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雑談・感想スレ
1
:
管理人
◆kTZ/rE5fPw
:2013/01/14(月) 20:03:48
新安価ロワイアルの雑談スレです
感想もここでどうぞ
194
:
◆Vj6e1anjAc
:2013/01/28(月) 00:00:29
投下は以上です
195
:
名無しさん
:2013/01/28(月) 00:24:11
全体的にカオスだし、AAまみれだし、イラストも可愛いのにシュールだし、このロワやべえわやっぱり。
私もちょろっと投下します。
196
:
まーた見え見えの夢を見てしまうのか
◆wKs3a28q6Q
:2013/01/28(月) 00:29:59
「ああ、起きた?」
のそりと上半身を起こす。
暑い。しかし熱くはない。
きつい日差しを背中に背負い、相馬光子がこちらの顔を覗き込んでいた。
「……夢、か」
夢。
確か、七原と共に殺し合いを脱した夢。
それを見ていた私は死んだはずなのだが――こうして、生きている。
「……そりゃそうか」
プログラムに巻き込まれる夢(まあ、今こうしているってことは、織田に殺られたアレも夢だったんだろう)や、
プログラムから抜け出すべく七原の手を取る夢。
織田や七原に潜在下でどんな印象持ってんだよと苦笑いはしそうになるが、まあ、それらは夢でも現実でもおかしくない。
しかし今見ていた夢は、どう思い返してもおかしい。
なんだよ、ボーナスステージって。
頭わいてんじゃねーの。現実なわけね−だろ殺すぞ。
「ちょっと、行ってきてくれない?」
だるい体を起こしながら、光子の“お願い”を聞く。
どうやら最近、私達の縄張りを荒らしまわってる車上荒らしがいるらしい。
私もワルだし車上荒らしはしたことがあるが、まあ、ワルにはワルの、クズにはクズの超えちゃいけないラインってのは存在するのだ。
縄張りの不可侵は、そーいうワルのルールに当たる。
「んじゃ、テキトーに強そうな男集めといてよ」
車上荒らしを捕まえてぼこり、ついでに金を巻き上げる仕事。
面倒だが、光子はリターンをくれる。だから受ける。
ちょっとだけ、夢で見た七原の顔を思い出して心が痛みはしたが、行かねばならぬという謎の使命感に何故かかられた。
197
:
まーた見え見えの夢を見てしまうのか
◆wKs3a28q6Q
:2013/01/28(月) 00:31:30
「……あそこか」
光子に集めてもらった兵隊を引き連れ、荒らされてると噂の駐車場に出向く。
大勢のトップを張ってる気分になるので、この瞬間は気分がいい。
いいのだが……
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
ものすごく嫌な予感がするし、めっちゃ汗出るし、効果音も何かおかしい。
だが行かないわけにもいかない。
そんなことすれば、私がフクロにされる。
「こ、これはッ……!」
何故だろう。
“それ”には見覚えがあった。
車両を殴打する男女の背景に浮かんだものを、私は知っている。
ついさっき、夢に見ていた。
_ _ __ __ __ __ __
/_> ./ | /\/ / / /_ /_ / / ̄| / __. /__
/__> |_/ / / |_/ __/ __/ / / ̄/ ./_/ /__
「お前ら何やってんだ! 暴挙はともかく文字の意味を言えーーーーーーーッ!!」
思わず叫んでしまうほど動揺している。
なんだこれ。まだ夢でも見てるのか。
「行けー比呂乃ちゃん!」
「ぶっ殺せー!!」
そして連れてきた兵隊は、拳をあげて立ち止まった。
「……は?」
いや戦えよ。援護しろよ。何しに来たんだお前ら。
「いや、このゲームはタッグルールなんで」
「何だよゲームって!」
「ほら、ボーナスステージが終わって、姐サンの出番来ますよ!」
クールーキットクルーキットクルー
変なBGMが聞こえる。
何だよ、きっとくるって。何が来るんだよ。きがくるっとるの間違いじゃないのかよ。
「どかずば……死ぬのみ……だ。ショウ……ジョ」
柱の男とテレビ住まいの女のコンビが立ちはだかるッ!
もう何もかも意味がわからないのに、足は勝手に動いていくッ!
連れてきた兵隊はすっかり単なる野次馬となり、そしてステージの背景となる。
「なんっ……なんなんだよこれはよォォォーーーーーーー!!」
あたしは、助かったんだ。
夢だったから、助かったんだ――そう思ったのに!!
『ラウンド1 ファイト!!』
どこからか響く音声と共に、化け物二体が飛びかかってきた。
新進気鋭の格ゲー同人サークルの贈る井戸キャラオールスター格ゲー『スーパースト井ー戸ファイターⅡ』
夏コミにて発売決定!
現在絶賛デバック中ッ!!
「ちなみに姐サンの相棒であるマリオさんは、亀にはねられて重体だから遅れるそうです」
「井戸じゃなくて土管じゃねーーーーか!」
198
:
◆wKs3a28q6Q
:2013/01/28(月) 00:32:03
投下終了です
199
:
◆EKhCqq9jsg
:2013/01/28(月) 00:59:07
皆様投下乙です!
それでは僕も投下します。
200
:
だがそれがいい
◆EKhCqq9jsg
:2013/01/28(月) 00:59:54
前略
田舎に住んでいるお父さん、お母さん、お祖母ちゃん、妹、隣のおばさん。
みなさんお元気ですか?
こちらでは雪が振りつつも、元気にやっております、今は。
実は、僕の勤めている会社、アークシステムワークスと呼ばれるゲーム会社なのですが、
先日多数の方にご迷惑をかけてしまいました。
(実際僕の会社は一切関係なかったのですがね)
今はそれの後始末…… 関わってしまった企業へ謝罪を繰り返している所です。
殆どの企業が『不慮の事故』として許していただけました。
ですが、まだ、ある人物には謝罪を行なってはいないです。
その人物は、見るものを圧倒させる姿を持ちつつも、劇画家と呼ばれる繊細な職業についております。
今日僕はその人物に今回の件を謝罪しにいきます。
どうしてそれだけのことに手紙をかくと言われますと。
実は過去に一度、彼の人を凄まれてしまい、僕の同僚が東京湾に…… 言えなんでもありません、この部分は無視してください。
とにかく、二度も不祥事を起こしたからには、大変なことになるに決まっております。
お父さん、お母さん、みんな。
もしかしたらこの手紙を読んでいる時は僕はもうこのこの世にはいないかもしれません。
ですが決してその劇画家を恨まないでください。
復讐などしようと考えないでください。
僕はこれまでの人生は幸せでした。
子の不幸をお許し下さい。
それでは、さようなら。
201
:
だがそれがいい
◆EKhCqq9jsg
:2013/01/28(月) 01:00:39
☆ ☆ ☆
遺書を書き終えた青年、アークシステムワークスの社員は原哲夫の前へいた。
何のために?
無論、謝罪としかるべき賠償のために。
「キミねえ…… 俺達の作品を有ろうことか二つも…… それに角田さんにまで迷惑かけて……」
「ま…… 誠に申し訳ございません……!」
「ああ゛ぁ!?」
大声を声を上げるのはもちろん原哲夫。
リクライニングチェアにおもいっきり寄りかかり、脚を組むその姿、まさに傾奇者である。
「まあ…… 責任はとってもらおうか……」
ゴクリと息を飲み込むアークシステムワークス社員。
その昔AC北斗の拳の数あるバグをだし、クソゲーにしてしまったことを謝罪に行った同僚が、酷い目にあったことは昔の話ではない。
アークシステムワークス社員は死を覚悟した。
ドサッ ドサッ ドササッ!
