ@ニ@ニ@ニ@ニ@ニl:l//_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_
|:|==@==@==@==@==@==@==@==
|:| |
|:| |
|:| |
|:| |
|:| |
|:| |＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_|／|ヽλ＿Ｙ〜匚乂_ゝ、イ~ヽソヽ,
ヽλ＿Ｙ〜匚乂_ゝ、イ~ヽソヽ,ﾊ__ノ乂_ゝ~ヽソヽ,ﾊ__ノ、|ｴ |匚ﾉ___~A___匚ﾉ___〉~~A(o)___匚
/ﾐ∧ ∧ ∧ /l /l /l /l
／ ・ |ﾐ（ （＿） ） | |／■＼ | | | |／■＼／■＼
（＿）' |ﾐ,（∀･ﾊ=ヽ |（｀Д´ ）ｳｫｫｫ! |（｀Д´ ）｀Д´ ）
/ ｷﾐ|=Ｏ[ 〈 ﾍと つヽ ﾍと つ つ
|‐−"ｷ／|＿_ゝ⌒"ｷﾐミ三≡＝〜 人 ≡ ⌒） （_ （ ≡
|Ω‐'"〈＿（＿） | 〃 ヽ＿人__)≡ ）⌒） ）ｰ､_）＿） Ｊ≡
(~ﾆL( ｿ || |（ ＿,ノ､ゝ
/l /l /l /l
| |／■＼ | | | |／■＼／■＼
|（｀Д´ ）ｳｫｫｫ! |（｀Д´ ）｀Д´ ） ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
ﾍと つヽ ﾍと つ つ
┌γ 人 ≡ ⌒） （_ （ ≡
〃 ヽ＿人__)≡ ）⌒） ）ｰ､_）ノヽ__）≡
/ｌ /ｌ /ｌ /ｌ /ｌ /ｌ
∧(oﾉﾍ+ｌ.」 .∧(oﾉﾍ+ｌ.」 ∧(oﾉﾍ+ｌ.」 .∧(oﾉﾍ+ｌ.」 .∧(oﾉﾍ+ｌ.」 ∧(oﾉﾍ+ｌ.」
/（ ﾟ∀ﾟ ）‖ /（ ﾟ∀ﾟ ）‖/（ ﾟ∀ﾟ ）‖/（ ﾟ∀ﾟ ）‖ /（ ﾟ∀ﾟ ）‖/（ ﾟ∀ﾟ ）‖
⊂（:::::::::::つ/ｌ⊂（::::::::::::つ/ｌ⊂（::::::::::::つ/ｌ⊂（::::::::::::つ/ｌ⊂（::::::::::::つ/ｌ⊂（::::::::::::つ/ｌ
∠⌒∧+ｌ.」 ∠⌒∧+ｌ.」 ∠⌒∧+ｌ.」 ∠⌒∧+ｌ.」 ∠⌒∧+ｌ.」 ∠⌒∧+ｌ.」
（ﾟ∀ﾟ《::::）‖ （ﾟ∀ﾟ《::::）‖ （ﾟ∀ﾟ《::::）‖ （ﾟ∀ﾟ《::::）‖ （ﾟ∀ﾟ《::::）‖ （ﾟ∀ﾟ《::::）‖
⊂#####二つ⊂#####二つ⊂#####二つ⊂#####二つ⊂#####二つ⊂#####二つ
Y 人 Y 人 Y 人 Y 人 Y 人 Y 人
（＿） Ｊ （＿） Ｊ （＿） Ｊ （＿） Ｊ （＿） Ｊ （＿） Ｊ
／| ∧＿∧ミ∧
/Ｙ'| .＼◯/／ ・ |ﾐ
|. !.ﾍ （｀Д（＿）' |ﾐ
ﾍ､__＞＠ﾟ∪ﾟ/ ,|
.〜＜三ミﾐγ"⌒（⌒) /`ー'"|
γ/ ヽ（_/ﾉ`ーΩ'`ヽ
/,へ､ ,）（ ,‐､ ﾉ.ﾉ _ｎ_ｎ_00
/__）/`二ﾝ⌒し/ /〜i ./ └i_n┌' [][]「l
.//" （__） ./ / く丿 くノ
/__） / / て_
.|__） （ ｶｶｯ
＿＿＿
／ ＿＿__＼
ゝ/ | ノ／⌒ !
/ |＿| ．| き 清正？！
| /＾｀u ,ヽ＿ ﾉo
ヽ ヽ /⌒＼＿つ こ この軍勢はど どういうことなんだ！
＼／ |
ヽ `──, ( )二l
j二二ヽ￣ ／ ｀-ノ
／⌒ l￣「 ／
／＼／ |‐┴−´
./ / | l
、．
__ -‐｀￣￣ ｀゛ヽヽ､
.-‐´ 〃／ ヾ､
＞、 、 _ ., {/_'´ ､ _/ィヾ
7 .「¨７´7／ﾞ ヾ}´ ヽ} i ﾆ ､
'ｨ _ i i i iﾐ }ﾞ
ｲ,彡.} .,-､._ { , ,.、<.ﾐ.’
´ゝ､ ＝tｧｰ ' ｰ=tｧヲ }ｲ}
{.ハ ￣ ´ | ｀ ￣ .'/ }
ゝﾊ {i _ ,’ｲ’ 喪中 お騒がせしちまってすまねぇな
|ヽ ．-─ - ．,:’|i}
| ＼ ´ ｀ ,.ｲ//|｀ヽ､
／:i ｀￣ ´////i|:.:.:.:} ＼
／/:.:,’ // V:.:.:i ヽ
／ {:./ // .V:.i .ヽ
,.’ .i´ ヾ､ ｀i ＼ ［加藤清正/肥後十九万五千石］
/ i──--､ ---‐─ i ヽ
ィ´/ | ｀ ´ i ＿＿＿_ヽ､
__ - '"_/////////////////////////////∧､
￣￣／/////////////////////////////∧
／/////////////////////////////////ヾ、
,.'／ ////////////////////////////////∧ ｀
／´ .//////////////////////////////////∧
ｉ, ヽ///////////////////!/lヾ´ l/,ﾄ､///ヾ}ヾ
＿,!'! rl/!//!// l/!////l.{/!l///,lヾ,l l,'! l/,l//rヽi
_. ‐ !',! lヽl/,l !'/._l'ハ///{. l/!ヽ//,l ヾ _,ﾘ_,}/!/!Y;' !
. |'∧丶!/l.l'{ ,了气//! l'| ヽ/,l ,.イ下" ﾚ'|/ ﾉ /
. l' ヽ. !'l l! ＼乂z人,'! ヾ _ゞlﾍ辷.乂／ '. ／
ｌ`l!-! ` ´` 、 -｀ 一 ! ' ! オレたちが高麗蔚山の戦で 今は亡き太閤殿下に不興を買った件
ｌ ! /| , |
ｌ ､ ヽ! ! その不当を告発してるのは知ってるな？
ｌ ＼ ､-- -―一 ７ . ' .!
l ﾞ､ `ー―― ´／' !
! ＼. 丶 . / .!
l ＼.｀ ｰ ´ ／ l ［黒田長政/豊前十二万五千石］
ｌ ／ ｀ ｰ ＼ ／ '´ ＼ !
,,───- ､,
／＿＿＿_＿__ ヽ､
|/─､ ─､＼ | |
| >|・) |─ | ./ 目付の福原長堯と その義兄の石田三成が讒言したってんだろ
|､＿ i､ ＿ ! '⌒i
| ＾ _'ﾉ あくまで君たちの主張によれば だけど
＼└──- ﾉ
`┬−−イ__
/ |￣∧￣ // ヽ
| | ￣ ￣ | |
__,, 」三三三','三｀'‐'´三`γ', _
＿ｆ´三｀´三三三三三三三三三｀'´',＿
-'´;三;三三三, -'''‐'´｀`i_、三三三三三三｀｀',
,,,_,ゝ;三三三三/'｀''‐'´', ｀'i三三三三三三γ'
´ ｆ三;三;三三三三l. ,,-‐、 r''ﾞﾞ ヾ',三三三三三三｀ -,. _
r'三三;三三三三三{.{,,__ン ,､ゝ,,,ン,'三三三三三三三τ'´ 他にも関白ご謀反の件でも不当な処罰が横行しましたね〜
ゝ三三三三三三三ゝ _,, '‐` ,,ﾌ三三三三三三三三｀‐,
､´三三三三三三三三｀'!rｆi'l^l^i^i'i'il三三三三三三三三三く すべての元凶は石田三成だと
r´三三;三;三三三三三三l|''´´ ｀｀`'il三三三三三三三三三｀ﾌ 私たちはそう一生懸命訴えてきたのですよ
ゝ三三;三三三三三三三li. il三三三三三三三三三!
ヽ,三三;三三三三三三三lir'i"l´|｀lﾞi''ll三三三三三三三三三｀i
l三三三三三三三三三l'-'-'‐'.'' ' ‐ii三三三三三三三三ζ´
ζ三三三',＼三三三三` ､ __ イ´三三三ン´;;i三三ζ´
ゝ,三三;三',.:.:＼三三三三ζ-‐ζ三三＞´..:.:.:i三三,'´
ζ三;三',.:.:.:.:｀ ' ‐-三__ζ￣ζ-‐''´.:.:.:.:.:.::i_ r' ' '
｀' ﾍ.三',.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:rτﾍフκ---..:.:.:.::.:.γ´
__ ＿＿ ',.:.:.:.:.:.:.:.:.:', `´ `','´.:.:.:.:.::.::/ ' ,'´ ［浅野長吉嫡子・幸長/甲斐二十一万五千石］
ヽ 三_,. - " 三三三三__三三_三_三三三ヽ
,V´三三三,. -─' ´ :.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.ヽ 三 ﾉ
|_三三 ,. イ,:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.::.::.:＼:.:.:.:Y
l _三:: ':.:.:.:/:.:.:.:.:.:l!:.:.:.:.:.:.､:.:.:.:.:＼:.:.:.:.ヽ:.::.ﾞ
ゝ三 |:.::./:.:.:./.:.:.ﾊ:.:l!:.:.: i -.- .､::ヽ:.:.:.:.!:.:.:|
ヽll !:.ｲ::.!: ,. -,‐‐l:.i! :.: | ヽ.:.:.::.:ﾊ:.:.:|:.:.:|
Y:.|!:.:.|:.:|:./_ Ni:..::..| ,._=ーt､_:.:ヾl:.:.:l ところがなかなかこいつが取り上げられない
l:.ｲ!:.:.l.:.ﾚ ＝_.､ ゝノ ｫ::::ﾘ !:.:.:.|:.,ﾘ
∨ V:.:ｲ!ゞフﾉ ￣ ''ｲ!:.:. ﾚ' 考えてみれば当然さ
_ゞ.:.:ゝ'' ､ ｲ:. /
イ ハ:.:ﾊ!-､ ー ' ∠l:/ 三成は奉行大老会議の一員として 訴訟事を自由にできるんだ
/: :.l r'{ ﾚ l ´`ｰ-､ ＿_ イ l!' `ーr⌒ヽ
, : : : :フ! ゝ. _ ＼ ／ ヒ ハ
|: : : : ゝゝ _＞ ノr=＝=,､ iﾄ､〈: : ヽ
人: : : : : ＼r‐'/´ ￣ `＜.li! |:! !|_ノ : : :.1
／: : : : : : : :「ヽ./ ｏ ヽヾ_ ノj ノ`! } : : : :| ［細川忠興/丹後十二万石］
（: : : : : : : : : :: ン' /!|￣ r'__,-_､フ: : : : :.|
.' ＿ _―
＿＿＿ﾉ , ' ￣,,..-…''"~￣`'"´~`ヽ､
(￣ ＿＿＿ノ ／. . ' . ､ ヽ.
＼ ( /.' . .' , '"`〃ﾍ . . i
＿＿) ） | : : ｉ . ｉ. i＠ !. i : !
（( .￣￣ 1 ;i_.ｌ : !. |＼,,_ ' ｌ. | i ,!
ξﾉヾ､ γ-､~`ヽ､N_=｡=ﾐ | ! ; !
`ヽ､ `=., ,ｲ | | i ￣ ､ﾘ从!`ヽ だからよ 天下公儀のため
~ヽ､_ `-< !_ﾉ | ､,＿＿_'´ / `
~ｯ､_ `ヾ､._＿,,ノ ＼ ￣-‐ ／ 石田のクソ野郎はオレたちが直接ぶっ殺すことにした
.,;;,ﾍ ,,＞-‐- ､ｰ､,,..:（`‐-'´ ＼
;il|||!ﾆ/ ' ; ｆ"i ヽ. ~`く"￣`ヽ ＼
ｉ|||||!‐ﾍ ,, | | i>､._ﾉ ....::::! ヾ `ヽー､
l|||||;ﾆ/ `＼ ｰ' ノ::､::::::::::::::;ノ;. ｰ､_, ⌒Z .
ｌ|||||i-ﾍ `､ー‐´:::::::;;=-tT´!|||i ( ヽ , .~
!l|||i;ﾆ;|.`ヾ.' ヽ､::::::::/;il; !||i. !||l ` "⌒ー-〜
心|i;-ヽ ＼ .' _ ` ､':l||||li. !||i. !||l）
`'!|jミ`､ ＼ ｆ `. ヽ:!||li;､!||i,j||||i
`!|i|i;ヽ ヽ!_ﾉ ﾉ;l||||||||||||||||||i
`!l||li;`ヽ `ー-'"ヽ:|||||||||||||||||||l） ［福島正則/尾張二十四万石］
!|||||||ｌii;` ､!_;!_,,ﾉ;i|||||||||||||||||||||i;､
, ─── 、〟
∠＿＿＿＿__ ヽ
ｌ ⌒ヽ ⌒ヽヽ | |
| ・ | ・ |─| |
/`ｰc ` ー ′ ＾Y
| ⊂、 _ノ
ヽ､ 」 ＿ __ノ
/|∧／ ヽ
/ |
:: . l三三三三三三三三三三三三三三三三三i ::.!
:.:.:.!三三三三三三三三三三三三三三三三三l .:{
:::::{三三三三三三三三三三三三三三三三三ﾘ .j
:::::三三三三三三三三三三三三三三三三三ノ ,{
::::::.≦三三三三三三三三三三三三三三≦､,.:::::i
:::::::......≧三三三三三三三三三三三三三≧.:::::::{
}::::::::.ゝ三三三三三三三三三三≧彡< .::::::::::::::::j'
＜:::::::::::::..≦三三三三三三三三三彡'゛´ ＞'´ }
_j:.ﾐ｀ﾞー＝≡==＝≡≡≡＝≧三＞＝ァﾞ´彡ﾞ ｀i
Y .ﾐ ｀ﾞ .:::::::::::::::::: ':, ､ ≦､ ゝ¨ '＿ ,.:彡′}'jk.ﾉ!
.ヽヾ! ｀ー '´ ノ i :. ヾz_ ￣ ,ﾓソ/ }
∧i .', ´ |l :. ｾop@ 殿下の遺言によれば
. ｀ゞ! i! ::. 〃'!i|ﾍヽ, 秀頼公の次なる守役は利長殿 お前だな
l | :::, / | l_jﾞ'´
ﾍ ヾ '´ / ｀´ l 初仕事だ 三成討伐を認めろ
':, ,.: -―――――- ､ / j
＼ ´￣￣￣｀ﾞ ／ /
＼ ／ ,′ / /
＼ ／ / / /
｀ﾞー--―='´ / / /
秀吉の直属軍を担ってきた精鋭の武将たち七名、利家の死を機として挙兵。
七将による動員能力、百万石相当。
ヽ人_从人__从_从人__从人_人_从人__从人__从人ﾉ
＜ ＞
＜ さあ！前田殿！！ ご決断を！！ ＞
＜ ＞
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. Y⌒YW⌒Y⌒WW⌒⌒YW⌒Y⌒WY⌒⌒Y⌒WY:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＾Y^.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :|.: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :/}: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :|: : : ∧: : : : : : : : : : : : : : : : : :∨: : : : : : : :∧ : : : : : : : :/i: : : : : : : : : : .
: . : . : . : . : . : . : . : . : . : .| : . : .| : . : . : . : . : . : . : . : . : . |.: : . : . : . : .| : . : . : . : .<_,|. : . : . : . : . : .
. : . : . : . : . : . : . : .∩_∩:| : . : .|∧___∧ : . : / : .∧∧.: .:|: . ∧＿∧| : .∧∧ . : . |: . : . : . : . : .
∧＿∧.| ∧∧ / ∧∧ / (::∀::) :| ∧∧ ∩∩(::::::::／∩ |
（::::д::::）| (:::o ::/ (::−::/: ∧∧:::::| |(:::−:::) (::д:::)､／:::д:::)|
（::::::::::: つ |:::つ` |:::::と) (, Д )::::| :と:::::::::| |::::::::つ`と:::::::::つ
|:::::::::::::| | |::::::::|. |:::====(:[二]']つ=======X三＞|〜 |::::::::| |
（:::::人::::）. し｀Ｊ し'＼) く;;;i;;;;;ゝ . し `J し｀Ｊ し｀Ｊ |
し`J
数ヶ月前まで、彼らは利家と家康にうまく分断され、団結して動くことはできなかった。
しかし、利家の余命がわずかとなると利害を共有して結託、クーデターを決したのである。
目指すところは、彼らがいずれも深刻な確執を抱える石田三成ら一党の排除。
━━━・・・・・・━━━・・・・・・━━━・・・・・・━━━・・・・・・━━━・・・・・・━━━・・・・・・━━━・・・・・・━━━・・・・・・━━━
＿_＞::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,::/::/:::i::::::::::::::::::::::::::::､:::､::::::::::::､:::::::::::::::＿::／
_＞::::::::::/:::/::/:::::/:::::i::::::|::|:/::ﾚ'|::::::::::::i:ヽ､!｀ヽ::＼!ヽ::｀`:ﾞ`::::::::::ヽ_::＞
-=ニ＿:::::::::/／ﾚ'::::::/:|:::/|::|::|::::ﾍ/::::::::::::ﾄ、ﾄ､ヾへヽ:::::`｀ヽ::＼ヽ､＿＿:::`ー‐ァ
_∠ -‐ｧ::::::::/:::::::::::::::::://|:::::::::::::::::::::::| ヽ!ヽヽ::::::::＼:::＼:ヽ::＼::::::::::::::::::::／
／:::::::::/::::::::::/:::::/:::| |:::::::::::∧j::ﾊ!＿i!_ヽ::ﾄ､::ヽ:::ヽ:::::＼＼::::::::::::::＜
＜＿＿／:::::::::/:|::::/|:ﾊﾚ!メ:::::::| |厂＞‐j!-､ヽ`ヽ:::＼!:ヽ::::::＼!::::::::::＿__＞
_／::::::/|/|:::|::├V_ﾚ┼|:::::| ﾚ '´ ,.ｨf云ミ≪_ヽﾄ､:::::::::::､::::｀:::::::::＼
-'―‐ｧ/:::::::::::::|:::ﾚ´,,. ｨ斗ﾐ､:| _ぅゞ'_,〃 |::::::::ﾄ､ヽ!::::::::::::ヽ｀
_∠ -‐/::::::::|:ﾊ 《 ､_ぅゞ' ヽ! |:::::::ﾋ_ ヽ::::::::::＿_＼ いや殿下 九州に大領とかいりませんって
/イ::::,.ｨ::∧ l | jｨ::∧ 〉 ﾊ`:::::ト､
_/／ 从:ハ り ﾚ'{,.´ /:::ﾄ､ヽヽ 唐入りで武功を追っかけるのとかより
/ jﾊ,ﾍ ｀ヾ ` ,.--<::::::| |` ｀
ハ. ∧::::::::ﾄ､:| | 俺は中央で天下の仕事をしたいんで
､ __,. -―- ､ / /:::ﾊ:| -'､
ヽ. 'ｰー――‐' ／ i::::::! ! ＼
` .､ ｀こ´ ／ i ﾚﾍ! 〈 ＼
＞ ,. ' | | ヽ ＼
/ ∧ `ｰ＜ ／ ヽ ※権力中枢での野心を告白ついでに
／ ∧ ∠ ､ ＼ .前線将兵の神経を逆撫でる石田三成さん
／ ﾊ | 「 i | ｀ヽ､
「rﾍ､ | .j | | | | / i＼
／ | | || | | | .| | ├ ､! `､
━━━・・・・・・━━━・・・・・・━━━・・・・・・━━━・・・・・・━━━・・・・・・━━━・・・・・・━━━・・・・・・━━━・・・・・・━━━
利家が倒れ、彼によって権力中枢から遠ざけられた家康も当年五十八。
となれば、七将は三成党が公儀を席巻するという将来を、自力によって阻止せねばならなかった。
迫られた前田家は天下の守役。そして大坂は天下の府である。この緊急事態に対し―――
::::::::::::::: ヽ,,
::::::::: ,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,'i,
:::::::: i~ ,------,i
::::::: :ｉ i' ,;-'i
:::::: :i i i ・i
::::: _i,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,i `','''i;
:::/~,,~~,~_ ___''',,,,,,,,,,,,,/i;
::i ,,ｄ ,,;'""" `';,,, " `i; あ……あ……
::i,,___ i ,,,,,,,,,, `'----'"
::::::: i i'" ";
::::::: i `-、.,;''
`'-----j
＿＿＿
××│| ／＿＿ ヽ〟
××│| ／ |⌒ヽ＼| ヽ
──┘|／ |+ |─ｌ- ､ | い 今は喪中！！ 喪中なんだ！！
￣￣￣| cーU # ﾉ / っ
| ／ ⊂＿／ ⌒ヽ＼ﾍ／ っ 騒動とは関わらないから！！！！
|／ ⊂ｊ ﾞ .へ
￣￣￣| (ヽ∩ヽ二二 ／／ ヽ
| ／ 三 ｊ￣￣￣ ） l
＿＿＿|／ ￣ ￣￣￣| | ───
| ／ ,−┼ｰ──| ￣￣￣
| ／ /´ヽ／ヽ＿|._＿＿ノ､＿,− ､ ⌒ ヽ
＿＿＿|／ ! //ヽ／ ＼ | |__ l ── ）
／. ＼ __ﾉ ￣￣|ｰ ! ￣￣（ ノ
／ `ー′
／ ：：：：：：：：：：
―――逃げた。
そして、それこそは七将の望むところだった。
. /::::::::::::::::::::::::::::_ -‐'´_ -‐ ' ´ ￣ヽ
/::::::::::::::::::::::; ＜ , ＜ /
.〈:::::::::::::::::::／ ／:::::::::... _ - ‐ - 、 〈
＼::::::::／ ／:::::::::::::.... , ‐ ' "´ ｀＼
＼/ ／:::::::::::.. , ' ´ l ＼ ヽ
｀>'::::::::::. ／ . .l | i ヽ ｀ 、
/:::::::::. ／ | .:::/ /、 |＼ , -‐ ! :.. 、 !
. /::::::::. ,.´:::::::. | .::/／ _, V _メ､＿ ｉ ::: ﾊ !
/:::::::.. /::::::::::::::. |ー≠‐'´__ ヾ、 -≦ｭ| ::::::ｲl ｌ|
|_＿＿」::::::::::::::::::. .l／＿≦==z ヽ {ﾐｶ ! .::／ﾘ ′ おいおい聞いたかい？ みんな
|::::::::::,:::::::- ' ´ﾄ､ ＼_弋;ﾉ ￣ |'´|
∨:::::::':;::::::::::. ヽヽ ￣ .ｌ |. | 利長殿はこの挙に中立 つまりは黙認したみたいだ
∨::::::::':;::::::::::. ｀N ｒ-─ｧ / i､|
ヽ::::::|::':;::::::::::.. ヽ ｀ ´ ／. / `
＼l､::､':;:::::::::. ｉ ＿, イ::;、/
｀l/∨ヾ、:./ l´ V l/
r-V _ |__
ｒﾆ´￣ヾ´ ｀＞､_ｿ_｀ー一'､⌒i､
_）/´￣｀ﾐ､ / 只__ヽ ヽ八_
／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
／:.／ﾉ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./´ヽ/}:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:
. ,ｲ;‘´ /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/{:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.{ |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
/´ .／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:;' |.:.:.:.:.:.:.:/|/:l |:.:../}:.l｀.:.:.:.:.:.:.:ｆてヽ
. ／ 7:.:/}:.:.:.:.:.:.:.:/|从 .|:.{::.:..:./ .{ l{ .!:./ .|:.l ∨:.:.:.:.{ ）}
/:./ ,'.:.:.:.:.:.:./≧{ﾘ .!:从.:.:{ .{从 _.}/.竿￣｀ ∨:.:.:.! { .!
}:ｲ |{:.:.:.:.:.ｲゝ {う≧ｭ｡._Ⅵ ー フ{う:::::rリ イ:;.:.:.:.! .り
|{ .! |{ |:.:ﾊ 弋こ::ｿ__> ｀ー ｀¨¨‐ ´ .|:!.|.:.:.| イ 大坂の最高責任者が中立を明言したんだ
ゝ!:.:{∧ /{ l{ ﾑ:.:{
弋:{ 、 /::| _ |/ |:./.! あとは実力行使 自力救済 勝手次第の世界
_ ｡r≦三x。 ｀ヾ , ィ} / !{ |
_ ｡r≦ ＼. r―― ニニノ .ｲ / } !
_ ｡r≦ l＼ ｀¨´￣ こ ￣ ／.／ |
_｡r≦ :| ＼ .イ ／ |
:| -=ニ彡 |
/／ｒ'´ ／⌒ ,.､ヽ、 ヽ ＼ヽ ヽ丶 ヽ ヽ
// / ,r'／ ｒヽ _ヽヽヽ ヽ 丶ヽ i ､ 、 ',
,'/ / 〃 //`ﾞ " ヽヾ､i i i i i ll l i i ',
li / 〃〃 // ', i l l! l! l!l l i! l l|! ! i
!il //〃 ｉ,' ', i l i! l| lｉ li li !li! l |
! ｌ l !i l!i li __ i l l l! li !! il li! li|｜ !
l | l!|l lil !｢,. ヽ l i l i! l ! li il l| |l !
l | | lii |! i|ヽﾞ.ノ l ! ', i lｉ l! l!l l| il l
|!|i!L!|i l! ||｀＞-､..__ !ﾄ l l| | l! l!|ﾚ､ |
ハ{ rヾil! ｌ|-―ｔ;ｧ‐ミ` 、 l|i ﾄ、 l lil/- N
ヽ（ヾ ',|!｀`'' '''"´ ｌ | ', | ', li /,'ｧ ﾉ
＼ﾍNl | l| ! /ｲ/!,.ｲノ／
＼', _ '、, l ﾚ' / /／ 三成の首さえ挙げりゃ どうとでもなるってこった
`ｰ-､._ヽ, >‐､ー‐_-___-_--;‐='' /´
‐'⌒`ｰ､ r燃y'´ ｀¨ニニニ´ ／!
｀ヽ--' iヽ、 ／:. :ﾄヾ'ヽ､
_,| ヾ､!.!.! -'´ ,､ﾍ.l::::::::::`''ｰ-､._
,r;Ｚﾘ :. :. :. : ,､ﾍ`､ヽl::::::::::::::::::::::::::::｀''ｰ-､._
,..-'´/´ヾ ,..＜ヽヽヽヽ!:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀`'ヽ.､
,.-‐'´::::::////`ヽ ,..へ ヽ ヽヽヽヽl::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ、
クーデター軍は、石田三成屋敷に殺到した。
が、すでに三成は屋敷から華麗に逃走した後だった。
､ﾄﾊﾉl/lィ
＜::::::::::::::::>
_ ´7:ﾊﾄ从::〈 _
／ ,_ ﾒヽ八 __ ﾉ'｀-く ＼
/ ／ </ Y/{ニﾄ､ 〉^ヽ ､
r' 〃 /V^! ∨= 〉- ' ＼ ｰ､
//ハ! { / l | __ }ﾊヽ)
｀ ／ / | -|! /:.:.:ヽ ´
､ﾄ､ﾉ!/lﾊ ／ ／ 人 .|_/.:.|.:.:.:.|
＜:::::::::::::::::> 'く ／ {＼ /:.:.:.:.|.:.:.:.|
从::::ハl::八 > |.:.:.ヽ{.:.:.:.ﾉ!.:.:.:.!
__ _､ﾉﾄﾊ<,ィ _ -くヽ__,ｲ> イ |.:.:.:./ l--r'
く｀ ｀ヽ ＞:::::::::::::< ｀メ､ .!V7Y/ {| |.:.:.:.! 〈Y´!
ゝ'^ヽ ＼_､ﾄ､ﾉlィ_, ｀7!ハﾄ､lﾉ 三二= ／ヽ ´{ {|| | |.､.:.| 弋=)
＼ ＼:::::::::::> _ヽ__ ｲ ⌒ ヽ ／ < =||--ﾍ_ |.:.:.:.!
}＿_}'l从lﾊ! _人_ 〈 ＼ﾄ}} !人! 三二=.∧ /.:＼ l--r'
< / ､__/ ｀Y´ ヽ/ ＼ .|ヽ ＼ ／.:.:＼/-∨-､.:.:.ヽ 〈YY}}
} ./__ //!_ } ＼ ＼ .＼＼ 三二= ／.:.:／ 乂乂
{ -' {://' 〉 ＿人 ､＼ ＼ {,ﾍ ヽ ／.:.:.／
∨ {/_ _/! /.:.:.:.:.:.:.:ヽ'.:.:.:.{.ﾍ ヽ ｀ー' ／ミヽ<__
〉／ ／' / 〈.:.:.ヽ-‐ ´ ＼.:.｀ー' ゝ-へ、__)
_/YV´ ／--〈 ＼.:.:.＼ ＼.:.:.＼ 三二=
ゝﾍl/7´ || ∧ _メ､:./} ＼.:.:.＼
,メ､ /-‐:.､ } /}}＿__ﾉ _メ､.:/}
／.:.:.:.:＞'.:.:.:.:.:.:.:.〉) /}}＿__,ﾉ
／.:.:.:.:.:ノ!.:.:.:.ヽ.:／
／.:.:.:.:.:／ ＼.:.:.:＼
／.:.:.:.:.:／ ＼.:.:.:＼
ﾞｨ;ﾞｨ. ッﾞｨ ッﾞ〃ッ. ヾｘ (( ))
ﾞｨッﾞｨ ッ',ﾞｨ. ッ..ﾞｨヾゞ; ,ィ ＝＝＝＝＝＝＝＝＝ヽ
kﾞ ;; ﾞｨ ｼ ｨ ;,. `:;, ゞヾゞｼ／ l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l ＼＿＿＿＿＿__
ｨ; ﾞｼ; ;ｉi ﾞ〃; ゞヾゞTlｍｍｍｍｍｍｍｍｍｍｍｍｍlTTTTTTTTTT＼
ヾ;ｉ;;ｉi ;ｉiメｿ りヾ〃ヾゞ;`ｍｍ| ├―──┬─―─┤ │ ｍ ｍｍｍｍｍｎ,ゝ
""|l!|| ｌｌ|:ｿ ﾞ ＾＾＾＾＾＾＾＾＾'| ｜ ｜ | ｜＾＾＾＾＾＾＾＾＾＾＾＾＾|
|;lｌｌ ;|l|. | ｜ ｜ | ｜ |
|:l||; |l| | 「ｆ二二二][!二二二.」 | .|
|;l!ｌ| |l|; ..,.,,...､ | ｜ ｜ | ｜ |
,|liｌ|ｌ ｌii|彡ミシ彡 彡＿＿_,,| ├──―┴―──┤ |＿＿ミシ彡彡ミシ彡彡ミシ彡
,ノ::ｌ|| !!l!|､ヽ. 彡ミﾊ,. |___,||三三三三三三三,||,___|シﾐﾐシ彡彡ミﾊシ彡ミ彡彡シ彡
''ﾞ''ﾞ''' "''ﾞﾞ"" ″″' ″" "''""" "''""" "''"" ″″' ″''''゛' ″'''″' ″'''″″
,,, , ,, , ,, , ,,, ,, ,,
,,, , ,, ,, ,, ＿＿＿＿＿＿＿＿＿ ,, ,, ,, ,
, , ,,, , ,,, ,,, |＿＿＿＿＿＿＿＿＿| ,, ,,,, ,, ,,
／[〓]＼ .／[〓]＼ .|＿＿＿＿＿＿＿＿＿| ／[〓]＼
|￣￣|]ﾆ（ ´∀｀） .[二（ ´∀｀∩二| |￣￣| |二（ ´∀｀∩二], ,, ,,
|＿＿|] / ゆゆ .と ,. ,.ﾉ | |￣￣| | .と ,. , ﾉ
, 人 Y ,, 人 Y |. ￣￣ | .人 Y ,,, ,, ,
, , し' （＿） ,, ,, .し'' （＿） └――――――‐┘ し'' （＿）
,, ,, , ,, , ,, , ,, ,,, ,, ,, ,,
. /{ /: : :|,／: : ∠.. __,
{＼{: ∨: : : :′: : : : : : :厶 -‐ｯ‐
〈＼:` : : : : : : : : : : : : : : : : ∠... __
､__ミ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :､:_ノ′
､_＼: : : : : : : : : : : /:/: :i: : : : :､ ＼_,
､ミ:_: : : : : : ｉ : : : /:∧l: ト!: :i: : ｀て´
｀フ: : : : 爪l: :/:/:/┰ミl_ｊ川: :`弋｀
｀7: ／: {〈/|/|/|/ `ー‐｀´从: :､トミ
/イ: :/i人丶 Ｕ u ｀７＼| ふぅ 間一髪だったな
__.厶/￣￣ミ._ . --､_, /
´ ｀￣￣⌒＼‘⌒ー'／ やつらの近辺に探り入れといてよかった
／ ´ ｀.ト--′
/ / ,ハ
＿ __ _ 〈. |
｀ヽ{. ＼ }
＼ ＼ ハ
､}｛＼, / ∧
＜￣:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.::.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:／
｀＞:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.::.:.::.:.:.::.:.:.:.:／
＜／::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::::_,＞
/:.:..:.:.::.:.:.:.:.:::.:.:..:.:.:.::.:.:.:.:.::ﾄ､:.::::.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:::.:.:／
厶イ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::..:.:.:.ﾄ､ ＼:::.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:::＼
∠:::イ:.:.:.::.:i:.:.:.::.ﾊ:ﾊ.::|ヽ:.::| ＿Ⅵ:.:.:, --､:ﾍー‐
/_::::::::::.::.:i:.:.ﾊ,x==､ヽ ヽ| ´⌒´ ヽ!｛. ﾘ:.:.:＼ しっかし 地獄に仏
/.:.::.:.:i::ﾊ. ! ノ:ﾄ|￣
￣ /.:iﾊ ﾊ. 〈j 厂:.:.:| よくこんな急場で助けに来てくれたよ
ﾚ.i ヽヽ -‐ｧ ｲ:.::.:.ﾊ|
＼ ヽ、_,,,ノ ／ ! ヽ| ﾍ
丶､ ／ -''" ヽ
-――"''"|￣＼ 〉＼
|ハ | | ヽ / ＼
/ ＼ ﾑ | | / ヽ
/ 入 >'" ／ ..|／ ／ ヽ
／ﾑ-‐' .／<＼／ / ヽ
| ＼ ＼| ヽ / ヽ
| | ＼| | ヽ / |
, ::':ﾙ'´:ｰ''´::::≦-
r''ﾆ、:::::ニ＝-:､::::二ｪｪｯ=-‐
r'::::::ﾆ-､::::::::ミﾐヽ､::::::::::::::＝ﾆ＿
/:://:::::ミ､::::::::::::＼ヽ､:::::::::::::＜
,':::,'::::iヽヽ:::ミ:::::､:::::::::＼:::::::::::::ヽ
/::::!:::::ヽ:ヽ::::::::::`:::::::::ヽ:::ヽ::::::ヾヾ､
/"i::::::::::::ｉﾞ_､:::::::::!＼vヽ、:::::::::ヾ:::＼
i:;::::l::',:li ｏヽ`ヾi. Y'ｏﾞﾘ､:::::::::::iｰ=ヾ
/ lﾊ::::',ｉﾞー" ′ ー" i:::::::::ヾ､ 当然です
rｲ￣'",ﾆ､!:::::i. . . ,':j::lヾﾔ-､_
／ | l lｻ!::iヽ . --､ ,.ｲ::l!';:l ,ヽ あなたが殺されれば 佐竹が困ります
|〉 ! | l八ﾞ! ＼ ￣ .ｨ' /ｉ! i '! i i
／< ';,. l | ヽゞｬ-､`＝ﾝ _ｿ, ! i ,' ヽ
〉ヽ-`' i!/｀`ｉｰ', ｀`-ﾆ_--‐'ﾆ-' ,' / ｉ / i i l
/ ' , ,,,i'´!、 l- ヽ=- -‐-;'''´ ｌ , ' ,' .i
/ ﾞl i 'i j/ ,..-‐'￣ ! / |
/ ll､ヽt,ｹﾝｪ‐'´ ,!' .|
. i┴､＞ﾆ ﾝ`''＝ｰﾝ´ヽ /ヾ!ー,-,ﾝ.i
ﾘﾝニ--/ , ' ヽ / |､-‐'´ i
／r' ii" / / ｌ 、 i
く lハ l:l ｲ ＼ ／ / < ﾐ､､`ｰ.k
|. l::', /ｼ , ' , 〈 ノﾞ -ｰ､-ヽ.i ［佐竹義宣］
三成の脱出を手引きしたのは、常陸の佐竹義宣だった。
;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::::::::::: ) :::::::;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::: :::::;;;;;;;
::::::::::::::;;;
t_,_,_,_,_ｨ
ﾉ_:_:_:_:_:入
,...,l_;_;;;;;_;:l;:!、
ﾉ_:_:_:ヘ_:_:_:入
,....,,,,l_;_;_;;;;;;_;_;_;l;:!,,..、 ﾜｰﾜｰ
ノ_:_:_:_:_:ヘ_:_:_:_:_:_:_;入
l_;_;_;__;;;;;;;;_;_;_;_;_;_;l;:!!
/千ΖУト千ΖУト千ﾍ ﾜｰﾜｰ
./Уト千ΖУト千ΖУトΝ
┏━━━━━━━┓
伏見 向島城
┗━━━━━━━┛
| | ,.ｒ=＝:=:ｭ、
| | /'´ ｀ヽ:ﾍ
| | }:}
| | ､__＿＿_＿ _ ＿,/::ヽ､_}ｊ_＿_,_
| | ｀ヽ､:.:.:.:.:.:..:.:￣:.｀'"´:.:.;/:.:.:::.:.:.:.:.:.:.::;ｊｉ::.:｀ヽ、
| | ＞'´:.:..:.:.:.:.:.:.:.:::／:;|:.:.:::::.:.:.:.:.:.:: （,ｊ:::.:.:.:.:.:＼
| | ／: : : : : : : ／: ::/::.;/'|:.:.:::::.:ｉ:.:.:.:/､:.:.:.:.:ｉ:.:.:､::.:ﾍ
| | ／:.:.:.;／:::::::::/:.:.:.::/:::/ |:.::ｉ:::::|::.:/ ∨:.:.:|:.:.::|::､::ﾊ
| | /:.:.:.:／/::::::::::/:.:.:.::/::/＼ |:.::|:::.:|;/ ,／∨:|::.:.::|::ﾊ:.::}
| | /:.:／ /::::::::::/:.:.:.::.ｊ;/_＿_ヽ,|:.::|::.:|､∠_＿ｊ:∧:.:.:.|:::::|:.:ｊ
| | |:/ /::::/:::::l:.:.:.:.:;ﾊ ﾔ弐行 |;/|::.:| ｵ弐ﾏZﾊ:.:.::|:::::|:.:|
| | '´ ｊ:.:;∧::::|:.:.:./ｉ:ﾊ l ﾄ-':::| ´ ヽ:| ﾄ-':::| / {:V:.:ﾄ､:|::|
| | |:/ ヽ:|:.:/（|::::} ､V:ｨ;ｊ ` |:tｨ;ﾘ,' |:::ヽ:|）::.:{
| | /´｀ヽ、|/__:::|::::ｊ、"￣ ' ￣゛・/|:::.:.:|:::.:.λ 大坂から伏見に動きがあるって！？
| |ヽ--────--‐fTT'{ ヽ ゛' ＼~|:.:.::|ヽ、 -‐'´｀ ,.ィ´; |:::.:.:|:::::.:.:ﾍ
| | ,{ | | | ＼ ｀|:.:.::{ {｀...ｰ--‐."´} / :|:.:.:.:|ヽ､:::.:.ﾍ
| |´￣￣￣￣￣￣￣ｔ_ｉ_ｉ_|, ｀ヽ､ V:.:.;＼ ﾍ､,.-─-､/ / / ｊ:.:.:.:| ⌒>::.＼
| | ＼_,,-‐ｒ:｀ヽ､ヽ::{､:::＼ ﾍ /,／／,/:;/}::ｊ //ﾊ:::.:.:＼
| | |::ｉ::.:.::｀} ` ,＞‐-'ヽ._,/"-‐＜´'"ｉ ｊ;/ ////､:::::.:.:.:＼
| | |::|:.:.:.:.:ｊ 〈 "｀ 〉 |ｰ:-=_//,// ＼::::.:.:.:＼
| | |:.:!:.:.::/ ＼_,,／ ｉ: ＼_,,／ ヽ::::::::::￣::::＼ ﾊ::::::.:.:.:.＼
| | |:.:.:.:.:::ヽ､,_ / ∧ ,／::::::::::::::::::::::::::} }:.:::ﾄ､:::.:.:ﾍ
襲撃を恐れていたのは三成だけではない。家康にも暗殺の噂が出回り、警戒を厳しくしていたさなかのことだ。
／／´ ｀ヾ:
j.:/
{:{ _,.,
,. -:`: :":￣:ﾞﾞ: :'':‐- :'": :|
／: : /: : : : : : : : : : : ; : : : :｢￣二: :_‐.､
, ': : : :/:.／: : : : :,: : :.ｨ::!: : : : j: : : :｀ヽ、｀`丶、
,': : : :./, ':::; : : : :./: :, ':|::!: : : : ;{: : . . ､ ｀ 、
i: : .:: :,!':::::/: : : ;/: ; '::::::!l: : ; : :ハ: : : : :､: : .ヽ
!: : :::/::::::/: : :7ﾌア'‐::::::l!: /: :.,'_;;;j: l: : : ヾ::､: :ﾞ:
.|: ; /::::::;,': : :/_l/＿__::::::j.:/ : /::::::::i:.|: : :i: l`ヾ: :l
. ,!',/:;:イ,': :./!{Ｔ示干':::::;!/: :/ｨ夫ｫｷ|: : :l: :! ヾ}
/ｲj/:/_|:!: /::|::.!_ l｜::::/ｲ:./::l_ l | lﾊ{: : :{: :|
/ !: :ﾞ ' ||;/::ｌ:|:::ヽ-' .::::::::::!/:::::iｰ' :::!:l'|: : ﾊ:｜ まさか大坂のやつらアタシを……
.!: :: ﾞl'||:::: ｉ:|:: ￣ '′ ￣ ・l::l !: ,' ﾞ:,!
j: : : l::l :::: :i:ﾄ,､u. ,， _,..ィ:.|. |/
/: : :/::;ｌ ::: : iﾍ. ｀ 7 ､-‐ｧ:'/|:l::::: :|
/: : ;!く . l: :: : :i.ﾞ:、 い｀ヾ､/ |:|:: : :|
/: :./＼＼.!; ; ; ;.i ﾞ:、-┤ || ﾄ.||: : :.|
/: :.{'＾ヽ ヽ.ヾ: : : :l ﾞ:、 | || |ﾊ|: : :.|
, ‐´ ／ ,/ / l ､ ヽ
／ , , / / /l l ﾊ ヽ ヽ
／ / / / ／'´7/ l / -Lll ヽ l ヽ
/ ／ / / / / l l l / l. l ﾄ､ V. l
l ／l / / / _,/､」│ l/ ヽl l ` ヽ l
l/ l l l / 〃､フ:､∧ l ﾆ=ﾐl､ヽ ヽ l
l l ハ〈/:::::::::ll ヽ l ´,､/`:､ヽヽ l l
l ∧ l ∧ l:､: :ｄ l _〉l l:: :::::::::〉,l l ､ l l どうやら違うみたいです
ヽ Nゝ､ |l l `─' ﾗ´F l: : ´,､/N､ l l ﾘ
ヽ ヽl｀l＼｀ﾄ､＿ ,ノ ' l ` ‐' ' / ﾊ. ﾄ l ll 石田三成の主従が突然やってきて
ll `l,､ 。 ヽ､_ _ノ// l N ｲlﾉ l 伏見城の一角を占拠した ということらしく
l 〃 ｀ ‐､_ ￣ ィﾌ' W l／l l l
l l 丶 ヾ ＞,‐ ´ ﾚ/ ﾊ ヽl l
l / l＿,＿ ,〉, ノ ／' ノミ､l ll l
_ ,､ l / /川 / ／´ ／´´ ヽ ヽ l
(_r‐､- l. ﾄ ､. l / l 川 /‐-ｙ´´ ／/´ ヽ ヽヽ
, -､. l l 丶｀´ヽヽl /l 川 / ／/ ／´/´ l ヽl ［本多正信］
.(_, -‐-｀_ ／〃､/ l 川 l 〃l / 〃 l ヽ
/／ ＼ﾞ､
{'′ . ヾ!
＿ /＼―−-'' ､
,.. -__''二¨- ｀/ ｀丶、
'"￣,. :'" l ヽ
／ ／ / j j ｜ ! ! ｀､
,:' ,.ｨ / ! '| ‖ !ﾞ､ l ｌ | :、
/ ,. 'ﾞ/ / ,⌒ ｌ l ! ! ｀⌒ﾄ !. l i
/'´ i ! /| ,' !l ｀、｜ ﾞ､ l｀、 l. | |
｜ l ./ l | l| ｀、j ヽ| ｀､ |.! l
|. /'! ∧ '゛_＿__ ｀､!＿＿l_ ﾞ{. |! j
！! .l |! li作三三 三三ﾐ ハ. |） ﾒ、 なんだいそりゃ
{ l l.! ! ‘! ｀｣ ｀ﾄ ﾞ､
V | ﾍ、 △ ,. ｲ | ｜ 三成は伏見城番の権限を持ってないはずだけど
| |｢二フ¬ｧ ''てjﾍ､/ ! !
| |l ／ l′ / / / i| |
＼、__ﾄ.、
,､r=＝＝＞:.｀ヽ｀ヽﾄ、
／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀ヽ）:.:.:i:.ﾚｰ-
. _＿,.､＜:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ノヽ:.:.:ノ:.:.:⌒ヽ､
＞〃:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:ﾍVｲ:.:ﾍ:.:｀ヽ:.:.＼
／イ:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|ヾｲ.:.:.:.:.:ヾ:.ヽ:＼ゝ
／ 〃:.〃:.:.:.: /:.:./:.:/:.i!:.:|:.! ∨:.:.:.:}:.:.:ﾍj
/:.:./.:.:/:./:.:イj:.ﾘ:.八:.リ j:i:.:.:.:.:ﾄ:.ヾヽ
!／:.:イ:./≧x､lハｊ _,,ﾘ≦二ｲ:j.:.:i:.:ハヽ＼_
ノﾚ´ﾑ:ｲ∧ぐｾｵ} 弋ダﾉｲ:.:.:ﾘ }｝ｿヾ
|:.∧ﾊ j ／イ:.:./ソ:/ 上様 父上！
ﾚ' ﾘ八 <、 /ｲ/ﾊ:.:/
ﾄ､:ﾍ rｧｰヽ /ｲ |｀ヾヽ 大坂より正体不明の軍勢が襲来 伏見城を包囲しました！
／ﾘ;;;;＼ ─´ ′ !;;;;ｿ;｝}
///／;;;;;;;ﾍ..___..／ / レｸ:ﾉ.:|
_..,,,,,///´;;;;;;;;;;;;;ﾉ! / ／::／ ..:j＞,､_
_.,､＜://:::{:{:{;;;;;;;;;／´ j { / ／::／ /ト.,､＜⌒＞,､_ ［正信嫡子・正純］
:::::::::://＞｛ii{;;;;;;/ / ｛;;;;;{ ／ / {::::::::::...,､:＜⌒＞:.､_
:::::::::{｛ 〃∧ヽソー-- 、 __人__{;;;;{ ｲ ｛::::／´::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ
|:.:.:.:.:/:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:/! ｀i:.:.:.:.:.:.iヽ:.:l:.:.:.:.:.:∧ ､:',
|:.:.:./:.:.:./:.:.:.:.: ､／/ |:.:.:.:/:.l ∨!:.:.i:.:.:.∧ ＼
|:.:/:／/:.::.:.:.:／ >､__,, |:.:./レ'／|:.l:.:.:!:.:.:.:.:|
|:.|:/:,､':.:.:.:／___＿＿ !:/ ＿__ !::!:.:.|:.:ｉ:.:.:|
|:.|/:{ !:.:/:.| ￣￣￣ |' , ￣ ･::.!:.∧:ﾄ､:.!. ━━┓┃┃
|:/:.:.ヽ|:/:.:.:! ,＿ }:.:lﾚ !' V ┃ ━━━━━━━━
|':.:.:.:.:>'´￣ﾞヽ､ ＜._.,,' ≦ 三 ┃ ┃┃┃
':.:.:./ ﾍヽ ｀ ゝ'ﾟ ≦ 三 ﾟ｡ ﾟ ┛
:.:./ l ＼ ´ ≧ 三 ＝=-
ｧ, ≧=- 。
大坂を出た三成は伏見城に直行。秀吉時代に居を置いた治部少丸に侵入し、立て籠もった。
.∧(oﾉﾍ ∧(oﾉﾍ 出てこいやｺﾗｧ！！
/(ﾟДﾟ#）＼ /(ﾟдﾟ#）＼
|￣￣￣||￣￣￣||￣￣￣| |￣￣￣| |￣￣￣|
| ● || ● || ● | | ● | | ● |
|━━━||━━━||━━━| |━━━| |━━━|
|＿＿＿||＿＿＿||＿＿＿| |＿＿＿| |＿＿＿|
────────────────────────────────────────
┃ │ ┃ │ ┃ │ ゞ,. ‐ 《
┃ │ ┃ │ ┃ │ / ヽ◇ノ
┃ │ ┃ │ ┃ │ /三/#｀Д´） そっちこそ攻めこんでみろやｺﾗｧ！！
┠─┘ ┠─┘ ┠─┘ ,三/ |ii|Ｕ|ii|
┃ ┃ ┃ ,ソ〉｀[|=|]´〈ゞ
二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二ﾆｌ
|| || || || || || || || || || || || || ||
|| || || || || || || || || || || || || ||ュ,,
^√√√√ √√√√√√√√√√√√√√√√√＼
'~.厂厂厂厂~.厂厂厂厂厂厂厂厂厂厂厂厂厂厂厂厂厂Ｌ＼
それを察知したクーデター軍も急追し、両者は衝突寸前となっていた。
事の次第は時間とともに、また騒動収拾を訴える義宣の訪問によって明らかとなった。
＿＿＿ﾐ::::::::::::::::｀¨ミヽ､::::::ヽ.
＜:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ::::::ヽ
ヽ､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾄ､
ー=ﾆ､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::j::ﾊ
--─=＝ﾆ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヾミ:::::::::::}
,,ｨ彡:::::／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::彡ｲﾊ::く
／::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::l::::::::',
／---─ｧ':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／::::::::::::／:::ﾘ:::::::}ﾊ
／/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::イ:::ﾂ<彡'/:::;イ::::::::::l:::|
/::::ｨ::::::::::::::::::::::::::,ｨ/ ¨''=ｲ _,ｲ:::ｲﾃ ::::::::::ハj
_,,ｲ／/:::::::::::::::::::::ｲ/ | ノ |¨ .::::::ｲ/ 大坂の前田家は そのような対応です
∠ イ:::::::::ｨ::/ .| ､ _｣ ｲ:／.j'
/ｲ:／ .|ｲ ＼ ‐--- ／|:/ 石田殿は大坂にいては命がありません
__ ｲ j ＼ ﾞﾞﾞ／ .ｿ
/＼ ／ヽ- '
／ ヽ､ _ ｲ
／ ヽ､ Y
/ ー┴､
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
∠:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∨＿
ﾌ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::-＜
＿..ｲ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::フ
.￣Y:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＞-
/::::::::::::!:::ﾄ､:::＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
.ノｲ:::::::::::|x'|´ヽ:::::ﾄ､|＼:::ｉ≧ﾐ:::::::￣::::::厂￣
ﾉ人:::ｉ::| ｨﾁﾀ Ⅵ ＼ l::|辷八::::::::｀ト＼ となれば やつらを止める手立ては家康が出てくること
.|∧| ´ |ﾊイ:::::::::::::::∧
ノ ﾉ Yﾄ､:､::ﾄ{⌒＼ 騒乱を家康の縄張り 伏見に持ち込む
＼ ＿ / 八ハ|
｀´、 ／ / ＿＿_」＿_
ヽ_ ィ＞'"´￣ /
{ ＿＿ -‐─-＼
＿_r斗- ￣￣ ￣￣￣⌒＼
／ ;:;::#";: : ヽ、 ;:≧ｘ
/-─ 、. ;;::: ＼、 "';: ::＼
ヽ､＿＼ ／ -=≦＜__
ト､__＼ _,. -‐ﾆ _ _,. ｀ヽ｀ヽ＜_ｨ
＼ ,.-― ／／／ ／/ ﾉ ＿ノ
､＿＿＞ _,.∠／ /／ | / , ｀`ヽー‐'
_＞ -‐ ／ / /´ ／|| ,.ｲ ヽ ヽ＼ ＼
｀二ﾆ-彡' /／ / ／/ i! / / ,ハ ヽ＼＼_`ｰ
__＞ / / 〃 / / ,ｲ / / ,.ｲ | ﾄ､ ト､`＜__
｀ー=イ／ | | | /| / | | ﾚ'/ ﾉ ﾊ∧_ﾊ ヽヽ ＼ヽ´
.__／__ / j | i 「_≧ミ､!:| / ∠＞≦jﾊﾄ,ﾘ ト､ヽ＼ーヽ
_＞ノ /从NY￣行ﾐ､ﾚ1/／jｲ'´fﾃ￣ｧ | ﾄN }∧「`
｀フイ人ヽ.ﾄ ヾ､＿_,.彳ﾚ' ´ ヾー=≠ ﾊﾉ／::::∧ もしそれで断られりゃ
ル'ノヽﾍ ￣ 〃'" /ｲ:ﾄ､:ハ「`
,.彳::/|:∧ .! ∧::::| ヽ 伏見が火の海になろうと
V jソ:,.＼ r- _｀´_-‐ﾆ,ﾊ,.ｨ＜ﾄ､ゝ 武士として闘うしかねえだろ！
／ jｲ{::∧＼辷ー‐_,.ﾆ 彳 .|::＞､.､
__」:.ヽ.ﾍ ヽ. __ ,.∠:.:.:.:八:::::::）:|
＿＿_r‐/ !:::∧ `ｰ ､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.＞'/:::ヽ
_,. ＜､＿`ー､:::＼ V:::∧ ∧:.:.:.:.:.:.:.:.:.:「 /ヽ::::} ＼
__/二_ ´ ￣＼::｀ヽ＼ヽ＼:∧/:.:.:､｀ ￣ .7:.:| >':／／ ＞ ､_
／￣￣｀ヽ ヽ::::i ヽ、 `.〈:.:.:.:.ヽ :/...:.ﾑ // ｀ヽ..､
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
_＿
／⌒ヽヽ
__＿ ,、＿＿ |/
‐＝ﾆ_ : : : : ｀Y: :`: : : : : : ｀ ヽ、
, イ: : : : : : : :l: : : : l: : : : : : : : : ＼
／;:／: : : : : : : |: l : : |、: l: : : : : : : : :ヽ
/／/ , : : : : :l_:_/|: l : : l l_:_|_: : : :ヽ: : : : l
/ /: : : :/ 'l:./｀|: l: : { ´l: |､｀ヽ: : l: : : : !