自殺用の刃物か?
いや違う、彼の目先には膨れ上がった大型封筒が5枚!
「これは……?」
「今回の件はアークシステムワークスに関係しないのはこちらも、どの企業も知っていることだ。
だが、俺は…… 俺達はたしかに感じ取った……
時代が何を求めているか、時代が何を欲しているのかを、だ」
中身を見たまえと、原哲夫はアークシステムワークス社員に促す。
「こ…… これは……!?」
中に入っていたもの、それは『北斗の拳』の版権関連の書類。
「あの盛り上がりを見て、確信したよ……
北斗の拳の格闘ゲームは間違っていなかった。
だから今こそ、北斗の拳を愛する者が……! 格闘ゲームを愛する者が……!
そしてアーケードゲームを愛するすべての者が!
全ての者が楽しめる、新たなる『北斗の拳』の格闘ゲームを、作ってくれるかな?」
AC北斗の拳の新作。
誰しもが妄想したその夢が、北斗の拳の作者の口から語られたのだ!
「版権関連は全て俺が済ませてある、だから、思う存分作ってくれ」
原哲夫は椅子から降り、アークシステムワークス社員の方へと近づき、手を差し伸べる。
もちろんそれに答えるアークシステムワークス社員、その顔は感激しきっていた。
一年後、某中野ブロードウェイの四階にある某ゲームセンターで『AC北斗の拳2』ロケテされた。
それは大いに盛り上がり、誰しもがこのゲームの成功を予感させ、そして事実全国各地のゲームセンターで稼働された。
ゲームセンターはそれ見たさに大勢の客を呼び寄せ、対戦や大会が幾度も開かれた。
そう、格闘ゲーム業界は長い冬を越え、また春の時代が来たのだ。
この北斗の拳2の出現によって……
202
:
だがそれがいい
◆EKhCqq9jsg
:2013/01/28(月) 01:01:25
☆ ☆ ☆
アークシステムワークスが北斗の拳2の制作に乗り出したころ、
原哲夫のもとにゲーム系の記事を集めるライターが訪ねてきた。
ライターは原哲夫にこう問いただした。
「もしこれが失敗すれば、新潮社、及び自身が多大なる負債を背負うことも充分ありますが…… 何故今回ここまでこのゲームの支援をするのですか?」
その質問に対して、そうだな、もしかしたら大失敗するかもなあとどこか黄昏れながらも、最後には笑顔でこう答えたそうな。
203
:
だがそれがいい
◆EKhCqq9jsg
:2013/01/28(月) 01:02:03
\l|lrjr‐、川_| l| l|トミミ:、
そ |7, |l |l`'トヾyv、! l||li`'ミlト、
れ だ |lijlj|l l|vl|i l|l l|! l|`巡|! i!ト|li
が が |{(i{li| l|lj|l||.lノ/l! リ l! リt、 l|l |l|l,
い |ミ:、Nソノ川ソ/ /l/ ,ィ゙l|ト! |!.||l|!
い |ミ:、ヾ}仁`勿ジノ__,r' ノ|!jl |!.l|ll|
!! /li`ミ:、i|!l{t、トiミミ三ムイノノ{!.|!|!l|
/l|||!|ト、i|! l|i!l|ilil|lkミtミ三彡シ{|! l|i|!
__〔:|l|!l||ll|lトli.l|l! l|li.l|ltlトlilトlミ三彡シ|l l||!
___/:ll|`:|l|::ltl|l|:l|i|:l|il|:l|lトkい!l| ミ三シl|l|. l|!
ミ=孑 ::::::l|:l|:|l:::i|kl|::l||:|!l|::l|:|!トミ:、|! ミ三ソl|l|l l|!
ミ三シソ ,,,_!_l_|l ;lト、! l|l ljリ ル__,,,,、メ、 ミニジl| l|l l|
|ト刋'゙ 彡ー-、_,`'ーij l| k'´_,、_-‐'ミシ 洲 l|! l |l
|l{刎 '''zテ'モッテ`tミメli flミツ'モッテ''メ jl! | l| ! |l
l|l.冽 ´´"~´´_;;r''゙| |N;;_``~゙゙` ,!' / ll| l |
トi,ヾ|! ‐'''"´l! i! | `"''' / /リ jl|l l
派、_ i! j! ノ い /f"/ ノ川 l
l リチ^! {r-{,_ノァ′ / |ト//// |
r/{::l! :! 、________,. / /! K,/ |
/;;;;li::li ::ヽ `ヽ、, __/ / //:..l, `'ー
;;;;;;;;;li:::li::::`:、 `'‐--‐' ,:':::://::::/;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;>t:、ヽ::\ ,:'::::://:::::/;;;;;;;;;;;;;;
i;;;;<三X三>、ヽ:ヽ. / ://::/V;;;;;;;;;;;;;;;
:!;;;'-7{.|.}`t‐':ヽ.\`'ー−'´ .//、‐{,|';;;;;;;;;;;;;;;
:l;;;;;;`^''^´:::::::::::\\:::::::://::::::/ニ/;;;;;;;;;;;;;;;
【アークシステムワークス AC北斗の拳2開発開始】
【前田慶次郎利益 原哲夫へ……】
204
:
◆EKhCqq9jsg
:2013/01/28(月) 01:02:34
以上で投下終了です
205
:
名無しさん
:2013/01/29(火) 03:53:46
皆様投下乙でした!
自分も最終回記念ということで、支援絵の投下をば
自分もリレーさせていただいた、ほむらとキリカのワンシーンを描いてみました
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org3893345.jpg
206
:
◆Vj6e1anjAc
:2013/01/29(火) 03:55:19
っと、酉外れてた
このSSの後を書かせていただいたわけですが、リレーしてて楽しかった!
何だかんだ言って楽しかったです、新安価
207
:
◆hqLsjDR84w
:2013/01/29(火) 11:22:21
うお、俺の書いたヤツだ。
すげえ!
208
:
名無しさん
:2013/01/29(火) 20:30:38
まとめて感想〜
おお、飛竜がかっこいい! バトロワすらこいつにとっては日常的なものか
最後の表記に吹いたw JASRAC endってなにさ!? ふじのんは上手いこと逃げたな〜w
中身さんのところになんか届いてたー!? 俺とお前でダブルぶるらじだー!
うわーい、まじでメタにリアルに脱出しまくってきやがるー。遂にゲーム機まで……
シリアスかと思ったらAAそれかよ! しかもその歌的に、お前新たな体ってサイボーグじゃねえか!
井戸キャラといえば某沙耶の唄なんてどうでしょう。ほら、ニトロワだと技扱いで出てきたはずだし。
AC北斗の拳2まじ出ないかなーw 北斗無双とかもやってんだしさー。ってか、原哲夫へじゃねえよw どういうことだってばよ!
おおう、なにげに初のピンク髪版ほむほむイラスト化!? かっこいいイラストだ!
209
:
◆uPLvM1/uq6
:2013/01/30(水) 16:06:11
投下します
210
:
夢を見た彼らのその後
◆uPLvM1/uq6
:2013/01/30(水) 16:06:42
「ゆめ‥‥よね」
村一番の美人(スライム)は真夜中に眼を覚ましていた。
彼女の見た夢は……何というかよく分からない夢であった。
多分R指定に入るようなナニカをしていたのだろうが……相手も村一番の美人と同じようなものだったため、実際のところは不明である。
たぶん、あーるじゅうはち。
「なんだったのかしら‥‥ あのゆめは」
そんなことを思いながら彼女は時計を見た。
「まだよなかじゃない ねましょ」
そう言って彼女は眠りについたのだった。
【村一番の美人@魔界塔士Sa・Ga 就寝】
□□□
「ゆめ‥‥ か?」
目を覚ますとそこは原始発電所の入り口手前だった。
そうちょうは自分の体を確認して、なにもないことが分かってホッとする。
長い間「やっと おいついたぜ」を言って、死んで、を繰り返す夢。
42回もそんなことを繰り返し続けていた、そんな夢をそうちょうは見ていた。
「そうだ 俺は‥‥」
あいつらの足手まといにだけはなるまい、と思ってここで待っているんだった。
あいつらは今頃どうなっているのだろうか。無事なのだろうか。
悩んでも仕方ない、あいつらのところへ行こう。
「こうしちゃあ いられねぇ いそがねぇと!」
そして俺はあいつらの元へ向かった。
追いついた俺は、夢で何回も言っていたセリフをあいつらに言っていた。
【そうちょう@魔界塔士Sa・Ga 「やっと おいついたぜ」】
□□□
211
:
夢を見た彼らのその後
◆uPLvM1/uq6
:2013/01/30(水) 16:07:36
かみは笑う。
素晴らしく面白い夢を見たな。
私がナイフごときでバラバラになるだと? 笑わせるな。
くだらない夢にかみは笑い続けた。
これだから夢というものは面白い。
かみは笑う。
かみはシルクハットを被りなおす。
もうじき、ゲームを勝ちぬいた者達が現れる。
私の書いた筋書き通りに事は進んだ。
あとは、彼らの望みをかなえるのみ。
かみは笑う。
まさか、かみにケンカを売るとは‥‥なんて愚かしい。
これもいきもののサガか‥‥
よろしい、ならば君たちにかみのちからを見せてあげましょう!
私が君たち負けることなど、万に一つもありえない!
○○はチェーンソーで攻撃!
【かみ@魔界塔士Sa・Ga かみはバラバラになった】
□□□
アシュラは勝ちを確信し、口元に笑みを浮かべていた。
あの夢によれば、落とし穴に落ちたものは即死だったので、恐らく落ちた奴らも死んでいるであろう。
「これで わたしに さからうものは いなくなった! はーっはっはっは!」
だが、そんなことがあるわけがない。所詮夢の話である。
この落とし穴は22階に繋がっており、決してそこに爆発物がありはしない。
なので奴らは当然、上ってくる。
(!? ばかな! しんだはずじゃなかったのか! くそっ! こうなったら……)
彼は動揺を押し殺し、平静を保って、こんな言葉を発した。
【アシュラ@魔界塔士Sa・Ga よくここまできたな どうだ 1つとりひきを しないか?】
□□□
212
:
夢を見た彼らのその後
◆uPLvM1/uq6
:2013/01/30(水) 16:09:32
「カクブッパ、シトキャ、エーネン!」
『デデデデザタイムオブレトビューション バトーワンデッサイダデステニー』
て / ,,-",-''i|  ̄|i''-、 ヾ {
(" ./ i {;;;;;;;i| .|i;;;;;;) ,ノ ii
,, ( l, `'-i| |i;;-' ,,-'" _,,-"
"'-,, `-,,,,-'--''::: ̄:::::::''ニ;;-==,_____ '" _,,--''"
 ̄"''-- _-'':::::" ̄::::::::::::::::;;;;----;;;;;;;;::::`::"''::---,,_ __,,-''"
._,,-'ニ-''ニ--''" ̄.i| ̄ |i-----,, ̄`"''-;;::''-`-,,
,,-''::::二-''" .--i| .|i "- ;;:::`、
._,-"::::/  ̄"''--- i| |i ヽ::::i
.(:::::{:(i(____ i| .|i _,,-':/:::}
`''-,_ヽ:::::''- ,,__,,,, _______i| .|i--__,,----..--'''":::::ノ,,-'
"--;;;;;;;;;;;;;;;;;""''--;;i| .|i二;;;;;::---;;;;;;;::--''"~
 ̄ ̄"..i| .|i
.i| |i K.O
i| |i
.i| .|i
.i| |i
.i| ,,-、 、 |i
i| ノ::::i:::トiヽ、_.|i
_,, i|/"ヽ/:iヽ!::::::::ノ:::::Λ::::ヽ|i__n、ト、
,,/^ヽ,-''":::i/::::::::/:::::|i/;;;;;;/::::;;;;ノ⌒ヽノ::::::::::::ヽ,_Λ
;;;;;;:::::;;;;;;;;;;:::::;;;;;;;;:::/;;;;;;:::::::::;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::::::;;:;;;;:::ヽ
デスマシーン
相も変わらず
核ぶっぱ
そして彼はmugenへ……
【デスマシーン@魔界塔士Sa・Ga mugen入り】
※デスマシーンは凶悪キャラなのでDLするときは注意されたし
213
:
夢を見た彼らのその後
◆uPLvM1/uq6
:2013/01/30(水) 16:10:43
□□□
つるぎのおうは夢を見た。
自らがセリフを言い切る前に、ボコボコにされて死んでしまった夢を彼は見た。
その夢はあまりにも現実のような気がして、実際にそれを体感したように思えて、そして―――
―――つるぎのおうは震えた。
自分の力の無さに、震えた。
手も足もでず、ただ己が殺されるのを待つだけ。
かろうじて反撃はした、だが悪あがきに過ぎなかった。
おうとは名ばかりに、実力なんてないじゃないか。
あるのはこのキングのつるぎのみ、だが己の実力が低いのでは扱いこなすこともできないだろう。
おうは考える。
もし誰かが来たら、追い返すもしくは殺すつもりでいた。
だが、本当に、そんなことができるのだろうか?
追い返すことなど可能なのだろうか?
逆に、殺されてしまうのではないだろうか?
いや間違いなく殺される。
おうは結論づけ、そして考える。
ならば、私はどうすればよいのだろう?
おうは考える
そもそも決め付けていないか? ここに来る奴らが野蛮なものだと。
もし、相手が野蛮ではなく、礼儀正しい常識人であれば。
もし、相手に攻撃する意思が無いのであれば。
もし、相手が交渉するつもりであれば。
ならば私は。
喜んでこのつるぎを――
おうは逡巡する。
――だが、そうとは限らない。
常識人のフリをした、野蛮な奴かもしれない。
常識人のフリをした野蛮な奴だったらどうするべきか、大人しくつるぎを渡すか?
いや、それは駄目だ。つるぎを悪用しかねない。
だがそれで殺されてしまうのは嫌だ。みじめすぎる。
いや、でも――
おうは思う。
――そもそも私はこのままでよいのだろうか?
自分はつるぎの力に慢心して、鍛えることも何もしていない。
このままでよいのだろうか。
いや、よくないだろう。
ならば、己を鍛えなおすために修行の旅に出よう。
214
:
夢を見た彼らのその後
◆uPLvM1/uq6
:2013/01/30(水) 16:11:14
おうは考える
このつるぎはどうすればいい?