,' /| : : /: :/|{ l/l: : | ヽl ＼: : :l : : : l
|/ |: : /: :ﾊr┯┯ l : | ┯┯yl : |: :＼l なるほどねぇ
. |: :lｲ ;'ハ ｂ::| ヾｌ ｂ::! l l: l｀ｌ:`ﾒゝ
ヽ| ﾚ |: :ｌ ￣ ￣・ ｌ l/ｰ': :l いつもながら身勝手な理屈だけど
l.:|: :ゝ､._ ｰ'ｰ' _,.ｨ': : l:: : :| まあ理解はできたよ
|.:|: : : :__二７T ¨´lヽ､| : :l: : : |
|.:|: : :|| l´＿__7 |: : |､: :│
|:,ゝ､:ヽ │ / /: :/ !:: :|
|:l＼ヽ: l | / l: :/／.|:: :|
／!/ヽ::::＼::ヽ＼ヽ､::::::＼ヽ:::::::::::ミ.
/::::!i::::',ヽ::iヽ＼:＼!::＼ヽ::ヽ`::::::::::ヽ
//:::::i:::::::'.,ヽ:i:::::::`::ヽ::::ヽ＼:＼:::::::::ヽ
/::::::::::l:::∧:､::､:!::iヽ_::::::ヽ:::ヽ＼:ヾ:::::
iｿ:::::::::!:i{:)ヾヾヽ::i {:ｿヽ､::::::::ヽ＼::＼:::::
ﾘ i!:::i:::::!ﾞ＝ﾂ` ｀ヾ!＝" i::::::::｀::ヽ:::::::ヾ 身勝手………ですか
! i:::!i::::ｉ ヽ ､ i::::::::::::::::`:::､::ヽ
リ i!'i:', ｀ i::::::::::::::::::::::::＼ﾐ､
! ! ﾊ. ヾﾆ= !:へ:::､:::::::::ヽ＼`
i:i ー ,..ｨﾘ ヾ､ｼｧヾﾐ､
ﾘヽ ,..::'" ! : ／'"／ ｀ｰｪ､
｀""´ヽ :. ／/ ／ r'´ ｀- ､._
ヽ､ :／ /ﾝ i `ヽ
ヽ' / i ',
/:::〃i::::',::::ヽヾヽ::ヽ＼:､＼:'.,',`ヽ::::::::::ミｪ､､､
/::::/::!::'::::::':,:'.,::::ヽヽ､::::::::::＼＼',:::::::::::::::ヽ￣
/::::::i:::::::i:::､::::::::ヽ:::､､:::ヽ::::､::::::＼ヽ､:::::::::ヽ:ミｰ
,'::;::::i:::::::ｌ!::!ｧ､:::::::::ヾ:､rﾞ=､::::ヽ::::::::::ヽ::::::::::::`、ヾ､
/ｼi::::i::i::::!:ｉi （::ﾒヾ､::'.,ﾒ （::ｿ,ﾞi::::ヽ:::::::::ヽ::::::::::::ヽ、
/' i:::i::!::::::i '=ﾃ' ｀ ヾ::ﾐ＝" ﾘ::::ヽ::::､:::::::::::::::::::::ヽ、 今回の叛徒にはあなたが縁者にした者が幾人もいますね
i:::!:::i:::::!. ヾ .、 ` l!i:::::::::::::'::::::::::::::ﾐ｀ヽ
'i::::l !i:::'､ ｀ ! i:::::ｌ::::::::::::::::::::ヽ`ヽ というより 主力になっているわけですが
'i::l i;lヾ､. ＝=- , ｲﾘ,:::iﾞﾃ､::::::::::::ミヾ､
';i il 'i:ヽ 'ー ,...:': : i! ';:i'ｼ' ｀` ｰ-=:､ヽ
! ! 'i:::'、 ,...:':::::: : ! // , ', -‐'''''ｰ ､＼
ﾘ `ｰ ヽ､:::::: ; ,'/／〃 ｀ ヽ
｀`ヽ､ // 〃 ヽ
／￣｀ヾ:`:.
{ ﾞ!:.}
/:＼＿,∠.._
_,. _-_:‐:‐:|: : : : : : : : ､:｀: .、
／´: i.:,!: : :|:i!: ､: : :丶: : ヽ
／ｨ: : : ｌl. !: : |:!､ﾄ､: : : : ＼: :i
.//./: : : ;1! ∨: l|_､斗‐: : : :ﾄﾞ:､
〃 !: : : {T¬ Ｖ:.{. __⊥:ヾ: : l: : !
'′ |: :.;!:iﾊ_z=T ﾞ､:. T不l ハ: l: ;l ……アタシに何か言いたいの？
.ｌ :ハl:::i ヾﾂ ` ﾞｰ：i::::ﾍ:|/
V ﾞ!::ﾄ..,,_ ,､ _,､ｲ:::::バ'
l::::|::::::;ﾌﾌ .,!'ﾞ'l: :/:::::i.
l!::|／/´>'゛_,!:./ｭ::::::l
l};.|i!.j /,,-''.ｲ/‐¬;::::l
./ ﾞ{､i!/''／// i::::!
i:: ::::::::::::::::::､:::､:､:::､:::､:::::::::::,:::::::ヽ:::ﾞ::::::ヽヽ::＼::::::ヽ:::::',ヽ:::
i::: ::::ｉ::::::: ::::l＼､ヽ::::ヽ::::::::::::',ヽ',ヽ､:::::､:::::::ヽ:::ヽ:ミ､:::ヽ､:::::
i::::ｌ:ヽ::::!::::::!:::ｌ ｯtｰﾞ､:::::::::ヽ::'､::', ﾞヽ.ｫ-=-､:::::::::::::ヽ:::ヽ:::',:::::
. i:::!l:::::ヽ::::::::::::l.il k::::::ﾊ＼:::::::､:､ヾ:､〃k:::::::ｿヾ､:::::::::::ヽ:::ヽ::::::
. ,ｨ''i:l' !i::::::',:::::::i::::iヾ-.ニ_-' :ヽ:::',ヾ､ヽ.ﾞ ､..二...;ｼ ﾞi:::::::::ヽ､:::::::::::: 扇動を疑われても仕方のない立場にはいる
ｲ l ﾘ 'i::l::::',::::::':,':! ゛"" ｉ ヾ:､ ヽ｀ ｀"""" .li'i::::::::::::ヽ:::::::: ということです
..ヽ/ ', i:il:::::',::::::kヾ、 ! ヽ l!.l::::::::::::::::ヽ､
ヽ ; ii i::::､:::::', ` 、 ! !:::;:::lヽ::',i!` もしこのまま破局に至れば
ヽ ', ':, ',::i 'i::::':, ヾ､ -‐ /.l::ﾊ::l ヽ::i !､ 内府殿としても非常に厄介な展開が待ち受けている
', ', ヽヾi ',:::::i､ ヽ､ .._＿ , ' .i:l. ﾘ /入',
il ', ,ﾝ''ヽ-'i:::ｌ._ヽ `.{i ﾞマ''""" ／ i! ,/./ ｉ`
,-┴'ﾞ ' ｰ ﾞ 'i:l､ ﾞ＼. ﾘ i ,..:'' ! , ' " .i
/ ﾞ! ﾞヽ､ ヽ/ i ,..::'::'' ／, ' /.!
..r'ﾞ_ il. , ﾉ゛ i'.､イ:::''' ／／ ノ
, '::::::::〃:::::::::::.i::::::::ヽヽ:ヽ ::::::､::::::::::::::::':::､､,__
_ｨ:::::::::〃::::::::::::l!::!:::::::::::＼ヽヽ:::::ヽ:::::::::::::::::::t=ｰ-.
_ｨｼ='7:::〃::::ｨ''|!i:::!i::,::::::､::::::ヽ::::::':,',､;,:::::::::::::::::::::ﾝｯy､,_
´" /::::::/:::/,.-ｬj:::l 'i!';::::i＼::::ヽ:::::::',',',i!::::::::::::::f"''''＝=-''
,.ｼｨ::::::::ｿ !. (::)ﾘ! ﾍ',:::l,,､ﾇ;:::ヽ::::::',',',':::::::::::::::',
〃 ｼi::::::::ｌ ｀""゛ ` 'ﾘ (:::)ﾔ､:ヽ:::!:','::::::::::::::::',
' ' .ｌ::::::::l ヾ'''''" Y:::::::::::::!::::::::::::::::', 石田は あなたの裁断を受け入れる と言っています
i::/ｌ::::! ヽ 、 ｌ:::::::::::::::'::::::::ｯ::::::',
l/ !:::'､ ｧ､. !:::::::::::::::::ｫ:::::!';::::::', 頼みましたよ
. ,!. |/ ';､. ヾﾐ.`j ,イ::ｧ:::::::::::::::i '､::',ﾔ::::､
" . ';ヽ ,､y'´ /ｼ ｌ::::::ヽ:::::ｌ ヾ; ゛丶
'|!`=tｰ:::'"／ /' ﾊ::;::::il!';::!
. 'i::: ' ﾘ ｿ ヽ'ﾘ､
!'i j ~ヽ
ﾘ ､ ／ ―ー '''"""f,
/ _冫'''~ ',
／ ´ ,､ ￣~ ヽ 'i
l!~ / ヽ. !
// ヾ､
l:| ヾ.
＿＿!__/:ヽ､＿＿_l|_
,. -‐_´:-: : : : : l: : : : : : : : : : :`: .､
／‐／: :,: : : : : :, :l: : : : : : : : : : : : : : :ヽ
／: : /: : : : : /: /l: : : : ﾊ: l: : : : : : : l: :｀､
/: ,／/: :/ : : :_LＬ_l: : : l:l レA､:_: : :､: l : : l
/／//: : :l : : : ∧/ l: : : ﾘ l: |丶:｀: : l: l: : :l
／ //l: : : l: : : /_V＿ヾ: : |l _ヾ__ヽ: : : l:ll: : :l
/│: : ,､: : :lT亦テl ヾ: l T示┬l: : W :､:l （……冗談じゃない
l : ハ: : ﾊ｀､'::,┤ ヾ P:,:::ﾉ'lヽ: ﾄ｀,:x
V ヽ:l: :l `''´ , `''´'．: ヽl_ノ: N なにが扇動だよ）
｀ N: :ゝ､_ _ ..uノ : : N : : l
│: : :| ≧ t - ＜: : /: : :ﾊ: : :l
.l : : :|.／ |,─ ､./ //: : : l: l: : :l
.| : : :| |ィ ヽ/ // : : :/彡l､: l
|: : : | .| ⌒/ //: : : /〃彡l l
|: : : | .| / // l l /,´／ |l
_,-,ﾆ二ニ=､
／／
/:/
ヾ`､
＞+:‐: ´:￣: ￣: :`:'￣:l.､＿＿＿,／
／: : : : ／: : : : : : : : :/ : : l: : : :く‐´´
/: : : ／: : : : : : : :/: :/: : : : l: : : : ､:＼
l: : : /: : : : : : : : :/: /l: : : : ∧ l: : : :ヽ: :ヽ
/: :/: :/: : : _,:_∠Ｌ､:::/: : : /::::l l: : : : :ヽ: : ヽ
l: /://: : : : :／::/':::::/: : : /::::-H､: : : : : lト､: ヽ
l://://: : : ｲミ土=､_/: : :/:::::::::l∧: : :l: : :l ｀ヾ､
l/: :l l: : : ｲ:llo:::::::/:::/://:::テﾃヵl: : :ﾊ: : l （これがまかり通ったら
l: : :l: l: :/.:l.:l し: 」:::::l/:'::::::P::::/'/l: : :l:N: :l 老臣ぶっ殺しちまえば手っ取り早く地位が手に入る世界だ
. l: : : W/: : N ､ `‐':::l::l: : lN V
. l: : : : :ﾊ: : : ト､ ー= ノlﾊ: :ハl アタシの治めるべき公儀が 秩序が崩壊する）
l: : : : : :､: : : 「ﾌ｀‐- ,､-┬:Ｔ´: :l l/
. l: : : : :,レ､: : :ヾ､ /､｀Y/:l:l: : l
/: : :rﾆミミヽ: : ヾ､-─┤ `┤: : l
/: : /￣＼ヾヽ: : :ヾ､ l ll: : l
/: : / ヽヾヽ: : lヽ l /l: : l
/: : / l ＼ヾ､: l ヽ l //l: :/
/: : :l l ハ ヾ､l､､l l////l
／ / ｀ : .
__／ / ｉ ｀ヽ
／ / / / ,′ 丶
. / / / / ⌒/ i ,' ｣ ヽ. '.
|.ｲ / / / _/｣ !/ | ｀ﾄ､ Ｖ !
| i !/〃ﾌ:ﾊ i __ミメ、 |
| ∧ ﾊi |::::::::ｊハﾉ ノ:｀ヽﾊ |
ヽＮﾄ､ｉ（ ゝ-ﾟ'' ｒ‐ｒ |::::::::::》| i | つまり 石田三成は救うべきです
ﾉノヽ`ト-- ' ､ ゝ-ﾟｲ从 i リ
| ﾉ｀ト . ﾟ ￣´// }Ｎ ﾉﾉ!
| ｉヽ. ヾ＞- イ７ 从ｲｲ {
ｒ‐、__ｎ ﾉ /77¬ｆｒ‐ ／ ／彡ﾍ !
_.>ｒ‐ｘ' ト､' /ｉ// /ｰ‐／ ／´ ハハ
ゝ-- ､ ／〃// / .／ ／ / ヽ
,..::;ﾆ＝-､
i::/ 、
,ゞｰ--‐::':::|,..-;:ァ
／:::::::::::::::;::::::::!::::::｀丶、
/::/::::::::::/:/|;:::::;!i::i::::::....､ヽ
l:/::;'::::'オ/ !:::/へ|:::::::::::ﾞ:.ヾ:、 （といって クーデター側の軍事力も侮れない
,!,イ:::::/ !′ l::/ .lﾊ:::::|;;::::l 今のアタシじゃ あいつらにあんまり強硬措置もとれない
/i:::::!::/iTﾆT ,!;' ｲﾆﾘ,!:::l｀､:|
!:（|:'!::l ゜┘/ ﾟ‐：!:}::! ﾞ! つーか中枢に返り咲くには必要なんだよ あの力が）
|::::M::::!､ ｰ'‐' ィ:i!ﾘ
|::::|:::l:::ﾚﾞ'ﾏ¬＜:!::|::|
!::::|x<!:l |―| ,l:::|:::!
l::::::;!ヾｌ:ﾄﾐヾ、l〃!:ハ:|
,':::::::| ヾ＞ﾐV∠}′ i|
l::::::::{ ,r=-=ニＬ._〉,ノ l|
,!:::::::::l |l!l!|´ |!
!:::::::::::ﾄ、 |＜ ＿/:|
|:.:.:.:.:/:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:/! ｀i:.:.:.:.:.:.iヽ:.:l:.:.:.:.:.:∧ ､:',
|:.:.:./:.:.:./:.:.:.:.: ､／/ |:.:.:.:/:.l ∨!:.:.i:.:.:.∧ ＼
|:.:/:／/:.::.:.:.:／ >､__,, |:.:./レ'／|:.l:.:.:!:.:.:.:.:| （ましてや わざわざ縁戚にまでなっちまった連中だ
|:.|:/:,､':.:.:.:／___＿＿ !:/ ＿__ !::!:.:.|:.:ｉ:.:.:|
|:.|/:{ !:.:/:.| ￣￣￣ |' , ￣ ･::.!:.∧:ﾄ､:.! 今やつらを切れば アタシの再起の目は潰える）
|:/:.:.ヽ|:/:.:.:! .}:.:lﾚ !' V
|':.:.:.:.:>'´￣ﾞヽ､ ⌒ ィ´:.:.:.|
':.:.:./ ﾍヽ ｀Tニ ´‐.|:.:.:.:.:.:|
:.:./ l ＼／⌒ヽ､|:.:.:.:.:.:|､
/´｀ヽ/´＼-‐─-､_
,ノ" { ｀ヽ、
／ , | |､ ＼: ﾊ
/ ,ﾉ ｉ /∨. | ∨ ﾍ. }
/ ,/ ::;| |'´∨ { ⌒ヽ ﾍ.ｊ
ｊ// / ::;/|/ __ ヽ､| __＼:::: }::: ,〉
| /| .:;ﾊ ｨﾁミ Ｈ ｨﾁミ V:::ﾒｊ,/| と そう 七将も見越しての行動でしょうね
ヽ､| { ::{::ﾊ､＿,ノ ヽ＿_,ノ|∨ｉﾉ:ｉ|
ヽ､|:::ｊ、 -‐ ,|::. | | ですが いっそ開き直りも必要ですよ
{ ::|::｀二=ｒ ｒ=ﾆ":::ｊ:_ | λ
／:ヽ{/ヽ |/ヽ,/ ￣（ |__ｊ::: ﾍ
/::/|::::/ / |／ ｒ'､〈〈 }::.: ﾍ
ヽ:| |::ｊ ゝ:::. ', ::::... {ゝ-‐',},〉::ｉ: 〉
/ ;ノ | ｀ヽ、
/ :/ / | : :. , : ﾊ
| / ,' ./ | ｉ: ::/ | ｉ:. ｉ: }
jﾉ ,' :/ ／ | |:;/ | |:: : ､ |: : |
/ ,/ ..::/,.-/‐-､|. |:| ,.-|‐:|-､::. ヽ{: ｉ:. |
ｊ | : ..:::::j / | |:| | |､ ::.. λ: |:: |
| ,| :| :::::/|,/ _..... _ ∨ |:| ,_ヽ| ∨:::... ∧!:: |
| /| :| ::::ﾊ ,'´〃 ゛:.∨ |ｉ ,ｨｆﾁ心､V:､:::.. : ﾍ:: |
∨ :| | :| :::|::ﾊ: : ::}ヽ､|' "ｆ_,ﾉ:::} ` |::ヽ:::. : ﾊ.| これをうまく処理できれば……
ヽ､| ヽ| :::|::､.}:.. ;r:l＾lﾍ､ V:z;ｸ ,' ,|:::: :＼::.. }|
|:ヽ､|::::ゝ.._＿,,ノ| | :| :|'lヽ､.＿_,,ノ |:::: : : ;〉: ,/| いえ この処理に乗じて大坂になんとしても乗り込むんです
|: :ｉ: :::::ｉ:ヽ" l´| | :| :| | ゛゛ ,ｨ::|:::: : : j／ｉ::|
|: :|: ::::::ｉ:::::ヽ､.| :! " ゛ }.. __,,..イ::l:::|::: : |. |:|
ﾉ:ノ: : ::::|:::::::::::::､ ,ﾉ"ｉ:::::::::l:::|:::|::: : |: .!|
ノ'": : : :::::ﾉ::;r'´￣:;} .{ .;ﾄ￣｀ヽ､::|:: : |::. |
,ｒ:-::‐:::-:.､
|:/"￣｀ヽ::}
__,.:-┴::─ｨ'ヽｊ/:‐:-.､
,.ィ´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾊ::.::.:.:.:｀ヽ、
,/:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.::ｉ:.:.:.:.:.::|:.:.:.ヽ､:::.:.＼
../:.:.:.:.:.:.,'.:.:.:.:::ｉ::.:|;/|:.:.:.:|:.:|ｉ:.:.:.:ﾍ:::.:.::ﾍ
.ｊ.......:.:.:/:.:.:.::;-ｉ‐- |:.:.:.:|:.:||‐-:.:ﾊ:::.:.:ハ
l: : : :.:/:.:.:.:.:.:/|:.:|. |:.:.::ﾘｊ/| ∨:.:.:|::::∧:|
{:.:.:.::/:.:./::.:/__ｊ;/_ |:.:/ __!__|:V:..}:.:} さっきからさ
∨:〃::/:.:./ｵ≡≡ ｊ;/ ≡≡|:.∨::/
. ∨:.:/:.::/:| ’|::.:|;/ 脳内エスパーするのやめてくれる？
|::/.:.:/::.:|､゛ ｰ'ｰ' ィ|::.:|
／ : ,. -／: : : : : : : : ／: /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＼
. ／,.. '´／: : : :／: : : : /: : : l: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
/／ / : : : : /: : : : : /: : : :,! : : : : : : l: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ',
. /: : : : : /: : : : : /: : : /.|: :|: : : : : |: : : :l: : : : : : : : : : : : : : : : : l
/: : : : : /: : : : : /-‐ x' !: :|: : : : : |!: : : :l: : : : : :ヽ::::: : : : : : : : :|
!: : : : :/: : : : : / : : :/ ヽ| : | : : : : | l : : : |: : : : : : :ヽ:::ヽ : : : : : |
. !: : : :,.ｲ: : : : : :l : : / l : !: : : : :| ,.x-‐‐!-､: : : : : ﾊ::::ﾊ: : : : : !
|: : :/ !: : : : : :|: : / l: |: : : : :| ヽ: : !､: ヽ､ : : : l::::::l: : : : :|
|: :/ |: : : : : : ! ll｀!‐- ､ l |､: : : :| ヽ: :| ヽ: :!: : : : :l:::::::!: : : l
|:/ l: : : : : ｲ l | ,!｀'.| ヽ: : | - ..__ヽ| ヽ: l: : : : :l､:::::l: : :!
|: : : : :l l:| r'ｰ',ﾉ ヽ: | | ｀丶､ヽ:|: : : : :|:ヽ::l : |
!: : : ,.!: |! ｀ '´ ヽ! r'､__ ,./'/l: !ヽ : : |）:ヽ|: l しかしまあ 同感さね
', : / | : '、 '"'" , ヽ._,. ' l:∧!: 〉､ ,.! '´ ,):|
ヽ:l !: : :｀ヽ､ ､_ '"'" ･ l/: : : :l／ ／: l ここは あのタヌキジジイを真似させてもらおっか
'.| | : : : :|:l/丶､ `ｰ' r‐〈: : : : / ／、 : |
l: : : : |:| l:.:.:.:.:｀ ｰ,┬ '' ´ ,〉、r'ー-'､ /=-ヽ: :!
/! : : : |:! |:.:.:.:.:.:./ ' , ':/:.:.}-- ..__, !'" ｀ヽ:|
/ !: : : :|:! l:.:.:.:.:.:l｀ヽ､ / /:.:.:.l.＿＿,. l_,. --､:}:l
{ !: : : |:| |:.:.:.:.:.| ｀/ /:.:.:.:.:{ l ヽ!
家康は即日、騒動の解決に乗り出した。
まず、自ら武力制裁に乗り出す姿勢を見せ、両者の一時撤兵を成功させる。
,.-‐':.:.:.:.:.:.:.:.:.'.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:｀ヽ、
'´￣_,.＞'´. . ....:.:.:.:|.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.､:.:.:.:.:..:.:.:.:.:｀ヽ
,ｨ' . . . . . . . ./ . . |::: . ...:.:ｉ:.;:.:...... . . |. . ...:ﾍ.......:.:.:.:ﾍ
.／:.:.;/:.:.:::/.:.:.:/.:.:.:.:.;|::::.:.:.:.:.:|::ｉ:.:.:.:.:.:.....|:: . . . ﾍ . . . . .ﾊ
/:.:.:;ｨ'.:.:.:::/.:.:.:.:|:.:.:.:./ |::ｉ:::.:.:.:.:|.:|ﾍ:.:.:.:.:.:.:|:::.:.: . . ﾍ. . . . . }
ｊ／ /:.:.:::/:.:.:.:.:.ト､:/ |::|､:.:.:.:.|:.| ヽ;／:.:|::::.:.:.:ｉ::::.∧.:.:.:..|
|:.:.:::::|:.:.:.:.:.;|:.:/＼. |::|∨:.:.:|:;l ,／ ∨::ｊ;::::.:.:..|:::.:.:.:ﾍ:::.:|
.|:.:.:::::|:.:.:.:.:/|/＿__｀|::| ∨::.:|'`_＿__∨ |::::.:.:.:ﾄ､:::.:.:∧:|
|:.:.:::::|:.:.:.:;ﾊﾏﾃ〒行|ｊ ∨:| 〒:ﾃﾁﾔ７i:::.:.:.:.|::｀ヽ:::.:ﾍ、
|:.:.::::;|:.:/::ﾊ ｉk'｡ｨ::|´ ヽ:| |k'oｨ::ｊ.,' |::.:.:.:ﾘ:::.:.:.:.ｉ＼::l 前田家が黙認したとしても
ヽ:.::|∨::::::λ`--'┘ ` └'--"．ｊ|::.:.;/:::::.:.:.:.|:.::| ` アタシが管轄する伏見での私闘は許さない
ヽ| |:.:::::::ｊ ' /:|;ｨ' ）:::::::.:.:.|:.:|
|:.:.:.:::ヽ、 ｰ'ー' ノ::::./'":::::::::.:.:.:|:ﾘ どーしてもってんなら
|:.:.:.::::ｉ:::｀＞‐-ｧ-, -‐＜´:/::.:.;/-γ'´ ,,ﾌ:::|' 関東二百五十万石 総力をもって相手しようじゃない
|.:.:.:.::|‐ｉ´{ｉ ,ｨ:ﾉ_＿__,／ /::;ィ´,.f´{ ´ -‐'⌒ヽ.
,r|.:.::ｉ::| {| :|| / ／ /.:.:{ {:{ | ｊ (´￣｀,}ｰｒ‐'
< |:.:.:|:ﾘ || :V ／=＝"ｊ:.:.:/ {:{ | {(_￣゛ |:: |
ノ" ヽ､:{＼ヾ､|／ _,.-‐ｧ'|::.:{ Vﾊ ( ￣__,ﾉ:: ｊ
／ ` {"ヽ、 ,ｨ'´ / |/ﾘ ヽ. ｉ λ::￣:::::: ,人
／ 〈 ハ,/ _,ノ :::::V `=ﾆﾆィ"::∧
.〈 ~｀ヾ::::..ﾉ,＞ ＜´ :::::`ｰｒ---‐'´:::::.:.:∧
問題はここから、どう双方の納得を得ながら処罰を加えるかである。
／{ . -‐ｧ 『石田三成。
. /{ /: : :|,／: : ∠.. __,
{＼{: ∨: : : :′: : : : : : :厶 -‐ｯ‐ 公儀重職にありながら、伏見城を不法占拠、喧嘩私闘に及んだ。
〈＼:` : : : : : : : : : : : : : : : : ∠... __
､__ミ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :､:_ノ′ 知行地・佐和山での謹慎が適当。』
､_＼: : : : : : : : : : : /:/: :i: : : : :､ ＼_,
､ミ:_: : : : : : ｉ : : : /:∧l: ト!: :i: : ｀て´
｀フ: : : : 爪l: :/:/:/┰ミl_ｊ川: :`弋｀
｀7: ／: {〈/|/|/|/ `ー‐｀´从: :､トミ
/イ: :/i人丶 Ｕ u ｀７＼|
__.厶/￣￣ミ._ . --､_, /
´ ｀￣￣⌒＼‘⌒ー'／ ちっ……ほとぼりが冷めるまで仕方ねぇか
／ ´ ｀.ト--′
/ / ,ハ
＿ __ _ 〈. |
｀ヽ{. ＼ }
＼ ＼ ハ
､}｛＼, / ∧
, ,ﾍノ^ソ ｀´ ﾞ´ ￣ー―ァ＿
＿」ヾ 彡z 『加藤清正以下、七将。
_＿ゝ ＿ ﾐ彡,
＞ ソ _＿彡＝ﾐz ＞ 同じく自邸謹慎。三成討伐の要は認められない。』
＼ ´ kヘヾ､j'｀´ 彡 ゝz
ノ ｿ'从ノ ｀ く,; ≦
７ i ＿ ﾞヽ ﾐz 〉
{/i .| ､ ／ ｀ヽ ! r-､ ７ツ
ﾐｿ! { ､ _z彡ﾞzニ≦― i / ,ﾍ Y ＜_
|j二≧t ｀ ﾐ、｀´_,.．' { } /_, i .} シ
',ヽ｀゛j ￣ } j ﾉ y' /〃 ふんっ
', ﾉ ミzj .｡･ﾟヾﾐﾞ
', ヽ _ｰ __,, 〃ﾞ i.| !|i.!
', _＿____,,..．-'''" ／ j !.|.||i
', ､＿__,,. ' ／::; ﾞ' .´ﾞ'|
ヽ ／::::::,' i
＼ ＿_,.．-''´:::::::::;' l
￣}:::::::::::::::::::::::::; ' !
喧嘩両成敗ではあるが、謹慎と譴責のみに留められた。
ただし、三成は事実上の五奉行失脚となり、七将側に有利な判定ではあった。
また、三成の妹婿で唐入りの目付・福原長堯が、職務で私曲があったとして減封処分となった。
／ニニニニニﾆ=‐-,,,__
/ニニニニニニニニニニミ_
}/ニニニニニニニニニニニﾆヽ
〃ニニニニニニニニニニニニﾆ}
iニニニニニニニニニﾆﾆﾆﾆﾆﾆ/
|ニニニニ/ ⌒ }ニ/}/}／}／}／
i!ニニニﾆ乂 ≧ニﾆﾆ}=={ニﾆ}
､ニニニニ≧ヽﾆﾆﾆ/ キﾆ/!
＼ﾆ{⌒ヽミ ￣ 〉 i とばっちりだな
＼≧=‐.u _ __ , /
}､ ヽ､ _ /
／{ ＼ ￣ ﾆ{´ｧ
／ﾆ=-､ ≧=}￣ヽ⌒ヾ=-,,_
_,,=ニニﾆ=- ミ ヽ､ }ヽﾆﾆﾆ=-,,_
,=ニニニニニニ=- ≧=‐} i!ﾆﾆﾆﾆﾆ}
/ニニニニニニニニ=- ∧ i! ヽニニ} ［福原長堯］
{ニニニニニニニニニﾆ=- ∧ i!. |ニニi!
これも七将の要望に相当配慮したもので、ガス抜きである。
秀吉が健在ならば、まずこんな決着ではすまなかっただろう。
ｉ| | | | l| ll l ! i ｌ|
ｉ| |＿_」!_,斗'LﾆﾆlL二ﾆlﾄ―-┴-ﾆ.」! l .!!
ﾊ ｉ | | ! ｉ|
八 ! | ――- -―― | j! ｲﾄ､
ゝ,ﾄ l ＿ ＿ | ｌ! /､|、
∨入ﾚ z=＝≡ミ ィ≡＝=x j人∧}
i ﾚう ｲｿ.ｲ
ヽ ゞ i /ノﾉl| わらわの足下で私闘じゃと？
|` 圦 レ1| l|
| |∧ ＿ ＿ ,ｲ| .!| i| 不埒者は全員 一族郎党まで死罪じゃな
| ﾄ、丶 ∨ / ∧ ! .i! i|
| | ヽ,ﾊ.＼ ` ｰ ' , く _i ﾉ| |! i! 耳鼻を削いで磔刑にして朽ちるまで晒しておけ
| | 「 Ⅵ 1 ､ . イ|川´ Y;i! |! |!
| | ∧ ∨| ＞-＜ |Ⅳ | i! |! |!
| | ﾍ ∨ ヾ! l 八. i! |!
ﾉィ个:､ _ｊ＿_,> ﾄ､ﾉ ,､ ヽ i! |!
／.:.:.:.:.'ｖ'´ l´ i｀ヽ / 1`ｙ':｀丶i八
／ .:.:.:.:.:.:∧ ! i l ,/ .i| /.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ［豊臣秀吉］
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ゞ爪 ! 厂｀ ´￣7 jlﾚ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
政治的妥協を重ねたとはいえ、秀吉、利家に替わって紛争解決を成し遂げた実績は大きかった。
閏三月十三日。家康は軍勢を引き連れて伏見城西の丸へ入城。
／■＼ ／■＼
∩；・∀・∩∩；・∀・∩
ヽ 丿ヽ 丿
￣|￣|￣|￣|￣|￣|￣|￣|
| | | | | | | |
| | | | | | | |
| | | | | | | |
| | | | | | | |
| | | | | | | |
二二二二二二二二二二］
∧ ∧ ∧ ∧ ∧ ∧
|i | |i | |i | |i | |i | |i |
州 州 州 州 州 州
.|| ＿ || ＿ || ＿ || ＿ || ＿ || ＿
.||／●＼ ||／●＼ ||／●＼ ||／●＼ ||／●＼ ||／●＼
.||( *ﾟДﾟ) ||( .｀Д´) . ||( .・Д・) ||( ｀Д´) ||( .｀Д´) .||( .・Д・)
⊂ ） ⊂ ） ⊂ ） ⊂ ） ⊂ ） ⊂ ）
|| ∪∪ || ∪∪ || ∪∪ || ∪∪ || ∪∪ .|| ∪∪
伏見城における家康の権限は曖昧だったが、非常時を利用して城内を掌握。
大坂と京を結ぶ要衝、そしてかつての秀吉の府城を指揮下に置いた。
同二十一日。毛利輝元と誓書を交わし、互いに異心のないことを確認。
＼:.:.:.:.:.:｀ヽ
､ -‐…‐-＼:.:.:.:.:.:.Vヽ/＼
_＿__＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: /.:.:.:.:.,
＞‐-:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i
,.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾄ.:.:.:.:.:.:.!:.:.:.:./､
,＿___,:.:.:.:.:.:|:./‐ヽ .:.:.:. |-＼,メハ:.:.:.:.:.＞
／:.:.:.:.:.:.:|/-=ﾆ＼:.:.:|=／⌒ヽ|:.:.:.:}:.＼
／:.:.:.:.:.:.:.:.:.|／⌒ヽ ＼| /ヽ :.:.::/:.厂
￣￣/:.:､:.:.:|′ /ヽ __ ! ｲ＾Y いやー 最初からボク 家康さんと仲良くしたかったっすから
|::/i＾ヽ| __ , , ) ;
|/..| ,ヽ _＿ ｀ -‐ ヲ /／ これも政権安定化のためっすよ
.人___､ 辷_,,.. -‐ ´ ,.:'＼
∠个:... イハ厂
__＿从/ | ｀¨¨ |========┐
|「￣ ,| ｀| .0 ||
|| 0 .′ | -=≦_ _＿＿____
_,. -‐ _」L,,,,, /‐- -‐ | 7/ ¶
.／. ¶ |}￣￣ /‐- ..,,___,,... -‐, // :|} } ［毛利輝元］
/ { .:|} |} / V ′_＿_|}____ /
./ ',.____|}＿..|} ./ ∨ {| /.′
利家と三成が去った公儀で、中国・関東それぞれの覇者が手を組むこととなった。
こうして、家康はわずかのうちに、対立派閥をほぼ無力化。政局の主導権を握った。
_, -‐''"`: : : : : :j: : : : : : : : : : : : : : : :｀: ＜
,. ‐'" ,.-''" j: : : : : :.:i: : : : : : : : : : ヽ: : :｀: ､
,.-'ﾞ;.: -― ｧ': : : : . . . . ! ::{: : :::. : : : : : : : :`､: : : ｀:､
,.=' '"´ ／: : :,: : : : :/: : .::|: : : . . ...jV. . i:::. : : : : : : :. V: ヽ
'′ ,:': : .:::/: : : ::/: : ,;::/!:.i: : : :.:::ｌ V:_:j_､::. : : : : : : : : V. . : : :i,
./: : .:::/: : :.::::j: :/ﾞ:/ヽ|: !: : : :::j ﾞＶ: iヾ`:､: : : : : : :!: :V: : : :.i,
.,': :.:::;:ｲ: : .:::::::!: : :/ l:j !: : .:::| V:.! ヾ::::. : : : : : i::. :V: : : :i
': ::; ' .i: : :.:::::::j: : / !| ∨: ::| Vi ｀､::::. : : : : !::. :.i: : : :.!
!: / !: : ::::::::::!: ;′ ﾞ| Ｖ: :| ヾ ∨::. : : : |::::. :i: : : j
j:/ j: : ::::i:::::::!:{ --―‐ ｀、| ﾆ二二ミ ∨:. : : ji:j!::. i: : :l
{' !: : ::::l::::::!{:l 三三 ヾ 三三三ミ λ:::. : !:!|:.V:i: :,!
！: :::::};:::|::::! ' ・ /::ﾍ::. :|-､l|:Vi:.j
i: : ::| Ｖ|::/ /::::::ﾍ／ﾞi |:|: Vj
V: :! ヾ:ﾞ:.、 ｰ'ｰ‐'′ /:::::::::/ ./ﾉ:.|:,:-､
Ｖ:! `:::::`:.,､ /::::: : / /:::::／ ,ﾉ
`:| |: :::::::::|::l:`i::..、 _,,.. ィ'::::: : :/ /::／ ,ｨi
l: : ::::::|:ﾊ:::ｉ::／￣｢ ,./:: : : :/ `゛__,∠:|i
!: : :::::|l >'ﾞ /-'} ／/: : :r''ﾞ⌒ヽr'´ ,__）|
ｌ: : : ::ﾚ" / ／ /: : : { -`ーく_／ }:|
l: : : :.|,,...､/`フ-､ /: : :／!、 ;:::::(__,r ,/::|
ただし―――
,、 /|
. |＼|ヽ./:::V:::l .ィ
ﾄ､j:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|／:./,..ィ
ト..ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:...:.:.:.／:..厶..ｧ
. ＜..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:...:.:...:.:.:.:.:::::＜＿
. ヽ￣.:.:....:.:...:..::::::.:.:::.:.:.::::::::...::::::::::::＜
. ＜`.:.:.:.:.:.:.::..::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::弋_
≦.:.:..::.:::::::::::::::::::::::＞一 ､::::::::::::≧z ……ほとぼりが冷めるまでだ
. ／.::く}ｲ::::::::::::::::::／__≦二_ ＼::::ト＼
￣ﾉィ:ﾍ}ｲ:/j斗≦ ´ -- _`ｰヽト
/ｨ＞ ´ ｀ミ ､
／ ＼
. i ＼ ＼
| ヽ-― ¨¨¨¨¨¨ 丁 丁¨¨ ‐-ヽﾊ
| 丶 i | | } i|
: : /⌒/: : : : : : : : : : : : : : ://: : ／l: : / l: : : : :ｲ: : : : : : : : : : : : : : :: : : : : : : :
:r' /: :ｲ: : : : : : : : : : ::／/: ／ l: ::l l: : : : :l l: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
:l .//l:/l: : : : : : : : : ／=7‐-､ l: / l: : :ｲ::l l: : : : : : : : ::: : : ﾄ,: : : : : : : : :
:; ｲ' lf l: : : l: : : : / /'" ｀ヾヽl､ l: ::/ l:l l: : : : : : ｲ: :/l: :l l: : : : : : : : :
:ﾍ ヽﾉヽｲ: :ﾄ,ll:: : :/ <￣￣T¨ｧ,､lヾミl: / l:l l:: : : : : :l l:/ l:/_l: ll: : : : : : : :
/∧＼＼{l: :l ll l: :/ ヽ、 ゞ='' ¨ヽ:l/ミ彡/ l: : : : : lﾆl:l≠ll´_l::l l: : : : : : :
､/∧ l::l ! l/ ｀ー､＿＿,.-'l! l! l:ll: : : 匕_ラ´l!ﾞアl j: : : : : : :
＼/｀ヽ__l/ { ! .ll l: : / ､ __ ／ l:l/: : : : : :: ::
. ＼ﾉ { i ｌ: :ｌ / : : : : : : : : :
＼_ヽ l l:/ /: : : : : : : : : :
,.∠ヽ l. l! /: : : : : :/ l!ヽ:
//￣l| l ／l: :ｲ: : :/ ∧ 俺は絶対に諦めねえぞ
. //: : : ﾘ ノ､ｰ､_ - __／ ／ l: / l: :/ヽ
//::: :::/ ＼ ＼_ 二ニﾆ=､＿＿_,. ／ l// l::/ l￣￣
//: : : ::{ ＼ ￣｀ー＝＝＝r" < //: /L,.-¬､≦
//: : : :/ ＼ ＼ ー--- _ < ＼／￣￣￣ ｀
. //: : : / ＼ ＼ ＜ ヽ ／ ＼
佐和山に退かされた石田三成は、かえって権力への執着を強めていた。
そう、つい先日までの家康と同じように。
―― 第七十五段 終段 ――
でも、執着といっても性質は全く違うよね
家康に伍するには、信長の嫡孫抱えて遺児をすりつぶした秀吉にならないと
家康にしても、座して待てば信玄とその後の武田の二の舞って腹だろうし
秀吉は自分の死後三成をどうしたかったんだろうかね？もしくは何を期待してたんだろうか？
利家マジ傾奇者
かんにんやー！しかたなかったんやー！って土下座する輝元も近いな
いろいろギスギスしているようで・・・
ってかよく見れば今回やる夫義光でてないな。
逃げるときの石田さん
輝いているねｗ
こういうときに舞台にいない人を主人公にする難しさよ
にしても上杉は傲慢ですなぁ、余裕がないにしてもやることはやらないと
どっからんな自信が出てくるのやら
どう動こうと知ったこっちゃない
義光公の兜だの鉄棒だのの拓本とか入ってたわ
昭和1ケタ頃だろうがどうやってOK貰ったんだろうな
それを持ってた君の家が気になるわｗ
誰も跡継いでないけど。
鉄棒とか兜とか今公開されてるやつじゃないかな？
現物出てきたら大騒ぎだわ。
整理できたら公開になると思うけど、今の収蔵資料整理すら終わってないし
大分先になるんじゃねぇかなぁ。
３Ｄを２Ｄに落とし込むようなもんか
┏━━━━━━━━━━━┓
慶長四（1599）年 初夏
出羽国 真室城
┗━━━━━━━━━━━┛
／´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : }}: : : : :｀:ヽ､
ﾍ||: : : : : : : , :r ,=_'_‐_´_ ｀ '‐= JL: : : : : : : : ヽ
|: ||:||, - , = r´': / ,-, フ ｀ '_r‐>-､= -､: : : : : : }
ﾍ: >/竺ヽ}: : : r //:|´ r‐'´／ ヽ: : ヽ: : : /
ヽ{ !焦ﾝﾉ 二 } ﾉﾆﾉ .ﾉ 人 ／_ノ ＼: :ﾍ:/
{｀'‐'-´ ‐::´:｀´ﾉ人､ ヽ ﾍ ´ﾉ ､ ヽ-‐,ヘ､ 歌の詠み方？
{／::´::::::::::::／{ ・ヽ, ノ､‐｀/ ｀i / ｀＼
/:::::::::::, r ' ´ ﾍ ノ ヽ＿,,､ !､ / ｀ ､
/,::: r'i´ﾟﾉ ｀ | ＼_ ノ ﾍ: :＼
'´ | ｀r _ - ､ | ／ ／: : : :
.| 'ヽ ﾜ ' | ／ ／ｸ: : : :
| ｀ _ , -― ' ‐_､ ヽ､ _ , - ‐ ': : : : : : : :
ﾍ r_'´- ‐ ￣ r｀ヽ､＜: : : : : : : : : : : : : :
ヽ ノ ヽ ＼: : : : : : : : : : : : : :
ﾍ , ‐ ´´ ￣￣ >==≧: : : : : : : : : : : :
' - -, ､r = ´ _, - ‐_, '''''／: : : : : : : ＼: : : : : : : : :
/‐=｀| r'´r―ﾂ ´ ~: : : : : : : :
{-‐i .|, -'―': : : : : ○: : : : : : :
rﾉ´=´ノ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ［鮭延秀綱］
, r'r,´=＝´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
＿_
_,,,, -‐''''.´￣ ￣'''ｰ=x
/''::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀'=､
/::::::::::::::::::::._;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;_::::::::::::::::::::|
::::::,, -''ﾞ￣_ ,,. __ _x_ __ ｀'''::､::::::::i
ﾞYﾞ ィ '´_,,,;;::==--竺:-=::ﾐ､-.`ｭﾉ
=:}''ｯ〔c_ﾞ::::::::::: ..:::::::::::::::::::..`‐ﾐ{
:Tヽ;:;;/｀'ｧ‐｡x;;;,＿＿＿,,,;;;;ィTi､__
.{.iヽY （_ _ﾉ〉 K(´ﾟ ）｀l:/ }::::､ﾞヽ､ それはまあ……
::ヾ,｀| | ﾞー ,lｲ /;;:;:ヾ､::.＼
,w'ﾞYl rV'〉 .,!ソ'' "ﾐ::jﾉ:::::::::::`ｰ できる範囲でなら教えてやれるが
, .}ミi､ ` ' /ﾐﾘ ﾐ ﾐ::::::::::::／i::::..
ﾐ,, ヾiﾐヽ, -=ﾆニニ= ,,ムｼﾞ ,,ﾐ'ﾞ::;ｨﾞ::/／:::::::.
:::ﾐi, l:;:;ゞiﾐｘ､_ _,,,ｲﾐシﾞ 彡ﾞ:／/::/./::::::::::::
:::::::ﾐ､ヾ､:;ﾞヾi}ｴｹZﾞｴﾂﾞ:/ ミ:;ｨﾞ ,,ｲ::j'./:::::::;;;;_::
// / ,. ＜三三三三三＞､
.// / ,ｨ ´三三三＞=＝＝＜三ﾊ
./ /､_, _,ﾉ三ﾆ＞ ´ rぅ＿＿て､ ｝
. / ! .} {三／ ,. ＜三ﾌ / ゝ､三≧<
ｖ､__ﾉ_ｿ }ﾆ!,. ＜へ三彡i il ﾐ"r‐tﾝ＜,ﾊ
ト! ､_}ーイﾆr{ f } 彡 ! !′ ヽｿ ﾞ /ﾆ､
! .l示≧r､}ﾆl" ﾊ ｰ 1 u.,' ′ ー ﾊ l ヽ ぜひとも
| ト＜＿ijﾆV T i , / ， ム_ | !
l iﾆ! l三ﾆﾊ , ﾄ i i| ＜｀､ｰ､｀r ' i その……他に頼るべもないもので
! ﾉﾆ| l三三 V i ヽ!{ " ｀ ｀､ヽ!＼ヽ ﾉ
/三, ,′三三ゝ/ ヾ ､ ｀f'ミtr≧く
三/ /三三三三＼_ _,.＞r==--人≦しﾆミ!
. / /三三三三三7//≧"三三三 }｀ ＜ミﾊ ﾄﾘｳﾐ
/ /三三三三三 0 "三三三三三i l三＞! ［鮭延配下・鳥海勘兵衛］
_, -‐‐';;´;;;;;; _ ...'''' -‐===‐- ､ヽ
,, ( )￣;; .. -‐ ' ´ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,, ''';;;ヽ.
,,, -''' _,,, '"ヾヽ､ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;''' '';;;;ヽ
'''' _,, -''':::::::::::::::,ヽ､ ヽ､ _ ;;;;;; ＿ ..... ---―‐--―‐‐ヽ
, ´ _ ｀:::::::::::::,,::'''' ''ﾞ｀ヽ､ ＿＿＿ , .,,,､ｧｰ,--,-‐―_-_ゝ
/ / ｀;;:::::,,'' '´ ----―･ﾅ´,ﾞ〃ｼ l
i i. < ;;::::; ｀￣￣-‐´-___ｭz. `､
! ﾄ 〈 ''::; ´ /
､ヽ`ｰ ､.l ! __/ しかし いったいどういう風の吹き回しだ
:ヽ､ｰﾞ'´ ,､ ｨ, ´, ´ ,,
"'',, ￣ ､､ヽ ,У､ ",, ははあ ついに女ができたか？
､ ,,""ｯ, ヾ.､ ´ '‐＝ﾆﾆニニ二ﾁ./ ,:.:.:.,i '',,
"'' ,, '',,:.:｀〒＝=ﾐ､ .＿ l' /:.:.:.l| ,,''
"'' ,, '',,:.:.:.:`:.､ `〒＝=＝〒￣ヾ ､ / /:.:.::.:.i| ,,''
) ｀;- 、 ､ . _ "
| ｆc ．､|ヾ,;i;i;i;/、 ____ _ _ _ .... ,: ‐､ ｀i ﾞ:ﾞ:ﾞ:.
. ＼_ ｀´ _ﾉi / ; ｀ `／´￣| i´の.｀i | .／. ﾞ:ﾞ:ﾞ:ﾞ:ﾞ: : : ; ,
￣_ '/ ! 丶._ ＼ _ ｀-' ノ ´ i ﾞ:ﾞ:ﾞ:ﾞ:ﾞ:ﾞ;ﾞ
! ,';';':'' _.i | | ｀ゝ:;:;:;:, ¨ ¨´ | ﾞ:ﾞ:ﾞ:ﾞ:ﾞ;ﾞ
ヽ. f | | !, -‐ ､ :':': ﾉ ﾞ:ﾞ:ﾞ:ﾞ;ﾞ い いえっ
i | .| ! ｜ , :' ! ﾞ:ﾞ:ﾞ;ﾞ
ｉ | | _.- ､ ﾉ U ' ,:' /;ﾞ そ そそ その ただ その……
. | ｀¨ -k ´ ,-‐ ´ '| /
| , . . .. . . ｀´ .. _ _ - .. ! /
. ! ｀r‐-、- - .._ ｀丶. ,..: ｀ / .'
ﾞ､ 丶. ｀¨- ､ ｀丶 ＼ ´ ノ
丶 ｀ ｀ ヽ ´ ´
i! , .i!三三三三三三三三三三三三三三i! i!
i! .i!三三三三三! .!三三三三三三i! , " " i!
i! " i!i三三三三三!. ,!三三三三三三i! i!
i! Ｘ"""'''＝==ヾ;ヽ, , , ,／==＝'''"""""""i! , i!
廴 冫 " , , " ' , , " , , i! " i!
,＝=ｭｭｭｭｭ、、、、、、 , 、、、、、、、、、}、、、、, ;;"
{ヽ 毟ﾘﾘ”.,r'====ミﾐｭ" " "尨豸r=＝ｭ "''ミｫ ﾐ毛彡'" `i
i 〉 豸. i!､{ 逞}゛!ｉ .`彡” { 逞}} シ ミ亥仆 .}
.i ヾ､ｉl!. `ー‐‐_'ノi | | i.廴__￣￣ !; ;| )) !
､ `ｉ|l. ._, -'" ,r‐' | | 弋___ "'''-- ヽヽ /、l| ﾉ ノ、
ヾ-!! i /// .{. | | | ///// / .l| , ' i! ……見苦しい言い訳はなしですな
i / .{. `ー! ＿__! U/ 丶 .l|ノ . i!
∧ i ; , "'-==--＝''" ､ ､ ヾ ､ ,ﾘﾚ.i , , i! 実は 好いたおなごがおりまして
.!巛l ' ,r' ""￣￣￣￣ ` ､ ヽ .i ! , i!
.!必! 廴 ´￣￣￣￣ `丶､ `, i ､.i ﾉ " i!
.!沁仆､丶 ￣￣￣￣￣ .゛`ー' i ., ' / , i!
ミ尨尨丶 i ., ' ) i!
ヽ〃〃`- i i i i i i i _,,..‐'' ) " i!
ヽ＝=￣￣￣￣￣￣ )
,´:::::::::::::::::::: -‐_ ,-v-､_ ‐- ::::::::::::::ヽ
{i::::::::::／ , , -ゝﾇ-'‐ ､ ｀ ヽ::::::::::::i}
!l::::l ､ _,,､≦ﾆ二三ﾆ∧ ∨lｉ ､_: :::::::ｌ!
iｌ::: ! ゞ､ﾐ_二三三二二 _ _乂ﾆ彡ゝ:|ｉ
. i/ ｉ ´ √ ・ `iヽ、 ‐,=i'"・ `ヽ,｀ﾟ ｉ!､:!
i´:; { ヽ､ __,/ / l ゝヽ __, / } /,ｌ
i l ,} " |∂i 素直で実に結構
ヽ_ ｉ ﾊ ｉイ
. ､_､ ,八 ヽ!;ｱ´ 八ﾘ では手っ取り早く恋歌を教授してやろう
ヾ ヽ ヽ _ _, ' / /
ﾐ ` ヽ.ヽ、 ￣ , ′´≧
ﾟ; " .ヽ ヽ、 ,／/ ､〃
´冫,, ＾ ゝ〟ﾞ_ ‐--‐ ´､'" ﾐ'
、 "丶､ ヽ／_ , ゞ ／
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;仆''从,,､::::ﾍ
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;''/'''从"''从 |;;;;;;/
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;/;;''''/''''''仆 |;;;;|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;彳"从'''' i ﾍ ,,,,,, |;;|､
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;彡 ,, ﾉ ＼,,;;;;''''''''''' } }
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;〃 ,,,,,,;;;;'''''/ / ＿,,!､´| }
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;彡 ,,,,,,,;;;;;;,;;''''' ﾍ＝・― ,' |ﾉ
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;彳 ,;;'' r ― '' _了 ゝ ヽ､｀ ‐ }
､ヽ､;;;;;;;;;彡 ' ´-=＝・-‐' ｀ヽ, }
iヽ '''';;; | | ただし 教授料はしっかりいただくぞ
､ ｀ !!､ ／￣/´ |
ヽ ､ヽ､i ｀ へ !´ ､ |,, 女との馴れ初めと 今後の展開の詳細な報告だ 勘兵衛
ヽ ＼ て _,,,,, -'''' ／｀/: '',,
＼ ＼从 !ヽ'''――ー - ｰ ―ー-‐τ /: : : : ' ,,
" 〃 ヽ ＼ 从 ヽ,''‐､-‐- -‐ｰ-‐''ﾌ´/ﾉ ./: : : {
" "〃 ヽ ､ 从 ヽ ､｀ ''' ー ‐ ´_ノ r'､: : , 〃 = ´ .
"', 〃 ＼ ＼. !､= - ､ ｀ "" ￣ /= {} } " { ＼ .
ヽ 仆ヽヽヽ､ r 'ﾍ ノ＝ﾉﾉ }
ヽ i 从ヽヽヽヽ _/ rヽ=´ノi i ﾉ
○ 第七十六段 ： 助走区間
┏━━━━━━━━━━━┓
山城国 伏見城西の丸
┗━━━━━━━━━━━┛
::／ ⌒｀"⌒｀ヽ、
::／,, ／￣￣￣￣＼
::/,／/:: ＼ このたびは 公儀騒動の鎮定と
;/⌒'":::.. |⌒ヽ
/ /､:::::... /ヽ_ ＼ 伏見城への御動座 大坂ご老臣らとの和親―――
（ ⌒ー-ｨ⌒ヽ、 /⌒`ー'⌒ ）
.`ー──ゝィｿﾉー‐ヾy＿ﾉー─"
＿＿＿＿＿
／ﾉ ヽ ＼
／ ／・＼ ／・＼ ＼
| ￣￣ ￣￣ | 政界での完全復活となりましたこと
| ////.（＿人＿）//// |
| | お祝い申し上げますお
＼ ／
_＿
／⌒ヽヽ
__＿ ,、＿＿ |/
‐＝ﾆ_ : : : : ｀Y: :`: : : : : : ｀ ヽ、
, イ: : : : : : : :l: : : : l: : : : : : : : : ＼
／;:／: : : : : : : |: l : : |、: l: : : : : : : : :ヽ
/／/ , : : : : :l_:_/|: l : : l l_:_|_: : : :ヽ: : : : l
/ /: : : :/ 'l:./｀|: l: : { ´l: |､｀ヽ: : l: : : : !