つるぎの力に慢心していたのだから、つるぎを持っていくことは許されない。
つるぎの力に頼らず、この修行をこなさなければ意味などない。
だからといって、ここにつるぎを残していったら、野蛮な奴が悪用する恐れが――
おうは思いつく。
――そうだ、この城の中にモンスターを放とう。
そうして、城の中にいるモンスターを倒してこの玉座に辿り着いたものが、このつるぎを手にできるのだ。
野蛮な奴なら、モンスターがいるだけで、恐れて逃げるだろう。
玉座まで辿り着いたものなら安心して渡してもよいだろう。
きっと何かの役に立てるに違いない。
そして……
キングのつるぎ を てにいれた
つるぎのおうのかきおき を てにいれた
わたしは これから しゅぎょうのたびへ いくことにした
私が つるぎのちからに まんしんしすぎていた
だから わたしは おのれを きたえなおしに しゅぎょうを しにいくのだ
このつるぎは ここまできたものに たくそう わたしには もう ふようのものだ
だが ひとつだけ たのみたい
このつるぎを あくようしないでくれると ありがたい
つるぎのおう
【つるぎのおう@魔界塔士Sa・Ga 旅立ち】
215
:
◆uPLvM1/uq6
:2013/01/30(水) 16:11:49
投下終了です
216
:
◆aDSyeWo6LI
:2013/01/31(木) 23:51:42
┤´д`├┐、その他中野TRF勢、投下します
217
:
◆aDSyeWo6LI
:2013/01/31(木) 23:53:01
「台車通るよー!」
「5様起きてー、5様起きてー、起きてる?」
◇
ここは、中野ブロードウェイ4階の一角にあるゲーセン、中野TRF。
主にマナーの悪い北斗勢、最大勢力の餓狼MOW勢、新規にやさしいカオブレ勢、様々な勢力のトップクラスが集まっている
タツカプ勢、新規が多いカオスコード勢、等で構成されているゲーセンである。
そのゲーセンの椅子で寝ている人物がいる。┌┤´д`├┐である。
┌┤´д`├┐がすやすや寝ている中、北斗の大会が始まろうとしていた。
「5様起きてー、大会はじまるよー」
「5様起きた?では第1回戦!1P側に座るは┌┤´д`├┐シン!。2P側はイチレイ!」
デデデデザタイムオブレトビューションバトーワンデッサイダデステニー
「開幕バクステで様子を見る5様!そこにレイがJDで攻めてくる!」
「このまま固められるか?と、ここでゴクトがカウンターヒット!流石寝起きの5様!」
「ブーストが無いので追撃は出来ないがこのまま起き攻め!」
「撃星嚇舞で切り抜けようとするも読まれてJBめくりから近C、バニまで繋いで壁コン!グレからのゴクトに締めの迫破を
入れてこれでレイ側の星は残り3つ」
「シンの起き攻めも今度は撃星嚇舞で狩られてそのままコンボに!」
「これで体力は5分!先にコンボされたほうがラウンドを落とす!」
「レイがブーストを使用し2Bで攻めようとするが、何が見えてるのか分からないゴクトが刺さったー!」
「JDで追撃し雷震でラウンドを取るのは┌┤´д`├┐シン!」
バトートゥーデッサイダデステニー
218
:
◆aDSyeWo6LI
:2013/01/31(木) 23:54:27
「始まりました2ラウンド目。レイ側はここで1ラウンド取っておきたい」
「お互いゲージもブーストも十分あります。レイ側は星も殆ど無いのでどちらも刺さったらワンチャンで終わる!」
「最初に行動したのはシン!ブー2Bで攻めるもジャンプで避けられる」
「次に仕掛けるはレイ!バリアから近づいてJDで攻める!」
「攻撃をガードしガーキャンで切り返す!これはシン側ゲージが厳しい!」
「ここでレイ側ブー虎破龍!あーっと5様なに食らってんの!」
「これはバスケルート!キリサケッから2B!ブーストは…ミスらない!」
「ミスらない限りこのラウンドはレイのもの」
「バニで星を取ってラウンド取るのはイチレイ!」
ファイナルバトーデッサイダデステニー
「最終ラウンド、ゲージ状況もお互い世紀末!2ラウンド目と同じく刺さったほうが死にます!」
「先に仕掛けるはイチレイ。飛燕流舞で牽制。」
「しかしその行動を読んでいたかの如くゴクトが刺さる!」
「ブーストで追撃し壁コンをして締めの迫破!これでレイ側は星ゼロだー!」
「起き攻め小足で攻めるもガードされて起き攻め失敗!」
「レイ側がJBで攻めるもこちらもガード!」
「ここでまさかのブー虐指葬!地獄へ突き落としてやる!」
「星が無いのでこのまま1撃!何本目に死ぬかな!」
「ラウンド取ったのは┌┤´д`├┐シン!寝起きの5様強すぎる!」
このまま5様は2回戦のライブララオウを下し、3回戦のポチマミヤをも下して準決勝にコマを進めた。
準決勝の対戦相手は元住T.Oハート。ハート様使いの中でも最上位のプレイヤーである。
219
:
◆aDSyeWo6LI
:2013/01/31(木) 23:57:28
「準決勝第1回戦!1P側座るは┌┤´д`├┐シン!2P側は元住T.Oハート様!」
「シンVSハートは7:3でシン有利だが、相手はハート様最上位プレイヤーなので試合がどう転ぶか分からない」
「さあ、試合が始まってお互い最初は下がって様子見」
第1ラウンドは変わった様子はなく┌┤´д`├┐がラウンドを取ってラウンド終了。
周りから「5様!5様!」と喝采が聞こえて騒がしいがTRFでは日常なのでさして問題ではない。
問題は2ラウンド目からであった。
「2ラウンド目。どっちもゲージが1ゲージといった状況、試合の展開によって勝利が決まると言ったところか」
「開幕バニで仕掛けたのは5様。しかしハート様、これをアジガ」
「シン側、続いて攻めるも殆どの攻撃をガードされる」
5様の攻めが継続されても、元住T.Oハート様には一撃足りとも届いてないどころかガードによってゲージまで溜まっている。
ハート様のゲージが溜まればガード中に繰り出される攻撃は勿論「どこからでもどうぞ」である。
この技、通常版とガーキャン版があるのだがどちらも相手にHIT後レバーを相手側に倒しておくと、ハート様が前転して追撃可能という中々凶悪な技なのだ。
しかも今回、シンに向かって使用したのはガーキャン版。この技からゲージの状況によって10割いけるぐらいにはぶっ飛んだ技の一つだ。
「ハート様のどこからでもどうぞによって5様ピンチ。これからいてぇよ〜!!まで繋がればミス以外で5様の脱出は不可能です」
「ガーキャン版から立Dに繋げていてぇよ〜!!が発動!」
「掴み投げが入って、こうなるとこのラウンドは終了です!」
220
:
◆aDSyeWo6LI
:2013/01/31(木) 23:58:50
この後、ハート様はミスることなく掴み投げを続けラウンドを取り、お互い1-1で最終ラウンドに進んだ。
途中、元住T.Oからの5様に向けて「叫ぶ?もう一回?」「楽しいやマジで」等と煽りもあったが。
運命の最終ラウンド、ゲージや星の状況的には5様有利だが相手が相手なので油断はできない。
開幕ゴクトブッパで始まった最終ラウンド。しかしこのゴクトがハート様に刺さってしまう。
ゴクトがカウンターヒットし、そこから遠Dでの追撃で本日何回目になるか分からない壁コン。
これだけでハート様の体力ゲージは4割近く減って、星も2つほど無くなっている。
続いてシンがJBでの起き攻めを仕掛けるが、これを発生の早い立Aで難なく撃墜。
今度はハート様がめくりJDでの起き攻めを仕掛けるとシン側はガードできずに食らってしまう。
めくりJDから2B、そしてバニまで食らって画面端までふっ飛ばされ、ハート様が前転からの追撃でシン側の体力は残り5割。
またもハート様がめくりJDでの起き攻めを仕掛けようとするも、そこに5様の代名詞とも言える
ナント5クトケン
┌┤´д`├┐/
彡│ │/
彡 レ´
が、刺さるも追撃をミスって逆にハート様の奥義を食らい逆転される5様。実に5様らしい負け方である。
「5様大丈夫かあ〜?」
「5様?NDK?」
「誰か5様にネクター買ってこい」
「元住さんのこのホッコリ顔」
「5様がキレた!マジギレなんだけど!」
周りに煽られ、野次を飛ばされながらも┌┤´д`├┐の挑戦は終了した。
5様よ永遠に。5様フォーエーバー。
【┌┤´д`├┐(シン)@AC北斗の拳 本日の5様はすべて終了いたしました】
221
:
◆aDSyeWo6LI
:2013/02/01(金) 00:02:29
これで投下終了です。
初SSなので稚拙な文章が羅列されてますが感想もらえると嬉しいです。
以下修正
×主にマナーの悪い北斗勢、最大勢力の餓狼MOW勢、新規にやさしいカオブレ勢、様々な勢力のトップクラスが集まっている
タツカプ勢、新規が多いカオスコード勢、等で構成されているゲーセンである。
○主にマナーの悪い北斗勢、最大勢力の餓狼MOW勢、新規にやさしいカオブレ勢、
様々な勢力のトップクラスが集まっているタツカプ勢、新規が多いカオスコード勢、等で構成されているゲーセンである。
×「撃星嚇舞で切り抜けようとするも読まれてJBめくりから近C、バニまで繋いで壁コン!グレからのゴクトに締めの迫破を
入れてこれでレイ側の星は残り3つ」
○「撃星嚇舞で切り抜けようとするも読まれてJBめくりから近C、バニまで繋いで壁コン!グレからのゴクトに締めの迫破を入れてこれでレイ側の星は残り3つ」
222
:
◆aDSyeWo6LI
:2013/02/01(金) 00:07:06
タイトル忘れてました
タイトルは「┌┤´д`├┐<オレハモウネル」でお願いします
223
:
名無しさん
:2013/02/01(金) 15:20:45
投下乙!