,' /| : : /: :/|{ l/l: : | ヽl ＼: : :l : : : l
|/ |: : /: :ﾊr┯┯ l : | ┯┯yl : |: :＼l
. |: :lｲ ;'ハ ｂ::| ヾｌ ｂ::! l l: l｀ｌ:`ﾒゝ 顔がうるさい
ヽ| ﾚ |: :ｌ ￣ ￣・ ｌ l/ｰ': :l
l.:|: :ゝ､._ ｰ'ｰ' _,.ｨ': : l:: : :|
|.:|: : : :__二７T ¨´lヽ､| : :l: : : |
|.:|: : :|| l´＿__7 |: : |､: :│
|:,ゝ､:ヽ │ / /: :/ !:: :| ［徳川家康］
|:l＼ヽ: l | / l: :/／.|:: :|
/ : :.／: : : : : : : : : : l: : : : : : ',: : : : : : : : : : : ＼-､ ＼
/. . / : : : : : : : ,: : :!: : : : : : :}: : : ､: : : :､ ､ ヽ ｀ヽ､: :ヽ
,: : : : : /: : : . . . . . . ../:.:./|: : : : : : :.!,: : : :',: : : :､: : : ､: : : :＼ ｀ ＼
!: : : : : :/: : : : : : : : : :,/:-/､|: : : : : :l: |ヽ: : : l: : : : ,: : : :',: : : : : ',
.i: : :. : :./: : : :l: : : : :´:/: :/ !: : : : :,ｲ:.| ´｀ヽ!: : : :.}: : : : ﾄ､: : : :‘，
l: : : :.:./: : : : l: : : : : /:／. !: : : :.:/|: | }:.:.|: : : : |: : : : :} ＼: : :.
|: : :.:./: : : :.,ｲ: : : : /´ |: : : :/ !:| ',: :|: : : : |: l: : : | ヽ: :.
|: : : :{: : :／:.|: : : :/ !: : :/ |} }: |: : : :/: i: : : l ∨
',: : :/l: :/:.:.:.:|: : :/ |: :./ |_ l:/!: : /: :/: : :,'
,: : { l:/,: : :.:|: :/ 三三三' l: :/ 三三三 ' |: :/: :ｲ: : :/
}: : :ヽ､.',: : :|:/: ', |:/ ・!}:/: :./|: :./ いや まずはありがとう
|: : : : : : ',: :l/: :∧ ' j:/l: :/ _!:/
|: : : : : :.∧: : : : ∧ {｀¨ ´ ,ｰ' _ , ｲ: :.|/／ } キミらがアタシを応援してくれたおかげだからね
|: : : : : : : :.ヽ: : : : :.＞ ､_ゝ- '´_,.. . ＜ l: : : : :l / /
|: : : |: : : : : : ＼: : : : :､ ト､￣ ヽ:／ !: : : :/ l ,.- ､ 亡き利家公の妥協がなきゃ こうはならなかった
|: : : |: : : :.:./｀ヽ＼: : : :ヽ､ ＼ヽ } ､ |:（⌒ヽl / ヽ
|: : : |: : : : {､ ＼: : : :∨､ ヽ l ヽl: /ヽ. （ }
|: : : |: : : : | ｀ヽ ＼ ＼: : l ヽ､_!l !/､ ヽ､ ー- ' ﾉ
＿＿＿_
／ ＼
／ _ノ ヽ､_.＼
／ （●） （●） ＼ そのまま利家公と内府殿がうまく折り合ってやっていくのが
| （__人__） |
/ ∩ノ ⊃ ／ ほんとは一番よかったんだろうけど
( ＼ ／ ＿ノ | |
.＼ “ ／＿＿| |
＼ ／＿＿＿ ／
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
／ ´￣ ｀(＼
/ ＼-'､ 喪中だから僕は知らない 僕には関係ない
/ ヽ ヽ
_| | |
´! / ､／ ＾ ──- ､_ ［前田利長］
＼.__ _ / //（ ＿＿＿__/ ｀ヽ
／ （（（ j─ ´ヽ// / ＼)ﾉﾉ￣｀＼＿ ／＾ヽ
(. ￣ 人. i |_＿＿_／ ＼|￣￣ ﾉ
(￣￣￣￣ ／ ｀ヽ､＿ | ´_|＿＿＼ ` ─ ､_.／
￣￣￣￣￣ ￣ ￣￣ （＿＿＿ノ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
＼:.:.:.:.:.:｀ヽ
､ -‐…‐-＼:.:.:.:.:.:.Vヽ/＼
_＿__＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: /.:.:.:.:.,
＞‐-:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i
,.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾄ.:.:.:.:.:.:.!:.:.:.:./､
,＿___,:.:.:.:.:.:|:./‐ヽ .:.:.:. |-＼,メハ:.:.:.:.:.＞
／:.:.:.:.:.:.:|/-=ﾆ＼:.:.:|=／⌒ヽ|:.:.:.:}:.＼
／:.:.:.:.:.:.:.:.:.|／⌒ヽ ＼| /ヽ :.:.::/:.厂
￣￣/:.:､:.:.:|′ /ヽ __ ! ｲ＾Y この大坂も
|::/i＾ヽ| __ , , ) ;
|/..| ,ヽ _＿ ｀ -‐ ヲ /／ いよいよ俺が主役っすかねえ
.人___､ 辷_,,.. -‐ ´ ,.:'＼
∠个:... イハ厂
__＿从/ | ｀¨¨ |========┐
|「￣ ,| ｀| .0 ||
|| 0 .′ | -=≦_ _＿＿____
_,. -‐ _」L,,,,, /‐- -‐ | 7/ ¶
.／. ¶ |}￣￣ /‐- ..,,___,,... -‐, // :|} } ［毛利輝元］
/ { .:|} |} / V ′_＿_|}____ /
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
＿＿__
／ ＼
. ／ ＼
. ／ ／） ノ ' ヽ､ ＼
| ／ .ｲ '=・= =・= u| 代わりに手を組む相手は毛利殿 と
/,'才.ﾐ) （__人__） ／
. | ≧ｼ' ｀ ⌒´ ＼
／＼ ヽ ヽ
|:.:.:.:.:/:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:/! ｀i:.:.:.:.:.:.iヽ:.:l:.:.:.:.:.:∧ ､:',
|:.:.:./:.:.:./:.:.:.:.: ､／/ |:.:.:.:/:.l ∨!:.:.i:.:.:.∧ ＼
|:.:/:／/:.::.:.:.:／ >､__,, |:.:./レ'／|:.l:.:.:!:.:.:.:.:|
|:.|:/:,､':.:.:.:／___＿＿ !:/ ＿__ !::!:.:.|:.:ｉ:.:.:|
|:.|/:{ !:.:/:.| ￣￣￣ |' , ￣ ･::.!:.∧:ﾄ､:.! ……欲心がまるわかりなだけ素直だよ うん
|:/:.:.ヽ|:/:.:.:!u. .}:.:lﾚ !' V
|':.:.:.:.:>'´￣ﾞヽ､ ⌒ ィ´:.:.:.|
':.:.:./ ﾍヽ ｀Tニ ´‐.|:.:.:.:.:.:|
:.:./ l ＼／⌒ヽ､|:.:.:.:.:.:|､
ちなみに他の大老たちはというと、上杉景勝は中央の政争にあまり積極的ではない。
ノ´￣ﾐ､ ﾄ､_
／｀ヾ: ヽ jzzzj_ ﾑ_
/ ,.＝-ﾞ´￣,' ＼｀ ヽﾊ
／,.ｲ イ＿r-､ ﾊ:＞､＿_ ｀ヽ
. /彡'´￣/ / ﾄ∨/ ∨ ∨ｰ:､:､
_/ ' / / ,ﾙﾐv/∧ ヾ ヾ:, ハ
. ／ / ﾉムｲゞﾊ ーﾁ
,' ,イ 〃 / / ノ ∧ ｀Y
. ∨ ./ 从∧_| /,.:彡:ﾉ 人 ﾊ ヽ
{ i: 〈 , }八´ゞ从ﾍ ｀￣ミ≦､ｿ ﾉ } ノ
ヽ. |: ∨ゝミz-t・ナz〉 z=t・ ,-､,イ. Y´
从ﾘ从 彳｀＝ﾞ´彡 ｰ｀￣・彡 ノ 从｜ 国替え事業で大変な時に 石田が失脚か
.' 人|､ヾミz 三 了 ￣;´ ,:!ﾉ |
; ! ＼ミ＝- ﾘ ,.イ ／ | ! 余計な動きはしないが吉だな
,ｲ ;' | 八=｀ヽz} ｀ ´ 彡ｲ; ｜| ﾄ､
／｜ ' | ∧ 三 〉r' ´￣｀ヽ u ..ｲ/ |｜ ! ヽ
, ´ ,'|川 i | |,.＜:＞'´￣￣｀ ,ｲ:ﾊ |｜ | ､ ＼
／ ,.イ / / i.:| ! ,.＜::＞'＞ . ,.イ | ,' |｜ | ヾ. ＼ ［上杉景勝］
彡 ,ｲ / ﾉ !: (::))>'ﾞ.:::| ｀ ー＜ ,:': !｀ヽ |｜ :ﾑ ヽ ＼ ヽ
／ ／ , - ' /
,〃' ／ｰ' ／ ＿
/ 〃´／
,. -'´ ￣￣ `ヽ 、
／ `ー- 、_
、 ノ ／!/i／ヽ／/＿＿＿ ＜￣
`ー=' /／i/ヽ/i／`ー――-、ヽ、/ヽ、ヾ. ￣- 、_
〃', ＼ /ヽ ゝ` ＿＿,.ノ
! `' ＼
,ﾉ {ヽ、_ ヽ、
ゝー ' ト 、＿､ヽ＼ ｒ- ヽ、Nニ、 1｀Y
` ＞丿 r 、 ﾄ〃ヽ ､＼_ Xヽ. ,メヽ、xY N
.＿,.- ' i }!ヽ!i ! じ! `´" ` "''Yじr| |7Ｙ ﾊ /
ヽ 、＿ !,ﾊ１ 辷ﾉ///／、 ！r'ﾉ ,o/ヽ!ｔ―- 、 やる気はあるんだー！！
イ, - i i とﾉ ＿＿ i,〉 `ー Yつヽ. ＼ }
〃 / ﾊ,. ,ゝ . ヽ /y'r ＿_`ー―-- ｧ y' ヾヽ＼!Z、 あるんだぞー！
i,/ !／ !ヽ、`1 ￣￣ ”'/ ,／ヽ、 /ﾉ
,r '´ ヽ､i. 人＿ !´/ _,.- '´￣! ,//
/ i ,＿ ゝ ￣￣`ー‐' ﾉ' / ,// ［宇喜多秀家］
宇喜多秀家は本国の備前にて、財政問題が家臣団の分裂に発展しており、気合が空回りしていた。
公儀の実務を司る奉行以下、官僚グループは割れていた。
家康ら、大大名の力や意向を柔軟に取り入れることで、公儀を立て直そうという党派。
. ､＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
､＞ |
＞＿＿＿＿＿＿＿＿ .|
￣ .|./＿ ＿＼ | |
| / ヽ／ ヽ | |
. | | ／ | ＼ | V⌒ｉ だ だから
|.＼ 人＿_ノ 6 |
／ ○ / 僕は徳川とうまくやっていこうって……
. ε U 厂
＼ ＿＿＿＿_／
￣￣, -/へ／＼/｀- ､ ［増田長盛］
／./ ./op i. ＼
_,,,......,,,
,,,''" ﾞ''丶
i;;:::::＿::::_:::_ :::＿ヽ
!:::::ノ ノ ー l
r､| ｲﾟj` 'lﾟj`l 徳川が好き勝手やった結果が
､_: ｀ ' ｀ ﾉ 今の状態じゃないのかい？
ヽ､ ー- ／
`i -'イ_
⌒/＼／ /￣⌒ヽ
l.／＼/ ヽ ［長束正家］
そして、大老に主導権が移っていくことを嫌い、脅威とみなす党派。
立場も思惑もそれぞれの人々がひしめく公儀、台頭する家康。
それを中小の大名たちは息を詰めて見守っていた。
,,．: ''''""~""'''‐．.
／ ＼
／ ノ ＼ ＼
/ ( ● ) (●) ｀､ （内府殿が公儀を直接掌握できるかどうか
./ ／ ＼ ',
i （ 人 ） U ', まさに佳境だってのに……）
! ｀ﾞ'´￣｀ﾞ'''''´, |
＼ ,.'
> ／
／ -----‐‐‐'''"~ ＼
／￣｀ヾ:`:.
{ ﾞ!:.}
/:＼＿,∠.._
_,. _-_:‐:‐:|: : : : : : : : ､:｀: .、
／´: i.:,!: : :|:i!: ､: : :丶: : ヽ
／ｨ: : : ﾚ‐!: : |:!'⌒､: : : :＼: :i
.//./: : : ;1! ∨: l| ヽﾄ､: : : :ﾄﾞ:､
〃 !: : : { |Lz,,Ｖ:.{ ﾆ弐ｬ:､: : !: :!
'′ |: :.;!:iﾊ｢l､,l ﾞ､:. ﾄイl' ハ: l: ;! でー
.ｌ :ハl:::i└' ` ￣ ・i::::ﾍ:|/
V ﾞ!::ﾄ..,,_ ｰｰ' _,.､ｲ:::::バ' こんな時に山形戻るんだって？
l::::|::::::;ﾌﾌ .,!'ﾞ'l: :/:::::i.
l!::|／/´>'゛_,!:./ｭ::::::l
l};.|i!.j /,,-''.ｲ/‐￢;::::l
./ ﾞ{､i!/''／// i::::!
/ _,,.-火ﾞ､ '"i i:::i
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ― ヽ そーなんですお
／ （ ●） （ ●）'
|.u （__人__） | 六月に父の十回忌があるんで どうしても
＼ ｀ ⌒´ ,／ ( ::)
／ ー‐ ヽ ( ::)
/ ／＾ｰ r￣￣￣i
| i / ﾉ、＿__ノ
| l ／ r‐´ ￣ |
＿＿＿_
／ ＼
／ _ノ ヽへ＼ でも正直 ほっとしてもいますお
／ （ ―） （―） ヽ
.l .u ⌒（__人__）⌒ | 都ってとこは ただいるだけで冗談みたいに出費かさむし
＼ ｀ ⌒r'.二ヽ< 領国を不在にしておくのも やっぱり不安だし
／ ｉ＾Yﾞ r─ ゝ、
/ , ヽ._Ｈﾞ ｆﾞﾆ、|
{ { ＼｀7ｰ┘!
/／ ＼ﾞ､
{'′ . ヾ!
＿ /＼―－-'' ､
,.. -__''二¨- ｀/ ｀丶、
'"￣,. :'" l ヽ
／ ／ / j j ｜ ! ! ｀､
,:' ,.ｨ / ! '| ∥ !ﾞ､ l ｌ | :、
/ ,. 'ﾞ/ / ,⌒ ｌ l ! ! ｀⌒ﾄ !. l i
/'´ i ! /| ,' !l ｀、｜ ﾞ､ l｀、 l. | |
｜ l ./ l | l| ｀、j ヽ| ｀､ |.! l
|. /'! ∧ '゛_＿__ ｀､!＿＿l_ ﾞ{. |! j
！! .l |! li作三三 三三ﾐ ハ. |） ﾒ、 大名を領国から切り離して公儀の求心力を高める
{ l l.! ! ‘! ｀｣ ｀ﾄ ﾞ､ 出費を強制して体制に組み込む
V | ﾍ、 △ ,. ｲ | ｜
| |｢二フ￢ｧ ''てjﾍ､/ ! ! 殿下の狙いだったからね
| |l ／ l′ / / / i| |
｜ }′ l￣￣/ //! /ﾍ| |
｜ lﾐ:､ | / '" l //∧ |
＿ ,､ .ﾉｿ
-一＝ﾆニ ,,￣ ﾞ'一T￣~! ヽー- '´'',,_
,, -‐ ﾞ´: : : : : : : :i!: : : : : : : : : : ::｀ﾞ:.､
,／: : : ;; : : : : : : i: : ::|: : : : : : : : : : : : : : ､ヽ
. ／: : _／ :i!::: /|: : : : : :i : : : ヽ｀,
. /:,, ィ／ /: : : | : / .|: i: : : : |:ﾊ,: : : : . . . ﾍi!
/／ ./ . : : : :/: : : ,,|-‐ﾄ､.|: |: : : ::|!_⊥ _ : i: : : ::i: ﾊ
. / /: : :/: : :::i!: :／/|: / |::|i; : ::::| ヽ｀ヾ|: : : :i!: :|
l: : ::i: : : ::l: : : ./ |/ !:| l! : : :| Y: :|:::: : ::| : |
. l: : /l: : ::::l: : :/ | !| l.: ::::| ヾ:}::: : : |};: |
l: :/ |: : :::::l: : ! ＿＿_, i! ﾍ: ::|＿＿＿i!;:: : ::l::i!::|
. !/. l: : ::ﾊ:!: i!. ━━━ ヽ:|━━━ i!::::: l:::|ﾍ! ま 羨ましいこったよ
l. !: ::{::!,X:|:i ,,,, . ｀ .,,,,, ・i!::|::::l::::|
ﾍ:::|!:｀ﾍ| l l::::|::i!:: | アタシには帰る自由だってないからね
ヾ||:::::|:::::ﾞ's､., ⊂ﾆニ⊃ ,..ィﾞ:::::ﾚ' : :|
| ::::|: : : .|::::≧=‐----‐=≦::::|::: : :|:::::::|
. _y⌒ヽ-一ｯ |:::::::l: : : :i!´ {~ ~} ｀|::: : :|:::::: |
´ <´ .|::::::::}: : : :| . ﾍー-一ﾉ . l: : : i!､::::::|
（ } l:::::::ハ: : : lヽ ', / |: : : l /,:::: |
ヽ _,,ノ l ::::/ ﾍ: : ::l ､ヽ ヽ / .ノ|: : ://:ﾊ :: |
ゝ一'' |:::::! ヽ: ::l ヘヽ V ／´l: : /' ﾊ:: |
「不断在京」―――家康の帰国が制限されたのは、秀次事件時の血判誓書による。
その時、同じく誓約したのは前田利家、毛利輝元、小早川隆景、宇喜多秀家ら。
／／_....:‐‐:.:.:─,:.:-:...､ ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.丶
／∠イ:.:.:.:,:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:｀ヽV:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
/:.:./:./:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.j!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:',
/:.:.:.:./:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:l:.||:.|:.:.:.:.:.:.:.i:.:.:.!:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:',
/:/:.:.:.:.:.:.:.::/|!:.:.:.:.:.:.|｣ | |:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.!:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l
,:./:.:.:.:r― ´ ー―'´ ｀ー ､:.:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:!
,:.:リイ´ ｀ヽ:.:.:.:}:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:| ＿
.':./:.:.:! ＼/:.:.:.:.:.:.}:.:.:.:.:}─‐ ' /
|:.|:.:.:.:', __＼ ,ノ__ /:.:.:.:.://:.:.:.:.:.ト､＿＿_/
|/|:.:.:.:.', ''７｡ﾈミ､ ' ,=ﾃ｡≡ﾇ- /:.:.:.:.://:.:.:.:.:.:.'
. ﾄ､:.:.:ﾊ ぅ_ｿ _ぅ__:ソ /ｲ:.:.://_ヽ:.:.:.:.' これからは常に在京し 拾に奉仕せよ
ト､∧ 〃j／ /( |:.:.:.:.!
|:.:.:.:.:, ノ／:.:.:.:.| 勝手な帰国は許さん
|:.:.:.:.:.., ｀ .ｨー:.':.:.:.:.:.:.:.|
|:|:.:.:.|:.ヽ. ‐っ !:./:.:.:.:.:.:/:.:.:.:| 特に家康と輝元は同時に下国することを禁じる
|:|:.:.:ﾊ:.:.:.:＞.. , |:.l__:.:.:.:,ｲ:.:.|:.:.|
|:|:.:.:|:.}'⌒ﾞ|:.:.|｀:>､ -=' ＿_ノV ヽ/|:.:.:.:|:.:||
||:.:.:.|:.| |:.:.|:.:| ｀{/!￣￣ / /:.|:.|:.:.|:.:l:|
||:.:.:.|:.| |￣｀_Y⌒ヽ==- ､_ / /:.:.|:.|:.:.|:.:.||
ﾉ:.:._ﾉ=| |:::::::ノー(⌒::::::::::::/ , ｀ ー :._!:.:.l| ［豊臣秀吉］
/⌒´/ | |｀フ::/ |｀|ー ､_,' / ￣｀ ＞､
/ } }-､ノ /:::/ |::::! /-､ノ ／彡´⌒ヽ
つまり五大老の面々は、秀吉か秀頼の許しがなければ帰国さえできないことになったのだ。
目的は秀次死後でも公儀に権力を集中させておくこと。そして秀頼を権威付けること。
,ｲ │
// |:!
//,. -/r‐- ､| !
/,/ ./ | _」 ﾄ､
/.＼`/ |二...-┘ ヽ
i ,.>､;／ｰ- ､ l
! ∠..＿;'＿＿＿_＼ |
∧＿∧ ∧＿∧ ∧＿∧ ∧＿∧ ∩ ,!ｲｉ´●｀> <´●｀> ｀＼.､ヽ.
（∩´∀｀）∩´д｀）∩´∀｀）∩´∀｀） | |／'´ | ￣､_,､_, ￣ |＼ ヽ、
（ ∧∩∧ ∧＿∧ ∧＿∧ ∧＿∧ . | |＼ | !.ノ | `''-;ゝ
| （∩´∀｀）∩´∀｀）∩´∀｀）∩´∀｀） ＼ ＼| |. ‐''´
（∧＿∧ ∧＿∧ ∧＿∧∧＿∧ ＼| |
（∩´∀｀）∩´∀｀）∩´∀｀）∩´∀｀） | | |
（ ∧＿∧ ∧＿∧ ∧＿∧ ∧＿∧ | | | ［豊臣秀頼］
| （∩´∀｀）∩´∀｀）∩´∀｀）∩´∀｀） .| | |
（∧＿∧ ∧＿∧ ∧＿∧ ∧＿∧ | l ∪
（∩´Д｀）∩´∀｀）∩´∀｀）∩´▽｀） | /
（ ） ） ） ） ＼ ./
さらに有力大名が国元で事変を起こせないよう、身柄を拘束する狙いもあった。
＿＿＿
／ノ ヽ､_ ＼
／（●） （●.） ＼ まったく難儀なもんですお
／ （__人＿,） ＼
| ｌ^l^lｎ ⌒ ´ | ほんとはみんな 腰落ち着けて領国統治もしたいだろうに
＼ヽ L ,／
ゝ ﾉ
／ /
|:.:.:.:.:/:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:/! ｀i:.:.:.:.:.:.iヽ:.:l:.:.:.:.:.:∧ ､:',
|:.:.:./:.:.:./:.:.:.:.: ､／/ |:.:.:.:/:.l ∨!:.:.i:.:.:.∧ ＼
|:.:/:／/:.::.:.:.:／ >､__,, |:.:./レ'／|:.l:.:.:!:.:.:.:.:|
|:.|:/:,､':.:.:.:／___＿＿ !:/ ＿__ !::!:.:.|:.:ｉ:.:.:|
|:.|/:{ !:.:/:.| ￣￣￣ |' , ￣ ･::.!:.∧:ﾄ､:.! そうねぇ
|:/:.:.ヽ|:/:.:.:! .}:.:lﾚ !' V
|':.:.:.:.:>'´￣ﾞヽ､ ⌒ ィ´:.:.:.| 国元を家臣任せにしときゃ 問題は必ず起こる
':.:.:./ ﾍヽ ｀Tニ ´‐.|:.:.:.:.:.:|
:.:./ l ＼／⌒ヽ､|:.:.:.:.:.:|､
∩＿
〈〈〈 ヽ
＿＿＿_ 〈⊃ }
／⌒ ⌒＼ | | その点 徳川家は安心ですお？
／（ ●） （●）＼ ! !
／ :::::⌒（__人__）⌒:::::＼| l 関東に戻られた秀忠様のお働き 家親から知らされてますお
| |r┬-| | ／
＼ ｀ ー'´ ／／
/ ＿＿ /
(＿＿＿） /
やる夫の次男・家親は、家康の嫡子である秀忠の側近となった。
上方政局での手札の一つとして秀忠は帰国し、家親も随行している。
＿＿＿ , --――-
, ...:::´::::::::::::::::::::::::｀::::...､ ／:／￣￣｀
／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::丶 /::::/
／:::／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ〈
/::::／:::::／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::_::::::::::::｀ー-- ､
/／／ア:::::::::::::::::::::､__:: -‐ ア:::;ｨ:::::::::::::::::::::/
∠／::／:::::::::::::::::,: -‐ ´ ｀´／::／/:::::::::::::::::::/＼ ［家康嫡子・秀忠］
,':::::／::::::::::::､_７ミヽ､. ∠_／ /:::::::::::::::::／:::::::::ヽ ＿__,＞ Ｙ´'ー-､
,':::/:::::,:::::::´/ / l:::｀::::ミヽ /::::::::::::::／!::::::::::::::ヽ ＿>ｚ二_ ＿__`ー≧＿_
/::/;:イ:::::::::/ i. う:::: :/ } .／::::::::::／ヽ/:::::::::::::::::} ＞┴'´￣｀ ‐-､￣ ７ ＜
/::/:ゝ':::::::::/ 丶 └､:/ ﾉ´::::::::::／ /::::::::::::i::::::::! ／ ヽ ｀Ｙ′之＞
/::/:/:::::::::::/ ｀ー--‐ ´ー-r /::::ヽ i/::::::::::::::!::::::::| / , l、 、 , ､ | ヽ }<
/::/::}::::::::::::}ヽ , { ぅ:／,..ｲ}::::::::::::::/}::::::::! ｌ ,ｨT７T寸寸l |i | | }ノ |
/:/:::::!::::::::::::!:::::` ､ ゝ< /::_ノ:::::::::::::/ .|:::::/ |ハ （ ●） / / ,/ﾚ′
/:::::::::::!:::::::::::ﾄ-:ｱ 丶._ ｀ ・/´::::::;ｨ:::::::::/ ｜:/ < 「)' /|/
/:::::::／|:::::::::::!／ _...-':.二＝-―‐:イ:::::／ .|::::::/ |/ ヽ､‐ ノ ,_,.ィT/
/,:.:.:.'--┤::::::::!￣＞´:.:.／::::::::::::::::_＿ノ､::::i |／ Eニ::ィ1ﾘﾊ:ｿ
_／:.:.:.:.:.:.:.:.: |:::::::::!／:.￣／_γ⌒ー---:.､:.:.:.ヽ._ ｨ':::::::::::::::::｀.:
. , -‐:.´￣:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.|_ -､:.「!:「!:.:l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:￣:.:.:.:.｀丶 ［やる夫次男・家親］ |::||::::::::::::::: ||
江戸に入った秀忠は、関八州に及ぶ広大な領国を手早く掌握し、東国諸大名との関係も構築。
早くも非凡さを示しつつあった。
. /: : : : :/: : : : :/: :/: |: : : : :| ',: : : :|: : : : :､ .､
/: : : : :/: : : : :/: :/: : |: : : : :| /⌒＼.: : : : :｜ ',
. /: : /: :/: :＿＿ノ/ '; : |: : : : :| ',. : :＼: : : :|: : ｉ
/: : /: : :|: : : : : :|:/ ′|: : : : :| ',: .|ヽ : : : |: : |
. ′:/: : : :|: : : : :/|′ '; |＼: : :| ヽ| ',: : :|: : |
|: / .|: : : | : : : .′＿＿_ ＼j ＿＿_ V: :|: : |
|/ |: : : | : : : | 三三三 三三三 | V |: : |
|: : : | : : : |! ’|: :Vl: : | なんのなんの 付き添いが優秀だったんでしょ
|: : : |ヽ: :小 ::::::::: ､＿,､＿, ::::::::: !: : 'j: : ｌ
. ＼: :| !V 八 , ｨ: : : |: : :ｌ もちろん家親くんもね
ヽj |: : : | :≧=‐- ＿ -zｧ≦: :/: : : |: : :|
|: : : |: : : :| ／ ,j |! L/: : : / : : ｌ
|: : : |＞ '" / / /: : : /: : : :ｌ
|: : : | ./￣￣￣/ /: : : /＼: : ｌ
領国統治と疎遠になる不安は家康にもあったが、秀忠の働きでそれはだいぶ軽減された。
＿＿＿_
／ _ノ ヽ_＼
. ／ （ー） （ー）＼ ウチの義康なんかはまだまだ頼りないですお
ｌ^l^lｎ ⌒（__人__）⌒ ＼
ヽ L |r┬-| | きっと どこの大名だって似たようなこと思ってんでしょうけど
ゝ ﾉ `ー‐' ／
／ / ＼
／ / ＼
. / / -一'''''''ー-､.
人＿＿ﾉ (⌒＿(⌒)⌒)⌒))
＿＿__
／_ノ ヽ＼
／ （ ●） （●）、 あっ いっそのことですおｗ
／::::::::⌒（__人__）⌒＼
| |r┬-| | 加藤清正だのの手合がみーんな帰国してくれりゃ
＼ `ー'´ ／ 大坂や都もずいぶん平和になるんじゃないですかお？
⊂⌒ヽ 〉 ＜´/⌒つ
＼ ヽ / ヽ /
＼_,,ノ |､＿ノ
／ ｀`ヾ:.、
ﾞﾞ;,
_,,.. . . . . ､/｀ヽ.-:‐:‐.-. . . ,_ ,ﾘ
_,. -,.ﾆﾞ-;.‐:'': : : : i: : : : : : : : : : : : : :｀:ヽ、
￣ , ' : :,: : : : :.l: : : : :.i: :､: : : : :.､: : : : :ヽ
. ／ . ./. . . ./.:!:.i: : : : i､:.ﾞ､: : : : :`:、 ｀、
./: :,.ィ: : :,': : : /:_/ｌ:.l.: : : : iヾ:;v､: : : : :ヾ: : : . ｀.
/:.;.' /: : :.:i: : :イ /` i.:!、: : :.! ":､ﾞ､＼: : i,:ﾞ､: : : : i
/:/ i: : :.::::!: : /:/ !:!､: : :.| ＼､: : : :!':,ﾞ、: : :l
j/ .l: : .:::;::!: ://二二 ヾﾞ､: : |ニ二,,`:､: : :i: i:i: : : |
|: .::/!:::!: ハ! 行下 ヾ: | /示刀ﾍ: :.|: ﾘ: : :.!
l: :/ !::::i: ﾊ っ::| ヾ! っ::/ /:::ﾍ |､: : : :l
.l:/ l;::::V !i `-┘ └-'．/;::::::ﾊ!,!: : :.i
{' i::::l. |:l、 ' /::::: :/‐':: :|: j
V! .|: :`::;...,,_ ´` __,.:': : : :/:|: : :: :!:i
ﾞ{ !: ::::|::;!::::丁::Ｔ"／: : : ;.ｲ:::|:. : : :jj
l: : ::|::!i:::::::i:::;:!": : : :, '{::::!::j::: : : :{
i: : ::!j У`>: : : : ∠,,_ l::::i::l:::. : : :i
i: : :j/ ｨ゛: : ;.-"三ミﾐ:i::::i:|::: : : :.i
i: /／/:.;.‐"´ ｀ヾi:::i:!::: : : : !
＿＿＿_
／ ノ ＼＼
／ （●） (●）＼
／ ∪ （__人__） ＼ ……へ？
| ｀ ⌒´ |
＼ /⌒)⌒)⌒) ／/⌒)⌒)⌒)
ノ | / / / (⌒) ./ / /
／´ | :::::::::::(⌒) ゝ ::::::::::/
| ｌ | ノ / ） /
ヽ ヽ_ヽ /' / ／
ヽ ＿＿ ／ / ／
,ィ´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..::/.:.:.:.::::::::;:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
／::／.:.:.:.:.::.:.:.:::/:.:/|::.:.::::ｉ:::/7:.:.:;/:.:..:.:.:.:.:.:.
/,ｲ:.:.:..:.:.:.:.::/::.:;ｨ'.::/ |:.:.::::ｉ;/ |:.:.:|ｉ.:.:..:.:.:.:.:.::
'"/:.:.:.:.:./:..:/.:.::7::_/__,ノ|.:.:.::ｉ:| |:.:| |:.:.:.:.:.:.:.:.:.
|:.:.:.:.:.:/:.:/.:.:/ |:/ |:.:.::|' ｀ｰ|-|-|:.:.:.:.:.:.:.::
|:.:.::／|:./7|::ﾊ 三ﾆｭ､ |:.:::{ ヽ| ＼.:.:.:.:.::
j::／ |//:.:ﾘ::j ヽ:| ヾﾆ三. /:ヽ､::.:
'" |:.:.::::ﾉ ゝ-､__, ・/.:.:.:.::∨ あー いやいや
|:.:.::∧ V.__丿 /.:.:.:.::/ }.:
|:.:..:.:::::ヽ、 ,/.:.:.:.::./ノ.:. なんでもないんだよー
|:.:.:.:.:ｉ:| ｀ ｰ‐ｧ-‐τﾆ´/:.:.:.::ノ:.:.::ｉ:.:
|:.:.:.:.ｉ:| ｊ ,ィ´／:.:.:,ｨ´::.ｉ:.:.:.|:.:
| :.:.:::ｉ| /｀`／ ／:.:.:／ |:.:.:.|:.:.:.|.:
|:.:.:.::ｉ|. / / /:.:.:／ ,r' ~｀ﾍ::|.::.:.|:
／ : ,. -／: : : : : : : : ／: /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＼
. ／,.. '´／: : : :／: : : : /: : : l: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
/／ / : : : : /: : : : : /: : : :,! : : : : : : l: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ',
. /: : : : : /: : : : : /: : : /.|: :|: : : : : |: : : :l: : : : : : : : : : : : : : : : : l
/: : : : : /: : : : : /-‐ x' !: :|: : : : : |!: : : :l: : : : : :ヽ::::: : : : : : : : :|
!: : : : :/: : : : : / : : :/ ヽ| : | : : : : | l : : : |: : : : : : :ヽ:::ヽ : : : : : |
. !: : : :,.ｲ: : : : : :l : : / l : !: : : : :| ,.x-‐‐!-､: : : : : ﾊ::::ﾊ: : : : : !
|: : :/ !: : : : : :|: : / l: |: : : : :| ヽ: : !､: ヽ､ : : : l::::::l: : : : :|
|: :/ |: : : : : : ! ll｀!‐- ､ l |､: : : :| ヽ: :| ヽ: :!: : : : :l:::::::!: : : l
|:/ l: : : : : ｲ l | ,!｀'.| ヽ: : | - ..__ヽ| ヽ: l: : : : :l､:::::l: : :!
|: : : : :l l:| r'ｰ',ﾉ ヽ: | | ｀丶､ヽ:|: : : : :|:ヽ::l : |
!: : : ,.!: |! ｀ '´ ヽ! r'､__ ,./'/l: !ヽ : : |）:ヽ|: l そーだよねぇ
', : / | : '、 '"'" , ヽ._,. ' l:∧!: 〉､ ,.! '´ ,):|
ヽ:l !: : :｀ヽ､ ､_ '"'" ･ l/: : : :l／ ／: l 全員をココで一度に相手する必要はないわけだ
'.| | : : : :|:l/丶､ `ｰ' r‐〈: : : : / ／、 : |
l: : : : |:| l:.:.:.:.:｀ ｰ,┬ '' ´ ,〉、r'ー-'､ /=-ヽ: :! なかなか慧眼じゃないか やる夫くん
/! : : : |:! |:.:.:.:.:.:./ ' , ':/:.:.}-- ..__, !'" ｀ヽ:|
/ !: : : :|:! l:.:.:.:.:.:l｀ヽ､ / /:.:.:.l.＿＿,. l_,. --､:}:l
{ !: : : |:| |:.:.:.:.:.| ｀/ /:.:.:.:.:{ l ヽ!
┏━━━━━━━┓
出立当日
京郊外 山科
┗━━━━━━━┛
＿＿＿_
／／ ＼＼
／（ ●） （●）＼ （こないだの内府殿のアレは
／ （__人__） U＼
| ￣ | どういう意味だったんだお？）
＼ /;:| 、 ﾉ:;|
＞ {;:;::乂_,,ｯ､､_／.:;:;｝
／ ゞ彡彡ニミミｯ;;/
（ ＿б 彡〃.:.:.:.:.:.:.:ﾞヾミ、
ゞ ''"/ : :.,;"´ﾞ,;.:.:.ヾゝ
∥ ﾞi .:ﾄ'',.´;, ',;:.:"〈
ヾ :: 〈● :ﾞ;, ,;"::;●夂
八 `ヾ,|｀: : : ;, ,;:.::::｀";l 乂
/ ／,!;;;ゝ,ﾘ|; : : :; ;::.:.:;::i）! : .彡
,/ヽ／／: :,ヾ〉,;.;､:'':::.:.;::;!:::| : . |
／/ : : //ｲ::,.:..; :.｛､; ﾞ;:ﾞ;;.:"';｝:::!､_!
／: / : : //'ﾞ::;'.:.::; :,::`i.;ﾞ:.,,:''::`/::::::.:ヾ
/: : / =､/,.!::: ; :,' :' : :.:.:ヾ;∞;ｿ::::::::.:,:.}!
＿_
,.-''";;;;;;;;;;｀`'ヽ､
／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、
/;;;;､;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;､
,!;;;!ﾞ`''〜^〜ｧrr-'ﾞ`'´''ﾗﾍ;;;!
|;;;| ﾉﾘ ﾐ;;;|
_ゞ;! r─-- ､ ,rｪ--- ､ﾐ;ﾘ
!ﾍl;|. ぐ世!ﾞ｀｀ ,ｨ '"世ﾝ ｢ヽ
!(,ﾍ! ￣'" |:::.` ￣ ,ﾄﾞﾘ 御屋形様
ヽﾞ､! !; ,ﾚｿ
`| ^'='^ ﾑ'′ ご予定通り 紹巴様が出立のお見送りにいらっしゃってる
,rﾄ､ ー- ─-: /|
_..／ i| ＼ === ,ｲ.:ﾄ､
／ i| ﾞ､＼ ; ／ﾘ.:;!:::＼､＿
ﾞ! ﾞ､ `ｰ─''ﾞ:::;:'::::|::::::::::＼ ［堀喜吽斎］
ﾞ､ :::/::::::|::::::
`ヽ、 ﾞ､ ./ .| ,-､、
＿＿＿
／ ⌒ ⌒＼
／ （⌒） （⌒）＼ ほんとに来てくれたのかお！
／ ///（__人__）///＼
| u. `Y⌒y'´ | すぐに会うお！
＼ ﾞー ′ ,／
/⌒ヽ ー‐ ｨヽ
/ rｰ'ゝ 〆ヽ
/,ﾉヾ ,> ヾ_ノ,|
| ヽ〆 |´ |
＿__ ＿
-‐''"´￣ ｀ ｀''ヽ=､
,.‐''"´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
r（:::::::::::::::::,、_ｨ::::::::::::::::::::::::::::::::::
ゞ, ｒｒ〜ヅ ﾐ:::::::::::::::::::::::::::::::::
ﾌﾊ ﾐ::::::::::::::::::::::::::::::
. l __,,. -─￢,〈::::::::::::::::::::::::::::::
〉ﾞﾞ`'''Tjフ￣ ヽ::::::,ｨ ,､ヽ:::::::
. / ,.‐'" }:::/ /ヽ ﾊ::::::: ただ
/.. "´ ２ﾉ/ l:::::
. ヽ.ﾆ,｀ __／ :l:::: ちょっと面白いお付きがいるがな
. 'ｰr_‐;ｧ ｨ l:::
〈.. /:{ ヽ
｀} ／:: ! i
丶、,､. イ:::::: !
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ― ヽ
／ （ ●） （ ●）'
| （__人__） | ん？
＼ ｀ ⌒´ ,／
／ ー‐ ヽ
●
●
●
, 、 /⌒ヽ、
, 、 /::::ヽ,'::::::::::::::::::::::::)
./::::::::::::::::::::::::::::::::::::, ' 、::/
. /::::::::::::, 、::/ヽ- '｀,-‐- |
‐-,:::::,' .,':::,'ヽ｀ 、'｀ヽ'ｌ
,','｀ !〉、' , 、 ／ ヽ |
! }ゝ／ ・ ・ !
ヽ、ゝ .l いやいやぁ どーも
lﾚ } ｌ
, 了! . . .} . ｌ、 先生の連歌会でちらと顔を合わせた以来で
、, ,' !ヽ i . . . / .| |｀ ‐- _
.,' ! ヽｌ_ . . 、 __. , ' | |
. ,' ! ヽ ヽ、 ,' i ｌ ｌ
,' | ヽ ｀ -,' ｌ ! !
' .| 〉〈 | | !
、 ! , '!.:.:..:ヽ、| ／ .ｌ
ヽ !_／ !.:.:..:.:! ヽ! ヽ、 !
l / ! ｌ.:_:.,' ,! ,' !
.ヽ ! !.:.:! ｌ ,' !
! ! !.:.:..:! ! ,'!,-、, 'ヽ !
ヽｉ ! ｉ.:.:..:.! _ｌ 、_,' .< l ［上杉家臣・木戸元斎］
、 l_ -‐‐ュＦ ! ヽ、
｀' ├ヽ、 、 ヽ、_
/ 」、 ｀ヽ、_｀ゝ、-｀
／⌒ ＿
（ へ、一'、 ＼ー- 、
_r⌒ヽ、＼::::＼:::_「ヽ/¨ヽ:＼
／r=ヽ_,::::＼::＼:::くヽ ＿,,ﾉ￣/＼ ,ﾍ、
／／::::/∧¨＼:::＼＼」ト（:::::::＞ｋー豸〉ｰフ
（_//::::// ＼ ＼:::＼辷>ゞーﾄ薔｝::::/て ヽ
//:::://⌒ ｀ ⌒、く 〈_.／≠'＼::＼_ノ,
｛:l::::// 、 ＼弋/:::/ゝ≠ｲ＼:::<
ゞ {:/l >ﾆﾐ;、 ＿,, ＼＼{＿人ｯ∨}:::｝
ｒ＝与}.::::. ｀ ｀三ミヾ ∨＼｝∨∠:シ
ゝ ∨ ' .:::::::.. }::}ノ:／/ ごめんね やる夫殿
＿人 ｀ｰ-， ノノ／／
（三ﾐ心 、｀ _ﾉ 厂￣￣¨ミヽ 元斎殿が 偶然 いらしたものだから
/}ﾆニ=≧ｰ-.......-＜三＝ｰ-≠く
/ ＞ｰ=-ミ｝¨｀Ｙ´￣｀Ｙ三三三ﾐ人 無理を言って連れてきちゃったかしら
／ 厶∠二三）＞句＜}}｛ー--―〈. ヽ
/ ヾ三三ｦ∨/ 8∨/l ヾ三三ﾐｦ ｝
（ ゞテ /∧_,_,_| |ﾉ ヽゞテ /
＼ ／ ソ ｀ｒ‐--‐,l | ソ ／ ［里村紹巴］
｛ﾆ, ､二}< く／ハ＼> ｛ﾆ, 、ニ}〈
＿＿＿_
／― ―＼
／ ⌒ ⌒ ＼
／ _ﾉ ､_! ヽ ＼ ほー 偶然ですかお
| ﾄｪｪｪｲ |
＼ ヽニｿ ／
／;;;;ヽィ;ヽィヽ_, . ィ∨
ﾏ-;;;;;;k｀,'ヽ、ﾏ, 、i;;;;;;ィ
/、;;-'、'、 ヽヽ'!ﾏ いやー いい機会です
. ,' ヽ〃 ヽ へ !
___ .!_ , ヽ .! 紹巴先生を師と仰ぐ者同士 もっと仲良くしたいなー
./:::::::::ヽ ｌ ゝ .ｌ お話したいなーって思ってたんですよ
/:::::::::::::::::ヽ .ソ ! iヽ ! _ ュ、、
/:::::::::::::::::::::::::! ! !::::＼ ィ ィ' . ィ 以前の会でご披露した歌 アレ私好きだなぁ
/::::::::::::::::::::::::::::::l、 l＿__￣ __/ / ‐ ィ
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::!:ヽ、 ヽ::::!、/‐‐ ' ィ_iィ
. /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!:::::::: ィ:::::::::::/::::::::::::| / / _
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::! ィ:::::::::::::::/::::::::::::::::ｌ / _ /'
::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::::::::! ィヽ-,￣
::::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::! ィ::::::::::/
::::::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::ｌ.ィ::::::::::::/
＿＿＿_
／_ノ ヽ_＼
／（ ＞） （＜）＼ えー 坂東でも指折りの歌人にお世辞言われちゃったら
／::::::⌒（__人__）⌒::::: ＼ やる夫本気にしちゃいますおー
| |r┬-/ |
＼ `￣'´ ／ 元斎殿こそ都でますます腕を上げられたとかでー
＿＿＿＿
／ ＼
─ ─ ＼
（●） （ ●） ＼
| （_人__） | で？ ご用向きは？
＼｀ ⌒´ ／
/ ー‐ ヽ
/ ｀
__ _
／;;;;;;ヽノ;;;;ヽ_
/,;;;;;;;;;;:;:;:;::::::::::::::`y‐:::::-､
〈;;;;;;;;;r‐-､:::r‐､::::r‐､::::::::::::)
｀`ヾ{,r;;;;;;;､ ,r;;;;;;;､ ):::く
〈;;;ハ;;ﾉ 〈;;;;ハ;ﾉﾉ:::く
1/⌒ヽ /⌒ヽ ﾐ;;ハ
| ･ ･ ﾐ l
|. / _ノ さっきみたいなお世辞のやりとりをね
| / 厂
| 〈 , '| 我が主も望んでいるっていうご連絡です
}, ' , ' , ' , ' , '|
ヽ ,-―‐‐',ノL
,． -一,r'7く`ー''ﾞ´ ﾆ7｀`T ー──- ､
/ / | ,六 / | l
./ / .| / ∧ / | |
/ ＼ | 〉‐{ V ＿,」 i |
. / |￣ |/ ! / `─, | |
／::::ヽ.. .... ........ ....
i'::::::::::::::::::::::::'":::::'::::`,..:::::',
<::::::::ｒ='"ヽシヽ::::::::::::::::::::',
<;;;;;;> ,,, `"`"';;;;;;;ｿ
/:::{ <`ー'"ノ ゝ二ﾆ> ｝,
/~ヾ ＞'"ヽ ィ'"ヽ .j /＞ 、
/ o o j ヽ/ ＞ 、 両家の遺恨は遺恨として
`ー, ', ! 〈 ＼
, ', j ＼ ＼ 現実的に手ぇ握れるところは握りたい
ｘ , ／ j_／ヽ ／＼ ＼
__＿ ／ , : : : : : : :.j ヽ 〉 直江の旦那の意向でしてね
,,, -‐ " |. ゝ: : :⊂⊃ : .j ', ／
/ l ム￣ヽ __ -'"~! , ／
i l ム / ! , ／
, ! 癶 ヽ / 癶, ｌ 〉 ＞'"
! レ'"ヽ `ヽ ^ "/ ./ ! / ＞'"
! ,＞ ! ヽ ', j / .l ヽ, l
! ! ', l `{二二} ｌ ,' l
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─ ＼ 事前の交渉どおり
／ （●） （●） ＼ こちらもそれを望んでいるお
| （__人__） |
＼ ｀ ⌒´ ,／ 遺恨は遺恨として
/⌒ヽ ー‐ ｨヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ ／ r─--⊃、 |
| ヽ,.ｲ ｀二ﾆﾆうヽ. |
, -「＼‐- .._
, - ´ ヽ ＼＼ゝ＝､,､
／ ／/＼､ :. :〉{ ｒ;､ﾍ
/ ./ ./.:／ 丶､::ゝイゝ}７
i{. .:/ ./／'´￣｀ ｀ﾆﾐﾍ/ｿ
i:､::{ _{´ ､ , Vｿ
ゝ:`{ﾒ, =＝ﾐ ､_ /'
｀`i{､＿ "" ,、 , ｀`ﾞ{= ､ これでご両所の会談は 偶然じゃなくなったかしら
.人､__メ { ｿ ノ 〉
,. ┴‐ ＜￣ }､...`" .ィ'´｀ヽ / 上杉側からやる夫殿のお見送りを出した と
ｒ'´ V⌒ヽ水コゝ‐＜- ､
i: ､: . . ゝ ィｌ」 ヽヽｒ－」 ＼
ヽ: :､: :__ . . :くく.ィ oﾞ"ゝ_ゝ . ｒ: }
／ ／T: . : ＼ ､ ￣ }i:､ :i ﾚﾉ
／ー- ｖ |: : : : . . ｀丶､､ﾟ_／ ﾄ､ ヽ
. 〈 ＼ ,ﾚ. : : : : く.／i､＼L_ヽ__ ＼
, 、 /⌒ヽ、
, 、 /::::ヽ,'::::::::::::::::::::::::)
./::::::::::::::::::::::::::::::::::::, ' 、::/
. /::::::::::::, 、::/ヽ- '｀,-‐- |
‐-,:::::,' .,':::,'ヽ｀ 、'｀ヽ'ｌ
,','｀ !〉、' , 、 ／ ヽ | ええ お手数をかけました先生
! }ゝ／ ・ ・ !
ヽ、ゝ .l それでですね 最上殿
lﾚ } ｌ
, 了! . . .} . ｌ、 貸し借りはわかりやすくいきましょうか
、, ,' !ヽ i . . . / .| |｀ ‐- _
.,' ! ヽｌ_ . . 、 __. , ' | |
. ,' ! ヽ ヽ、 ,' i ｌ ｌ
,' | ヽ ｀ -,' ｌ ! !
' .| 〉〈 | | !
、 ! , '!.:.:..:ヽ、| ／ .ｌ
ヽ !_／ !.:.:..:.:! ヽ! ヽ、 !
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─＼ 次は最上方から見送りを出す かお？
／ （●） （●） ＼
| （__人__） | 上杉殿が都を離れる時に
./ ∩ノ ⊃ ／
( ＼ ／ ＿ノ | |
.＼ “ ／＿＿| |
＼ ／＿＿＿ ／
__ _
／;;;;;;ヽノ;;;;ヽ_
/,;;;;;;;;;;:;:;:;::::::::::::::`y‐:::::-､
〈;;;;;;;;;r‐-､:::r‐､::::r‐､::::::::::::)
｀`ヾ{,r;;;;;;;､ ,r;;;;;;;､ ):::く
〈;;;ハ;;ﾉ 〈;;;;ハ;ﾉﾉ:::く
1/⌒ヽ /⌒ヽ ﾐ;;ハ
| ･ ･ ﾐ l
|. / _ノ それも相応の者を です
| / 厂
| 〈 , '| 私のような 逃げのきく人間ではなく
}, ' , ' , ' , ' , '| 最上家としての誠意を感じられる者を
ヽ , __ ' , ' ,ノL
,． -一,r'7く`ー''ﾞ´ ﾆ7｀`T ー──- ､
/ / | ,六 / | l
./ / .| / ∧ / | |
/ ＼ | 〉‐{ V ＿,」 i |
. / |￣ |/ ! / `─, | |
＿＿＿
／ ＼
／ _ノ '' 'ー ＼
／ （●） （●） ＼
| （__人__） | はぁ？
＼ ｀ ⌒´ ／
／::::ヽ.. .... ........ ....
i'::::::::::::::::::::::::'":::::'::::`,..:::::',
<::::::::ｒ='"ヽシヽ::::::::::::::::::::',
<;;;;;;> ,,, `"`"';;;;;;;ｿ
/:::{ <`ー'"ノ ゝ二ﾆ> ｝,
/~ヾ ＞'"ヽ ィ'"ヽ .j /＞ 、
/ o o j ヽ/ ＞ 、
`ー, ', ! 〈 ＼ と おっしゃるでしょうが
, ', j ＼ ＼
ｘ , ／ j_／ヽ ／＼ ＼ 当家と最上
__＿ ／ , : : : : : : :.j ヽ 〉
,,, -‐ " |. ゝ: : :⊂⊃ : .j ', ／ 格の差ってもんがあるでしょう？ 現実的に
/ l ム￣ヽ __ -'"~! , ／
i l ム / ! , ／
, ! 癶 ヽ / 癶, ｌ 〉 ＞'"
! レ'"ヽ `ヽ ^ "/ ./ ! / ＞'"
! ,＞ ! ヽ ', j / .l ヽ, l
! ! ', l `{二二} ｌ ,' l
,. -―‐ ー- ､
＿ ／ ＼
／ ｀ ー- ､ iｿ´ヾl ,､_ ハ
// ,〃 ＼ ､ >!<,j- ､__ヽｧ ',
l/ l/ ｀ ｰ=(,〉 {薔}-' ﾉｒ' ﾊ
丶 !i ゝ'i_ィ､‐､" .}
', -' ｀ｰ >-、 /
! ━ ━ ｒ=っ У
. /ﾊ |l ＿'_ やる夫殿
ﾞ 「 ､ n ,.ィﾞ＿ i
´ニﾕ_＞-ｒｒ彡´ﾉt=ｭｧ_´ー ､
└‐､7（(ﾆｱﾄゝ） 'ーｧ‐' ﾊ
／｀´ /｀ｲll !￣ テ ﾊ
i / l ljl.j / / ﾊ
く | ヽ _ _ノ ', 〈
. / ! i彡ア､＜ / ヽ
/ / ｀//!ﾄ--' ヽ く
＿＿＿_
／ ＼
／ ＿, 、＿ ＼
／ （ ―）三（― ） .＼
| '" （__人__）"' u.| ……善処するお
＼ ` ⌒ ´ ／
／ゝ "` ｀ヽ.
／ ＼
／;;;;ヽィ;ヽィヽ_, . ィ∨
ﾏ-;;;;;;k｀,'ヽ、ﾏ, 、i;;;;;;ィ
/、;;-'、'、 ヽヽ'!ﾏ
. ,' ヽ〃 ヽ へ ! いやー さっすがは大器でいらっしゃる
___ .!_ , ヽ .!
./:::::::::ヽ ｌ ゝ .ｌ これで私もスキップしながら報告に戻れるってもんです
/:::::::::::::::::ヽ .ソ ! iヽ ! _ ュ、、
/:::::::::::::::::::::::::! ! !::::＼ ィ ィ' . ィ
/::::::::::::::::::::::::::::::l、 l＿__￣ __/ / ‐ ィ
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::!:ヽ、 ヽ::::!、/‐‐ ' ィ_iィ
. /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!:::::::: ィ:::::::::::/::::::::::::| / / _
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::! ィ:::::::::::::::/::::::::::::::::ｌ / _ /'
::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::::::::! ィヽ-,￣
::::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::! ィ::::::::::/
::::::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::ｌ.ィ::::::::::::/
＿＿＿_
／ ＼
／ _ノ ヽ､_.＼ こっちは憂鬱な出立になっちまったお
／ （●） （●） ＼
| （__人__） | せめてほんとにスキップして帰ってくれお
/ ∩ノ ⊃ ／
( ＼ ／ ＿ノ | |
.＼ “ ／＿＿| |
＼ ／＿＿＿ ／
＿＿__
／ ＼
. ／ ＼
. ／ ／） ノ ' ヽ､ ＼
| ／ .ｲ '（ー） （ー） u| はー 相応 ね
. /,'才.ﾐ). （__人__） ／
. | ≧ｼ' ｀ ⌒´ ＼
／＼ ヽ ヽ
_, -―― - 、/｀ '´廴_
, '´.: : : : .: .: .: .: .:_/´＿, - ､ {
＿. ／.: : : : : ｒ冖ー'´ _ /__ ／l } 〉
/, - ､＼: : : : : : ｣ r-―fﾋﾊヘjﾊ ｣/ {
!| / :.｀',:. :. . : : { 'r‐ '´{匕犬シj´ { /!
亅/ : : .＼:. :. : : . : ヽ ＼／ 寸Ｔ¨ヽ＼丿:'
,' :l :.:./ ｀ － - _:.ﾍ _｀¨ｰ| lー-ヽ ＼:l
| : l .:.,' ￣└ﾍ|__｣へﾊ/j／:!
∨ : l:.l , '´￣ l|〈ﾍ∨.: .::l
V: ::.{ _ ,ｨｵ ヾ,:ｊ.:|.: ;':/ まあまあ
ヽ: :ﾍ ／ ,r彡'' 、 |! /.://
＼ﾑ{ ' ,ｫ ﾞ ./:´.:.' ｲ 和平を購うにはそれなりのコストも必要
入 ,r彡'' ､ /.: :/ .: ｣
{.: ﾊﾞ ｒ_、 ／ﾉ.; ' .: .:/￣ ヽ ということかしら
|:/ /:＞‐- ,.＿_. ' /f.: .: ／.:〉: : ',
,!ｰ{:. ｀:.ｰ:.l/j|＼ﾍ -－/.:, :' .::ｲ: : '.
/ 〈:｀:.ｰ:/ /}{ヽ.＼ヽV〉. : .:.イ: : ﾍ
,' 〈ヽ:ｒ'／ｲ ＼＼｀ Y: , :'.:.:ﾉ: ハ
/´ : .ヽj ' 〈 V /ﾍ ゝｒ‐_'´: : . . ,: ノ
｛ : :.ｒﾍ ', /´ ヽ {|´ lr－､_, _‐'二. ヽ
｢｀ｰ-､__ ノ しﾍ._ ムﾌ /ｆ⌒| ﾊｧ , ｒ､ヽ ＿} |
〃⌒ ,､
!ｉ ,l ｀ヽく⌒ヽー-- .､
{ゝ.__/＼. ＼ ヽヽ. ,.- ､＼
｀ｰ'〈 ,/`ー ､ ＼ {l >-､ﾊ
. ﾊ / `ー ､{l /ｒ〈l} .}
〉 i ＿,. '⌒ヾ::|'1| /
ヽl,.､＿,. ィｆ｀ﾐ 7└'ヽ 都に戻られたら 慰労の歌会でも開こうかしら
／ !｀￣ . 弋リ ﾄ/) └,
/Yi .>､ ∩ｰｰ ,.イヾﾄ､ //〉､ 上杉殿の家臣も招いて
〉.ゝﾆ=' .| l>､‐ ﾊ､__ﾉﾉ ＼/_/
〈 〈 ! ´.> {｀~´ : ｀￣｀ヽ
'ｧ-,rL ｒ,|/ヽ-ｧ､_ゝ- ﾃｰ- ､ |
（ （ ', ヾ´￣ﾞヾｿ ＼／ !
｀ﾞ. ', | /ﾊ ＜l:i .|
| ! / / 〉、 ﾚiゞ､ ＿__,ﾉヽ
ゝ _ノ / 〈_,.ﾍ ｀＾V_､￣´ﾊ ヽ.
／人ﾉ <´＼ ヽl∨ﾞ ﾊ
＿＿＿
／ ヽ､_ ＼
／（● ） （● ） ＼
／:::⌒（__人__）⌒::::: ＼ はい 先生にはご仲介の労 感謝してますお
| ｌ^l^lｎー'´ |
＼ヽ L ／
ゝ ﾉ
／ /
| ヽ. ,' | / ヽ ヽ
/ ／ ヽ. / ｌ / ヽ ヽ
ノ ／ } / ノ / { .ﾉ
. 「 .／ / ,' { ／ ./ /
. / / { :. / / ｒ' /
ﾉ / ｀ヽ ヽ ﾉ / ﾉ /
{. 〈 ヽ ＼ { 〈 「~｀´／
ｗｗWW ｀ヽヽ ｀ヽヽ ヽヽ ￣´ WWｗｗ
L_} <_/ L__}
WwwWww カッポ
ｗｗWWWｗ カッポ
/:l'ﾞ ,r'ﾞ . : ;' : : : ; ,' i; : : : : i i ; : ::::::i.'､
/ ! /. : : : i : : : ; ;i ､,_!l ; : : :,' l l; : : :,'::::ﾞ;､
'､ ﾞ､ ! : : : '; i ; : : ;_i!-' ﾉﾌﾞ''''''7'ﾅｩl: : ﾉ; ; ; ::',
', ﾞ-;l : ; : : '; ';v‐'ﾞ,,'_ r''ﾌ''j=t:､ｨノ/,':,': : :!
', !､: ' ; ; : ;､)iﾞl ,!;l' l:r;'.;l:.} ﾞ' ﾞ: ﾞ_:': : :i
i ヾ､ ; ' ､;ﾞi !l;.i:j ,!,ﾞ;;',ｿ 'ﾞ_,ﾞ､ : :i--
,rｰ'､. ﾉヾ>'‐;iﾞ', ﾞ‐'' ノ 'ﾞ ,!: : ! ……よかった 本当に
.,／ `‐､ ,／ﾞ |'､i ' __ ,､､-;' : : :',
ﾞ ﾞ> /;,rﾞ':､ ｀~ /ﾞ;:;: : ﾞ､: : : ﾞ
,r(,＿,,ノ/: : : iﾞ'‐､_ ,､- ,'::;:i:;: : :`:､':,､
／ ｀''''ﾌﾞ:/: ;､､ ':::::::i.,`'‐ｯ:-:'':ﾞ: !::::;';:'､: : : :`:'
,r'_,ッｯ'ﾞ-‐-ｯ'ﾞ,;;,,`'-､'::i:::.._,i i,､,'､::'､::. : : :
、 /ﾞ´‐'ﾞ´ /,,;;;;;;;;;;;;,,,~''rﾁv}_,,､-､ ,-'ﾞ_,,＞=-‐'''''‐
iﾞ'‐( /,;;;;;;;;;;;;;;;;r'ﾞ'=!'-{,)=ﾆ!ﾉ:､‐'ﾞ,,,,,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ［新関久正］
,.．-──- ､
／ : : : : : : : : : : ＼
/ : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
,!: : : :,-…-…-ミ: : : : : :',
{: :: : i.'⌒' '⌒' .i: : : : : :}
. {: : : | ｪｪ ｪｪ |: : : : : :}
{ : : | ,.、 |: : : : :;! なにがだ？
.ヾ: : i .r‐-ﾆ-┐ | : : : :ﾉ
`イ! ヽ 二ﾞノ ｲゞ‐'
ﾉ` ｰ一'´, ‐'ヽ
/ ! _, ‐" _ !
.,レ‐''´ _, -' !、
.// ,| . , -'´ ＿＿ !
// /∟‐'' ／＿＿_|
!/ / ,/ ,/ _＿＿_!
|' /_--!、 ,/ "l'´ ＿__ ',
｜l7 ! .|`‐イ┘ ＿_￣ |
//,| !^i^! | |__ ! .／ ￣｜ ［一栗高春］
!/ ! | ｌ | / !、.￣|-------ｰl,
. /. . . . . . . ,' . . . . ./ ,' ; . . . . . .ﾞi . . . . . . .
.,' . , . . . . ,,'. . . . .;.,' i. ; . . . . . . .i. . . . . . .;
.i ; ;. . . : . i; . . . . ;.i i ;,,,_. . . . . ;j. . . . . . i .
. ';',';. . .i: .;i. . . ._,ﾉi.l ';:ﾞﾞ:~:''‐:､;;/. . . . . .ﾉ:.
ﾞ';ﾐ､ .'､. '､. ~: ''､ ','、 : : .;ｿ. . . . . ,/::. .
`､.､.:'､:iﾞ'' ' : : .ノ;.;: .
｀'ﾞ-､;'i, ';r‐< .
;.!ﾞi =＝＝ ＝＝==t‐ r'ﾞ' i . なにって……
/..ゞ ,, . . . _ノ .
__ ,' . i､ ,､'.ﾞ'､, . . 御屋形様が木戸に斬りかからなかったことがよ
,/ !. ,,iﾂ'.-､,_ ,,_,,, __,､-t:'ﾞ:i:i:.:.:.:ﾞﾐ;-
'ﾐ‐‐;シ'l.i:.:.:.:.i.i｀:.ﾞ':':iﾞ:":´: i:.:.:.i.i:.:.:.:.:..｀
~~i:.:.:.:i.i:.:.:.:.!:ﾞy,;;,､!, ,,!,,;;;,,!,!;;;;;;､
,.．-──- ､
／. : : : : : : : : : : :＼
/.: : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
,!::: : : :,-…-…-ミ: : : : :',
{:: : : : :i -' ﾞー i: : : : :}
{:: : : : | ｪｪ ｪｪ |: : : : :} おいおい 上杉との関係改善は家中挙げた国策だろ
.{ : : : :| ,.、 |:: : : :;!
ヾ: : : i r‐-ﾆ-┐ | : : :ﾉ いくらなんでも そりゃ御屋形様を見くびりすぎじゃねぇの
.ゞｲ! ヽ 二ﾞノ ｲゞ‐′
__ィrlﾆ` ｰ一'´二 |二=､
〃ヽ､_=--,-|_ :::::::: !:::| ! ヽヽ
/ |::| .|::,i":::::::｀`)l/|｜ .|:::::: !|
ヽ_|__L,-| lｱ丁￣了`ｰ=ﾆ' |'／
! :::::::::::| :::::: | | |:::::::| : | l
| ::::::::::::| :::::: | ,. -=≡キヽ !:::::::::!:: | l l
:l ::::::::::::l ::::::. :. ,.イ´ | /.::::::::::l::. z≡ｷ=､ l l
::l :::::::::::ヽ :::::::.:::. ´ l __,. -┘‐-′ ﾉ:::. / ヽ l !
:::ヽ、:::::::::ヽ ::::::::::.. ,. ゝ ´ ::.:.:.:... ´￣ ｀ く / / /
、:::::ヽ:::::::::::｀ヽ ／ __ -‐ ´_ ` ｰ- `/、 ／ ／
ミヽ::::::｀ヽ:::::／ ｭ=ﾆｴニ二三彡 `ﾆｴ二ヽ /-‐ヽｰ'
:: ,. - ､ ﾐ彡′.::.:. ﾄ､￣´,.ィ| ｀ヽ /￣ノｌ|ヽ/
::| ::ヽ .:..` :.:::::::::.:.弋_三つiﾉ ....:::::.... ｌ´三/ﾉ /
::l :::::） .:.: .:::::::::.:.:.ミ三二ﾆ´ ...:::::::.:.:.:.:.::::.`三ﾐ´ {
::ヽ ::（ :.:.. .::::::::::::..:.:. ￣..::::.:.:.:.:.:.:.:.:.::::ヽ、:::.. l あ゛ ？
::i:::ヽ、｀ .:.:: :.::::::::::::..:..:. j
::!::::､ ::｀T＝､ .:.:::::::::::::::.:.. `､ー- -‐ｧ'´ ／
:|:::::::∨/| ::::::::＼ :.::::::::::::::.:.:.. ヽ、_ノ ／
|::::::::,ﾍ ::| :::::::::::::::ヽ、:::::: _,. -‐‐ - _／
::::::/ :::ヽ| __,. -‐‐ ＞ ´ ..::::::::::.:.... ｀`ヽ、
:::/ :::::::::「 ;;;;;;;;;;;; ／ ..::::::::::::::::::::::::::.:.:... ヽ
| l / | | ヽ
| | | ! l | | ｜
. l l | l | l | l l
l ＿,,イ l ﾉ ﾐﾆ≡=､/ ./ / l
_, -iｰ_''_~'' __!,.┘ ´￣ ｀ く ヽ／ / /
／ _=キ三≡ ､ ,≡二ｾ=_` ､ / /
ミミ ／ 彳イ￣ヾ ヽ /ｲ￣ヽ ヾ ヽ〃〃: /
ﾐ彡 | |__ノ:::l | | トノ::::| | /ヽ〃: /
,.-､. l ::c:ﾝ / | ::::::c::l l / /::: /
| ヽ` 弋_〜〜ヽ ﾐ〜〜､/ ト |::::: ! 木戸元斎といえば大宝寺城代……
l :::） / , 〜´ i 、 ｀〜 ヽ /_/:::: l
ヽ （ i |,.. ,..,..、 ,..,..､ヽ l /::::::::::: | まさに奪われた荘内の 重役にいる身分じゃないの
｀ ‐-'.T }{ ! i /::::::::::::::: l
::::::::::::::::ヽ、 .!ｉ. r- 、 //ノ:::::::::::::::::: | あんな態度されて 御屋形様がどういう思いをなさったことか
:::::::::::::::/::::＼|| ￣ //::::::::::::::::::::::::: l
:::;;:::::／ ;;::::::::~ヽ、 ／~::::::::::::::::::::: ::::: ヽ
ｌ l l |::::::::::::::| ｌ| l ! l
l ! | !::::::::::::::! ＿_ l| / ｌ |
! ! l _.. ‐_- ､ｌ::::::::::::l ≦-― ｀〃 / / //
ヽ l ヽ´￣ ｀ !::::::::::l // ／ / 〃、
ゝ-_ヽヽ､ ,.ゝ_‐_ 三‐ ､′:::::└‐_ 三‐_‐ ､-＜ ／／｀ヽ
'´ ＼_|ヽ<´≧1__ノ￣l｀′:::.::::::::´ ヒ ノ !≦::/´k´
〃l ∧::::´ｋく_ /ｿ:::::::: ::::::::kく＿/ｿ::::://∧ヽ あんたや喜吽にはわかんないでしょう
// ヽヽ∧:::´三三ヽ::. ﾊ .::〃三三｀::/´/ ヽヽ
ｌ l ヽ､ﾍ. ′ /／ ヽ、 ｌ | 御屋形様にとっての 荘内の意味
| V７ .ィ´ ｀ヽ、 ヽ――_ノ ／´ヽ- ′｀//、
∨/´| lヽ、∠ 丶、 ￣ ィ´ ,ゝ-､' ! ! くV ヽ いいのよ 御屋形様のそばに誰より長くいる私がわかってる
／ !| ! l i´ ヽ 丶､ ＿ ´/ __! ｌ ｌ ! !ヽ
l∧ | l ゝ-r '｀ヽ ―- ､ -― i´ ヽ- ' ｌ | _/ノ
/ / ! ｌ ヽ 〃´｀ヽ r＝､ゝ- ′ ｌ | ヽヽ、
/:::::::::::::::::::::／／ ／ ／／ | ト､ l l ﾊ
、 /::::::::::::::::::／／ ／ ／／ l / ﾄ l | |
. ＼ /:::::::::::::::／／ / ／／ / ﾉ,,ィ l | i | | |
＿_ ＼ /::::::::::::／／ / ' ' / ,ｨ''´ / / ｌ | | | ﾘ
:::::::::::::::＼::::／／ l // / ／ ／ / // ﾉ ﾉ /
::::::::::::::::::／／ ／ l l | ／ ,,;;彡 r '／ ／
::::::::::::／／ ,. ´ ｨ l ,;;;'{l! / 彡'
''-:／_ -‐ _ - / , ⌒ヽ 彡 〃 |j! l もし 御屋形様が刀に手をかけられたら
-=＝ー‐ -- ‐ ／ ' v ＼ 私が木戸を斬って その場で自害するつもりだったの
｀ｰ- / ／ ﾍ /
／ , ´ ＼ l´ いえ その時は御屋形様の手で斬り捨てられて……うふふ
／ , ´ 〃ｰ´｀ ー‐／ , ⌒ｰ- 、
∠＿ -‐ ´ ／/ ｨ , ＼
／ / r‐- ＿ノ / ヽ
_ -- _ ／ / / _＿＿＿＿___ノ ）
_,. -=＝ﾆﾆ／ ＼ｒ::::::::::-...._ /:::::::::::::..... /⌒ヽ （
ノ ,...::::::::::ヽ ＼:::::::::::::::::...../''' -:::::::::::::::::::/:::::::::::::::＼ ヽ
／ ／::::::::::::::::::ゝ ＼:::::::::::::::::::::...、 ｀'' :::::::/:::::::::::::::::::::::＼ ノ
,":: :: :: :: :: :: :: :: :: ::
.":: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::
`,: :: :: :: ::,;---'''''";i:: :: :: ::
,':: :::i::,;-'"~ ;i:: :: :: ::
（:: :/,.-..., ;i:: :: :: ::
（::;/'´ `i "i:: :: :: ::
i:: i i:: :: :: ::
いi',エエ L:: :: :: ::
!!'i i,:: :: :: :: （やべえ なに言ってんだこいつ）
i/ ' :::::::: `-'~`-'i~:: ::
/ ..,, ::::::: U iソ|:: :: ::
(; σ`) ;;;;;;;:::::::::::::: l-i }:: :: ::
`|i " ;;;;;;;;::::::::::::::: ＿,;ﾉ:: :: ::
,,,,,,,,,,,,,,,,,, i',----､ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::: :: :: :: ::
,;-'''.~ '-;_ ＝.`i￣`i.- | ;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::: ., :: ::: :: ::
i ≡ l . | ＝ i| |--' ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::: `''--''~'-,,,ノ
i"-i＝ | ≡| i|i￣i|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::::
| ;i.r-| ＝|i￣i.i`=="`、___＿____＿;;- ::::::
i `-"i r-i`==" ! I,,,,,,, ,）、;;:::::::::::
`i .`-" i..;--'""" ＼::::::::::
やる夫たちが帰国の途についたあと。
／.:￣￣￣￣￣＼
／: : : ＼ カッポ
／: : : : ＼
／: : : : : : ＼ カッポ
/ : : : : : : : .. ＼
|: : : : : : ,,,,ノ⌒" '' ``⌒＼,,, l
|: : : ::;; （ (・) ） ﾉヽ （ (・) ）;;::: |
|: : : : : ´"''" "''"´ l
. ＼ : : : : . .（ j ） ／
＼: : :: : ＞ｰ-‐'=ｰ-ｰ＜ ／
／ヽ: : : : : : : : : : : : : : : : : : イ＼
: : : : : : : : :｀`ｰ- -‐'"´ ＼
: : : : . : : . : : . ＼
案の定、上方の政情は家康によって大きく動くことになる。
石田三成襲撃事件を起こした七将ら、伏見に在する諸将へ一斉帰国を促したのである。
_,. ニ＝.-:､`:ヽ.、 ＿_ j!
,. :'':´: : : : : :,:-'': :./: : : : : : : :｀:`:ヽ<､
,.r:'ﾞ: :_:,,: ; '"／: : : : /: :j: : : : : : : : : : : : :.＼
／'"´ ／ , ' :./: : j: : l : :,: : !: : : : : : : : `:､:`.、
, ': : : : /: : . .i-‐仆: :j: : : : l: !: : :i:. : : : : ｀､:｀､
,.': : :/: .:j: : .::::i: :./ |: :.j!: : : :l:ハ:,:-:!:‐ ､ ｀､｀.
. /: : :./: .::j: : .::::l: :/ j: :i.|: : : j/ ∨: l::::::. : : i . ﾞ; i
': :／j: :.:::|: :.:::/j:./-‐_!:l. !: : :.j! ∨:.!:::::::. : :l: : :! ',|
/, ' |: .::::l: :::/ヤ示亦ｌ| i: : :i! V:lＶ::::::. : !:. :.!: i
'゛ !: :::::l: ﾊ ﾞrＪ::V l Ｖ: ! ､ ヾl.ﾞi;:::::: :j:::. :ﾄ､!
l: :::::}:l::::! Lﾆﾉ ヾ! ﾐミニ ﾞ'j::V: : |:V: !ハ 各者の和睦が整い 三成も身を引いて まあ一段落はしたよね
V:/Ｎ::::! ' ￣．l::::::V: !: :V|
. ﾞ' |:| ::l. ｰr ､___, l:::::: |Ｖ|: :.Ｎ キミら 国元に戻って将兵を休め 政治も見てきな
|:,!: ::`:...、 ヽ ノ ,ｲ::: ::l:::i＾ヾ!
|':l: : ::::::l:::`i:.. 、 _,,... イ::::l::: : j::: } | ってーか戻れ いいな
j: :!: : : ::l::;/´iﾉ ￣ i! ヾ､|::::j:: : :.!::./ '´￣二､ヽ
ｉ: : !: : : :.! l. ＿ | ｀i|: : :.l:: l -―-'､
,': : ∧､: : i ｢ .｀| '!: : :.!:::ﾍ ´￣_,)'′
,': :.∧:ﾍ:､: | l. ! /: : ∧:: :.| T ´￣
,': :/ ヾ､ﾍ: |. l. j /: :,/ V::| |
事実上、伏見城の主となっていた家康の下達は、以前とは段違いの権威を帯びていた。
ｿﾞｰﾛｿﾞｰﾛ
;::;;::;:;;:;:;:,.,.,.,.,.,.
;::;:;;::;;:::;:;::;;::;:;:;:;:;:;:,.,.,.,.,.,.
,､,､,､,､,､,､,､,､,､,､,､,､,､,､,､,､,､,､_
,､,､,､,､,､,､,､,､,､,､,､,､,､,､,､,､,､,､,､,､_ ﾜｰ帰ｯﾃｲｲｯﾃﾖｰ
λλλλλλλλλλλλλλ-
λλλλλλλλλλλλλλλ-
人-人-人-人-人-人-人-人-人-人-人-
-－-
_. ' ´ ｀ 、
／ ／ ＼
/ ／／ ｀ ー-
. /／ィ' .／ ＿_ _,./ ｜ |
,ｨ' ／ ／ ´, ' ＾ ′ ,| |
'´ ｌ′ _／ .__／ / 7ト/.
. / . ィ'/ 「'７女ァr / ／ !'| lヽ |
/／,ｒ１' ,.ｲ ﾑ. / / ／ ぇ､ﾘ | |
. ´ l.{ |／ | [＿/ /／ ' ヾ:､ | とまあ ああして物騒な連中もいなくなったことですし
| ヽ| | ' ん ／| / |
| ｜ | ヽ､/,ｒ´|／ ,ﾊ アタシらもそろそろ腰を落ち着ける時期じゃない？
| ｜ |＼ ´’ / , , ' l/
| ｜ | j｀ ー--‐ャ ´ ／ |／
'. ﾊ. |/ ／ ／ , < !
⊂,.￣｀ヽ∨ ∨ |￣｀/ / , ／,ｒ⌒.ー､
／ ﾞl Ｖ' | / /／'´ i´ ｀ヾ
}',. , ／ | ヽl. / /' ！ ）
次に、家康は大坂の大老たちに同様の提案をした。
これに対し、国元に不安を抱える上杉景勝や宇喜多秀家はもちろん―――
〃〃 ヾ ヽ
,ﾚ''¨¨爪|¨¨｀ヽｰﾄ|
ﾄｧｰ⌒ヽ__ﾙ | ﾊ ﾊ
rｰZ ⌒ ´∧/ヽへへ}､__
ｿ'〃／ 从/ｨ ヽ
/从（ /从（ｿ | |. | | ､./
／ | ,ｲ.xtｯ≧ ﾒﾑ_ﾉ ﾉ .ﾉ|
__z-ｰ=彡.| |ﾐミミ ｲ =tｫｲ___／lﾊ
rzｲ// ノ ｲ| ﾚ' 〉ﾐ ｣ 彡'ii, l | ヽ､ そうだな
（〃{/ ,,彡ｲ /／ .ﾑ＜二二ﾆｱ |＼ ,| ﾊー-､
ﾙ ＜ |// -ｰヾz:::::. | ＞- ､ ヽ ヽ
r＜ ,ﾉ./ イ´ / .| ｀＞ ､.|
| ＼ ,ﾘ| ／ / l |ヽ ＞､
| ＼ ､. ノ/ rｰｲヽ ´￣j | | 〉 /
ﾑ ﾐｿ （ ∧ /ミゝ （{ | ヽ /
{∧ 人 ｀￣￣ヽ , 人 l l 〉 /ヽ
| ∧ / ＼＿ []/|＼i| ／ 川 ﾘ / 〉
, -──- ､
, -'´:::::::::::::::::::::::::::::::｀‐､
／:::／ ,.ｲ::ー-､::::::::::::ｒ､::::::＼
ノ::::::::::イ' ´:::::::::::::｀ ‐-ゝ｀ヽヾ::::ヽ
／:::::;':::::i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
/:/::::::i::::;:ｲ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i
/ｲ:::/:::::l:::l/';::::::l';::::::ヽ､::::::::::';::::::::::::::::::::::l
l:;ｲ:::::::ﾄ:! ｌヽ､::lヽ､ゝ,.ｲ',ヽ::i:::::ヽ:::::::::::::::',
! ヽ::::',l ﾄil ｀ liｲ ｀i､ﾄ､::';:::::::::::::::ヽ
l:::l ヽ '┘､ └' ! l::lヽl::::::::::::::::ヾ 背に腹は代えらんねえ
l::il '"￣ｒ -─ ､｀ ー'´ ';::lノ:::::::::::::::::::::',
ll iヽ l:::::::::::::::::） uノ-ヽ';::::::::ヽ￣￣ヽ しばらくこっちは頼む
l l::::＼L:::::::::::::/ , イ:::::::::::::::::ﾄ､::::＼
＿＿／/ l ｀ ‐- ‐' ´ l┐i:ﾄ、::',ヽ:', ￣
／｀ヽ-､ ｒー ﾉ::::::::::＼ ゝｒ‐ ' ´＿ / ヽ､ ｀ ‐＿
/ ／ ヽ 〉 l 〈:::::::::::::::::::/￣l／::::::::::::｀ ‐ｧ ￣
l ' ´ ￣', ,ｲ 入:::::::::::／l:::::/二:::::::::::::::::::/ ／
ヽ ￣ヽ/ l く L:::::::::／二!::::::::::::::::::::::::l', /
＼ く l ／ l:::／´ ﾄ､:::::::::::::::::/／ /
公儀を家康と共同運営すべき毛利輝元や前田利長まで、そろいもそろって賛同。
./l./::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
/::ll::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::‐=､-､::ヽ
/::::ｌ:::::::::::::::::::::::::::::::::::,i::::::::::::ﾄ､::::::::::::::::::::::＼＼|
l:::::::::::::::::::::,ｨ::::::::::::／ l::::::::::/ ヽ:::::::::::::::::::::::ヽ
l::::::::::::::::::::i |:::::::／＿/:::::／__／l:::::::::::::::::::::::::::l
.＼::::::::::::::l‐l:::/ ＼ /::／ ／ ヽl:::::::::::::::ﾄ､:::::::l
/::::/ヽ:::ヽヽl / l /ヽ ノ::::::::::::::::l .l::::/
i:::::::l {r ﾚヽl. | | ,,,,,,L | |￣/ 7:::::／ .ﾚ′ 実は唐入りの始末もついてないんすよね
ﾘ.l::::ヽ__ __ / u lﾘ/l／
ヽ|/l::/＼ u u ヽ｀''‐..,,_ .l´ じゃあ悪いっすけどお先失礼しまーす
. _,,..-――|:::l/ ＞u ｀ー''´ ／
''"´:::::::::::::_,,.-|:::ヽ ＞ ＿ ＜￣"''‐..,,_
_,,..-―‐'"::::::::l:::::::＼ ::::::::/ .|:::::::::::＼:::::::::::｀"''-､
::::::::::::||::::::::::::::ヽ:::::::::::７ :::lヽ |:::::::::::::/￣￣ll"''-..,,_ヽ
::::::::::::||::::::::::::::::::＼::::/__ / l |::::::::::/:::::::::::::||::::::::::::::l∧
::::::::::::||:::::::::::::::::::::::|:::::::/ニニ-'′.|::::::::::７:::::::::::||::::::::::::/:::∧
＿＿＿＿
／´ ｀＼ﾚ
/＿＿＿＿＿＿＿ ヽ
|ノ─ ､ ─ ＼ | ヽ
| ｖ|・ ｌ＿| !
,| | | Ul´⌒Y
l/`ー ﾍ ` ─ ′ （ | 七将の事件以来 居心地悪いんだよなあ
ｌ__ _ ノ- ､
(＿／⌒ヽ_／⌒ ／/ ｌ
` ─┬─┬ /ヽ/ /|
|＿__| ` /＼ / |
皆、誰かが口火を切るのを待っていたのだ。
許認可を握っているはずの豊臣秀頼周辺は、五大老の総意をそのまま追認した。
γ´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
| ってことでよろしいですねー？ ＞
ゝ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__,ノ
ﾍ ,ﾍ
/ ヽ, ::.
/ ::.
/ :::.
″<●> <●>::.
｜ ::::. ……いいよ
｜ フ :::::::::.
/ ..::::.
/ ::::: ［豊臣秀頼］
打ち続く政争を抱え、幼少の秀頼が求心力を保つにはそれしかなかった。
,. ;':":.:.:.:.:.:.;.:.!:.:,:. :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:､:｀ヽ
,. '´ , ' : : . . . :.l.:.;.::. :.:.:.:.:.i.:.:.:.､:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.｀:、
, ' / '.:.:.|.:.l ::. :.:.:.:.:.:!. ｀、: : : : : ｀、:.:ヽ
／..:.::.;:.::.:/.:.:.:.:.:.:.::; :.:/!:.:|、:. :.:.:.:.:.lﾞ、:.:..i, . ｀､:.:.:i、
,:':.:;. イ::.:/.:.:.:.:.:.:.::::l.:.:/ |:.:!｀::::. :.:.:.:.:!｀、:.:.',､:.:.:. . : ﾞ:.!:.:l
/／ /::./.:.::.:.:.:.:.::.:ｨ-/''''トl､｀、:. :.:.:.:! _,x―!ト､:.:.:.:.:..l.:.',:.:l
/' ,'.::.:;!.:.::.:.:.:.:.::.:/!:,' ﾞ::! ｀､:. :.:.:.! ｀、l.｀､:.:.:.:.:.:.:i.:.',:!
. i.:.:.;l.:..:::.:.:.:.:.:./ |:! ﾞ:、 ｀､ :.:.| ヾl ｀､:.:.:.:.:.:!:.:{
i:.:/.|.:.:::l.:.:.:.:.〈. 上=＝≦ヒ ｀、| ﾆ≧非=ｭ.}、.:.:.:.ﾄ;:.l
. !/ !..::;'|.:.:.:/:::ｌ ﾞ｢ﾄ::'::;;:..:ｲ｀ ｀:j ﾄ::'::;;:..:ﾘ/::ﾍ:.:.:.:|:ヾ!
〈. !:/ j.:.:.j＾!::::ｌ ヾ-―` ´―-"'/::.::.λ:.:ﾄ､:`､ はいはい 皆さんいってらっしゃーい
｛ ﾊ.:.l:ﾄ|.:::::! ・/:::::::.l:ﾍ.:.|.|｀丶:、
l:.:V:./|..::::ﾄ､ _jー'ー! /:::::..:l乃ヾ!:! どうぞお元気で
l:.'.:.:〈ﾐ|.:..:::!:|｀`丶／ /´ｌ‐r',,.. -:'" /:::..:.:j//ﾞi.:.:.l.
｜.:.::! ﾞl.:.:..::!|}＜7_ ′/ ト、 ,,/::..:.:.:!'′ !.:.:.l
|:'.:.:! .l:.:.:.:/､､ ｀`￢-､⊥ ／'/.:.:.:.:/ |:.:.:.!
|'.:.:ｌ l.:.:/､､｀`｀＝､､_ ﾞ}ｲ/.:.:.:.:/ |.:.:.:l
|.:.:.| `/ ｀｀＝-、、｀｀`‐ｦ /.:.:.:./ l:.:.:.:!
. |:.:.:.l } ､、 ｀`｀¨＝|/:.:.:.:./ !:.:.:.|
結局、五大老のうちまともに残留するのは、輝元との同時帰国を禁じられた家康だけということになった。
┏━━━━━━━━━┓
出羽国荘内 酒田
┗━━━━━━━━━┛
l!
. i ||
. | .|:ﾄ､
/|､ ／|:| ＼ ＿＿＿＿＿＿
,. :| ヽ .／ |:| ＿__＿＿＿. ／／／／／／／
／ :| ＼. ｉ ／ |:| ／／／／／∠∠∠∠∠∠∠
‐､====┻====ｫ /〉 /| |./| ／ |:|ｰr┬─┬イ 丁|＿|＿|＿_|＿＿
} } ) // ＿＿＿＿ ＿/_|.＿_/|', |＼ ／ r''´二二＞'┴─┴ｨ'ィ㌻／／／／／／
-=ミ___ﾉ＿＿ﾉｨﾁ/〉 __,,.､,､ ,ﾊ∧＿ヽ＿ﾏﾆﾆ癶/_,,|＼//|＾'|二i{二∧二／^ヽ:￣|ﾞﾞﾞ|ﾞﾞﾞﾞ |ﾞﾞ:ﾞ:| :|ﾞ:ﾞ:|ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ:|ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ
＿＿＿＿ﾏ `ｰ''ー=彡 //＿＿t‐''´＿＿___|‐|‐|─‐|‐‐ト.．／/＿|//∧|_,,|___i{≧s｡l,___| |ﾆ|_|二|i:i:|;;;;;;;|i:i:i:|....」i:i:|;;;;;;;;;;;;;;;;;|i:i:i:i:i:i:i:
: : : : ゝ ＿＿＿_彡' t､＿__,.ィ───‐‐ｧ__,,￣￣ ゝ 二＼_＼二二二二ﾏ三三三三三三|__＿＿＿_／====／|
: : : : : : : : : : : : ゝ─=彡≧=---'"ｰ=彡::: : : : : : : :ｰ-- 二二ィ㌻ ‐‐ィ㌻─--- 二二＿ー─────-----
────────────────‐::┐ : : : : : : : : : : : : ⌒≧s｡ィ㌻＿＿＿ ＼.､ ￣￣¨ ￢…─--
─────────────┬r──‐┘ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ￣ ‐-＼｀'＜≧=- ＿
: : : : : : : : : : : : : : : |:| : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼:::::::｀`''＜二二二ﾆ=-
: : : : : : : : : : : : : : : |:| : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :⌒≧=- _::::::::≧=-
: : : : : : : : : : : : : ＿:_:::|:|:::::--──┬r──── ､ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ⌒≧=-
──── ァ ア二二二￣￣ .|:|//i:i:i:i:i:i:i:ｉ:ｉ| |i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:,.ィﾗ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : __,,.. -
ニニニﾆ／／二二二二二二二二|//i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:|_|i:i:i:i:＞＜三ア : : : : : : : : : : : : : : :＿,,..｡｡ --─ ､￣￣｀`ヽ､ __
ニニﾆ／／二二二二二二ﾆニ=-//i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:i｡o≦三三三＞'ﾞ : : :＿:＿: --‐､─ ￣＼￣ ｀ヽ､＿,,,... --｀─ ￣:,
ﾆﾆ／／:ー::::::::::'''''¨¨￣￣＿:::｡-‐┴=≦三三三三二ﾆ=-‐ T ￣￣ ヽ ＿,,,,＼。----─`￣￣￣:, :, :, :, :, :, :, :,
／∠:::::::::''ー- _二二ﾆ=-‐ ｧ…￢¨￣|￣￣ | ＿＿,,,..ゝ----─ ￣￣:, :, :, :, :, :, :, :, :, :, :, :, :, :, :, :, :,
:７¨¨¨￣￣￣/ /＿,,,....｡｡--'─ ''¨¨¨￣￣:, :, :, :, :, :, :, :, :, :, :, :, :, :, :, :, :, :, :, :, :, :, :, :, :, :, :,
/ __,,..｡｡ --'─= ￣￣:, :, :, :, :, :, :, :, :, :, :, :, :, :, :, :, :, :, :, :, :, :, :, :, :, :, :, :, :, :, :, :, :, :, :, :, :,
/: : : :.i: : : : : : : : :.:.l､: : : :l: : : : : : : : : : .:. : ､: : : : : : : : : i
/: : : : :l: : : : : .:.:. : :.:l ': : .:.ﾄ: : : : : : : : : .:.:.: : i:. : : : : : .:. : :l
i: : .:.:／l: : :i: : :.:.:.: :.:.:l X / ヽ､: : : : .:.: : :.:.:.: :l:.:. : : : : .:.: : :l
l: .:.:/:.:.:.i: .:l:.:. :.:.:.:l:.:.:.l/ l/=ﾆN: : : :.:.:. :.:､:.:.:. :l:.:. : :. : :.:.: :./
l .:.ハ:.:.:.': :l､:.:.:.:.:.l i:,ｲ 〃f::ﾟﾊ l: : .:,ｲ:.:.:.:.:〉:.:.:.l:.:.:.:.:.: :.:.:.:.:/
l:./ :.:.:.:ヽl:.'､:.:.:.l ﾍ:l. l' 弋／ ,: .:./ l:.:.:.:/ へ:l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/
V ':.:.:.:.`i:.ヽ:.:.l、ﾘ ´ , :／ l:.:.:/ ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l' ほい 長旅おつかれさん
. ヽ:.:.:.:l､:.:ヾ:ヽ ' ´ .l:.:/ ヽ:ﾄ､:.:.:ﾄ､l
ヽ:.:.:lヽ:.:.:.:.:.} , l/ ヾ ＼il 体調はどうだ？
＼.i. ＼:.:ﾉ._ ／ `i
ヽ ヽ:.i:.:.l` ｰ､_ ／ _... -└- ..
ヽﾍl ヽ＿ ／ ヽ, .. - '' l
＿＿r '' .l
/ l .i , - '' ¨ヽ ［志村高治］
. / i l l , '
i ／l ／ .l ／ ,, --
∩＿
〈〈〈 ヽ
＿＿＿_ 〈⊃ }
／⌒ ⌒＼ | |
／（ ●） （●）＼ ! ! 快調 快調！
／ :::::⌒（__人__）⌒:::::＼| l
| |r┬-| | ／ 出迎えご苦労だお
＼ ｀ ー'´ ／／
/ ＿＿ /
(＿＿＿） /
,ｒｎ .n!inｎ
r｢l l i.ｎ .,. -──-､ .ｎi l l h
| ､. !j／. : : : : : : : : :＼ .i !.: |
ゝ f. : : : : : : : : : : : : :ヽ.ゝ ".ﾉ
|===┤ : : : :,-…-…-ミ: ::',|==┤
|─-┤ : : : :i '⌒' '⌒'i: : :}─┤
|─-┤ : : : :| ｪｪ ｪｪ |: : }─/ ありゃ 酒田で出迎えとは初めてじゃないっすか？
|─-┤ : : : :| ,. |:::;ﾄ-/
.ヽ─ヽ : : : :i r‐-ﾆ-┐|::ﾉ／ しかも志村様自ら
ヽ─' ゞイ! ヽ 二ﾞノｲゞ/
|─ `ｰｰ一' ´ /
＿_
／¨`￣ ヽ
. ／ ＼
/ / ヽ ',
. // |. | ｜ ',. i
l/.| i ﾊ ﾊ. l !｜
. | i | |/:-}ﾍ. ﾊ-l‐| } | ,
l | lK.i':::I`∨.ｲ:::i7'ｲﾊ/ ま これも関係改善の成果ってわけだ
∨＼{ ￣ i ￣j/ﾉ
＼ - -‐' ／ 少ないが護衛の人数も認められたしな
__ト イ__
/ !ﾉ V ＼
. ／| _ヽ /く＼ﾄ､
,. '´ :l' } l ￣/／ ｀ ､
/ l `￢/' |
/:l'ﾞ ,r'ﾞ . : ;' : : : ; ,' i; : : : : i i ; : ::::::i.'､
/ ! /. : : : i : : : ; ;i ､,_!l ; : : :,' l l; : : :,'::::ﾞ;､
'､ ﾞ､ ! : : : '; i ; : : ;_i!-' ﾉﾌﾞ''''''7'ﾅｩl: : ﾉ; ; ; ::',
', ﾞ-;l : ; : : '; ';v‐'ﾞ,,'_ r''ﾌ''j=t:､ｨノ/,':,': : :!
', !､: ' ; ; : ;､)iﾞl ,!;l' l:r;'.;l:.} ﾞ' ﾞ: ﾞ_:': : :i
i ヾ､ ; ' ､;ﾞi !l;.i:j ,!,ﾞ;;',ｿ 'ﾞ_,ﾞ､ : :i-- しかし引き換えに
,rｰ'､. ﾉヾ>'‐;iﾞ', ﾞ‐'' ノ 'ﾞ ,!: : !
.,／ `‐､ ,／ﾞ |'､i ' __ ,､､-;' : : :', 上杉の荘内支配をこちらも認めたことに……
ﾞ ﾞ> /;,rﾞ':､ ｀~ /ﾞ;:;: : ﾞ､: : : ﾞ
,r(,＿,,ノ/: : : iﾞ'‐､_ ,､- ,'::;:i:;: : :`:､':,､
／ ｀''''ﾌﾞ:/: ;､､ ':::::::i.,`'‐ｯ:-:'':ﾞ: !::::;';:'､: : : :`:'
,r'_,ッｯ'ﾞ-‐-ｯ'ﾞ,;;,,`'-､'::i:::.._,i i,､,'､::'､::. : : :
、 /ﾞ´‐'ﾞ´ /,,;;;;;;;;;;;;,,,~''rﾁv}_,,､-､ ,-'ﾞ_,,＞=-‐'''''‐
iﾞ'‐( /,;;;;;;;;;;;;;;;;r'ﾞ'=!'-{,)=ﾆ!ﾉ:､‐'ﾞ,,,,,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
＿＿＿_
／ ＼
／ ― ‐
／ （ ●） ） それはもう現状 仕方ねえお
| （__ﾉ､_）
＼ ｀_⌒
／ ＼
＿＿＿_
／ ＼
‐ ─ ＼
（ （● ） ＼
（人__） | ……ふーん
｀⌒´ ／
｀ｌ ＼
ｌ ＼
_z=- ､,. -=z＿
,. '´:::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ､
-=ヲ::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼:::::::::＼
-=7 :::::::::::／::::::::::::ヽ:ヽ:::::::ヽ:::::ヽ:＼_
. /::::::::::::/::::/:::: - ､::|:::|:::|::::::|::::::::ﾄ､「
/::::::::::::/::::/:::::/,ｲ/｀ﾄ､!:::|::::::|:::i::::}:::ﾄ､
=ｲ::::::::::::::{:::/:::::/卞ﾏﾊﾚ'|::::i,≠|:::|:::|i:::|
|::::::::::::/ﾚ'i::::: ﾚ' 込ソ |: /rぇ|:::|::{ ﾚ'
ﾚi:::::::〈 （ |ﾄ､:: j ﾚ!弋ﾀﾚ'|:/
}::::::::｀ﾄﾉ V 〉 |:::!′ どうした？ なに見てるんだ？
. ﾚ个､j -‐ /ﾚ'
,. --┴--- ､＼ ／
/ --─一'´￣｀ヽ‐ '
＼
}
/
/ /i
＿___ _ ＿___ _
(,,ﾟ∋) Ｌr┐ ! ,ノ / Ｌr┐ ! ,ノ /
ノﾉﾉ;丿 ／／ ＼＼ くノ └1_| くノ └1_|
＿＿＿＿＿＿ 〃YY .／／ ＼ヽ∧ ∧＼＼
) .∧ ∧ | ´`´`.／／ .∧＿∧ /／ (ー^*)《》＼＼
) l><三(,,ﾟДﾟ).| ／／∈!,（* ´∀）') ／/と_,ii. |.lﾞ:ﾞl《》＼＼
)＿＿＿＿＿__| .／／|:|(≡),（＿ii＿ii ヽ＼ [__ﾉ..|ﾉノlﾞ:ﾞl＠＼＼
| | ／／〆）/|XXﾉ|;;;;;;;;;;;;;| U´ヽ)|`ﾉノ＠＠ ＼＼
| |／／!.〆）/ !| .__（＿）＿） .| ＼＠＠＠＼＼
二二二二二ﾐﾉ／ ∧ ∧ / .|新| ヾｿ__/￣~ヽ ＼＼
| |l><三ﾟ< ＿(；ﾟДﾟ) / ./|鮮| i´｀i（・∀・*） .（()'）()＼＼
| |<l><三;ﾟ<（ ）_ii_ii∧＿∧￣ ∧ ∧ |;:;.:|ヽ ）＼ヾｿヾｿ__＼＼
l>_| |><三;ﾟ< | ) ﾟ=3::::';';';'; ；） (ﾟ * ) ｱﾗ ﾉ;ノ Ｙ ./ヽ |＿＿＿＿＼＼
￣| |￣￣| ヽＸＸ))Ｘノ と/⌒ ） ﾉ_,._,.ゝ ｱﾗ （,∧∧ﾍ∧ ＿ |＼〈;:'.:〉:'.:〉.:〉＼＼
＿| |＿＿|／ ﾞ （＿）ヽ_つ ﾉ,_,_,_ゝ (ﾟ∀ﾟ*)ﾟДﾟ)/豆| .＼|芋|〈;:'.:〉 ＼＼
[:] U U ヽXXXXXﾉ´￣ | ＼〈;:'.〈;:'.:〉'.:〉＼＼
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─＼
／ （●） （●） ＼
| （__人__） | しばらく見ないうちに また一段と栄えたみたいだお
./ ∩ノ ⊃ ／
( ＼ ／ ＿ノ | |
.＼ “ ／＿＿| |
＼ ／＿＿＿ ／
_........
ー=≦:.:.:.:.:.:.:.:.｀:......-‐-ミ
. ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ＼:.:.:.:.:.:.:.｀:..､
／ .:.: ／:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.:.:ヽ＼
. /:.:.:.:.:./ .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.‘,:.:.:.: ‘，.:.:.:.:.:.:.:.
′:.:.:./ :.:.:. i | :.:.:.:.:.: ｉ| :.:.:.: ‘,:.:.:.:.:.:.:.:.:.
i.:.:.:.:.:.′ :.:.:.i |:.:.ｉ| :.:.:.ｉ|:.:.:.:.:.: ‘: ｉ.:.:.:.:.:.:.:.、
|:.:.:.:.:ｉ:.:ｉ| :.:.:.i |:.:.ｉ|／:八:.:.:.:.:.:.: i:| :.:.:.:.:.:.:.i＼_
. i|:.:.:.:.i|:.:ｉ| :.:.:.i |: 八,.ｨf㍉i:.:.:.:.:.: i:|¨ヽ:.:.:.:i:| そりゃな
ｉ| :.:.:.ｉ|:.八:.:.:.Ｎ/ 癶,__.ﾉ |: /:.:.:.从_) } :.: i:|
ｉ| :.: 八{＿＼{ |/|:.: /' / :.: 从 越後を退去した上杉にとっちゃ 第一の海港だ
ｉ| /{:.:.:.ヽfﾞ㍉ |:./ ｢ |ｉ.:.:.{ 振興にはずいぶんと熱心らしい
. 八{: ＼.:.:.:.'¨´､ __ ノｲ 八从
＼{＼ く_／ .ｲ . -- ミ
｀ . ／￣`ｰ＜ ＿＿_＿_ ヽ
｀ / ｀ ‘､
/ ＼
＿_
／¨`￣ ヽ
. ／ ＼
/ / ヽ ',
. // |. | ｜ ',. i
l/.| i ﾊ ﾊ. l !｜
. | i | |/:-}ﾍ. ﾊ-l‐| } | ,
l | lK.i':::I`∨.ｲ:::i7'ｲﾊ/
∨＼{ ￣ i ￣j/ﾉ やっぱり気に食わないか
＼ - -‐' ／
__ト イ__
/ !ﾉ V ＼
. ／| _ヽ /く＼ﾄ､
,. '´ :l' } l ￣/／ ｀ ､
/ l `￢/' |
＿＿＿＿
／ ＼
─ ─ ＼ まあね
（●） （ ●） ＼
| （_人__） | 見せつけられてる気分になるお
＼｀ ⌒´ ／
/ ー‐ ヽ
/ ｀
＿＿__
／ ＼
. ／ ＼
. ／ ／） ノ ' ヽ､ ＼
| ／ .ｲ '=・= =・= u|
/,'才.ﾐ) （__人__） ／ それに………
. | ≧ｼ' ｀ ⌒´ ＼
／＼ ヽ ヽ
＿＿__
／ ＼
. ／ ＼
. ／ ／） ノ ' ヽ､ ＼ （酒田の民からすりゃ 今のままでいいじゃねーかお
| ／ .ｲ '（ー） （ー） u|
. /,'才.ﾐ). （__人__） ／ 上杉のままで）
. | ≧ｼ' ｀ ⌒´ ＼
／＼ ヽ ヽ
＿＿＿_
／ ＼
／ _ノ ヽ､_.＼
／ （●） （●） ＼
| （__人__） | 上杉の評判は？
/ ∩ノ ⊃ ／
( ＼ ／ ＿ノ | |
.＼ “ ／＿＿| |
＼ ／＿＿＿ ／
／.:.:.:.:.:／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ｀ : .
,.:. ／⌒´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀ .:.:.:.:.＼
: /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼ｰ─:.:.:.:.＼
/ :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.〈⌒ヽ
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾟ｡ .:.:. ﾟ｡
: .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. i :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ﾟ｡ .:.:. ﾟ
: .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. | :.:.:.:.:.:.:.:.:.: i:.:ヽ:.:.:.:.:.:.＼}: : iヽ}
:.:.:.:.:.:.:.:.:ｉ:.:.:.:.:| :.:.:.:.:.:.:.:.:.: | :.:.i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾄ､:. :.| .:.:.:.:.:.:.:.:. ;ﾊ :.:|:.:.:| :.:.: ｉﾄ､:.:|
:ｉ| :.:.:.:.:_」__＼|.ﾟ｡:.:.:.:.:.:.:/斗 ∧:丁: : :ﾘ. Ⅵ
八:.:.:.:.:. | ､_____,,ﾟ｡ :.:. / .」厶」/ｉ:.:.:.厶ｲ 非常に残念なことだが 悪くない
＼ :.: i ^¨¨´ ＼/ ﾞ¨¨¨^ |: ; ′ .
＼乂_ ﾉ'":| ｀ . 直江が任用した連中 なかなか人材だな
. ´ ｀T⌒ i: ／ : :|
´ .|: :`ト｡ ー 一 .イ .′.:.:|
. : |: : :. ｀ -- ´ ./ : : : :| . . . . . .
. : : : |: : :‘＼ _,,/.: .: : : :| : : : : : : : .
: : : : |: : : :‘， /.: .: .: .: .:| : : : : : : : : :
: : : : |: /＼:‘， / :/⌒＼: :|. : : : : : : : : :
: : : : |/: : : :ヽ}ヽ＿厶ｲ.: :/ : :∨.: .: .: : : : : : :
＿＿＿_
／ ＼
／ _ノ ヽ､_.＼
／ （─） （─） ＼
| （__人__） | ふむ………
/ ∩ノ ⊃ ／
( ＼ ／ ＿ノ | |
.＼ “ ／＿＿| |
＼ ／＿＿＿ ／
,,.．-──‐- ､
/.:: : : : : : : : : : : :ヽ
!:: :: :: : : : : : : : : : :',
/-{:: :: : : : : : : : : : :}
i ｪｪ {:: :: : : : : : : : :;! ………
< l:: : : : : : : : : :ﾉ
. Еﾌ ゞ:: : : : : : : ,‐_
/⌒ヽヾ─---─ ' i
,.' :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::
､ﾞ:: :: :: :: :: :: :,,,,, :: :: :: :
,.':: ::,,-‐'´￣ |:: :: :: ::
(:: /__ ﾞi:: :: :: ::
（:::i´ ヽ ﾞi:: :: :: ::
ぃi'ｪｪ L:: :: :: : （いや マジでえらい繁栄ぶりだな
i!,! , i,::__::,_ ::
,/.. ::::.. jｿl:: :: :: こんなとこの代官になっちゃった日にゃもう―――）
(;､o) ;;;;;;::::::::::.. H.}:: :: ::
,,,,,,,,,,,,,|!＿_ ,,,;;;;;::::::::::: ―':: :: ::
,.-‐' -､=｀i￣i- ﾞi ;;;;;;;;;;:::: ､:: :: _:: ::
」 = | _ l = l--l‐‐'....;;;;;;;;;;:::::::::: `ｰ' ﾞｰ‐′
| ｉ-| =.!--ﾄ="ゝ､＿＿__;- :::::
i `‐iｒ‐l`=' | ,,,,, l!-‐く;;::::::::
ﾞi ﾞ‐'' !"´ ＼:::::
,.．-──- ､
／ : : : : : : : : : : ＼
/ : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
,!: : : :,-…-…-ミ: : : : : :',
{: :: : i.'⌒' '⌒' .i: : : : : :}
. {: : : | ｪｪ ｪｪ |: : : : : :}
{ : : | ,.、 |: : : : :;! さぞかしハッピーだろうねぇ……
.ヾ: : i .r‐-ﾆ-┐ | : : : :ﾉ
`イ! ヽ 二ﾞノ ｲゞ‐'
ﾉ` ｰ一'´, ‐'ヽ
/ ! _, ‐" _ !
.,レ‐''´ _, -' !、
.// ,| . , -'´ ＿＿ !
// /∟‐'' ／＿＿_|
!/ / ,/ ,/ _＿＿_!
|' /_--!、 ,/ "l'´ ＿__ ',
｜l7 ! .|`‐イ┘ ＿_￣ |
//,| !^i^! | |__ ! .／ ￣｜
!/ ! | ｌ | / !、.￣|-------ｰl,
┏━━━━━━━━━┓
山形郊外 龍門寺
┗━━━━━━━━━┛
／三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三＼
0 │ |∞∞∞ |::|∞∞田田∞∞|::|∞∞∞ | ::| 0
［二］ | ::| |::|┏━━━━┓|::| | ::l ［二］
◎○＠※◎○＠※. |□|.│ |┌┬┐ |::|┃(●) (●)┃|::| ┌┬┐| ::|. |□| ◎○＠※◎○＠※
ii|iiii|iiii|iiii|iiii|iiii|iiii|iiii| ｀)三(´| ::|├┼┤ |::|┃ ,）)＿/（、┃|::| ├┼┤| ::|｀)三(´iｌ|iiii|iiii|iiii|iiii|iiii|iiii|iiii|
＠※◎○＠※◎○ | ::| | ::|└┴┘ |::|┃/ ヽ┃|::| └┴┘| ::| | ::| ＠※◎○＠※◎○
ii|iiii|iiii|iiii|iiii|iiii|iiii|iiii|ｌi┏━━━━━┓|::|┃ﾍ（_人_）ノ┃|::|┏━━━━━┓ ｌi|iiii|iiii|iiii|iiii|iiii|iiii|iiii|ｌ
◎○＠iiii※◎○＠ ┣┳┳┳┳┳┫|::|┗━━━━┛|::|┣┳┳┳┳┳┫ ◎○＠iiii※◎○＠
ii|iiii|iiii|iiii|iiii|iiii|iiii|iiii|ｌ ○ ● ∫∬∫∬ ● ○ ii|iiii|iiii|iiii|iiii|iiii|iiii|iiii|ｌi
○○ ●● iiiii iii ii iiii ●● ○○
［￣￣］ ［￣￣］ （￣￣￣￣￣） ［￣￣］ ［￣￣］
|_○_| .|_○_| |＿＿＿＿_| |_○_| .|_○_|
∧＿∧ ∧＿∧ ∧＿∧ ∧＿∧ ∧＿∧ ∧＿∧ ∧＿∧ ∧＿∧ ∧＿∧
（ ）（ ）（, ）（,, ） ,,）（ ）（ ）（, ）（, ;）
＿＿＿
／ ＼ （父上が亡くなって十年……
／ ─ ─ ＼
／ （●） （●） ＼ つまり小田原 奥羽の仕置から十年ってことかお）
.| （__人__） | ＿＿
＼ ｀ ⌒/￣￣⌒/⌒ /
（⌒ / 経 / /
i＼ ＼ ,(つ / ⊂)
| ＼ y(つ＿＿./,＿＿⊆)
| ヽ＿ノ |
| |_
ヽ、___ ￣ ヽ ヽ
と_＿＿_＿＿＿ノ＿ノ
＿＿＿
／ ＼ （やる夫ももう五十四か
／ ノ ＼ ＼
／ （ー） （ー） ＼ とうに父上が隠居してた年齢になっちまったんだお）
.| u. （__人__） | ＿＿
＼ ｀ ⌒/￣￣⌒/⌒ /
（⌒ / 経 / /
i＼ ＼ ,(つ / ⊂)
| ＼ y(つ＿＿./,＿＿⊆)
| ヽ＿ノ |
＿＿＿
／＼:::::::::／＼ （けど 荘内を 失地を
／:::<ー>:::<ー>:::＼
／::::::::⌒（__人__）⌒::::::＼ 上杉に負けない最上の威信を 取り戻すまでは―――）
| ｀ ー'´ u |
＼ u ::::: ／
／ ::::::::::::::::::: ＼
／ ＼ 〈〈〈 ヽ
（〈⊃ } }
＿| ＼/＼/ ＼／＼/ |∧／ /／/
＼ /
∠ なっ なんだってー！！ ＞
―┼―┼―┼―┤ | ├―┼―┼―／＿ ＿ ＼
―┼―┼―┼―┤ | ├―┼―┼―￣ / ／∨| /Ｗ＼ /＼|＼ .| ￣
―┼―┼―┼―┤ | ├―┼―┼―┼ /／ |/ ＼/ ＼|
―┼―┼―┼―┤ | ├―┼―┼―┼―┤ | ├―┼―┼―┼―┤ || |
―┼―┼―┼―┤ | ├―┼―┼―┼―┤ | ├―┼―┼―┼―┤ || |
―┼―┼―┼―┤ | ├―┼―┼―┼―┤ | ├―┼―┼―┼―┤ || |
―┼―┼―┼―┤ | ├―┼―┼―┼―┤ | ├―┼―┼―┼―┤ || |
―┴―┴―┴―┘ | └―┴―┴―┴―┘ | └―┴―┴―┴―┘ || |
――─────┐ | ┌――─────┐ | ┌――─────┐ || |
＿＿＿＿＿＿＿,,| | l＿＿＿＿＿＿＿__,| | l＿＿＿＿＿＿＿__,| || |
＿＿＿＿＿＿＿＿_|＿＿＿＿＿＿＿＿＿__|＿＿＿＿＿＿＿＿＿__|| |
＿＿＿
／ ＼
／ ⌒ ⌒ ＼ はい 上杉による朝日山中での普請が始まっています
／ （ ー） （ー） ヽ
| u ___｀___ | まったく 身勝手な振るまいというか
ヽ、 `ー '´ ／
⊂⌒ヽ 〉 く /⌒つ
＼ ヽ / ＼ ヽ / ［最上義康］
＿＿＿_
／ ＼
／ _ノ ヽ__ .＼ 大事なのはそこじゃねーお！
／ （○）!i!i（○） ＼
| （__人__） u | いや 大事ではあるけど！
.＼ ）t-ﾂ ／ 上杉の立場ならやる夫だって計画するお！
/ ⌒´ ＼
＼＿（__） i＼(__)
| |
＿＿＿
／＼ ／ ＼
／（●） （●.） ＼
／ （__人__） ＼ なんでそれをすぐ知らせなかったんだお！！
| |::::::| ノ（ |
＼ l;;;;;;l ⌒ ,／
／ヽ `ｰ´ ｨ⌒ヽ
rｰ'ゝ 〆ヽ .)