5様は平常運転だったかーw
224
:
名無しさん
:2013/02/04(月) 03:06:09
投下乙〜
サガ勢はそのまま原作に続いたか……と思ったらデスマシーンはまだしも、つるぎのおうwww
いやいきなり倒される原作よりはいい終わり方したと思うけど、なんでこいつのパートが一番しっかりしてるんだよwww
5様はある意味書き手にもTRF勢にも愛されてるなーw
こちらもまたいつもどおりかーw
225
:
◆oub/vvrBRg
:2013/02/05(火) 15:30:04
現在地ツール、近日中に削除いたします。
そして地図のページにもともとの地図画像と、最終現在地を掲載しておきました。
226
:
名無しさん
:2013/02/06(水) 21:39:46
>>225
了解しました!
本編の間はお世話になりました
227
:
◆oub/vvrBRg
:2013/03/13(水) 00:30:10
初めまして、そうでない人はお久しぶりです。
現在、投票で決めた各パロロワ企画をラジオして回る「ロワラジオツアー3rd」というものを進行しています。
そこで来る3/17(日)の21:00から、ここを題材にラジオをさせて頂きたいのですが宜しいでしょうか?
ラジオのアドレスと実況スレッドのアドレスは当日にこのスレに貼らせて頂きます。
詳しくは
ttp://www11.atwiki.jp/row/pages/49.html
をご参照ください。
228
:
名無しさん
:2013/03/15(金) 03:11:41
おおー!
遂に新安価もラジオが!
どうぞどうぞ
229
:
名無しさん
:2013/03/15(金) 16:13:54
月報の方、集計お疲れ様です。
新安価 75+36話(+ 111) 2/65 (- 63) 3.1(- 96.9) 完結!
230
:
◆oub/vvrBRg
:2013/03/17(日) 20:46:52
ロワラジオツアー3rd 開始の時間が近づいてきました。
実況スレッド:ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/5008/1363520730/
ラジオアドレス:ttp://ustre.am/Oq2M
概要ページ:ttp://www11.atwiki.jp/row/pages/49.html
よろしくおねがいします
231
:
◆1GiZbsHFZI
:2013/03/26(火) 16:13:12
投下します。
232
:
今日にさよなら、明日におはよう。
◆1GiZbsHFZI
:2013/03/26(火) 16:20:49
雲は優雅に紺碧の海を泳いで、大地には葦が気持ち良さそうにそよぐ。
懐かしい土の匂いが鼻をくすぐって、琥珀色に輝く太陽は目の奥にじんじんと染みた。
風が吹いた。髪をさらって、肌を掠めて、遥か彼方へ吹き抜ける。心地良かった。
清々しい青空の下、青年は土を蹴り上げ地を駆ける。気温はほどほど、湿度は低い。
踊る肩、切れる息。額の汗は滑り落ち、シャツは生傷の多い肌に張り付く。足は浮かぶ雲の様に軽い。
何処にだって行けそうだった。何だって出来そうだった。
そこには、全てがあった。
「リッド! おっそーい!」
聞こえた声に、青年は足を止めて辺りを見渡す。さして苦労もせず声の主は見つかった。
目が痛くなる様な橙色のラシュアン染めのワンピースは、鬱蒼と茂る木々に映え過ぎるくらいだ。
少女――ファラ=エルステッド――は、背を木に預け、青年をじとりと睨んでいた。
「わ、わりぃ……ちょっと寝ててよ」
そう言って頭をぼりぼりと掻く青年へ向けられるのは疑いの眼差し。
「 ぁ ゃ ι ぃ 」
「いやいや嘘じゃねぇって!」
慌てて諸手をあげてリアクション。そう、嘘ではない。いや……厳密には嘘になるのかもしれないが。
なにせ自分は“起きてはいた”のだから。
いたのだが……不思議な事にこちらでは“寝ていた”らしい。
どうにも腑に落ちないし矛盾してはいるが、頭のリボンがそれを真実と言うのだから仕方がない。
青年は眉間に皺を寄せる。難しい理屈は分からないが、とにかくどうやら“寝ていた間に違う世界で起きていた”らしかった。
「……しっかりしてよね」
「わーってるよ。行こうぜ」
怪訝そうな顔を向ける少女へ適当な返事を投げ、青年は踵を返す。
「皆が来てんだって?」
暫く歩いて、ふと思い出したように青年は尋ねた。
「うん」少女が頷く。「暇が出来たから遊びに来たみたい」
青年は口をへの字に曲げた。“一体今はいつだ?”浮かぶ疑問に応える者はいない。
参ったな、と青年は舌を巻いた。何故って―――――彼には記憶がなかったからだ。
この世界に飛ばされた影響かは判らないが、正確な日時把握が出来ないようだった。
今がいつ、どのタイミングなのかが脳内ではっきりとしなかったのだ。
「……セレスティアからか?」
故に青年は足を進めながら恐る恐る尋ねる。自分の世界のことなのに、分かることは何もない。奇妙な感覚だった。
「? それ以外どこから来るのよ?」
少女は小首を傾げて言った。青年は何かを取り繕う様に頭をぼりぼりと掻く。
「え? いや、あはは! そ、そうだよなぁ。わざわざご苦労なこって。
……チャットとフォッグも一緒なのか?」
「チャットは一緒だけどフォッグは領主の仕事が忙しいみたいでお留守番だよ」少女は再び首を傾げた。「三日前に手紙きてなかったっけ?」
「あ? あー、ああ! そそそそうだったな! うん、そうだった!!」
訝しげな表情を見て苦笑い。当然、手紙なんて貰った覚えはない。
間違いなかった。此所は確かにエターニアで、インフェリアで……しかし自分の知らない世界だ。
記憶はネレイドを倒した辺りで途切れている。
フォッグがセレスティアの総領主になっているという事は、おそらくそう遠くない未来なのだろう。
「……ちょっと大丈夫? なんだか変だよ」
少女が心配そうな表情でこちらを覗き込む。ごくりと喉が鳴った。
「お、おう! 大丈夫、大丈夫」
「ならいいけど……それよりリッド」
なんだよ、とぶっきらぼうに青年が言った、その瞬間だった。
「そのリボン……何?」
石化する思考。どっと毛穴から噴き出す汗。無邪気な表情から飛ばされたあまりにも素朴な質問に、思わずぎょっとする。
しまったと舌を巻くがもう後の祭りだ。迂闊だった。取るのを忘れていた。
「……。……ああ、これはなぁ」
「“これは”?」
少女は繰り返す。その後一拍、ほんの一拍だけ間を開けて青年は口を開いた。
真っ直ぐな瞳だった。そこには僅かな曇りすらなかった。
「……友達がくれたんだ」
青年は頬を赤らめ微笑む。
「ナニソレ」少女はつられて控えめに笑った。「変なリッド」
「だろ」青年は苦笑を浮かべる。「俺も変だと思う」
233
:
今日にさよなら、明日におはよう。
◆1GiZbsHFZI
:2013/03/26(火) 16:25:08
ーーーーー嘘を吐くことだって、出来た筈だった。
むしろ変に友達だとか言うくらいなら、イメチェンだとかなんとか言った方が自然だったのかもしれない。
下手に突っ込まれて、いい言い訳が思いつく自信もない。
だけど。だけれど、そうはしなかった。したくなかった。
嘘を吐けばこのリボンごとおもいでも絆も決意も、なにもかもが消えてなくなってしまう気がしたから。
風車が回っていた。小鳥が唄を歌っていた。金色の波が麦畑に満ちていた。
故郷ラシュアンはいつもと変わらずそこにあって、世界はのんびりと欠伸をしながら正常に廻っている。
「よう、リッド。……。
…………………。
……おい、なんだその戯けたリボンは。王都の仮装パーティにでも行くつもりか?」
当たり前の日常。約束された平和と、呆れるくらいの自由。
いつも通りの皮肉。紺碧色の髪を弄りつつ、肩を竦める友人は相変わらずだった。
青年はほっと胸を撫で下ろす。そうだ。どうしようもないくらいに、ここが自分の居る世界なのだ。
「うっせーな。どうせ似合ってねーよ」
青年が嬉しそうに頬を膨らませると、学士はハン、と鼻で嗤い後ろの少女を一瞥する。
「聞いたかメルディ。まったくこいつときたらとことん馬鹿だ。
似合ってない自覚があるなら外せばいいだけの話だろう? 違うか?」
「なんだとお?」
額に血管を浮かべ、青年は学士へと足を踏み出す。
前言撤回。誰がほっとなんかするもんか。まったくもってこいつはいつも挑発が過ぎる。
「なんだ?」学士が言って、
足を踏み出した。「暴力で訴える気か? これだから野蛮な猟師は困る」
「お、おま。猟師を馬鹿にすると肉に祟られるぜ、キール!」
「ふん、馬鹿馬鹿しいな。祟りという迷信に近い概念が胡散臭くていかにも田舎らしい。
よし。まずお前には霊魂について話す必要があるようだな」
学士は大きく息を吸うと、人差し指を立てて捲し立てる。
「いいか、そもそもレオノア百科全書第三巻生命学第六十三項よると霊魂というやつはだな、生命体の約三分の二を構成する水晶霊が、
宿主である肉体が失われた事により空間に拡散せねばならない時、ある特異条件下によって拡散せず収束結合する現象によって生まれるものとされている」
「お、おい……ややややめろよ霊とか怖ぇって!!」
青年は怯えた声で叫ぶ。学士はそれを馬鹿にするかの様に溜息を吐いた。
「怖いものか。今からそれを説明するんだ」
「ワイール! キールがお話、面白いけどちょっと長いな。短くお願い!」
げ、と眉を顰める青年。どうやら乗り切らしい晶霊技師を尻目に視線だけで後ろの少女へ助けを求めるが、首をふって肩を竦めるだけだ。
諦めろ、ということらしい。そんな殺生な……。
234
:
今日にさよなら、明日におはよう。
◆1GiZbsHFZI
:2013/03/26(火) 16:29:21
「いや面白かねぇしだいぶ長ぇよ……なぁ、怖い話はもうやめようぜ?」
「黙って聞け。ここから先は僕の持論だが、これにはファキュラ説とそれに伴うカロリック流動が密接な関係にあると言えるだろう。
仮にファキュラ説が正しく、晶霊群に意思があるとするならば、肉体を構成するそれらは当然宿主に依存する。自然物とは逆にな。
さてここで問題だ。肉体的な死により宿主を無くした水晶霊群はどうなると思う?」
「んー、消えちゃうか?」
晶霊技師が小首を傾げて言った。学士は頷く。
「うん、まぁ正解に近いが少し違うな。答えは拡散だ。水晶霊群は肉体から乖離し大気を漂う。
しかしファキュラ説が正しいならば、そこにイレギュラーが発生する。
宿主の記憶を持つ晶霊群が元の形を取ろうと意識的に集合し、晶霊圧を増加させるケースがあるからだ。カロリック流動がこれには関係している。
仮に肉体の晶霊の群ないしは単体側に意思があるならば、僕達の意思が否定される事になりかねないから、この論は兼ね正しいと言っていい」
「ねぇメルディ、チャットは?」
「船でお留守番だよ。整備とか言ってたな」
「そっか。後でチャットも呼んで皆でご飯食べよ?」
「ワイール! ファラがお料理久しぶり!」
「オムレツ! ファラ、俺オムレツ食いてぇよ!」
「しかしながら、霊体は半透明で消える事や乗り移る事も可能だと言うし、だいいち目視可能というのは肉体がない前提からいくと不可解だ。
そこでカロリック流動を持ち出すのだが、その前に第一条件として水晶霊と光晶霊は相性が良い。水晶霊は光晶霊が生む屈折、反射、吸収、全反射といった反応を全てやってのけるからだ。
さて、カロリック流動はグロビュール歪曲にも関係するのは周知の事実だが、霊体によくある大昔の人物という設定や、半透明、消失などといった能力はこれで説明がつく事くらいはもう分かるな?