ﾉヾ ,> ヾ_ノ,ヽ}
ヽ ヽ| ヽ_ノ
＿＿＿_
／ ＼
／ u ⌒ ＼
／ u （●） ＼
| __´_ | えっ？
＼ u .｀`ー／
ノ ＼
＿＿＿_
／ノ ヽ､_＼
／（ ○）}liil{（○）＼ 上方じゃ上杉に下手に出まくって
／ （__人__） ＼ 景勝に名代の見送りまで出してやることになったんだお！
| ヽ |!!il|!|!l| / |
＼ |ｪｪｪｪ| ／ 領国外で普請やってるなんてこと知ってりゃ こっちも打つ手はあったんだお！
／ `ｰ' ＼ |i
／ ヽ !l ヽi
（ 丶- 、 しＥ |そ
`ー､＿ﾉ ∑ l､Ｅ ﾉ <
＿＿＿_
／::::::::: u＼
／ﾉ└ ＼,三_ノ＼ ,∩__
／:::::⌒（ ●）三（●）＼ fつuu 正確さや機密はもちろん大事だけど 早さだって必要なんだお
|::::::::::::::::⌒（__人__）⌒ | | |
＼::::::::: ｀ ⌒´ ,／_ | | 外交の舞台が山形から上方に移ってることを忘れてはならんお！
ヽ i 丿
/(⌒) /￣￣´
/ ／ /
． ─―─‐ 、
, " ＼
/ ＼
. / ＿／::::::＼_ヽ
| :::::::::::::: :.. は はい
| u （ ー):::::::::( ー)
. ＼ ´ / 申し訳ありません
,＼ ` ｰ‐‐／
／ ` ｰ─ ＼
: : : .:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
: : .:::〃:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i
: |: :::||:::|::::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::||:::|
: L.::｣Ｌ」_＿_｣::::::::::::||:::::::|L::::::::::::_＿_」Ｌ」
: ::| ――- .,_￣￣ ￣´ _,. -― ':::::::
: ::| ､斗rぅ示､｀` /´,ｨぅ芯＾ｱ ;:::::::::
: ::| ｀ ､Ｖrツ ゝ , ､ Vrツ' ;::::::::::
: ::| | ;::::::::::: 御屋形様 お待ちください
: ::| | ﾊ::::::::::
: :ﾊ -ノ ｀ヽ::::::: 責はこの権兵衛にあります
: :|∧､ _＿_ __ / 丶
: :|/∧＼ (二二ﾌ′ ,. 'ﾘ
: :|∨∧ ＼ ｰ ∠7/
刈 Ｖ∧ 、 ,.ｨ劣'ﾞ/
ﾊ `＜､ ｰ-､ ｀ｱ壬二ｱ / ［里見権兵衛］
＼ ` ー‐――一'／
／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..
,:::::::〃:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.
::::::::|l::::::ｌi:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.
|:::::::｣L:::｣L::::::」::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.
ｰﾍ _,. -―｜::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.
lﾊ 仡厂 :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::. この情報はもともと我が父 上山の民部が掴んだもの
l/ |:::::::ｌ::::::::::::::::::l::::::::::::::::::::::::.
〈 |:::::::|::::::::::::::::::|ｌ:::::ｌ:::::::::::::::::. それが万一にも漏洩しては と惜しんで機密を進言いたしました
:. ｜:::::|::::::::::::::::::||:::::|::::::::::::::::::.
|ゝ- |:::::::|i:::::::::::::::::||:::::|::::::|L ┘ 若様はそれを取り上げてくださったのです
|::::} |:::::::|L -‐t..､,二､￣
|::::: ｰ=≦ └ ´,. :,.ﾆ≠´ :､
L -‐ 斗 彡'´ -=ﾆ ￣）｀ヽ
∠=‐ ´ ,. ´ ／￣::＞┴- ､
{ ／ ／:::::／ {
/{_＿／ /::::::／ ､ l
.::: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.
/:::: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.
. /::::: : : .:/ : : : : : : i : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.
/::::::: : : /::: :ｉ|: : : : ｌ|: : : : : : l: : |ｉ: : : } : : : : ! i: : l
. /::::::::: : : {:::::_｣L: : : ｣L: : : : : 」: :」L: : ﾊ_: : : :l :|: : |
′::::::: : : :Τ -‐―- ..,,_ _＿Τ: : |
'::::::::::::: : : :｜ 斗=ﾃ示ﾐ ｀` ‐ァ千=ミ |: : :
:::::::::::::: : : : | ゝ Vrツﾊ / / Vrツノ /|: : : | しかし ご無礼を承知で申し上げます
￤:::::::::::: : : : | ￣ | ￣ ′: : :｜
l::::::::::::: : : : ||` | ' !: : : : 御屋形様ご不在の山形において 国政の裁量は若様にあります
|::::::::::::: :: : :|ﾄ､_ ´ ′ f‐く| : : : !
|:::::::::::::::|: : ||'/∧ 人/,|: :ｉ :｜ 此度のことはその裁量のうち
|::::::::::i:: |: : ||///, ､ -‐― ､ ／///,|: :|: : |
|:::::::::i|:::|: : ||/////＼ ¨¨ ／/////,|: :|: ｉ |
L_＿|L_!: : l|///////}丶、 ィ////////,|: :|: l: |
`ｰ┘￣二ニj ≧≦ |ニ二 ￣￣L⊥-┘
r＜／:::::::::＼ ／::::＼ ＞､_
-‐{ ｛ ｀ ー―‐｀―――´‐一 ´ } ‐- _
-‐ `ﾄ､ ,.､＜ ﾄ<｀ヽ
: : : .:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
: : .:::〃:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i
: |: :::||:::|::::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::||:::|
: L.::｣Ｌ」_＿_｣::::::::::::||:::::::|L::::::::::::_＿_」Ｌ」
: ::| ――- .,_￣￣ ￣´ _,. -― ':::::::
: ::| ､斗rぅ示､｀` /´,ｨぅ芯＾ｱ ;:::::::::
: ::| ｀ ､Ｖrツ ゝ , ､ Vrツ' ;:::::::::: 結果として 齟齬や不利もございましょう
: ::| | ;:::::::::::
: ::| | ﾊ:::::::::: 政治が国元と上方に分離してしまっている以上 避けられません
: :ﾊ -ノ ｀ヽ:::::::
: :|∧､ _＿_ __ / 丶 ただ 若様は事前に与えられた裁量どおりに励まれたということをお忘れなく
: :|/∧＼ (二二ﾌ′ ,. 'ﾘ
: :|∨∧ ＼ ｰ ∠7/
刈 Ｖ∧ 、 ,.ｨ劣'ﾞ/
ﾊ `＜､ ｰ-､ ｀ｱ壬二ｱ /
＼ ` ー‐――一'／
＼ ／ ￣ ―- _ ＼ /
／ / /ー-１ ｀ ―- _ ＼ ＼/
./ / / / | l ｀＞､＼/ｰｧ
ｌ ｜ | ､ ｜ | ／ l l ＼ /
ｌ l l ＼| ､l／ l / | ＼
ヽ t ヽｨ=＝ =＝=ミy / |ーr┘
＼ ＼ / /しﾊ /しﾊ Ｙ /┐ 卜┘
＼ fﾊ l ﾚﾘ:! l ﾚﾘ:! ノ｜ ｌ| | 権兵衛！ 若様も自省しておられるのよ！
/∧ハ ゞ＾' ‘ ゞ＾' ｌ / l/
// ゝ | ﾏ〜 ⌒ヽ ﾊｲ | 横からいらない口を挟んで御屋形様を批判するなんて―――！
| | 人 ！ | ｲ | | /
{ | | ／ ｀ト､ 丶 ノ ／｜ 丶---キ
｀T"´ ＿_ ノ ≧ｪ― イﾏー‐r'´￣ ヽ ＼＿_ ノ|
| l ／ ｀T´ |」 ／ / ＼ /|
ト---' / r――-rヌｒぅィ１-――┐ | -‐ /
ヽ ／｣ | {７,こ,こ,ヌ7 ｜ |＼ ／
く | ｰ{ { } }-ｰ | ＿/´
＿＿＿
／）／ノ ' ヽ､＼
／ .ｲ '（●） .（●）＼ いやいや 久正 やめろお
. /,'才.ﾐ). （__人__） ＼
. | ≧ｼ' ´ ⌒｀ | 確かに言い過ぎたお
. ＼ ヽ ／
＿＿＿_
／ ＼
／ _ノ ヽ､_.＼ 権兵衛に一理はあるお
／ （●） （●） ＼
| （__人__） | 結果から誰かを責めるより こういう齟齬があることを前提に
/ ∩ノ ⊃ ／ いろいろ対策してったほうがよっぽど有益だお
( ＼ ／ ＿ノ | |
.＼ “ ／＿＿| |
＼ ／＿＿＿ ／
＿＿__
／_ノ ヽ＼
／ （ ●） （●）、 というわけで義康
／::::::::⌒（__人__）⌒＼
| |r┬-| | 頭ごなしに怒ったのはまずかったお
＼ `ー'´ ／
⊂⌒ヽ 〉 ＜´/⌒つ ちょっとやる夫も苛立ってたみたいだお
＼ ヽ / ヽ /
＼_,,ノ |､＿ノ
＿＿＿_
／ ノ ＼＼ いえ そんな
／ （●） (●）＼
／ u ___'__ ＼ 私の思慮が及ばなかったことが原因です
| `ー'´ |
＼ /⌒)⌒)⌒) ／/⌒)⌒)⌒)
ノ | / / / (⌒) / / / /
/ | :::::::::::(⌒) ゝ :::::::::::/
| ｌ | ノ / ） /
ヽ ヽ_ヽ /' / ／
ヽ ＿＿ ／ / ／
＿＿__
／_ノ ヽ＼
／ （ ー） （ー）、 （……正論 確かに正論）
／::::::::⌒（__人__）⌒＼
| u. |r┬-| |
＼ `ー'´ ／
⊂⌒ヽ 〉 ＜´/⌒つ
＼ ヽ / ヽ /
＼_,,ノ |､＿ノ
＿＿＿_
／ ＼
／ _ノ ヽへ＼ （けど それはせめて義康の口から聞きたかったお）
／ （ ―） （―） ヽ
.l .u ⌒（__人__）⌒ |
＼ ｀ ⌒r'.二ヽ<
／ ｉ＾Yﾞ r─ ゝ、
/ , ヽ._Ｈﾞ ｆﾞﾆ、|
{ { ＼｀7ｰ┘!
i'-,'､-ー_二二二二二二二ニ',_'ｰ_-:-:､:,_:_:::`':-､,,_::
-ｰ'''~￣ `''''ー--二,ｰ-'`,
_,,,､､､ --ー:'':'':'':'':'':'':'':ー:ｰ:-:-:､､,,,_ ~`''-
-ー:-': : / : : : /: : :/､: /l : : : : :.i : : : : : :, : :`:'':-:､,_
: / : : : / : : : / : :./`'`' 'l : : : : :.l : : : : : : :l : : : : :i : `
:.l : : : / : .l l' : : :./l l .l :l : : : : .l : :
:l : l l ll : : :.l :l l ､､,,,_ li,_ .l l.l :
..l , .l .l -､l.l,='~ l :l l `''''-'i,`` / // /,
i,l '､ l,_,,､､'i, : : : :'-:ｰ':'':_:~_:'_:'_:':_':'':ｰ:-､/,/,
'､, _, -'-_ﾆ~-:ｰ:ｰ,-: : : : : : : ' /: : : : : :i`'- _,/:`'i:
＞:':_､:i ' l: : :l : : : : : : : : ゞ,､､､､,,ﾉ_ ／ i,:-'~l:
`'',-'l ､,l >-ｰ'''''`': : : : : : : : : : : : : : / ./~ /:
./ .l'､_l : : : ,- ./,-,'::::
' .／: : ::'､ ､,,,､_-'''ﾌ .ノ::::＼`'
'~ｰ''~/:::::`-､_ ~~ _,､--､,／.l:::: l:::l`'
ー,-':::::::::::::::::_`--､､､,,＿ _,-_:~: : : : : : `:i:/ l::l
`~ : : : : : : ノ:-' l::::￣/ l,l .l:
,. -‐…━…‐-
／::::.: : : : : : : : : : : : :｀ : .
/:::::::: : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
':::::::::: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .
i::::::::::::. :i: : : :i!: : : : : : : : : : : : : : :.
|::i::::i|::: j|: : _｣L: -‐__┤: : : : : : : : :.
ﾚﾍ＝=ミ＾´ ≠笊ぅﾌ|: : : : : : : : : :.
|::::::代てぅ ｀￣´ | : : : : : : : : : :.
|::::::ﾊ } |: : : : : : : : : : :.
|:::::::::::. `｀ ! : : : : : : : : : : .
|::::::::::人 - ― |ｉ : : :i|: : : : : : }i
|i::::::::::::个 ¨ ´|{ : :_｣L: :」Ｌ: :j｣
|{:::::::::::::i!:::::≧r ´ ,.ｵ´::＞‐､
｀￣￣´＾⌒>┤ ／,.-‐ ´ >‐-
_｢≦-┴≠´ -‐ ´ ＞=ﾐ
／ ∧_＿__ -‐ /::::::::::Уヽ
_｣ / /::::::::／ `､
〃::| ,′ /:::::／ ', 、
＿| ＼/＼/ ＼／＼/ |∧／ /／/
＼ /
∠ なっ なんだってー！！ ＞
―┼―┼―┼―┤ | ├―┼―┼―／＿ ＿ ＼
―┼―┼―┼―┤ | ├―┼―┼―￣ / ／∨| /Ｗ＼ /＼|＼ .| ￣
―┼―┼―┼―┤ | ├―┼―┼―┼ /／ |/ ＼/ ＼|
―┼―┼―┼―┤ | ├―┼―┼―┼―┤ | ├―┼―┼―┼―┤ || |
―┼―┼―┼―┤ | ├―┼―┼―┼―┤ | ├―┼―┼―┼―┤ || |
―┼―┼―┼―┤ | ├―┼―┼―┼―┤ | ├―┼―┼―┼―┤ || |
―┼―┼―┼―┤ | ├―┼―┼―┼―┤ | ├―┼―┼―┼―┤ || |
―┴―┴―┴―┘ | └―┴―┴―┴―┘ | └―┴―┴―┴―┘ || |
――─────┐ | ┌――─────┐ | ┌――─────┐ || |
＿＿＿＿＿＿＿,,| | l＿＿＿＿＿＿＿__,| | l＿＿＿＿＿＿＿__,| || |
＿＿＿＿＿＿＿＿_|＿＿＿＿＿＿＿＿＿__|＿＿＿＿＿＿＿＿＿__|| |
∩＿
〈〈〈 ヽ
＿＿_＿ 〈⊃ }
／:::＼:::／::＼. | |
／ <●>::::::<●>＼ ! ! って またかお！
／ :::::⌒（__人__）⌒:::::＼| l
| u. |!!il|!|!l| | ／ コピペミスだと思われるじゃねーかお！
＼ |ｪｪｪｪ| ／／
/ ＿＿ /
(＿＿＿） /
／:／ィーﾍｨ::::::::ﾄ､:＼｢:::｀`ヽ::丶＼
, -‐'::´:::::::::::l へ/::/;ｲ:/ ヽト､:、:::::ヽ:＼｣
/:::::／::::::/:::イ／/７｢ /,｣ヽ ト:/:::｣::｢
/:／:/::::＼:ｲ |/ｰtｯ‐' ,,ｰtｯｰﾉノ;｀ヽ、
／::/!:::::::::ゞﾍ!`ゝｰ一 （ ｰ- /ﾍ::::::::＼ヽ､ こぴぺみす？
|/ |::/::::::{ ﾍ' ﾉ ｢ｿ::',::'::＼ヽ
l/|:/|:::ト‐ﾍ -‐ K::::::ｌｒ'´￣
└/ｒﾉ:::ヽ､ ／ヽ}⌒
'‐'´｀⌒| ｀丶､_,／´´ヾ
｣ ｣、
ノミ三三彡
_, -':::::::'､ヽ, ,ﾍ､_
, ‐'´ ヽ:::::::::::::＼ヽ､ｒｲ::',:::::::'ヽ､
/ ':::::::::::::::l ヽ､ﾉ::::::::l ヽ
l }::::::::::::::L＿ ∧:::::::::{ l ［正室・うみ］
| ﾉ::::::::::::::｢ ￣Vﾊ:::::::::':, l
＿＿＿_
／ ＼
／ ＼:::::::::::／ ＼ こ こっちのことだお
／ （●）:::::（●） ＼
| （__人__） u | それより密通があったってのは……
＼ . |┬-r| ／ 城中で密通があったのは確実なのかお！？
／ ｀ー´９ｍー ）
`ーー‐'ﾞ
, - ‐‐‐‐‐-.､
, -'´（::::::::::::::::::::::::::｀`ヽ､
／ヽ,_ ゝ＿:::::::::::::::::::::::::::::ヽ
／::::::::::::::ﾉ--'/..........:::l::トｰ‐'´､_.',
/:::/:::::／::::::::::::;::/:::::::::::.ｌ!.ﾚ‐―':::::::',
ヽ:::/:::::;:::::::/://l::::::::::::::;::::::::/|:::::::::',
ヽl_::l;;::::::|_| / |::::::::::::::l:::::{ r/::::::::::l うん
|;;;;i! 〒=,| |`l=,､;､::/!::::;:Y::::::::::::::!
／/;;ゞ! ヾ'_ , ｢':jｰ､'└ｒイ;;;;;:::l::::ﾄ! 恋文を届けそこなったみたいね
ヾ!;;{ﾊ ヽ `‐ '' /-く;;;|;;',ﾉ'´
_＞ヘ、r-､ ／;{;;;}}_ｌ' 奥の文書管理を任せてる女官に渡っちゃって
, ― ‐ '｀ フ /..､-'´!＝へ､-.ィ-､
／ ヽl r/ , ´. ゝ=彡､ ヽ､,,＼| ｀ヽ､
i 「｀ヽ 「ﾍ 〉 ::};;;--ｒ'´:| ｨｊ´
| -'ｒ ｒｊ ／､_ィ´|::::::|::::::l,､-ﾊ
ﾉ :::>ﾍ＼」'´ ヽ!ﾉ L:::｣;:::-|: |
| ／ヽ､_ｦ { l !
／￣￣￣＼
／ ─ ─ ＼ とんだオマヌケ野郎だお
／ （●） （●） ＼
| （__人__） ノ（ | しかもこりゃ もうだいぶ関係が進んでる内容じゃねーかお
＼ ｀ ⌒´ ⌒／
（ ヽ __＿ .／.／ 宛先は花輪で……
.＼ ＼| .,ﾚ゛／
.＼旨 爻ﾝ
＿＿＿
／::::::::::::::: ＼
／:::::::::::: ー ーヽ
/ :::::::::::（ ◎） （ ◎）
| ::::::::::::::::::::（__人__） | ほー 差出人は鳥海勘兵衛かお
＼ ::::::::::::::::::::｀i i´ノ、
／:::::::::::::::::::::`⌒:::: ＼
./::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i、::::＼
. |:::::::| ::::::::::::::::::::::::::| ＼.:::::＼
ヽ、 ＼:::::::::::::::::::::::| .＼ ＼_
奥御殿、ことに正室に直接仕える女官たちは、家中でも有力な家の出であることが多い。
彼女たちの実家への手前、また当主の側室になりうるという立場からも、厳格な管理が求められた。
, -─-r'´￣｀ヽ
／⌒l ﾉ| ,ヽ- ､
j ヽ＞-─‐- _f｀!/ Y⌒ヽ
く／:::::::::::::::::::::::::::::｀`＜ノ / }::＼
/ :. .: :::::`＜ 〈::::::::ヽ
./ : .:::::... ..:i:.. .::,:. .::::::::::::::＼）:::::::::',
l .:::::::::::::::l|::::::/」_/l:::::::::::::::::::::::::::::::::::i
!.. .:i|ﾄ､ﾄ､:::|:!|::::/ j/l/l7ﾄ､1:::::::::::i:::::::::::::|
!::::::l,=ミ､ヽ!| V , ==､/／!:::::::::::l-､:::::::::|
l:::::::| f';ヽ f.'::ヾ`' !::::::::::l^ l::::::::::!
l:::::::|｀ー' `ー'´ |::::::::::ｌ /:::::::::/
ﾞ､:::::l "" ､ """ ｜:::::::l/:::::::::/ 『勘兵衛様 先日はお会いできてとても楽しかったです』
ヽ::::ヽ _ !:::::::/:::::::::/
＼､ ＼ ￣｀ ,/:::::/:::::::〃 っと
` ヽ-丶 ＿ ィ ｲ〃ム┬'
,. ----､ /! ／´ ヽ
/ ＼」-ァく7く-- _, -‐'´::＼
／ヽ f´￣ /! ＼￣:::::::::::::::::::／＞─‐- _
/ ‐-､ﾊ ／ ,! ヽ::::::::::::::／ ∠ -─‐-､
! ｀V ∧_／/ /| !::::::／ ∠＿__ /⌒) ［侍女・花輪］
〉 ７〈__/ / / ヽ ＿__j:::/ ∠＿_ ｀ヽ /:￣｀
統一政権の誕生により、府城の組織や役割が肥大していくなか、奥方の風紀徹底は全国的傾向だった。
ﾉ Ｌ＿＿＿_
⌒ ＼ ／ ＼
／ （○） （○）＼
／ （__人__） ＼ 勘兵衛には切腹を申し付けるお！
| |::::::| |
＼ l;;;;;;l ／l!| ! すぐ使者を立てるんだお！
／ `ｰ' ＼ |i
／ ヽ !l ヽi
（ 丶- 、 しＥ |そ
`ー､＿ﾉ ∑ l､Ｅ ﾉ <
ﾚY^Ｖ^ヽｌ
, - ‐‐‐‐‐-.､
, -'´（::::::::::::::::::::::::::｀`ヽ､
／ヽ,_ ゝ＿:::::::::::::::::::::::::::::ヽ
／::::::::::::::ﾉ--'/..........:::l::トｰ‐'´､_.',
/:::/:::::／::::::::::::;::/:::::::::::.ｌ!.ﾚ‐―':::::::',
ヽ:::/:::::;:::::::/://l::::::::::::::;::::::::/|:::::::::',
ヽl_::l;;::::::|_| / |::::::::::::::l:::::{ r/::::::::::l
|;;;;i! 〒=,| |`l=,､;､::/!::::;:Y::::::::::::::!
／/;;ゞ! ヾ'_ , ｢':jｰ､'└ｒイ;;;;;:::l::::ﾄ! え……
ヾ!;;{ﾊ ヽ `‐ '' /-く;;;|;;',ﾉ'´
_＞ヘ、r-､ .u／;{;;;}}_ｌ' お互い好きあってるみたいだし かわいそうじゃない
, ― ‐ '｀ フ /..､-'´!＝へ､-.ィ-､
／ ヽl r/ , ´. ゝ=彡､ ヽ､,,＼| ｀ヽ､
i 「｀ヽ 「ﾍ 〉 ::};;;--ｒ'´:| ｨｊ´
| -'ｒ ｒｊ ／､_ィ´|::::::|::::::l,､-ﾊ
ﾉ :::>ﾍ＼」'´ ヽ!ﾉ L:::｣;:::-|: |
| ／ヽ､_ｦ { l !
／(::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::⌒)`ヽ､
／） ゝ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,ノ ,ゝ `ｰ､
/:::::::⌒) ＼:::::::::::::::::::::::::::::<`' _,.ノ:::::::ヽ::::ヽ
/::::::::::/⌒ヽ `ｰ‐'（:::::::::::::::::::ヽ/::::::::::::::::::ヽ､|
l:::::::::::/,ｨ::::::::）〆∨⌒::i:::::∧::|:::::::::::::::::__::_::::|
/:::::::::::l//::::::::::::::::::::::::::/l |/ |/__i..._ｒ‐'´::::,ｒ'`'
./::::::::::::::（`'ｰ-!-┬‐-､ノ,ﾉﾉ l,.．‐'´|::,'´
/,ｨ::::::::::::::::::ｏつ::::ﾉ '´,ri.ヘ´ /|ﾚﾟ｝ /(
.//,l::::::::::::::::::（ 乂:〈｀`< |.ﾚﾟﾉ i ｰ' /::::ヽ、
l/ ,l::::::::::::::::::::::`､_ﾍl ｀¨´ .冫 |:::::::ﾄ.l いっそ結婚させてあげれば？
L:_:::::::::::,.ｨ:::::::::/,.ﾍ rｰ-‐ｧ ﾉ::::::ﾉ '
｀`ヽ､l.|/^∨//.:ヘ、 ヽ､_/ ／⌒´
｀ ﾋノ`ヽ__∧ ／‐､,.-‐‐-､
_,.．r.:'´'´.:/| ` ｰ' i￣.:.,ｒ'￣￣＼
,ｒ'´ |.:.:.:.／<`ｰ-‐'´ｒ'.:.:.:.:l l
l |.:.（ l`'ｰ‐'´/.:.:.:.:.:|. |
＿＿＿
／ ＼
,---､ ＼, 三_ノ ＼―、
.l ｌ （●） （●） ＼ | 城中の風紀を崩壊させる気かお！！
| | （__人__） | |
.| | |!!il|!|!l| ／ / これが害意を持つ輩だったらどうなってたと思うお！
ゝ |ｪｪｪｪ| ノ
＼ ／
/ |
/ |
(⌒ヾ｀
ゝ´ ,）)
(（ ⌒ゝ lij
ｰ" ミ ＿＿＿
ノ(_ ＼
／"＼,, ､／"｀` ＼
／ （ ●）´｀（● ） ＼ お前の監督責任だってでかいんだお
| '" （__人__） "' |
＼ ` ⌒ ´ ／ 義康といい やる夫不在の山形はどうなってるんだお
／ ゝ ｀` ィヽ
＿＿＿_
／ ＼
／ ＿, 、＿ ＼
／ （ ―）三（― ） .＼
| '" （__人__）"' | まったく こんなこと さ―――
＼ ` ⌒ ´ ／
／ゝ "` ｀ヽ.
／ ＼
／;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::::＼_
-､_｀ヽ､--';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;)::::::::::l_＿ _
-＝＝ー;;;;;;;;;;;;;;, -―:::::::::::::::::::::::::::‐.､｀ヽ
ヽ:::;;;;;;;;;;;;;;;;;;｢lｒ‐‐‐‐;:;‐::::::::::::::::::＼:::::ヽ,
};;__;;;;;;;;;;;;;;;;Vﾍ:::-－‐‐ィ:::::::::::::::l::＼;;:}
／;;;;;;;;;;;;;r‐ヾ;:ｒ-‐＜;;;:ノ//|};|::::}',:::>-
ヽ::／::::::（｢ｒﾊ|:::: ヽTｼｒｿノィl┤‐┘
｢/:::::／::＞‐}::::. (ｼ/{'´
`ーﾍ/(_,､ｨ: ､::: __ -'/､ ？ なによ？
＞‐L::__丶、 ,､ﾍ}ゝ
／....... ￣ ￣｀`'''ー
ｌ:::::::::::::::::::::......................
＿＿＿_
／ ＼
／ _ノ ヽ__ .＼ な なんでもねーお！
／ （○）!i!i（○） ＼
| （__人__） u | とにかく勘兵衛は許さんお！
.＼ ）t-ﾂ ／
/ ⌒´ ＼
＼＿（__） i＼(__)
| |
＿＿＿_
／ ＼
／ ＼
／ U _ノ ヽ_ ＼
| （一）|lil|（ー） | （『こんなこと さやがいれば』……）
/ ∩ノ ⊃_） ／
( ＼ ／ ＿ノ | |
.＼ “ ／＿＿| |
＼ ／＿＿＿ ／
＿＿＿
／ ＼
／ ＼
/:::::: ヽ
|::::: i
ヽ::: __／
/:::: ＼
|::: ＿）
|:::: i
＼___、_____ ノ ＿）
鳥海勘兵衛への切腹申し渡しはほぼ確定した。勘兵衛も覚悟を固め、沙汰を待った。
// / ,. ＜三三三三三＞､
.// / ,ｨ ´三三三＞=＝＝＜三ﾊ
./ /､_, _,ﾉ三ﾆ＞ ´ rぅ＿＿て､ ｝
. / ! .} {三／ ,. ＜三ﾌ / ゝ､三≧<
ｖ､__ﾉ_ｿ }ﾆ!,. ＜へ三彡i il ﾐ"r‐tﾝ＜,ﾊ
ト! ､_}ーイﾆr{ f } 彡 ! !′ ヽｿ ﾞ /ﾆ､
! .l示≧r､}ﾆl" ﾊ ｰ 1 u.,' ′ ー ﾊ l ヽ 御屋形様のお怒りもごもっとも
| ト＜＿ijﾆV T i , / ， ム_ | !
l iﾆ! l三ﾆﾊ , ﾄ i i| ＜｀､ｰ､｀r ' i
! ﾉﾆ| l三三 V i ヽ!{ " ｀ ｀､ヽ!＼ヽ ﾉ
/三, ,′三三ゝ/ ヾ ､ ｀f'ミtr≧く
三/ /三三三三＼_ _,.＞r==--人≦しﾆミ!
. / /三三三三三7//≧"三三三 }｀ ＜ミﾊ
/ /三三三三三 0 "三三三三三i l三＞!
が、ここで助け舟が入る。
＿_
_,,,, -‐''''.´￣ ￣'''ｰ=x
/''::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀'=､
/::::::::::::::::::::._;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;_::::::::::::::::::::|
::::::,, -''ﾞ￣_ ,,. __ _x_ __ ｀'''::､::::::::i
ﾞYﾞ ィ '´_,,,;;::==--竺:-=::ﾐ､-.`ｭﾉ
=:}''ｯ〔c_ﾞ::::::::::: ..:::::::::::::::::::..`‐ﾐ{
:Tヽ;:;;/｀'ｧ‐｡x;;;,＿＿＿,,,;;;;ィTi､__
.{.iヽY （_ _ﾉ〉 K(´ﾟ ）｀l:/ }::::､ﾞヽ､ ええ 僕も恋文指南の共犯者というわけでして
::ヾ,｀| | ﾞー ,lｲ /;;:;:ヾ､::.＼
,w'ﾞYl rV'〉 .,!ソ'' "ﾐ::jﾉ:::::::::::`ｰ 罰するのであれば 僕も同様にお願いします
, .}ミi､ ` ' /ﾐﾘ ﾐ ﾐ::::::::::::／i::::..
ﾐ,, ヾiﾐヽ, -=ﾆニニ= ,,ムｼﾞ ,,ﾐ'ﾞ::;ｨﾞ::/／:::::::.
:::ﾐi, l:;:;ゞiﾐｘ､_ _,,,ｲﾐシﾞ 彡ﾞ:／/::/./::::::::::::
:::::::ﾐ､ヾ､:;ﾞヾi}ｴｹZﾞｴﾂﾞ:/ ミ:;ｨﾞ ,,ｲ::j'./:::::::;;;;_::
＿＿＿_
／⌒三 ⌒＼
／（ ○）三（○）＼
／::::::⌒（__人__）⌒:::::＼
| |r┬-| |
＼ `ー'´ ／
＿＿＿
／ ＼
／ノ ＼ u. ＼ だ だけど
／ （●） （●） ＼
| （__人__） u. | 秀綱は宛先までは知らなかったんだお？
＼ u.｀ ⌒´ ／
ノ ＼
／´ ヽ
,,,,,,;;,,,,,,,;;,,,,;;,,,,;;,,,,;; ,,
z;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾏ、
z;;;;;r r ' ´ ´ゝ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾏ、
z;;;;/´ ＿＿＿ ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l
Z/ r´ .＿. `、;;;;;;;;;;;;;;l 本人の口から聞いてはおりません
`j`ヽ （’ ﾉ .;;j /~`丶'
l.(’/ ~´ ´ δ.| しかし 話の端々から城中の者ではないかと察しておりました
.l l ___/
l `マ / ∧ それでも面白がって応援してしまったという咎があります
.l ／￣￣￣` ./ / ∧＿＿＿
＿＼ ／ /;;;;;∧;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`ヽ、
__／;;;;;;;;;;;＼_＿＿＿／ ／;;;;;;∧;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、
_／;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾊ＿＿＿／;;;;;;;;／::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;マヽ
./;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.|.;;;;;;;;l l l;;;;;;;／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;|
/;;;;;;;l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`ー---- ´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;|
＿＿＿
／ ＼
／ ＼ , , ／＼ ほらやっぱり知らなかったんじゃねーかお！
／ （●） （●） ＼
| u. （__人__） | だいたい お前の功績を思えば死罪なんかするわけｇ
＼ |r┬-| ,／
, -‐ (_).ヽ`ー'´ ｨヽ
ｌ_ｊ_ｊ_ｊ と) i
￣`ヽ | l
|i:::::}_,,,,,,,__ i´ ッ; ､ ､.
ト::/,_::ｪｪ-....￣ゝｿ、ﾉ "'' ＜:::::::::::::::::::::::::::
ｬ∠三ﾆ=- ､,,::::::::::::....､ _ `ヽ ヽ､::::::::::::::::
／三三三三三三ﾆ=ｮ､,::::::::::..... `ヽ ヽ､::::::::
へ二三三三三三三三三ミ _::::::::::::.....
{:::i｀ ､三三三二ﾆﾆﾆ/ {三二ﾐi､::::::::...
､,､::: ｀{! ' ･ 气三三彡 i三三三圦､::::...､_ 〉
≦ﾐ´ :i| 弋_ _,》i| ｀≧､_,,､ｮ''ﾆニ三三ﾆミｮｭ､_ゝ
_／::::::::ﾐ | ￣ノ/ { {!¨ ' ･ ‐-=､ﾆ二厶イ:::::＼
´:::::::::', | ノ ヽ､_ __,ノ′ i:::::::::::::,ゝ
:::::::::斗 i { ￣ |:::::／,
:::::::::ﾐ､ {∧ ヾ-‐､ ／ なるほど功績ですか
::::::::::::::｀, ﾐ::, ､ ｀:ｒ‐ヽ r
:::::::::::::冫､ /∧ ` ､_ ､,_､vr
::::::::::::::::ミ |:::∧ ゝ､_"'' ‐‐‐-_,‐ｬ'´ ., 'r´ ''
:::::::::::::::::::≧ |:::::∧ ￣￣ ノ v゛
::::::::::::::::::::从 ﾊ:::::::ﾞゝ､ ...:::､,ﾐ´ ､ κ"
:::::::::::::::::::::::::ゝ ゝ::::::::::≧- -‐=ﾆ ´ 斗 ､ｲ゛
／´ ..,,:::::::::::::::::::...,ィ＜三ﾆ＼
／ , ....,..::::: "´ヾ,,,::＜三三三三三三ﾆ＼
......-‐'::::::::::ィ≦＼ ＼三三三三三三三三ﾆゝ
／:::::::: ィ≦三三三ﾆ＼ ＼三三三ﾆ-=´¨
, ‐＜三三三三三三三＼ ＼ﾆﾆィ´
／:::::::::::::ﾐ `＜三三三三三三∧ __,, ､''/
／:::::::::::::::::i｀ 、 ,,,､ｪｷ"／''‐--_,, -i''´ } ' ,
､:::::::::::::::::::/ イ´´ ィ- ''"´ ･' ＼
＼::::::::::/ `‐--='''" ／ }
＼ ﾊ::::/ ￣ / であれば申し上げます
| ',:: _...::／
〟 ∠≦{ 僕自身が戦場で挙げた軍功など実にささやかなものです
"ヽ〃､_ ノ ´ゝ
ゞ|､ ／} ミ 勝利の栄誉 そして犠牲は常に部下らにあったといえましょう
ヽ', ゝ,ｒ'|!,､ , i´ i´ 〃 ､,χ
ミ ヽ x､π ‐" ／ { て
- 〈､ -=´ -‐''" |〉 斗
＞､ ‐- ミ､ __,／/ ≦
¨ミχ￣-- ､ 仆-≦i¨|, }, i./: ､´
￣'ヽ, " "ゞ ゝ‐-＜/ ノ:.:. x´
／ _,,-‐''゛゛￣゛ '''' ‐- ,,,, ＼
／ ／ .､ -‐ ''''゛゛゛゛゛ ''‐-,,｀＼ ﾞｉ
l ./／´ ｧo=ﾐ''フ ン ゛゛゛ ''''=Θ〆 l,
| // ／:::::/ ､‐'゛ﾞ,,=,,゛'‐- ,,_ ゛'';;) 〉
'く|i´／:::::::::::l ' i´ l｀゛;ゝ'､ｪ_ '〈
,,r'､ﾆ' ,:::::::::i ｀‐・ゝ, ` l,-゛,ﾄ-｀＼
..l..{::`:::':::..''ﾞ '・ l l ｀´ そして勘兵衛は義に篤く 武勇に優れ 部下に二人といない武人です
､ -‐――- ::, ﾃ､/ ｀i
､/ッ:´:::::::::::'' ,,''''';;;;;;;＼ ､ -‐- .._ ´ l なんとか 彼の功績も認めてやるわけにはいきませんか
／／,,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,, ''''';;;;;;＼ ｀｀゛' ‐｀、, /
､.ッ;;;;;;'''',,,,,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;''';;;;;;;;,,,,''''';;;l. ｀' /
.ﾞｉ;;;;;,,,;;;;;;'''''''゛､ ＜;;;;''´＼ : : : :ﾞｉ,|::::. /
/;;;;;／ ＜;;;;;;,,,,,,,,,,,,'''''''';;;;;;l: : : : :| ゛::;::'' ‐-ノ;;;;;;;｀ヽ
,,,,,,,,,, ゛''''''';;;;;;;;;;;;,,,,''(,: : : :|l::::: ;;;;i l;;;;;;;;;;; .:::::'
; ; ; ;;;;;;;;;;;;;;;;,,,,,, '''''';;;;;;;;;;i : : :ﾞｉ;;;;;;;;;;ﾘl;;;;;;;;;; ::. . :::..
; ; ; ; ; ; ;;;;;;;;'';;;;;;;;,, c ''';;;;ﾞｉ: : :|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ::::. .:: ::
; ; ; ; ; ; ; ; ;;;;, ,,''';;;' ',' , '';;!､: :l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; _､ -‐l::....::::
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─ ＼
／ -=・=- -=・=- ＼
| （__人__） U | むぅ……
＼ ｀ ⌒´ ／
＿＿＿_
／ ＼
／ ＼
／ ＼
| ＼ ,＿ | ……あーもう！ わかったお
/ ｕ ∩ノ ⊃―）／
( ＼ ／ ＿ノ | |
.＼ “ ／＿＿| |
＼ ／＿＿＿ ／
＿＿＿_
／ ＼
／ _ノ ヽ､ ＼ 特例として勘兵衛を赦免するお
／ （●） （●） ＼
| （__人__） | いいかお こいつは鮭延秀綱に免じて特別に だお
＼ ｀ ⌒´ ,／
/⌒ヽ ー‐ ｨヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ ／ r─--⊃、 |
| ヽ,.ｲ ｀二ﾆﾆうヽ. |
／￣￣￣＼
／ ／ ＼ ＼ 「花輪は最初から勘兵衛に嫁ぐ予定だった」
／ （●） （●） ＼
| （__人__） | 最上と鮭延 そして花輪の家との政略によってだお
＼ ｀ ⌒´ ／
／ ＼
,´:::::::::::::::::::: -‐_ ,-v-､_ ‐- ::::::::::::::ヽ
{i::::::::::／ , , -ゝﾇ-'‐ ､ ｀ ヽ::::::::::::i}
!l::::l ､ _,,､≦ﾆ二三ﾆ∧ ∨lｉ ､_: :::::::ｌ!
iｌ::: ! ゞ､ﾐ_二三三二二 _ _乂ﾆ彡ゝ:|ｉ
. i/ ｉ ´ √ ・ `iヽ、 ‐,=i'"・ `ヽ,｀ﾟ ｉ!､:!
i´:; { ヽ､ __,/ / l ゝヽ __, / } /,ｌ
i l ,} " |∂i
ヽ_ ｉ ﾊ ｉイ はい 確かにそのような経緯でした
. ､_､ ,八 ヽ!;ｱ´ 八ﾘ
ヾ ヽ ヽ _ _, ' / /
ﾐ ` ヽ.ヽ、 ￣ , ′´≧
ﾟ; " .ヽ ヽ、 ,／/ ､〃
´冫,, ＾ ゝ〟ﾞ_ ‐--‐ ´､'" ﾐ'
、 "丶､ ヽ／_ , ゞ ／
＿＿__
／ ＼
. ／ ＼
. ／ ／） ノ ' ヽ､ ＼ やれやれ
| ／ .ｲ '（ー） （ー） u|
. /,'才.ﾐ). （__人__） ／ どうせだお 秀綱が仲人を務めるように
. | ≧ｼ' ｀ ⌒´ ＼
／＼ ヽ ヽ
やる夫が勘兵衛と花輪の結婚を認めたのは、秀綱の説得によって渋々、というところだった。
i! , .i!三三三三三三三三三三三三三三i! i!
i! .i!三三三三三! .!三三三三三三i! , " " i!
i! " i!i三三三三三!. ,!三三三三三三i! i!
i! Ｘ"""'''＝==ヾ;ヽ, , , ,／==＝'''"""""""i! , i!
廴 冫 " , , " ' , , " , , i! " i!
,＝=ｭｭｭｭｭ、、、、、、 , 、、、、、、、、、}、、、、, ;;"
{ヽ 毟ﾘﾘ”.,r'====ミﾐｭ" " "尨豸r=＝ｭ "''ミｫ ﾐ毛彡'" `i
i 〉 豸. i!､{ 逞}゛!ｉ .`彡” { 逞}} シ ミ亥仆 .}
.i ヾ､ｉl!. `ー‐‐_'ノi | | i.廴__￣￣ !; ;| )) !
､ `ｉ|l. ._, -'" ,r‐' | | 弋___ "'''-- ヽヽ /、l| ﾉ ノ、
ヾ-!! i {. | | | / .l| , ' i!
i / .{. `ー! ＿__! / 丶 .l|ノ . i! 俺は 身命の使いどころってのを得たのかもしれんな
∧ i ; , "'-==--＝''" ､ ､ ヾ ､ ,ﾘﾚ.i , , i!
.!巛l ' ,r' ""￣￣￣￣ ` ､ ヽ .i ! , i!
.!必! 廴 ´￣￣￣￣ `丶､ `, i ､.i ﾉ " i!
.!沁仆､丶 ￣￣￣￣￣ .゛`ー' i ., ' / , i!
ミ尨尨丶 i ., ' ) i!
ヽ〃〃`- i i i i i i i _,,..‐'' ) " i!
ヽ＝=￣￣￣￣￣￣ )
であるからこそ、秀綱の奔走とやる夫の堪忍に、勘兵衛は絶大な恩義を感じた。
彼にとっては幸運なことに、その恩義を返す時期はそう遠くなかった。
┏━━━━━━━┓
京郊外 山科
┗━━━━━━━┛
;;⌒ 、
（;;; ,,;; ヽ、 _,,,...:-‐‐=-..,,,_
(＿,,, ;;ノ,r'":: :: ::＼,,....., ;;⌒ 、
,,r'":: :: :... ::: . ::; :::.`'::.､ （;;; ,,;; ヽ、
,:r'::: :: .::: :: :: :; ::: .:: `':.､ (＿,,, ;;ノ
,r'":::.. ..:: ..:::. .... : :: :; :: ::. ::`'::､_
,r'":::: ...::: :...::: :: ;,,, - '''' ''':‐-,, ,, ::. ::`'::､_ __,, - ''""
,r'"...::::.. ......::::: " ''''‐- ,..,,,... __,, -‐- ,... .-‐‐''''"
,r'":::,,,,,, :::::......:::::: ... _,, - ''" ""'''"" `'' -,..
:::..... -‐" "'' -‐‐‐-,..,,.
::::,,,::;;;;:::::::: :::::;;;;;::::::: ;;:::::;::;;;;::::,:::::;;;;;::;;; :::,,::::::: ::::; ;;;;:::::::;;; :::,,:::::::::::::;;,,,
...:::::;;:::::::::::;;;;,::::::::::::::::::::://::::,,;;;;:::::::::::;;;;:::::::: :::::;;;;;::::::: ;;:::::;::;;;;:::;;::;::::://:::::::.::::;;:.......
::::;;; :::,,::::::: ::::; ;;;;:: :::::::::: //...::::.::::;;;;:;;;;;,:;;;;;::;;;;;;;;;;:::::::::: :::::::: ;;;;;;;;;;;; :::://:;::::::::::;;;::::::;;::::::::...,,,
WWWwwwjij,,.、,、,,,vWWwjjwvjiiijwwiijijyyywWwWWjjwv,,.、,、,,,jiiijwwiijijyyviiijwiijijywWw
',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',','',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',','',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',
WWWwwwjij,,.、,、,,,vWWwjjwvjiiijwwiijijyyywWwWWjjwv,,.、,、,,,jiiijwwiijijyyviiijwiijijywWwji
::::l:::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::|::::::::::::::::::|:::::::::::::＿:::::::::::::::／:::::::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::::: |::::::::::::
″″″″″″″″″″″″″″″″″″″″″″″″″″″″″″″″″″″
ｖ ｖ ｖ ｖ ｖ ｖ ｖ ｖ ｖ ｖ ｖ ｖ ｖ ｖ ｖ ｖ ｖ ｖ ｖ ｖ ｖ ｖ ｖ ｖ ｖ ｖ ｖ ｖ ｖ ｖ
_ .ノ｀ヽ __
／ヾ :i! :j ｝｀ヽ、
〉｀ヽⅥ∨ /≠≦}
〈二ﾆ=-ｖx=ﾆ二三〉
／／／; |:.Vﾍ＼｀ヾ}
/// _/_/! | ∨ﾍ ヽ＼ヽ
, ‐く⌒´／ ∨!/⌒ヾ´⌒Y´ ｀ヽ、
イ :/ ∧V∧ .:} ヾ
ノ :i! { 从 〈 ｀`''"´Y .:｝ .:}
（:ｲ .:{:! ﾊハﾉヽ､、 ムｲ ﾊ 从 .:Y
乂!从ゝ二≧､、 ｘ匕´ｲイﾉ j :ｲ
从乂ｰ癶zｧx､ 彡ｘzｧ癶ｰﾌｲﾚ小
//小乂三彡ｲ ヾ ’彡从| :乂_ 見送りのご足労 感謝する
__／/ 从!ﾍ＼ミﾐ｝ 彡ｲ!.:j:i :!ヽ ｀ヽ.
/´ ／ .:/!| :iハ彡ﾐ{ `" /! //! ! : ＼ :.
. {:. .:ィ .:／ i| :l! i:＼ﾐ, ´ 二 ｀ ｲ i// .:|! '､ ∨ﾍ: ＼
У .:/ .:i| :l! |l:l ＼ ／ ｌi // .::|! ＼ :} !}: :ヽ
. ノ .:ｉi. .:i| :l! |l:l ー ｌ// i:.:|i ..:ﾉ i:j i :.
. /:. .:j:! .:i| :l! |l:! :ｌ/ .:i!.:|:! .ﾘ .:j :i
. ／: .:ハ＿.:ノ :ji .::i/ :ｊ .:i!.:| !､、 ′!
. . . . .．- :.:"´:.:／ .:/ . :/ / /: :!l :! i:.:.:.｀ ｰ:.:. ．. . ./ :/
. : "´ ￣ ｀ : ､
.,:::::::::::::::::::::::::::ヽ::､
//:::,::::::,:::::::､:::::::､::ヾ:.
. ｌ,f:::i|_:::::|:::::::||:::::_|i::::i::|
|:|:::::|（●) (●）|::::::|:|
|:|::::_| ､ |_::::|::| 痛み入ります
|:|:´:|ﾞ:､_ ‐‐ _,.ｨ|:｀::|::|
|:|::::|:::::/ ヽ//ヽ:::1::::|::|
|:|::::|::/､ ,/ , ﾞ.|:::::|::|
|:|::::|.' i┴─‐ i |:::::|::i
|:|:i'l:j |＿＿＿| l'i,:|::||
|::::::/ _|───|_,.ｨﾔ|::| ［やる夫三男・清水氏満］
|仆{lｪr| lrｪl}:| |
, : ´ ￣｀゛ :: .
,::´:,::':::::::::::::::::::::::::＼
.:::::/:::::,::::::::,:::::::､:::::､:::ﾞ:.
.|:::::i::::::|i:::::_||::::::_|:::::,|iﾞl::ｌ
|:::::|::::::|（●） （●)|::::|::|
|:::::|:::::_| , j:::::| ｀ ……
|:::::|:´:|､_ -‐ _ノ:::i ｀
|:::::|:::::{´ ヽヽil､:::|:::::|
|:::::|:::::| ヽ. // ',:|:::::|
|:i|:|:::::| |┴─i:|:::::|
|:||:|::,i'l .|.＿＿||,､i'|
|| |ッ',_＿|:┴─ｲヽ.
| |:{ lｪrl| |ィ´
〃〃 ヾ ヽ
,ﾚ''¨¨爪|¨¨｀ヽｰﾄ|
ﾄｧｰ⌒ヽ__ﾙ | ﾊ ﾊ
rｰZ ⌒ ´∧/ヽへへ}､__
ｿ'〃／ 从/ｨ ヽ
/从（ /从（ｿ | |. | | ､./
／ | ,ｲ.xtｯ≧ ﾒﾑ_ﾉ ﾉ .ﾉ|
__z-ｰ=彡.| |ﾐミミ ｲ =tｫｲ___／lﾊ ………
rzｲ// ノ ｲ| ﾚ' 〉ﾐ ｣ 彡'ii, l | ヽ､
（〃{/ ,,彡ｲ /／ .ﾑ＜二二ﾆｱ |＼ ,| ﾊー-､
ﾙ ＜ |// -ｰヾz:::::. | ＞- ､ ヽ ヽ
r＜ ,ﾉ./ イ´ / .| ｀＞ ､.|
| ＼ ,ﾘ| ／ / l |ヽ ＞､
| ＼ ､. ノ/ rｰｲヽ ´￣j | | 〉 /
ﾑ ﾐｿ （ ∧ /ミゝ （{ | ヽ /
{∧ 人 ｀￣￣ヽ , 人 l l 〉 /ヽ
| ∧ / ＼＿ []/|＼i| ／ 川 ﾘ / 〉
／;;;;｀-';;;;｀';;;;;;｀' ′-';;ヽ、
,';;;;;;;;,. ﾏ- 'ﾏ--' ヽ, 'ｉ;;;;;;;ム
ヽ'''ヽ、__,'｀ｉ , '、__ ﾏ;;;∠
‐‐‐ ' ｀ヽ-￣ヽ, ,'
! ,'⌒、 , へ ヽ' ! え えーと
! | , ___丿
! | ,'ｌ.,' _ ___ 氏満殿は人質として上京された後
, '⌒ヽ、' ヽ! 、 し,ｌ=ニ｀'' ｀ ' ｀ヽ 今は大坂で秀頼様にご奉公されてるんでしたな
! ! . : .,' ィ ,'
| !: : ＿ュ : , ィ ,'
, ' └-、_ ,--┘ィ !
! ｌ ヽ / !
! ｌ ヽ、イ | |
| _ | |/ !
, : ´ ￣｀゛ :: .
,::´:,::':::::::::::::::::::::::::＼
.:::::/:::::,::::::::,:::::::､:::::､:::ﾞ:.
.|:::::i::::::|i:::::_||::::::_|:::::,|iﾞl::ｌ
|:::::|::::::|（●） （●)|::::|::|
|:::::|:::::_| , j:::::| ｀ はい
|:::::|:´:|､_ -‐ _ノ:::i ｀
|:::::|:::::{´ ヽヽil､:::|:::::|
|:::::|:::::| ヽ. // ',:|:::::|
|:i|:|:::::| |┴─i:|:::::|
|:||:|::,i'l .|.＿＿||,､i'|
|| |ッ',_＿|:┴─ｲヽ.
| |:{ lｪrl| |ィ´
／;;;;ヽィ;ヽィヽ_, . ィ∨
ﾏ-;;;;;;k｀,'ヽ、ﾏ, 、i;;;;;;ィ
/、;;-'、'、 ヽヽ'!ﾏ
. ,' ヽ〃 ヽ へ ! そ それは先々も洋々たるもので
___ .!_ , ヽ .!
./:::::::::ヽ ｌu. ゝ .ｌ しかも 養子入りされた清水家のほうも最上殿のご寵愛を得ておられると
/:::::::::::::::::ヽ .ソ ! iヽ ! _ ュ、、
/:::::::::::::::::::::::::! ! !::::＼ ィ ィ' . ィ
/::::::::::::::::::::::::::::::l、 l＿__￣ __/ / ‐ ィ
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::!:ヽ、 ヽ::::!、/‐‐ ' ィ_iィ
. /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!:::::::: ィ:::::::::::/::::::::::::| / / _
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::! ィ:::::::::::::::/::::::::::::::::ｌ / _ /'
::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::::::::! ィヽ-,￣
::::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::! ィ::::::::::/
::::::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::ｌ.ィ::::::::::::/
, : ´ ￣｀゛ :: .
,::´:,::':::::::::::::::::::::::::＼
.:::::/:::::,::::::::,:::::::､:::::､:::ﾞ:.
.|:::::i::::::|i:::::_||::::::_|:::::,|iﾞl::ｌ
|:::::|::::::|（●） （●)|::::|::| はい
|:::::|:::::_| , j:::::| ｀
|:::::|:´:|､_ /,＼ :::i ｀ 養父は荘内勢との戦いに生涯を捧げ 父も頼みとしておりました
|:::::|:::::{´ ヽ.V, ヽ|
|:::::|:::::| ヽ /| ､ ﾞ.
|:i|:|:::::| |┴l ゝ ､_ ﾉ
|:||:|::,i'l .|.＿k ヽ.
|| |ッ',_＿|:┴ ヽ､ ,／
| |:{ lｪrl| |´
. : "´ ￣ ｀ : ､
.,:::::::::::::::::::::::::::ヽ::､
//:::,::::::,:::::::､:::::::､::ヾ:.