そう、グロビュール歪曲による長期スパンでの特定場においての晶霊圧力場の発生と、カロリック流動と水晶霊群の反応による蜃気楼の発生だ。
分かるかリッド?」
「いや……“そう”とか自信満々に言われても全然わかんねぇよ」
さっぱりだね、と溜息を吐く青年。学士は眉を潜めたが、直ぐにこほんと咳払いを入れて話を続けた。
「馬鹿は置いといてーーー「おい、バカって言ったかバカって!?」ーーー卵と鶏どちらが先かという話はここでは捨て置くが、
つまるところ霊魂というものは残留思念体に似たものだと考えられ、晶霊学で説明がついてしまうんだ。
これを元に考えれば、モンスターの肉体に水晶霊が含まれていない事や、
水晶霊が飽和して霧状になり現界しているいざないの密林などにおいて、霊魂、ひいては幽霊の類の目撃例が数多くあるのも頷ける。
即ちファキュラ説の立証は晶霊学の発展のみならず生態学やオカルト現象の解明においても欠いてはならない課題であり、一刻も早く取り組む必要があるのだが、
アカデミーや王立天文学会の頭が固いプライドだらけの老害連中は、自分達が支持してきた今までの常識が覆される事に強い反感を持っているため、
ドカターク効果の検証やオリナシ方程式の虚数解においても未だにーーー……」
目尻に涙を浮かべて大きな欠伸をする青年と、腕を組んで偉そうにふんぞり返る学士。
その間へ、半ば呆れたように少女が割って入った。
「ストップスト〜ップ! そこまでだよ二人共!
久し振りの再会なんだからそのへんにしておきなさい!」
「いや二人ともって……明らかにキールが悪いだろ」
「つべこべ言わないの!」
235
:
今日にさよなら、明日におはよう。
◆1GiZbsHFZI
:2013/03/26(火) 16:32:22
ぼそりと零れた愚痴にぴしゃりと激が飛ばされ、へいへいと青年は溜息を吐く。
そこへ追い打ちをかけるように、
「そうだ落ち着け、情けないぞリッド」
と煽る声。青年はむっとして学士を睨みつける。
「……てめぇなぁ」
「こら! キールもいちいちつっかからないの!」
「そうだよぅ。リッドが可哀相。キールが意地悪な!」
「わ、悪かったよ……」
手が出る前に咎める少女達は流石というべきか。青年はしょぼくれる学士を一瞥し、やれやれと首の骨を鳴らした。
「……ったく。どいつもこいつも似合ってねー似合ってねーって言いやがって」
学士に説教する少女から離れ、青年は頭のリボンを弄りながら一人呟いた。似合ってないことくらい、分かっているのだ。
暁美ほむら。どちらでも良かったが、今考えてみれば彼女の一言が十中八九世辞だった事くらい、馬鹿な自分でも想像がつく。
でも。
「ワイール! そんな事ないよリッド! そのリボン、メルディがとっても好き!」
……でも、それがどうした。不満も怒りも、何もかもを吹き飛ばす様なとびっきりの笑顔でそう言ってくれる仲間が、一人だけ此処に居た。
「めるでぃ」
無意識だった。口をついて出た彼女の名は呆れるくらい間抜けな音で、自分でも吹き出してしまいそうだった。
「はいな」彼女はそんな気持ちを知ってか知らずか、儚げに笑って青年の手を取った。「メルディは此処に居るよ」
青年の掌に、柔らかな肉の感触と共に熱が染み込む。彼女の手はほんのり暖かかった。
当たり前だった。だって、彼女は“生”きているのだから。血潮が流れているのだから。この世界に立っているのだから。
「メルディ」青年は繰り返し、彼女の手を強く握り返す。声は情けなく震えていた。「ごめん、ごめんな……ごめん」
彼女を見ないようにしていた。何処か喋りかけられないように祈ってしまう自分がいた。
こちらで起きてから、青年は自分なりに考えたのだ。ノアを倒す為にワープさせられた人数は四人。うち二人がプログラムである自分と暁美ほむら。
世界が崩れる瞬間、元のマスターデータに返されたのは自分だけ。メルディやクレス=アルベインは居なかった。
そして元のマスターデータに触れる事が出来たのは暁美ほむらただ一人。
つまりーーーあの世界のメルディは、もしかしなくとも。
だから、罪悪感が拭えなかった。あっちではきっと救えなかったから。
誰かを守る為に極光術を覚えたのに、おそらくそれすら嘲笑して世界は彼女を奪っていった。そしてあの時の自分はそれすら知らなかった。
それがどうしても喉に引っかかって、後ろ髪を引っ張って、しようがなかった。
結果的に彼女は生きている。それでよかったのだけれど、良いわけがなかった。
許しを乞いたいわけじゃない。これはけじめだった。もう二度と大切な誰かを喪ってしまわないよう、自分に課す戒めの楔だった。
236
:
今日にさよなら、明日におはよう。
◆1GiZbsHFZI
:2013/03/26(火) 16:35:07
「なんで謝るか?」しかし、彼女は言うのだ。「メルディはリッドにいっぱいいっぱい、ありがとう言いたいよ」
「でも、俺は」
「リッド」
彼女の手が両頬に確りと添えられる。情けなく歪んだ顔が彼女の双眸に映っていた。
「そのリボンーーーーーーーーーーーとっても似合ってるな」
はっとした。熱い何かが青年の胸にこみ上げる。全身が震えるようだった。
リフレインする記憶。フラッシュバックする台詞。ふと頭に過ぎる奇跡に近い可能性。
その言葉をトリガーにして、雪崩の様に全てが押し寄せた。
「メルディ、お前、まさか」
騒がしく高鳴る心音。焦点の合わぬ瞳。青年の言葉は赤子の様に辿々しかった。
目の前の彼女は、やはり笑って頷く。
「うん。全部、リッドが“おもいで”な」
「へへ……なんだよ、ったく」
青年は気の抜けた表情で嬉しそうにそう呟くと、小さく鼻を啜った。
「アリガト、リッド。この世界を守ってくれて」
少女は青年の顔から両手を離すと、くるりと回った。髪が微風に揺れて、桃色のワンピースががふわりとバルーンを作る。
「メルディ、幸せだよ」
嗚呼、なんてことはなかったーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーその一言で、充分過ぎたのだ。
「おいお前ら、こそこそと何の話だ?」
無粋な奴の無粋な一言にあっと言う間に現実に戻され、青年は苦笑した。ぶちこわしだっつーの。
「知らない! 意地悪キールには内緒だよう」
「うぐ。な、なんだよそれ……」
あかんべえをする晶霊技師にあからさまに動揺する学士を見て、青年は思わず吹き出した。
嗚呼、成る程これは確かにぶちこわしだ。でもーーーーーーそれも悪くないと思うのは、なんでだろう。
「お? なんだキール傷付いたのかよ?」
「だ、黙れ!」
「ちょっと二人共!」
「キール走ったらあぶないよぅ。また今朝みたいにこけちゃうよ」
「おい聞いたかファラ。今朝みたいに、だってよ。ぷぷぷ」
「よ、余計な事は言うなお前! こいつが調子に乗rだぶべっ」
「「「……あ」」」
それから船の整備に精を出す海賊と合流して、青年達は少女の家で沢山話した。
学士の転け方があんまりだったとか、セレスティアは今異常気象が多発して大変だとか、宇宙が綺麗だとかなんだとか。
暫くして、海賊の少女が今日インフェリアに来た理由を青年達に告げた。近況報告ともう一つ、歓喜の町ジイニへ皆で行くからなのだと。
「しかしなんでまたジイニなんだ?」
青年が肉を頬張りながら尋ねる。
わざわざジイニへ行くだなんてそんな物好き、ギャンブラーくらいしかいないと思っていたからだ。
どうやらそう思っていたのは青年だけではなかったらしく、学士がうんざりした顔でパンヤ麺から箸を離した。
237
:
今日にさよなら、明日におはよう。
◆1GiZbsHFZI
:2013/03/26(火) 16:37:47
「まったくだよ。でもチャットが行きたいと聞かなくてな……。
一人で行けと言ったんだが、なんでもジイニでは12才以下は同伴が要るらしいんだ。
で、どうせ遊ぶならリッド達も誘うとメルディとチャットが言い出した」
「でもちゃんと公平にするよう多数決にしたじゃないですか」
「多数決!」海賊の茶々に学士が裏返った声を張り上げた。「多数決だって!?」
何が公平なもんかと眉間に皺を寄せると、学士は続けた。
「あれを多数決と言おうもんなら戦争が起きるね。いいかチャット、ああいう結果が分かりきってるのは“数の暴力”と言うんだ。
当然の様に僕が負ける。まったくもって始末が悪い茶番だ」
肩を竦ませ学士が悪態を吐く横で、けれども海賊はにかりと笑った。
「いいじゃないですか。キールさんもなんだかんだで皆さんと会いたがってましたよね?」
「……ほぉ〜?」
「なぁにキール、私達にそんなに会いたかったの?」
「そうだよぅ。キールが素直じゃないな!」
「ば、ばばっ、馬鹿を言えっ。だだ誰がお前らなんかにああああ会いたいもんかっ」
嫌らしい笑みを浮かべた青年達を尻目に、学士は苦虫を噛み潰した様な表情を浮かべ、咳払いを一つ。
「ごほん。ま、まぁそれは置いといてだ。
ティンシアからジイニへ、サイグローグという人物からあるアーケードゲームが輸出されたそうなんだ。それが目当てだよ。
世界で初だから見たいそうだ。サーバーという新技術を使った珍しいシステムらしくてな、プログラムが気になるんだと」
へぇ、と少女が呟くと、隣の海賊が銀色のフォークをくるくると回しながら口を開いた。
「そのアーケードゲームの開発元はアークシステムワークスと言うのですが、ぱっと出の企業で誰も知らないっていうのも気になるんです。
信じられますか? ティンシアから輸出されたくせに、街の裏の顔でもあるフォッグさんやアイラさんも知らなかったんですよ!?