. ｌ,f:::i|_:::::|:::::::||:::::_|i::::i::|
|:|:::::|（●) (●）|::::::|:| 私の悲願も 父 養父と同じ
|:|::::_|（ﾄｪｪｪｪｪｲ）|::::::|:|
|:|:´:|ﾞ:ヽェｪｪェ/,ｨ|:::::|:| 荘内の土をまた この足で踏むことです
|:|::::|:::::/ ヽ//ヽ:::1::::|::|
|:|::::|::/､ ,/ , ﾞ.|:::::|::|
|:|::::|.' i┴─‐ i |:::::|::i
|:|:i'l:j |＿＿＿| l'i,:|::||
|::::::/ _|───|_,.ｨﾔ|::|
|仆{lｪr| lrｪl}:| |
ィ¨;;;; ／;;ヽィ;;;;;;、ィ;;;;!
〈;;;;;;;;;-、;;;;;;ィ、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!、
ヽ;ヽ;;ヽ｀ ′ ｀ _'、t-, ;;;;;;ァ
〈;;;i ヽヽｉ ｉ ィ;;;;'-‐、jヽ;;;〈
ィ! ,'⌒ｉ｀'｀ヽィ 、 ヽ;;;;;;ィ
! i ｃ ｃ 〈 ィ¨、
{ ! ,', ξ } なっ
ヽ ／ i.j 、 ,'
! ヽ i ‐ 氏満殿 あんた！
i , ' !、
.,'￣ i , __ ' i i,'｀-‐‐‐===ﾆﾆｔ
! ｔ イ′ ヽ ' il ! !
i i ヽ ィ‐=＝ ィ¨ ! ! i
.i ! !.:.:..ヽィ.:.:..:.:..:.:.| ! / !
! i !.:.:ィ.:.:.! ヽ 、.:.:.! ! / i
i i ! iィ i_o_i.:.:..:.:..:.:..:! i ! i
/／__/＿/ / | ヽ ＼＼ ',
r┴' / / ｀∧ ! /^＼＜￣ヾヘ
／／ / / ,、∨,、 ＼ヽ ＼＼
∠..ノ / / / ∧ヽ|/∧ヽ ヽ＼ ヽ ヽ
r' / ,' / /l /´｀"ﾞ｀´ ', ! ､ ', ヽ＼}
| { l ﾘ ,' 从 ﾘ | 〉 } } ﾘ
／ﾚﾍ |＼トﾍ匕Ｌ..＿,. ､__/厶∠L／ ｌ ｌイL
,ィ ´ ／ ∧ﾄ､ゝ弋‐辷ﾃﾐ､ ,ィ辷テｧ/／|,.ｲ ヽ＼ー- ､ 氏満殿
/ ／-ｰ彡'´|l lﾍミi｀￣彡 ｜ ヽ ｀￣´/ // ! ｀ ‐- ＼｀ヽ ＼
_,.〉＜´ // |ｌ トゝﾐ彡'7 | ／／,' |ヽ ｀¨ ｰ- ヽ
.´ // |ｌ |ヘ三彡ﾞ ┘' ,.ﾌ / ｌ ＼ ｀¨＞ｰ ､
. ,'/ | ', ヽ.l｀マ{ ゞ二.Tミ、／ｌ l | ヽ 〉 ',
/ /| ｌ ｌ| ＼ |ヽ|´ ｜ ｌ ｌ| ',. / l
. ,' ,' ｜ ｌ ｌ| ｀ ｰ'|ヽl | ｌ ｌ ト、 ｜ / !
/＿＿ / | l | ＼ ゞ'ﾞ | ｌ ｌ | ヽ___⊥__ / ,'
ヽ, | l |彡 ｀ ´ ィ三ﾐ:! l ｌ | / / /
＼ ﾉ l |三i ゞﾐ三| l ｌ | / / /
. ' "´￣ ｀ : ､
／::::::::::::::::::::::::::ヽ:｀:､
/:::::,::::::,::::::::::::::::::､:::ヾ:::::.
. ｌ:,f::i:::|_:::|_:::::::::､:::::i|:::::i:::::|
|:::|::::|(●） |:::::::|::::::|:::::|:::::|
´ |::〈 .u|_::::::!:::::|:::::|:::::| はい
´ iヽ‐ _,.|｀:|::::|:::::|:::::|
. |:::::7 l/' ﾞ｀1::::::|:::::|
|::::ｲ./ ,ィ |:::::|:::::|
|::::i┴─ | |:::::|::|i:|
ｚ-へ へ へー-
ノ￣i┴ ／- // ＼
＜ ／ i V／l ＼＼l
/ / / / l l ＼ゝ
/ /〈〉 l/ / ∧ l ＼ l ＼＼
/ l / l l 彳＼V／丨丿( ヽ＼ ＼
l ／ .l l トiｲ l ＼／ヽ＼ ) l ト
/ / l ｌ ｌ∧ i ｌi ﾚﾊ. /人 ｌ 丿 〉
l ﾊ r ー-ii-､＼ ,,-ーll-､l/l l／
l l l i L-〒Tァ= , ｯtTｩ､/ｌ ） /
＼ヽ ヾ丶=~" . ｌ "~.／レｲ l はっ ようやく目を動かしたな
/ l､≡三ｲ l ７ ｲ l l
/ l ヾ ミ》 .- ./l l l にらめっこは私の勝ちだ
/l l l ﾇ ﾐゞ ｬ-＝ュ〟. / l l l l
l l l l l ＼ .ゞ≡＼＼/＼ l l l l＼
/ l l l l＼l ＼ ゾ＼㍉ { l lヽ ＼
／. l l l＼ .ヽ. . ゝ- < lヘヽ_l＼ｌ ｌヽヾ ＼
r .l l /. l .l ＼ ＼, ＼ l l l l . l ｌ＼＼ l＼
r ー/ l ヽ＼ ＼, ト＼ l . .ｌ . ｌﾞ ﾞ ﾞヘｰーヾﾐｰﾐ
⌒／ / ｌ, l ヽ Ｌ,, . ＼l l l ｌ //三二＝彳
, : ´ ￣｀゛ :: .
,:::人::':::::::::::::::::::::::::＼
.::::{:;o）,::::::::,:::::::､:::::､:::ﾞ:.
.|:::::i゛´:|i:::::_||::::::_|:::::,|iﾞl::ｌ
|:::::|::::::|（≡） （≡)|::::|::|
|:::::|:::::_| , j:::::| ｀ ……は 負けました
|:::::|:´:|､_ -‐ _ノ:::i ｀
|:::::|:::::{´ ヽヽil､:::|:::::|
|:::::|:::::| ヽ. // ',:|:::::|
|:i|:|:::::| |┴─i:|:::::|
|:||:|::,i'l .|.＿＿||,､i'|
|| |ッ',_＿|:┴─ｲヽ.
| |:{ lｪrl| |ィ´
⌒ヽ ／ ,ｲ .／ ＞ ￣｀ヽ
⌒ ー- ｀ ､ ＞ ゞ＝ミソ ∠ イ ' ､｀ー
j ＞' ｀ー-､ ´￣ ￣｀ヽ./ ／ .
／ , ' ／ ,イ '⌒ヽ＼{ ﾊ
, ' ,ｲﾊ ' / ＼ '.
, ' ／ ///,{ ∧ ｀ヽ ヽ / '.
: /ヽ / ////∧ //,ﾊ ∨ '
,´ / ' 〃 / .'//'´｀ﾞヾイｿﾍ'iﾉ ' .|
, ／ / ' ゝi/ｲ ,'{|从 '. |
! { ﾉ { |! i {从｀ｰ / |! ｀ヽ '. ∨ i ' .|
: ハ {/｀ヾ==ﾐ:.､ ､ ノ ＿ __ '. '. ∨ | ｀ .! ;
′} ヽ｀ヾ＼｀ー＞ゞｷﾐｲ; '´:.≧z. ー- .ﾊ ! .| | .′
｀ ∨ｲ.' {ハ＼｀ミ二＝三=ﾐ ' ﾍ ､ fぇミ:.从 .| .|.｜ ヽ ＼/
ゝ .ﾉ /ハゞ ハゞミ=ﾆ＝ﾞ / ｀＝，´ i ! .| '. ヽ
＼ {i ＼ ﾉ｀i≧二ﾆ'´ ri:､ / ,′ .' ., , ﾊ i| ゝ
ヽ 八 ｀ヽ ムミ三{ ｀ ｲ〃 ' / 从 { ' よろしい 最上やる夫はよい子を持ったな
乂 乂 i ＼ ハﾐ＞｀ー ＿ / ／ ' ノ∨ ' } ﾘ,/
｀ーチ '. ＞＜＞ ´｀ ー ´ ,.イ八 /ヽ｀ ＜ハ .∨/ / ﾉ′ 父に伝えるがいい
／ / ゞ＞ ´.∧ r'´ (( ｀ ＜. /ｲ八
. ／ / /.::::::::::::∧ Y´'´￣ ｀ ＼〃' 私は堂々と売られる喧嘩は大好きだ とな
. ＿／ ' ノ ,ｲ.:::::::::::::::::::i｀ー=＝彡.ﾑ ＿ ｀ ／´,ｲ｀ ､
／/// / ,ｲー==＝⌒j´: .｀ ; '´: : : i ｀ヽ:ﾊ ／,' ／////＼
ｲ////ﾊ ,ｲ///////// }､: : : : : : : . ゝ __｀ゝ. 〃／////////
////// ／///////////〃: : : : : : : : }//////＞- ､ｲﾉ///////////
////,' , ´////////////,/: : : : : : : ／////////,} //////////////
////! ///////////////i : : : : : //////////// '//////////////
////| .////////////////| ,ｲ/////////// ム/////////////
―― 第七十六段 終段 ――
庄内への執心は大事なテーマだからな
家臣団の統制はどの家でも難しい問題ですよね
>823
この時点でもうそんな年なんですね。関ヶ原戦線で指摘されてたけどホント登場人物の年齢が分かり辛いな･･･
それとナージャ新関が何か怖いですｗ
上方の政局が動いてきてますねー
オヤジ死んでからようやく10年か……長いな
ヒロシとのやり取りはいいなｗ
自分も好き合うもの同士でくっつけばいいじゃんって考えちゃうほうだから
やる夫に怒られちゃうなあ
やる夫に限らず戦国時代の風潮なんだろうけど
>>875
ちょっと前までは是が元で斬り合いになったり戦になったりするご時世だったから仕方ないねえ
今回凄いボリュームだった
今回も面白かった
>>847
最終的には相手も察してしまうんだろうけど
まあ、よく辛抱したと思うよ……もうやる夫も５４かぁ
「上杉への返礼」が誰になるのかと思ったら、清水！
なるほどこの家名はやる夫の政治生命の根っこですもんね
この後の展開を知ってる時代の人からすると、今回の内容は特に濃いですなぁ
なぜこれ程の大名の人生がドラマに取り上げられないのか・・・
いまいちめでたしめでたしとはならないから。
苦労人で日本人好みではあるけど…。
関が原にいたるまでの経緯も楽しみにしています
人気者の伊達政宗や上杉家の敵の一面が強いからかな
個人でも組織でもね
続きはよ
作者が不快に思い手ずから排除したって意味になるぞ
明日の１６時から投下いたします。どうぞよろしく。
連休中にもう一度投下でき・・・・・・たらいいな
┏━━━━━━━━━━┓
慶長四（1599）年 夏
出羽国 山形城内
┗━━━━━━━━━━┛
| | ├―┼―┼―┼―┤ | |
| | ├―┼―┼―┼―┤ | |二二二二二二
| | ├―┼―┼―┼―┤ | |
| | ├―┼―┼―┼―┤ | |
| | ├―┼―┼―┼―┤ | |
| | └―┴―┴―┴―┘ | |
＼ | | ┌――─────┐ | |
＼＼| ｜ l＿＿＿＿＿＿＿__,| | |
＼|￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣|＿＿＿＿＿＿＿＿＿__|＿|ニニニニニニニ
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
＿＿＿＿＿
／.:::::::::::::::::::::::::::ヽ
|.:::::::γ⌒^Ｙ⌒ヽ::.|
|::::::::ゝ ⌒ ⌒ |
|::::::（ （ ●） （●）| は〜ぁ 京にはやる
（@ ::::⌒（__人__）⌒)
| |r┬-| | 起き上がり小法師 やよ
＼ `ー'´／
／ ＼
((⊂ ） ﾉ＼つ))
（＿⌒ヽ
ヽ ﾍ } ［やる夫弟・義久］
ε≡Ξ ﾉノ ｀J
＿＿＿＿＿
／.::::::::::::::::::::::::::.:ヽ
|.::::γ⌒ Ｙ ⌒ヽ::::::|
|::::/ ⌒ ⌒ |:::|
|:::〉 （●） （●） 〈:::| ガッテンじゃ〜 と
（@ ⌒（__人__）⌒ @）
| |r┬-| | ん？
＼ `ー'´ ／
,,.....イ.ヽヽ、___ーーノﾞ-､.
: | '; ＼_____ ノ.| ヽ i
| ＼/ﾞ（__)＼,| i |
＞ ヽ. ハ | |｜
／￣￣＼
／ ＼
|:::::: ｜
|::::::::::: ｜
|:::::::::::::: ｜ ………
|:::::::::::::: }
ヽ:::::::::::::: }
ヽ:::::::::: ノ
/:::::::::::: く
|:::::::::::::::: ＼
／￣￣＼
／ ＼
. | 「 へ. |
| （●) (●） |
｜ ｜ .!
l __´___ l
ヽ /
／ ＼
/ |
. ＿/((┃))＿＿＿＿i |
. ／ /ヽ,,⌒) ￣￣￣￣（,,ノ ＼ ［やる夫四男・比治利丸（12）］
. ／ /＿＿＿＿＿＿＿＿ヽ.. ＼
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
＿＿＿＿＿
／.:::::::::::::::::::::::::::ヽ
|.:::::::γ⌒^Ｙ⌒ヽ::.|
|::::::::ゝ ─ ─ |
|::::::（ （ ●） （●）|
（@ :::: （__人__） )
| ｀ ⌒´ |
/ ∩ノ ⊃／
( ＼／ ＿ノ| |
.＼ “ ／＿_| |
＼／＿＿_ ／
／￣￣＼
／ ＼
. | 「 へ. |
| （●) (●） |
｜ ｜ .! ……叔父上 城中の散策ですか？
l __´___ l
ヽ /
／ ＼
/ |
. ＿/((┃))＿＿＿＿i |
. ／ /ヽ,,⌒) ￣￣￣￣（,,ノ ＼
. ／ /＿＿＿＿＿＿＿＿ヽ.. ＼
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
＿＿＿＿＿
／.:::::::::::::::::::::::::::ヽ
|.:::::::γ⌒^Ｙ⌒ヽ::.|
|::::::::ゝ ⌒ ⌒ |
|::::::（ （ ●） （●）| そー 比治っちゃんの思ってるとおり
（@ ::::⌒（__人__）⌒)
| |r┬-| | 暇人がふらふらしてるだけでーす
＼ `ー'´／
/ ∩ノ ⊃ ヽ
( ＼ ／ ＿ノ | |
.＼ “ ／＿＿| |
＼ ／＿＿＿ ／
／￣￣＼
／ ＼
. | -‐' ヽ､ |
| （ー) (ー) |
｜ ｜ .! では 私に特段の用向きがあるわけではないのですね？
l __´___ l
ヽ /
／ ＼
/ |
. ＿/((┃))＿＿＿＿i |
. ／ /ヽ,,⌒) ￣￣￣￣（,,ノ ＼
. ／ /＿＿＿＿＿＿＿＿ヽ.. ＼
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
＿＿＿＿＿
／.::::::::::::::::::::::::::.ヽ
|.:::::::::γ⌒Ｙ⌒ヽ::.|
|::::::::/ ⌒ ⌒ |
|:::::::〉 （ ●） （●）| ねぇよ！ 全然ねぇよ！
（@ ::::⌒（__人__）⌒)
| |r┬-| | 見てただけ！
＼ `ー'´ ／
/⌒ヽ ー‐ ｨヽ
/ rｰ'ゝ 〆ヽ
/,ﾉヾ ,> ヾ_ノ,|
| ヽ〆 |´ |
＿＿＿＿＿
／.:::::::::::::::::::::::::::ヽ
|.:::::::γ⌒^Ｙ⌒ヽ::.|
|::::::::ゝ ⌒ ⌒ |
|::::::（ （ ●） （●）|
（@ ::::⌒（__人__）⌒) で？ 何してんの？
,＿＿__／ヽ |r┬-| |
r'"ヽ t､ ＼ `ー'´ ／
/ ､､i ヽ＿＿,,/￣￣￣
/ ヽﾉ j , j |ヽ
|⌒`'､__ / / /r |
{ ￣''ｰ-､,,_,ﾍ＾ |
ゝ-,,,＿＿＿＿_）--､j
/ ＼__ /
| "'ｰ‐‐---''
／￣￣＼
／ u.＼
. | -‐' ヽ､ |
| （ー) (ー) |
｜ ｜ .! ………
l __´___ l
ヽ /
／ ＼
/ |
. ＿/((┃))＿＿＿＿i |
. ／ /ヽ,,⌒) ￣￣￣￣（,,ノ ＼
. ／ /＿＿＿＿＿＿＿＿ヽ.. ＼
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
／￣￣＼
／ ─' ＼
| （ ●）（●）
| ｜ | 学問です
| Ｕ __´___ﾉ
| `ー'´} 儒の典籍を写しているところだったのですよ
ヽ }
ヽ ノ
/ く
| |
＿＿＿＿＿
／.::::::::::::::::::::::::::::::.ヽ
|.:::::::::γ⌒Ｙ⌒ヽ::::.|
|::::::::/ ⌒ ⌒ |
|:::::::〉 （ ●） （●） | あぁ 最近はやりの儒学かよ
（@ ::::⌒（__人__）⌒)
| |r┬-| | 二、三回講義聞いちゃみたけどチンプンカンプンだったな
＼ `ー'´ ／
（ヽ、 / ）|
| ｀`ー''"| ヽ|
ゝ ノ ヽ ノ
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
＿＿＿＿＿
／.:::::::::::::::::::::::::::ヽ
|.:::::::γ⌒^Ｙ⌒ヽ::.|
|::::::::ゝ ⌒ ⌒ |
|::::::（ （ ●） （●）| 比治っちゃんは 頭のデキが俺なんかとは違うからな
（@ ::::⌒（__人__）⌒)
,＿＿__／ヽ |r┬-| | んな難しい本でもすらすらわかっちゃうんだろーけど
r'"ヽ t､ ＼ `ー'´ ／
/ ､､i ヽ＿＿,,/￣￣￣
/ ヽﾉ j , j |ヽ
|⌒`'､__ / / /r |
{ ￣''ｰ-､,,_,ﾍ＾ |
ゝ-,,,＿＿＿＿_）--､j
/ ＼__ /
| "'ｰ‐‐---''
／￣￣＼
／ ノ ⌒ ＼
| （⌒）（⌒） | いえ 私のような若輩では理解なんかできるわけありませんよ
. | ｜ |
| __´___ j やらないよりマシだろうと手を動かしているだけで
| `ー'´ } っ
ヽ }
ヽ ノ
/ く
| |
| |
／￣￣＼
／ 「 ヘ ＼
| （●）（●） |
| ､､､ ｜ ､､､| むしろわからないからこそ面白い というべきですね
| __´___ .|
| `ー'´ .| 私も本格的な講義を受けてみたいものです
ヽ /
. ヽ /
. / く
| |
| |
＿＿＿＿＿
／.:::::::::::::::::::::::::::ヽ
|.:::::::γ⌒^Ｙ⌒ヽ::.|
|::::::::ゝ ─ ─ |
|::::::（ （ ●） （●）| はー
（@ :::: （__人__） )
| ｀ ⌒´ | えらいもんだね お前は
/ ∩ノ ⊃／
( ＼／ ＿ノ| |
.＼ “ ／＿_| |
＼／＿＿_ ／
＿＿＿＿＿
／.:::::::::::::::::::::::::::ヽ
|.:::::::γ⌒^Ｙ⌒ヽ::.| ま その調子で最上のこと頼むわ 俺の分までな
|::::::::ゝ ⌒ ⌒ | __
|::::::（ （ ●） （●）| ／_} l'':, じゃ 邪魔して悪かったねー
（@ ::::⌒（__人__）⌒) ／_ﾞ''iﾞﾉ､ﾉ
| |r┬-| | ,:'`;:'／ﾉﾞﾉﾌﾞ
＼ `ー'´／ /`/ / ノ-〈/
>'ﾞ:: ‐'"ﾞ./ ヽ.,' ~ ／
／/::::: ', / /
／￣￣＼
／ 「 ＼
｜ （⌒ ）（⌒ ） いえ とんでもない
.| | |
｜U ___´___ｌ
｜ `ー´ ｝ （本当に暇してただけだったのか）
ヽ }
ゝ 丿
/ /￣￣/´￣/
| |. / / ⊂)
／￣￣＼
／ ＼
. | -‐' ヽ､ | （……ああ仰るが 叔父上一流の余裕というものだろう
| （ー) (ー) |
｜ ｜ .! 叔父上はあの調子で 誰とでも物怖じせず打ち解けてしまう
l __´___ l そういう器用さは私にはない）
ヽ /
／ ＼
/ |
. ＿/((┃))＿＿＿＿i |
. ／ /ヽ,,⌒) ￣￣￣￣（,,ノ ＼
. ／ /＿＿＿＿＿＿＿＿ヽ.. ＼
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
／￣￣＼
／ ＼
. | -‐' ヽ､ | （武勇とて 人並み以下
| （○) (○） |
｜ ｜ .! 私には この読み書きの才しかないのだ）
l __´___ l
ヽ /
／ ＼
/ |
. ＿/((┃))＿＿＿＿i |
. ／ /ヽ,,⌒) ￣￣￣￣（,,ノ ＼
. ／ /＿＿＿＿＿＿＿＿ヽ.. ＼
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
○ 第七十七段 ： 家康台頭
┏━━━━━━━━━┓
対上杉国境 畑谷
┗━━━━━━━━━┛
_,Å、
,龠_]立[ =-..龠
,r'":: :: 龠 ::＼,,幵,
,,卅:: :: :... ::: . ::; :::.`'::.､
,龠::: :: .::: 龠 :: :; 卅卅卅 _,,(（"
,r'":::..卅卅卅卅.... : :: :; :: ::. ::`'::､_,(（" .:.:.::..
,r'":::: ...::: :...::: :: ::: .:: :; :: _,,(（" :;; .:;;:..
,r'"...::::.. ......::::: ::. _,,,(（ :;; .:;,i' ::;;;:.
,龠:::,,,,,, :::::......:::::: ... 龠龠 ._,,,"( （（ ::;;; r;; ;;
,("゛))､卅卅卅(~~~j;, .:.... ::...... _,,,, 卅卅卅卅-":((: （:;;:; Z;; ;; ( ::::;;;;
(;;;::;;;;;; ﾘ f;;;:;;:::::::ﾘ卅卅卅卅卅.f;;::: :;'')) （（ ..::从 ;;:f::;;: :( ::::;;;; f;.:::; ;;
r'" ﾐ|l lﾘﾉ ((从wyﾙ ﾑ;;::;;;::;;;::ﾘ （（:;;;::(::: :::;(:::::;;; :f:::; ;; (::;;;.. ;;:
,,jｌ | ll ,'丁 ﾄ 卅 ji从 个 YwWWﾘﾉ v;;;:: ;((;;:::;;;（(:;;: :; ゞ::;;;.. ;;::: ;;::::.:..:...
''^~''""゛ ﾞ ﾞﾞ ,jl; j| ﾞﾞﾞ ﾞﾞﾞ ﾞ~` ﾞ "' ' |l; :|" `ﾞ';ﾐwﾘﾉwv从w从wv从w从wv
~^ﾞﾞ'""" ,,j|l; |,, |l:: |ll;:: |ll;;: |ll ;;: ||ll;; i:;;|ll;:;:.:..
''""ﾞ'' `"'' ^' .::jl:; jlｌ;:: |ll;;: f:l i;: !:ll;; i:;;|ll;:;;:.
_,,,... ''''"ﾞﾞ''' .;;^''-=:;,._jll;;:..|ll;: .jlｌ;:!: ||ll;; l:;;|ll;:;:.
ﾞﾞﾞﾞﾞ ...;; ':: :: :;; :;ﾞﾞ'-..jll;;;:: ||ll;; l:;;|ll;:;
"ﾞ'' :: ;;ﾞﾞ'ｰ--'､;;;;:;;:|ll;:::...
＿＿
{:.:.:.:.:.:.:.:.:￣:.:.ヽ
r‐=':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
|:.:.:.:.:.:._:.:,l:.:.／:.ｲ:.:.:.:.j:＼
|:.:.:.:.:/iY:.l:.r弋ｯ':.xイ/／ とはいえ こいつはあくまで街道警備が目的の城だ
|:.:.:.:.{ (fﾍl/ ￣ ﾗ
ヽ:.:.:.≧─ｉ -‐j＿ 上杉とガチンコできる代物じゃない
r‐＜ ト / /
i! | tｰ' /
〈 ◯ | ｊ | _ -‐,
≧ x ｭ | L ＿ レ Ｏ ｲ
＼ ヾ ー‐ﾔ ＼￣￣/ |
､ ＼ ﾄ ヽ / o | ／!
ヽ Y . ＼| ＼ Y o |ﾍ ／ |
ﾐY | i ヽ ヽ |i o Y=＝彡．イ
≧= i!ｏ/ ｏ, ｉ 丶∧ I=＝f｀r､ .イ}
─フ￣'二= ､ | 「￣l ｌ o | ／/,ﾉ jｰ=彡= '
／／／￣ ＼! l ! | } | ／ﾉく
ｰ/ / ,イ￣｀ ヽ───＞‐､ 人 ヽ
_ ゝ'ｰｲイ⌒≧ｨl__丿-＜´ }イ Yヾ ヘ
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─ ＼
／ -=・=- -=・=- ＼
| （__人__） U | もちろんだお
＼ ｀ ⌒´ ／
＿＿＿_
／⌒ ⌒＼
／（ ●） （●）＼ ほっほー
／::::::⌒（__人__）⌒::::: ＼
| |r┬-/ | さっすが なかなかの城砦に仕上げたお
＼ /;:|ー' ﾉ:;|
＞ {;:;::乂_,,ｯ､､_／.:;:;｝
／ ゞ彡彡ニミミｯ;;/
（ ＿б 彡〃.:.:.:.:.:.:.:ﾞヾミ、
ゞ ''"/ : :.,;"´ﾞ,;.:.:.ヾゝ
∥ ﾞi .:ﾄ'',.´;, ',;:.:"〈
ヾ :: 〈● :ﾞ;, ,;"::;●夂
八 `ヾ,|｀: : : ;, ,;:.::::｀";l 乂
/ ／,!;;;ゝ,ﾘ|; : : :; ;::.:.:;::i）! : .彡
,/ヽ／／: :,ヾ〉,;.;､:'':::.:.;::;!:::| : . |
／/ : : //ｲ::,.:..; :.｛､; ﾞ;:ﾞ;;.:"';｝:::!､_!
／: / : : //'ﾞ::;'.:.::; :,::`i.;ﾞ:.,,:''::`/::::::.:ヾ
/: : / =､/,.!::: ; :,' :' : :.:.:ヾ;∞;ｿ::::::::.:,:.}!
_ _
／: :`: ´: :＼
. : : : : : : : : : : : ヽ
/: : : : : : : : : : :l: : : ヽ
/:./!: :/／ : : : : | : : : 〉
∨_|l/ﾉ彡ノ/: : :} : 〉:./
{〈V弋ｧｲ: : ,zｧﾇ';У 多少急ごしらえの感はあるが
ヾﾍ_￣/イ ￣ﾊｿ __,
r＜ |､ ー' ｲ:/r＜ / やれるだけはやったな
「ﾆ - _ (} Ｏ |::｀:ｰ:´::|' ! / ／
| | ＼ ｀ヽ､__,ﾄ､j＿＿ヽ-‐ｧ:::|ﾐ l＿|_ ィ/∠ |
| | ＼ ◯ 丶 Ｑ/::::::::||::|//// O,|
| l ／`ヽ＼ '.:.:.:.lﾄ､ ::: ||::|/// j
∨::::::::::∧ ヽ .:.ll:::',:::::||::|// /
_>:::::::::::∧ Y´) O:ll::::ﾍ:::!!::!/ ◯/_
≧=::::ｰ:::::〉 ,!｀ :ll:::::::Ⅴ:::|iＯ /::/ ［畑谷城主・江口五兵衛］
У冖≦::/ ll:::::_文:::| Y≧=＝
. ／￣￣￣＼
. ／⌒ ⌒ ＼ だから ほ ほーら
/ （●） （●） ヽ こんだけの城砦網を普請し直したんだお
| （__人__） u. |
＼ ｀⌒ ´ __,／ チョー安心？
. ／ ＼
|￣￣￣￣￣Ｙ￣￣￣￣￣|
（,,) | (,,）
| | |
_ _
／: :`: ´: :＼
. : : : : : : : : : : : ヽ
/: : : : : : : : : : :l: : : ヽ
/:./!: :/／ : : : : | : : : 〉
∨_|l/ﾉ彡ノ/: : :} : 〉:./
{〈V弋ｧｲ: : ,zｧﾇ';У どれもこれも田舎仕立ての小城ばかりだがな
ヾﾍ_￣/イ ￣ﾊｿ __,
r＜ |､ ー' ｲ:/r＜ / まあ 確かにある程度の抑止力にはなるだろう
「ﾆ - _ (} Ｏ |::｀:ｰ:´::|' ! / ／}
| | ＼ ｀ヽ､__,ﾄ､j＿＿ヽ-‐ｧ:::|ﾐ l＿|_ ィ/∠ |
| | ＼ ◯ 丶 Ｑ/::::::::||::|//// O,|
| l ／`ヽ＼ '.:.:.:.lﾄ､ ::: ||::|/// j
∨::::::::::∧ ヽ .:.ll:::',:::::||::|// /
_>:::::::::::∧ Y´) O:ll::::ﾍ:::!!::!/ ◯/_
≧=::::ｰ:::::〉 ,!｀ :ll:::::::Ⅴ:::|iＯ /::/
У冖≦::/ ll:::::_文:::| Y≧=＝
────────────────────────────────────────────────────
←北 南→
山形 ▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲≡▲▲
凸 飯田凸▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲ ≡▲▲
≡≡≡ 凸中野 凸▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲≡▲▲
≡≡ ≡≡ 若宮凸≡≡≡ 成沢 .▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲ ≡≡▲▲
≡ 凸 ≡≡ ≡ ≡≡≡≡≡≡≡ ▲▲▲▲▲▲▲▲ ≡▲▲▲
≡長崎 ≡≡ ≡≡ 谷柏 ≡≡ ▲▲▲▲▲ ≡≡▲▲▲
≡ ≡≡≡≡ ≡≡≡ ≡≡ 凸▲▲▲▲▲ ≡≡≡ ≡≡≡ ▲▲▲▲
≡ 山野辺凸 ≡≡≡≡≡ 門伝 ≡≡≡≡≡▲▲▲▲▲▲▲≡≡≡≡≡ ▲▲▲▲
≡≡ ○悪戸 凸 長谷堂凸 ≡▲▲▲▲▲▲凸上山 ▲▲▲▲
▲ 凸長岡 ▲▲ ≡▲▲▲▲▲▲▲≡ ▲▲▲▲▲
▲▲▲▲▲▲ ▲▲ 若木▲▲▲▲▲▲ ▲▲▲ ▲ ≡▲▲▲▲▲▲▲≡ ▲▲▲▲▲
▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲ 凸▲▲▲▲▲▲ ▲▲▲▲▲▲ ≡▲▲▲▲▲▲▲≡ ▲▲▲▲▲▲▲▲▲
▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲ ▲▲▲▲▲▲ ▲▲▲▲▲▲▲ ≡▲▲▲▲▲▲▲≡ ▲▲▲▲▲▲▲▲▲
▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲ ▲▲▲▲▲▲ ▲▲▲▲▲ 狸森凸≡▲▲▲▲▲▲凹中山▲▲▲▲▲▲▲▲
▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲ ▲▲▲▲▲▲ ▲▲▲▲▲▲▲ ▲≡▲▲▲▲▲▲▲ ▲▲▲▲▲▲▲▲▲
▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲ ▲▲▲▲▲▲ ▲▲≡▲▲▲▲▲▲▲▲ ▲▲▲▲▲▲▲▲
≡ ▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲ ▲▲▲▲▲ ▲▲▲▲▲▲ ▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲◇掛入石▲▲▲▲
≡≡≡≡ ▲▲▲▲▲▲▲▲簗沢凸▲▲▲ ▲▲▲▲▲▲▲ ▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲ ▲▲▲
≡ ▲▲▲▲▲▲▲▲ ▲畑谷凸 ▲▲▲▲▲▲▲▲◇小滝 ▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲ ▲▲
≡ ▲▲▲▲▲▲▲▲▲ ▲ ▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲凹 ▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲
≡ ▲▲▲▲▲▲ ▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲小滝城 ▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲
▲ ≡≡≡≡ ▲▲▲▲▲▲▲ ▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲ ▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲ 米
▲▲ ≡ ▲▲▲▲▲▲▲▲ ▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲ ▲▲▲▲▲▲
▲▲▲▲ ≡ 凸▲▲▲▲▲▲狐越◇ ▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲ ▲▲▲▲ .沢
▲▲▲▲ ≡鳥屋が森 .▲▲▲▲▲▲▲ ▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲ ▲▲▲
▲ ▲▲▲▲▲ ≡≡≡≡≡ ▲▲▲▲▲▲▲▲ ▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲ .口
▲▲▲▲▲▲凸八ツ沼≡≡ ≡ ◇大瀬▲▲▲▲▲▲ ▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲
▲▲▲▲▲▲▲▲≡▲▲▲ ≡≡ ▲▲▲▲▲▲▲▲▲ 凹 ▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲
▲▲▲▲▲▲▲▲≡▲▲▲▲▲ ≡≡ 荒砥 ▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲
▲▲▲▲▲▲▲≡▲▲▲▲▲▲▲▲ ≡≡≡≡≡≡≡≡≡ ▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲
▲▲▲▲▲▲▲≡▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲◇栃窪 ≡≡ ▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲
────────────────────────────────────────────────────
▲ ： 山地 ≡ ： 河川 ◇ ： 峠越え
凸 ： 最上城砦 凹 ： 上杉城砦
＿＿__
／ ＼
. ／ ＼
. ／ ／） ノ ' ヽ､ ＼ お前ね これ全部最上家の藩屏ってことで
| ／ .ｲ '=・= =・= u| 城主はそこそこの地位のやつばっかだお
/,'才.ﾐ) （__人__） ／
. | ≧ｼ' ｀ ⌒´ ＼ そういう物言いだから 友達が掃部左衛門ぐらいしかできねーんだお
／＼ ヽ ヽ
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＼
: : i: : : : : : : : : : : ,: : : : :､: : : : : : ＼:､
: : |: : i: : : : ／: :/: : : }: : :} : !: : : : : :} 〉
: : |: : |: : : /: : :/:}: : /: : /: /}: : : : ://
: : !: : |: : /: : :/ /: ∧: :/: // : } : //
: : !: : |: /_:_:_/_/∠: :}:/ ://_:_/: //
＼!: : |/＼＿_○__}// ://{}_∧//
r-t､: { /:'／ ' ーｧ ∨ 関係ない話を持ち出すな！
{:{ :∧i ／´ / }
ー' /}' ｕ ＿_ / だいたい 田舎者との交際などこちらから願い下げだ
>､＿_>､ 辷ﾗ /
|: : : :/＼＿ / /}
|: : : :| ／ | /ー‐' |
|: : :／ | ＞ __ ノ !
i:／ L ＿＿＿|_ i
／ , ⌒ヽ {::::::::::::::::::::::} |
┏━━━━━━━━┓
山形郊外 悪戸
┗━━━━━━━━┛
:::l洲:::::::::lllll／:.:.:.
-l洲,,,,／lll廴
;';';';';';';';';';';';';';';';'ヽ
:::洲l ,-llll{_ノ;';';';';'＼
;';';';'／,.ｲll|⌒ﾐ;';';';';';';')
７洲／/lll{:: :: :.:~'´´´ ＿_＿＿＿＿__
(;';';';';';';';'ミzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz,.ィ升三三三三三ﾒ,
l洲 /,l洲､'//'//////////////////////////,ｲ三三三三三三ア/ム
l洲 //l洲トミ=========================,ｲ三三三三三三ア/,<'//,＼
}洲 l＿洲l_|__|＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＞く三三三三三三ア//ｲｌ| `'ミ//,＼
}洲 .|洲ｌ | l | l二ア´三三三三三三＞く彡イ:::|::| /`'寺/≧=ァ
l洲zzz|洲l | l | `寸ZZZZZZZZZ彡イニニニニニﾆ7 _二＞＜
l洲￣ }洲lｺ |ニ|ニニニニニニﾆﾆ|| l＼ ＞´／￣l:l::|￣¨ア￣￣７__./二＿_| |
===ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ二二二￣￣￣7‐‐=彡_ ∠___∠」jｌ:|__,ｨ───/__/＿＿/_|__,,.. |
i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:/___/i:i:i:ｉ:ｉ|:|:::|:|:::|:|:::|:|:::|l‐.|:|::| .TT ＿＿＿＿_,,..
ﾆ=- 」j'j'j'j'j'j'j'i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:|」」」|i:i:i:i:|:|:::|:|:::|:|:::|:|:::|l |:|::| |::|「「「「i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:
￣ =- 」幵幵:i:i:ｉ:i:|:|:::|:|:::|:|:::|:|:::|l |:|::| |::||i:|ｉ|ｉ|i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:
二ﾆ=-[二二]」∟∟」L.l:|::|＿|::||i:|ｉ|ｉ|:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i
二ﾆ=- .」_||i:|ｉ|ｉ|i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:
￣ =- i:i:i:i:i:i:i:i:i:
￣￣
ﾔ:､ ﾄ､ i ∧
＿ヽ}::::`:::::::::::::::::iｱ‐ｧ
ヽ.:::::ヽ:::）::/::::::::::::∠ ＿
ヽ￣:::::ヽ:::}':::/＿::〕:::::::::::／
>::::／:/:i! i!＿!ﾘ）:_::::::::＞ ほー 五兵衛はまーだンなこと言ってんのか
__ __. ｀／{:: ｬｯi! i!ﾔﾂ}/:/ 》::::ヽ＼
.__{_,! {_,!/ 〉 ﾚ'i 〈 ＿ ゝ ’::}v''＼＼ へその曲がった野郎だな
{ ﾉ i!ﾉ ir〈 ､ヽﾞ:,,.-= '’ /ﾚVヽ! }: : :,
. V > `i ＿メ､ヾ ヽ._ ／ ヽ}ヽ. ﾉ: : : !
i! ｲ .ノ ｀ヽ〉 ,.x≦ 〉 ､ ﾉ i!::::}=s｡: :i}
.} ｰ i′ z―一''" /:::/＿ }.／＿ i!:::::! ≧s｡
. | ! ノ /:::/ ヽ '´ i!:::::! `
! .〉`i r‐'’ ｝ /:::/ i ! i!:::::! :, / !
ｲ _ ／:::::}｀={ ｉ } /:::/ ./ ! .i!:::::! :, /
.〈:::::::::::::／ } ｀ヽ l:::::ｌ / :、 i!:::::! :, .l ［保春院警護役・加藤掃部左衛門］
ﾞ:,::::／ ! ＿,i l:::::lｰ ｰ i!:::::! :, !
,. : : : : : : : : : : : : : : : : : :/ : : : : : :､ : ,､: : : : : : : : : :ヽ
, : : : : : : : : : : : : /: : : : : i: : : : : : : : iﾐ彡､: : i: : : : : : : :＼
i: : : : : : : : : : : : :i: : : : : /i: : : : :, : : :i i: : l : : :ヽ: : ',: : :',
i : : : : :', : : : : : : l : : : :/ i : : :/i: : / i: :l: : : : :i : : i : : i
∨ : : : :',: : : : : : :l : : :j - 弋: ﾄ .i: / _ l /i: : : :/ : : :ﾄ: : l
∨: : : : ',: : : : : : ',: : i,,=＝=ﾘ l/ __｀l'､.l: : :/ : : : i i : !
.∨ : : : :', : : : : : '才 ,ｲ .Oi ,f.0ﾄ､/ ／: :ｲ: :/ .i:/
∨ : : : ゝ､: : : : ヾ l ﾞｌ ｌ i∥イ: : / : / /
∨: : : : : 丶､: : ヽゝ _ ノ 弋.ﾉ / : :ｲ ／ 配下に入った人たちにはとっても慕われて
.∨ : : : : : : :｀ヽ､＼ 丶 ∠イ: X
｀＼: : : : : : : :ヽ｀` r ‐ ｧ ﾊ: : : : Y 畑谷衆は昔からの主従みたいだって
＼ : : : : : : ゝ. 丶ノ イ､: : : : : :i
＼: : : : :∧｀ , _ イ ヽ: : : : :i
ノ ヽ: : : ∧-+, 丶: : i
／ヽ ,丶: :∧__|ー-- ､ ヽ:! ［保春院/義姫］
, ´ ／ ヽ i 〉 ｀ゝ
＿＿＿_
／ ＼
／_ノ ヽ､_ ＼
／ （●） （●） ＼
| （__人__） u | えー それはないない
r､ r､＼ ｀ ⌒´ ,／
ヽヾ 三 |:l1 > ー‐ ヘ
＼>ヽ/ |｀ ｝ ヽ
ﾍ lノ `'ｿ ｲ | |
/´ / ./ | | |
＼. ｨ_ノ .| | |
| | |
ｰ----- ─── -- ､
, ゝ-: : : : : : : : : : : : : : : ＼
／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
/: :／: : : : : : : : : : : : : :/i/l : : : : : ゝ
l,イ: : : : i: : : ;ｨ: : ｌ : : : /ヾ-!: : : : : : : ',
l: :, : : l: : :/_l_, :ﾄ､: :/ .j : , : : : : : i
l: i!､ : ﾄ:´l 丶 l l/` ｰ /: ﾘ.: : : : : :j
',i!ヽ.: l z＝ﾐ ﾞ ___ /ィ'/: ;ｲ: : : /
／:ミゝ ￣ヾｭ ／ ; ｲ:/ 私も最初はびっくりしたけど
/ : : : : ヽu. ｰ -='_:_: イ: l/
/: : : : : : :_:＞､ __ ,, ＜: : : : : : / 気遣いも細やかだし 本当は繊細な人なんじゃないかな
.l: :／l/´'´ 「ゝ--+,⌒'ヽ l : : /
l/ __,,≦- ､_____|､ j^ｌ: :/
,, - ''＼ ...::: ｰ'￣｀ヽ _.l:/
l´ .y .＼´￣ ,､ ＞｀ヽ
l / ∠´ ｀￣/ ', ｲ´ ､ ヽ
／ { ヽ /l ∨ ＼ } i
,.ｲ ／!
/ ／::/ ／::::/ ,ｲ
＼::.､、 ヽ,/ﾚ′ｲイ:::::::/／:/ __＿__
＼::::｀ヽj::::::::::::::::::::::::::::::::::＜:::::::::／
_..＞.､ゝ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∠...__
＜::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::二ニ＝-
__..＞:::::::;イこム:::::::::::::::::::::::::::/∠::::::::::::::／
＼::／>'У:/ソ::::::::::::::::::::/｀ヽVヽヾ:::::≦
／／:: /::/:::::::::::γこ八jrｭ､_jⅥﾄヾく´￣
. ／／ｲ::::/::/::::::::::::ハ､,｛ `'′ﾊⅥ!|ﾄ､＼ 最上家中で群れんのを
. ／／ /::ｲ::/::::::::::::::::::/Ⅴ ヽⅥﾄ､＼ヽ あえて避けてんじゃねーかって気もするな
／／ ノイ/:/:::::::::::;ｲ::/! r´ハj ヽ ヾ
... ／／ /:/::::/ｲ::/ |/ ､ ´/ なんとなくだけどよ
. ／／ /:/ｲ:/ |/ /｀ ー′
.. ／／ ! :l'"´￣′￣￣::::::＞... ___
／ ,.ｲ .:l::::::::::＞''''"~´ ｀ヽ
., ′ _／_」 .:l"´/ ＼
＿＿＿_
／ ＼
／ _ノ ヽ､_.＼
／ （●） （●） ＼
| （__人__） | ふーん……
/ ∩ノ ⊃ ／
( ＼ ／ ＿ノ | |
.＼ “ ／＿＿| |
＼ ／＿＿＿ ／
＿＿＿_
／ ＼
／ _ノ ヽへ＼
／ （ ―） （―） ヽ うまくやってるんならそれでいいんだけど
.l .u ⌒（__人__）⌒ |
＼ ｀ ⌒r'.二ヽ< ……で 時にヨシ
／ ｉ＾Yﾞ r─ ゝ、
/ , ヽ._Ｈﾞ ｆﾞﾆ、|
{ { ＼｀7ｰ┘!
(ヽ三/) ））
＿＿ ( i)))
／⌒ ⌒＼ ＼
／（ ●） （●）＼ ） えーと
.／:::::: ⌒（__人__）⌒::::＼
| (⌒)|r┬-| U | 普段 みんなと行き来はあるのかお？
,┌､-､!.~〈`ー´/ ＿/ 一人で篭ったりしてないお？
| | | | __ヽ、 /
ﾚレ'､ﾉ‐´ ￣〉 |
｀ｰ---‐一'￣
{ _, - ￣￣ ＿＿＿＿_＞､ ヽ
＼￣´ ,. r: : :￣￣:/: : : : : : : : : : : : ｀ヽ､ __}
｀>: ´￣￣: :/: : /: : : :/: : : : : : :.ﾄ､: : : : ､: : : :｀: ＜＿
/: : : : : : : :/: : :.| : : :/ : : /: : : : :}:ﾊ: : : : ∨:ヽ:ヽ: ヽ⌒＼
': : : : : : : : |: : : :| : : ﾊ: : :.|: : |: : :' | : l : : |: : :V: :V:'.
|: : : : : : : : l : : ∧:_:_l_|:_|: | : ﾊ: ,' |: :ﾊ: : |: : : :V: :V:'.
|: : : :|: : : : :l: : :|´从:{ {:∧{ : | }/ }/ヽ: :/: : : : l: : :|: |
|: : : :|: : : : :∨:.| ィて斧从: { ィ 斧ﾐ}:ｲ: : : : :,: : ,:|: |
V: :八: : : : : V:{〈' {:::::::(_; ＼ {::::(_; }'}:/: : :/: :/ |:/
∨: : ＼: : : : ＼ Vこり ﾋこﾘ /' : : ｲ : / / ？ 大丈夫だよ
∨: :| : ＞: : : :.＼ , -r＜: V: /
从: }: : : : : ｀: :T´ ﾑ: :}: :∨ たまに うみさんや義康くんからお招きがあるし
＼: : |: :V: :込、 ｀ ´ イ : : |: : :|
＼} : ∨: : :}＞ _ ＜: : :|: : : |: : :| 義久はうっとうしいくらい遊びに来てくれるし
＼: ∨: :|､＿＿__}-､ ＼|: : : |: : :|
＼}: :.|--､::::::__:::::},..--.､＼:从: : |
／⌒ ー ´／...＼|........,｀ヽ....Y-､.......＼-‐ ＼〉
／ ＼............／...... }_.ﾉ......＼..../ ヽ
＿＿＿_
／⌒ ⌒＼
／（ ―） （―）＼ ………そーかお うん
／::::::⌒（__人__）⌒::::: ＼
| |
＿＿（ ⌒-ｨ⌒ヽ、 /⌒` '⌒ ）＿＿
`ー-ゝィｿﾉー‐ヾy＿ﾉー"
＿＿＿
／ ＼
／:::::::::::::::: ＼
／:::::::::::::::: ＼ 伊達との音信はあるのかお？
|:::::::::::::::::::::::: |
＼:::::::::::::::: ／
| ::::::::::::::: | iﾍ
| ::::::::::::: ゝ__/
| :::::::::: /
／ ＼
{
乂_-- ＼ ヽ
／: : :｀ ー-＼ '.
-- ´/ : ／: : : _: : :＼ }
' : /: :/: :ｨ∧: : : :＼ ﾊ
|: / : /: ,:' |: |:i| : : ＼＿＿＿＿＿＿_ノ: }
|: |: : | : | |: |:i| : : : : |/: : : : i: : : : : : : : :/
{: |: : | : { , -|ｲ:.i|: : : : /: : : : : |: : : : : : : : '
|八: : : ∧ }:/|: : : /: : : : : / : : : : : : : /
ヽ ＼:〉:∧ }_,ノ|: : /: : : : : /: : : : : : :/: {
|:＼:ﾉ ´ j:イ: : : : : :/: :/: : : : ∧: | あるよ
|: : :ヽ /: : : : : : |: /|:／⌒´ ＼
|: |: : :＼｀ /: : : : : :.:/|/ {'
|: |: : :|: :｀_{: /: :／}/―┴､
l从: : ／ |/|／::::::::::::::::::::::}
| ∨ ＿}/-く＿＿＿＿ﾉ
｢....} /´ ｀ヽ ヽ
∧ノ/ } '.
／../ | |
＿＿＿_
／_ノ ヽ_＼
／.（ ー） （ ー）＼
／ ::::::⌒（__人__）⌒::::＼ そっかお うん
| ￣ |
＼ ／
,ﾍ
＿＿＿_ / /
／＼ ／＼ ／ /
／（ ⌒） （⌒）＼／ /
／ :::::⌒（__人__）⌒:::::＼ / ならいーんだお！
| |r┬-| |
＼ ｀ ー'´ ／ お前が山形にいて幸せなら それでいーんだお
／ ＼
/ ＼
/ ／＼ ヽ
／ ＼ ﾉ
U ヽ ノ
,. : :: : : : /¨｀ヽ: :／｀ヽ: : : : : : : ヽ
/ ;.´ : : :./ : / ,ﾍ : ;彳} : ,: : : ヾ: : : ヽ
ｲ /.: : : : :{: : .{:/ミ∨彡.i.: .!: :.!: : ', : : : :.
_..イ: :/ : : : : , i!: : :i! j!:/ : :!ヾ : : : : : : .
￣〃 /.:.: : ,': :j!:ﾄ; :.:..! ＿_/ｲ.;ｲﾉ､:ﾘ : : : : : : :
/ i! : : : : :!: :i!;竓ﾋ､:{ ´ /_≦_i!`:}': : :! : : : j!:
.iﾒ.l: : ! : : :!:／ﾑィ､ヽﾐx ´て::::らｿ: : :i: :i!: :ﾘ′
!ﾄl: : i: : : j!: :{!〈{::心 ｀ 辷_ﾉ/: : ﾉ; j': /i! ……ありがとう
.'.: i!: : : iﾄ:.｀ ヾ__J ､ ,厶イ: : /〃ﾘ
.':!ﾄ : ､ !､: ,:ヽ _ ， ,ｲ ﾘ: :/￣￣i￣￣ ｀ヽ----､
ヽ丶ﾒﾊハﾒ:ゝ ． _ ／/::/ノi!､ l ｀ヾ l
ヾ }: : : : :ｲ^j/ ｀τ___/:ノ′ ､ l }::.. l
ノ'j!: : ｲ^' {′ ,ゝ7l{､ ￣｀ゝ､__ ヽi! :::.. ...::::::/ }
′/ﾄ､:ﾊ //^ヾﾍヽ .}｀ヽゝ_::::::::::::::::/...:::ﾉ
ﾒ､ﾘ ハ ヽ ././ }､:! 丶 { .> ｰ‐｀ 、;;::::．イ/〉
ｊ 〈 i i!| ヽ j/ .::}::∧- ''’ ＼
●
●
●
, ﾍ _ノ^〜
,-､___. -‐r‐〈 '､ 〜'"
__{ { : : : : V/ﾉ ＼ 〜〜'^ｰ'⌒
,.x≦//7 ｀ ‐--‐'´-‐"¨ ヽ _.-､_,〜〜
／. : : : : : ,' -‐ "¨ ､, _ }
/⌒/. : : : : : : : { _ t__ノ >' -,′ ﾆｬｰｺﾞ
{ ,'. : : : : : : : : 入 - V { ノ
ヽ!: : : : : : : : ノ `‐z､_______ゝ_ﾉィ '´
{ ｀ ‐--‐ ' ￣¨`‐'´ }
ヽ /
`ー ------ --------- ‐'
/ .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. l
..{ .:. .:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. }
..ｌ !:. :.:.i:.:.:|:.:.:./.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ′
.ﾊ :ﾄ､＼ヽ:.l:.:/ .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: .′
.ヽ! ＼ヽヽ/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. .: /
.｀ 7 .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:. / よしよし
/ .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/ｲ:.__ 」丿_:.:.:.i./
/ .:.:.:.:.:.:.:.:.:._ノ´ /:.:.:.:ﾊバ
,' .:.:.:.:.:/:.:／- f'‐ ´￣Ｖ:.:.:.:/'
, .:.:.:.:./／ /＿＿ {:.:.:/
ｌ :.:. ,ィ/─ - ´ ￣ヾ、
|／ ｀ ‐ 、
.,′ ､ ﾊ
l ﾊ / }
／ }' j |
..{ l / '、
＼ _ ＜__ ,ノ / ノ
T.::::::::::::::::j /- ､_ﾉ´
__＿ ィ': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :∧､/ヽ: : : : : : : :ヽ
｀ ｰ-- ｧ: : : : : : : : : : : : : : : /: : : : : : : :/ ＼l: : : : : : : : : '
/ : : : : : : : : : :./: : : :/.l : : : : : : / .l: : : : : : : : : :.'
': : : : : : : : : : :.l! : : / ',: : : : : ,′ l : : : : :ﾉ: : : : ',
l: : : :l : : : : : : :l!: : ,'´￣ ＼ : : l ｀ '' ｰ--丿: : :／: : : : : :l
l: : : l!: : : : : : : l∨:!≦＝ヾ＼: l ,,x=≧､.: ;イ: : /: : : : :,'
∨: :ｌ!: : :､: : : : ',zX⊂う::ﾊ ヽ! んう:::.ﾊヽ/.: :/: : : : :/
∨ l∨: : ＼: : :ヽ!弋:─丿 乂ー-.ﾉ}!〉／: : : ﾉ:/
.∨! ヽ: : : :',､: :＼ ￣ ￣´ノイ: : : ,イ :/ 幸せ かぁ
ヾ /＼: : ',｀ﾊ｀ ‘ ∠:_:_:．＜: : Y
/: : : :ゝ-`: :ゝ ￣｀ ／ l: : : : : ､l!
/: : : : : :,ｲ: : : _: :＞ _ _ ィ ∨: l: : : : : :i!