一体誰が資金援助して、誰があそこまで高度なものを完成させたのか……下手をすれば軍事用にも使えるとの噂ですし」
ぐんじよう、と少女は繰り返す。それが本当ならぞっとしない話だ。
「どうでもいいけどよ、あぁけぇど……なんだって?」
青年が皿の上のオムレツをかっさらいながら尋ねる。学士はやれやれとかぶりを振った。
「ふん。“アーケードゲーム”だ。世界を旅した癖にそんな事も知らないのか?
この程度セレスティアでは常識だぞ。雷晶霊に謝れ」
「お前はいちいち嫌味な奴だなぁ……ゲームくらい知ってら。ウィスみたいなもんだろ?」
238
:
今日にさよなら、明日におはよう。
◆1GiZbsHFZI
:2013/03/26(火) 16:42:14
覚束ない動きで肉を切り分けながら青年が言ったが、学士は呆れた表情で黙り込む。
確かにウィスはゲームだが、カードゲームであってアーケードゲームではない。
「……。聞いたかメルディ。こいつジイニのカジノに行った事があるくせに、ゲームのなんたるかを何も理解してないぞ」
「メルディもダンスしか覚えてないよ?」
「俺はインドアな遊びは苦手なんだよ」
青年がナイフを片手に肩を竦ませた。学士はふぅと息を吐いて箸を置くと、ナプキンで丁寧に口を拭き水を飲んだ。
その動作が何を意味するのか青年は理解すると、逃げるように隣の少女へ視線を配る。
「おいおい、こりゃぁまた始まるぜファラ」
「知らない。リッドが悪いんだもん」
「勘弁してくれよ……」
しかし少女はどこ吹く風。すまし顏でソディを自分の料理へ振りかける。
「いいかリッド。アーケードゲームというのはだな、雷晶霊の力を地晶霊を利用して制作された基盤に流す事で起きる反応を利用した、業務用ゲーム機器の事だ。
そもそもここで言う“ゲーム機器”という単語が何かというのを一から説明すると、セレスティアの文化と歴史に言及しなければならなくなる」
「いや、もういいからメシ食おうぜ……」
「いいや駄目だ。そう言って逃げるのはお前の十八番だからな。空腹など後で満たせばいいだろう?
……そうだな、先ずはお前にも理解できる様にティンシアを中心にして起きた産業革命と、ジイニがその特異な文化を守る為に独自に築いた交易ルートについて話そう。
そもそも何故ティンシアが職人の街と呼ばれ栄えているかだが、これは意外にも歴史は新しく、自由軍シルエシカ発足の際に多額のーーー……」
「ワイール! ゲームゲーム! みんなでやったらきっと楽しい!」
「きっとそうでしょうね!」
「気分乗らねぇなぁ……」
「大丈夫! イケるイケる!」
胸元のペットを抱きながら晶霊技師の少女がハミングすると、それに合わせて胸元で小動物、クィッキーも踊り出す。
青い毛並みが震えると海賊の少女は泣き出して、青年はそれを好機と海賊の皿からオムレツを盗んだ。
話を聞け、と怒る学士に行儀の悪い青年を怒る少女。夜のラシュアンに響く歌い声と泣き声と、罵声と食器の音。
宴はいつまでも続いて、夢のような時間が流れてゆく。窓の外には満点の星、台所からはシチューの匂い。
遠く森から梟が鳴いた。少し冷たい風が吹いて、暖炉の炎はぱちりと揺れる。
桃色のリボンが揺れて、遠く遠く、笑い声がこだまする。
それでいい。それが青年の守りたかった景色なのだから。
239
:
今日にさよなら、明日におはよう。
◆1GiZbsHFZI
:2013/03/26(火) 16:46:25
何処にだって行けそうだった。何だって出来そうだった。そこには全てがあった。
18歳の俺達には世界は広すぎて、けれど世界の何もかもを知ってしまった。
ーーーそう思っていた。
そしてそれは作られたものなのだと彼女は言った。でもそれが真実だろうがそうでなかろうが、何も変わらない。
目の前の笑顔は、空は、風は、光は……嘘じゃないから。
俺達は此処で生きて、生きて、生き続ける。明日は誰にも分からない。未来は誰にも見えやしない。だから、生きてゆく。
あの地平線の向こうには、何がある? 海の底は? 宇宙の向こうは? 答えはきっと、セイファートにだって分からない。
俺達は世界を知った気になっていただけで、まだ何も知らないちっぽけな人だった。
地に足を立て、息を吸ってーーーーーーーーー俺達はこの世界を歩いてゆく。
【リッド・ハーシェル 生還】
240
:
今日にさよなら、明日におはよう。
◆1GiZbsHFZI
:2013/03/26(火) 16:48:33
やたら長くて真面目な内容になってしまいましたが、これにて投下終了です。
241
:
安価でゲームする名無しさん
:2013/03/26(火) 17:51:40
投下乙です。
242
:
安価でゲームする名無しさん
:2013/03/26(火) 22:01:42
うおおおおお、投下乙!
エターニア世界が作られたものだとわかっても、リッドは前を向く。世界が好きだから。
そしてメルディがニッコリしてるぅー! なんかアーケードゲームも登場してるし!
少なからず影響をもたらしてるみたいで、なんともすげえわ
何がすごいってキールの理論がそれっぽいのがすげえwwww
243
:
安価でゲームする名無しさん
:2013/03/27(水) 11:12:36
おおおお、投下乙です!
キールの話なげえよwww
サイグロさん、何やってんの!
モーメントどころかアーケードゲーム自体が歴史に存在刻まれてる―!?
けど何よりも、リッドがいいなー。
地の文とか一人称のとことかすごくリッドらしいし
リボンとかメルディのとこに触れてもらえてて嬉しかった
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