,': : : : : :/,': :／ .'′ r=ゝ .ｰ＿_l ､ ヽ!: : : : : l
i: : : : : / l／ ____j } ∨ヽ : ﾘ
l : : : :/ ___,, ィ‘ ＞-､___ j｀ヽ _ i /
┏━━━━━━━━━━┓
同年九月七日
大坂 石田三成屋敷
┗━━━━━━━━━━┛
_ｎ_ｎ_00 _ｎ_ｎ_00
_ └i_n┌' [][]「l └i_n┌' [][]「l
||iｰ-､,, く丿 くノ く丿 くノ
||| / `7
|||_/ ／ `>
ト､ ,.-7 ||レヽ---->
l l 7/ ||`'く' .,ｰ-_l ＼ ┌──┐ 二 / / / .／
| |_// || ＼ Y ＼ / / ───── ./ / ／
/ﾐ∧ l.○ノヽ . || ´ ＼ ／ ＿＿／ ヨ ・ ・ .／
／ ・ |ﾐ∠二/ > l || ／■＼ ／■＼ ／■＼ ／■＼ .／■＼ ／■＼ .／■＼
（＿）' |ﾐ,（ー｀ﾊ=ヽ ||／■＼ （｀Д´ #） （｀Д´ #） （｀Д´ #） （｀Д´ #）（｀Д´ #） （｀Д´ #） （｀Д´ #）
/ ｷﾐ|=|]´ 〈 ||´∀｀ ） ／■＼ ／■＼ ／■＼ ／■＼ .／■＼ ／■＼ .／■＼
|‐－"ｷ|W|＿_ゝ⌒"ｷﾐミ三≡＝〜 ） （｀Д´ #） （｀Д´ #） （｀Д´ #） （｀Д´ #）（｀Д´ #） （｀Д´ #） （｀Д´ #）
|Ω‐'"〈＿（＿） | Ｙ 人 ／■＼ ／■＼ ／■＼ ／■＼ .／■＼ ／■＼ .／■＼
(~ﾆL( ｿ || |（ ＿,ノ､ゝ （＿） Ｊ （｀Д´ #） （｀Д´ #） （｀Д´ #） （｀Д´ #）（｀Д´ #） （｀Д´ #） （｀Д´ #）
ヽ_7/ /ー'"⌒`ﾋ`ー‐ヘ ＼ , ,､ ／■＼ ／■＼ ／■＼ ／■＼ .／■＼ ／■＼ .／■＼
/ / iV/ ヽVl （｀Д´ #） （｀Д´ #） （｀Д´ #） （｀Д´ #）（｀Д´ #） （｀Д´ #） （｀Д´ #）
〈__/ /ﾐ∧ヽ(,,--,,ﾉﾉ ／■＼ ／■＼ ／■＼ ／■＼ .／■＼ ／■＼ .／■＼
／ ・ |ﾐ<ﾆｌﾆゝヾ （｀Д´ #） （｀Д´ #） （｀Д´ #） （｀Д´ #）（｀Д´ #） （｀Д´ #） （｀Д´ #）
（＿）' |ﾐ(ﾟДﾟヽ_ゝ ／■＼ ／■＼ ／■＼ ／■＼ .／■＼ ／■＼ .／■＼
/ ｷﾐUililヽ=ゝ （｀Д´ #） （｀Д´ #） （｀Д´ #） （｀Д´ #）（｀Д´ #） （｀Д´ #） （｀Д´ #）
|‐－"ｷ[ﾛ]ヽ二ゝ⌒ｷﾐミ三≡＝〜 ／■＼ ／■＼ ／■＼ ／■＼ .／■＼ ／■＼
|Ω‐'"〈__|＿_＼ | （｀Д´ #） （｀Д´ #） （｀Д´ #） （｀Д´ #）（｀Д´ #） （｀Д´ #） （｀Д´ #）
(~ﾆL( ｿ || |（ ＿,ノ､ゝ ／■＼ ／■＼ ／■＼ ／■＼ .／■＼ ／■＼ .／■＼
__＿＿＿__ ,../´::ヽｰ-- ､、 ,!:./
_,./ ヽ ､ｰ- .__ ＿＿,.‐'´/::.::.::.::.::.::.::.::.::.｀:'＜
/ ─､,,＿ __ヽ､-ｰ ､ `ヾ､_::.::.::.::.::.::.::.::.::/::.::.::.::.::.::.::.::.､::.::.::.::.::ヽ
〉 ｀Y(,＿ ） ） ＞:.:. .::.::.: /.::.::.::.::.::.::.::.::.::.ヽ::＼.::.::.::.:＼
(´ ─､,,＿ 入__＿_.:ク ／.:.:.:.::.::.::.::.:: | .::.::.::.::.::.::.: | .::.: |.::.::.＼.::.::.::.:ヽ
｝ ＼_/ / ／:.:.:/.::.::.::/ .::.: |.::|::.::.::.::.::.:: j :.::.::|/.::.::.::.＼.::.::.: ',
｛ ─､,＿ ! /!｀ヽ,.,_ _／.:.::i.:.|.::.::.: ,'.::.::.::.:|.::l::.::.::.::.::.::ハ.::.:∧ .::.::.::.ｌ.::ヽ :.::.l
ヽ ヽ／ ／| l | l i. ￣「:.:.:!.:l ::.l .::|:＼:/ |.::l .::.::.::.::./ ∨.:ハ.::.::.:.|＼|::.::.:|
ヽ ￢─-ｰ" / | l | !.|.|｀ヽ |:.:/| ｌ.::.:!.::.| .::/＼!∧ :.::.::./ __／∨ |.:::.::.:|.:| .::.::.::!
ゝ､_ _l ! l i. | !.l ｀i、 |/ |:..::.ﾊ.::.l :,' `ｰﾍ.::.:∧ 三三三 |.::|∨::.|.::.::.::.| 公儀よ！
｀゛ｰ＜ ,ノ ,! } !i | ヽ_ _ ﾘ∨ ﾍ.:ｌ小. 三三 ∨ ･|.::l.::.::. |^ヽl :|
｀マ´ ／／ ﾉﾉ,ﾉ ＼ヽ＿_ Ⅵハ ' :::::::| :l.::.::.::|_ノ:l :| アタシは帰ってきた！
＼／ _／'イ ＼ ヽ￣￢_ ﾝｰﾍ::::::: `ーー ’ │ｌ ::.::.:ﾊ.::.::V
｀ヾべ′ ﾉ⌒ ヽ､ _ イ|:l.::.::.:,'.:.::.::.::|
＼ ,.. ﾍヽ＞ -‐ '´ん.::ﾘ:ｌ .:: /:l.::.::.::.:|
￣￢ -- ＿＿_ ＿ ＿ | l l＼ ∧ ∨:l.::.:/::.:l.::.::.::.:| ［内大臣・徳川家康］
｀ｰ-‐へ｀丶、 V|ﾍ ヽ＿}_ ∨.:/.::.::.l.::.::.::.:| ┌―00 __00
,ノハ V|ﾍ ∨ |/／ヽ :.::l.::.::.::.:| ｀フ∠ く,ﾆ ! [][]「l
／.::.l V|lﾍ ヽ j /// }ー-､.::.::.:| └'＾ｰ┘ くノ くノ
この日、大老として唯一上方に残っていた徳川家康が大坂入りし、石田三成の屋敷を宿所とした。
これは奉行衆ら、大坂首脳部の要請に応えたものだった。
＿＿ __
, .≦三三 ヲ´
, . ≦三三三 ＜´
, . ≦三三三三三三三三＞
r≦ 三三三三三三三三三＜
|三_j| /⌒＼ ／｀ヽ !￣￣ ｀
. |三..l | ∨ i |
i⌒V | O || ＜ |.ﾄ. よくいらっしゃいました 内府殿！
| i}. u ゝ.＿ノf入＿人{_ﾉ
乂__ ､＿＿＿ __ノ´ これで大坂も鎮まります！
＼ ＼ ｀ヽ ｀ﾌ´
. __}＞ .＼ i／ ＿
/く `ー‐‐ｧく＼ _／ 二.）
. / i＼ / Y ＼__／ ! -- ' /＼
/ ! `′ i 人 /＼ヽ)
. 〈 ﾉ |＼＿／ ｀丶 ＼ )'
＼ /`ー─ ──i ｀´ ［増田長盛］
| | |
| | |
i､ _, -!--'- 、 ,'i
＿!＼ _, ' 丶 ／/
＼ ` ー---=ニニニニニﾆ=-`ー' ＞
ｰ'=----- ､------t'^tｰ-----,-t----~=-
i | |ヽ､_,,／/i i ＼, ノ | | |
| | | | |. ¨ | | |
| | ﾄ､. ! ｜ r:| | | 秀頼様も安堵するでしょう
､ .| | |:::i ん､_,,ふ .i:::| | | ,
. ` ー====＝ニﾆへ,_ へﾆニ======-ー'
| | |::::! ＜ -ｰ-ｰ-＞ .|:::| | |
| | | u `>-=-く .|__| |
レ'＞ ､___ ,,,, .,__ノヽヽ､|
`-ミニﾘ| ＼＿i;;;i ／/ ヽへ < ［片桐且元］
／::/:{ヽヽ V / /::::ﾉ:::::＼
秀頼政権と大坂の動揺の続くなか、政府から大老がことごとく立ち去ってしまう異常事態である。
親徳川の奉行たちは、家康を迎えることでなんとか公儀の求心力を回復しようとした。
_,,,......,,,
,,,''" ﾞ''丶
i;;:::::＿::::_:::_ :::＿ヽ
!:::::ノ ノ ー l
r､| ｲﾟj` 'lﾟj`l
､_: ｀ ' ｀ ﾉ ……ともかくご足労感謝するよ
ヽ､ ー- ／
`i -'イ_
⌒/＼／ /￣⌒ヽ
l.／＼/ ヽ ［長束正家］
また、反徳川の者たちとしても、この状況で伏見に家康を放置しておくことは不安だった。
翌々日、早速家康は登城し、秀頼と面会。大坂での執政権を認められた。
／'⌒ _,,.ｨ_-=ー
｛:{ _,,. .-:‐:‐'＾i-''"-ﾆ,,_
,.`'ﾞ: : : : : : : : : l: : : :､: :､:丶､
, ': ; : ,ｨ:.j: : :.ﾄ: :ヽ. ヽ `:､、＼
./: :/ , : : x-､|:.l.|: : :!,r-､!: : :i: : ヽ｀丶:、
j: :i: :j: : : :/ |: ｌ |: :.! ﾞ:、ｌ: : :l:::. :.i.
l: j: :l: : :./＿_ﾚ' |:/ ＿_Ｖ:､: :|::i:. :l
!:.|:.;l: : / ==== / === {:::|: |::|ヽ:| お任せください！
!.:l/j: /:| ' ‘!::Ｎ:::l ﾞl|
|: : !ｲ::::| ﾞｰ'‐' ,!::|:.l:/
.l:i: :::| :::|丶..,,_ _,. イ|:::l!:|′
lj: :::l: :.:|::::;r‐」￣ト:､::::::|:|: :|:| ／l 、
.}: ::::l: : :i´ !_,,....,,｣. ＼l:l: :|:| ／ |,,_ / l
j: :::;<i: : iﾐ、 ﾞ:、 | //!: l:.| / :::::::~-' l
_Lノ :､: :i､＼ﾞ､ |／/ｲ:.ハ:! / :::::::::::: l
｛ :::ヽ:.i_,＞`､_|∠/jノ ﾞヽ / 「●」:::::::::::::: |
<＾ﾐ:､ {＾ヾ -=J=､ ヽ. ／ヽ l :::::::::::::「●」 | お任せするね
/＼＼ヽ_,ハ ／ :|＼ ∧'"彡'く | ::::::::lゝ:::::::::: |
〈 ＼ｲ:::| `''゛/ l l｀´ |'"> 〉 l :::::::::::::::::::::::::: |
＼. ＼| / l |'゛ ／ | :::::::::::::::::::::::::::::::: | ［豊臣秀頼］
これをもって、家康は名実ともに公儀首班へと上り詰めたのである。
,. '",二ミ丶
/／ ヽﾞ:.
{'′ . ）)
＿ /＼―－--＜、
,.. -__''二ﾞ- ｀/ ｀丶、
'"￣ ,. :'" / ヽ
／ ／ / l | ｀、
,:' ,.ｨ / / !.| |､ l i. ! ﾞ!
/ ,. 'ﾞ/ / l ,'| |! ｌ l l、 i l i
/'´ / ｜ l ⌒|.l'| | ⌒ト､ ! l l
i ,! !./ l| l | ｀、| ｀､ l. !| .!
|. / | ,!{ ＿_ ｀、.| ＿!j＿ヽ. l.|! 、｜
{/ ! ,'!ヽﾞ!r;|｀ ヽ| 'ﾞ! r;｢ﾞﾞﾃ'}､ llr-､ ､.| さてさて 喫緊のお仕事から取りかかるとしようか
ﾞ、.!.| !｀''' `ー'' ．ｌ ｀､ レへ｀{
ヽ| | l､ ､_,__, ,l | ｀i` そう 増田くんの持ってきた―――
| |＞ｭ､｀ニ.,-‐'てl !| |
| | ／´ i′ /l / ｛ | |
| }iﾞ|! l￣｀７ // / ﾍ |
| |l|l|! l / ''" /彡ﾍ |
. ､＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
､＞ |
＞＿＿＿＿＿＿＿＿ .|
￣ .|./＿ ＿＼ | |
| / ヽ／ ヽ | |
. | | ／ | ＼ | V⌒ｉ
|.＼ 人＿_ノ 6 | ………
／ ○ U /
. ε 厂
＼ ＿＿＿＿_／
￣￣, -/へ／＼/｀- ､
／./ ./op i. ＼
／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : `:-.‐.‐: : :‐.-. . ,,_
, ': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :`: ＜￢ｰ-｀`ヽ
.:': :/: : : :／: : : : : : : : ::: : : : : : ﾍ: : : : : : : : : : : :. ｀ヽ
/: :/: : :.／ : : : : j::: : : : : : : :!: : : i:.. : : : : : ､ ＼
,': :/: : ; ' . . . : : : :!: :.j|::: : . . . !: : : V::. ヽ ヽ
,': :.i: :,:'. . : : : : : : : : :i: :/ |::|: : : : : : : |ﾍ: : :.V:::. . . i... ヽ ｀､
.i: : i.:/: : : : : : : : :_;,,;/:_/ .!:|: : : : :.l: : | v‐'个-:.､: :V::. : :Vﾍ丶、 `、
j: : l/: : .::j: : : :':´: :./l:./`ﾞ !j: : : : :.!: : l`'゛V: :.!::::::. : :.V::.: : V:ﾍ ＼ﾞ、
l: :./: :.::::j: : : : : : :/.j:/ :||: : : : ﾊ: :.j ∨:.|V::::. : :.i!:::. : :.!､:ﾞ', `
!:./: .::;:イ: : : : : :/_/ﾞ-― |!: : : / !: !--- V:.| V::::. : :.!::::. : :!｀、!
!:l: :／_:l: : : : r主圭王羊 .|: : :/ :|:.E玉圭主ｮ∨::. : j:::::. : :! Vi
lj:/|:./ i: : : : :У.|:::::;;;;::::| l: :./ !:,!|::::;;;;::::,!/ λ::: : :!:::::: : l ﾞ}
}': j: ﾍ !: : : :∧ !V С !, ' j/ lV С /:::i::: : l::::::: :.j
l: :l: : :ﾞ|: : :∧::l ヾ、__ﾂ /' ヾ､_,ﾂ ,'::::::ｉ:: :ﾊ:::::: :,!
.!:.!: : : |: :/:::ﾍ::i ‐''"´ 、 ｀`'''‐ ・ i:::::::::!:/ !::: /
!j: : : :.|∧: :::ﾍ:j.､ ,ﾉ::::::: l/ |:::/ 中納言 前田利長謀反の疑いから
li: : : : .::|ﾍ: : ::ﾍi:::;＞:...,_ ´｀ _ ,,. ,-::''ﾞ:|:|:::::: : :! !/
}: : : : : :|::ﾍ: : : ﾍ . {'゛｀` ''''' {´| `ヾ{::::::::::!|:: : : :.| '′
.!: : : : :,:-＜ﾞ､: : :.ﾍ l ｰ-､ ,-l ｀ﾌ7||: : : : l
l: : :.／ ヾ､: : :ﾍ. !'´￣￣￣| // |l: : : : l
在京を基本とする大老たちの一斉帰国は、世間に様々な憶測をもって語られた。
＼＼ /＿＿＿＿＿_＿＿_ ヽ
ｌ/⌒＼ｌ ｌ／ ⌒ヽ | |
| V |＿| ﾉ
| ≫|≪ | l/⌒ヽ
（⌒ヽ#ー∧ ー＃♯ |
＼ ＿＿＿＿＿ ／⌒ヽ _ノ 僕が謀反だって！？
ヽ | |
| | l ひどいデタラメだ！！
| /⌒ヽ⌒ヽ ﾉ ﾉ
⊂二二二二二´／
,ー──´ﾉ､
/| ／ ＼／ ヽ ［加賀国主・前田利長］
特に、父の前田利家から秀頼守役を継いだはずの利長が帰国したことは不審がられた。
──────────────────────────────────────────────────
＿＿＿＿＿
. ／ /⌒＼/⌒ヽ
/ , －| ・|・ |､＼
/ ／ ` ー ●ｰ ′ヽヽ
/ / 二二 | 二 ￣ﾉ いいかい 利長！
l / /⌒＼ ── | ─ ／
| | / ￣￣￣￣/￣ もし僕の身になにかあっても 秀頼様のおそばを離れちゃいけない
ｌ | | / /⌒ヽ
ｌ | ヽ /⌒ヽ⌒ヽ |／ヽ__ ノ いいね！ 絶対だぞ！
ヽヽ `ｰ───┴─７ /
>━━━━━Ｏ━━ / ［前田利家］
／ ＿＿＿＿ヽ
| | /, －､, -､ｌ
| _| -| ･|< ||
, ―-､ (6 ＿ｰ っ-´､} わかってるって！ 父さん！
| -⊂) ＼ ヽ_ ￣￣ﾉﾉ
|￣￣|／ （_ ∧￣ / ､ ＼
ヽ ｀ ,.| ￣ | |
｀－ ´ | | ＿|
.| （t ）
──────────────────────────────────────────────────
そもそもが利家の厳命を破り、幼い秀頼を放り出しての帰国である。
家康の勧めがあったとしても、自ら風聞を呼びこむ軽挙をしでかしたのは確かだった。
＿＿＿＿
／´ ｀＼ﾚ
/＿＿＿＿＿＿＿ ヽ
|ノ─ ､ ─ ＼ | ヽ
| ｖ|・ ｌ＿| ! そんなこと言ったって 父さんの死で家中は少なからず動揺してるし
,| | | Ul´⌒Y
l/`ー ﾍ ` ─ ′ （ | 大坂じゃ僕を担ぎ出そうとする連中もいたりで危なっかしいんだよ
ｌ__ _ ノ- ､
(＿／⌒ヽ_／⌒ ／/ ｌ
` ─┬─┬ /ヽ/ /|
|＿__| ` /＼ / |
⌒ヽ l､ /ヽ ,ィ:::ヽ ,..ィ7
.| l |::::ﾏｲ::::::V::::::::::::V:::::::::しイ
', V´ |:::::::::::::::__:::::::::::::::::::::::::::::::/ヽ
' ', l::::::r‐'´ ｀V三Y´ Y:::::/
＿Y⌒ヽ '. .|:::::|ﾆ| ・ Vﾆ O |｀Y そんな立場のやつがいきなり下国したら
f´ ‘, ', l f⌒Y=ﾍ }ﾆ{ ﾉﾐ/j
f⌒ヽ ヽr―… ） > ┴ ｀ -○ ‐ ' ｲ/ それこそ怪しまれるに決まってるだろ！！
ヽ ＼_人＿,. / ｀丁「￣ ――rr‐-
｀ ー' ／┼ヽ_」」 r〜‐‐-､ |j
｀'ー-r― '┼┼┼へ ￣￣￣￣￣フ
. ヽ┼┼┼┼┼ﾍ ｀＞---＜_
＼┼┼┼┼┼ イ┼┼＼|そ
ともあれ、増田長盛らは利長の離京を脅威とみなし、家康に対策を要請した。
前田家もこの動きを座視していたわけではなく、浅野、細川ら親密な大名を通じ、豊臣中枢への働きかけを行った。
/ ト､ i ┌＜二三三三三≧
ﾄ､ ヽ ＼ | ∨三三三三三三７
| { | ヽ ヽ ヽ 亅 ∨‐' ´￣￣二二ﾕ＿
,ﾊ ,{ u.ヽ }＼__jヽ._ 丨 r=＝ﾆ二ニ三三三三三二≧
|l } / ! _ ＞ '´‐- .] ! ｀ヽ三斗‐〒::￣｀::.:‐＜三／
|| ! ﾄvﾐ_ ′ ‐=せﾅ| ; /::.::/::;:: |l::.::.ヽ.::.::.ヽ::.::ヽ
}! ＼jい-'}i ￣´ | （正直なところ……） ｌ::.::;':://:八::ﾄ､::＼::.::.}::.::.|
}〉|l ｜ { |::.::ﾚ':∠ -ﾍ:ヽ｀≦ニ|::.::.|
| jL、- ｜ i | ∨::.l:代j歹 ＼ 它ﾌj::.}:/
| ヽ｀二 ´ | ｜ ！ }:l::.|:ゝ /:/:,′ （面倒に巻き込むなよ）
／￣￣￣¨¨,二ﾌヽ ,. １ l l /人:ドヽ､_ r￢ 彡l::ﾘ
／ ` ＜￣] l「 ｜ | ! ′ ｀ヽ _r┴ﾐ_T´ﾚ' |/
／ ヽ‐- ＿￣_〕 ∥ ｜ li rt＜ ／ﾆ7弌ｰ､
／ ﾄ､ ＼__＿丿 ll | ｌl ヽ / :.｀ヾ､ く〈 //|ﾄ､〉〉ﾊ
. ' y !/ヽ ヽ!l ! |{ 丨 八 ＼ /:.:/:.:.:.{ } ヽ/| |}{∨ |l:|
/ ハ { ＼__） ハ __,ﾉ / ′ ＼＿,r;.=＝＝＝=ﾐ . /:.:/:.:.:.:.:.{ } | |}{| L |}ヽ
ノ-‐} ！ |ｒ1 /￣／｝ /一…ｧ' ／ ＼ /:.:/:.:.:.:.:.:.:.{ 〉 | lXﾄ 〉|}:.:.＼
| ィ `┘ ／|| | j,ノ ／ j /}ノ ／／ く:.:.:{:.:.:.:.:.:.:.; 匕ZュＨXkzz|}〒´
［甲斐国主・浅野長吉］ ［丹後国主・細川忠興］
しかし、これが墓穴となった。
,,=＝=､､
// ヾ､
l:| ヾ.
＿＿!__/:ヽ､＿＿_l|_
,. -‐_´:-: : : : : l: : : : : : : : : : :`: .､
／‐／: :,: : : : : :, :l: : : : : : : : : : : : : : :ヽ
／: : /: : : : : /: /l: : : : ﾊ: l: : : : : : : l: :｀､
/: ,／/: :/ : : :_LＬ_l: : : l:l レA､:_: : :､: l : : l
/／//: : :l : : : ∧/ l: : : ﾘ l: |丶:｀: : l: l: : :l
／ //l: : : l: : : /_V＿ヾ: : |l _ヾ__ヽ: : : l:ll: : :l
/│: : ,､: : :lT亦テl ヾ: l T示┬l: : W :､:l
l : ハ: : ﾊ｀､'::,┤ ヾ P:,:::ﾉ'lヽ: ﾄ｀,:x ふぅむ
V ヽ:l: :l `''´ , `''´'．: ヽl_ノ: N
｀ N: :ゝ､_ _ .ノ : : N : : l こりゃ 利長の叛意は明確だと認めざるをえないね
│: : :| ≧ t - ＜: : /: : :ﾊ: : :l
.l : : :|.／ |,─ ､./ //: : : l: l: : :l
.| : : :| |ィ ヽ/ // : : :/彡l､: l
|: : : | .| ⌒/ //: : : /〃彡l l
|: : : | .| / // l l /,´／ |l
. ､＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
､＞ |
＞＿＿＿＿＿＿＿＿ .|
￣ .|./＿ ＿＼ | |
| / ヽ／ ヽ | |
. | | ・ | ・ | V⌒ｉ
＿ |.＼ 人＿_ノ 6 | ……というと？
＼￣ ○ U /
. ＼ 厂
／ ＿＿＿＿_／
￣￣, -/へ／＼/｀- ､
／./ ./op i. ＼
＿_
／￣｀ヾ:`:.
{ ﾞ!:.}
/:＼＿,∠.._
_,. _-_:‐:‐:|: : : : : : : : ､:｀: .、
／´: i.:,!: : :|:i!: ､: : :丶: : ヽ
／ｨ: : : ｌl. !: : |:!､ﾄ､: : : : ＼: :i
.//./: : : ;1! ∨: l|_､斗‐: : : :ﾄﾞ:､
〃 !: : : {T￢ Ｖ:.{. __⊥:ヾ: : l: : !
'′ |: :.;!:iﾊ_z=T ﾞ､:. T不l ハ: l: ;l 太閤殿下の「御掟」にあるよねぇ
.ｌ :ハl:::i ヾﾂ ` ﾞｰ：i::::ﾍ:|/
V ﾞ!::ﾄ..,,_ ,､ _,､ｲ:::::バ' 訴え事があれば双方を召し寄せ アタシらの手で糾明すること
l::::|::::::;ﾌﾌ .,!'ﾞ'l: :/:::::i.
l!::|／/´>'゛_,!:./ｭ::::::l あくまで私的解決をしてはならない
l};.|i!.j /,,-''.ｲ/‐￢;::::l
./ ﾞ{､i!/''／// i::::!
/ _,,.-火ﾞ､ '"i i:::i
ﾞく ｨ､ ＼j ,l:::|
,..::;ﾆ＝-､
i::/ 、
,ゞｰ--‐::':::|,..-;:ァ
／:::::::::::::::;::::::::!::::::｀丶、
/::/::::::::::/:/|;:::::;!i::i::::::....､ヽ
l:/::;'::::'オ/ !:::/へ|:::::::::::ﾞ:.ヾ:、
,!,イ:::::/ !′ l::/ .lﾊ:::::|;;::::l
/i:::::!::/iTﾆT ,!;' ｲﾆﾘ,!:::l｀､:| また 私的な誓書の取り交わしは禁止
!:（|:'!::l ゜┘/ ﾟ‐：!:}::! ﾞ!
|::::M::::!､ ο .ィ:i!ﾘ こいつは私党結成での政治混乱を避けるためだ
|::::|:::l:::ﾚﾞ'ﾏ￢＜:!::|::|
!::::|x<!:l |―| ,l:::|:::!
l::::::;!ヾｌ:ﾄﾐヾ、l〃!:ハ:|
,':::::::| ヾ＞ﾐV∠}′ i|
l::::::::{ ,r=-=ニＬ._〉,ノ l|
,!:::::::::l |l!l!|´ |!
!:::::::::::ﾄ、 |＜ ＿/:|
!::::::::::::ﾞ7ー イ丁´「 〈::::::|
ゝ／: : : : : : : : :＼
／: : : : : : : : : : : : : ＼
/: : : : : :┌---,----i─
| : : : : : : :| / /i＾i |
| : : : : ,--v |_|_ﾟ| |
|: : : : | d u . '┐ ま 待ってくれよ内府―――
ヽ: : :ヽ_ ┌── |
ヽ;;／ ＼／ /
_|＿＿__┌ - ′
/:_:_:_:_:_:_:_:＼ ∩
/ / ￣ヽ, 「 / ~￣,⊃
| i ＼ | ／＼ ノ
／ ｀`ヾ:.、
ﾞﾞ;,
_,,.. . . . . ､/｀ヽ.-:‐:‐.-. . . ,_ ,ﾘ
_,. -,.ﾆﾞ-;.‐:'': : : : i: : : : : : : : : : : : : :｀:ヽ、
￣ , ' : :,: : : : :.l: : : : :.i: :､: : : : :.､: : : : :ヽ
. ／ . ./. . . ./.:!:.i: : : : i､:.ﾞ､: : : : :`:、 ｀、
./: :,.ィ: : :,': : : /:_/ｌ:.l.: : : : iヾ:;v､: : : : :ヾ: : : . ｀.
/:.;.' /: : :.:i: : :イ /` i.:!、: : :.! ":､ﾞ､＼: : i,:ﾞ､: : : : i
/:/ i: : :.::::!: : /:/ !:!､: : :.| ＼､: : : :!':,ﾞ、: : :l
j/ .l: : .:::;::!: ://二二 ヾﾞ､: : |ニ二,,`:､: : :i: i:i: : : |
|: .::/!:::!: ハ! 行下 ヾ: | /示刀ﾍ: :.|: ﾘ: : :.!
l: :/ !::::i: ﾊ っ::| ヾ! っ::/ /:::ﾍ |､: : : :l
.l:/ l;::::V !i `-┘ └-'．/;::::::ﾊ!,!: : :.i すべて 利長は重々に承知しているはずだ
{' i::::l. |:l、 ' /::::: :/‐':: :|: j
V! .|: :`::;...,,_ ﾏヽ __,.:': : : :/:|: : :: :!:i にも関わらず 私党による根回しを堂々行った
ﾞ{ !: ::::|::;!::::丁::Ｔ"／: : : ;.ｲ:::|:. : : :jj
l: : ::|::!i:::::::i:::;:!": : : :, '{::::!::j::: : : :{
i: : ::!j У`>: : : : ∠,,_ l::::i::l:::. : : :i
i: : :j/ ｨ゛: : ;.-"三ミﾐ:i::::i:|::: : : :.i
i: /／/:.;.‐"´ ｀ヾi:::i:!::: : : : !
家康は老獪であった。
,.-‐':.:.:.:.:.:.:.:.:.'.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:｀ヽ、
'´￣_,.＞'´. . ....:.:.:.:|.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.､:.:.:.:.:..:.:.:.:.:｀ヽ
,ｨ' . . . . . . . ./ . . |::: . ...:.:ｉ:.;:.:...... . . |. . ...:ﾍ.......:.:.:.:ﾍ
／:.:.;/:.:.:::/.:.:.:/.:.:.:.:.;|::::.:.:.:.:.:|::ｉ:.:.:.:.:.:.....|:: . . . ﾍ . . . . .ﾊ
/:.:.:;ｨ'.:.:.:::/.:.:.:.:|:.:.:.:./ |::ｉ:::.:.:.:.:|.:|ﾍ:.:.:.:.:.:.:|:::.:.: . . ﾍ. . . . . }
ｊ／ /:.:.:::/:.:.:.:.:.ト､:/ |::|､:.:.:.:.|:.| ヽ;／:.:|::::.:.:.:ｉ::::.∧.:.:.:..|
|:.:.:::::|:.:.:.:.:.;|:.:/＼. |::|∨:.:.:|:;l ,／ ∨::ｊ;::::.:.:..|:::.:.:.:ﾍ:::.:|
|:.:.:::::|:.:.:.:.:/|/＿__｀|::| ∨::.:|'`_＿__∨ |::::.:.:.:ﾄ､:::.:.:∧:|
|:.:.:::::|:.:.:.:;ﾊﾏﾃ〒行|ｊ ∨:| 〒:ﾃﾁﾔ７i:::.:.:.:.|::｀ヽ:::.:ﾍ、
|:.:.::::;|:.:/::ﾊ ｉk'｡ｨ::|´ ヽ:| |k'oｨ::ｊ.,' |::.:.:.:ﾘ:::.:.:.:.ｉ＼::l よって 殿下御遺命に定められた制裁の発動……
ヽ:.::|∨::::::λ`--'┘ ` └'--"．ｊ|::.:.;/:::::.:.:.:.|:.::| `
ヽ| |:.:::::::ｊ ' /:|;ｨ' ）:::::::.:.:.|:.:| 前田 細川 浅野らに対する成敗を
|:.:.:.:::ヽ、 ｰ'ー' ノ::::./'":::::::::.:.:.:|:ﾘ
|:.:.:.::::ｉ:::｀＞‐-ｧ-, -‐＜´:/::.:.;/-γ'´ ,,ﾌ:::|' アタシは諸君に提議する！！
|.:.:.:.::|‐ｉ´{ｉ ,ｨ:ﾉ_＿__,／ /::;ィ´,.f´{ ´ -‐'⌒ヽ.
,r|.:.::ｉ::| {| :|| / ／ /.:.:{ {:{ | ｊ (´￣｀,}ｰｒ‐'
< |:.:.:|:ﾘ || :V ／=＝"ｊ:.:.:/ {:{ | {(_￣゛ |:: |
ノ" ヽ､:{＼ヾ､|／ _,.-‐ｧ'|::.:{ Vﾊ ( ￣__,ﾉ:: ｊ
／ ` {"ヽ、 ,ｨ'´ / |/ﾘ ヽ. ｉ λ::￣:::::: ,人
／ 〈 ハ,/ _,ノ :::::V `=ﾆﾆィ"::∧
〈 ~｀ヾ::::..ﾉ,＞ ＜´ :::::`ｰｒ---‐'´:::::.:.:∧
＼ /´ / ::: ｀} |::::::::::::::::::::.:.:.:.ﾊ
かつて私的婚姻を諸大名と結んだ際、奉行大老を一致結束させ、家康を追い詰めた「御掟」の条々。
つい半年前には己に向けられたそれを、今度は利長弾劾へと用いたのである。
┏━━━━┓
山形城
┗━━━━┛
―┼―┼―┼―┤ | ├―┼―┼―┼―┤ | ├―┼―┼―┼―┤ || |
―┼―┼―┼―┤ | ├―┼―┼―┼―┤ | ├―┼―┼―┼―┤ || |
―┼―┼―┼―┤ | ├―┼―┼―┼―┤ | ├―┼―┼―┼―┤ || |
―┼―┼―┼―┤ | ├―┼―┼―┼―┤ | ├―┼―┼―┼―┤ || |
―┼―┼―┼―┤ | ├―┼―┼―┼―┤ | ├―┼―┼―┼―┤ || |
―┼―┼―┼―┤ | ├―┼―┼―┼―┤ | ├―┼―┼―┼―┤ || |
―┼―┼―┼―┤ | ├―┼―┼―┼―┤ | ├―┼―┼―┼―┤ || |
―┴―┴―┴―┘ | └―┴―┴―┴―┘ | └―┴―┴―┴―┘ || |
――─────┐ | ┌――─────┐ | ┌――─────┐ || |
＿＿＿＿＿＿＿,,| | l＿＿＿＿＿＿＿__,| | l＿＿＿＿＿＿＿__,| || |
＿＿＿＿＿＿＿＿_|＿＿＿＿＿＿＿＿＿__|＿＿＿＿＿＿＿＿＿__|| |
＿＿＿_
／ u ＼
／ ＼ ／＼
／ し （○） （○） ＼
| ∪ （__人__） J | ま まさかそこまで進むとは……
＼ u ｀⌒´ ／
／::::::::::::::::::::|:::::/ ＼:::::::::::::::::::::::::::::＼
＿ ,､ ':::::::::::::::::::::::/ |::/ l ＼:::::|::::::::::::::::::::::',
ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::/ ,､ -‐‐ ''ﾉ ､ゝー-|:::/_ヽ:::::::::::::::::|
ヽ:::::::::::::::::::::::::::/´ _ 二, ヽ ｨ＿ﾚ_ ヽ::::::::::::::ト､
＼::::::::::::::::::;| / ぃぇヽ / rｔｈ ヽ !::::::::::::::::::
＞::::::_::::| 丶ゞ-ン ゞ=' ノ |:::::::::::::::::: 内府殿や側近にも接触したっすけど
´ ７:::::| ﾊ i ｀ |:. ´ |/ﾆヽ::::::::
_ ノ::::::::| :l.J ､ _ /:ﾊ |::::::::: このままなら 年内にでも軍勢を呼集するだろうと
￣￣ ヽ .J u. ｿ /::::::＜
＼ﾞ, ＿ ＾／;､ -─
|:人 ｰ─‐` /::´ヾ´
/＞,､ ´ , イゝ' ‐ 丶
＿ ,､.-| ` ､ , ´ _:|- ､＿ ｱｷﾋﾃﾞ
／ ￣`' ｰ-｀ﾆ´,r ' ´ ￣ ヽ ［上方外交官・坂光秀］
/＿＿＿＿ || ＿＿＿＿_ヽ
＿＿＿_
／ ＼
／ _ノ ヽ__ .＼ くっ
／ （○）!i!i（○） ＼
| （__人__） u | やっぱ上方離れると政局に対応しきれんお
.＼ ）t-ﾂ ／
/ ⌒´ ＼
＼＿（__） i＼(__)
| |
＿＿＿
／ ＼
／ ⌒ ⌒ ＼ まあ 仕方ないですよ
／ （ ●） （●） ヽ
| u ___｀___ | 家康がここまで強硬に出てくるなんて――
ヽ、 `ー '´ ／
⊂⌒ヽ 〉 く /⌒つ
＼ ヽ / ＼ ヽ / ［最上義康］
＿＿＿_
／ ＼
／ ＼ いや 予想はしてたお
／ ＼
| ＼ ,＿ | 前田一党とは戦寸前までいったんだお
/ ｕ ∩ノ ⊃―）／ こいつをそのままにしとくはずがない
( ＼ ／ ＿ノ | |
.＼ “ ／＿＿| | ともかく事態が早過ぎるんだお
＼ ／＿＿＿ ／
＿＿＿_
／ ＼
／ ＿, 、＿ ＼ と それから
／ （ ○）三（○ ） .＼
| '" （__人__）"' | 内府殿は今や公儀の執政 そしてお前の弟の主君だお
＼ ` ⌒ ´ ／ 無礼な呼び方は慎むように
／ゝ "` ｀ヽ.
／ ＼
＿＿＿_
／ ＼
／ _,ﾉ ー ＼
／ （●） （●） ヽ
| u. ' | あ……はい 気をつけます
＼ - ― ／
／ ＼
＿_
,.-''";;;;;;;;;;｀`'ヽ､
／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、
/;;;;､;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;､
,!;;;! '~ "~ `i||i" '' `ﾍ;;;!
|;;;| ヽ` u ﾐ;;;|
_ゞ;!,-;;;;;;;"ﾌﾉ ヾ`;;;ヽ ､ﾐ;ﾘ
!ﾍl;|.,,_==-､く｀ ,>ﾞ-== 、｢ヽ
!(,ﾍ! ￣'" |ﾐ.'￣" , ﾄﾞﾘ ともかくだ
ヽﾞ､! !ﾐ ,ﾚｿ 細川様からも内々で相談したいと泣きが入ってる
`| ^'='^ ﾑ'′
. ﾄ､ ､,.-‐ ､,, /| 御屋形様自ら上洛したほうがいいだろう
i| ＼ ' ニ ｲ.:|
,ｲi| ﾞ､＼ ( ／ﾘ.:;ﾄ､
ノ :.:i| ﾞ､ `ｰ─''ﾞ:::;:'::::::!:::＼ ［堀喜吽斎］
＿＿＿_
／ ＼
／ ＼:::::::::::／ ＼
／ （●）:::::（●） ＼ もちろんだお！
| （__人__） u |
＼ . |┬-r| ／ 海が冬で荒れる前に都に戻る！ すぐ準備にかかるお！
／ ｀ー´９ｍー ）
`ーー‐'ﾞ
＜ ギャーギャー
ドタドタ ＞
＿＿＿_
／― ― ＼
／（●） （●） ＼ ……あ 父上
／ __'___ ＼
| `ー'´ | あの 山形は―――
＼ ／
／ ＼
| ）
. | | / /
| | / / |
| | / / |
(YYYヾ Y (YYYヽ |
（_＿＿ノ-'-（'＿＿_）_ﾉ
． ─―─‐ 、
, " ＼
/ ＼
. / ＿／::::::＼_ヽ
| :::::::::::::: :..
| u （ ー):::::::::( ー) 山形は この義康に………
. ＼ ´ /
,＼ ` ｰ‐‐／
／ ` ｰ─ ＼
さて、この間も、家康はあくまで強硬に次々と手を繰り出していた。
,. . .-. .‐:‐: -. .-: :.''ﾞ/｀ヽ: : : : : : : : : : : : :｀: .､
∠´--――ァ:'':": : : : : !: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＼
,. " : : : ; :!: : : : : : : : : : : : : : : : ヽ: : : ヽ
' , ' / ./:.j.::. : : : : !: ::ﾍ Ｖ: : :ﾍ
／: : : :./: : : :.:i: : ,': :,|.::!: : : : :j: |Ｖﾍ: : : : : : . . . V: : :ﾊ
/: : ; -''/: : : : :::!: .:j: :/.!:::}: : : : :l:.| ﾏﾍ: : : : : : : ';:. : V: : :.i
:.／ ': : : : .:::j: :::l:.:/ .ｌ:::|V: : : :l:| ヾ::、: : : : : :i:::. : i: : :.|
゛ ,': : : i: ::::l: ::::!V l:::| V: : : !! `x': : : : : : !::::. :i; : :!
j: : : :!: ::::!: ::;|:j ＼ !:| Ｖ: : :| ,,.-'" ヾ: : : : : lﾍ:::. i: :j
|: : :λ.::::l: ::l !! -‐≧! ヾ: `j´ ﾆ二二 ヾ: : : :.|:iﾍ::. !:j
.!: :/ V:::l:.:ﾊj｢羊芙ﾐ ヾ: l 乍羊芋列; : : :|:|;;ﾍ::.ﾘ
!:/ Ｖ::!:{:ﾊ `つ-ﾘ ヾl ﾞつ‐ｸﾉ ﾞ|ﾍ: : |:| }ﾍ:{ 城中にはアタシの殺害を企む輩もいるようだねえ
ﾞ{ Ｖ:!l::::i `''" ﾞ:! `''''"・ l:i::ﾍ:.j::!/: : }|
. ヾ|::::l ' !l:::::ﾍ!:|::::. !| 今回の謀反もそれと関わりがあるんじゃないの？
r―-､ /´ﾞi !:::::ゝ､_ r_'ｰュ _,.ｨ'ｌ:::::::: :|､:::: l!
ヽ､、 ヽ⊥ |.l: :::::::::| ｀＞ .,､..., . -‐'"/ j::::::: : l //>､
`/゛ - ヽヾ: :.::::::l | ヽ ,/ !::::: : :j//// ヽ
l ｰ-｀} l: : : i::! 「￣￣｀ｿ .l::: : : :!'/// ｀、
ヽ ￣ﾌ‐ﾉ!: : : !:! l / .ｌ: : : ://// ヽ
＼'´ ﾉ !: : : :ﾄ、 l / ,l: : : //// ｀、
大坂で家康暗殺が計画されていたとして、秀頼側近にまで捜査権を行使。
前田家や細川家への嫌疑と結びつけ、一大陰謀疑惑へと仕立てあげていった。
家康の態度にただ困惑する者も多いなか、その意を汲んで動いた者が少なくとも二人いた。
l ! / l|. ﾞ､ | l | l | !! ＼ ヽヽ
| i l ! ﾞ､ |､ ! |l i ! || !ヽ ヽ ﾞ, ﾞ､
! |! ! ﾞ､ ヽ l l |､ |l i,l | || ! i i! ! !
! ||. | ヽ. ヽ い_ヽ.|l | | !! || ! | l i
| l i | -‐ヽ!＿ヽ|! | ' || | ! ! || l l !
! i |｢､ﾆ_'=.､ ､ヽｨ,=;‐､ゝ! | || | ! l |l !/ /
ヽ ヽ',. Y'i:o:ヾヽ '´ i::ｰ':::::i `|! || il >‐､. li / /
!| ハ ヽ::::ﾉ, ! ､_ヽ:::::ノ,. || | |//｣ | |! / ./
ﾘ|!ヽヽ `'''" | ￣ || / ,' rｧ //ノ／ ………
l! ｀ﾞ､. '、_ ||' /‐',イ / ,/
ヽ ＿＿_ || iイl|!// /
＼ ‐--‐ ｀ ,.ィ| !r'"ヒ二ﾌ‐､
＼ _, '" | ! !| li |ヽヽ ヽ
`ーｧ‐,'ヾ-､. | ! | ﾞ, | | |l l! l!､ !
／／/ ハ い ! ヽ∟､_ l |!l |
i /〃/ﾉ/ i ｀ヽゝ'"´-＝‐-､ l|
,.. . ....L_＿,./-‐'''| ／,. '´ ヽ ［北政所/ねね］
／ l ／ﾉ ,／／ ,. ‐'"´￣｀ヽ
九月末。秀吉の正室だった北政所は、自身の管理下にあった大坂城西の丸を正式に退去。
家康に同所を譲り渡した。
その直後。ねねの義弟、浅野長吉が暗殺計画関与の追及を受け入れ、隠居。
,:':/://::::/:/::/:::::/:/〃 |:! || |:|::l!:l::l:::!: :::|:ヽ
/::/::!:i:::i:/i:l::::l:::i:/::/〃 l! l! ||: ||:l::l:::l:: ::|::i::',
,'::::i:!:l:i:::l:l l:l:::il:i::!レ' l!!::||:!:l!:::|: ::|:i:l:::i
!::::l:::l:l:::::l !::::l:::l:l:| _,,.;;;;_‐ﾐヽ､└'L:ﾊ:::l!:::|:ｌ:|:::l
!::::|:::!|:::l::l!::::l:::l:!:| ヽ::::ﾟ::::::j't､ ｀ﾞ 、 __`'Vl!:!:!:::|
ｌ::::|::::|:::l::l!::::l:::l:::| `'' ー‐ ' l r';:;_ﾞﾞ゛ﾘl::!:::l
. ';:::|:::|:::l::l!::::ｌ:::l:::| lK;:ﾟ::}ヾ':::ﾘ:/
!:l:::l!:::l::l!:::ｌ:::l:::| || `ﾞ/:::/r'
ｌ:!::::l:::l:::l!::l:::ｌ:::| _,,......_ -,. ┘ /:::/:;' ……騒動を引き起こした非はあります
. !::::::l:::ｌ::l!::l:::l:::| ｀`'ヾ ミj /:::/~´
. |::::::l:::l:::l!:ｌ:::l:::|ヽ､ ｀''ｰ , ':::;/
. !::::::ｌ::ｌ:::l!:ｌ:::l!::| :..:.｀':..､ ,／:/:/
/:::::;ｲ:l:::l!::l::l:ｌ::l ..:..:.:/:｀`;7´::::/:/
く:::::;:仭::::i!::l:::/::l ..:..i:::::::/l::::::::l:::l
'´ ﾞY,ﾉ/::〃/:/:;ｨ| :.l:::::::l l::::::::l:::l
!く／ﾚ' ｀''､ﾊ〉 !::::::ｌ !::::::::l!:l
| _,.、'､ ';:::::Ｎ::::::::||_｣
| ,.-':..:..:＼! ヽ::!└i::::ﾄ
嫡子・幸長が家督を継ぎ、長吉は徳川領である武蔵国府中へと移った。
秀吉縁者二人が率先して服したことで、家康の措置は執政権として既成事実化。
表面上、批判は封殺された。
／￣ー―‐ 、
:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
:::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ
:::::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ::::i ., -―- 、 ___
:::::::::::::::::::_＿_ノ､/〉' ／::::::::::::::::::て/::_:::ヽ
:::::::::::::::/ u て;/7 /::::::::::::::::::;ｧ､､:::「ｪ ヽ::〉 __
::::::::::::/ /〈 i::::::::r､::／=ﾐ ｀く.u J／:::::::::＼
:::::::::::j u ､ ´_}ヽ.|::::::iｵ/u ﾆi < iヽｧ/:::::r----J .r:´二ﾆヽ
::::::::::i （二７´_.L., ､ハ 〉 _ _ﾏ/ﾝ::::r ' ;tr /;j i::/r-､r-| r一ー､
::::::::::|、 .r ' c ／､:.:.:ヽ ヽ ｰ」: : : : ii ヽu.___､/ ＿ん' ｀´ム.' |:::r―┤
:::::::::／￣ ´」ｰ／:.:.:.:.＼:.:.＼＼__j: : : : : ヽ ヽフ｀ヽ´ | | ヽ'ｰン､ _/ﾊu.'_' |
i:i i:::i:iヽi ´ !':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼:.:.',:.:i: : : : : : : :「=| : : : |: ! ７!｀:´|< ７ﾏ.ヽー'
┏━━━━━━━┓
同年十月
大坂城西の丸
┗━━━━━━━┛
├─────┤ r====n 、
_|三三三三三三|_／＿_／-＼ ／ ｀ ､ゞヾ;ゞゞ
====／三三三三三三三＼============ ｀ ､ゞヾヽ,.ゞ:,,
┝┿┿┿┿┿┿┥l l l l l l l l l l l l／ ｀ ､ゞヾ;ゞゞ
￣i￣i,;;*,';,';,|l:≡≡:l|,:;.:;';,':,￣￣i￣￣i￣ ｀ ､ ／＼
￣￣,:'';.:;';,'*:, ,:;*.';:;';,':,￣￣￣￣￣￣ ｀iｰ i´ ／＼
￣／ ｀ ､
｀i､ ｀ ､
=i=================i= ﾄ｀i､ ｀ ､
| || || | ＼ﾄ｀i､
.===| || i l || |=========================
| || l ! l l l l | | ! || |
l l l /_^__|_|__l__|_|_!_!__|_|_|_.^_ゝl l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l
i￣ |::|三|::|::|三三|::|::|三|::|￣￣i￣￣i￣￣i￣￣i￣￣i￣￣i
＿＿＿_
／ ＼
／ _ノ ヽ､_.＼
／ （●） （●） ＼ ―――なるほど
| （__人__） |
/ ∩ノ ⊃ ／ まさか御公儀側近にまで陰謀がはびこっていたとは……
( ＼ ／ ＿ノ | |
.＼ “ ／＿＿| |
＼ ／＿＿＿ ／
|:.:.:.:.:/:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:/! ｀i:.:.:.:.:.:.iヽ:.:l:.:.:.:.:.:∧ ､:',
|:.:.:./:.:.:./:.:.:.:.: ､／/ |:.:.:.:/:.l ∨!:.:.i:.:.:.∧ ＼
|:.:/:／/:.::.:.:.:／ >､__,, |:.:./レ'／|:.l:.:.:!:.:.:.:.:|
|:.|:/:,､':.:.:.:／___＿＿ !:/ ＿__ !::!:.:.|:.:ｉ:.:.:| うん
|:.|/:{ !:.:/:.| ￣￣￣ |' , ￣ ･::.!:.∧:ﾄ､:.!
|:/:.:.ヽ|:/:.:.:! .}:.:lﾚ !' V まさか淀の方様の乳兄弟 大野治長まで加担していたなんてねえ
|':.:.:.:.:>'´￣ﾞヽ､ ⌒ ィ´:.:.:.|
':.:.:./ ﾍヽ ｀Tニ ´‐.|:.:.:.:.:.:| 城中の不届き者は配流を申し付けたところだよ
:.:./ l ＼／⌒ヽ､|:.:.:.:.:.:|､
＿＿＿_
／ ＼
／ _ノ ヽ､_.＼
／ （ー） （ー） ＼ 嘆かわしいことだけど
| （__人__） |
/ ∩ノ ⊃ ／ まずは仕置が済んでなにより……
( ＼ ／ ＿ノ | |
.＼ “ ／＿＿| |
＼ ／＿＿＿ ／
|:.:.:.:.:/:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:/! ｀i:.:.:.:.:.:.iヽ:.:l:.:.:.:.:.:∧ ､:',
|:.:.:./:.:.:./:.:.:.:.: ､／/ |:.:.:.:/:.l ∨!:.:.i:.:.:.∧ ＼
|:.:/:／/:.::.:.:.:／ >､__,, |:.:./レ'／|:.l:.:.:!:.:.:.:.:|
|:.|:/:,､':.:.:.:／___＿＿ !:/ ＿__ !::!:.:.|:.:ｉ:.:.:|
|:.|/:{ !:.:/:.| ￣￣￣ |' , ￣ ･::.!:.∧:ﾄ､:.!
|:/:.:.ヽ|:/:.:.:! .}:.:lﾚ !' V うんうん
|':.:.:.:.:>'´￣ﾞヽ､ ⌒ ィ´:.:.:.|
':.:.:./ ﾍヽ ｀Tニ ´‐.|:.:.:.:.:.:|
:.:./ l ＼／⌒ヽ､|:.:.:.:.:.:|､
＿＿＿_
／ ＼
／ _ノ ヽ､_.＼
／ （ー） （ー） ＼
| （__人__） | ………
/ ∩ノ ⊃ ／
( ＼ ／ ＿ノ | |
.＼ “ ／＿＿| |
＼ ／＿＿＿ ／
|:.:.:.:.:/:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:/! ｀i:.:.:.:.:.:.iヽ:.:l:.:.:.:.:.:∧ ､:',
|:.:.:./:.:.:./:.:.:.:.: ､／/ |:.:.:.:/:.l ∨!:.:.i:.:.:.∧ ＼
|:.:/:／/:.::.:.:.:／ >､__,, |:.:./レ'／|:.l:.:.:!:.:.:.:.:|
|:.|:/:,､':.:.:.:／___＿＿ !:/ ＿__ !::!:.:.|:.:ｉ:.:.:|
|:.|/:{ !:.:/:.| ￣￣￣ |' , ￣ ･::.!:.∧:ﾄ､:.!
|:/:.:.ヽ|:/:.:.:! .}:.:lﾚ !' V ………
|':.:.:.:.:>'´￣ﾞヽ､ ⌒ ィ´:.:.:.|
':.:.:./ ﾍヽ ｀Tニ ´‐.|:.:.:.:.:.:|
:.:./ l ＼／⌒ヽ､|:.:.:.:.:.:|､
/:.:.:.:::.:／.:.:.:.:.:.:.:.:;.::..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:､:.:.ヽ､
/:.:.ｊ:.:／.:.:.:.:.:.:.:.:.::/::.: /|ヽ:.:..:|::.:.:.:.:.|'ｉ:.:|::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀ヽ､:ｉ
|:.:.:ｉ/. ../ . . . .:.:../::/ | ∨:|::.:.:.:.:| |:.:|ヽ､:.:.::::.:.ｉ . . .:ヽ､-､. . .｀ヽ
|:.:./. .,ｲ . .::.:.γ⌒::ﾄ | |:.|: : :.:| |::|⌒ヽ:.:. : :| . . . . .ヽ､＼ . . .
|:/: / . . : .::::.:./ |.:| | |:ｉ::.:.:.:j |:| ∨:.:.:.|::::..:.: : : ::ｉ ＼::
/::/:|:.:ｉ:::.:.:.:.:./_＿|ｊ＿.!_ |ｉ::.:.:/ _|ｊ_＿__ ∨:.:.}､::::.:.:.:.:.:.:|
l:/､:}:.:|:::.:.:.:.:ﾊ 「 ｆ:;::;;;::!゛` |:.::/ 'ｉ::;::::;;;:! 7 ﾊ:.:|::ﾄ､::::.:.:.:.:.|
ﾚ'|:::.:.::/:.:ﾊ ､込ﾒ:;j , |:/ 込:ｨ:;ｊ / ﾊ:;/.:|,ﾉ:|ﾍ:::.:.:.ｊ
|.:.|:.:.:/ｉ:.::::ﾊ ｀￣ ´ ￣´ ・ ﾊ:.:.::|:::::.| }:.::/
|:.:.|:/:::|:.:::::::j ゛ ,.-､_ {:::::.:.|:::.:.:| |:/
|:.:..'::.::::|:.:.:.::ｉヽ、 ｀ーl＾: | ｀l ,.ィ:::::.:.:|::.:.:.:| ´
|:.:.:.:::::::|:.:.:ｉ::|:::i:｀＞‐-ｉ´ｉ | | |､τ´::ｉ:|::::.:.:.:|:.:.::..:|
|:.:.:.::::::::| : | |-‐´ {._ﾉ| .! ! | ｉ｀ｊｰ--|ｉ:::.:.:.:.|､:.:.: :|
|:.:.:.::::::/|:.:.|:| ヽ-{ ,,ﾉ_ /:.: : : :ｊ ﾄ､:: :|
|:.:.:.:::::ｆ｀|:.:.||＼ ﾍ ヽ、 ／ ｀ハ:.:.:.::/ / |:.::|
|:.:.:.::::| |::.:ｉ|＼＼ ﾍ ／ .／／ ∧::/ / |:.:.|
＿＿＿_
／⌒ ⌒＼
／-=・=- -=・=-＼
／::::::⌒（__人__）⌒:::::＼
| ﾄｪｪｪｲ |
＼ ヽﾆﾆｿ ／
． … ．
：＿＿＿_：
：／_ノ ー､＼：
：／（ ●） （●）｡ ＼： 内府殿を唯一の執政とする体制
：／:::::: r（__人__） ､ :::::＼：
：| { l／⌒ヽ |： 下準備は万端というところですかお
：＼ ／ ／ ／：
,ｨ,"二､ヽ、
/'′ ｀j,!
,.ゝ.-.‐.‐.-. ､,／ヽ_
,. :': : : : ; : : : : : : : : : |－`=-.､
. ,:': : : : : :／: : : : : :,!. ! ｀ヽ
,/: : : : : :,:'.:/: :_:,,:.//'|:,: : |_: : ヽ､ヽ
.i: : : : : :,:': /: : : :// j.:i: :.ﾊ: ::::. :i｀ヾ:､
j: : : : :./: /: .:: :./'′ j;ｲ / .|i: ::!:. i
.!: i: : ;': ;ｨ.::::: :ｫｵ云! '゛!:伝'::l.;:ﾊ::.| そこまで思い通りなわけじゃないよ
! |: :.ﾚｸｲ::::;ｲ| V | / lｿi!::'/ l::| 運が味方したところも大きいんでね
ｌ:j: : .:::!_!:/:::l:| ｀´ _ ,' ,!V ﾘ
j:ｌ: :.:::: !|':|:: :l:!_ `",イ:| ただまあ 現実として大坂にはアタシしかいない
!!: :.::::|:::;{:: : l! K二`＾!|:!:::|
l!: .:::::|/_ Ｖ: : ﾞk'（ |゛|::|
!: ::::::l三ミ､Ｖ: :iﾍヽ ﾄ､|:l
,' :::::::{'⌒`ヾﾐヾ:|､`| ! V
,' :::::::;;;! `ヾ!ﾐﾐ:| i ヽ
! :::::::;;;| ヽ｀:! iミ!'
l: :::::::::;;;! _,く ﾞ､＿ソ
＿＿＿_
／ ＼
／ _ノ ヽ ＼ えーと それは結構なんですけど
／ （●） （●） ＼
| （__人__） | やる夫もちょっと義理のある細川家について……
＼ ｀ ⌒´ ,／
/⌒ヽ ー‐ ｨヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ ／ r─--⊃、 |
| ヽ,.ｲ ｀二ﾆﾆうヽ. |
,..::;ﾆ＝-､
i::/ 、
,ゞｰ--‐::':::|,..-;:ァ
／:::::::::::::::;::::::::!::::::｀丶、
/::/::::::::::/:/|;:::::;!i::i::::::....､ヽ
l:/::;'::::'オ/ !:::/へ|:::::::::::ﾞ:.ヾ:、
,!,イ:::::/ !′ l::/ .lﾊ:::::|;;::::l
/i:::::!::/iTﾆT ,!;' ｲﾆﾘ,!:::l｀､:| わかってるよ
!:（|:'!::l ゜┘/ ﾟ‐：!:}::! ﾞ!
|::::M::::!､ ο .ィ:i!ﾘ でも細川家の実力からして 放置しておくわけにはいかない
|::::|:::l:::ﾚﾞ'ﾏ￢＜:!::|::|
!::::|x<!:l |―| ,l:::|:::!
l::::::;!ヾｌ:ﾄﾐヾ、l〃!:ハ:|
,':::::::| ヾ＞ﾐV∠}′ i|
l::::::::{ ,r=-=ニＬ._〉,ノ l|
,!:::::::::l |l!l!|´ |!
!:::::::::::ﾄ、 |＜ ＿/:|
＿_
／￣｀ヾ:`:.
{ ﾞ!:.}
/:＼＿,∠.._
_,. _-_:‐:‐:|: : : : : : : : ､:｀: .、
／´: i.:,!: : :|:i!: ､: : :丶: : ヽ
／ｨ: : : ｌl. !: : |:!､ﾄ､: : : : ＼: :i
.//./: : : ;1! ∨: l|_､斗‐: : : :ﾄﾞ:､
〃 !: : : {T￢ Ｖ:.{. __⊥:ヾ: : l: : ! 足利将軍の世から京に政治力を持ち 丹後に十二万石を領する
'′ |: :.;!:iﾊ_z=T ﾞ､:. T不l ハ: l: ;l 亡き殿下側近の大名
.ｌ :ハl:::i ヾﾂ ` ﾞｰ：i::::ﾍ:|/
V ﾞ!::ﾄ..,,_ ,､ _,､ｲ:::::バ' そういう大物が前田のボンにいつまでも義理立てしてるのはね
l::::|::::::;ﾌﾌ .,!'ﾞ'l: :/:::::i.
l!::|／/´>'゛_,!:./ｭ::::::l
l};.|i!.j /,,-''.ｲ/‐￢;::::l
./ ﾞ{､i!/''／// i::::!
/ _,,.-火ﾞ､ '"i i:::i
ﾞく ｨ､ ＼j ,l:::|
＿＿＿
／）／ノ ' ヽ､＼
／ .ｲ '（●） .（●）＼ ……もしかして 疑惑を認めなくてもいいとお考えですお？
. /,'才.ﾐ). （__人__） ＼
. | ≧ｼ' ´ ⌒｀ |
. ＼ ヽ ／
-一＝ﾆニ ,,￣ ﾞ'一T￣~! ヽー- '´'',,_
,, -‐ ﾞ´: : : : : : : :i!: : : : : : : : : : ::｀ﾞ:.､
,／: : : ;; : : : : : : i: : ::|: : : : : : : : : : : : : : ､ヽ
. ／: : _／ :i!::: /|: : : : : :i : : : ヽ｀,
. /:,, ィ／ /: : : | : / .|: i: : : : |:ﾊ,: : : : . . . ﾍi!
/／ ./ . : : : :/: : : ,,|-‐ﾄ､.|: |: : : ::|!_⊥ _ : i: : : ::i: ﾊ
. / /: : :/: : :::i!: :／/|: / |::|i; : ::::| ヽ｀ヾ|: : : :i!: :|
l: : ::i: : : ::l: : : ./ |/ !:| l! : : :| Y: :|:::: : ::| : |
. l: : /l: : ::::l: : :/ | !| l.: ::::| ヾ:}::: : : |};: |
l: :/ |: : :::::l: : ! ＿＿_, i! ﾍ: ::|＿＿＿i!;:: : ::l::i!::|
. !/. l: : ::ﾊ:!: i!. ━━━ ヽ:|━━━ i!::::: l:::|ﾍ! そう伝えてるんだよ 忠興くんにも
l. !: ::{::!,X:|:i ,,,, . ｀ .,,,,, ・i!::|::::l::::| 面目もあり 万一の警戒もありってところかね
ﾍ:::|!:｀ﾍ| l l::::|::i!:: |
ヾ||:::::|:::::ﾞ's､., ⊂ﾆニ⊃ ,..ィﾞ:::::ﾚ' : :| 浅野がすんなりといきすぎたんだけど
| ::::|: : : .|::::≧=‐----‐=≦::::|::: : :|:::::::|
. _y⌒ヽ-一ｯ |:::::::l: : : :i!´ {~ ~} ｀|::: : :|:::::: |
´ <´ .|::::::::}: : : :| . ﾍー-一ﾉ . l: : : i!､::::::|
（ } l:::::::ハ: : : lヽ ', / |: : : l /,:::: |
ヽ _,,ノ l ::::/ ﾍ: : ::l ､ヽ ヽ / .ノ|: : ://:ﾊ :: |
ゝ一'' |:::::! ヽ: ::l ヘヽ V ／´l: : /' ﾊ:: |
「家康暗殺を首謀した」にしては、浅野家への処罰は当主の交代だけに留められている。
秀次事件以来、そもそも長吉は公儀で冴えない立場に甘んじていた。
_ｒﾚ'´ ｀'{_j｀'<_ ｀ヽ､ヽ、
j/ ヽﾉ } ￣｀ヽ､,_
j' ,r ' ´＿_ ∨ヽ ´")、
| / ｧ'７::::::´"''- V＾'i、 ,r '´ /
! l! / ´し‐‐､_::::::::ヽﾉﾄ､ / /
'、 / 7:::/:ﾊ| }、 / /
ヽ/ 〃,i_,､_,ｒ‐ｖ‐!|:/ |:|. Ｋ､ﾄ､ / /__
l/::ﾚ:::::::::::::::r┘l｣‐､|! |::|l,| }!＼ ! /｀ﾞ~｀
ｌ:::::::::::::::::::::l '!ｰｒミ､ヽl｣|ヾヽ、＼ヽ､ ∧
_ _ !:::::::::::::ｊl:::::! ヽﾆ´_ヽ ヽ ｌ>} ﾄ､ ヽ､｀'－'ﾞ
,r'´ ´' 、 j::::::::::::N::::! i ,zﾁ、ﾞﾄ､ ｀'ー
/ ヽノ::::::::::::l |:::ｌ 、 ｌ !ヾ'ﾆ｀>し!ｰ､_
/ ﾞi:::::::::::::| l:::l､ ｀ ､_ ､_ｊ_! ／::::::ヾｰLlﾞY‐ｖ- そう簡単に落ちぶれてたまるもんですか
/ |l:::::::::::| |:::| ヽ、 ｀'－｀" ,.ィ´ヽ:::::::ヾ､:､ ｀＾'┴'
. / |li:::::::::l| |:::| /:::ヽ､､､ .ィl´|:::| ',:::',ヽ:､｀ヽ､
/ i l!ｌ}'ｖi:::|| |:::|'!:::::::| ||l:::::| | |:::ｌ i:::::! ゛,::.、 ｀
i ! !} ｌ!｀ヾ、|:::|ﾄ､::::| |||:::::| l l:::{ ｊ::::::! }:::::i
! .ｌ |{i l}i、 ヾ､|l {!ヾ || !::::l | l::::.、 ´ヽ:ｊ └ ､|
それが家康と同格である奉行大老衆の一員でありながら、家康に真っ先に服属するという選択に結びついた。
家康はこれを見越し、利用した。
／⌒ヽヽ
__＿ ,、＿＿ |/
‐＝ﾆ_ : : : : ｀Y: :`: : : : : : ｀ ヽ、
, イ: : : : : : : :l: : : : l: : : : : : : : : ＼
／;:／: : : : : : : |: l : : |、: l: : : : : : : : :ヽ
/／/ , : : : : :l_:_/|: l : : l l_:_|_: : : :ヽ: : : : l
/ /: : : :/ 'l:./｀|: l: : { ´l: |､｀ヽ: : l: : : : !
,' /| : : /: :/|{ l/l: : | ヽl ＼: : :l : : : l
|/ |: : /: :ﾊr┯┯ l : | ┯┯yl : |: :＼l 細川にも賢明な判断を期待してる
. |: :lｲ ;'ハ ｂ::| ヾｌ ｂ::! l l: l｀ｌ:`ﾒゝ
ヽ| ﾚ |: :ｌ ￣ ￣・ ｌ l/ｰ': :l 前田と一緒に戦うほどの義理も信頼もないでしょ
l.:|: :ゝ､._ ｰ'ｰ' _,.ｨ': : l:: : :|
|.:|: : : :__二７T ¨´lヽ､| : :l: : : |
|.:|: : :|| l´＿__7 |: : |､: :│
|:,ゝ､:ヽ │ / /: :/ !:: :|
|:l＼ヽ: l | / l: :/／.|:: :|
／￣￣￣＼
／ ／ ＼ ＼
／ （●） （●） ＼ やる夫もなんとか手を尽くしてみますお
| （__人__） |
＼ ｀ ⌒´ ／
／ ＼
＿＿＿_
／ ＼
／ ＼
／ (●） （●） ＼ ……トコロデ内府殿
| （ﾄｪｪｪｪｪｪｪｪｲ） |
＼ ＼ェｪｪｪェ／ ／ ユクユクハモチロン会津ノアタリモ
/⌒ヽ ー‐ ｨヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ ／ r─--⊃、 |
| ヽ,.ｲ ｀二ﾆﾆうヽ. |
/／ ヽﾞ:.
{'′ . ）)
＿ /＼―－--＜、
,.. -__''二ﾞ- ｀/ ｀丶、
'"￣ ,. :'" / ヽ
／ ／ / l | ｀、
,:' ,.ｨ / / !.| |､ l i. ! ﾞ!
/ ,. 'ﾞ/ / l ,'| |! ｌ l l、 i l i
/'´ / ｜ l ⌒|.l'| | ⌒ト､ ! l l
i ,! !./ l| l | ｀、| ｀､ l. !| .!
|. / | ,!{ ＿_ ｀、.| ＿!j＿ヽ. l.|! 、｜
{/ ! ,'!ヽﾞ!r;|｀ ヽ| 'ﾞ! r;｢ﾞﾞﾃ'}､ llr-､ ､.|
ﾞ、.!.| !｀''' `ー'' ．ｌ ｀､ レへ｀{ 口に出しちゃあいけないよ
ヽ| | l､ ､_,__, ,l | ｀i`
| |＞ｭ､｀ニ.,-‐'てl !| |
| | ／´ i′ /l / ｛ | |
| }iﾞ|! l￣｀７ // / ﾍ |
| |l|l|! l / ''" /彡ﾍ |
,r:'´:￣:;二:ｭ､
/:γ´￣ `}:.:}
|;/,.､ j:;/
_,.-‐:─;=＝=‐:‐-|:.:｀:ｰ::-‐'::'ｰ::-.､__
'´￣＞:'´ .......:.:.:.:.:.::|:.:.:.:.:.:::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀ヽ、
／ : : : : : : :/: : :.::|:.ｉ:.:.:.::::|:.:ｉ: : : : : : : : .....ﾍ
／:.:,ｨ': : :/: :.:/:.:.:.:.:/|::|:.:.:.::::|:.:|､:.:.:ヽ:; :.｀ヽ､::.:ﾊ
/::／ /:.:.:::ｉ.:.:..:ｉ::＼:/ |::|:.:.::::::|::| ヽ:;／::.:.:.::.:.:＼::}
|/ /:.:.:::::|.:.:.::|:.:.::/＼ |::|∨:.:::|:| ／＼::.:ﾊ::.ｉ:::.:.:ﾍ!
ｊ:.:.:.::::λ:.:.:|::;/＿__｀|:| ∨:.:|:!´_＿__ヽ:.|:.:ﾄ､::.:ﾊ
|:.:.::::/::|::.:.:|;ﾊﾏﾃ弐ｧ` ヽ､:| 'ﾃ弐ﾏ7ﾊ|::|､:V::.:|
.|:.::/|:::|:.:.:.:|::ﾊ､Vz::;| ` |z::;ﾘ,' ﾊ:::.:|ﾉ::|ﾍ:| 今は前田成敗 そして一党の切り崩し
|:/ ヽ:|ヽ､:|::::ｊ "￣ ' ￣゛・{:::ヽ:|:::.:|
´ |:`:::::ヽ、 ､_､_, ,.ィ:|:::.:|:`:.::| こいつに協力してもらうよ
|.:.::::|::ｉ::::;＞‐ｒ:;-‐r::;＜::::::|:|:::.:|:ｉ:::.:|
|:|.::::|::|ｲ {:" `:} ＼:|:!:::.:|:|::.:.| /´〉
|:.|.::::|:|､ |,.-‐-､| ,|:::.:.:|::|::.:| ﾉ /
ｊ;ﾊ::::|:|.､＼ | | ／ |:.:.::ﾊ:|::.:|（｀Y ,/＾ﾍ、
{ |:.::|ｊ::{＼＼.| |,／／}:|:.:.:| ,}::.:.| .〉 "{ / ,ハ
家康はすでに利長のいる加賀への軍事遠征も辞さない構えを見せ、諸侯にその通達も発していた。
露骨な軍事圧力をかけられた前田家では、憤激した強硬派が抗戦を主張。
( ⌒ ）
（ ＼＼ /
, ─── ､ ／
ゝ／＿＿＿＿＿＼ ＿
/ | / ⌒＼/⌒ ｌ
l |─| ・|∠ | 北陸方面総督！ 大老！ 秀頼様後見の前田が！
Y⌒ ` ー ﾍー ヽ
ヽ_ /⌒ヽ＿＿＿つ こんな脅しに屈せるか！
ｌ | / _
>､ 二二二) | ）
（（ ／ ＼／＼|──/ 二)
／ ｌ |＿＿|､ （_ﾉ
/⌒ヽ／| |
利長も防戦を指図し、細川家や秀頼周辺に援護を求めた。
が―――
, ; - ￣ ￣ ｀ ｰ ,
, ; ' ヽ
／ ｀ 、
＼
｀、
＼/∧ 从 i ,ﾄ､!
, へ, |､___/＼丿 / / / i､ ',
｛ 7 ／ | ㌦刃ゞ､/ ,∟__i ﾄ , ',
L ;／ l ./ ト-'"|/ィ i刃从 | ハ i
X |/ ﾞ^ ｊ刈',,N ′ 職務放棄したあなたを なぜ助けなければいけないのか
ヽ. u ヽ ｛ ｿ
/ 、 ´ノ ちょっと意味がわからない
/ ＼ ￣ ／
/ヽ / ＼ ィ
/ ヽﾑ ｀ ￣
/ / ____` ヽ
// 彳" ＼
/ 〃 , ;; ''⌒￢
/ / ∥ ／ i,
// ,彳／ ゞ!
/ミ≡ 彡 / ｿ ト､,
/ ／/ ＼ ［淀の方/茶々］
-r=y=y=y､､
／z〆..::::::::::{f勾::::::..ヽ
／x<..:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
/.f７.:::::刈ｰ'^ｰ'^ｰ'^ｰ'ﾍｰマ}:::ヽ
. / xﾘ::xFﾉ l l .l .ｌ. l ﾏﾍ
/ ｛{l::/ﾉ .ｉ .| ll | l| |! | ! | l| ﾊ
. / ｛{:/ﾉ ｌ .l l ｌ l || |ｌ | | | ｌ| ! llﾊ
/ ｨﾘ{ l| 十 t .⊥ｌ l| ハ.} , ｨ 千 l l| .|
. /, .//|:}ﾄヽｌﾍlr=tzぅﾐヽﾘ ﾘj 斗 T７/ハ l､
.、 .// 〈〈_}小ﾉハ ヾ弋ン` ゞ ' 〃ｲ ﾘﾍヽ 内府殿 両家には不幸な誤解があるようね
l:ﾄ:. // 〈.{ /ﾊ､}.〉＼__ ' u ｲ / l .l::|//
、 ﾍ!:V./ ゞｲ 1トム‐ｲ ＼ ､-.. _, ／/ / l.l:}.1 .＿ 忠興には謀反の意志なんかまるでないのよぉ
i;＼ヽ;i〉./ _〃∠ﾉ1 / }| ﾉ1 ヽ － イ / / /千1!|Yﾁi;i;i;i卞z,,_
i;i;i;i;Y// //⊥ｰ |｜|_ﾉ´ } ﾍ.:::::´:y:::ム/ / /ム!|:!||;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i≪_
i;i;i;i;i;{/ 〈〃::::::ヽゝン⌒ ,､ Y｀ｰt:::/イ〃/::::＼ﾄi;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;≪,
i;i;i;i;i/ ノ:::::::::::::::≧ x _, -､く ＼ヽ }|´__ //:::::::::::::＼i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;
i;i;i;/ /::::::::::::::::::::::::〈 ＼ ｢ ヽ _ く. l ||:::::::::::::::::::::::::l;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;
i;i/＿ ､|＿_::::::::::::::::::::::ヽ__,. -＜ ヽｰ"' ||:::::::::::::::::::::::/;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;
l:t- 水ｰ::l:}::::::::::::::::::::ヽ ＼ ｀ ＿>--ﾊ才1::::::::::::::/i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i; ［細川幽斎］
|:|／ｨ|ﾄヽ:l:l::::::::::::::::::::::::＼ へ__> ヽ |::::::::::::/;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;
豊臣では利長の要請を一蹴。
さらに十月二十四日。細川幽斎が家康に陳弁し、異心のないことを伝えた。
前田家はまったくの孤立無援に陥った。
::::::::::::::: ヽ,,
::::::::: ,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,'i,
:::::::: i~ ,------,i
::::::: :ｉ i' ,;-'i
:::::: :i i i ・i
::::: _i,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,i `','''i;
:::/~,,~~,~_ ___''',,,,,,,,,,,,,/i;
::i ,,ｄ ,,;'""" `';,,, " `i;
::i,,___ i ,,,,,,,,,, `'----'"
::::::: i i'" ";
::::::: i `-、.,;''
`'-----j
亡き利家が諸将を集め、家康と対峙したのがつい八ヶ月前のことである。
┏━━━━━━━━┓
大坂 最上屋敷
┗━━━━━━━━┛
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─＼
／ （ー） （ー） ＼ そりゃあ 亡き利家殿と今の利長殿じゃ格が違うお
| （__人__） |
./ ∩ノ ⊃ ／ 代替わり直後で足場が動揺してるのも確かだお
( ＼ ／ ＿ノ | |
.＼ “ ／＿＿| |
＼ ／＿＿＿ ／
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─＼
／ （●） （●） ＼ けど
| （__人__） |
＼ ⊂ ヽ∩ < 前田家転落の最大要因はもっと単純なこったお
| | '､＿ ＼ ／ )
| |＿＿＼ “ ／
＼ ＿＿＿＼_／
ｉ:/ i:ｨ::ヽ | l i ! | ｉ i ｉ ! l ､ ヽ
l:l_/!:レ'::〉 / | .li l ! | | l | ! | | ﾊ
./:/ｉ ﾄｒ‐i´ .!‐トl､! l ! | | / | ! | | | |
::/ .ｌ |:| ! .l≡＞≧l＼ ｌ .// ﾚ// ./ .ﾊ.!
| |:| ヽ |ﾔ''{ fﾝ}ヾﾐ ∨/ム一〈/ / / l|
| |:| |ヾ､ `'~ ィtfｿ7／,}／ " ,ｨ 大老たちがそろって帰国したこと
| ヾ | `~ / ／ｨ| ／/
.! i＼ __ ´ <"ｲ l」 ／.:::/. 内府に公儀の諸政務を押し付けた代わりに
! .ﾄ､.,へ ‘‐ ´ イ i ／/／.::.::./,─ｧ 権力の一切までも明け渡してしまった
.l l::::::::二_＞ -､.＜ ,| !: : : : -- ―<＿
ニﾆiハ |::／／７只ﾄ､＼ ／:l .ﾄ､: : : : : : : : :‐-
:::::::::ヾ∧ |::＼｀´,ｲ |:L/厶ー:| .!:::＼ : : : : : : : :
:::::::::::::＼ﾍ/ ¨ i:! ￣ .}:::::::::| .!:::::::::ヽ : : : : : :
＿＿__
／ ＼
. ／ ＼
. ／ ／） ノ ' ヽ､ ＼ 大国ほど国元が気になるのは道理だけど
| ／ .ｲ '=・= =・= u|
/,'才.ﾐ) （__人__） ／ 正直 いろいろと甘く見過ぎだお
. | ≧ｼ' ｀ ⌒´ ＼
／＼ ヽ ヽ
＿＿__
／_ノ ヽ＼
／ （ ●） （●）、 まあ 内府殿があんな強引さを持ってたとは
／::::::::⌒（__人__）⌒＼ 誰も思わなかっただろうけど
| |r┬-| |
＼ `ー'´ ／ よくも疑惑だけでゴリ押ししたもんだお
⊂⌒ヽ 〉 ＜´/⌒つ
＼ ヽ / ヽ /
＼_,,ノ |､＿ノ
＿
＞ｾ乞ｱト ニ _
／..::.:.ヾごソ.::.::.::.::.::.｀:..､
／ ^⌒＾⌒＾⌒⌒^丶､:::.::..＼
/／ / ＼::.::.:.ヽ
/ / ′ 〃 l |＼::.::.l_
/ | | 〃| | | ／ｨ[}ぃ
′ ｌ | ｜ ／ | | | / 〈:{_ﾉ八ﾉﾉ
| | |ヽ | ￤ | |/_」/| ヾｲ|:トrく l
| | |ｌ |⊥ミﾒ､ | /ﾉィ厶斗┤ / | |:| ヾ:､
|lﾉ八 lヾﾍ リ ＼/ ﾍ リ丿.′ ' | |:| }::〉
|:ﾄﾍ ｀ { ￣ ￣ / ／ | |:| く/ |
ﾚ |＼ヽ_ ヽ ∠／| || ﾚ |
| ト __ ／| |l | ／
､＿ ＼__ | | ／／ )､_ ＜＿j ﾘ＼ ｜ ／厶イ{ノ廴
_ーｚ三≧三≧| |_{ '´ / 〉介ト-､.′ ∧＿＞―＜三三三三三
ご三三三三三| |::| /_ﾉ:| |:|｀/ / /.::厶-― ､＼三三三三
ﾆ二三三三三三／| r‐ﾍ jーｒﾞ| |:|/ / /.::.:|::.::.::.::.::.::..＼＼三三三
ｰ=ニ二三三三/.::.::| ノ | Г|ノ厶l/ , /.::.:: |::.::.::.::.::.::.::.::.＞｀ヾ三三
￣え三三∧::.:〈￣ト‐┴√| ﾄ､__/ ／｢`7.::.:::/Ｌ. -― __ ――〉三
＿＿＿＿
／ ＼
/ ─ ─ ＼
/（ ●） （ ●） ＼
| （__人__） | なんですお？
＼ ｀ ⌒´ ／
/ ー‐ ヽ
/ ｀
, '〆.:.:.:.:.〆 ｀ ､
／｛f7.:.:.:.:〆 ＼
/ -∠.:.:.∠ / l ＼ ＼
≪_ﾊハ.:V､＼ | | | l ヽ
/ヾｲ ｲﾊノ／ | |ヽ |＼ ' ! l ',
./ /:/／!l l:l∠ |庁ﾞﾄ､|､ ｀ , |! ! l |l |
,'l::l/. !| l:l ＼ | 仆｛!ﾝヽヾ { | ／ K/ /
, ' |::| ｌ| |:|＼ ＼ ｀￣¨｀ ﾚrﾃ/ //／
l::ｌ ｌ| |:| ｌ＼ ＼ 、｀¨/ ｲﾚ´
l/ ｌ| |. 丶-ー ___ / / 最初からちょっとおかしいと思ってたのよぉ
ﾊ ト、 ‘ ‐'´ ｨ /
／ハ l:＼:＞､ ___ ／|／|
／ ∧ l:::/:.:7爪::.:7 l | /
￣｀ー_＜:::ヽ Ⅴ::/ 小ヽ::| l | /
::::::.ヽ⌒マ}:::::ﾄ、Ⅴ/::||::L::.ﾄ､l //
:::::::::::::::::::::マ}::::ﾄ､Ⅴ:::l|::ﾍ｀ｰ| /'ﾍ
:::::::::::::::::::::::::::マ}:::::|<Y⌒Y>:| /::::::ﾍ
:::::::::::::::::::::::::::::::マ}::{ﾍ薔ﾑ}:::l/:::::::::::ﾍ
/／/ / ｲ l | | | | ヽ ヽ ヽ、
ィﾆﾆ〔ゝノ_ノ / ヽ＼ヽヽ | l |l |l ヽ
'´／ /| |７ ｒ/'´￣ヽゝﾆヽ-ヽヽ │ | | ヽ ヽ
ｲ/ / ! | | ||-ｬ─-,ﾆ､ﾐ‐`ヽ､ヽヽ / / / | ヽヽ
/ / / j | l| `ｰ='-ﾆゝヽ` |ノメ､/l │ l | l
./ / / ヽ l| ｨ_ﾐヽ`ﾘ ハ || |
' / / ヽ l l､'rヽj`ｧ' メ | / ﾘ
`,´l lヽ ヽ /ﾉ `'’,イ /ｲ 内府がまったくの捏造をやったのだとしたら
/| | | ｀丶ゝ ｰ､ｰ- ､ lﾉ ,ｲノ
. /│| | ﾆ ´ ノ イ | 大坂城中の反応がいやに従順だわぁって
/ ! | ! ､ ｨﾆィ | |lハ
| ! | _`ト_､ _ , イ ! |ル' ,ｲ
ハ ﾍ |‐' ￣,.ィ´ヘ` ｰ- イ | |l | /│
ノ ﾍ ﾍ | <´ｨ´ ／介「`ヽヽ│ ﾊ l / ﾉ _,
ゞ､＿ゝヽ ! ＼ｰ´／ハ トﾆﾉノ ! / ﾊ ﾄ、／／,ｨ ＿ ,.-ィ´
ヾゝヽ.ヽ lｰ-､ ￣ 1 |│|ヽハ 」 / _ﾊ _／ ｲィﾆｨ'´ ＜
ヾゝヽ. l^ーｨ- ､|│ ! ﾄ､>-ﾘ ｲﾆィー '＾ヽ､
ヾヽヽゝ ￣! | | lヽヾ/ / ヽ
＿＿＿_
／ ノ ＼＼ え……？
／ （●） (●）＼
／ ∪ （__人__） ＼ まさか 暗殺未遂は本当だったって―――
| ｀ ⌒´ |
＼ /⌒)⌒)⌒) ／/⌒)⌒)⌒)
ノ | / / / (⌒) ./ / /
／´ | :::::::::::(⌒) ゝ ::::::::::/
| ｌ | ノ / ） /
ヽ ヽ_ヽ /' / ／
ヽ ＿＿ ／ / ／
.ﾚﾆｲ.|,lﾄ､ |､ |!、 | ,/! ,ｨ !|
. /ﾉ ﾊ!十寸ﾆﾏT ＼| /+/-!_j ,ｨ!
//! ! _ﾞ__ヽ--ヽ ! ,／ﾅ'´ ﾚ1 ／/
/ |ヽ ﾍ. 弋歹ヽ j／ 弋歹/´7 ,.、 ありえないことじゃないでしょう？
! |.＼ ヾ￣´ ｀￣ﾗ ｨ! ./ .}
八! i＼_＼ ′ _,∠_,ィ１l ./ ./ 忠興のおバカも加わったことだけど
- ､|.| ﾚヘゝ、 ー ｧ ／ l !l / ./＿,.--ｰ 石田三成なんかは実際に殺されかけてるじゃない
:::::::|.| |:::::::＼ﾞ＞ __ ,イ l |,. ‐::/ ,ｲ､::::_::_::_::
:::::: ',! |::::::::::/＾「介､ ! .! ｌ__:::/ノ / ｀ヽ::::::::
､:::::∧ .!:::::::/:::::ﾚ l|:､〉-'＾::| |::::〃 ./､У./＼::
::ヽ:::/＼∨ヽ!::_::| lY:::i}ﾄ､:::! ,/:::У ' Y_/ / ﾉ!
:::::∨:::::i＼ヽﾄ:::/! ヾ､!>‐ｌ| /!::::::| ｰ'ｰﾝ′
:::::::ﾍ:::::ﾚ´ヾ└V! ヽ //! |:::::::} /
,. -ｰ' 二二二 ｰ- ､
／／:￣__::::::::::::::::￣｀:::ヽ
. ／〃'::::::/´ﾉ〉):_ノ_ﾉ::::::::::::::::::＼
//´::::::__,ｨ:ゝ-':__,:::-──- ､::::::::::ヽ
/ﾞ::::::::::／￣￣＼ ヽ＼ ヽ ＼::::::::ﾊ__
!:::::::／ヽ ヽ ', ヽ ＼ ヽ>,仁》
＿ |::::ハ ', ｌ } ! ! ',<ノ||＼ 少なくとも 反徳川派が抵抗をためらう何かはあった
《ﾆﾊ_ゞ、 ＼ ＼ ! || | |__ || l | ＼>
ｿ|| ＼＼ ＼ ＼ | .从,ｨ匕Lィ|| | | 〈´ そう考えてもいいのかしらねぇ
. | ', ＼＼,.＞一ゝ, |/ /,ｨﾁzノﾉ | | ｌ |ヾ
ハ ＼ ＼ｨﾁ乏ﾗﾐヾ' ｀￣ / // ｌ ',） , --─'::´
￣:::｀ヽ、 〈/|:} ヽ,＼ ＼￣ 、 / // / ｌ ヽ ／::::／:::￣
／:::;:ｨ:::::＼ //| |＼＼ ｀ゝ -= ' ／!// / ! ∨:::::::::':──-:::､
:::／:::::ハ::::∨ﾑ'〉 ｢｀::ゝ,＼_个 ｰtヽ_ ／─ﾍ,ィ' l |l /::::__::::＼:::￣｀ヽ
:::::::／／__;／:::::| |::::::::::ﾍ !:::::｜ |::::ﾊ;:::::_::_:::ヽｌ ｌ| 〈::::::::::＼:::::＼::::ヽ
:／;::/／/::::::::::: ! / :::::::::::::} |:::::::l! !/ ∨ } /::::/ / ﾊ｀ゞ ､::::＼＼:::::ヾ
∨／!:::::::::::::::| /:::::::::::::::::| |::::ノ| ト-ｰく 〈_｣:::/ / /::::ヽ:::ヽ＼:::ヽ ＼
／／|:::::::::::::::ﾚ ::::::::::::::::::| |::_〉 } ─ｰ､ヾ才／} /:::::::::::＼:＼＼〉＼
／／／ﾍ::::::::::::::::::::::::::::::::::::! /:::〉ﾍ! ￣＼ヽ)=::､/ /::::::::::::::::::::::::::＼
／／／ 人::::::::::::::::::::::::::::::::|/::{ ｀入_ ゝ}_ソ/｀´}/::::::::::::::::::::::::::::::::::}
＿＿＿
／ノ ヽ､_ ＼
／（●） （●.） ＼ ……親徳川派がそれだけ優勢だったって
／ （__人＿,） ＼
| ｌ^l^lｎ ⌒ ´ u | 単純に思ってましたお
＼ヽ L ,／
ゝ ﾉ
／ /
＞′´ ＼::::::::＞､＿＿__
／ l ヽ ￣ //小 ＼Ｙ/
. ' / | ｜ﾄ | ＼'｣ﾄ ＼＼＿_
/ ｌ | ∥| } _| ｌ ＼＿ヽ_ ＼＼
/ | ｜ | イ厂|,ハ ! | ﾞ, ￣＼＼ ヽ.ヽ
′ | ｉ |ヽ ｜／/ /,.斗:‐刋 ｜ | ￣ ﾚ′
| | |｜_＼ |! / 〃ヽソ ' / / | ＼ そうかもしれない
|｜ ゝ ＼ -＼∨ / ｲ ﾄ ＼ ＼
| ﾄ ＼ｨﾍ ソ ／ | | ＼ ＼ ゛ー どちらにしろ 細川が割りを食ったことに違いはないわ
＼___ ､ ＼＼ヽ￣´ ヽ __,. | |＼ ＼
＿＿ ＼＼|＼ ＼ ￣二 '´´ | | ＼ ＞-... ＿
::::::::::::::::::＼, ――‐∠ヽ＿ ／ | ∧__＞'´::.::.::.::.::`＜::::::::::::
::::::::::::::_／ ―ｯ厂 ､＼ｰ- ＜::.::/ /.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.＼:::::::
:::::::∧/ ／ / ｌ ｌ ﾄ ）//「＼::V /::.:,′::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::＼:
::::::′冫 ／ | _｣ | | |∠〈〈仆:::::ﾏ ／.::./::.::.::.::.::.::.::.::.::＿＿＿::.::.
:::::| ハ _ ,―┴ぐ_ノ-ｲ‐'::.::/ﾌ┘|::|/ /´::.::./::.::.:: -―――-
:::/ 7 Ｙ´ |__ 了::.::.//z_r‐ﾚ'／.::.:::./ ﾚ'´::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:
〈| / ＼ -―{_ ￣|_::.::ﾚ燈}彡ｲ::.::.::.::./ /::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:
├く ＜__ | ＼｢::.:_ｊ ゞ '´〕/::.:／〈 〈::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:
＿＿＿_
／ ＼
／ _ノ ヽへ＼
／ （ ―） （●） ヽ 忠興殿の実力と格 三成襲撃の前科を考えたら
.l ⌒（__人__）⌒ |
＼ ｀ ⌒r'.二ヽ< 内府殿も統制に服した確約が欲しいんだお
／ ｉ＾Yﾞ r─ ゝ、
/ , ヽ._Ｈﾞ ｆﾞﾆ、|
{ { ＼｀7ｰ┘!
／.:::::/ / | | | .:! .:! ｀,
.／.://.:/ / i | | | .::l .:.:.:/ .::! ,′ ! ',
／.::::://:/lNl. | | | | |::. .::/.l.:.:.:/ .::::! ,′ |
￣`ﾌ/:/ l/l. | | | | |:::. .:::/l l.:.:/.:::::/l / !
_／:/:/ :| ', ,,,,ﾄ､|_ヽ__ﾄ､ﾄ､.ﾄ､:. .::/ /.:/.::／/__/l !
.::::/:/ ::| ', |ヽ 二ヽ!ﾆヽＮﾄ､.::/ /ｨ/イ￣7 / / /
フ::/ /ﾘ ﾄ､ ',. `ヽ弋込ﾐヽ､ V ィ_万孑 フ /
"´ ./ /i: ＼ ヽ ｀¨´￣ ´￣￣/ ／ 忠興には頭を下げさせる
/ /.::| ＼/. i / , ｲ /
./ /.:::::| |`ヽ ` ／ィ´ l. / どのみち 前田と心中するつもりは毛頭ないわ
ミﾐヽﾐミヽ.:.::::::| | ヽ -─- ／1 / /
ミミﾐ斗;;ミﾐ､.:::| | // >.､ ｰ ,. .'´l 1 / /.:::::::: 内府にやる夫殿からも伝えてちょうだい
彡''"￣｀`ヾﾐヽ i :| .// /.:::::.＞ 一 ＜::､l l / /.:::::::::::
.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ﾐヽ l:::| // /.:／ ./ 只::: `ヽ:＼ ／ /.::::::／::
.:.::::::::::::::::::::.:.:.:.ヽ l:::ﾄ､:::::::::.ィ /.:::ハ::::', ＼:.V ／.:::／:::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::.:ヽ:l:::ﾄ､＼ // /.:::/ i::::l / ／.::::／::::::::::::
十一月になると、細川忠興は家康に誓書を提出。
∨ニニニニニニニニニニニニニニニ-/
. ∨＞ '"´ ￣￣￣ ｰ-=ﾆ二_′
＿__＿_} { _＿__
＼三二ニ≡＝＝==ー---－―=＝≡ニ二三三三:/
＼三三三三三三三三三三三三三三三三三／
7: : :/. : :/. : {:∨∧: : : : : ｀ヾ: : :ヽ: :ヽハ才
,: i : :{:: ::/. : :∧:∨∧: : : : : : .∨: : :': : i: :{
{: |: : }: /_才/:ハ:.∨∧: : : :斗弌: : : : : : ::!
j八: :{/彡,:ｲ云ｰ: :乂ハ=彳ハ: {ﾊ: :/ ,: : :!
从: 乂ハ ｀｀ヾ '" }ﾘ }'. / : : ;
∨: : 爻_ゞ＝=- r==＝彡彳.: ::.′ （内府とはうまくやってきたつもりだが
. ∨: : 八 イ. : : : .'
. ∨: {: :≫. _'_ 乂: ,.: :/ 彼が望む関係は違うものだったのかもしれないな）
∨从ハﾊ＞ . -‐ミ.. . .イﾊ.: :/: /
. 乂{ . ィf -‐:._}ヽ( .ｲ乂::.′
rfー--‐ " ィ{ .二二}=ミ｀ ＜从(___
/:ﾌ { ／／:. -‐ ｦ ＼ } }
. /. :｝ i} { i{才:ﾊ fﾊ＼___ﾉi} ′ﾊ
.. /. : 乙{ ゞ=ミf } j〈 ヾ==彡 ′｛∧ ［丹後国主・細川忠興］
.ﾞ. : : フi} /乙′⌒Y{ }i:{ ′乙 ∧
,.: : : : :廴ﾊ ./ {__ 乂气{i:{ .ﾞ⌒(: : :.∧
さらに翌年、三男を江戸へ住まわせて人質とし、自らの態度を明確にした。
前田家はいよいよ追い詰められた。周辺の大名も加賀への包囲網を着々と構築している。
／ ⌒｀ ─ ､〟
/ ＼
| ヽ
| | ………
（＼ , -── ､/ﾉ
｀ /⌒ヽ￣￣｀ヽ、
| | i
| | |
| | |
|＿_|, ──── ､)
／＿ﾉ |
/´ __|_,－ ､＿＿_ ノ、
ヽ､＿|＿_ ）＿.ノ
|
＼ ／
＿＿＿＿_
／ ヽ∟ ／＾ ＼
＿ /＿＿＿＿＿＿__ ヽ （_／ ヽ
|ノ─ ､／─ ､ヽ | ヽ （_＼／ .|
,| ＼ |・ | | j ヽ `－ﾉ わかったよ！
. || 二 | |￣ ⌒ヽ′ / /
／ /ー C ` ─ ＼) _ﾉ / / とにかく謝ればいいんだろ！
! ⊂──´⌒ヽ ﾉ／（ / ﾉﾉ
＼ ＼_(⌒⌒＿） ／! ヽ､／
` ,┬─_－ ´/ ヽ ／
/ |／ ＼／ く
（（ /＼ ＼ ヽ
/, ─ ､/ ＼ /＼
. ( l l j ＼ ＿＿_ ／ ヽ
ついに利長も屈服。
十二月には老臣を弁明のため派遣し、翌年、母・芳春院を江戸に送り出した。
そして、まさにこうした政変のさなか、慶長五年が明けるである。
}k
ﾉ;'l{
_ノ;人'､
}､、__,. -'',r'／ｐ､ヾ､
,}”ー--､."ﾆー--ﾞ'ゝ ﾞ'‐､_＿,､ｬ,
,､ /;;,rlT=ｲ__~￣~＾~＾''ー‐---､.ｙ"
,irこ;;;},|ｉ || ~||~ﾞ ''l!ｔー-n-;t{;/
,ｊ r'i!_､_}-二 ﾆﾆ゛‐-,k!i､,､､｣|__,|ﾄｯ
､_ ﾔ{/iｺ};,^;;,,,;;;,‐,-,=ノ,ム=_-__ーﾈ{´,
,};ｺﾆﾆ/7r'|”~,__,゛,／ノ 。 ＼~＾~^”””'ﾔ
i!;;;;;;;;;;;､i!__| ,i-!;'"／,r'^ｖ^‐､＼iｺ~|ﾚ=i、
,}`ｰ';;;;;;;;;;;;;;;}r‐''”_,.-''／ [iillIII}}}] ､゛＼i!､;;;;i､
/,Eｬｯririririrnm;y､^,､ﾆﾆ ｰ_ー‐-ー' ゛＼,;;;i{､_ ,.ｨ
/,r"=|､__ ￣~””””””'''''''ー,rk':;firiririnnm;y^~三ﾆ;:ﾆ'}
,/,r"=/|::::..￣~゛゛``''';::::::::::::ー‐,ノ,ム-.,, ､.､.゛,.___゛~＾~゛＾i;／
,、 /,r"=/,;l,,,::::i::::|iillIIIIIIIIII|||:::::;7／,r' `｀i､:::.iﾍ::::::::.￣~''''''':|
. ｫ}仁二Vｪ＾仁￣~"""゛””””''ｰ／,r'" .,・、 `＼[iillIIIII|||]:::::::::::| ,
i!;;;;;;;;;;;/ｲ'^ﾄｰ‐-ﾆﾆ二､こ,.-'" ,r' ,.-ｰ{ }ｰ､`､＼"＾"＾"＾"^゛''ｰ'}
,il;;;;;;;;;;;;;:^^i'|::::::::::::... ,. -''"_, -'／―‐‐｀´ ―`i､゛､＼゛＾゛""ｰ'r／
i l;;;;;;;;;;;;;;;;;;,'|::::i,,. -''＾_,,.-''′／' ,;iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiilllll `i､` ､ﾞ-､:::::::::|;iｔ======r'7
_r,=ｰｦｰ",,:;;;;;;'7rｲ~,. -'''~,._-_''~´..::::::|iillIIIIIIIIII|||||||||}.:::::ﾞ'‐､ ` ､ﾞ''-､:|;;;`i､;;;;;;;;;;;;~ヽ､
正月、諸将は秀頼のもとへ参集し、年賀の儀が執り行われた。
／l /｀l
／ l / ｜
/ l / |
/ ￣ |
/ | ｉ⌒l
/ く●〉 く●〉|｜ | やあ
l lﾉ l
｜ フ ノ みんなよく来てくれたね
｜ | | |´
｜ | | |
／￣￣￣ ＼
／ :::::＼:::／＼
／ <一>:::::<ー>
| .:::: （__人__） j
＼、 ｀ ⌒´,;／
／ ⌒ヽ .'"'"´(
/ ,＿ ＼ ＼／＼ ＼
と_＿＿）_ヽ＿つ_._ヾ_つ
それが終わると、諸将はそのまま連れ立って西の丸へと移り、家康に賀正を述べる。
／: : : :／ : : : : : : i: : : : : :ヽ : : : : ｰ ､ : : ＼
/: : : ／ : : : : : : : ,ｲ : : : : : : :l: : : : : : : ＼- ､:＼
. /: : : / : /: : : : : : / |: : : : : :| : |､: : : : : : : : ＼ ＼
.' : : :/ : /: : : : : : / ｖ : : : : l : |斗-: : ヽ: : : : ﾍ
|: : :/ : /| : : :― ｘ ∨: : :∧ | ∨: : :ﾊ: : : : :ﾊ
|: :/ : /: | : : : : / ｀ |: : :/ j/- ∨: : :l: : : : : :|
r┴､/:ヽ| : : : / |: :/ 示旡ｱV : :|: :|ヽ: : |
| | : :│: : /|. | / ﾄ::爿/ ハ: :|: :| ',: :|
'vｰく ,ｘ┤: / :|三≧x ｊ/ 込;ﾘ { : | ∧ | ∨ 今年もよろしくねー
／ ヽ. | /: :│ ,／ ' .:・} : |/ i/
| ／⌒}:Ⅵ : :ﾍ:.:.:. ー'ｰr' ／: : |
{ ／´}_ﾑ: : :≧ｒ ､ .. _ ｰ ' .. ＜/: : : |
ヽ ／ }ﾍ: : ＼＼ 厂}ヽ._/ | : : : |
. ＼ __／ ＼: : ＼＼x-┴く ヽ| : : :.′
／ /ヽ ＼ : ヽ ＼ | |: : :/
/ {ヽ}} ヽ: : } ＼ l |: :∧
＿＿＿_
／⌒ ⌒＼
／（ ＞） （＜）＼
／::::::⌒（__人__）⌒::::: ＼
| /| | | | | |
＼ (、`ー―'´, ／
￣￣￣
秀頼の代理人としての地位が、こうして儀式の場でも明らかにされた。
また諸将は、西の丸に増築中の天守を見ることになる。
┌- ＿∨,}i:ﾛﾛi:i:ｉﾛ:|ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆニ|:ﾛi:i:iﾛﾛ:i{'//＿ -┐
∨三ニ===============================ニ三∨
∨/,|＿＿＿＿＿＿＿_／＼＿＿＿＿＿＿＿_|'///
Ｖ/|:i:i:[][]:i:i:i:i:[][]:i:i:i／／＼＼ｉ:i:i:[][]:i:i:i:i:[][]:ｉ:i:|'//
┌―――┴ lﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆニ／／:::＝:::＼＼ﾆニニニニニ! ┴───┐
∨＞==============================================＜∨
∨/,|＿＿＿＿_∧＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__∧＿＿＿＿_|///
＼:}i:i:i:ｉ:[][]:ｉ／人＼i:i:i[][]:i:i:i:i:i:[][]:i:i:i:i:i:[][]i:i:／人＼ｉ:[][]:ｉ:i:i:ｉ{:／
＿＿＿＿＿＿_lﾆﾆﾆ＜ ＞⌒＜ ＞ﾆﾆﾆﾆニニニニニ＜ ＞⌒＜ ＞ﾆﾆﾆ|＿＿＿＿＿＿_
{､＿＿＿＿＿＿_└―――＝―――┘ └―――＝―――┘＿＿＿＿＿＿_,.}
＼'///T^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^T,///／
. ＼'/| |'/／
｀ |―───────────────────────────―:| ´
|:i:i:i:凵:i:i:i:凵凵:i:ｉ:ｉ凵凵:i:i:i:凵凵:i:ｉ:ｉ:凵凵:i:i:i:凵凵:i:i:i:凵凵:i:i:i:凵凵:i:i:i:凵:i:i:i:|
|:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:ｉ:|
-============================================================-
./―-＜_ﾉ＿ノ>一'┬┴r‐ゝr‐'ｰｧ┬'ｰr'┬'⌒Y⌒ｴ¨＞‐r'二l二工⌒ｉ >‐<＿ﾉ､／∧
/¨＼＿ /_ _ﾌ__匸_jﾆ二ヽー`r―v⌒i⌒)二「＿工＿}＿j__人_人／丁ヽ⌒ヽ>＿斗‐∧
. /＼/＿/⌒rヘ__ﾉ､_」､＿}ｰ-ヘ-ﾍ二ﾌ､⌒>‐`r‐<＿ﾉ┬'`ｰく_ノｰ┬`ｰr'⌒Y⌒ｉ ＿_∧
.. ＿＿＿_
／ ― -＼
. . ／ （●） （●） はー コリャコリャ
／ （__人__） ＼
| ｀ ⌒´ |
. ＼ ／
. ノ ＼
／´ ヽ
天守は城の権威の象徴として、一城に通常はひとつのみ。
それが二つに増やされるということは、秀頼の成年までは家康が統治権を握るという天下に向けた宣言である。
＿＿＿_
／ ＼
／ _ノ ヽ.＼ （うーん これはあくまで大坂城の施設だし
／ （●） （●） ＼ 内府殿がこっから退去すればそれまでのこと……
| （__人__） |
＼ ⊂ ヽ∩ < とはいえ 穏やかじゃねー連中も出てくるはずだお）
| | '､＿ ＼ ／ )
| |＿＿＼ “ ／
＼ ＿＿＿＼_／
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─ ＼
／ （●） （●） ＼ （……いや 逆かお
| （__人__） |
＼ ｀ ⌒´ ,／ むしろそういう連中をなんとか抑えこむためにここまでやったと）
/⌒ヽ ー‐ ｨヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ ／ r─--⊃、 |
| ヽ,.ｲ ｀二ﾆﾆうヽ. |
＿＿__
／ ＼
. ／ ＼
. ／ ／） ノ ' ヽ､ ＼ （暗殺未遂 ねぇ）
| ／ .ｲ '（ー） （ー） u|
. /,'才.ﾐ). （__人__） ／
. | ≧ｼ' ｀ ⌒´ ＼
／＼ ヽ ヽ
─────────────────────────────────────
ﾞl |｀} ..:ヽ--ﾞ‐´ﾘ￣ヽd､ '''' ￣￣ |l !ﾆ! !⌒ //
. i.! l .::::: ｿ;;:.. ヽ､._ _,ノ' ゞ）ノ./
｀ ｰ＝=--‐'´(__,. ..、 ￣￣￣ i／‐'／ ………
i .:::ﾄ､ ￣ ´ ∪ l､_／::|
! |: |
ヽ ｰ‐=======‐- .!:: ト､
ヽ ､＿＿,,.. /:;;: .!; ＼
ヽ ::::::::::: ／:::;;:: ／ l
NヽN｀ ｀ﾞ､
.、Nヾミ i
ヾミﾐ､ _,.ｨｲ八、 !
ー-=ﾆ ＿,..､_'"'ノ,."-'ニ'ヾ､.＿ l_
{F|! ￣ ﾞiニ{'´ ￣ﾞ!r'-r,^､i
l;jﾞ､_ ﾉ ヽ)、 ﾉ' ゝ:'/ （まさか 上方の情勢がここまで急激に動いているとは
｀! ￣ヽ ' ￣~´u ,'.,ｨ'
i.u _＿_ ,' | 国元の空気とは落差があまりにも著しい）
ヽ､ ´ -- ｀` .／ ﾄ、
,..-i;:ヽ、 ,. '´ ／ ヽ､_
_,.イ´ j ￣￣ ／ ,i､ﾞト-､
,ｨ, (fー--─‐- ､、
. ,ｲ/〃 ヾ= 、
N ｛ ＼
ﾄ.l ヽ l
､ゝ丶 ,..ｨ从 |
＼`.、_ __ ,. _彡'ﾉﾘ _,.ゝ、 |
｀ゝf‐ゞﾞujヾ二r^ｧｕj＜ y=ﾚヽ
. |fjl、 ￣.ﾘj＾ヾ.) ￣ ﾉ ﾚ ﾘ （領国開発に目を奪われている国元衆
ヾl.`ｰ- べ!ﾞ‐ ｀ ｰ-‐' ,ン
l f,.ﾆﾆﾆヽ u /:| 上方を離れてしまった御屋形 首脳陣
ﾄ､ ヽ.＿_.丿 ,ｲ |
_亅::ヽ、 ー ／ i :ﾄ､ そして内府による前田 浅野らへの圧服……これらは一つの結末を示している！）
-‐''｢ F′:: `:ー '´ ,.' ﾌ ＞ｰ､
ﾄ､ヾ;､..__ , '_,.／ ／l
ヽl ＼＼‐二ﾆ二三／ ／ /
,.ｨ , - ､.＿ 、
. ,ｲ/ l/ ￣￣｀ヽ!__
ﾄ/ |' { ｀ヽ
Ｎ│ ヽ. ` ヽ
N.ヽ.ヽ、 , }
. ヽヽ.＼ ,.ｨｲﾊ | _人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__
ヾニｰ __ _ -=_彡ｿﾉ u_＼ヽ、 |. __,ﾉ
. ￣ﾞr=<‐ﾓﾐ､ﾆr;＝=ｪ;ｭ＜_ゞ-=7´ヽ ） そう！！ つまり
. l ￣ﾘーh ｀ ｰ‐‐' l‐''´冫)'./ ｿ
ﾞiｰ- ｲ'__ ヽ､..＿__ノ ﾄr‐' ,）
l `＿__,.、 u ./│ ⌒ヽ このままでは上杉は滅ぼされてしまうんだよ！！！！
. ヽ. }z‐r--| ／ ﾄ, ﾉ
>､`ｰ-- ' .／ ／ |ヽ ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ´｀
_,.／| ヽ`ｰ--‐ _´.. ‐''´ ./ ＼､
-‐ '''" ￣ / :| ,ゝ=＜ / | `'''‐- ､.._
/ !.／l;';';';';';';＼ ./ │ ＿
_,＞ '´|l. ﾐ:ゝ､;';';_/,´＼ ./|._ , --､ | i´!⌒!l r:,＝i ［上杉重臣・藤田信吉］
. | |:.l. /';';';';';|= ヽ/:.| .|l⌒ｌ ｌﾆ._ | ﾞｰ=':| |. L._｣ ））
l. |:.:.l./';';';';';';'! /:.:.| i´|.ｰ‐' | / | |. ! l
. l. |:.:.:.!';';';';';';';'| /:.:.:.:!.|"'|. l' │-==:|. ! ==l ,. -‐;
l |:.:.:.:l;';';';';';';';| /:.:.:.:.:| i＝!ｰ=;: l | l. | | / //
l |:.:.:.:.:l;';';';';';';'|/:.:.:.:.:.:.!│ l l、 :| | } ＿|,.{:: 7 ））
l |:.:.:.:.:.:l;';';';';'/:.:.:.:.:.:.:.:| |__,.ヽ､__,. ヽ._｣ ｰ=:::ﾚ' ::::::|; 7
. l |:.:.:.:.:.:.l;';';'/:.:.:.:.:.:.:.:.:.|. ＼:::::＼::::: ヽ ::::::!′ :::| .:/
. ｌ |:.:.:.:.:.:.:∨:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.! /ヽ::: `::: :::: ....::....／
慶長五年。運命の年が始まった。
―― 第七十七段 終段 ――
やっぱりちょいちょい文字化けが入ってしまいますねぇ。
上杉がどういう意図で徳川と敵対するのか気になりますね
景勝は勝てると踏んで豊臣(石田)方に付いたのかどうか･･･
国境線の地図は力作だなぁ
まあGWにもう一度投下くるようなので後編楽しみにしてます
義姫は山形戻ってからも伊達と手紙のやりとりはしてたのか
援軍要請みたいなイベント起こった時しかそういう話は表に出ないから意外だった
義姫に関する当時の手紙まとめた本とか無いのかな
うん、前田家の扱いってこんなんでいいよｗ
石川県民が言うんだから間違いない
前田って家自体が高評価じゃなく利家という人物が高評価に過ぎなかった、
って感じの流れですね
にしても信吉、コイツかよw
利長って母親いないと何もできないイメージ
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/15956/1430832405/
義姫メインの本があれば自分も知りたいですね。
埋まりそうだったから言えなかった
今回も面白かった乙
次回も期待してます
藤田も、沼田城代で納得する選択はなかったのかな…。